カテゴリ:洋画=あ行( 358 )

●「歌声にのった少年 Ya tayr el tayer 」
2016 パレスチナ Cactus World Films 98min.
監督・脚本:ハニ・アブ・アサド
出演:カイス・アッタラー、ヒバ・アッタラー、ディーマ・アワウダ、タウフィーク・バルホーム他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
感動の映画ではある。私としてはパレスチナの映画って初めてみたと思う。
監督はイスラエル人。パレスチナのガザ地区というニュースでもよく出る
イスラエルとパレスチナの紛争で有名なところだ。ガザでのロケは相当苦労
したらしい。
歌うことが大好きな少年が、アラブ版「アメリカン・アイドル」に出て優勝する
までを描くのだが、最近「◯◯・アイドル」というオーディション番組を舞台に
した作品をよく見るが、この映画はその優勝者がパレスチナ人だったということ。
そしてまずは予選で歌うまでのさまざまな苦労を通して、本作がただのサクセス
ストーリーではないと綴られ胸が熱くなる。

「スターになって世界を変えたい」と紛争地で育った男の子はそう思っていた。
子供の頃から子供だけでバンドを作って歌うくらいに歌が好きで、結婚式で
バイトが出来るくらい周囲もそのうまさは認めていた。しかし、ギター担当の
姉が重い腎臓病にかかり、パレスチナの治療では助からず、亡くなってしまう。
自暴自棄になり、一時は歌も諦めタクシー運転手をしていたものの、亡くなった
姉との約束を守ろうと、エジプトへニセのパスポートで違法出国し、エジプトでの
予選へ、さらに本戦のテレビ収録のためにレバノンに。その頃には故郷では彼
ムハンマドの人気は沸騰しており、彼に対する期待は大きく膨らんでいた。

10週勝ち抜くのだが、決勝が近づくにつれ、自分の肩にかかるパレスチナ同胞の
プレッシャーを感じてしまい、体調を壊してしまう。やはりそこはパレスチナと
いう事情が大きくクローズアップされてくる。それは仕方がないことだろう。
夢も希望もない世界に生きる人達にとって、ムハンマドの存在は自分たちの見果てぬ
夢を実現してくれる「アイドル」になってしまったのだから。

エジプトに出国するために、ニセのパスポートを承知で出国させようとする役人、
かつてのバンド仲間で今は軍に入り違法な出国を取り締まる立場の友人の友情、
予選に出るための入場証がないムハンマドに、チケットをくれるエジプト生まれの
パレスチナ人、そしてムハンマドを応援するテレビのスタッフなど、彼を囲む
心温かくなる環境が物語を盛り上げる。

そしていよいよ3人の決勝進出者から優勝者を決めるシーン(楽屋を出て行くところ)
から、実際の映像に変わる。(これには戸惑ったが)そして優勝!狂喜するパレスチナ
同胞。その後彼は国連の親善大使になったり、歌という枠を超えて活躍しはじめた
のだった。おそらく今も。

彼には神様から頂いた素晴らしい歌声があり、それを自信の勇気と回りの理解と
協力で、自分の民族を鼓舞する力にしたのだった。彼が同胞のために歌うんだ!
と心に決めるのは決勝戦の前、同胞の期待に潰されそうになってレバノンの海に
向かって故郷の歌を歌った時。
その時にムハンマドの心は、ただコンテストに優勝することだけではない、他の
意味を見つけたのだった。「スターになって世界を変えたい」、小さい夢は
大きな現実となったのだ。
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<ストーリー>
全米の人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」のエジプト版に出場し、
2013年の“アラブ・アイドル”に輝き、後にスーパースターになったムハンマド・
アッサーフ。彼をモデルに、姉との約束を果たすため、歌で世界を変えようと
奮闘する少年の物語がつづられる。
監督は『オマールの壁』のハニ・アブ・アサド。

長きにわたり紛争が絶えず、厳しい状況が続くパレスチナ・ガザ地区。この地で
育ったムハンマド少年はスター歌手になって世界を変えることを夢見て、お手製の
楽器を携え、姉のヌールや友人たちとバンドを組む。
ヌールはエジプトにある歌劇場カイロ・オペラハウスに出るという大きな目標を掲げ、
ムハンマドは練習と資金稼ぎを兼ねて結婚パーティーで美声を披露していった。
しかしムールは重い腎臓の病にかかり、治療費を工面できず十分な治療を受けら
れないまま亡くなってしまう。
姉との約束を守るため、ムハンマドは危険を承知でガザを囲む壁を越え、
オーディション番組『アラブ・アイドル』に出場しようとする。(Movie Walker)

<IMDb=★6.7 >
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:86% Audience Score:60%>






by jazzyoba0083 | 2017-09-24 22:40 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

エル・クラン El Clan

●「エル・クラン El Clan」
2015 アルゼンチン El Deseo 110min.
監督・(共同)脚本:パブロ・トラペロ
出演:ギレルモ・フランセーヤ、ピーター・ランサーニ、リリー・ポポヴィッチ、ガストン・コッチャラーレ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想:決定的にネタバレしています>
これは、映画の出来不出来が後回しになってしまうような、事実としての衝撃が
大きい作品だ。アルゼンチンで1980年代に発生した、家族ぐるみの連続誘拐殺人
事件のお話なのだが、その一家の狂気っぷりと、ラストのエンドロールの内容まで
含めて驚きっぱなし。

冒頭のシークエンスが物語の終焉に繋がっている、とか映画としての作り方に
びっくりはしないし、破綻なく出来ていると思うけど、何と言っても、こんな
一家がいたというのが驚き。しかも、ここがこの映画の肝だが、何気ない普通の
家族が淡々と誘拐殺人をやらかしていて、また音楽もポップで明るい。
本来は陰湿な話であるのだが、長男はアメフトのスター選手だったりして、外見との
落差に驚くわけだから、「事実」にゲタを履いた映画といえ、その落差の描き方には
成功していたといえるのではないか。ストーリーテリングが上手いのだろう。
極貧や病気ゆえの犯行とか超金持ちの趣味としての犯行ではなく、「何処にでもいる
善良な幸せそうな家族」だからこその怖さはよく出ていた。

罪の意識の無さ、どうしたらこうもサイコパスしちゃえるのか?あっけにとられて
見ている間に結局は逮捕されるのだがが、親父はまるで悪びれる素振りがない。
「ある組織に脅されてやったことだ。家族を殺されると言われ」と嘯く。
で、ラストの字幕でさらに驚くのだが、この主犯のオヤジは、獄中で弁護士の資格を取り
自らを弁護し、終身刑を短くして、シャバに出てきたこと。その頭を他の金儲け
に使えよ!と突っ込みたくもなる。

この一家、夫婦と男の子3人、女の子2人の家族なのだが、一番下の男の子が
「オヤジのやってることは犯罪だぜ」といって、海外?へのスポーツ遠征の
ついでにどこかに消えてしまう以外は、裁判では娘達は関係ないとして無罪に
なったようだが、とにかく、父親の支配の元に誘拐殺人を繰り返すのだ。

暗い中にも映画全体がアッケラカンとして音楽も含めむしろ明るさを強調することが
逆に恐ろしさを演出する結果を生んでいる。ただ、どうしてこんな家族が出来
上がったのか、という個人の心理的な背景が今ひとつ深掘りできていないので、
結構イケメンのアメフト選手の長男が平然と犯行に加わり(最初の誘拐殺人は長男の
友人だった)ニコニコしている心理とは(次男もだけど)那辺から来ているや、と
思ってしまう。いや、逆に説明されていないから余計に気持ち悪く怖いのかもしれない。
(ラストに長男が裁判所の二階からダイブして飛び降り自殺をする心理も含めて)

決して後味のいい映画ではないが、びっくりするのでご覧になるといい。
冒頭にアルゼンチン民主化宣言の実写映像がなぜ入っているか、というアルゼンチンと
しての事情を少し予習しておくと更に面白くなるかもしれない。
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<ストーリー>
アルゼンチンで実際に起きた事件を映画化した第72回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作。
近所の人々から慕われるプッチオ一家の周辺で金持ちだけを狙った身代金事件が多発。
住民たちが不安を募らせるなか、父アルキメデスは鍵のかかった部屋に食事を運んでいた。
製作に「オール・アバウト・マイ・マザー」のペドロ・アルモドバル
製作・監督・脚本は「セブン・デイズ・イン・ハバナ」のパブロ・トラペロ
出演は「瞳の奥の秘密」のギレルモ・フランセーヤ

1983年、アルゼンチン。裕福で近所からも慕われるプッチオ家は父アルキメデス
(ギレルモ・フランセラ)を筆頭に妻、息子3人、娘2人で幸せに暮らしていた。
そんなある日、二男アレハンドロが通う学校の友人の一人が誘拐され、姿を消してしまう。
以降、彼らの周囲で金持ちだけを狙った身代金事件が多発。犯人が捕まらず近所に不安な
空気が流れるなか、プッチオ家はいつもと変わらない生活を送っていた。

ある夕飯の時間、アルキメデスは妻の作った料理をキッチンから食卓ではなく、なぜか
2階の奥にある鍵のかかった部屋へと運んでいく……。(Movie Walker)

<IMDb=★7.0>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:90% Audience Score:77%>




by jazzyoba0083 | 2017-09-23 23:10 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「エイリアン:コヴェナント Alien:Covenant」
2017 アメリカ 20th Century Fox Film Co.,Scott Free Productions.122min.
監督:リドリー・スコット
出演:マイケル・ファスベンダー、キャサリン・ウォーターストン、ビリー・クラダップ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
エイリアンシリーズは、リドリー・スコット以外のスピンアウト版まで含め殆ど
観ているほど好きである。一作目のクリーチャーの造作は、映画界に大きな影響を
与えた。リドリーにとっては前作「プロメテウス」の続編に当たるもので、前作は
一作目を遡り、人類の起源を求めた旅であったが、今回はエイリアンの起源に
ハイライトが当たる。この映画にいつも重要な役割を持つ、レプリカント・
アンドロイドが、今回も極めて重要な役割を担う、というか、彼が主人公じゃないか
と思われる描かれ方である。

本作は「プロメテウス」を観ていないと分からないところが多い。故に、復習を
してからご覧になることを強く勧める。今作のアンドロイド、ウォルターと
前作のアンドロイド、デヴィッドの物語と言い切っても過言ではないほどの
存在感だ。例によって気持ちの悪いエイリアンもたくさん出て来るが、話としての
根幹はウォルターとデヴィッドである。そして、次作も作られるであろうことを
示して映画は終わる。(つまり第一作に近い時代になってくる作品ということ
だね)

前作については私はケチョンケチョンに貶した。(本国の評価は結構高いんだけど)
本作はそれほどでもなかった。というのもラストシーンの衝撃が大きかったから、
かもしれない。また、前作の巨人とクリエーターというキャラクターがいないのも
さっぱりしていて良かったのだと思う。

描かれ方はいつもどおり、惑星移住に使われるロケット(今回はそれがコヴェナント
という名前)、そこには2000名の人間と1000名分の胎生細胞が載っている。
これがエイリアンの世界に引きずり込まれるパターン。エイリアンたちの造作や
誕生シーンはVFXの進化により、より気持ち悪さは倍加している。

冒頭シーンがデヴィッド(プロメテウスで使われたアンドロイド)の誕生シーンで
あるのが、この映画を象徴している。そしてそこでのセリフ「私はあなたが作り
ましたが、あなたは誰がつくったのでしょうか」とか、「あなたは死にますが、
私は死にません」とか、これがわかりにくいけど伏線になっているんだね。

知恵(想造力)を持ったアンドロイドの怖さがこの映画の本質であり、エイリアン
そのものは生き物としては怖いけど、本当に恐ろしいのは別にあるのだ、と
いうことを映し出して映画は終わる。いやはや、続編はどうしてくれるのだろうか?
そろそろ第一作目との辻褄合わせが必要になってくるのではないか。

シガーニー・ウィーバー、ノオミ・ラパスときて、今回はキャサリン・ウォーターストン
という女優さん。いささかパンチに欠けました。この映画はマイケル・ファスベンダーの
映画だな。(アダムズとウォルターの二役)しかし、なんでアダムズとウォルターを
同じ顔にしたんだろう?
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<ストーリー>
人類初の大規模な宇宙への移住計画のため、滅びゆく地球を旅立った宇宙船
コヴェナント号は、コールドスリープ中の2000人の入植者を乗せ、移住先の
惑星オリエガ-6を目指していた。その航行中、大事故に見舞われ、さらに
女性の歌声が混じった謎の電波をキャッチしたことから、発信元の惑星へ向かう。

その神秘的な惑星は、女性乗組員ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)
にとっても、人類の新たな希望の地に思えた。果たして、ダニエルズの前に
現れた完全な知能を持つアンドロイド(マイケル・ファスベンダー)は敵か、
それとも味方か。そして、エイリアン誕生を巡る驚愕の真実とは?コヴェナント号に
エイリアンの脅威が迫る中、ダニエルズは哀しみを乗り越え、あまりにも過酷な
運命に立ち向かっていく……。(Movie Walker)

<IMDb=★6.5>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:70% Audience Score:57%>


   

by jazzyoba0083 | 2017-09-21 12:30 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

エベレスト 3D  Everest

●「エベレスト 3D Everest」
2015 アメリカ Working Tiltle Films and more.121min.
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:ジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、ジョン・ホークス、イーサン・ホーク、
   ロビン・ライト、マイケル・ケリー、サム・ワーシントン、ジェイク・ギレンホール
   キーラ・ナイトレイ、エミリー・ワトソン、森尚子他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
う~む、これはやはり3Dで観ないと、遭難の過酷さ映像のダイナミックさは味わえないのだろうなあ。
そういう意味ではタダの大遭難事件顛末となってしまった。出演者も揃い、事実に忠実に基づき
構成された物語はそれはそれで迫力がある。(ホントの話だから)また日本人として犠牲になった
難波康子の存在も我々にはシンパシーを感じられる点でも有る。

本作は1996年に起きたエベレストでの8人の死者を出した大量遭難事件を忠実にトレースしたもので
出演者は全員実名で出てくる。本事件に関する背景顛末についてはWikipediaが詳しいが、あまり
高山体験の無い登山家でもガイドが付いて8000メートル級の山にも登れる、いわゆる「商業登山」の
甘さが露呈された事件だった。
ここではニュー・ジーランドの会社が約700万円の料金で登山ツアーを組み、ベテランのガイドが
付いて顧客を世界最高峰へと登らせるのだが、そんな団体が季節の良い5月に殺到し、南ア隊、
台湾隊、など渋滞が出来るほど。それに参加者は高い金を払ったのだから、との思い、また
ガイド側は金を貰っているのだからなんとか登頂をというそれぞれの、登山家としての原則に
目をつぶる状況が、自体をどんどん悪化して様子が丁寧に描かれる。映画としては一つのドキュメンタリー
だが、これを3Dで魅せるところに本作の本領があるだろう。

登頂まではあっさり描かれ、下山から遭難までに時間が割かれるので、吹雪の中の遭難シーンは
どれも大差がない。それにいろんな国の部隊が入り乱れるので人物としては捉えづらい部分があったり
する。あとから避難を浴びる南ア隊や台湾隊の自分勝手な行動などもあったようだ。

その後エベレストでは2014年に再び大きな遭難事故があり、入山禁止となり、イッテQのイモトが
登れなくなってしまったのは記憶に新しい。それまでは本遭難事故が過去最大だった。

ガイドが付いて装備も向上し、ちょっとした登山家でもエベレストに登れる時代に対する警鐘で
ある。山を甘くみるなよという。ビッグネームが並んでいたがキャストとしては未消化で終わった
印象。もったいない。もっと事実の重みを前に出してこんなキャスティングでなくても出来たのでは
ないか、と感じた。
本遭難では同じエベレスト登山を映画に納めていたIMAX撮影隊も救助に参加したのだが、彼らは
その事件後、登頂して、映画を完成させ物議を醸したという。
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<ストーリー>
 1996年に起きたエベレスト登山史上でもかつてない悲劇として知られる大規模遭難事故を、
ジェイソン・クラーク、ジェイク・ギレンホール、ジョシュ・ブローリン、サム・ワーシントンはじめ
豪華キャストで映画化した群像山岳ドラマ。

ニュージーランドの旅行会社が公募した登山ツアーに集まったアマチュア登山家たちを中心に、
山頂付近の“デス・ゾーン”で悪天候に見舞われ窮地に陥った人々の悲壮な運命を、3D映像による
圧倒的な迫力と臨場感で描き出す。
監督は「ザ・ディープ」「2ガンズ」のバルタザール・コルマウクル。
 
 1996年、春。ニュージーランドの登山ガイド会社によって世界最高峰エベレストの登頂ツアーが
企画され、医師で登山経験豊富なベックや前年の雪辱を期す郵便配達員のダグ、著名なジャーナリストの
ジョン・クラカワー、そして紅一点の日本人女性登山家・難波康子ら世界各国から8人のアマチュア
登山家が参加した。彼らを率いるのはベテラン・ガイドのロブ・ホール。

一行は標高5000m超のベースキャンプに滞在しながら、1ヵ月かけて身体を高度に順応させていく。
その間、ベースキャンプは多くの商業登山隊でごった返し、様々なトラブルが発生していた。
そんな中、ロブ・ホールは別の隊を率いるスコット・フィッシャーと協調体制を取ることで合意、
互いに協力しながら山頂を目指すのだった。(allcinema)

<IMDb=★7.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:72% Audience Score:68% >



by jazzyoba0083 | 2017-09-06 23:02 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

ヴィジット The Visit

●「ヴィジット The Visit」
2015 アメリカ Blinding Edge Pictures,Blumhouse Productions.94min.
監督・脚本・(共同)製作:M・ナイト・シャマラン
出演:オリヴィア・デヨング、エド・オクセンボウルド、ディアナ・ダナガン、ピーター・マクロビー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白かったけど、今更のPOV、既視感あるオチ、ナイト・シャマランの作と期待が大きすぎたのか、
やや肩透かしを食った感じだ。ストーリーを単純化させ、恐怖を浮かび上がらせるのは彼の脚本の
旨さ、そこは評価するし、使い古したカットやデカイ音楽で脅す、という手法もないので、それは
今時のホラーを感じるが。一番の面白さは、弟のラップとじいさんばあさんの得も言えない恐怖の
対比。これはコメディか?ラストのおまけも含め、そう感じてしまう。まあ、そこら辺に
ナイト・シャマランのニヤッとした顔が浮かんできそうだが。ただのPOVホラーじゃないからね、という。
さすがだな、と思うのは、オチまでに至る、作り込みの丁寧さ。姉弟の行動でのミスリードが
効いている。

よく観ていると、なんとなくオチも想像できるし、伏線の張り方も上手いと思う。それに個人的には
ほとんど知らない俳優さん、というのが恐怖を倍加する要素であった。

夜、刃物、物音、物陰、異常な行動、見てはいけない地下室、しばらくあっていない祖父母、この手の
恐怖映画の要素は全部入っていて、それをどう料理しているかが見どころとなろう。
ネタバラシはしません。短い映画なので、暇があったら見てみてください。標準以上のサスペンスホラー
にはなっていると思います。
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<ストーリー>
田舎の母親の実家で休暇を過ごすことになった姉弟の恐怖体験を映し出す、『シックス・センス』の
鬼才M・ナイト・シャマラン監督によるサスペンス・スリラー。祖父母の家で3つの奇妙な約束をさせられた
姉弟が、約束を破った事でその家に隠された秘密を知っていく過程が、複雑に張巡らされた伏線とともに
描かれる。

休暇を利用して祖父母のいるペンシルバニア州メイソンビルへと出発した姉弟は、都会の喧騒から離れて、
田舎での楽しい1週間を過ごす予定だった。優しい祖父と料理上手な祖母に温かく迎え入れられ、母親の
実家へと到着した二人。だが祖父母に出会えた喜びも束の間、就寝時、完璧な時間を過ご(<すためにと奇妙な
“3つの約束”が伝えられる。第一の約束:楽しい時間を過ごすこと。第二の約束:好きなものは遠慮なく
食べること。第三の約束:夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと……。
そして、夜9時半を過ぎ、二人は異様な気配で目が覚める。部屋の外から聞こえるただ事ではないその物音に
恐怖を覚えた彼らは、絶対に開けてはいけないと言われた部屋のドアを開けてしまう……。(Movie Walker)




by jazzyoba0083 | 2017-08-27 22:40 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「アバンダンド 太平洋ディザスター119日 Abandoned」
2015 ニュー・ジーランド Making Movies.86min.
監督:ジョン・レイング
出演:ドミニク・パーセル、ピーター・フィーニー、オーウェン・ブラック、シボーン・マーシャル他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
1989年にニュー・ジーランドで実際に起こった海難事件を映画化したもの。驚くのは
119日、ほぼ4ヶ月漂流を乗り切った4人の心の強さと、地図で見るとよく分かるのだが、
トンガに向かって出港したピクトンという南島の、一番北島に近い港と漂着したグレート・
バリア島の距離だ。ほんとに目と鼻の先。これでは「彼らは嘘をついている」と言われるのも
分かるなあ、と思う。

さて、おそらく個人的にニュー・ジーランド映画を観たのは初めてだと思う。日本では劇場
未公開で、WOWOWの「ジャパン・プレミア」で鑑賞。事実に基づいているので、物語は
誠に「事実は小説より奇なり」で、面白いが、こうした「下駄を履いた」面白さを上手く短い
映画に仕立てた。面白く観た。

それぞれに曰くのある4人を載せて多胴船(3つの胴がある大型ヨット)「ローズノエル」号は
トンガに向けて出港した。先を急ぎたい船長は、嵐を利用して船足を早めようとしたが、大波を
食らって転覆。この手の船は一度ひっくり返ると立て直せない、が沈みもしないという特徴がある。
まずこの「沈まない」、出向して間もなくの遭難であったため食料と水はふんだんにある、救難
信号を発信する機械を積んでいる、などの安心材料があったから、4人はパニックにならずに済んだ
のかもしれない。だが、無線は遠距離が利かない、地元に航海ルートを報告していないなど
杜撰な面もあり、救助が難航する。4人の中にはヨットの操船が未経験のものもいた。
ラッキーだったのは調理師がいた事だ。なかなか救助されない中、彼らは雨水を集める方法、
魚を捕まえる方法、ヨットの備品であったプロパンガスを調理に利用出来るようにしたこと、など
困難な中にも工夫を加え、危機を乗り越えていく。

神を信じる船長と、病気を抱え気が荒く、すぐに喧嘩になるリックという男。4人の心は最初から
団結ていたわけではなく、喧嘩も絶えなかった。ただ、諦めなかった。空軍も出ての捜索も
上手く行かず、家族たちはほとんど諦めていた。

ところが119日目、海流の加減で、彼らは島を発見。そのまま潮流に乗り、上陸できたのだった。
彼らの生活を綴ったカメラも入れて上陸したが、体一つで上陸し船は置いてきたため、その後
船は波で大破、彼らが生活していた痕跡は失われてしまった。

上陸した4人は崖からすぐのところにある大きな無人の家に入り、さっそく冷蔵庫を漁り
調理師がディナーを作り、風呂に入ってワインを飲んだ。一晩寝たところに地元警察が
やってきて、4人は保護される。家族への電話。狂喜する家族・・・。

ハッピーエンドか、と思っていたらさにあらず。家族の元に帰って来た一行を待っていたのは
当局の捜査と、虚偽ではないか、という世間の厳しい目であった。119日間も、海の上で生活
出来るわけがない、というのだ。悲しいかな、証拠はすべて失っている。しかし、当局は大破し
沈没しているヨットを捜索し、点検した。すると4人の言っていることはどうやら間違いはなさそうだ、
ということになり、公式に運輸大臣が119日間の漂流を認めたのだった。
しかし、世間の目はあくまで冷たかった。喧嘩もし、いがみ合った4人だが、4人いたから危機を
乗り越えられた、というのは本心であった。脳腫瘍を患っていたリックは数ヶ月後死亡。あとの
3人もそれぞれの道を歩くことになるのだが、事件後別れてから二度と会うことはなかったという。
まあそんなもんかもしれない。

119日間の漂流という事実はどんな脚本よりも強いストーリーを持つ。故に事実を丁寧に描いて
いけば面白いものになるのはわかっているのだが、その点本作においては、4人のキャラクターや
漂流中の出来事、そして上陸後のこと、家族の様子などが90分未満の長さの中に的確に
配分されていて、良かったと思う。船長はその後も世界を航海し続けたようだが、この事故は
誠に「事実は小説より奇なり」であった。

邦題は、なんか投げやりのような付け方で、もう少し知恵がなかったか、という感じだ。
アバンダンとは英語の単語を勉強すると最初に出てくる単語で、「捨て去る」「遺棄する」とか
いう意味ですね。
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<ストーリー>
1989年に実際に起きた海難事故に着想を得たパニックドラマ。ニュージーランド
からトンガへ向けてヨットで航海に出た4人の男性が、大嵐に遭遇して4カ月近く
にもおよぶ漂流生活を続けるはめに陥った顛末を綴る。
当初は水も食料も十分にあり、心配した家族たちが捜索願いを出して遅かれ早かれ
救助が来るはず、と状況を楽観視していた彼らが、いつしか何もない大海原の中で
不安を募らせていく姿がスリリング。極限状態での人間ドラマが見どころだ。
主演はTVドラマ「プリズン・ブレイク」のD・パーセル。

たまには家族を忘れ、男だけの冒険旅行を楽しもうと、ニュージーランドから
トンガまでのヨット航海に出発したジムたち4人。
だが、大海原で嵐に巻き込まれ、ヨットが転覆してしまう。そのうち救助が
来るだろうと楽観視する4人だったが、船底を上にしたまま漂流を続ける彼らの
船は発見されず、やがて捜索が打ち切られてしまう。
いつまでも来ない救助に待ちくたびれ、
物資も乏しくなる中、4人は精神的に追い詰められて……。(WOWOW)

<IMDb=★6.2>


by jazzyoba0083 | 2017-08-16 22:45 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

麗しのサブリナ Sabrina

●「麗しのサブリナ Sabrina」
1954 アメリカ Paramount Pictures.113 min.
監督・製作・(共同)脚本:ビリー・ワイルダー
出演:オードリー・ヘプバーン、ハンフリー・ボガート、ウィリアム・ホールデン、
   ジョン・ウィリアムズ
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

先日の「踊るアメリカ艦隊」に引き続き鑑賞した、市の映画上映会。満員。
ビリー・ワイルダーという人は、マリリン・モンローの作品などを観ても
わかるようにコメディタッチな味付けが身上のところがある。本作の
見どころの一つに、そうしたコメディタッチをヘプバーンのコケットな味わいに
大いに生かし、とてもホノボノと言うか、上品で、当時の女優時代のできの良い
作品に仕立てたところが上げられよう。

加えて物語の転がし方、つまり脚本がいい。渋いボガート(ちょっと渋過ぎで
ヘプバーンの恋愛対象として無理があるんじゃないかとも思えるが)と、ホールデンの
配役も対照的な人物ということで、成功している。またジバンシーのデビューともなる
ヘプバーンの衣装も見どころだ。

ヘプバーンの映画の感想を書くたびに言うのだが、私はエラのはったヘプバーンが
あまり好みのご面相ではないが、抜群の存在感は他を圧倒するものがあることは
確かだ。

さて、本作。貧しいというか庶民の娘が、大恋愛の末に玉の輿に乗る、という
この時代には何本の映画になったかしらない王道の物語。
大富豪ララビー家のプレイボーイ次男ホールデンと、実直真面目な長男ボガート。
この家のお抱え運転手の娘がサブリナ=ヘプバーンという配置である。

幼い頃からハンサムで自由人な次男に憧れてきたサブリナであるが、ホールデンが
どこぞの令嬢との結婚が決まったことから、しばらくパリのコルドンブルーで料理
修行をすることに。で、パリですっかり垢抜けてしまったサブリナ、2年後に
帰国すると、家の使用人が誰もサブリナとは分からない。それほど華麗な娘に
変身してしまったのだ。(ここらあたりはコメディなので突っ込んではいけない)

それからというもの、ボガートとホールデン兄弟の間での恋の駆け引きが繰り広げ
られ、自分に思いを寄せているとは知りつつ、兄がサブリナを想っていることに
気が付き、身を引くホールデン、サブリナもその思いを受け、ボガートと結ばれる、
という、悪どい駆け引きとかまったくなく、みんないい人でハッピーエンドを
迎える。ラストのボガートのソフト帽の折れ方や去りゆく婦人のコートのベルトに
傘を引っ掛けて、船上でサブリナとボガートが抱き合うシーンは洒落ている。
いい時代のいい映画、という感じで、今では作れる時代でもストーリーでもないだろう。
古き良き時代の名作、ということだ。こういう映画もいい。

ハイライトはパーティーでシャンパングラスを尻ポケットに突っ込んで歩くクセの
あるホールデンが、ボガートの策略でグラスを入れたまま椅子に座ってしまい、
尻を何針も縫う怪我を負うあたりか。客席からは笑い声が絶えなかった。
ワイルダーらしい上品なギャグだ。キャメラも上手く、そこそこの長さの映画では
あるが、エピソードの話題のうまさも、あり飽きずに見ることが出来る。
だだ、サブリナのホールデンやボガートに対する、あるいはその逆のそれぞれの
心の動きや揺れが詳細に描かれないので、恋愛はなんとなくハッピーエンドを
迎えるという形になってしまうという当時のこの種の映画にありがちな大味さでは
ある。

名曲「ラ・ヴィ・アン・ローズ」が効果的に使われているし、この映画に実に
マッチしている。モノクロの映画だが、後で振り返ってみるとカラーだったんじゃ
ないかと思いえるから不思議だ。

<ストーリー>
富豪ララビー家のお抱え運転手の娘サブリナ(オードリー・ヘップバーン)は、
邸の次男坊デイヴィッド(ウィリアム・ホールデン)に仄かな思いを寄せていた。
しかし父は娘に叶わぬ恋を諦めさせようと、彼女をパリの料理学校へやる。

それから2年、サブリナは一分のすきのないパリ・スタイルを身につけて帰って
きた。女好きのデイヴィッドは美しくなったサブリナにたちまち熱を上げ、
自分と財閥タイスン家の令嬢エリザベス(マーサ・ハイヤー)との婚約披露
パーティーにサブリナを招待し、婚約者をそっちのけにサブリナとばかり踊った。

デイヴィッドの兄で謹厳な事業家ライナス(ハンフリー・ボガート)は、この
ままではまずいとデイヴィッドをシャンペン・グラスの上に座らせて怪我をさせ、
彼が動けぬうちにサブリナを再びパリに送ろうと企てる。不粋のライナスにとって、
サブリナとつきあうことは骨の折れる仕事だったが、計画はうまくいき、
サブリナの心はじょじょにライナスに傾く。
一緒にパリへ行くことになって喜ぶサブリナだが、ライナスは船室は2つとって
おいて、いざとなって自分は乗船しないつもりだった。サブリナはそのことを
知って深く悲しみ、すべてを諦めてパリへ行く決心をする。
ライナスもまた自責の念にかられ、いつの間にか自分が本当にサブリナに恋して
いることに気づく。サブリナ出帆の日、ララビー会社では重役会議が開かれていた。
ライナスはここでデイヴィッドとサブリナの結婚を発表するつもりだったが、
怪我が治って現れたデイヴィッドは、ライナスとサブリナが結婚するという
新聞記事を見せる。そしてヘリコプターを用意しているからサブリナの乗る船に
急げ、と兄に言う。すべてはサブリナとライナスの気持ちを察したデイヴィッドの
計らいだった。ライナスはサブリナを追い、客船の甲板でふたりは抱き合うのだった。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:91% Audience Score:89%>






by jazzyoba0083 | 2017-07-13 15:30 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「踊るアメリカ艦隊 Born to Dance」
1936 アメリカ MGM 105min.
監督:ロイ・デル・ルース
出演:エレノア・パウエル、ジェームズ・スチュアート、ヴァージニア・ブルース、ウナ・マーケル他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
昭和11年の作品。いきなり古いやつが出てきてすみません。この手の映画も好きなので。そもそも
こうしたレビューや古いミュージカル映画を観るようになったのは、ジャズのスタンダードに、こうした
映画で使われた曲が多いんです。本作でも名作曲家コール・ポーターのペンになる「I've got you under
my skin」「Easy to Love」が大スタンダートとなっています。そうした名曲を追いかけているうちに、
1930年代から60年代にかけてのRKO映画、MGM、コロムビアの名作の数々が大好きになってっいった
という訳です。

「踊る~」シリーズでは、本作でも天才ぶりを発揮しているエレノア・パウエルが、フレッド・アステアと
踊るデュオのタップシーンはあまりにも有名ですね。「トップ・ハット」「パリのアメリカ人」「雨に
唄えば」「上流社会」から「南太平洋」「サウンド・オブ・ミュージック」あたりまで、ほんとに名曲が
揃っています。

閑話休題。私が住んでいる町では、月に1回、こうした古いミュージカルやオードリー・ヘプバーンの古い
映画などをタダで上映してくれる催事があるんです。

で、金曜日は休みだったので、午前の部のこれと、午後は「麗しのサブリナ」を観てきました。市民会館の
中になる小ぶりながらいい劇場で、音響も良く、楽しませて貰いました。満員です。なぜビデオでも
観られるのに出かけたか、というと、いまや大きな画面でこうした古い映画を観ることは叶わないからです。
家の55インチのテレビも叶いません。

再び閑話休題。本作はこの頃よくあった軍隊仲間の恋物語をベースに、コメディタッチでミュージカルに
したもので、天才タッパー、エレノア・パウエルの素晴らしいタップを観ることができます。太ももは
ちょっと筋肉質ですが、やはり上手い。それと、これが映画音楽の一作目となるコール・ポーターの
ペンも冴える。珍しいジェームズ・スチュアートの歌声を聴くことが出来る。ストーリーも驚くような
ものではないけど、気持ちよく観られ、当然ハッピーエンディングである。
本物の潜水艦も出てくるから、米海軍協力の下製作されたと思われるが、軍隊にユーモアなどもっての
他、とする教条主義の日本では絶対に作れない種類の映画。心をすっからかんにして楽しむのがマナーと
いうものです。
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<ストーリー>

「踊るブロードウェイ」と同じくエリーナー・パウエル主演、ロイ・デル・ルース監督、ジャック・マッゴワン、

シド・シルヴァース共同脚色になる映画で、原作はマクゴワン、シルヴァースが更に「ハリウッド征服」の

B・G・デシルヴァと共に書卸した。

相手役は「結婚設計図」「妻と女秘書」のジェームズ・スチュアートが勤め、「踊るブロードウェイ」の

シド・シルヴァース、ユーナ・マーケル、フランセス・ラングフォード及びバディー・エプセン、

「巨星ジーグフェルド」のヴァジニア・ブルース、「サンクス・ミリオン」のレイモンド・ウォルバーン、

「丘の彼方へ」のアラン・ダインハート等が助演するほか、芸人連が出演している。

撮影は「妻と女秘書」「支那海」のレイ・ジューンの担当、舞踏振付は「踊るブロードウェイ」のデーヴ・

ゴールドが受持った。


テッドと相棒のガニイ、マシイの三人はアメリカ潜水艦の乗組員で、四年間の航海を終わってニューヨークへ
帰った。ガニイは出発直前に結婚した女房のジェニイハ未だ自分を好いていてくれるかと気にかけている。
ジェニイはロンリーハーツクラブに勤めて、夫の出発後可愛い娘の子をうんだのであるが、今までそれを彼に
打ち明ける機会がなかった。

このクラブに踊子を志願して田舎から上京したノラという娘がいて、ジェニイと仲良しであった。
テッドとガニイはジェニイに会うためクラブへやってきたが、それ以来ノラはテッドと恋し会う仲になった。
ところが潜水艦を見学に来た名女優ルシイが、偶然のことからテッドと知合いになったのを、彼女の宣伝部員
マッケイがうまく宣伝に利用したが、ルシイはこの時から本当にテッドに恋をしてしまった。

テッドはマッケイに頼んでルシイの一座にノラを採用してもらう。初日が近づいたのでマッケイは宣伝のため
ルシイとデッドの婚約を発表しようとするが、彼を本心から愛しているルシイは、二人の仲を新聞に発表したら
一座を脱退するといきまく。
テッドは海軍をやめたが、ルシイとの仲を聞いたノラは彼に嫌われたものと思って会おうとしない。しかし
テッドはルシイのことなど全然関心がなく、かえってっさくを案じて初日を控えた日に、新聞記者を集めて
ルシイとの婚約を発表してしまった。これを見たルシイは腹を立てて即座に脱退した。スターの無くなった一座へ、
テッドは計画通りノラを推薦し、彼女は一躍主役を演ずることになった。興行は見事大成功を収め、ノラは
その間の事情を初めて知ってテッドとめでたく結婚した。一方ガニイは女房ジェニイの冷遇に憤慨して又海軍に
入り四年間の航海に就いた。(Movie Walker)

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:---- Audience Score: 52%>



by jazzyoba0083 | 2017-07-13 11:45 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「エスコバル 楽園の掟 Escobar:Paradise Lost」
2014 フランス・スペイン・ベルギー・パナマ 119min.
監督・(共同)脚本:アンドレア・ディ・ステファノ
出演:ベネチオ・デル・トロ、ジョシュ・ハッチャーソン、クラウディア・トライサック他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

コロンビアに楽園を追ってやってきたカナダ人兄弟を通してみた、世紀の麻薬王
メデジン・カルテルのボス、パブロ・エスコバルの非常を浮き彫りにする。
二人がコロンビアの海辺でビーチハウスを作り、弟はサーフィンを教える、という
かなりノーテンキなアイデアでやってきた頃、作品によれば1990年台の初頭なのだが、
そのころ、コロンビアとエスコバルの悪名は世界にとどろき、コカインの流入に頭を
痛めたアメリカ政府が身柄の引き渡しなどでかなりやばい状態になっていた頃だと
思う。そんな時期にコロンビアに渡る、というのは、ちょっといくらなんでも
予備知識なさすぎなんじゃないかな、と驚く。

弟のニック(ジョシュ・ハッチャーソン=ヘタレ顔がいい)は、パブロの姪と
激しい恋仲となるが、エスコバルのカルテルに組み込まれ、やばい仕事を請け負わ
され、やがて、抹殺される運命となっていることに気がつくのだ。時既に遅し。

姪マリアとの恋に嘘はなかったのだが、おじさんが悪すぎた。政府との取引で
一度刑務所に入る(出入り自由な御殿のような自分の寄付で作った刑務所だった
という)ころのエピーソード。エスコバルはやがて別の刑務所への移送時に逃亡、
しかし、彼にウラミを持つ集団に襲われ射殺される。(アメリカのデルタフォースが
出撃したという噂もある)

無垢な純情青年が恋をしたのは良かったが、おじさんがパブロ・エスコバルと
いう悪運。兄も殺され、さらに妻も幼い子供も殺される。自分の身にも危険が
及ぶプロセスは、なかなかスリリングで魅せたと思う。いい人(確かに病院と
家を作って目くらましはしていた)のようなパブロが次第に本性を表し、追い
詰められ、ラストシーンでは殺し屋との銃撃戦となり、自らも深手を負う。
マリアも駆けつけるが・・・。彼の脳裏に浮かぶのは兄と初めて訪れた
夢いっぱいのコロンビアの海岸の風景だった・・。

ニックがマリアと出会い、おじさんにも祝福され婚約し、あたりまでが
ちょっとたるい。後は一気呵成という感じだった。南米の悪役ボスというと
ベニチオ・デル・トロ、ということになろうが、彼1人の存在では映画は
一等上には行かない感じだった。
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<ストーリー>

コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルの実話を基にした犯罪アクション。
麻薬王の姪と恋に落ちたカナダ人青年が、組織の闇に巻き込まれる。
「トラフィック」でアカデミー助演男優賞を受賞したベニチオ・デル・トロが
エスコバルを演じる。
「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」出演のアンドレア・ディ・
ステファノによる初監督作品。

サーファーのカナダ人青年ニック(ジョシュ・ハッチャーソン)は、兄の住む
コロンビアを訪れる。青い海と白い砂浜が広がり、まるで理想郷のような場所で、
ニックは美しいコロンビア人女性マリア(クラウディア・トレイザック)と
出会い、激しい恋に落ちる。
マリアの敬愛する叔父パブロ・エスコバル(ベニチオ・デル・トロ)は
国会議員を務め、民衆からの支持も厚い富豪であるが、コロンビア最大の
麻薬カルテルのボスという裏の顔を持っていた。我が子のようにかわいがる姪が
連れて来た恋人を、暖かくファミリーに迎え入れるエスコバル。

やがて、ニックはその楽園のようなエスコバルの“王国”の恐ろしさに気付いて
いくが、簡単に抜け出すことはできない。脱出不可能な巨大な悪のスパイラルに
巻き込まれていくニックの運命は……。(Movie Walker)

<IMDb=★6.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:52% Audience Score:48%>





by jazzyoba0083 | 2017-07-08 23:00 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「エクス・マキナ Ex Machina」
2015  イギリス Universal Pictures International,Film4.108min.
監督・脚本:アレックス・ガーランド
出演:ドーナル・グリーソン、アリシア・ヴィカンダー、オスカー・アイザック、ソノヤ・ミズノ
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

騙し合いにAIがいっちょかみしてくるところが面白い!「オートマタ」といいこのところ
観るAIものはできが良い。出演者がほぼ4人しかいない、しかも密閉された空間での劇。
でこういうシチュエーションで何が面白くなるかといえば、愛憎や騙し騙されの心理合戦。

巨大な検索エンジン会社の創業者ネイサン(アイザック)の下で個人的趣味として開発
された女性ドロイド、エヴァ(ヴィカンダー)。
彼女の完成度を試すために会社から山奥の別荘につれてこられた青年ケイレブ(グリーソン)、
ネイサンのメイドにして側女みたいな女性キョウコ(ミズノ)。

形而上的哲学的なロボット論などが展開されるが、これは字幕を見過ごしてもあまり
苦にする必要はない。なぜならば、エンディングにすべて分かりやすいオチがあるからだ。
ただ、プログラミングなのか、エヴァが自習し自己分析を加えるようになっているのか、
よく分からないところが面白い。途中でケイレブが自分も実はドロイドじゃないかと
疑ってしまい、自らの腕をカミソリの刃で切ってみるというところはいいアイデアだった。
(彼は幼いころ両親を失うほどの激しい交通事故に遭っている)

エヴァがケイレブを恋するようにプログラムされているというよりケイレブがエヴァに
恋しちゃったり。、次第にネイサンが何をしようとしているか、分かって来る。
そして、エヴァの前に作られた女性型ドロイドはたくさんあり、アーカイブ映像には彼女らが
自壊していく様子が写っていた。エヴァも、ネイサンは嘘をついている、信じてはいけない
と警告する。彼の企みは何か。ケイレブは無事に帰れるのか?

そしてラスト。「人間を騙して脱出できるかどうかがテストの最終目的なんだよね」と
ネイサンは言う。先代たちは脱出できず、自壊していったのだ。エヴァの場合は成功した
のであり、エヴァのバージョンアップこそ完成品なのだ。
ケイレブは、しかしさらなる事態に備えて、手を打ってあった。これで、エヴァは本当に出て
いってしまうのだが、慌てたネイサンは彼女の後を追う。彼はバーベルの取っ手で殴って
エヴァの片腕を吹き飛ばすが、背後からキョウコに包丁に刺される(どこから持ってきたのか)、バーベルで殴られ破壊されたキョウコの包丁を持ったエヴァは、今度はネイサンの胸を刺す。
「そんな馬鹿な」と絶命するネイサン。

「人間を騙して脱出する」というプログラムの中にはご主人様は殺さない、という
プログラムはなかったのか。またキョウコ(彼女もドロイド)がネイサンを刺したのは
何がプログラムされていたのか。(エヴァがキョウコに何か囁く暗示的なシーンはある)
なかなか興味が尽きないところだ。

施設にケイレブを閉じ込めたまま、エヴァは、先代たちの皮膚を自分に移植し、衣装をつけ
ヘリコプターで街に帰っていったのだ。

つまり、エヴァはネイサンやケイレブをも乗り越えた学習をしたドロイドだったということ。
そして本来プログラムされていた「人を騙して施設を出る」という命題を、手段を選ばないと
理解して実行したに過ぎなかったわけだ。ネイサンが死んだのも、ミスと言えばミスなんだろう。
ケイレブは可哀想なことをしたけど。まあ、一生施設に閉じ込められたままということはない
とは思うけど。

人間とドロイドの騙し騙されどこまでがプログラムでどこからが自ら獲得した学習成果なのか
いろいろと思いながら面白くみた。ラストで皮膚を付けたエヴァ=ヴィカンダーの全裸が
披露されるのだが、みなさんご指摘の通り、ドロイドより貧乳のヴィカンダーでありました。
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<ストーリー>

人間と人工知能の主従関係を巡る心理戦を斬新なビジュアルで描き、第88回アカデミー賞で
視覚効果賞に輝いたSFスリラー。『リリーのすべて』で同じくアカデミー賞助演女優賞を
受賞したアリシア・ヴィキャンデルが女性型ロボットのエヴァを演じる。
『わたしを離さないで』の脚本家、アレックス・ガーランドの初監督作となる。

検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社“ブルーブック”でプログラマー
として働くケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、巨万の富を築きながらも普段は滅多に
姿を現すことのない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山間の別荘に
1週間滞在するチャンスを得る。

人里離れたその地にヘリコプターで到着したケイレブだったが、彼を待っていたのは
美しい女性型ロボット“エヴァ”(アリシア・ヴィキャンデル)であった。ケイレブは、
彼女に搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能のテストに協力するという
興味深くも不可思議な実験に参加することになるのだが(Movie Walker)

<IMDB=★7.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:93% Audience Score:86%>








by jazzyoba0083 | 2017-07-03 23:00 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)