2017年 09月 02日 ( 1 )

後妻業の女

●「後妻業の女」
2016 東宝 「後妻業の女製作委員会」(毎日放送、読売テレビ他) 128分
監督・脚本:鶴橋康夫  原作:「後妻業」黒川博行
出演:大竹しのぶ、豊川悦司、尾野真千子、長谷川京子、水川あさみ、風間俊介、余貴美子、ミムラ、松尾諭他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
鶴橋監督といえば、読売テレビディレクター時代からドラマの傑作を作る演出家で賞の常連だった。
同業に身を置くモノとしては、いかんのだろうけど、彼のドラマは観たことがない。なので、本作
一発での評価で彼を計るつもりは毛頭ないが、本作について言えば、どこか締まらない。脚本が。

原作は有名になった、実話をベースにした小説で、これを下敷きにして作劇しているわけだ。
大竹のたぬきぶりは確かにうまいものが有るし、ブルーリボン賞を受賞しただけのことはある力量と
思うが、昔からのファンとしては、最近はどうも「悪上手」「やりすぎ」という感じを受ける。
トヨエツの受け流しがなければ相当息苦しい映画になっていたかもしれない。

テレビ育ちの監督だけあって、テンポも良いし、話の転がし方も早いしビジュアルもテレビ的に工夫
されていて、面白い。けど、これは実話がベースにあるという観客の安心感によるところが大きいの
ではないか。

主人公、小夜子はいわゆる毒婦であり、同情の余地はない。したたかさ、たぬきっぷり、はよく出ていたし
大竹のそれについての演技も認めざるを得ないが、ラストのカタルシスの持って生き方が、喜劇で終わらそうと
したので、観ている方は鬱屈が溜まったまま劇場を出ることになるのではないか。
「したたかな小夜子は、これからも老人をだまくらかして金を巻き上げるのである!」というある種の
エールのように(彼女とコンビを組む結婚紹介所所長のトヨエツとて人殺しであるわけ)感じてしまい、
これでは、私としては溜飲の下げ場所、コメディとしてのパンチラインが見えず、極めていやな
鑑賞後感となってしまった。大竹の息子を演じる風間俊介は下手くそ。弁護士に雇われ小夜子の近辺を洗う
探偵、永瀬正敏の立ち位置も曖昧。唯一鶴瓶が演じたオヤジのキャラクターが光った。
それと多くの関東俳優が喋る大阪弁は、ネイティブからしてたら相当の違和感があるのではないか。

鶴橋監督も80歳近くなり、バイタリティは感じるが、ダッチロールはあきませんなあ。
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<ストーリー>
金持ちの男の後妻に入り、全財産を奪う“後妻業の女”と彼女に翻弄される人々を描く、大竹しのぶ主演の
ユーモラスな人間ドラマ。後妻業の女とグルになって人を騙す結婚相談所の所長を豊川悦司、ターゲットに
なる不動産王を笑福亭鶴瓶が演じるなど、実力派たちの演技が物語をより濃密なものにしている。
監督は『愛の流刑地』の鶴橋康夫

結婚相談所主催のパーティーで可愛らしく自己紹介する武内小夜子(大竹しのぶ)の魅力に、男たちは
イチコロになっている。その一人、耕造(津川雅彦)と小夜子は惹かれ合い、結婚する。二人は幸せな
結婚生活を送るはずだったが、2年後、耕造が亡くなる。葬式の場で、小夜子は耕造の娘・朋美(尾野真千子)と
尚子(長谷川京子)に遺言公正証書を突き付け、小夜子が全財産を相続する事実を言い渡す。
納得のいかない朋美が調査すると、小夜子は後妻に入り財産を奪う“後妻業の女”であったことが発覚する。

その背後には、結婚相談所の所長・柏木(豊川悦司)がいた。朋美は裏社会の探偵・本多(永瀬正敏)とともに、
次々と“後妻業”を繰り返してきた小夜子と柏木を追及する。一方小夜子は、次のターゲットである不動産王・
舟山(笑福亭鶴瓶)を本気で愛してしまう……。(Movie Walker)



by jazzyoba0083 | 2017-09-02 23:10 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)