アメリカン・グラフィティ American Graffiti

●「アメリカン・グラフィティ American Graffiti」
1973 アメリカ Universal Pictures,110min.
監督・脚本:ジョージ・ルーカス  製作:フランシス・フォード・コッポラ
出演:リチャード・ドレイファス、ロン・ハワード、ポール・ル・マット、チャーリー・マーチン・スミス他
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この名作を観る機会が今、来ました。アメリカが一番アメリカらしかった1960年代初頭。ラジオからは
ビーチ・ボーイズ、プラターズ、チャック・ベリー、ドリフターズ、ビル・ヘイリー、コニー・フランシスらの
能天気なロケンロールが流れていた。若者はベトナム前のアメリカンドリームの世界を疑いもなく生きて
いた。鈴木英人のイラストの世界だ。ああ、今は亡きウルフマン・ジャック!
そんなよき時代の若者の群像を、大ヒットのロケンロールミュージックに乗せて、「落書き(グラフィティ」
のように綴っていく。彼らのベースになっている「Mel's Drive-In」は、ユニバーサルスタジオジャパン
にもレプリカがあり、遊べるようになっている。ドライブインにクルマを船着き場についた船よろしくクルマを
つけマイクから注文、するとローラースケートを履いたお姉ちゃんが品物を持ってきてくれる、という具合。
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1962年カリフォルニアの田舎町。そんなドライブインに集まる地元を卒業した高校3年生たち。カート
(ドレイファス)。彼は、大学に行くため、町の人たちから奨学金を1000ドルももらったが、なかなか東部
の大学に行く気になれない。スティーブ(ロン・ハワード)とローリーは、スティーブが街から離れる間は
男女の付き合いは自由にしよう、とか言いだして気まずい雰囲気。メガネででっぱのテリー(C・M・スミス)
は、街を離れるスティーブから不在の間クルマを使っていいよ、といわれ、その車でさっそく街にナンパに
出かける。そして「謎のサンダーバードの女」を探して彷徨ううちに、悪のグループに引き込まれ、パトカーを
壊したり。
街に残るジョン(ポール・ル・マット)は、声をかけた女の子のませた妹を乗せる羽目になり彼女を乗せて
街をドライブする。このジョンがなかなか憎めない好青年だったりする。それぞれの旅立ちの中での夕方
から夜明けまでを綴る。このジョンとチキンレースをやり、クルマを転覆させてしまうボブ・ファルファが
若きハリソン・フォードであります。
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<"31-year-old Harrison Ford">

これといったストーリーはないのだが、キスしたくて、ヤリたくてしかたのない青春暴発系の男の子や
逆の立場の女の子(この時代、まだまだ親は怖かった)、そしてイカした音楽やファッション、そして
なにより、乗っているクルマによって男の価値が決まる時代、そんな若者の心理が「らくがき」のように
ほろ苦く、バカバカしく、しかし共感を呼び起こしながら描かれていく。そして、いよいよ東部に行くことに
なったカート。飛行機で東部へ。クルマで行くんじゃないんだな。そんな幕切れも眩しい。みなさん、
テリーのパートが一番好きなんじゃないかな。
預かった車をギヤを入れ間違えてバックして後ろの車にブツケタリ、ナンパした女の子と上手くやった
ことはいいが、外に出ているうちにクルマを盗まれたり、悪のグループに引き込まれてパトカーを壊した
り、彼女にウィスキーを買ってこようとして、未成年だからIDがないので悪戦苦闘したり。
だいたい冒頭で、"Mel's"にベスパに乗って現れるテリーが、ブレーキをかけそこなって、おっとっとっと
と体がスクーターに引っ張られて、たたらを踏むところなどはもう、自分も経験があるので、失笑を禁じ
得ない。
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<"29-year-old George Lucas">

ジョージ・ルーカスにしてみれば自分と同じ時代を追体験して描いているのだろう。私はこれよりもう少し
あとの時代だ。ビーチボーイズの時代ではなく、モンキーズの時代ですね。それにしても、この感覚が
判る時代の人にはたまらん映画であるし、感性するどく描かれる原題の青春群像は、このあとの青春
映画というジャンルに大きな影響を与えたことは間違いない。スティーブ役のロン・ハワードは
今や「ダ・ヴィンチ・コード」「フロスト×ニクソン」などの大監督であります。

加えて、クルマの好きな人にはなおたまらない。1950年代後期から60年代初頭の、大排気量で羽の
生えた大型のアメ車の名車がたくさん出てくる。エルドラド、ビスケイン、エドセル、サンダーバード、
などなど。なかでもジョンが乗り回す1932年型フォード・デュースのホットロッドモデルは、映画の象徴
だろう。テリーがスティーブから借りるのが1958年型シボレー・インパラであります。USJにも映画に出
てくるクルマが展示されています。
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<"1958 Chevrolet Impala Sport Coupe">

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<"1932 Ford Deuce Coupe">

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 コチラの「アメリカン・グラフィティ」は、「スター・ウォーズ」で一躍世界的に有名な監督となったジョージ・ルーカスがそれ以前に手掛けた青春群像映画です。  本作も「フットルース」同様、ミュージカル映画化してのリメイクがウワサされていますね。  あたしは、....... more
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by jazzyoba0083 | 2009-03-19 20:40 | 洋画=あ行 | Trackback(2) | Comments(0)