2017年 09月 10日 ( 1 )

●「ミモザの島に消えた母 Boomerang」
2015 フランス Des Films du Kiosque.101min.
監督・脚本:フランソワ・ファブラ
出演:ロラン・ラフィット、メラニー・ロラン、オドレイ・ダナ、ウラディミール・ヨルダノフ、ビュル・オジェ他
e0040938_14075515.jpg
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
★は6.5。パリの南西、ナントの西、大西洋に面したノワールムティエ島が本作の舞台であり、
この島には満潮になると消えてしまう県道(パッサージュ・ドゥ・ゴア=D948)が通っている、
というのが話の大きなポイントとなっている。 立派な橋もあるのだけど。
(Googleのストリートビューで観ることができます)

30年間家族の間では、語ってはいけないような雰囲気であった母の溺死。母を取り巻くそれぞれの
肉親たち(使用人もだけど)は、それぞれの立場で過去の「口にしてはいけない秘密」の重圧に
耐えて生きてきた。その臨界点が来てしまった模様を描く。

母の死について詳しいことを語らない父や祖母たち。離婚したばかりの長男アントワンと長女
アガットは、母の死について調べ始める。鍵を握るのが祖母であるらしい、ということと
決定的になるのは、妹アガットが、幼いころ、家で他の女の人と抱き合ってキスをしている
母の記憶が蘇ったことだった。

<以下決定的ネタバレです>
母はパリの絵画教室に通っていたのだが、そこの先生ジーンに見初められ、関係を迫られる。
当初は拒否をしていた母であったが、自分の家まで押しかけられて、そもそもその気があったのだろう、
ズブズブの関係になっていく。そして、子供を連れて、夫らを捨てる覚悟を決めたのだが、
それが義母にバレ、強制的に別れの手紙を書かされる。それをパリのジーンのところにもって
生かされたのが使用人の女性だったのだ。事情を知ってしまった使用人にも当然義母は口止めする。
祖母は自分の長男の嫁がレズビアンだった、なんて外聞が悪くてたまらなかったのだ。

しかし、母は、別れの手紙がすでにジーンの手元に渡ってしまったらしいことを知り、満潮になる
にもかかわらず、クルマでパリに向かったのだった。しかし、渡りきることは出来ず溺死。
ジーンは別れの手紙を受取り、傷心の中で30年間生きてきたのだった。
ちょっと迂回すればちゃんとした橋もあるのに、一刻もはやくパリに着きたい一心の母は、危険な
道を選んだのだろう。半分自殺みたいなものだったのだろうなあ。

アントワンが家族を前にしていい加減に秘密を話せ、と暴れるのがクリスマスの日。母とジーンの
写真を皆にプレゼントするという嫌味な作戦だった。これには妹も何を考えているの!と兄に
詰め寄るが。しかし、使用人夫妻からももうこれ以上秘密を抱えて生きていけないと、当日の
真実が語られる。しばらくすると祖母が心不全を起こし死亡。埋葬の場でも今度は父を責める。
事の真相を知ったアガットも、「よくも母を殺した女を祖母と呼ばせていたわね!」と父を
責める。ようやく父の口から当時の話が語られる・・。

母の溺死の遠因を作ったのが同性愛だった、というのがフランス映画っぽい。それまでは
もっと緊張して観ていたのだが、動機でちょっとたたらを踏んでしまった。それと長男
アントワン、40歳になるまで、母の死の悩みを抱えるなよなあ、って。建設会社も首に
なっちゃって、冒頭の交通事故での入院先で知り合った検死官?と恋仲になるのはいいの
だけど。自らの結婚生活が破綻するような悩みならもっと早くに何とかすべきだったのでは?

全体として、まずまず観られるサスペンス映画&主人公らの再生の話にはなっていたけど、
だいたいいくら絵画教室の先生に惹かれたからといって、その愛情の純粋さは理解すると
しても、母のその後の行動が無謀すぎないか?義母が怒るのも理解できるというものだ(したことは
やばいけど)。アントワンの長女16歳くらいかな、も、同性愛の気配だ。因果はめぐる、ということか。
ということで、何かすっきりしない鑑賞後の印象となってしまった。舞台の設定が面白いだけに、
もったいなかったかなあ。
e0040938_14082524.jpg
<ストーリー>
『サラの鍵』のタチアナ・ド・ロネのベストセラー小説を映画化したヒューマンドラマ。冬に咲く小さな花
から通称“ミモザの島”と呼ばれる島を舞台に、母親の死の真相を探る男が知る、衝撃の事実が描かれる。
主人公のアントワンを『アンタッチャブルズ』のローラン・ラフィットが演じ、メラニー・ロランらフランスの
実力派が脇を固める。

西フランスの大西洋に浮かぶノワールムティエ島は、冬に咲くミモザの花から『ミモザの島』と呼ばれている。
30年前、この島の海である若い女性が謎の死を遂げた。その女性の息子であるアントワンは、40歳になって
もなお喪失感を抱き続けていた。母の死の真相を追い始めるが、父と祖母は口を閉ざしてしまう。
家族が何か隠していると察したアントワンは、恋人のアンジェルや妹アガッタの協力を得て、ミモザの島に
向かった。そこで彼は、母の別の顔や衝撃の事実を次々に知っていく……。(Movie Walker)

<IMDb=★6.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:---- Audience Score:60% >





by jazzyoba0083 | 2017-09-10 23:20 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)