●「ゴッドファーザー The Godfather」(Digital 4k Ver.)
1976  アメリカ Paramount Pictures.175min.
監督:フランシス・フォード・コッポラ 原作:マリオ・プーゾ
出演:マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン、ジョン・カザール
   ダイアン・キートン、ロバート・デュバル、リチャード・カステラーノ他
 
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      <1972年度アカデミー賞作品賞、脚色賞、主演男優賞受賞作品>
<評価:★★★★★★★★★★>
<感想>
このところ「アメリカン・ニュー・シネマ」を再び見ることにハマっていて、
Blu-rayなども買い漁っている。なぜかというと一言で言って「映画の持つ
人間的なエモーションとエネルギーを肌で感じる」ということだろう。
VFXバリバリのアメコミ映画も好きだけど、やっぱり自分の映画の原点はこの辺に
ありそうだ。

さて、本作、よくよく考えてみると、自分はテレビでしか観ていないんじゃないか、と
思い、この際、キチンと観てみることにした。(深作欣二「仁義なき戦い」は全作
観ているのに)今やデジタル4K版となっていて当時から陰影の美しい映画だったが
更に美しく、画面が持つ意味あいが深化したような感じを受けた。

今更この映画に何言えばいいのか、専門家から素人まで百家争鳴。プーゾの
原作がどんなニュアンスだったか分からないが、調べると原作にかなり忠実に
描かれているという。つまり、アメリカにおいては、アイルランドやドイツ系に
比べると遅れてやってきたイタリア系移民のファミリー。彼らは家族的な繋がりを
重要視し、その中で自らの繁栄と家族の幸せを守らなくてはならなかったのだ。
しかし、そこにはまっとうな職業はなく、興業や芸能、商売の利権などの上がりを
飯の種にしていたわけだ。この映画にも出て来るがNYにはイタリアの5大ファミリーが
存在し、やがてファミリー間の縄張り争いに発展していく。
(このあたりの展開は、出来と意味合いは全然違うけど、終戦直後の広島を舞台にした
「仁義なき戦い」に構図としては似ている。平たく言えば「ヤクザ」の世界だ。)

NYギャングはアル・カポネとエリオット・ネスのいわゆる禁酒法時代以前から
シカゴやNYを舞台に、裏社会やそれに結びつく政治家や警察らを巻き込んで
そのながれは現在も続いている。
コルレオーネ一家というのは実在するファミリーで、これだけ迫真の映画を
作るには製作側も出演側も相当な覚悟がいただろう。

本作以前にも以降にもたくさんのギャング映画が作られるのだが、やっている
ことは決してほめられるものではないのだが、ただの縄張り争いの殺し合いだけ
ではなく、「家族の愛」を込めた作品は本作をもって嚆矢とするのではないか。

閑話休題。映画そのものについては、3時間に及ばんとしる長編大河であるが、
間延びすることなく、観客の興味を貼り付けて離さない作り。キャスト、演出は
もちろんだが、キャメラの動き、画角の使い方、陰影の効果的な使い方、
出て来る人は多いが、セリフを長くせず、明瞭にしたことにより、ストーリーが
分かりやすくなっている。前半のドン・コルリオーネ、そして後半は大学出の
末っ子、マイケルが、ファミリーのゴッドファーザーとなっていく過程が描かれる。
マイケルの心の移り変わりも極めて興味深いところえある。

もちろん、銃撃シーンのリアリティも見逃すことは出来ない。シーン全体としての
緊張感の作りあげ方が素晴らしいのだ。
加えてニノ・ロータの哀愁を帯びた音楽は、このギャング映画に大切な
味付けをもたらしている。この後「Once Upon A Time In America」という
映画が出来たが、この中の「アマポーラ」(オリジナル音楽ではないが、エンリオ・
モリコーネの音楽が作品に非常にマッチしていた)と並び、ギャング映画の中の独特の
音楽として記憶に残るのである。
個人的にこの映画のどこが好きか、と問われれば全体のキャスティング(と彼らの
演技)と、細かいところに神経が行き届いた画作りの二つ、と答える。
コッポラ、この時33歳!彼に任せてたパラマウントも天晴である。

さて、本作のできの良さは私ごときがどうのこうの言うべきでもないのだが、
これがアメリカン・ニュー・シネマかどうか、という点。TSUTAYAの推薦する
アメリカン・ニュー・シネマには入ってない。代表作のひとつ「俺たちに明日はない」
もギャング映画ではあるが、ゴッドファーザーとは描こうとしてるところが全然違う。
だが、予算とか、ロケ多用とか、反権力反体制とか厳密に見るとニューシネマの
範疇ではないのかもしれないが、個人的には、これまでそれこそ禁酒法時代の
マフィアを描いた作品とは一線を画す、新しい価値観をもたらしたニューシネマで
あったと思うのだ。
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<ストーリー:結末まで書かれています>
1282年、当時フランスに支配されていたシシリー島の住民が秘密組織をつくって反乱した
時の合い言葉だったといわれる“MAFIA”は、19世紀に入り、“犯罪組織”として
イタリアの暗黒街に君臨するようになった。
そしてイタリア系の移民として、この組織もアメリカに渡りアメリカ・マフィアが誕生した。
その組織はシシリーやナポリ出身者またはその子弟で構成されており、組織の頂点に
ファミリー(家族)がありボスがいる。アメリカ・マフィアの年収は200億ドルといわれ、
ギャンブル、合法企業の金融、運輸、スーパーなどを経営している。
「ゴッドファーザー」はそうした巨大なマフィアの内幕を描いたマリオ・プーゾ
ベストセラーの映画化である。

コルレオーネ(マーロン・ブランド)の屋敷では、彼の娘コニー(タリア・シャイア)の
結婚式が行なわれていた。一族の者を始め、友人やファミリーの部下たち数百名が集まった。
ボスのドン・ビトー・コルレオーネは、書斎で友人たちの訴えを聞いている。彼は、
相手が貧しく微力でも、助けを求めてくれば親身になってどんな困難な問題でも解決して
やった。彼への報酬といえば、友情の証と“ドン”あるいは“ゴッドファーザー”という
愛情のこもった尊称だけだった。
そして彼の呼び出しにいつなりとも応じればよいのだ。これが彼らの世界であり、その
掟だった。ドンのお気に入りの名付け子で、歌手として成功したが今は落ち目になって
いるジョニー・フォンテーン(アル・マルティーノ)もその1人だった。新作映画で彼に
きわめつけの役があり、俳優として華々しくカムバックできるに違いないのだが、
ハリウッドで絶大な権力を持つプロデューサー、ウォルツ(ジョン・マーレイ)から
その主役をもらえずにいた。フォンテーンの窮地を知ったドンは静かにうなずいた。

ある朝、目を覚ましたウォルツはあまりの光景に嘔吐した。60万ドルで買い入れた
自慢の競走馬の首が、ベッドの上に転がっていたのだ。それからしばらくして
フォンテーンの許に、その新作の大役があたえられた。

ある日、麻薬を商売にしている危険な男ソロッツォ(アル・レッティエーリ)が仕事を
持ちかけてきた。政界や警察に顔のきくドンのコネに期待したのだが、彼は断った。
だがソロッツォは、ドンさえ殺せば取引は成立すると思い、彼を狙った。早い冬の夕暮れ、
ドンは街頭でソロッツォの部下に数発の銃弾を浴びせられたが一命はとりとめた。
これはドン・ビトー・コルレオーネに対する挑戦だった。

ソロッツォの後にはタッタリア・ファミリーがあり、ニューヨークの五大ファミリーが
動いている。こうして1947年の戦いが始まった。末の息子マイケル(アル・パシーノ)は、
一族の仕事には加わらず正業につくことを望んでいたが、父の狙撃が伝えられるや、
家に駈けつけ、偶然にも2度目の襲撃からドンの命を救った。ドンの家では長男のソニー
(ジェームズ・カーン)が部下を指揮し、ドンの復讐を誓ったが、一家の養子で顧問役の
トム・ハーゲン(ロバート・デュヴァル)は、五大ファミリーとの全面戦争を避けようと
工作していた。

やがてソロッツォが一時的な停戦を申し入れてきた。だがソロッツォを殺さなければ
ドンの命はあやうい。マイケルがその役目を買ってでた。ソロッツォ殺しは危険だが
失敗は許されない。彼はこの大役を果たし、シシリーへ身を隠した。

タッタリアとの闘いは熾烈をきわめ、ソニーは持ち前の衝動的な性格が災いして敵の罠に
落ち、殺された。そんななかでドンの傷もいえ、和解が成立した。ドンにとっては
大きな譲歩だが、マイケルを呼び戻し、一家を建て直すためだった。

2年後、アメリカに帰ったマイケルは、ドンのあとを継ぎ、ボスの位置についた。
ファミリーは縄張りを荒らされ、ゴッドファーザーの過去の栄光がかろうじて崩壊を
くいとめているという状態だったが、マイケルの才能は少しずつ伸び始め、勢力を拡大
しつつあった。
ある日曜日の朝、孫と遊んでいたドンが急に倒れた。偉大なるゴッドファーザー、
ドン・ビトー・コルレオーネは、多くの人々が悲しみにくれる中で安らかに死を迎えた。
しかしマイケルの天才的な頭脳で練られた計画によってライバルのボスたちは次々に殺され、
その勢力は一向に衰えなかった。彼の横顔は冷たく尊大な力強さにあふれ、部下たちの礼を
うけていた。“ドン・マイケル・ゴッドファーザー”

<IMDb=★9.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:99% Audience Score:98%>





by jazzyoba0083 | 2017-09-17 23:55 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)