2017年 07月 03日 ( 1 )

●「エクス・マキナ Ex Machina」
2015  イギリス Universal Pictures International,Film4.108min.
監督・脚本:アレックス・ガーランド
出演:ドーナル・グリーソン、アリシア・ヴィカンダー、オスカー・アイザック、ソノヤ・ミズノ
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

騙し合いにAIがいっちょかみしてくるところが面白い!「オートマタ」といいこのところ
観るAIものはできが良い。出演者がほぼ4人しかいない、しかも密閉された空間での劇。
でこういうシチュエーションで何が面白くなるかといえば、愛憎や騙し騙されの心理合戦。

巨大な検索エンジン会社の創業者ネイサン(アイザック)の下で個人的趣味として開発
された女性ドロイド、エヴァ(ヴィカンダー)。
彼女の完成度を試すために会社から山奥の別荘につれてこられた青年ケイレブ(グリーソン)、
ネイサンのメイドにして側女みたいな女性キョウコ(ミズノ)。

形而上的哲学的なロボット論などが展開されるが、これは字幕を見過ごしてもあまり
苦にする必要はない。なぜならば、エンディングにすべて分かりやすいオチがあるからだ。
ただ、プログラミングなのか、エヴァが自習し自己分析を加えるようになっているのか、
よく分からないところが面白い。途中でケイレブが自分も実はドロイドじゃないかと
疑ってしまい、自らの腕をカミソリの刃で切ってみるというところはいいアイデアだった。
(彼は幼いころ両親を失うほどの激しい交通事故に遭っている)

エヴァがケイレブを恋するようにプログラムされているというよりケイレブがエヴァに
恋しちゃったり。、次第にネイサンが何をしようとしているか、分かって来る。
そして、エヴァの前に作られた女性型ドロイドはたくさんあり、アーカイブ映像には彼女らが
自壊していく様子が写っていた。エヴァも、ネイサンは嘘をついている、信じてはいけない
と警告する。彼の企みは何か。ケイレブは無事に帰れるのか?

そしてラスト。「人間を騙して脱出できるかどうかがテストの最終目的なんだよね」と
ネイサンは言う。先代たちは脱出できず、自壊していったのだ。エヴァの場合は成功した
のであり、エヴァのバージョンアップこそ完成品なのだ。
ケイレブは、しかしさらなる事態に備えて、手を打ってあった。これで、エヴァは本当に出て
いってしまうのだが、慌てたネイサンは彼女の後を追う。彼はバーベルの取っ手で殴って
エヴァの片腕を吹き飛ばすが、背後からキョウコに包丁に刺される(どこから持ってきたのか)、バーベルで殴られ破壊されたキョウコの包丁を持ったエヴァは、今度はネイサンの胸を刺す。
「そんな馬鹿な」と絶命するネイサン。

「人間を騙して脱出する」というプログラムの中にはご主人様は殺さない、という
プログラムはなかったのか。またキョウコ(彼女もドロイド)がネイサンを刺したのは
何がプログラムされていたのか。(エヴァがキョウコに何か囁く暗示的なシーンはある)
なかなか興味が尽きないところだ。

施設にケイレブを閉じ込めたまま、エヴァは、先代たちの皮膚を自分に移植し、衣装をつけ
ヘリコプターで街に帰っていったのだ。

つまり、エヴァはネイサンやケイレブをも乗り越えた学習をしたドロイドだったということ。
そして本来プログラムされていた「人を騙して施設を出る」という命題を、手段を選ばないと
理解して実行したに過ぎなかったわけだ。ネイサンが死んだのも、ミスと言えばミスなんだろう。
ケイレブは可哀想なことをしたけど。まあ、一生施設に閉じ込められたままということはない
とは思うけど。

人間とドロイドの騙し騙されどこまでがプログラムでどこからが自ら獲得した学習成果なのか
いろいろと思いながら面白くみた。ラストで皮膚を付けたエヴァ=ヴィカンダーの全裸が
披露されるのだが、みなさんご指摘の通り、ドロイドより貧乳のヴィカンダーでありました。
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<ストーリー>

人間と人工知能の主従関係を巡る心理戦を斬新なビジュアルで描き、第88回アカデミー賞で
視覚効果賞に輝いたSFスリラー。『リリーのすべて』で同じくアカデミー賞助演女優賞を
受賞したアリシア・ヴィキャンデルが女性型ロボットのエヴァを演じる。
『わたしを離さないで』の脚本家、アレックス・ガーランドの初監督作となる。

検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社“ブルーブック”でプログラマー
として働くケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、巨万の富を築きながらも普段は滅多に
姿を現すことのない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山間の別荘に
1週間滞在するチャンスを得る。

人里離れたその地にヘリコプターで到着したケイレブだったが、彼を待っていたのは
美しい女性型ロボット“エヴァ”(アリシア・ヴィキャンデル)であった。ケイレブは、
彼女に搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能のテストに協力するという
興味深くも不可思議な実験に参加することになるのだが(Movie Walker)

<IMDB=★7.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:93% Audience Score:86%>








by jazzyoba0083 | 2017-07-03 23:00 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)