2017年 07月 13日 ( 2 )

麗しのサブリナ Sabrina

●「麗しのサブリナ Sabrina」
1954 アメリカ Paramount Pictures.113 min.
監督・製作・(共同)脚本:ビリー・ワイルダー
出演:オードリー・ヘプバーン、ハンフリー・ボガート、ウィリアム・ホールデン、
   ジョン・ウィリアムズ
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

先日の「踊るアメリカ艦隊」に引き続き鑑賞した、市の映画上映会。満員。
ビリー・ワイルダーという人は、マリリン・モンローの作品などを観ても
わかるようにコメディタッチな味付けが身上のところがある。本作の
見どころの一つに、そうしたコメディタッチをヘプバーンのコケットな味わいに
大いに生かし、とてもホノボノと言うか、上品で、当時の女優時代のできの良い
作品に仕立てたところが上げられよう。

加えて物語の転がし方、つまり脚本がいい。渋いボガート(ちょっと渋過ぎで
ヘプバーンの恋愛対象として無理があるんじゃないかとも思えるが)と、ホールデンの
配役も対照的な人物ということで、成功している。またジバンシーのデビューともなる
ヘプバーンの衣装も見どころだ。

ヘプバーンの映画の感想を書くたびに言うのだが、私はエラのはったヘプバーンが
あまり好みのご面相ではないが、抜群の存在感は他を圧倒するものがあることは
確かだ。

さて、本作。貧しいというか庶民の娘が、大恋愛の末に玉の輿に乗る、という
この時代には何本の映画になったかしらない王道の物語。
大富豪ララビー家のプレイボーイ次男ホールデンと、実直真面目な長男ボガート。
この家のお抱え運転手の娘がサブリナ=ヘプバーンという配置である。

幼い頃からハンサムで自由人な次男に憧れてきたサブリナであるが、ホールデンが
どこぞの令嬢との結婚が決まったことから、しばらくパリのコルドンブルーで料理
修行をすることに。で、パリですっかり垢抜けてしまったサブリナ、2年後に
帰国すると、家の使用人が誰もサブリナとは分からない。それほど華麗な娘に
変身してしまったのだ。(ここらあたりはコメディなので突っ込んではいけない)

それからというもの、ボガートとホールデン兄弟の間での恋の駆け引きが繰り広げ
られ、自分に思いを寄せているとは知りつつ、兄がサブリナを想っていることに
気が付き、身を引くホールデン、サブリナもその思いを受け、ボガートと結ばれる、
という、悪どい駆け引きとかまったくなく、みんないい人でハッピーエンドを
迎える。ラストのボガートのソフト帽の折れ方や去りゆく婦人のコートのベルトに
傘を引っ掛けて、船上でサブリナとボガートが抱き合うシーンは洒落ている。
いい時代のいい映画、という感じで、今では作れる時代でもストーリーでもないだろう。
古き良き時代の名作、ということだ。こういう映画もいい。

ハイライトはパーティーでシャンパングラスを尻ポケットに突っ込んで歩くクセの
あるホールデンが、ボガートの策略でグラスを入れたまま椅子に座ってしまい、
尻を何針も縫う怪我を負うあたりか。客席からは笑い声が絶えなかった。
ワイルダーらしい上品なギャグだ。キャメラも上手く、そこそこの長さの映画では
あるが、エピソードの話題のうまさも、あり飽きずに見ることが出来る。
だだ、サブリナのホールデンやボガートに対する、あるいはその逆のそれぞれの
心の動きや揺れが詳細に描かれないので、恋愛はなんとなくハッピーエンドを
迎えるという形になってしまうという当時のこの種の映画にありがちな大味さでは
ある。

名曲「ラ・ヴィ・アン・ローズ」が効果的に使われているし、この映画に実に
マッチしている。モノクロの映画だが、後で振り返ってみるとカラーだったんじゃ
ないかと思いえるから不思議だ。

<ストーリー>
富豪ララビー家のお抱え運転手の娘サブリナ(オードリー・ヘップバーン)は、
邸の次男坊デイヴィッド(ウィリアム・ホールデン)に仄かな思いを寄せていた。
しかし父は娘に叶わぬ恋を諦めさせようと、彼女をパリの料理学校へやる。

それから2年、サブリナは一分のすきのないパリ・スタイルを身につけて帰って
きた。女好きのデイヴィッドは美しくなったサブリナにたちまち熱を上げ、
自分と財閥タイスン家の令嬢エリザベス(マーサ・ハイヤー)との婚約披露
パーティーにサブリナを招待し、婚約者をそっちのけにサブリナとばかり踊った。

デイヴィッドの兄で謹厳な事業家ライナス(ハンフリー・ボガート)は、この
ままではまずいとデイヴィッドをシャンペン・グラスの上に座らせて怪我をさせ、
彼が動けぬうちにサブリナを再びパリに送ろうと企てる。不粋のライナスにとって、
サブリナとつきあうことは骨の折れる仕事だったが、計画はうまくいき、
サブリナの心はじょじょにライナスに傾く。
一緒にパリへ行くことになって喜ぶサブリナだが、ライナスは船室は2つとって
おいて、いざとなって自分は乗船しないつもりだった。サブリナはそのことを
知って深く悲しみ、すべてを諦めてパリへ行く決心をする。
ライナスもまた自責の念にかられ、いつの間にか自分が本当にサブリナに恋して
いることに気づく。サブリナ出帆の日、ララビー会社では重役会議が開かれていた。
ライナスはここでデイヴィッドとサブリナの結婚を発表するつもりだったが、
怪我が治って現れたデイヴィッドは、ライナスとサブリナが結婚するという
新聞記事を見せる。そしてヘリコプターを用意しているからサブリナの乗る船に
急げ、と兄に言う。すべてはサブリナとライナスの気持ちを察したデイヴィッドの
計らいだった。ライナスはサブリナを追い、客船の甲板でふたりは抱き合うのだった。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:91% Audience Score:89%>






by jazzyoba0083 | 2017-07-13 15:30 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「踊るアメリカ艦隊 Born to Dance」
1936 アメリカ MGM 105min.
監督:ロイ・デル・ルース
出演:エレノア・パウエル、ジェームズ・スチュアート、ヴァージニア・ブルース、ウナ・マーケル他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
昭和11年の作品。いきなり古いやつが出てきてすみません。この手の映画も好きなので。そもそも
こうしたレビューや古いミュージカル映画を観るようになったのは、ジャズのスタンダードに、こうした
映画で使われた曲が多いんです。本作でも名作曲家コール・ポーターのペンになる「I've got you under
my skin」「Easy to Love」が大スタンダートとなっています。そうした名曲を追いかけているうちに、
1930年代から60年代にかけてのRKO映画、MGM、コロムビアの名作の数々が大好きになってっいった
という訳です。

「踊る~」シリーズでは、本作でも天才ぶりを発揮しているエレノア・パウエルが、フレッド・アステアと
踊るデュオのタップシーンはあまりにも有名ですね。「トップ・ハット」「パリのアメリカ人」「雨に
唄えば」「上流社会」から「南太平洋」「サウンド・オブ・ミュージック」あたりまで、ほんとに名曲が
揃っています。

閑話休題。私が住んでいる町では、月に1回、こうした古いミュージカルやオードリー・ヘプバーンの古い
映画などをタダで上映してくれる催事があるんです。

で、金曜日は休みだったので、午前の部のこれと、午後は「麗しのサブリナ」を観てきました。市民会館の
中になる小ぶりながらいい劇場で、音響も良く、楽しませて貰いました。満員です。なぜビデオでも
観られるのに出かけたか、というと、いまや大きな画面でこうした古い映画を観ることは叶わないからです。
家の55インチのテレビも叶いません。

再び閑話休題。本作はこの頃よくあった軍隊仲間の恋物語をベースに、コメディタッチでミュージカルに
したもので、天才タッパー、エレノア・パウエルの素晴らしいタップを観ることができます。太ももは
ちょっと筋肉質ですが、やはり上手い。それと、これが映画音楽の一作目となるコール・ポーターの
ペンも冴える。珍しいジェームズ・スチュアートの歌声を聴くことが出来る。ストーリーも驚くような
ものではないけど、気持ちよく観られ、当然ハッピーエンディングである。
本物の潜水艦も出てくるから、米海軍協力の下製作されたと思われるが、軍隊にユーモアなどもっての
他、とする教条主義の日本では絶対に作れない種類の映画。心をすっからかんにして楽しむのがマナーと
いうものです。
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<ストーリー>

「踊るブロードウェイ」と同じくエリーナー・パウエル主演、ロイ・デル・ルース監督、ジャック・マッゴワン、

シド・シルヴァース共同脚色になる映画で、原作はマクゴワン、シルヴァースが更に「ハリウッド征服」の

B・G・デシルヴァと共に書卸した。

相手役は「結婚設計図」「妻と女秘書」のジェームズ・スチュアートが勤め、「踊るブロードウェイ」の

シド・シルヴァース、ユーナ・マーケル、フランセス・ラングフォード及びバディー・エプセン、

「巨星ジーグフェルド」のヴァジニア・ブルース、「サンクス・ミリオン」のレイモンド・ウォルバーン、

「丘の彼方へ」のアラン・ダインハート等が助演するほか、芸人連が出演している。

撮影は「妻と女秘書」「支那海」のレイ・ジューンの担当、舞踏振付は「踊るブロードウェイ」のデーヴ・

ゴールドが受持った。


テッドと相棒のガニイ、マシイの三人はアメリカ潜水艦の乗組員で、四年間の航海を終わってニューヨークへ
帰った。ガニイは出発直前に結婚した女房のジェニイハ未だ自分を好いていてくれるかと気にかけている。
ジェニイはロンリーハーツクラブに勤めて、夫の出発後可愛い娘の子をうんだのであるが、今までそれを彼に
打ち明ける機会がなかった。

このクラブに踊子を志願して田舎から上京したノラという娘がいて、ジェニイと仲良しであった。
テッドとガニイはジェニイに会うためクラブへやってきたが、それ以来ノラはテッドと恋し会う仲になった。
ところが潜水艦を見学に来た名女優ルシイが、偶然のことからテッドと知合いになったのを、彼女の宣伝部員
マッケイがうまく宣伝に利用したが、ルシイはこの時から本当にテッドに恋をしてしまった。

テッドはマッケイに頼んでルシイの一座にノラを採用してもらう。初日が近づいたのでマッケイは宣伝のため
ルシイとデッドの婚約を発表しようとするが、彼を本心から愛しているルシイは、二人の仲を新聞に発表したら
一座を脱退するといきまく。
テッドは海軍をやめたが、ルシイとの仲を聞いたノラは彼に嫌われたものと思って会おうとしない。しかし
テッドはルシイのことなど全然関心がなく、かえってっさくを案じて初日を控えた日に、新聞記者を集めて
ルシイとの婚約を発表してしまった。これを見たルシイは腹を立てて即座に脱退した。スターの無くなった一座へ、
テッドは計画通りノラを推薦し、彼女は一躍主役を演ずることになった。興行は見事大成功を収め、ノラは
その間の事情を初めて知ってテッドとめでたく結婚した。一方ガニイは女房ジェニイの冷遇に憤慨して又海軍に
入り四年間の航海に就いた。(Movie Walker)

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:---- Audience Score: 52%>



by jazzyoba0083 | 2017-07-13 11:45 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)