ソードフィッシュ SWORDFISH

●「ソードフィッシュ SWORDFISH」
2001 アメリカ Warner Bros.Pictures,Village Roadshow Pictures,99min.
監督:ドミニク・セナ
出演:ジョン・トラヴォルタ、ヒュー・ジャックマン、ハリー・ベリー、ドン・チードル他
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寡作の人、ドミニク・セナ、これで3本全部観た勘定。「60セカンズ」「カリフォルニア」と
これだ。タッチはよく似ていると思う。今回は、サイバー対反テロという構図の中で彼らしい
映像表現が繰り広げられる。冒頭、トラヴォルタ扮するガブリエルが、昨今のハリウッド映画
を批評するシーンがあるのだが、部分的にフォーカスがあったり外れたり。趣味なんだろうが、
嫌な人は嫌だろうなと思って見ていた。冒頭、銀行強盗に入ったガブリエルと、ドン・チードル
扮するロバーツ捜査官とが、対峙するシーンからスタート。人質に爆弾を巻き付け、警官らを
押しのけて堂々と逃げようとするガブリエルに、SWATがロバーツの静止を振り切って狙撃。
一味の一人が倒れると爆弾のスイッチが入り、あわれ人質の一人は人間爆弾となり、周辺も
巻き込んで大爆発。このシーンがCGで360度スローで回転していく。ここは見せ場だ。
つかみはOKって感じ。
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そして物語は時間を遡り、強盗に至るまでの説明となる。LA空港に現れた欧州のスゥエーデン
人のハッカーが逮捕された。しかし、彼はFBIの建物に侵入した何者かに殺されてしまう。
もう一人の天才ハッカー、スタンリー(ジャックマン)は、離婚した子供にあってはいけない、
州を越えてはいけないなどと制限つきで暮らす日々。そこに謎の女ジンジャー(ハル・ベリー)
が現れ、ある人と会うだけで10万ドル払う、そのあとどうしようとそれはあなたの自由、とかの
条件を提示、娘に会いたいでしょ、などの甘言を駆使して、スタンリーをボスのガブリエルの
処に連れていく。彼こそ、別れたスタンリーの妻がくっついた相手だった。
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ガブリエルは、スタンリーに対し、麻薬取締局がかつて、ソードフィッシュという作戦を展開し、
麻薬を取り扱うダミー会社を作りそれをおとりにして組織を壊滅させる作戦だったが、作戦が
終了しても、会社に思わぬ利益が残り、それが今や95億ドルにまで膨らんでいる、それを
ハッキングで送金してしまおうというのだ。報酬は1000万ドル。

ある日、ジンジャーが体に盗聴器を付けているところを見てしまったスタンリーは、一体
おまえは何者だ、と問い詰める。するとジンジャーは自分は麻薬取締局の捜査官で、
ガブリエル一味の壊滅作戦を展開中だという。

その後、ガブリエルは、追跡してくる捜査官らを機関銃で乱射したり、かなり荒っぽい行動を
見せる。そしてついに自分は、アメリカにテロを仕掛けてくるやつらに反撃するのが目的だ、
愛国的行動だ、と。その資金稼ぎ目的で95億ドルをかっぱらおうというのだった。
それでロシアから核兵器を買うつもりだとも。こうして冒頭の銀行強盗となったわけだ。
彼らの後ろには、秘密組織を作った上院議員がいた。

3台の大型ハマーで銀行に突っ込んできたガブリエル一味は、人質全員に爆弾を縛りつけ
スタンリーに、送金の手続きをしろ、と迫る。彼らはスタンリーの娘を拉致していた。そのうえ
ジンジャーが吊るされ、1分以内に作業が終わらないと、ジンジャーは死ぬぞ、と脅す。仕方のないスタンリーは、送金捜査をする。そして、娘を確保して逃げようとすると、コンピュータは
送金を停止してしまう。怒ったガブリエルはジンジャーの首にロープを巻き、1分以内に処理
しないと彼女は死ぬぞ、と脅す。このコンピュタは自分の手には負えない高度なものだ、と
いうが、脅しに負けてトライしてみる。そして無事に送金は終えた。ジンジャーは助かったと
思ったが、ガブリエルは彼女を射殺してしまう。「麻薬取締局の犬だ」と言い捨てて。

そして、冒頭の大爆発、ガブリエルは25分後に飛行機を用意しろ、と要求。バスに人質を
乗せ、飛行場に向かうと見せて、上空に現れた大型ヘリがバスを吊り上げた。しかし、ロスの
街を横切るとき風邪でバスをつりさげていたロープが2本切れ、バスは縦に伸びた状態に
なってしまった。しかし、ようやくある高層ビルの屋上にバスを置き、そこに待機させてあった
ヘリで逃げていくガブリエル。スタンリーはバスにあったロケットランチャーを使い、逃げる
ヘリめがけてロケット砲を発射、ヘリは爆発し墜落した。ガブリエルは死んだ、検死官も
歯型が一致した、彼は、元モサドの秘密工作員だ、と説明。
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しかし、モンテカルロでは、殺されたはずのジンジャーが銀行に現れ、入金された金を全額
下した。そして港のクルーザーで待っていたガブリエルと合流したのだった。
ラスト、大物テロリストがまた一人、船の爆発により死亡した、とのニュース。ガブリエルの
仕業と思われた。

ストーリーはおおよそこんなものだが、実はガブリエルの家のワイン倉庫に彼そっくりの
死体があることを、スタンリーは一味に付いているときに見てしまっていた。とすると、事前に
ヘリにもともとのガブリエルの死体を隠しておき、偽ガブリエル(整形したと思われる)は、
ヘリで逃げると見せかけて、ビルから歩いて逃げたというわけだろう。面相が割れている
ガブリエルがどうやって捜査陣が包囲するビルから逃げおうせたかは映画からは判らない。
ジンジャーは、もともと偽捜査官で、ガブリエルの一味であったわけだ。
9.11が起きた2001年6月に公開されたこの作品は、ある意味、あの事件以降のアメリカの
愛国魂を表現しているように思えてくる。そしてアフガン、イラクと。ガブリエルが「アメリカ人が
一人殺されれば村を一つ消す」「10人殺されれば核爆弾を投下する」とうそぶくシーンは
まさに、9.11以降のアメリカの過剰愛国心そのものだったわけだ。
思想的にも重要な時期に創られた映画といえよう。ただのドンパチでなく、ただのミス・
ディレクション映画ではなく、そういうガブリエルもただのテロリストに過ぎないことが判って
くるはずだ。2回くらい見ないと、ガブリエルがどういう人物なのかはっきり分からない。
ただのハッカーにロケットランチャーの操作ができるのか?とかの突っ込みどころも多々ある。
エンディングもなにやら判りにくいという欠点もあるが、アクションシーンは魅力たっぷり。
結局はガブリエルに殺されてしまう黒幕の上院議員がさム・シェパードという豪華な配役。
トラヴォルタは、悪人をやらせると上手い俳優さんだと思った。パルプ・フィクションや
フェイス/オフなんかでも、いい感じでしたよね。
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眠くならずに面白く観させていただきました。
この映画の情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2009-01-04 22:40 | 洋画=さ行 | Trackback(2) | Comments(0)