消えた天使 The Flock

●「消えた天使 The Flock」
2007 アメリカ Bauer-Martinez Studios, Double Nickel Entertainment,96min.
監督:アンドリュー・ラウ
出演:リチャード・ギア、クレア・デインズ、アヴリル・ラヴィーン、ケイディー・ストリックランド他
消えた天使 The Flock_e0040938_063885.jpg

オスカーを獲得した「デパーテッド」のネタ元となった「インファナル・アフェア」を手掛けた
アンドリュー・ラウ監督が、ハリウッドデビューを果たした作品。
誰かも書いていたように、リドリーだかトニーだかのスコット監督の編集手法、カメラワークを
感じさせるような出来だ。
リチャード・ギアが、性犯罪保護観察官というあまり映画のネタにならないお役人の、しかも
ちょっと壊れちゃったイタい役を好演しているうちに入るんだろうな。また、邦題が、トホホだ。
ほとんんどDVDスルーとはいえ、もう少しマシな名前は付けられなかったのだろうか。

『18年間、性犯罪登録者の監察を続けてきた公共安全局のエロル・バベッジは退職を
間近に控え、後任となるアリスン・ラウリーの指導を任される。2人で担当地域を巡回する
中で、アリスンはバベッジの行き過ぎたやり方に反発を覚える。
そんな中、若い女性が行方不明になったとの一報が入る。家出の可能性も
取り沙汰されたが、バベッジだけは自分が監視し続けている登録者の中に犯人がいると
確信、さっそくアリスンと共に犯人の追跡を開始するが…。』(allcinema)

「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくては
ならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。」(ニーチェ)という言葉が
映画の冒頭とエンドを飾るように、性犯罪保護観察官バベッジ(ギア)は、観察方法の違法性
をつかれ、クビとなってしまう。そこに後任としてやってきたのが不良歴のある新人女性
監察官ラウリー(デインズ)だった。性犯罪者に対して異常なまでの憎しみを持つバベッジに
付いていけないラウリーは、根をあげて辞めようと決意する。しかし、ある少女の行方不明
事件にかかわり、抜き差しならぬ状態となる。
バベッジは、この少女が必ず生きていて、その犯人は性犯罪者だとカンを働かせたのか
盲信していたのか、怪しい被観察者をいたぶりながら聞き込みを続ける。そこで絶対に
臭い、と思っていた男が関わっていることを突き止める。それは、あるところで発見された
女性の惨殺遺体に、その男と付き合っていた女の刺青を発見したからだ。

確信したバベッジは、その男の隠れ家に接近する。すると、少女らしい悲鳴が聞こえる。
そこで繰り広げられていた光景は、バベッジの受け持ち被観察者の女ビオラが、犯人と
思われていた男を従えて、少女をいたぶって、手足を切断して快楽を得ようとしている姿
だった。ここで観客は、男=レイプ犯=犯罪者という構図を裏切られる。

少女拉致という今回の犯罪は、女は相当昔から拉致や殺人に関わっており、バベッジの
捜査していた少女の持ち物も近くを掘ると出てきた。
ビオラは、男をショットガンで撃ち殺す。少女を助けようとしたとうそをつくが、バベッジは
見抜き、少女を開放し、ビオラの身柄を確保する。射殺したくなる衝動を必死に抑える
バベッジではあった。そして、ラウリーもビオラの頬を殴りつけるのだった。「怪物と戦う者は
・・・」、バベッジの席に座り、保護観察官となったラウリーのショットに、再びこのナレーションが
流れるのだった。

良くできた映画なのか、なんだかなあ、という映画なのか、よく判らなかったというのが正直
なところ。最後のどんでん返しにはハッとさせられるものはあったが、バベッジがなぜ
性犯罪者に対して暴力をふるうまでになっていってしまったのか、その背景がもう少し判ると
良かったのではないか。クレア・デインズの演技はなかなか良かった。
この映画の情報は

こちら
まで。
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2008-12-13 08:07
タイトル : 消えた天使
 『犯人は 人間なのか――。』  コチラの「消えた天使」は、「インファナル・アフェア」のアンドリュー・ラウ監督のハリウッド進出第一弾となった8/4公開のR-15指定のサスペンス映画なのですが、早速観て来ちゃいましたぁ〜♪  主演は、リチャード・ギア。共演に、ク....... more
by jazzyoba0083 | 2008-12-09 22:50 | 洋画=か行 | Trackback(1) | Comments(0)