マイ・ブルーベリー・ナイツ My Blueberry Nights

●「マイ・ブルーベリー・ナイツ My Blueberry Nights」
2007  香港/中国/フランス Studio Canal,Block 2 Pictures,95min.
監督・原案・脚本・製作:ウォン・カーウァイ  音楽:ライ・クーダ
出演:ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマン、デヴィッド・ストラザーン
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この監督の映画は初めて観ました。中国、香港系の監督さんの作品は、なんとなく見る気が起きない
んですよねえ。なんででしょうか。だから「デパーテッド」のオリジナルも未見だし。「レッド・クリフ」も
観る気が起きないんですよ。

で、この作品。まあ、先入観なしで観てみようと。ジャズ好きな私としてはノラ・ジョーンズの初主演と
いうこともあるし、他の出演者も豪華だしなあ。音楽はライ・クーダだし。時間は長くないし。
まあ、この手のオフ・ビート感覚というのかな、ブルース感覚というのかな、苦手な人はいるでしょうね。
突っ込みどころは多々あれど、まずまず面白く観させていただきました。

基本はロードムービーですね。ラストに主人公エリザベス(ノラ)がNYにいるジェレミー(ジュード・ロウ)に
宛てた手紙の中に書いた

「他人は鏡のような存在ね。自分を知るための手がかり。他人の姿に自分を映すのよ」

というコメントに、全てが収斂するドラマだと感じた。

NYでカフェを経営するジェレミー(J・ロウ)。彼の店は、男女のなどで不要になった部屋の鍵を預かる、と
いう不思議なシステムがある。この店に最近よく現われて、一緒に来た男性のことをしつこく聞いている
女性がいた。エリザベス(ノラ)である。未練たっぷりのエリザベスに、ジェレミーはいろいろと言って聞か
せるが、エリザベスはどうしてもその男が忘れられない。
ジェレミーはいう、この店にはブルーベリーパイがあるんだけど、毎日ほとんど売れ残る。だけど作らない
とは思わない。なぜかというと君みたいな人がいるからさ、と。
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エリザベスは気分を変えるために、旅に出ることに。向かった先はメンフィス。そこの酒場でホステスを
しながら昼はレストランのウエイトレスをして、クルマを手にいれるための金を貯めていた。
その酒場に夜な夜な現れるアーニーという中年の男。彼は妻と別れたばかりだが、いまだに気持ちの
整理がつかず、妻に未練たっぷり。

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妻のスー・リン(レイチェル・ワイズ)は、束縛したがるアーニーに
愛相を尽かしていたのだ。アーニーは真面目な警官なのだが、恋愛のことはまるでわかっていなかった。
ある夜、アーニーが飲んでいたところに、スー・リンが現れ、一緒に来た男とケンカになる。そして
2人の間は決定的になり、傷心のアーニーは、クルマを電柱に激突させて自殺してしまう。
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エリザベスは、NYにいるジェレミーに、自分の身に起きる様々な出来事を手紙に書いて送る。ジェレミー
は彼女のことがきになって、街のレストランとかバーに懸命に電話するが見つからない。
エリザベスは、ラスベガス近くの町に移動。カジノのウエイトレスとして働いていた。そこで知り合ったのが
ギャンブラーのレスリー(ポートマン)。
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彼女はポーカーで大金をすってしまい、クルマを貯めていた
エリザベスに、2000ドルを貸しちょうだい。勝てば元金と買った分の三割をあげるわ、負けたらこの
ジャガーの新車をあげる、どちらにしても悪い話じゃないでしょ?と。
エリザベスはレスリーの提案に乗ることに。しかし、またスッカラカンになったという。だからクルマを
あげるわ。ただしラスベガスまでは送って行ってねと。
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ラスベガスに来ると、レスリーの父が危篤だという電話が入る。レスリーは、これまでそうやって何度も
騙されてきた、行く必要はないわ。という。気になるエリザベスは、ベガスの病院に行って見ると、
レスリーの父親は、亡くなっていた。唖然呆然とするレスリー。
そこでレスリーは、あの車は父親が大勝したときに勝ったやつで、それを私が貰ったものだから、
あなたにあげるわけにはいかないわ、と言い出す。実は、すっからかんになったというのは嘘で、彼女は
大勝していたのだ。あなた問いたかったから嘘をいったのと。
当初の約束の金で中古車を買えることになったエリザベス。クルマでNYに帰ることにした。
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NYについてみると、かつて恋人が住んでいたアパートは貸し出し中になっていて、彼女の足は自然と
ジェレミーのカフェに。感激する風でもなく、彼女を歓迎したジェレミーは、NYを出ていったころの彼女とは
少し変わったことに気がついた。長い旅では無かったが、見知らぬ人との出会いの中で、
「他人は鏡のような存在ね。自分を知るための手がかり。他人の姿に自分を映すのよ」
という教訓を学んできたのだった。ステーキとマッシュポテトを平らげて、カウンターに突っ伏して寝ている
エリザベスにジェレミーは優しくキスをしたのだった・・・。
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てなお話です。で、だからどうしたの?といわれれば、う~む、と言わざるを得ませんが、こういうオフ・
ビート系の映画ってこういうもんでしょ。スタイリッシュという人もいるでしょう。確かにスタイリッシュ
ですね。
だけど、結局はエリザベスが、メンフィスで会ったアーニーという警官とその妻スー・リン、そして
ベガスであったレスリーとの出会いにより、自分の中にあった不確定なものを確定的なものにする作業に
成功したわけですね。ジェレイミーは、そんな彼女の心の平安を愛してキスをしたのではないかしら。

ノラ・ジョーンズ(ビートルズとも共演して有名なシタール奏者ラビ・シャン・カールの娘)は映画初主演
とは思えない上手さで雰囲気を出していたと思います。ジュード・ロウは、おいしい役どころです。
レイチェル・ワイズはちょっとヒステリーすぎ。アーニーのデヴィッド・ストラザーンは意思弱すぎ。
レスリーが人生の先生としては今回は一番だったかな、って感じです。
この映画の情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-04-05 22:30 | 洋画=ま行 | Comments(0)