●「アラビアの女王 愛と宿命の日々 Queen of the Desert」
2015 アメリカ・モロッコ Benaroya Pictures,H Films,Raslan Company of America. 128min.
監督・脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
出演:ニコール・キッドマン、ジェームズ・フランコ、ダミアン・ルイス、ロバート・パティンソン、ジェイ・アブド他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
「アラビアのロレンス」ことT.E.ローレンスが活躍していた同時期に同じ場所に、こういう英国女性がいた
ということを初めて知った。オスマン・トルコ帝国の衰退と欧米列強による蚕食、それからの現在の中東の混乱の
歴史に興味があるものとしては、とても面白いお話だった。
もっと女傑が登場するのか、とも思ったが、恋愛譚に振った構成は、映画の出来としては興味は薄かったが。
中東の歴史やアラブ世界のことに興味がないと2時間を超える映画は退屈かもしれない。
主人公ガートルード・ベルがものすごく危険な目に遭うとか、その手の活劇的魅力より、二人続けて愛する人を
失うと言う悲恋の人の側面が大きく描かれ、アラビアの砂漠の奥深くで女1人で頑張るさまは大したものだ、とは
思うけど、本当は最後のシークエンス、アラブの部族の様子をイギリス政府に連絡したように政治的側面が大きの
ではないか。本作は叙情的、ハーレクイン的性格に振ったのだね。ヘルツォーク監督起用はプロデュースサイド
からみて当たったのだろうか?ニコール・キッドマンの起用も含めもう少しアクティブであってもいいかな、と
感じる。
wikiなどによればローレンスのより20歳年上でアラブでのキャリアも長いベルの活動は、もっともっと政治的な
側面が大きいことが分かる。

個人的には、映画の中に出て来るT.E.ローレンスとの絡み、アラビア砂漠の部族間の揉め事による混乱と
英仏独の介入の様子が面白かった。イスラムの世界に女性が立ち入ることの難しさを考えれば、その当時としては
彼女の活動は、特異なものであったのだろう。アラブの世界には同じイスラム教でもスンニ派とシーア派が
対立していて、その上にクルド人、ユダヤ人、キリスト教徒などと一筋縄では行かないところに、細かい部族が
多数対立、オスマン・トルコの存在がどうにかそれに蓋をしていたところ、これが衰退しそこに
英仏独が植民地政策として乗り込んでくる。有名な英国の三昧舌外交に代表されるように、第一次大戦前後に
開かれた中東のパンドラの箱はいまだに閉じることがない混乱のままである。
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<ストーリー>
ニコール・キッドマンがイラク建国の立役者で、イラクとヨルダン両国の国境線を引く偉業を成し遂げた女性、
ガートルード・ベルを演じる実話を基にした人間ドラマ。アラビアの砂漠をひとりで旅し、度重なる危険にも
ひるまずに現地の人々と交流を重ねる勇敢なベルの人物像に迫る。ドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツォークが
監督を務める。

イギリス鉄鋼王の家に生まれた才女ガートルード・ベル(ニコール・キッドマン)は、イギリス上流階級の
生活を捨てて各地を旅してまわり、砂漠の民を研究する考古学者として、そして諜報員として活躍。
2 度の悲恋をはじめ度重なる困難が立ちはだかり運命に翻弄されながらも、砂漠に魅せられた彼女はアラビアの
和平を目指し、各地の部族と交流を続ける。やがて時代は大きな転換期を迎え、彼女はイラク建国の立役者と
して尽力していく。(Movie Walker)

<IMDb=★5.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:17% Audience Score:36% >



by jazzyoba0083 | 2018-02-13 22:30 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)