ジャイアンツ  GIANT

●「ジャイアンツ GIANT」
1956 アメリカ Warner Bors.Pictures,Giant Priductions,208min.
監督:ジョージ・スティーブンス 原作:エドナ・ファーバー
出演:エリザベス・テイラー、ロック・ハドソン、ジェームス・ディーン、
    マーセデス・マッケンブリッジ、キャロル・ベイカー、デニス・ホッパー他

<1956年度アカデミー賞監督賞受賞作品>

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2日続けて、古い名画の鑑賞です。これは、あまりの長さ(3時間30分ほど)に恐れをなして
なかなか観る勇気が起きなかったものです。最近はインターミッションが入る長編大河ドラマ
が作られなくなりましたね。

この映画もストーリー上は難しいことはない映画です。テキサスのベネディクト家の人々を
通して、東部対南部、旧世代対新世代、カウボーイスタイルの経営対油田採掘による経営、
白人対有色人種、男性対女性、などこの映画が作られた時期のアメリカの道徳観を色濃く
提示していきます。

長編なので、ストーリーは下記のリンクに任せるとして、ベネディクト家を構成するのは
3台続く59万エーカーもの牧場を経営するビック・ベネディクトにロック・ハドソン、
馬好きのビックが東部に馬を見に行った時に知り合い、結婚するレズリーにエリザベス・
テイラー、ベネディクト家の使用にだが、石油採掘に一攫千金の夢を見、ついに油田を
掘り当てて億万長者になるジェット・リンクにこの映画が遺作となったジェームズ・ディーン。
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最初は、東部のお嬢さんが荒くれの南部の風土の中で、男女の役割や使用人の扱いに
戸惑いながら、一家のおかみさんとなっていく様。そして生まれた1男2女のそれぞれの
進路や結婚相手に戸惑う。牧場を継がそうと思っていた長男ジョーディは医学を希望し
しかも、貧しいメキシコの村で医者として貧しい人々の医療を助けたいと主張して譲らず、
しかも、メキシコ人の女性と結婚してしまう。
一方、長女は、レズリーがスイスの女学校に行かせようとするが、自分はテキサス大学の
畜産科に進学し、やがて結婚するボブと、小さな牧場を経営したい、という。
さらに次女のラズは、使用人だったが、今や石油成り金となり、ホテルを建て自分の名前を
冠した空港を作るまでになったジェット・リンクと、親子くらいの歳の差があるのに、くっつきそう
な雰囲気だった。ジェットが石油を掘り当てたことから、ビックも最初は牛飼いの生業を
離すことに反対だったが、押し寄せる石油ブームに、自分の牧場でも石油採掘に乗り出し、
自分も石油成り金になっていく。

ビックとレズリーは、何一つ思うようにいかなかったな、とつぶやくが、子供の成長とはそうした
ものだということを言いたかったのだろう。
ビックは自らの中に長男の嫁がメキシコ人であることが、頭では理解できても、心から差別なし
に接しているわけではないことを長男から指摘され、そんな思いで入ったレストランで
メキシコ人を排他する主人と殴り合いのケンカをする。これは、自らの心にある
メキシコ人への偏見に対する訣別の宣言だったのだろう。

そしてジェットが作ったホテルの完成式では、美容院で長男の嫁がメキシコ人だということで
セットを断られることに激怒した長男が、祝典会場でジェットを殴ろうとするが、結局、これが
ジェットとビックの対決になる。しかし、若い時からの飲酒で、すでにふらふらのジェットに
「もうお前は終わりだ」と宣言し、ビックは去っていく。

そして、だれもいなくなった祝典会場で、ジェットは、レズリーへの思いをつぶやくのだった。
彼は、彼女がベネディクトに嫁いできたときから、彼女に恋心を抱いていたのだった。
2女ラズは、これを聞いてしまい、ジェットの自分への愛情が母への恋心の代償行為だった
ことを知り、涙ながらに彼から去っていったのだ。

ビックとレズリーも自分たちで昔の伝統やらを打ち破って生きてきたのだが、同じ輪廻は
自分たちの子供の世代でも起きて、自分らの世代が変わっていくことをいやがおうでも
強く認識させられることになるのだった。

ジェームス・ディーンだた、終始よっぱらいを演じていた。石油を掘り当てて、ビックのもとに
やってきて、噴出した油にまみれた体で、「これからはおれも大金持ちだ」と言ってビックに
殴りかかるが、逆に殴られて去っていくシーンまでは、影のある役柄でそれなりだったが、
成り金となってからは、田代まさしみたいで、その演技が冴えているとは言い難い。役柄が
アル中の成功者だから難しかったのかもしれないが。
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冒頭から画角が計算されつくしたカメラワークが美しい。どれも一幅の画を見ているようだ。
アメリカのよき時代の、家族愛や、社会の仕組みの苦悩を1つの家族の中で集約してみせる。
こんな映画はもう作られないだろうし、作る必要もないのかもしれない。
長男ジョーディを演じたデニス・ホッパーにはビックリ。イージーライダーを撮るころの面影が
ないんだもの。エリザベス・テイラーは綺麗なんだけど、くどい美しさは私にはちょっと。

この映画の情報は
こちら
まで。
また詳細なストーリーは、

こちらをご一読を。
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Commented by オンリー・ザ・ロンリー at 2010-04-18 05:28 x
ロードショー時は小学校の恐らく3、4年。都内といえども、エアコンなどはある筈もなく天井には扇風機がうなり超満員。
同監督の「シェーン」なんぞより遥かに贔屓にしている作品です。確かサル・ミネオも出ていますよね。食堂に入り店主にコテンパンにやられるロック・ハドソン。「この店はサービスを拒否することがあります」を投げ付けられる。「お父さん、カッコ良かったわ。惚れ直したわ」とE・テイラー。ここ、好きなんです。また、GW中にでも観ますかっ。
Commented by jazzyoba0083 at 2010-04-18 19:41
オンリー・ザ・ロンリー さん
サル・ミネオはジェームズ・ディーンとは浅からぬ関係ですね。私より4~5年ほど先輩と拝察いたします。GWに是非こんな長編をまた。そんな時間も素敵ですね。
by jazzyoba0083 | 2009-01-11 00:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(2)