2018年 02月 12日 ( 1 )

●「素晴らしきかな、人生 Collateral Beauty」
2016 アメリカ New Line Cinema 97min.
監督:デヴィッド・フランケル
出演:ウィル・スミス、エドワード・ノートン、キーラ・ナイトレイ、マイケル・ペーニャ、ナオミ・ハリス
   ジェイコブ・ラティモア、ケイト・ウィンスレット、ヘレン・ミレン
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
凄いタイトルと凄い出演者。名作「素晴らしき哉、人生!」は1946年に製作されたフランク・キャプラの
作品。それと同じタイトルを戴くとは、どんな映画か、という邦題でハードルを上げすぎて損した形。
さりながら、原題をそのまま日本語にするのは難しかったとは思う。英語の世界での成句であり、日本語には
しづらい。セレンディピティーを訳すみたいに。映画の中では「幸せのオマケ」と訳されている。
子どもの死に苦しむ母に、誰かが語りかけた言葉で、「どんな辛く苦しい状況でも、いいことがある。
絶望するな」というニュアンスで使われる。この言葉が映画全体のキーワードになるので、邦題は全く難しかった
だろう。しかし、つけるに事欠いて、という感じは残ってしまう。

本作には二段の「そうだったのか!」が用意されていて、考え落ちだったり、伏線回収だったりするわけだが、
言いたいことは、そう大げさなことじゃないけど、これだけの名優をたんまり使ってまでやるか、という
too much感は漂う。しかし、嫌な映画ではない。見て損した、という類でもない。清々しい思いをするものでも
ないのだが、それぞれ心に響くものはあるのではないかという映画だ。

広告代理店のカリスマ的共同経営者ハワード(ウィル・スミス)が、難病で娘を失い、人生に絶望する中、
会社の同僚たちが、3人の俳優を使い、ハワードがいつも主張していた「愛」「時間」「死」をそれぞれ
演技させ、彼が抽象概念で悩むのなら、抽象概念で当たってみるしかないと考えた末の行動だったのだ。

さて、その3人は1人2万ドルで仕事を引き受けるのだが、なかなか難しい立場を気の利いたセリフでハワードに
対峙する。役者の登場から最後まで、様々な伏線は張られていて、冒頭キーラ・ナイトレイの登場にしても
彼女が赤い帽子を被っていて、ハワードの大親友にして共同経営者ホイット(エドワード・ノートン)が
追いかけやすくしてたな、とか、取締役会でハワードの経営統治能力が欠如している証拠のビデオには
3人の役者と会話しているハワードが1人だけしか写っていなかったり(これは友人らが撮って編集したのかな
と最初は思った。高等技術だななんてね)、役者のセリフが脚本家がいないのによく出来過ぎているな、とか。

つまり、この三人の役者は、本当にそれぞれが「愛」「時間」「死」であったわけだ。それはラストあたりに
ネタバラシが用意されている。それにしても、その作戦を思いついたエドワード・ノートン、ケイト・
ウィンスレット、マイケル・ペーニャの仲間3人は、その事実を知っていたのだろうか、あるいはある時点で
知ったのだろうか、そのあたりが分からなかった。

メインにハワードの再生の話を据え、脇にホイットと幼い娘との再生、更に、同僚サイモン(マイケル・
ペーニャ)の不治の病、精子バンクで子どもを得ようとする同僚クレア(ケイト・ウィンスレット)の
ことが加わっていく。

お話としてはよく出来ていると思うし、繰り返すが悪い映画ではない。しかし評価はあまり高くはない。
思うに、ストーリーを物語るには役者が重量級過ぎて、本来重い話が更に重くなってしまい、見ている方が
疲れてしまうというデメリットが生まれたのではないか、と考えてみた。
名優たちは声を掛けられこの本を読んでみれば、特に舞台を経験している役者であれば、やりたくなるんじゃ
ないだろうか。抽象的概念の演技は魅力であると思う。
配役では久しぶりにしっかり観たエドワード・ノートンが魅力的であった。

観る人によって凄く心を突き動かされるか、疲れてしまうか、受け止め方が異なる映画であろう。
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<ストーリー>
ウィル・スミスが最愛の娘を失い絶望の淵に立たされた男を演じる異色のヒューマン・ドラマ。深い喪失感から
すべてを投げ出してしまった会社経営者が、自分の前に現われた奇妙な3人の男女との交流によって立ち直って
いくさまをミステリアスな語り口で綴る。
共演はエドワード・ノートン、マイケル・ペーニャ、ケイト・ウィンスレット、キーラ・ナイトレイ、ヘレン・
ミレン。監督は「プラダを着た悪魔」のデヴィッド・フランケル。

 ニューヨークで広告代理店を経営するハワード。彼の手腕で会社は業績を伸ばし、公私ともに順風満帆な
人生を送っていた。ところが突然、6歳の愛娘が不治の病でこの世を去る。ハワードは深い悲しみで自暴自棄と
なり、仕事を放り出して自宅に閉じこもる日々。
ハワードに頼り切りだった会社は急速に傾き始める。残された同僚役員ホイット、サイモン、クレアはそれぞれの
事情も相まって、ハワードをどうにかして救わなければと思っていた。そんな時、ある奇策を思いつく。
やがてハワードの前に、性別も年齢もバラバラな3人の奇妙な舞台俳優が現われるのだったが…。(allcinema)

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:14% Audience Score:64% >




by jazzyoba0083 | 2018-02-12 22:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)