2009年 02月 15日
プルーフ・オブ・ライフ Proof of Life
2000 アメリカ Warner Bros.Pictures,Castle Rock Entertainment,135min.
監督:テイラー・ハックフォード 脚本:トニー・ギルロイ
出演:メグ・ライアン、ラッセル・クロウ、デヴィッド・モース、パメラ・リード他
「Ray/レイ」のハックフォードが、「ジェイソン・ボーン」シリーズの脚本家トニー・ギルロイ
と組んだ、サスペンス・アクション+ロマンス作品。ちょっと時間長すぎ。前半部分は
もう少し端折れるのではないかと感じた。人質を取り戻すプロの交渉人(クロウ)の頭脳戦か
と思ったら、後半はゲリラとのドンパチで、誘拐された男の妻(メグ)とクロウのラブロマンスも
少々加えて出来上がっている。
物語としては面白いはずなのだが、少々間延びしてしまっているのと、最後、ラッセル・
クロウがかっこよすぎ。なんだかスティーヴン・セガールの勧善懲悪ものを見ているようだ。
ロンドンの保険会社の人質解放交渉人テリー・ソーンは、南米のテカラという国で、ダムの
設計技師ピーター・ボーマンが誘拐され、身代金が要求されているということで派遣される。
ピーターは石油会社に属しているが、コカイン畑にパイプラインを通した会社に恨みを持つ
ゲリラたちにとって、ピーターは直接石油とは関係ないのだが、そんなことはお構いなしに
誘拐してしまう。しかし、石油会社は倒産し、より巨大な会社に合併され、その時に保険を
解約してしまっていたのだった。会社から引き揚げるように指示され、いったんはロンドンに
帰るのだが、悲しみに暮れるピーターの妻アリス(メグ)の姿に、テリーは再びテカラに
戻ってくる。そして、300万ドルを要求しているゲリラと、無線で解放に向けた交渉に入る。
ピーターは、劣悪な環境の中、同じく誘拐されたドイツ人の宣教師と暮らすが、ある日、
隙をついて2人で脱走を試みるが、ピーターは足を罠に足を取られ、捕まってしまう。
宣教師は命からがら脱出に成功、救助され、アリスたちと面会する。
夫は死んだ、と信じてしまったアリスだったが、死体が出てこない以上、交渉は続けると
主張するテリーだった。
そんなおり、ピーターの家の使用人がゲリラの無線の声に聞き覚えがある、という。
そこから交渉の相手を割り出し、ピーターがまだ生きていることを聞き出したが、交渉は
打ち切られた、すでにに人質に価値はない、ピーターはもう帰らない、と言われる。
そこでテリーは、軍事訓練を積んだ仲間たちと、ピーターの奪還作戦にでる。
政府軍をにせの情報で焚きつけてゲリラの近くに出動させ、兵士が不在になったキャンプに
入り、ピーターを確保、激戦の末に、ついにピーターをヘリで救出したのだった。
妻の待つところへ帰ってきたピーター、そしてテリー。テリーとアリスはお互いに惹かれあう
仲になっていたが、テリーは、アリスに「あなたの気持は判っている。だがすぐにこの国を
離れろ、ダラスに向かえ」と別れを口にする。目に涙のテリー。ピーターはアリスに会いたい
一心で必死で逃げてきたのだ。そんな旦那を放り出してテリーに走るわけにはいかない
だろう。誘拐される直前は離婚寸前までいっていたピーターとアリスは、空港に向かうクルマの
中で「やり直しだね」と語りあうのだった。しかし、アリスの目に映っていたのは、テリーの
姿だったろう。
一方、テリーは、離婚して12歳の男の子がいるのだが、危険な仕事ゆえ再婚はしない主義
であったのだが、貫きとおしてしまったわけだ。
テリーがアリスに心を寄せるのはいいが、両想いにする必要があったかなあ。テリーの片
想いでよかったんじゃないかな。それと誰かも言っていたが、メグ・ライアンがどうも
コケティッシュで、、リアリティに欠けちゃうんだな。ケイト・ブランシェットや、ニコール・
キッドマンだったら、また違った映画になっただろう。
ま、きちんとカタルシスもあり、観終わった後が不快になる映画ではないが、もう少し締まって
くれれば良かった。
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