カントリー・ストロング Country Strong

●「カントリー・ストロング Country Strong」
2010 アメリカ,Screen Gems,Maguire Entertainment,.117min.
監督・脚本:シャナ・フェステ <日本劇場未公開>
出演:グウィネス・パルトロウ、ティム・マッグロウ、ギャレット・ヘドランド
   レイトン・ミースター他

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
カントリー歌手の再生と絶望のお話。最近ではジェフ・ブリッジス主演
「クレイジー・ハート」があった。パルトロウの歌、吹き替えなしで
上手い。だけど、作品としての本作の仕上がりは、いまいちパンチに欠ける。
お話が平板なんだな。ストーリーとして面白くないことはないのだが、
カントリーというジャンルにあまり人気のない日本では未公開もしょうが
ないか。主人公のケリー(パルトロウ)という歌手が、病気とは言え、
感情移入が出来ない「わがまま」な振る舞いで、最後には自殺しちゃうんだ
けれど、病気はかわいそうだけど、自分ひとりで突っ走って死んでいった、
何なの?という感じを免れない。ボーとチャイルズの未来に栄光あれ、と
いうまとめ方でいいのかな。

<ストーリー>
グラミー賞を何回も獲っているカントリー界のスーパースター、ケリー・
カンター(パルトロウ)は、ダラスの公演で飲酒が原因で転倒して流産、
これが原因で精神的にも弱くなり、施設に入って更正中、そんな彼女を
暖かく見守る、ボーという青年。
彼も、町のクラブでカントリーを作詞・作曲して歌う日々。彼はそれで
満足していた。
ケリーは、マネージャーで夫のジェームスと上手く行っておらず、心は
優しいボーへと向かっていくのだった。

そんな中、夫ジェームズは、ケリーのツアーを無理して組んでしまう。
このツアーに、同じクラブで歌っているチャイルズという若手の
女性歌手も前座として同行することになった。ボーはミスコン出身の
駆け出しにはまだ無理だと反対する。しかし、ボーも夫からケリーの
身を気に掛けてくれということで同行することになる。

大型バスで移動するケリー。バンに押し込められて移動するボーとチャイルズ。
ヒューストン、などで大観衆を前に公演に臨むケリーだが、まともに歌えない。
反面、前座で歌うボーとチャイルズの評判はどんどん上がっていく。
ケリーとボーは愛し合うが、住む世界が違うと、ボーはケリーから離れ、
自分に好意を寄せるチャイルズと接近する。彼女はミスコン出はバカだと
思われたくない、と常識を身につけようという努力、そして作詞作曲にも
努力していた。

最初の公演では食中毒で体調が悪かったと言い逃れたが、つぎの
オースティンでは、プロモーターからもう、ケリーは終わりだと見限られ
ボーとチャイルズが公演を救う。そこでまた二人に脚光が当たる。

ケリーは何とか立ち直ろうと難病の子らの施設を慰問したりするが、
夫との対立、ボーとの別れからくる寂寥感はいかんともし難かった。


因縁のダラス。ここでも熱狂的はファンが待ち構えていた。前座のボーが
歌っている間、楽屋でケリーはチャイルズに、歌を歌っていく上での
教訓を伝授、そしてその後圧倒的なステージを見せて、楽屋に閉じこもる。
ケリーはそこで薬物自殺を図るのだった。

華やかなツアーの世界から、もう一度カリフォルニアのクラブ歌手に戻り
たいと決心したボーはチャイルズを誘うが、彼女は少し考えさせてくれと
いう。
カリフォルニアに戻ったボーは、また自作の歌を少数の気のいい客の前で
歌う生活に戻っていた。そんなボーの前にチャイルズが現れた。
二人はデュエットを歌い始めたのだった・・・・。

ボーもチャイルズも人気が出てきたのに勿体無いなあ、というのが素直な
感想。売れたくても売れない歌手は五万といるのに。まあ、それも人生
だけど。ケリーはかわいそうな人生だったが、夫の心が離れてしまったのも
何か彼女に原因があるような気がする。最後にチャイルズに人生訓みたいな
ものを伝授するのだが、何かそう彼女の心を蝕んでしまったのか、ダラスの
事故なのか、そのあたりの機微がもう少し描かれるともっと良かったのでは
ないか。女流監督らしい、優しい演出が、逆効果になってしまったか。

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# by jazzyoba0083 | 2012-05-19 23:30 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

僕の大切な人と、そのクソガキ Cyrus

●「僕の大切な人と、そのクソガキ Cyrus」
2010 アメリカ Scott Free Productions,91min.
監督:ジェイ・デュプラス 製作:トニー&リドリー・スコット<日本未公開>
出演:ジョン・C・ライリー、ジョナ・ヒル、マリサ・トメイ、キャサリン・キーナー他

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
★は6,5といったところか。1時間30分の掌編ではあるが、設定の面白さで
引き込まれた。配役も一流どころを揃え、特にジョナ・ヒルは「マネー・
ボール」で注目していただけに、関心を持って鑑賞。メインどころはオスカー級
を並べたんだが、いまひとつ「面白い!」と思わせる迫力というか、展開というか
に欠けていた気がした。ジョン・C・ライリーにマリサ・トメイという組み合わせが
現実離れしていたからかなあ。しかも元妻がキャサリン・キーナーって、どれだけ
もてる訳?


すっきりしないわけを探していたら、結局、モリー(マリサ)がサイラスみたいな
マザコンのとっちゃンボウヤに育ててしまった、失敗が原因であり、そこに
モリーを攻められない何かがあるなら別だけど、いい歳をして気持ち悪い男の
存在を、ラストにはイイヤツになったとしても、釈然と受け入れられないのだな。
モリーの子離れ失敗とその結果にジョンが振り回されるという映画か?

どなたかも書かれているように、これだけ長い年月をかけてマザコンになった男が
そう簡単にいい人になるとは思えないのだが。

「僕のママを取るんじゃねえよ、おっさん」とばかりに、ママに接近してきたジョン
(ジョン・C・ライリー)に手を代え品を代えての意地悪を仕掛けるのだ。
結局、当たり前ながら、ジョンは、このマザコン青年の存在にギブアップし、
モリーとの交際を諦めるのだが、悲嘆に暮れるママを見ていると、やっぱり
自分が悪かったのかなあ、といい人作戦に転換し、めでたく二人はよりを戻すのだ。
そんな簡単なお話だが、設定が面白いし、カメラワークがドキュメンタリーの
リハーサル映像みたいなタッチで色添えをしている部分はいいな、と思わせる
(スコット兄弟の差し金かな)、とにかく深みに欠けた映画(そういうタイプの
映画ではない、といわれればそれまでだけど、それにしては配役が勿体無い)

やはり、今はダイエットしてすっきりしちゃったジョナ・ヒルの怪演が見ものの
作品といえるだろう。

<ストーリー>
「リドリー&トニー・スコット製作総指揮で、理想の女性と出会ったバツイチの
中年男が彼女の憎々しいマザコン息子による執拗な嫌がらせに悪戦苦闘するさまを
描いたコメディ・ドラマ。
 離婚して以来、冴えない日々を過ごしていたジョンは元妻の再婚パーティーで
魅力的な女性モリーと出会い、意気投合。やがて、彼女もバツイチで、
21歳の息子サイラスと2人で暮らしていることを知る。
さらに、彼は極度のマザコンで、愛する母を取られまいと嫌がらせを仕掛けて
くるのだった。こうしてサイラスとモリー争奪戦を繰り広げるジョン。
しかし、狡猾なサイラスに翻弄され、ついにはモリーと破局の危機を迎えてしまう…。
(allcinema)

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# by jazzyoba0083 | 2012-05-16 22:40 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

サイン Signs

●「サイン Signs」
2002 アメリカ Touchstone Pictures, Buena Vista Picutes(Distribution),.107min.
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス、ロリー・カルキン
   アビゲイル・ブレスリン、M・ナイト・シャマラン他

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
2005年に一度観ているので再見だが、7年も経つと内容をほぼ忘れている。(泣)
まあ、面白い映画に出会えた、と思えばいいのだけれど。
ナイト・シャマランの映画は「アンブレイカブル」を観ているが、判り辛い映画、
という印象しか残っていない。それに比べれば、基本的には判りやすいストーリー
だが、信仰をどう受け取るか、キリスト教の国では、重い問題も含んで見られるの
だろう。
怖いのか、笑っちゃうのか、よく判らないのだけれど、トウモロコシ畑のざわつき
とか、光の加減で宇宙人を表現するところは、スピルバーグ譲りではあるが、
怖さの演出には成功していたと思う。が、実際に出てきた宇宙人はほぼ人間の
格好だし(陰になっていてよく判らないけど)、アルミの帽子を揃って被って
いるシーンは、お笑いか、と突っ込みを入れたくなる。



主人公は、不慮の交通事故(加害者をシャマランが演じている)で妻を亡くした
元牧師のメル・ギブソンだが、彼は、妻の死を理由に信仰を捨てる。しかし
宇宙人との邂逅で、また信仰の道に戻るのだが、長男が宇宙人に襲われたとき
死なないで済んだことが、神の存在を彼に蘇らせた、というのだろう。
それだけ衝撃的なことだったのだろうけど、そのあたりキリスト教国では
どう受け止められたのだろうか。信仰を捨てた牧師を主人公にしたところは
面白さを増加させる一定の役割を果たすことが出来ていた、と言えるだろう。

メルもホアキンも、カルキンも、この後「ミス・リトル・サンシャイン」で
オスカーノミニーになるアビゲイルも、脇もキャスティングは良いのではないか。
ただ、メルの場合、どうしてもマッド・マックスのイメージが個人的には強く、
格闘のシーンが思い浮かんでしまうのだが、戦う元牧師、という役柄としては
良かったのではないか。宇宙船も出てこないし、全身を現すのは1匹の宇宙人
のみではあるが、光とか、出演者の演技、カメラワーク、ストーリーの仕立てで
映画としての完成度を高めたといえるだろう。ただ、どこか安っぽさも感じて
しまうのも免れないことろで、(宇宙人の弱点が「水」だったことも)
このあたり評価が分かれるだろう。

<プロダクションノート&ストーリー>
「世界各地に実在するミステリーサークルにまつわる超常現象から、監督なりの
解釈で物語りを綴る。シャマラン監督が今回、獲得した脚本料は史上最高の
1000万ドル。さらに主演のメル・ギブソンの出演料も、史上最高の2500万ドル。
しかし、何よりも目を引いたのは2人の子役、モーガンを演じるのはマコーレー・
カルキンの弟ローリー・カルキン。そして幼い娘ボーを演じているのは『キッド』の
子役スペンサー・ブレスリンの妹アビゲイル・ブレスリン。愛くるしさはもちろん、
真に迫った表情など、演技力の深さに恐れ入ってしまう。

ペンシルバニア州バックス郡。グラハム・ヘス(メル・ギブソン)は妻を交通事故で
失ったことにより、神の存在を疑い、牧師をやめて農場を営んでいる。
ある朝、ヘス家のとうもろこし畑に巨大なミステリーサークルができていた。
最初はいたずらかと思ったが、飼い犬が突然凶暴化。また、世界中に同じことが
起きており、町の人々は次々とミステリーサークルから遠い地域に避難していく。

グラハムたちは思い出のつまった我が家から逃げるのを拒んでいたが、
やがて宇宙人がヘス家に侵入してくる。グラハムの弟メリル(ホアキン・
フェニックス)はバットを持って宇宙人と対決し、宇宙人が水に弱いことを発見。
グラハムの幼い長男モーガン(ローリー・カルキン)は宇宙人に毒ガスを注入されたが、
彼はぜんそくで気道が閉じていたため無事だった。その幸運により、グラハムは
再び神の存在を信じるようになるのだった。 」(goo映画)

地球の7割だっけ?を占める水が自分らの最も弱点とするところ、なんて
宇宙人、もっと調べてから着陸しろよな、という突っ込みも可能ww。

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# by jazzyoba0083 | 2012-05-15 23:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡 Bottle Shock

●「ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡 Bottle Shock」
2008 アメリカ Shocking Bottle,Intellectual Properties Worldwide (I)
Unclaimed Freight Productions,Zin Haze Productions,.110min.
<日本未公開>
監督:ランドルー・ミラー
出演:クリス・パイン、アラン・リックマン、ビル・プルマン、レイチェル・テイラー他

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
カリフォルニアワインがフランスワインを打ち破って世界にその名を高めたという
事実に基づく作品。ナパバレーには行った事があり、ワインの試飲もした身としては
ナパの光景と共に、思い入れが濃い映画であった。実話がベースというのも
興味を引いた。1976年の、作品で描かれる試飲会のことは知らなかったし、
「シャトー・モンテレーナ」というワインも知らなかったので。今度安いやつを
飲んでみよう。

1976年にパリで開催されたワインの試飲会で、ナパを代表して出品された、
「シャトー・モンテレーナ」の白が、並み居るフランス産を押さえ、優勝して
しまうのだが、それに至るまでのワイナリーの苦労を描いていく。
もちろんハイライトは、試飲会でのナパワインの優勝だが、それ以外に、その
ワインが出来るまでの、特に、一旦茶色くなり、2~3日で透明になっていく
ところは、ハラハラもしたし、顛末に都合のよさも感じてしまったが、事実
なのかもしれない。 日本未公開だが、ワイン好き出なくても、ナパに行ったこと
がなくても、そこそこ楽しめる出来になっている。
ワイナリーにやってきた若き女性研修生を巡る恋の鞘当なんかもあるし。

<ストーリー>
今ほどナパワインが有名でなかった1976年、「シャトー・モンテレーナ」という
ワイナリーを経営する脱サラ弁護士、ジム・バレット(アラン・リックマン)は
上等なワインを造ることに苦労していた。息子ボー(クリス・パイン)は大学を
休んでワイナリーを手伝っていているのだが、厳しい父と対立することが多い。
ここにはメキシコ人のグスタボという青年が手伝っていて、これに農業研修生と
して美人のサムがやってくる。

一方、パリでワイン店兼ワイン学校を経営する英国人ワイン評論家スパリエ
(ビル・プルマン)は、アメリカ人の友人に刺激され、フランスワインを国際的
視点から評価するために、世界各地からワインを集め、覆面試飲会を開催する
ことにした。彼は、自らナパバレーを巡り、その味わいの良さに感激、
26本のワインをフランスに持ち帰ることにした。(飛行機にワインは1人1本しか
持ち込めないので、ワインを荷物として揺らすことを避けたいスパリエは
同じ飛行機に乗る赤の他人に事情を説明し、一人1本づつ手荷物にしてもらう)
ジムのワイナリーにもスパリエは来たが、ジムは、ボトルを売ることを拒否。
しかし、帰りの空港で、ボーが2本、彼に持って帰ってくれ、と懇願したのだった。



さて、いい白ワインを作る苦闘を金の無い中で苦闘していたジムは、500ケースの
ワインを仕込むことに成功した。出荷を待つばかりだったが、倉庫に行って
見ると、ワインは茶色に変色していた。がっかりしたジムはすべてごみとして
処分することを決め、自分はサンフランシスコの弁護士事務所に復職する相談に
出かけた。

オヤジが茶色くなったワインを前にして呆然としている姿を見た息子ボーは
サムと共に、大学の醸造学教室に飛び、その謎を解明してもらう。理由は単純で
発酵後、あまりにも酸素を遮断したためで、2~3日すれば、透明になる、と
言われた。急いで倉庫に帰る二人だったが、すでに500ケースは出て行って
しまった後だった。

がっかりして、いつものバーでグスタボと3人で飲んでいると、友人の女性
マスターが「いい白が安くはいったのよ」と言って彼らの前に白ワインを出した。
口にした3人はびっくり。自分のシャトーのワインだったのだ。

理由を聞くと、業者から安いワインを買ってくれと言われたのでビンをリサイクル
すれば、環境にもやさしいから、全部買った、とのこと。捨てられるべきワインは
救われたのだ。急いでサンフランシスコにいる父にも連絡。1本だけ持っていた
ワインを袋から出すと、見事に透明になっていて、味も素晴らしいものだった。

ジムはパリの試飲会にボーを送り出すことを、ナパのワイナリーの経営者たちに
持ちかけ賛同を得て、ボーはパリの試飲会へと飛んだ。
パリ郊外では、並み居るシェフや評論家たちによって、覆面テストが行われた。
そして、ジムの「シャトー・モンテレーナ」は見事に優勝、フランスワインを
負かしたカリフォルニアワインとしてニュースは全世界を駆け巡った。

たちまち、ベストセラーになったジムのワイン。その後もカリフォルニアワインは
フランスワインに勝ち続けていったのだった。
フランスの自分の店でスパリエは言う「これは始まりに過ぎない。そのうち南米、
オーストラリア、ニュージーランド、中国、世界中でいいワインが育てられるように
なる」と。実際その通りになっている。

最後のロールで、試飲会に出品されたワインのボトルはスミソニアン博物館に保存展示
されているそうで、ボーは大学に戻り醸造学を学び、シャトーに戻り、グスタボは
自分の夢を叶え、独立して自らのワイナリーを経営している、という。

この映画の詳細はこちらまで。

# by jazzyoba0083 | 2012-05-14 23:40 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

幸せの教室 Larry Crowne

●「幸せの教室 Larry Crowne」
2011 アメリカ Universal Pictures,Vendome Pictures,Playtone,.98min.
監督・製作・脚本:トム・ハンクス
出演:トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、ブライアン・クランストン他

<評価:★★★★★★★☆☆>
<感想>
名優トム・ハンクスが、自らプロデューサーを努め、脚本(共同)を書き、
主演までやってしまった、掌編。共演に選んだのはジュリア・ロバーツ。
大作出演を続けてきた、トムだが、自分では、こういう何気ない日常を
描いた作品を作りたかった、演じたかったのだろう。これまでのトムは
こういう作品に出るんだな、という既成概念を持っている人には、なんで
こんなこじんまりとした作品を作ったり出たりしたんだろう、と思うだろう。
それはジュリア・ロバーツについても言えることだ。

でも、トム・ハンクスという映画人は、大作だけが自分のやりたい映画
だろうか、と考えていたに違いない。日常の中にある人生や男女のことを
気軽に手軽にセンス良く描いてみたい、という欲求があったのに違いない。
そういう意味で言えば、趣味のいい、トムらしい作品になったといえよう。
トムの欲求がすべて高いレベルで実現しているか、といえば、満点では
ないわけだが。

それとない日常を描いているので、インパクトからすれば弱いし、評価も
辛めではある。しかし日本円で約24億掛けた制作費はすでに倍の回収を
果たしている。アメリカ人にとってこういう趣味の映画は好みなのではないか。
勿論、共演の2大俳優への期待もあろう。

一人の悪人も、警察も、発砲も、死人もない、構えないで楽しむにはいい
映画だと個人的には感じた。勿論食い足らない、と感じる人も多かろう。
そういうタイプの映画であることは理解できる。

<プロダクションノート&ストーリー>
「『フォレスト・ガンプ/一期一会』『ダ・ヴィンチ・コード』の
トム・ハンクスが製作・脚本・監督を務めた本作。
不景気な現代に、仕事を解雇されながらも前向きに挑戦を続け、新たな経験をして
人生を切り拓いていく中年男性の姿を描く。
主人公のラリー・クラウンは、短期大学で新たな友人を得て、セルフ・
プロデュースの術を知り、自分の才能を再発見していく。彼に影響を与える
二人の女性は、ググ・バサ=ロー演じる自由な女子大生・タリアと、
ジュリア・ロバーツ演じるスピーチ講師・メルセデス。この二人に刺激され、
ラリーは新たな幸せを手にしていくのだ。何かと世知辛い現代、ラリーの姿に
刺激され、人生を変えたいと思う男性も多いかも。

大卒ではないという理由で、長年勤めていたスーパーをリストラされてしまった
ラリー・クラウン(トム・ハンクス)。再就職のアテもなく落ち込んでいたが、
心機一転、再就職のためのスキルを身につけようと、短期大学に入学する。

そこで出会ったのは、スピーチの授業を担当する教師メルセデス・テイノー
(ジュリア・ロバーツ)。いつも仏頂面で、酒に酔って暴言を吐くメルセデスは、
結婚生活の破綻からアルコールに走り、教師としての情熱も、日々の喜びさえも
見失っていた。

初めてのキャンパスで年齢も境遇も違う様々な人々と出会うことで世界を広げ、
かつてない充実した日々を送り始めるラリー。メルセデスは、そんなラリーとの
出会いを通して、再び自分と向き合い始める。果たして2人はこの教室で、
幸せな未来を見つけることが出来るのか……? 」(goo映画)

大手スーパーをリストラされたラリーは、離婚して一人身である身軽さもあり、
クルマをスクーターに代え、家を売り家財を売ってアパート生活に。
一人の学生として出直すところに悲壮感はまるで無い。これ、ちょっと現実味が
無さすぎかもしれない。ものすごいポジティブシンキングな男なんだろう。
それはキャンパスでの若い学生とのふれあいや、もちろんメルセデス先生との
恋愛過程でも発揮される。その分、観ている方は暗い気分にならず、むしろ
そのポジティブさに「元気」を貰うことができるのだろうけど。


映画は、2年目の課程に入るところで終わるのであるが、果たしてラリーは
新しい職業を見つけられるのだろうか? メルセデス先生という恋人は
ゲット出来たけど。あの歳で再就職は相当厳しいと思うよ。短大卒ではね。
ただ、ラスト、ピザを取ったら、配達してきたのが、自分を首にした
スーパーの上司だったのには笑ったけど。つまり大卒でも首は切られると
いうことだ。

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# by jazzyoba0083 | 2012-05-13 12:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(2)

冒険者たち Les Aventuriers

●「冒険者たち Les Aventuriers」
1967 フランス CGIC,Compagnia Generale Finanziaria Cinematografica,.110min.
監督:ロベール・アンリコ  音楽:フランソワ・ド・ルーベ
出演:アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、ジョアンナ・シムカス他。

<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
古き良きフランス映画の香り高き名作だと思う。基本的にはフィルム・
ノワールなのだが、それ以上に詩情豊かな作品で、見ていて心地よくさえ
ある。特にルーベの音楽の特徴あるテーマソング(日本でもヒットした)が
全編、哀愁を漂わせて流れ、作品に叙情的な味わいを加味していると言える。
ストーリーも、判りやすく(突っ込みどころもあるけど気にならない)
それ以上に映像と音楽が上手に融合し、詩的が味わいを表現、これがフランス
の雰囲気をとてもよく出していた。なんか夢見るような青春映画だった。

パイロットのアラン・ドロン、エンジニアのリノ。ヴァンチュラ、前衛芸術家の
ジョアンナ・シムカスの3人も、それぞれの味わいが深い個性を上手く演じて
いたと思った。演出+配役+音楽+脚本が、フランス的に上手く合体すると
こういう佳作が出来るという見本だろう。フランス映画を語るときに
(あまり観てないけど)外すことの出来ない作品ではないか?

<プロダクションノート&ストーリー>
「飛行機、レーシングカー、船による宝探し、そして友情と恋。
これだけ聞くと、アクション映画かと思ってしまうような内容だけれど、
実はそんな映画ではない。
冒頭の、虚ろな瞳で歩くジョアンナ・シムカスが象徴しているように、
この映画には虚無感があふれている。南の島、青い海、若い男女…。
これだけの舞台と登場人物が整っていながらも、映画は淡々とすすむ。

ジョゼ・ジョヴァンニの同名小説を、彼と「ふくろうの河」の監督ロベール・
アンリコ、ピエール・ペルグリの三人が共同で脚色し、ロベール・アンリコが
監督したアクション。
撮影はジャン・ボフティ、音楽はフランソワ・ド・ルーベが担当。
出演は「パリは燃えているか」のアラン・ドロン、「女王陛下のダイナマイト」の
リノ・ヴァンチュラ、「スタンダールの恋愛論」のジョアンナ・シムカスほか。
イーストマンカラー、テクニスコープ。

マヌー(A・ドロン)とローランド(L・バンチュラ)は、性格はまったく
違っていたが、実の兄弟のように仲が良かった。
マヌーはパリにある飛行クラブの教師で、ハンサムでスマートな外見に似合わず、
驚くほどの命知らずで大ぼら吹きだ。ローランドはパリ郊外の廃車置場の中にある
奇妙な仕事場に住み、画期的なカー・エンジンの開発に専念していた。
(この廃車置場に、芸術家のレティシア(シムカス)が、彫金の材料集めに
やってきて、ローランドとマヌーと知り合うことになる。そしてそこを
自分の仕事場として作品を作り始めることになる)

ある日マヌーは飛行クラブの生徒から、耳よりな話を聞きこんだ。それはある
映画プロデューサーが撮影のため凱旋門を飛行機でくぐり抜けた者に2500万
フランの賞金を出すというのだ。マヌーは科学的調査をして、十分に勝算のある
ことを知った。いよいよその当日となったが、凱旋門に大きなフランス国旗が
下げられていることが判明、飛行はとりやめとなり、都心を低空飛行したことで
マヌーは飛行士の免許を剥奪されてしまった。
おまけにこの話が巧妙に仕組まれた冗談であることが分った。

失業したマヌーは友人ローランドの仕事場へ移ったが、仕事は思うように進行
しなかった。冗談から操縦士免許を取り消されたマヌーとローランドは、ウソを
吹き込んだ生徒をとっちめるが、その男が、侘びの代わりのように、コンゴ動乱
から脱出したベルギーの金持ちの乗った飛行機がアフリカ沖に沈んでいるという
情報を二人に与えた。
二人はこの調査に乗りだした。一方、レティシアは開催した彫金の個展が新聞に
酷評され、落ち込み、二人の元に泣きながら転がり込んできた。

調査の結果それは間違いなかった。マヌーとローランド、レティシアの三人は
スクーナー船に乗りこんで、宝探しを始めた。途中墜落して死んだと思われていた
パイロットが船を訪れた。一瞬対立するパイロットと3人だったが、協力しあい
ついに金貨やダイヤモンドなど、一人当たり1億フランほどの財宝を手に入れた。

ところがこの財宝に目をつけていた男たちが、水上警察の臨検を装ってやってきた。
墜落機のパイロットは、彼らが偽者だと見やぶり、銃撃戦となる。
その戦いの中でレティシアは流れ弾を食らって死んでしまう。彼女はローランドと
二人の生活を夢見ていたのだった。二人は、彼女に潜水服を着せて水葬する。
そして、墜落機のパイロットを救助艇に乗せて、追放したのだった。

危機を脱出した二人は彼女の故郷アイクス島を訪れた。ラ・ロシェルという港町で
レティシアの親戚を探す。一人の雑貨屋に甥がいることが判明、彼に彼女の財宝の
取り分を信託財産として預けるのだった。

レティシアを愛し続けていたローランドは、島に残った。その島の沖にはボワイヤー砦
というナポレオンが作らせた、島状の要塞があった。レティシアは、ここで作家活動を
することを夢見ていたのだ。ローランドは、手にした財宝でこの島を買い取り、ここを
ホテルに改造しようと計画した。パリに帰ったマヌーだったが、やはりローランドとは
別れがたく、再び彼の元へと戻る。ローランドはマヌーに自分の計画を明かし、彼に
客を送迎するヘリのパイロットを務めてくれるように依頼する。

しかし、マヌーの後をつけてきた財宝狙いの一味が島に上陸、銃を持って財宝を
手渡すよう脅迫してきた。ローランドとマヌーは、雑貨屋の少年から教えてもらった
その要塞に隠されているドイツ軍の銃や手投げ弾を使って、一味と対抗。その争いの
中で、マヌーは撃たれてしまう。ローランドの活躍で一味は全滅したが、マヌーは
ローランドの腕の中で、天国へと旅立ったのだった」(goo映画・一部訂正しました)

映画全編みられます。
http://www.youtube.com/watch?v=GprEn4PjY94&feature=related

この映画の詳細はこちらまで。







# by jazzyoba0083 | 2012-05-12 22:45 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

アメリカン・プレジデント The American President

●「アメリカン・プレジデント The American President」
1995 アメリカ Universal Pictures,Castle Rock Entertainment,.114min.
監督・製作:ロブ・ライナー
出演:マイケル・ダグラス、アネット・ベニング、マーチン・シーン、
   マイケル・J・フォックス、リチャード・ドレイファス他

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
個人的には好きな映画。大統領のラブロマンス映画、ということだろうね。
大統領だって恋をするわさ、というシチュエーションを、再選や法案の
駆け引き(大統領の国を左右する仕事)を持ち出して、ハラハラさせるという
塩梅だ。出演者が豪華で、アネットが美しい。AJという首席補佐官を演じる
マーチン・シーン、スタッフのマイケル・J・フォックスもいい感じ。
ただ、対立候補のリチャード・ドレイファスが勿体無かったかな、という感じ。

ホワイトハウスを舞台に妻に先立たれた大統領と、環境保護団体のロビイスト
である女性が恋に落ちると、政権の中枢では何が起きるか、ということを
大げさな舞台装置の中で進行させる。
さりとて、大統領も一人の男。結局周りのスタッフの協力も得て、危機を乗り
越えて、恋愛を成就されていくのだ。その過程が普段見られないところなので
なかなか興味深い。「王様と私」「ローマの恋人」韓国映画にもなんかあった
な、そういうの。そういう範疇だろうか。
「スタンド・バイミー」のロブ・ライナー、大統領の苦悩はそこそこ描けて
いるのだが、女性側の心境をもう少し深堀するともっと深みのある映画になった
ような気がするのだが、全体としてはさすがに手堅い。
大統領のラブストーリーとして割り切ってみれば、そこそこ面白いと思います。

<ストーリー>
「ホワイトハウス。山積みする仕事を分刻みでこなす合衆国大統領アンドリュー・
シェファード(マイケル・ダグラス)は、今朝も大統領補佐官マッキナニー
(マーティン・シーン)や専属補佐官ジェニー(サマンサ・マシス)、首席内政補顧問
ロスチャイルド(マイケル・J・フォックス)、報道担当補佐官マッコール
(アンナ・ディーヴァー・スミス)、世論調査官コダック(デイヴィッド・ペイマー)ら
ブレーンと打合せを開始。

次の予定まで4分の空き時間ができた彼は、マッキナニーと環境協会の話し合いの
場の顔を出す。そこでは政策担当の弁士シドニー・ウェイド(アネット・ベニング)が
大統領がいるとも知らず、環境破壊が進んでいることを力説していた。
大統領は2人だけで穏やかに話したいと彼女を娯楽室に招く。彼女にひと目惚れした
大統領は、シドニーをフランスの新大統領就任を祝う晩餐会に招待。
感激した彼女を大統領はダンスに誘い、満場の招待客の中で華麗に踊った。
この出来事をきっかけに2人は急接近し、大統領の死別した妻との間にできた12歳の
一人娘、ルーシーも彼らの仲を喜んでいる様子。

だが、大統領選の対立候補の上院議員ボブ・ラムソン(リャード・ドレイファス)は
2人の恋を争点に攻撃を開始する。そんなある日、シドニーは別れを切り出すが
大統領はセックスに臆病だと言い、彼らはついに結ばれた。翌朝、スタッフが驚く中、
報道陣の前でキスを交わす2人。それは彼女との仲を公式に認めながらも、大統領の
職務とは一切関係ないことの意思表示だった。

ラムソンはますます攻撃を強め、マスコミもこれに同調し支持率は大きく低下。
シドニーは心から愛している彼を思い、姿を消す。窮地に立たされた大統領は
記者会見を開き、懸案だった環境と銃規制の両法案に真剣に取り組むことを表明し、
テレビの向こうで見ているラムソン、そしてシドニーに政策とプライベートは別個の
ものであることを力強く宣言。シドニーもその気持ちに応える決意で、彼の元に急いだ。」
(goo映画)

上の解説は微妙に間違えているところがあるが、苦難を乗り越え、恋を成就させ、
また大統領として一回り大きくなる姿を描いている、という
ターニングポイントは、ラスト近くにする大統領の記者会見。自分の大統領としての
立ちいちをハッキリさせ、環境法案を通し、犯罪法案を継続協議として議会と
妥協する姿勢を明確にしたところだろう。この演説を聴いて、姿を消していた
シドニーはホワイトハウスに駆けつけてきて、ちょうど、シドニーを探しに行こうと
していた大統領とひしと抱き合うのだった。

この映画の詳細は< a href="http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=28652#1">こちらまで。

# by jazzyoba0083 | 2012-05-11 23:00 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

スカイライン-征服-  Skyline

●「スカイライン-征服- Skyline」
2010 アメリカ Rogue,Hydraulx,Transmission Pictures.Relativity Media,.94min.
監督:コリン&グレッグ・ストラウス
出演: エリック・バルフォー、 スコッティー・トンプソン、ブリタニー・ダニエル他

<評価:★★★★☆☆☆☆☆☆>
<感想>
エイリアンものは好きだけど、これだけ脚本が壊滅的だと、いくら特撮が
素晴らしくても(そんなでも無いんだけど)、作品として評価できない。
とにかくLAに宇宙人が襲ってきて次々と人間を拉致していく。続編がある
らしいエンディングだが、見ないだろなあ。人間も、エイリアンも特撮も
どれもちゃんと描けてない。私としては映画館で予告編も見ていたし
少しは期待していたのだけれど、残念な映画であった。

<ストーリー>
「ロスに住む親友のペントハウスを訪ねていたカップル、ジャロッド(エリック・
バルフォー)とエレイン(スコッティ・トンプソン)は、その日の早朝、最上階の
部屋のブラインドから差し込む青白い光と不気味な音で目を覚ます。
そして、その光を見た友人の一人が、一瞬にして光の中に吸い込まれて姿を
消すのを目撃する。

更に、窓の外に広がる光景に彼らは呆然と立ちつくした。目前に迫るこれまで
見たことのない巨大飛行物体。しかも、それは1機だけでなく、空を埋める
ほどの数の飛行物体が、地上から人間を吸い上げていたのだ。
だが、それは絶望的な3日間の始まりにすぎなかった……。」(goo映画)

個人的にダメダメ映画だった「エイリアン対プレデター」の監督の作品。
本作はそれ以上にダメダメだったねえ。圧倒的に人間がやられまくって
終わり。続編に続く、という感じ。これ、続編作っても観る人いるのかなあ。

この映画の詳細はこちらまで。



# by jazzyoba0083 | 2012-05-09 11:46 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

死ぬまでにしたい10のこと My Life Without Me

●「死ぬまでにしたい10のこと My Life Without Me」
2003 カナダ・スペイン El Desso S.A.,Milestones Production Inc.,106min.
監督・脚本:イザベル・コヘット
出演:サラ・ポーリー、スコット・スピードマン、デボラ・ハリー、マーク・ラファロ他

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
もっと重い作品で、10のことがもっと大仕掛けかな、と思ったら、割とこじんまり
したものだった。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの「最高の人生の
見つけ方」とは死ぬ前に何をするか、という同じテーマを扱いながら、対照的な
テイストの映画に仕上がっている。

静かで粛々と進むストーリーはクール、とさえいえる。ただ、個人的には23歳の
女の子が、医者から急に余命2,3ヶ月、と言われたあとの、あまりの落ち着き
ぶりに驚嘆。私だったら絶対に取り乱したり、誰かに聞いてもらいたいと、周囲に
迷惑かけまくりで、こんな立派な態度は取れないと思う。
お金に飽かせて、やりたいことをやりまくるほどお金はないし、自分のことを
よく知っていた主人公故に、深夜のコーヒーショップで、ウェイトレスから借りた
ボールペンでさらさらと書き上げた、things to do before i die メモは
あまりにも身近で、それゆえ、胸がつぶれる内容であった。でも10個もよく
スラスラと出てきたな、と感心する。繰り返すが、自分が出来ることを良く知って
いたから、の仕業に違いないのだが。

で、ストーリーはアンという23歳にして2人の女の子の母親が、残りの人生で
10のことをこなして行く。その姿が哀しさを伴わない部分だけむしろ哀しさが増す
効果を生んでいると感じた。最初、北欧の映画か、と思ったら撮影地はカナダで
むしろアメリカンな環境の中でのお話だった。

さらりと死ぬまでの一人の女性の行動を描いているが、観終わって考えることを
沢山残してくれる。23歳の女性ならではの、他の男との関わりとかも含めて。
やはり最初に来るのは残す2人の娘への心配であり、夫への想いであり、母への
想いであり、そして獄中にいる父親への思いである。その中で、「夫以外の
男と付き合う」「タバコと酒は好きなだけ飲む」などがあるのが、気は優しいが
甲斐性があまり無い夫と自分は大学で夜間清掃のアルバイトをしながらトレーラー
ハウスに住む若い母親らしい願望だ。

コインランドリーでの男との出会い、そして男に一緒に暮らそうとまで言わせ、
一方隣家に、自分と同じアンという名前の独身ナースが越してきたことから、
彼女が、夫の次の妻、つまり二人の娘の母になることを示唆しながら、映画は
終わっていく、そのあたり若干帳尻あわせの感が無きにしも非ず、だ。

長さも適当でだれることなく、思いを残して鑑賞を終えることが出来た。

<プロダクションノート&ストーリー>
「生の終わりがわかったら、人はそれまで何をする? 
しかも、それが2ヶ月後だとしたら…? 
不幸じゃないけど、毎日がただ闇雲に過ぎていくだけの生活を送っていた
アンは、突然訪れた転機に、そんな悲しい問いをぶつけられる。
アンの一人称の語りで進んでいくこの物語は、人生で幸せだと思う瞬間や、
かけがえのない宝が、いつも自分の周りにあることを教えてくれる。
自分がいなくなっても、この世界はずっと続く。それは当たり前のことだけど、
終わりを知った人間はとてつもなく孤独だ。」

「清掃の仕事をしている23歳のアン(サラ・ポーリー)は、夫のドン
(スコット・スピードマン)と、二人の娘とトレーラーハウスで暮らす主婦。
しかしある日、突然の腹痛に倒れ、トンプソン医師に癌で余命2~3ヵ月と
宣告される。
アンはドンと母(デボラ・ハリー)には貧血だと説明。そして夜更けのコーヒー
ショップで今までの人生を振り返りつつ、死ぬまでにしたいこと10項目の
リストを作る。

さっそくそれを実行していくアン。そんな時、コインランドリーで、コーヒー
ショップにいた男リー(マーク・ラファロ)が声をかけてくる。
帰宅し洗濯物の袋を開けると本が一冊入っており、電話番号を書いた紙が
挟まれていた。恋人と別れたばかりというリーの家を訪ねたアンは、
彼と恋におちる。優しい夫のドンには、隣の家に越してきた自分と同じ名前の
アンが、新しいパートナーになってくれるよう密かに願う。
そして、10年も刑務所にいる父と面会。したいことを一通り実行したアンは、
母やドンやリーに最後のメッセージをテープに録音して、亡くなるのだった。」
(goo映画)

この映画の詳細はこちらまで。

# by jazzyoba0083 | 2012-05-08 23:00 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

陽のあたる教室 Mr.Holland's Opus

●「陽のあたる教室 Mr.Holland's Opus」
1995 アメリカ Hollywood Pictures,Interscope Communications,.144min.
監督:ステーヴン・ヘレク
出演:リチャード・ドレイファス、グレン・ヘドリー、ジェイ・トーマス、オリンピア・デュカキス他

<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
学校と音楽の授業って何回か題材になっていると思う。近くではメリル・ストリープが
バイオリンの先生をやった実話に基づいた「ミュージックオブザハート」を思い出す。
シチュエーションもよく似ている。まあ、本作の方が古いのだけれど。
閑話休題。本作も、音楽の先生と生徒たちの感動の触れ合いを描いているのだが、
この種の音楽と教育というジャンルは、元来感動を呼ぶジャンルなので、下駄を履いて
見ていたのだが、ラストシーンはともかく、ドレイファスが聾唖の息子のためにビートルズの
「Beautiful Boy」を心を込めて歌うシーンとかも、ジーンと来てしまう。

ラスト、昔クラリネットが下手で、ハロルド先生(ドレイファス)から個人レッスンを受けていた
少女が州知事として出現したときは、予算削減の煽りで音楽クラスが閉鎖され、ハロルド
先生が失業する事態が解決するのか、と思ったけどそうでもなかった。

加えて、NYに行った歌のうまい少女ローウェイが有名になって歌いながら登場するのか、
とも思ったけど、彼女のその後は全く語られずじまいだった。

30年という時代を描くわけで、テンポとシーン転換が重要なのだが、前半がやや長かった
かな。後半がやたらにスピードアップな感じだった。
リチャード・ドレイファスは本作でオスカーにノミネートされたが、それに相応しい演技、誠に
自然な演技の中で、感動を紡いでいった。迫力ある見応えというよりも、淡々と名演技が
つづくという感じ。加えて奥さん役のグレン・ヘドリーが、写真家でありながら聾唖の息子を
もってしまったことから苦悩する母親を熱演していた。
大太鼓担当で、卒業後ベトナム戦争で戦死してしまう男子生徒を若き日のテレンス・ハワード
を見ることが出来る。 

この手の映画を悪くは言えないけど、オリジナル脚本なので、泣かせどころが押さえられている
のがやや鼻につくかな。いい映画ではありあます。悪い人が一人も出てこないし。
原題のオーパスとは作品という意味だが、最後に州知事になった昔の女生徒が、ハロルド
先生が、30年の人生を振り返って、意味があったのか、という問に対し、教え子一人一人が
先生の「作品=オーパス」なんです、と言うところに由来している。

このハロルド先生、音楽に目覚めたのがジョン・コルトレーンの音楽で、音楽室に
「ブルートレーン」のジャケット写真が飾ってあるのがいいね。それと、演奏会でやる演目が
ガーシュインメドレーだし。ジャズファンもニヤリ、だ。

<ストーリー>
「1965年、30歳のグレン・ホランド(リチャード・ドレイファス)は作曲の時間が欲しくて
バンド演奏をやめ、新設のジョン・F・ケネディ高校の音楽教師になる。
だが実際に教壇に立ってみると生徒にはまるで聞く気がなく、オーケストラの授業もてんで
バラバラ。彼はそんな生徒たちに音楽に興味を持たせ、彼らの心を少しでも豊かにする
ことに次第に熱中していく。
妻のアイリス(グレン・ヘドリー)は写真の仕事で家計を助けながら夫を温かく見守る。
67年に息子が生まれ、ジョン・コルトレーンにちなんでコールと名付けた。
だが彼は先天的な聾者で、息子にも音楽を教えたかったホランドは深く悲しむ。

ベトナム戦争でグレンの元教え子にも戦死者が出る。ホランド夫妻は息子を聾唖専門の
学校に入れ、自分たちでも手話を習いだすが、アイリスの熱心さとは裏腹に、グレンは
逃避するように仕事に没頭するのだった。
三年生の演劇祭の出し物がガーシュインをテーマにしたレビューに決まった。グレンは
主演にロウィーナ・モーガンという才能あふれる少女を見いだし、歌手が夢だという彼女を
励ます。上演が成功した晩、ロウィーナは夢を実現しにニューヨークに行くから、先生も
一緒に行って作曲家になれと誘う。だがグレンは昔のバンド仲間に彼女の面倒を見て
くれるよう手配し、自分は町に残る。

80年、ジョン・レノン暗殺。コール(ジョー・アンダーソン)は父が口の不自由な自分には
音楽が分かるまいと思っていることを激しく非難する。グレンはショックを受け、聾唖者の
ためのコンサートに取り組む。そのコンサートで彼は息子のためにレノンの
『Beautiful Boy』を手話つきで歌うのだった。

95年、教育予算の削減で芸術系の授業がカットされ、グレン・ホランドは辞職する。
引退の当日、過去30年間の教え子たちが学校の講堂いっぱいに集まる。
60歳のホランド先生は、自分が平凡な音楽教師でいるあいだにかけがえのない豊かな
“作品"を世に送りだしていたことに気づく。」(goo映画)

クラッシックを教えるのにロックンロールを持ち出す、問題児が音楽に触れ合いまともに
なっていく、陳腐だけど見てるとなぜかこの手の映画はウルウル来ちゃうなあ。

この映画の詳細はこちらまで。


# by jazzyoba0083 | 2012-05-06 17:00 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

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