危険な年 The Year of Living Dangerously

●「危険な年 The Year of Living Dangerously」
1982 オーストラリア MGM Pictures,McElroy&McElroy 116min.
監督:ピーター・ウィーアー
出演:メル・ギブソン、シガニー・ウィーヴァー、リンダ・ハント、マイケル・マーフィ他
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<1983年度アカデミー賞助演女優賞(リンダ・ハント)受賞作品>


「いまを生きる」「トゥルーマン・ショー」のオーストラリア出身の監督ピーター・ウィアーが、「マッドマックス」
でブレイクした、これまたオーストラリア育ちのメル・ギブソンのハリウッドデビュー作としてメガフォンを
取った作品。シガーニー・ウィーヴァーは、ヒット作「エイリアン」の翌々年の作品になる。リプリーの
頃の顔立ち。

お話は、1963年スカルノ統治時代のインドネシアで、オーストラリアからやってきた放送記者ガイ・
ハミルトン(メル)とイギリス大使館武官付きの女性ジル・ブライアントの恋愛模様を織り込みながら、
ガイのアシスタントでカメラマンの中国とアメリカのハーフのビリー・クアン(リンダ・ハントの男役)の
祖国を思いつつ、スカルノに裏切られていく絶望感を描いていく。
良くある戦場を舞台にした恋愛ものか、ビリーの無念を描いたものなのか、中途半端な感じがしないでも
ない。インドネシアという国は映画の舞台になかなかならないのでアジア人としては面白い「物語」と
して観ることは出来た。
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リンダ・ハントは145センチという身長を活かし(?)、この映画の中で唯一と言って過言ではない輝きを
放っている。ビリーの生い立ちなどはあまり説明されないし、彼がガイやジルの資料を集めているため
どこかの情報部員かとガイたちに疑われるが、これも最後までどうなのかは判らない。(たぶん、純粋に
アシスタントなんだろうと思われるが) アジア人とアメリカ人とハーフで、時あたかも、インドネシアが
共産党軍と回教徒軍で内戦寸前という状況なら、彼の悩みをもっと前面に出した方が映画として味が
出たのではないだろうか。 なんかメルとシガーニーの陳腐なラブストーリーが前に出てしまったのは
残念だ。
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"Linda Hunt in Oscar winning performance "


内戦が始まるか、という時、イギリス大使館にいるジルはテレックスで入ってくる乱数の情報で、
共産軍の武器がシンガポールを出た、という極秘情報を知る。彼女は、愛してしまったガイに、私と
逃げて、と言ってこの情報を彼に伝えるが、彼はこんな重大な情報を取材して放送しないことはできない、
と放送する。そんなガイに、ビリーは彼女をあてがったのは私だ、おまえは彼女を裏切った、おまえは
ジルを失った、と宣言する。

一方、ビリーが世話をしていた幼い子供が病気で死んでいった。また国中で食糧が足りず、国民は
飢えに苦しんでいた。そんな様子を身近に感じたビリーは、それまで自分の中のスカルノが実は国民の
ことを省みない裏切り者として映り始めた。そんなビリーは西欧人が泊まっているホテルから、
「スカルノは国民に米を」という垂れ幕を掲げ、SPに窓から突き落とされて死んでしまう。

内戦が近づく。クーデターが起きて国会が回教徒軍に占拠された。取材に出かけたガイは、軍隊に
殴られ、網膜はく離で安静の身に。予定通りロンドンへ帰るジルを追って、ガイも空港へ向かうが、
そこには反乱軍の厳しい検問が。記者章を見せてなんとかジルの乗る飛行機に間に合ったガイだった。

ガイはビリーの死に何を思ったのか、ジルはどうだろう。ガイの放送局のスタッフが二人とも共産軍の
オルグだったりで、アジアの中の欧米という状況をもう少し描き出せたら、もっと厚みがある映画になって
いたことは間違いない。それにしても邦題の木で鼻をくくったようなタイトルはいただけない。
この映画の情報は
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by jazzyoba0083 | 2009-03-15 18:10 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)