ロンリー・ハーツ Lonely Hearts

●「ロンリー・ハーツ Lonely Hearts
2006 アメリカ・ドイツ Millennium Films,Equity Pictures Medienfonds GmbH & Co. KG III,107min.
監督・脚本:トッド・ロビンソン
出演:ジョン・トラヴォルタ、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ジャレット・レトー、サルマ・ハエック他
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 この映画を観ていて、ブライアン・デ・パルマの「ブラック・ダリア」を思い出した。扱っている
事件が実際にあった殺人事件であること、映像表現がデ・パルマによく似ていたこともある。
この監督さんは、題材になっている、殺人鬼レイ&マーサ事件を捜査した(映画の中では
トラヴォルタ演じるエルマー・G・ロビンソン刑事の実の孫だそうだ。エンドクレジットにも、
じいちゃんへの献辞が出てくる。幼き日の少年である自分の父も表現されている。

アメリカ東部、1940年代後半。妻が謎の自殺を遂げ、それ以来すっかりやる気をなくして
いた刑事エルマー(トラヴォルタ)は、独身女性が謎の死を遂げる事件に何かあると感づいて、俄然やる気を起こす。理由が分からず死んでいった妻への思いのイライラを事件の解決で
晴らそうと見えた。相棒は長年連れ添ったチャールズ(ガンドルフィーニ)は、署内の数少ない理解者の一人。やがて彼らの捜査の網にかかってきたのが、レイ・フェルナンデス(レトー)とマーサ・ベック(ハエック)のコンビ。
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゛相棒、チャールズ=ガンドルフィーニ”

実は、新聞の恋人募集欄「ロンリー・ハーツ・クラブ」に偽の手紙を出しては、戦争未亡人や
独身女性と偽の付き合いをし、金を巻き上げるという恋愛詐欺を繰り返していたレイ。
この新聞に広告を出したマーサは、レイよりも一枚上手。レイに一目ぼれしたマーサはレイを
完全に尻に引き、自分をレイの妹ということにして、さらに戦争未亡人や独身女性から金を
巻き上げる犯行を率先してリードしていくのだった。
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“マーサ・ベック=サルマ・ハエック

レイにひっか方ことのある女性の証言などで、彼らの犯行は明らかになり、次第に包囲網が
狭められていく。映画の中にはジャネットという戦争未亡人で50を超えた女性と、デルフィンと
いう女の子を持つ女性に接近し、いずれも金を目当てに殺してしまうストーリーが描かれて
いく。しかし、マーサの嫉妬心は激しく、詐欺目的で女性に近づくのだが、ちょっとでも中よく
しているような雰囲気を見せると、私と彼女とどっちを取るの、私を愛している証に彼女を
殺して見せて、と迫るのだった。そう迫られると、マーサを愛しているレイは、ジャネットや
デルフィンも彼女の幼い女の子も容赦なく殺すのだった。
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“デルフィンに近づくレイとマーサ”

しかし、デルフィンの家にいるところをエルマー刑事ら警官隊に包囲され、あえなく逮捕されて
しまうのだった。逮捕されたのが死刑のないニュージャージーだったので、彼らはNYに
移され、そこで共に死刑の判決を受けるのだ。映画の冒頭は、死刑がこれから死刑の執行が
行われるというところから始まり、ラストが二人の死刑執行の様子を描く。
ジタバタして電気椅子に座るレイに対して、堂々と、「じゃ、さよならね」と言ってマスクを被せ
られるマーサの性根の座り具合が最後まで現われていた。

結局、しがない結婚詐欺師であったレイは、異常に惚れられてしまったマーサにより、自分の
意思に反して大犯罪者になってしまい、心から愛したレイとともに死ぬことを喜びと感じた
マーサの餌食になったといえる。「死ぬほど愛してる」「殺したいほど愛してる」という表現が
あるが、マーサの、レイに対する愛情はまさにそれであったわけだ。異常ではあったが。

一方で、妻に自殺されたエルマーは署内にレネ(ローラ・ダーン)という恋人が出来ていたの
だが、少年になっている息子の手前、なかなか彼女の存在を言い出せない。これがレネの
心も傷つけ、息子の心にもわだかまりを作ってしまうのだった。しかし、ある日、レネの提案で
刑事仲間のバーベキューパーティーが開かれ、そこでレネと息子は打ち解けることができた
のだった。結局家庭の愛情に恵まれず犯罪者になったレイとマーサ。妻を失い、自暴自棄に
なり家庭崩壊寸前であったがレネの登場で、再び温かい家庭を持つことができたエルマー。
レイを愛したエルマーの愛情も、エルマーを愛したレネの愛情も愛には変わりはないが、
彼女らの育ってきた家庭の愛情の注がれ方が、その愛情を歪んだ方向に進ませたか否か、
という点が浮かび上がってきたようだ。

トラボルタは、ちょっとデブすぎだが、亡くなった妻と息子、そして恋人レネ、さらに犯罪捜査に
打ち込む姿をそつなく演じていたが、悪人顔がどうも善人に見せきれない昨今の彼の
かわいそうな点がある。ガンドルフィーニといい、ローラ・ダーンといいレイ&マーサをやった
俳優さんといい渋い配役であるが、そのあたりが、実際にあった事件を冷静に見せる役割を
担うという点でメリットがあったと思う。
実際の犯罪史を見ると、レイは映画とよく似ているが、マーサは全然似ていない。実際はデブ
だし、美人でもない。内分泌腺異常で、幼いころから性欲亢進に悩まされていて、レイとの
犯罪も、この異常性欲がなしたもの、という見方も示されている。なるほど!
この映画の情報は

こちら
まで。
Commented by zebra at 2011-04-10 09:00 x
おはようございます jazzyoba様 これ 新聞広告に男女の出会いを求め呼びかけるコラム「ロンリーハート」がきっかけで殺人事件に発展したんでしたね。

僕もこの作品見ました。 が...マーサがねぇ~

実在したマーサはサルマほど美人じゃなくて

 実際のマーサ・ベックの写真みました。
サルマのようなセクシー・レディー...じゃなかったぁ~
ひっでぇ~ ブサイク(´д`;)

 僕は 一時期 実録犯罪のいきさつが好きで バラエティ番組の「ザ世界仰天ニュース」や「奇跡体験アンビリバボー」をよく録画していました

  むろん 今回の「ロンリーハート」事件もそのひとつで やはり「仰天ニュース」で過去に取り上げていました 

 レイとマーサも男と女のロマンスがあるにはあるが ちがう方向のロマンスだったため そのロマンスのために殺された犠牲者たちは たまったものではない。

 最後に 新聞広告に男女の出会いを求めるコラム「ロンリーハート」にまつわる殺人事件を 僕は もうひとつ知っています。

 それは 次のコメントにて jazzyoba0083 様に 教えます。

by jazzyoba0083 | 2009-01-17 23:30 | 洋画=ら~わ行 | Comments(1)