カテゴリ:洋画=か行( 258 )

●「グッド・ネイバー The Good Neighbor」
2016 アメリカ Anonymous Content,Ball & Chain Productions and more. 96min.
監督:カスラ・ファラハニ
出演:ジェームズ・カーン、ローガン・ミラー、キーア・ギリキリスト、ローラ・イネス他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」以来、未だに低予算で作ることが出来るため
映画館では掛かりづらいが、WOWOWなどでは良くお目にかかるフェイクドキュメント。
(本作も日本劇場未公開)

本作は全部がそうではなく、法廷のシーンは普通の映画として作られている。が、
やはりどこか、「実在した話」ふうな構成となっている。短い映画なので一気に
見ることは出来るが、やはり底の浅さはいかんともしがたい。一応スジは通っているし
伏線も埋めてあり、回収もされるのであるが、骨子となるテーマが、なんというか
救いがないというか、意外な結末に、おそらく面白いという人もいるでしょう。
好き好きなので別にいいんですが、個人的にはこういう救いのない映画はいわゆる
「読後感」ならぬ「鑑賞後感」が悪い。

気に食わない隣のオヤジを、監視カメラや電化製品の遠隔操作を仕掛けることにより
救いを求めて神を信じるようになるか、という実験を、未成年のガキ二人が
挑戦する。たしかに偏屈親父だが、彼には最愛の妻を無くした悲しみを引きずって
いるんだということをガキらは理解していない。

死の床で、大声を出さずに自分を呼ぶためにと、妻に買ったハンドベル。ガキの
一人がそれを夜中に侵入し、いわれを知らず、地下においてあったものを居間に
置いてくる。妻が呼んでいると思い込んだ老人は、妻のところへと行くために銃で
頭を撃って自殺した。流石に動揺した二人だった。異常警報で駆けつけた警官に
その場で逮捕された。

他愛のないガキのいたずらなんだろうが、裁判になったものの終身刑にも出来る罪
だが、未成年でもあるし、家宅侵入などの軽い刑で、2年間の保護観察と
500日の社会奉仕で決着がついてしまう。裁判所の外には多くのマスコミや
抗議に来た人たちで埋め尽くされていた。ラストシーンはガキの一人がそんな
状況を見て片頬を上げてニヤけるところで終わる。

一つだけ褒めておく点があるとすれば、ガキ二人が撮った映像で構成される
本編が突然裁判のシーンに変わるのだが、「なにかやっちゃったんだな」と
思わせ、「私が入った時には、すでに被害者は血だらけで倒れていた」、と
いうような趣旨を警官が証言しているのだが、その被害者が誰かは明かされ
ない。そこはいい隠し方だったと思う。
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<ストーリー>

この老人、凶暴につき、侮ると後が怖い。ドッキリ用のカメラを仕掛け
られた“良き隣人たる”ひとり暮らしの老人をJ・カーンが不気味に
怪演した低予算B級サスペンス。

近所の独居老人宅にドッキリ用のカメラをひそかに仕込み、あれこれ
いたずらをして老人の反応を楽しもうとした高校生2人組。ところが、
ほんの軽いお遊びのつもりで始めた彼らの“実験”は、次第に意外な方向へ
と向かい、いつしか彼ら自身をも恐怖のどん底へたたきこむことに…。

「ゴッドファーザー」や「ミザリー」で知られるベテランの名優カーンが、
“良き隣人”たる老人に扮して不気味な怪演を披露。

監督は、「マイティ・ソー」などで美術監督を務め、本作で念願の長編
監督デビューを飾ったK・ファラハニ(WOWOW)

<IMDb=★6.3>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:17% Audience Score:46%>



by jazzyoba0083 | 2017-06-19 22:45 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「教授のおかしな妄想殺人 Irrational Man」
2015 アメリカ Gravier Productions 98min.
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ホアキン・フェニックス、エマ・ストーン、ジェイミー・ブラックリー、パーカー・ポージー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

原題は、「非合理的な、筋の通らない男」ほどの意味だが、邦題から類推されるのは、いささか
コメディに振った感じを受けるであろう。確かに、いつものウディのように、シリアスな中にも
ジョーク(しかも相当ブラックな)を交えて、サスペンスコメディとでもいうようなジャンルを
形成するのだが、本作も大まかに言えばそいういう作りだ。だた、今回はやや薄味。
しかし、これも彼の作品に共通することで、作品に現れる辛辣なジョーク・夢想などから、人生の
実相を描き出しているのは彼の作品の味である。

ウディファンの私としては、本作はちょっと、発端がドストエフスキー「罪と罰」の思想に
似すぎたかな、という印象を受けた。確かに哲学教授エイブ(ホアキン・フェニックス)は
ドストエフスキーが好きだし、彼に入れあげてしまう女学生ジル(エマ・ストーン)も、
ドストエフスキーは読破したわ、と言っているので、物語の底には、ラスコーリニコフが明確に
存在しているのかもしれない。

ウディ自身は出演はしていない。人種やユダヤ教(人)に関する執拗な?辛辣ギャグもない。
ストーリーは非常に分かりやすく、O・ヘンリの短編を読んでいるようなわかりやすさと寓意で
ある。全編で使われるラムゼイ・ルイスの「ジ・イン・クラウド」が非常に作品にマッチしていた。
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人生に行き詰まってしまった哲学教授エイブが、ダイナーで教え子ジルと食事中、たまたま後ろの
席に座っていた一家の会話を聞いたことから話しが大きく動き出す。その話というのが
離婚に際しての子どもの親権についてなのだが、どうやら旦那方の弁護士と判事は癒着していて
母親に不利な判決を出すらしい。エイブは、この悪徳判事を亡き者にすることが人生の
生きがいになってしまうのだ。それまでは着任してきた大学で、哲学を教えはするが覇気はなく、
人生の意味を見失ってしまし、離婚したこともあり、加えてインポになっていた。
それが、悪徳判事を亡き者にする、ということの人生の生きがいを感じた途端、精力絶倫、
気力充実になってしまうのだった。
エイブは最近他の大学から異動しきた哲学科の教授。
だが、人生の意味を見失っていて、情緒不安定、自殺願望さえあった。そいいう状況だった。

教え子ジルはロイという結婚も視野にいれた恋人がいたが、彼を愛しつつも、高踏で知識が高く
面白い会話をし、奥が深いエイブに惹かれていく。しかしエイブは女学生との一線を絶対に
超えない。いらつくジル。疑うロイ。

エイブは悪徳判事の行動パターンを調べ上げ、毎週土曜に公園をジョギングし、途中で必ず
キオスクでオレンジジュースと新聞を買い、ベンチで一休みするという機会を伺うことに
決定した。そして、予定通りベンチに座って新聞を読んでいる判事の横に座り、予め買って
おいた同じ容器の青酸カリ入りのジュースと入れ替えに成功する。

判事は死亡し、エイブは狂喜、一緒にダイナーで話を聞いていたジルも、何も知らずに
無邪気に喜んで、お祝いの会食を開いたりする。

しかし、天網恢恢疎にして漏らさず。次第にエイブの行動がバレ始める。化学室でクスリを
いじっているところをジルの友人に目撃されたり、大学の友人教師でエイブに入れあげている
化学担当が、自分の家から化学室の鍵が無くなった、と騒ぎ、次第に、ジルはエイブが
判事殺しの犯人ではないか、と疑うようになっていった。その頃にはエイブへの愛を押さえきれず
ロイとは別れてしまっていた。

ついにジルはエイブが判事毒殺の犯人である確たる状況証拠を入手し、エイブに詰め寄る。
しかも、警察は間違った男を逮捕してしまう。ここに至って、ジルは無実の人を終身刑には
できないとエイブに自首を促す。あんなに惹かれていたのに、殺人を犯すのはジルにとっては
ありえないことだった。普通はそうだわね。
自白するエイブ。その理論は「罪と罰」のラスコーリニコフと同じだった。
自首しないと私が警察に告白するわよ、と言われ、自首を約束するエイブだったが、それは
ウソで、友人の化学の先生とスペインに高飛びを計画していた。
自首の日、かつてバイトで扱い方を知っていたエレベーターを細工。ピアノのレッスンに来た
ジルをエレベーターホールで呼び止め、開いた箱のないエレベーター扉からジルを突き落とし
殺そうとした。しかし、もみ合ううちに、エイブは小さい懐中電灯を踏みつけ、転倒、勢い
余って自分がしかけた罠に自らはハマりエレベーターの中へと落ちていった。(死んだのだろう)
因果応報。その懐中電灯というのが、二人で一緒に遊び行った夜店のルーレットで当てたヤツ
で、伏線の回収が心地よかったりする。

ジルはロイと寄りを戻した。「エイブは私には理解できない人だったのよね。」"Irrational Man"
だったということだ。しかし、エイブの心情、分かりますねえ。最期は自業自得という結末だけど、
あの結末だけで、因果応報とは言い切れない感情が残るのがウディ作品の面白みでしょう。
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<ストーリー>
「ミッドナイト・イン・パリ」「マジック・イン・ムーンライト」のウディ・アレン監督が
ホアキン・フェニックスとエマ・ストーンを主演に迎えて贈る不条理シニカル・コメディ。
世の中のための殺人に生きる意味を見出し鬱から脱した哲学教授と、彼に恋する2人の女性が
織りなす皮肉な運命をコミカルに綴る。共演はパーカー・ポージー、ジェイミー・ブラックリー。

 アメリカ東部ロードアイランド州ニューポート。この小さな海辺の町の大学に赴任して
きた哲学教授のエイブは、“人生は無意味である”との哲学的答えに至ってしまい、すべての
ことに無気力となってしまっていた。ところが、そんな悩める中年男に、教え子の優等生
ジルは興味津々。さらに夫婦生活に問題を抱える同僚リタからも猛アプローチを受けるが、
彼の心は沈んだまま。

そんなある日、ジルと立ち寄ったダイナーで悪徳判事の噂を耳にするエイブ。その時、彼の
脳裏にある完全犯罪への挑戦という企てがひらめく。以来、生きる意味が見つかったことで、
見違えるように気力を取り戻したエイブ。その急変ぶりに戸惑いつつも、ますます彼の虜に
なっていくジルだったが…。(allcinema)

<IMDb=★6.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:44% Audience Score:46% >




by jazzyoba0083 | 2017-06-17 22:50 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「ゴーストバスターズ(2016) Ghostbusters(2016)」
2016 アメリカ Columbia Pictures(a sony campany) 116min.
監督・(共同)製作・脚本:ポール・フェイグ
出演:メリッサ・マッカーシー、クリスティン・ウィグ、ケイト・マッキノン、レスリー・ジョーンズ
   クリス・ヘムズワース、ビル・マーレイ、アンディ・ガルシア他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

レイ・パーカー・ジュニアの主題歌も懐かしいオリジナル版が1984年。当時、幽霊の
SFXは目をみはるものだったが、現代のCGバリバリの時代にはもう特に驚かなくなって
しまっている。そうした時期に、女性版とはいえなんで、新しくもないテーマで
同じタイトルの映画か?と思う向きも多かろう。私もそうだ。

オリジナルに出ていたビル・マーレイ、ダン・エクロイド、シガニー・ウィーバーらも
出ているけど、とにかく全編主人公4人の女性のおバカ炸裂に、日本人の私としては
やり過ぎ?とも言うべきギャグやジョークの連発に、いささかついて行けない雰囲気もあった。

じゃあ、面白くないのか、と言われればそうでもない。幽霊退治のシーンはNYの街並みを
バックに迫力があるし、女子4人組のキャラもそれぞれにユニーク。個人的には兵器の専門家
ホルツマン(マッキノン)の、おもしろ真面目なバカっぷりが気に入った。
ローワン(ニール・ケイシー)がいわゆるラスボスで、自殺して自らゴーストとなり、NYを
襲う作戦。これを女子4人組があの手この手でやっつけるのが後半の主軸となる。
そこはいいのだが、冒頭からいわくありそうなゴーストが出てくるのだけれど、それぞれの
いわくについてもう少しコミットしてくれると物語として面白くなったのではないかと
思った。ツッコミどころ(だらけ)はあれど、まあ幽霊映画なので、力を抜いて観るとして
ストーリーはそれなりに起承転結つけているから、最後まで見切ることは出来た。

そして、美味しいところはエンドロールに隠されていて、彼女らが市民に認められるシーン、
シガニー・ウィーバーの登場あたりから続編への期待に繋げるあたり、ビジュアルも含めて
いい感じでは有った。中年?女性の下世話なギャグ連発に耐性のある方は大いに面白かろう。
全体としてポール・フェイグのチカラワザ、で持って行った感がある。
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<ストーリー>

ニューヨークに現れた幽霊を退治しようと奮闘する男たちを描き、80年代にヒットした
『ゴーストバスターズ』をリブートしたコメディ。心霊現象の専門家など4人の女性たちが、
ピンチに陥ったニューヨークを救うため立ち上がる。
前シリーズ2作を監督したアイヴァン・ライトマンが製作を、コメディを得意とする
ポール・フェイグが監督を務める。

ニューヨークのコロンビア大学で教鞭を執る物理学者エリン・ギルバート(クリステン・
ウィグ)の元に、幽霊の調査依頼が舞い込む。彼女がかつて幽霊本を出版したことが
その理由だったが、大学内で微妙な立場にあるエリンは、ヒギンズ科学大学で幽霊研究に
打ち込む幽霊本の共著者で友人のアビー(メリッサ・マッカーシー)を訪ねる。
その話に目を輝かせたアビーと、彼女の相棒ジリアン・ホルツマン(ケイト・マッキノン)と
共に訪れた現場で、ゴーストに遭遇。だが、その映像をネットで公開したところ、世間を
騒がせたという理由で3人とも大学をクビになってしまう。

やむなく3人は、頭の悪い青年ケヴィン(クリス・ヘムズワース)を秘書に雇い、
中華料理店の 2階をオフィスとして超常現象の調査会社を設立する。最初の依頼者は、
地下鉄の女性駅員パティ(レスリー・ジョーンズ)。地下鉄構内でゴーストに追いかけ
られたと駆け込んで来たのだ。
現地でそのゴーストの姿をビデオに収めたものの、ネットに公開した映像は世間から
完全にインチキ扱い。ゴーストの存在を証明するには捕獲するしかないと悟った3人は、
パティを仲間に加え、ジリアン開発の捕獲装置プロトンビームをバックパック型に改良
してチャンスを待つ。そして、再び訪れる出動の時。オジー・オズボーン主宰のロック
フェス会場にゴーストが出たというのだ。万全の装備で乗り込んだ4人は、ステージ上で
ゴーストの捕獲に成功。これが彼女たち“ゴーストバスターズ”最初の大手柄となった。

だがその裏で、ニューヨークに危機が迫っていた。一連の幽霊騒ぎは、天変地異に
よって世界を浄化しようとする黒幕ローワンの仕業だったのだ。果たしてゴースト
バスターズたちは、ニューヨークの街を守ることができるのか?人類の未来を懸けた
ファイナルバトルが、今始まる!(Movie Walker)

<IMDb=★5.3>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:73% Audience Score:53%>




から

by jazzyoba0083 | 2017-06-09 23:30 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「グランドフィナーレ Youth」
2015 イタリア・フランス・スイス・イギリス Indigo Film and more.124min.
監督・脚本:パオロ・ソレンティーノ
出演:マイケル・ケイン、ハーヴェイ・カイテル、レイチェル・ワイズ、ポール・ダノ
   ジェーン・フォンダ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

この監督の作品は初めてかもしれない。非常に観念的な映画で、私の苦手とする
ジャンルである。観ながら、カンヌやベルリンで評価されそうな作品だなあ、と
思っていたら、やはりそうであった。

出ている人は円熟の役者ばかりだから玄人受けはするだろうが、日本での興業は
おぼつかなかったのではないだろうか。素直な感想を言えば、「何をいいたいのか
よく分からない」ということ。邦題もミスリードを誘う。現代の「YOUTH」(若さ)に
こそ、この映画の本質があろう。出てくる人がほとんど老人で、おそらく
過去と現在と未来に行き来する、それぞれの様々な思いが重層的に重なって表現
されているのだと思う。断片的エピソードは理解できるのだが、全体として、何を
表現したかったのか、「若さ」とは何か?ということなのか?それはちょっと違うだろう。

スイスの温泉療養施設付き豪華ホテル。セレブが集まるところだ。
コアになるエピソードをもたらすのは、クラッシック音楽の世界の巨匠ブレッド・
バリンジャー(ケイン)。彼は高名な指揮者であり作曲家。引退してここにいる。
もう一人はそろそろ映画監督業も終いにしようかと考え最後の作品を製作中に
滞在しているミック・ボイル(カイテル)の二人。二人は親友という設定。
(ブレッドの娘の旦那がミックの息子、という関係。親戚ですな)

もう人生は最終ステージ。これから新しいことはしない、と決めいているブレッドは
女王陛下が勲章を授けたいと言っている、ついてはフィリップ殿下の誕生日でもある
授賞式に、代表曲「シンプル・ソング」を指揮して欲しいと懇願してくるイギリス
政府の役人に「引退したからもうやらない」とにべもなく断る。

一方、監督のミックは、まだまだ演出に色気を出し、これまで長い間コンビを
組んできた恋人でもある大女優ブレンダ・モレル(ジェーン・フォンダ)がスイスに
到着するのを待ち、ラストシーンを仕上げようとしていた。
(ミックが今作っている映画がどう見ても傑作になるとは思えないような描かれ方)

そんな二人は温泉に入れば健康や病気の話、でも全裸で温泉に入ってくるミス・
ユニバースを見ると「神だ」とか言って、まだまだ男としての名残がある状態。

この二人の男の考え方というか、自分が理解している自分自身の立ち位置が
少しずつ変化していくところが面白い。ブレッドは、勲章を受け、BBC交響楽団を
指揮して女王夫妻の前で「シンプル・ソング」を演奏することになり、片や、ミックの
元にやっとのことでブレンダ・モレルがやってくるのだが、ブレンダは映画には出演しない、
と断言する。慌てるミックに、ブレンダは53年間の恨みつらみが爆発するのだった。

作品全体としては上記だけのことではなくもっと複雑であって、二人の老人の
家族や生い立ちが絡んでくる。そしてブレッドがなぜ指揮をしようとしたかも
ミックの存在が大きかったりするのだ。

最終局面での老人二人に起きる大変化については面白く観たが、それが「若さ」と
いうタイトルにどう結びついていくのかは、謎だった。
Life goes on.ということなのだろうかなあ。年齢に関係なく。

画がとても綺麗で、構図などに非常にコダワリが感じられる。なんでも説明してしまう
作品よりも、観ている側の想像を刺激する意味での「観念的」な描写もいいのだが、
時としてシュールに過ぎてしまうと、言いいたいことが分からりづらくなる。

そうした意味で「観念的な」本作は、見る人に人生のいろいろな側面を考えさせる
ことだろう。だめな人は途中で脱落するタイプの映画。
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<ストーリー>
アルプスの高級リゾートホテルでバカンスを送る作曲家フレッド・バリイジャー
(マイケル・ケイン)のもとに、女王陛下からの勲章の授与と出演依頼が舞い込んでくる。

フレッドの名を世界中に知らしめた不朽の名曲「シンプル・ソング」を、フィリップ殿下の
誕生日に指揮するという名誉あるオファーであったが、彼は興味すら示さない。
BBC交響楽団の演奏で偉大なソプラノ歌手スミ・ジョーが歌うと言われてもフレッドは
もう引退したからと頑なに拒むのだった……。

母国イギリスのロンドン、そしてニューヨーク、最後はヴェネチアの楽団で24年、
作曲と指揮に持てる才能の全てを注ぎ込んだフレッドは、80歳となった今ではすっかり
燃え尽きていた。ホテルの宿泊客は、今も世界中のヒーローである元サッカー選手や
かつて大ヒットしたロボット映画の役名で呼ばれることにウンザリしているハリウッド
スターのジミー・トリー(ポール・ダノ)などセレブぞろい。そんな彼らは皆世間とは
違う風変わりな事情を抱えていた。

フレッドの60年来の親友である映画監督のミック・ボイル(ハーヴェイ・カイテル)も
同じホテルに宿泊していたが、現役を続けるミックは若いスタッフたちと新作の脚本
執筆に励んでいる。そんな中、父を心配する娘のレナ(レイチェル・ワイズ)が予約した
マッサージやサウナ、健康診断を淡々とこなすフレッド。何ごとにも無気力になって
しまったフレッドの唯一の楽しみは、ミックとの昔話と悪ふざけ、そして歳を重ねたが
ために頭と体のあちこちに出て来た不具合自慢だった。

ある時、部屋へ戻ると、夫のジュリアンと旅行に出かけたはずのレナが泣きじゃくっている。
ジュリアンの父であるミックに、君の息子が私の娘を捨てたと告げるフレッド。
驚いたミックはすぐに息子を呼び出すが、彼は新しい恋人を連れて来る。フレッドは
レナを慰めようとするが、音楽が全てでママのことなど一切顧みなかったパパに夫婦の
愛情の何が分かるのかと激しく責められる。フレッドのもとに女王の特使が再び現れ、
頑として断るが必至で食い下がる特使に遂にフレッドは本当の理由を語り出す。

「シンプル・ソング」にまつわる母への想いを初めて聞いたレナは思わず涙する。
そんな折、長年タッグを組んできたブレンダ・モレル(ジェーン・フォンダ)に主演を
断られたミックの映画が製作中止に追い込まれる。ミックが選んだ結末に衝撃を受けた
フレッドは「君の音楽は驚きや新しい感動をもたらした」という友の言葉を胸に最後の
ステージに立つことを決意。だが彼はその前に会わねばならない人がいた。
そしてフレッドは10年ぶりにヴェネチアに暮らす妻を訪ねる……。(Movie Walker)

<IMDB=★7.3>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer: 74%  Audience Score:68% >



by jazzyoba0083 | 2017-06-05 23:25 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「クーパー家の晩餐会 Love the Coopers」
2015 アメリカ CBS Films,and more.107min.
監督:ジェシー・ネルソン 
出演:ダイアン・キートン、ジョン・グッドマン、アラン・アーキン、エド・ヘルムズ
   アマンダ・サイフリッド、マリサ・トメイ、ジェイク・レイシー、オリビア・ワイルド他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

「クリスマス啓蒙用の聖書的教訓一杯の大人の絵本」という感じで、クリスマス前に
クリスムードの中で観てナンボの映画だ。居並ぶ大スターの演技さえ楽しめば
それでよし。教訓的なセリフが耳に届けば、日本人には更によし、というもの。

クーパー家でなくても年に一度の大イベント、クリスマス。かの家には大家族が
集まりお祝いと食事をする習わしになっていた。今年もクリスマスがやってくる。
しかし、それぞれがそれぞれの悩みを抱えたまま集まってくるからもう大変!

家族構成はこうだ。おじいちゃんにアラン・アーキン。彼はダイナーの娘、アマンダ・
サイフリッドに熱を上げ、こう5年も通い詰めている。
その娘ダイアン・キートンと夫ジョン・グッドマン。結婚40年で、もう離婚がすぐそこ
に用意されていて、今年のクリスマスが最後という覚悟。
ダイアンの独身の妹マリサ・トメイは、姉にペンダントのプレゼントを万引きして
警察に捕まる。夫妻の長男エド・ヘルムズは失業中。妻も家を出ていくという状況。
娘オリビア・ワイルドはおじいちゃんの病院の医師と不倫中だが、空港で軍人の若者に
「一日だけ恋人になって」と拝み倒し家に連れてくる・・・・。
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いよいよクリスマスイブの晩餐会が始まった。それぞれが抱える小さな嘘がバレて
きてしまう。そんな中おじいちゃんが倒れしまった!
しかし幸い軽度の脳卒中でクリスマスディナーは再開される。
家族は大切だ。(アメリカ人のキリスト教的倫理観ではなおさら、家族愛は大事)

「人だもの、欠点は多い。なぜみんな細かい欠点ばかりを気にしてあげつらい、
大きな愛情に感謝しないんだろう」ということだね。

この作品は一家の愛犬のナレーションで進行するのだが、
「一番近くにいる人が一番大切だ、ということに気が付かなくちゃね」と締める。
分かりやすいオチとなっている。

多人数(しかも大俳優だらけ)で、キャラクターの設定とかそれぞれのプロット
の進行(時制も含め)はバラバラにとっちらからずに手堅く纏められているので、
それこそ前述のようにクリスマス時期にホノボノ観るにはいいだろう。悪い映画
ではない。が、その後どうなるのかという示唆が、プロットにあったりなかったり。
これはしょうが無いかな。で、作品としてどうか、と言われちゃうと、そこまでの
映画ではないなと。クリスマスを機に家族の絆を再確認したい向きにはピッタリ。
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<ストーリー>
 クーパー家の人々が年に一度顔を揃えるクリスマス・ディナーを舞台に、
それぞれに問題を抱えながらもそれをひた隠して晩餐会を楽しくやり過ごそうと
する中で巻き起こる騒動を、ダイアン・キートン、ジョン・グッドマン、
アラン・アーキン、マリサ・トメイはじめ豪華オールスターキャストで描いた
群像コメディ。監督は「I am Sam アイ・アム・サム」のジェシー・ネルソン。

 クリスマス・イブ。クーパー家では、この日に一族が一堂に会し晩餐会を
開くのが毎年の恒例行事。今年も各地から続々と集まってきた家族を温かく
迎える夫婦のシャーロットとサム。
しかし40年連れ添った2人は離婚を決意し、シャーロットはこれが最後の晩餐会と
覚悟を決めていた。そのシャーロットの父バッキーは、若いウェイトレスに夢中で、
彼女の働くダイナーに5年も通い詰めていた。
一方、シャーロットとはケンカばかりの妹エマ。姉へのプレゼントを探していて
出来心から万引きで捕まってしまう。そんな中、独身の娘エレノアは、空港で
出会った軍人の青年ジョーに一日だけ恋人のフリをしてもらうことを思いつくが…。
(allcinema)

<IMDb=★5.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:18%  Audience Score:36%>




by jazzyoba0083 | 2017-05-10 22:15 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「カフェ・ソサエティ Café Society 」
2016 アメリカ Perdido Productions,Gravier Productions,FilmNation Entertainment.96min.
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ジーニー・バーリン、スティーヴ・カレル、ジェシー・アイゼンバーグ、ブレイク・ライブリー他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ウディ・アレン大好きなので、封切の日にシネコンに。GW真っ最中というのにガラガラだったなあ。
出演者にも派手さはないし、賞がらみの話題もないから、致し方ないかもな。
でも映画としては面白かった。しかし、なんだろう、いつものコテコテのアレン節じゃないので、
「え?こんな純情な恋愛ストーリーでいいの?」と、例のシニカルな「不条理とも不合理とも
非情とも毒とも」受け取れる粘っこい調子、また時として使われるサスペンスなタッチもないし、
おバカな風情もないので、ちょっとタタラを踏んでしまった。まあ、結論的には「人生、いうほど
上手くは行かない」と見せておいて、アレン流の「時代を飲み込んで(そして捨てた)恋愛観の
素敵な提示、ということなのだと受け止めた。
恋愛観、ノスタルジー、ジャズ、ファッション、これらはいつものアレン流が貫かれているので、
作品としての上質さが欠けているということはない。そしてこれもいつも通り、女優の存在は華麗に
して大きいのだ。
ユダヤ教やユダヤ人を自虐的に揶揄するのはいつも通り。それが物語の生死感の皮肉だったりもする。

時代は1930年代。「華麗なるギャツビー」のジャズエイジ、「ロアリングトゥエンティ」が29年の
世界大恐慌とともに終焉、そこからニューディールで立ち直ろうとするもののアメリカ経済はあまり
上手く行かない。
欧州ではヒトラー、日本では軍部によるファシズムが台頭し始めていた。そんな時期、トーキー時代を
迎えたハリウッドは本作にもその名が出てくるフレッド・アステア、ジュディ・ガーランドなどが活躍を
始めたころで、活況を呈していた。映画中に全面的にフィーチャーされるジャズは、スィングジャズと
言われるボールルームでのダンスのバックで演奏されるようなものが全盛を迎え、ベニー・グッドマンや
トミー・ドーシーらが人気だった。振るわぬ経済をしり目にハリウッドは華やかであったのだ。
そんな第二次世界大戦に突入するまでの幸せな時期が舞台となっている。

アレンの映画は「夢・夢想」がキーになり、独特の幻想感を醸し出すものもあるのだが、本作は
リアリズムが基本だ。そんなアレン流リアリズムの中から逆に「夢」を紡いで見せているような感じを
受けた。繰り返すがいつものアレン風毒気がほとんど感じられないので、逆に評価が自分の中では
ちょっぴり下がってしまった。じゃあ、「ギター弾きの恋」はどうなんだ?ということなんだけれども。
こんな純情なのがアレンでいいんだっけ?と¥。蘊蓄系のセリフはいつものように多々あるが。

今回、アレンは演出に徹していて、その役をジェシー・アイゼンバーグが担っている。どこかアレンを
想起させる雰囲気がある。しゃべり方も演出だろうが、早口でアレン風。風采が上がらず、女性に
モテず、屁理屈ばかりは上手いという感じもそのままだ。

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大雑把にストーリーを言っちゃうと、以下のごとし。(ネタバレですからご注意)

NYからハリウッドに出てきて凄腕映画エージェントの叔父の元で働くことになるボビー
(アイゼンバーグ)。叔父フィルはスティーヴ・カレルが演じる。ボビーはその叔父の秘書ヴェロニカ
(クリスティン・ステュワート)の美しさにやられてしまう。高嶺の花だと思いつつ、彼は積極的に
アプローチ、やがてヴォニーの心をつかむことに成功する。しかし、ヴォニーには不倫相手がいたのだ。
それが叔父フィル!ヴォニーは、フィルがボビーの叔父とは知らず身の上話をボビーにする。

離婚を約束していたフィルだが、不調に終わり、ヴォニーとは終わることに。失恋したヴォニーは
ボビーのところに。二人はやがて結婚を意識する仲となる。そして結婚してNYへ行こう、というところ
まで来た。だがだが、この期に及び、叔父フィルは離婚を成立させ、ヴォニーに再度求愛するのだった。
もともと尊敬もし愛していたフィル。でもボビーも愛している。結局、ヴォニーが選んだのはフィルで
あり、ハリウッドに残る道であった。

失意のうちにNYに帰ってきたボビー。ギャングの長兄が経営するクラブを手伝っているうちに、この
クラブ、政治家、文化人、芸能人らもたくさんやってくる有名な店となっていく。そこに客として
やってきた女性。彼女も名前はヴェロニカ。美しい!ボビーは積極的にアプローチし、もう一人の
ヴォニーの心をつかみ、結婚、子供も生まれる。そして店はどんどん栄える。
ある日、その店に
フィルと、妻となったヴォニーが客としてやってくる。ヴォニーの美しさは相変わらずであり、かつて
ハリウッドではちゃらちゃらした映画スターをバカにしていたのが、今やそんな身になってしまって
いた。今どうして自分の前に現れたのか、戸惑うボビーであったが、自分の心の奥底にヴォニーへの
愛情がしっかりと息をしているのに気付くのだった。
NYの夜景が美しいセントラルパークでキスを交わす二人。でも、それぞれの妻、夫は確かに愛して
いるのだ。が、結ばれはしなかったが、二人の一番大切な愛は確かにここにある、それは誰に対する
裏切りでもなく(背徳ということばすら消化してしまった)、と思う瞬間だったのかもしれない。

こうやって書いてくると、はやり、時代をくみ取りつつ、時代を排した普遍性を持つアレン流の恋愛観
の提示なのだな。「夢から夢へ」「現実から夢へ」「夢から現実へ」そんな恋愛におけるフェイズが
上手く多層的に示された、やはりアレンならではの恋愛映画ではある。ラストのボビーの後ろ姿が
語ること、そんなことではなかったか。

<IMDb=★6.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer: 71% Audience Score:57%>

この映画の詳細は・・・



by jazzyoba0083 | 2017-05-05 15:40 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

極秘捜査 Geukbisusa

●「極秘捜査 Geukbisusa」
2015 韓国 108分
監督・(共同)脚本:クァク・キョンテク
出演:キム・ユンソク、ユ・ヘジン、チョン・ホビン、ソン・ヨンチャン、イ・ジョンウン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

WOWOWのオンデマンドで、「誘拐報道」と間違えて観始めてしまった作品。このところの
こともあり、余程の興味が向かないと韓国映画は観ないのだが・・・。
最後に本人たちの写真のも出てくるのだが、1978年、釜山で実際に起きた誘拐事件を扱った
ものだ。が、これが事実に基づいたものじゃなくて単なる創りものだったら絶対に見続けよう
とは思わなかった。というのも、捜査の大きな力になっているのが「導師」といわれる
占い師だからだ。もちろん警察がそういう捜査を公認しているわけではないのだが、ソウル対
釜山とか、内部闘争とか、腐っている警察の中で、誘拐された子供の母親の気持ちを考えれば
いたたまれず、捜査に乗り込む際の、たまたま相棒となるのが、導師だったわけだ。

幼い幼稚園児が誘拐され身代金が要求されるのだが、心当たりがない。捜査を任されたのは
両親とつながりのあるコン刑事。母親はあちこちの占い師にすがるのだが、だれもが「もう
死んでいる」という。最後に訪れたキム導師のみは「まだ生きている」と占う。
そこからコン刑事とキム導師の真剣な捜査が始まる。そうしているうちにも、警察内部の
足の引っ張りあいや、「極秘捜査」を進めるコン刑事に対し、公開捜査をしようとする
上層部、敵はあちらこちらにいるのだった。

そうこうするうちに、キム導師が、四柱推命から土、水、などの気を受けて、誘拐された
児童がいそうな場所を予言する。これに従って、コン刑事らが動き出すが・・・。

結局、借金だらけのそこらにいる男が犯人で、逮捕され、幼児も無事に保護され一件落着
だったが、警察で表彰、昇進したのは、コン刑事の足をひっぱり最後だけ美味しいところを
もっていった嫌な幹部だけ。さらに、占いを当てたキム導師は、恩師である導師に手柄を
譲ってしまった。ラストシーンで、キム導師は、コン刑事が今後活躍し、身分もどんどん
昇進する、と予言し、字幕では、実際に今刑事は出世し、警視正にまでになったという
説明がなされる。

70年代の韓国警察のカネで動く腐り具合がちゃんと出ているし、リアルに起きたことの
緊張感はあるし、相変わらず彼の国の人はエキセントリックだし、まあまあ面白く観ました。
現代は韓国語がわからないと意味不明だろうが、カタカナにすると「グクビスサ」。
極秘捜査のハングル発音であります。
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<ストーリー>

韓国犯罪史上に残る奇妙な少女誘拐事件を映画化した実録サスペンス。ある裕福な家庭の
少女が誘拐され、担当刑事は母親の信頼する占い師と協力して捜査に当たることに。

釜山。小学生の少女が何者かに誘拐された。少女の家庭が裕福だったことから営利目的か
と思われたが、犯人からは一向に身代金を要求するような連絡がない。
担当のコン刑事は、安全を優先する極秘捜査の継続を主張するが、膠着状態が続き、
公開捜査に踏み切るべきという声は高まるばかりだった。
彼が自信を失う一方、少女の両親、特に母親は、信頼する占い師のキム導師が言う
「コン刑事が娘を救う」との予言を信じ続けるが……。
(WOWOW)

<IMDb=★6.3>

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=356447#1

by jazzyoba0083 | 2017-04-17 23:00 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

キャロル Carol

●「キャロル Carol」
2015 イギリス・アメリカ・フランス The Weinstein Company,Film4.118min.
監督:トッド・ヘインズ 原作:パトリシア・ハイスミス『キャロル』
出演:ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、サラ・ポールソン、ジェイク・レイシー、カイル・チャンドラー他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
「からまる視線の演技」「時代と女性2人の雰囲気を盛り上げる画面の色彩」「時代を演出するための
上等なプロダクションデザイン(美術・特に衣装、ヘアデザイン、クルマ)」そして、なんと言っても主役の
二人の醸し出す香り立つようなキャラクターとその演技に圧倒された2時間だった。冒頭とエンディングの
シークエンスが、本編の展開によって繋がっていく工夫も良かった。

ゴージャスな(実際にお金持ちなのだが)ケイトと、ボーイッシュな風貌ながらも、どこか終始戸惑っている
ようなルーニー・マーラ。目線を強調したカットだけではなく、映画全編において二人の目線は多くを語る。
1952年のNY。(私が生まれた年だ)トッド・ヘインズが目論んだ、まだ同性愛などタブーもタブーだった
時代の再現。戦後7年を経て、街もそれなりの潤い方をしてきたという時代の特性を、衣装やデパートの中、
音楽、映像のカラートーン、意識して使われているとしか思えない当時のクルマなどを複合的に演出し、
そこに二人の女性を配置してみた。トッドは私より10歳ほど若いからリアルタイムでこの当時を知らない。
時代考証はそうとう頑張ったのだろう。それはまんまと当たった。キャスティングはこの二人しかないんじゃ
ないか、と思うくらいだ。「ドラゴン・タトゥーの女」でピアスだらけの男勝りのリスベットを演じた
同じルーニー・マーラとは思えなかった。そのボーイッシュで儚げな気配はどこかオードリー・
ヘップバーンを想起させすらした。それを上回る凄さだったのがケイト・ブランシェット。幼い女の子が
いながら離婚協議を進め、同性がどうしようもなく好きという愛情の持って行きどころを、ルーニーに
求めるという、ちょっと間違うと、タバコ好きなお金持ちの妖艶な有閑マダムになってしまう寸前に確立した
女性像を演じきった。

結婚寸前のボーイフレンドがいながら、ケイトとの同性の恋に落ちていくルーニー。夫婦の冷えた
愛情の果て、自分の本性たる同性へ向かう愛をルーニーに求めたケイト。同性愛者にとっては
厳しい時代の中で、自分の心の声に正直であろうとし、厳しさの中で自分の本当に求める愛に生きようと
する女性の姿がここにはある。そうした物語がアメリカでは一年で一番華やかなクリスマスシーズンを
舞台に展開していく。季節が温もりを求めたい冬、というのも良いのかもしれない。

当時東海岸で生まれ勢いがあったハード・バップ、クールジャズを上手く使った音楽の趣味も誠に宜しい。
ルーニーがケイトに贈ったクリスマスプレゼントはビリー・ホリディとテディ・ウィルソンのアルバム
「イージーリビング」のLPであった。(このアルバム自体の録音は映画の時代から20年ほど前になるが)

この二人、ラストはどう落とし前をつけるんだろうかと思って観ていた。
ラスト近く、一旦はケイトとの間を精算した感じのルーニーだったが、会ってしまうと恋心を押さえる
事が出来なくなる。「テレーズ(ルーニー)、行くな!」と心で叫んでしまったが、そうはならなかったなあ。

とにかく二人の演技と監督の演出に酔った二時間、楽しいひと時だった。

<IMDb=★7.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:94% Audience Score:73% >
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<ストーリー>

『見知らぬ乗客』『太陽がいっぱい』などで知られる女流ミステリー作家パトリシア・ハイスミスが
52年に別名義で発表した小説を「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ監督が映画化。
エレガントな大人の女性に心奪われた若いヒロインの切なくも美しい禁断の恋の行方を、50年代の
ニューヨークを鮮やかに再現した衣装・美術と素晴らしい映像美で描き出す。
主演は「ドラゴン・タトゥーの女」のルーニー・マーラと「ブルージャスミン」のケイト・ブランシェット。

 1952年、クリスマス目前の活気あふれるニューヨーク。高級百貨店のおもちゃ売り場でアルバイトを
しているテレーズ。フォトグラファーという夢を持ち、恋人のリチャードからは結婚を迫られるなど、
一見充実しているかに思えて、どこか満たされない日々を送っていた。
そんなある日、ゴージャスな毛皮のコートを着た女性キャロルが、娘のクリスマスプレゼントを探しに彼女の
売り場へやって来る。その美しく優雅な佇まいに一瞬で目を奪われ、強い憧れを抱くテレーズ。
後日、ふとした成り行きからキャロルにランチに誘われ、彼女が夫ハージとの愛のない結婚生活に苦しんで
きたこと、そしてついに離婚を決意したことを知るが…。(allcinema)
        
この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354600#1こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2017-03-01 23:15 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「5時から7時までの恋人カンケイ 5 to 7」
2015 アメリカ Demarest Films,Mockingbird Pictures.97min.
監督・脚本:ヴィクター・レヴィン
出演:アントン・イェルチン、ベレニス・マーロウ、オリヴィア・サールビー、ランベール・ウィルソン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
WOWOWの「W座」で放映された、日本劇場未公開作品。個人的には大いに「めっけもん」の作品だった。
★は7.5だが、今は亡きアントン・イェルチンに半星を捧げ8とした。
大体、邦題が全然ダメ。まるでラブコメの風情じゃないか。DVDのパッケージデザインもまるでダメ。
本来この作品が持つビターなラブストーリーを表しておらず、売らんかなのゲスな下心丸見えだ。
ラブコメを期待して買ったり見たりした人を裏切る行為でもある。

いちゃもんはこのくらいにして、本題。不思議な不倫関係を続ける2人の話なのだが、あまり期待しないで
見始めたのだが、次第に観ていて心地よさを感じてきた。俳優、NYという舞台、物語の設定、音楽、
ワンカット長回しの映像、もちろんオリジナル脚本を書いたレヴィンの力量も相俟って、実に味わいのある
作品になっている。
作品の中で、主人公の男女、また主人公の両親、友人などなどの会話が実にウィットとユーモアに富んでいて
アメリカの映画だなあ、と感じさせる心地よさもある。脇にベテラン名優を配したのも奏功した。
ただ、出て来る人がみんな基本セレブ、というのが気に入らないけど。また、NYでの男女の劇的な一目惚れ、
これも本来ありえないと思う。が、そんなことを言っていたらラブストーリーは始まらない。

主人公のなかなか芽の出ない作家ブライアンを演じたアントン・イェルチン、彼と5時から7時までの不倫
関係を結ぶ既婚のフランス人アリエルのベレニス・マーロウ、両者とも不思議な魅力を放っている。特に
ベレニスは映画に多く出ておらず、私には馴染みがないが、独特の存在感を持った女優さんだな、と感じた。
ただ、スタイルについていうと、映画の中ではウエストの位置が低く、胴長足太に見えて、それにヒールの
低い靴を履くので(アントンとの身長差をカバーするものだと思うけど)えらく見栄えが悪い。本来骨太の
体格なので、スタイリストのミスかもしれない。
昨年不幸な自動車事故で若くして亡くなってしまったイェルチンであるが、彼の幸せ薄そうな存在感も
見逃せない。監督はこうした2人を上手く使い、加えて、ブライアン(イェルチン)の両親にベテラン、
オスカーノミニーのフランク・ランジェラと、こちらも6度の主演女優賞ノミニーであるグレン・クローズを
配し、不倫とは対極にある夫婦像を描いていて巧みである。
また、ブライアンの不倫相手アリエルの夫の愛人であり(ややこしいな)雑誌編集者として彼の力になる
25歳の女性ジェーンに伸び盛りのオリヴィア・サールビーを置く、という全体のキャスティングは見事だ。

短い時間にメインストリームの話と回りのエピソードを上手く回収し、ラストは実に胸が苦しくなる切ない
ものとなっている。このラストシーン、イェルチンがもういない、と思ってみると、涙が出るほど切ない。
これはホントにいい映画に出会った、と感じた。
蛇足だが、「W座」のエピローグの中で濱田岳も指摘していたことだが、ブライアンがアリエルの夫から
手切れ金?として貰った25万ドルはどうしたんだろう?それと、一旦は離婚したはずのアリエルと夫が
ラストでまた復縁したようなんだが、そのあたりは観た人の想像に任されている。

<IMDb :★7.1>
<Rotten Tomatoes:Tomatometer 72% Audience score 71%>
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<ストーリー>
ニューヨークを舞台に、自由奔放な人妻パリジェンヌと真面目なアメリカ人青年の恋の行方を描いた大人の
ラブストーリー。ニューヨークで暮らす作家志望の青年ブライアンは、街角で煙草を吸っていたフランス人
女性アリエルに一目ぼれし、声をかける。2人はすぐに意気投合するが、実はアリエルは2人の子どもを持つ
人妻だった。アリエルから「5時から7時の不倫関係」を提案されたブライアンは、戸惑いながらも彼女と
付き合いはじめるが……。
「いとしい人」「アイドルとデートする方法」などの脚本家ビクター・レビンが長編初メガホンをとり、
2016年6月に急逝したアントン・イェルチンがブライアン役、「007 スカイフォール」のベレニス・マーロウが
アリエル役をそれぞれ演じた。(映画.com)

※補足しておくと、ブライアンは年上の人妻アリエルをホントに愛してしまい、やっと獲った雑誌ニューヨーカーの
新人賞作品の出版バンス6000ドルで指輪を買い、正面からプロポーズする。アリエルも、流れで結婚した初めての
男である夫にはないトキメキをブライアンに感じていて、2時間だけの関係よりも深く愛するようになっては
いたが、2人の子供がいることが大きなブレーキとなり、ブライアンと一緒になる道は選ばなかった。
だが、夫とは離婚した。ブライアンは深い悲しみの中に突き落とされるが、その悲しみを小説を書くエネルギーに
変えて、アリエルとの関係を題材にした小説を書き上げ出版にこぎつける。

そして時間が経ち、彼も結婚し、(編集者のジェーンと結婚するかと思ったらさにあらず)子供が出来た。
別れから3~4年経ったであろうある日、思い出のグッゲンハイム美術館の前を妻とベビーカーにのせた
赤ちゃんとで通り過ぎようとすると、アリエルが一家と共に美術館から出てきたのだった。あいさつを交わす
アリエルとブライアン。さり気なくブライアンに見せたアリエルの右手薬指には、ブライアンがプロポーズで
くれたものの一度は返した(ブライアンがいつも密会に使うホテルのドアマンに預けておいた)ディオールの
指輪が光っていた・・・・。視線を交わしながら、再び別の道を歩いて去る2人だった・・・。

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358908こちらまで。





by jazzyoba0083 | 2017-02-09 22:45 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

グロリア  Gloria (1999)

●「グロリア Gloria(1999)」
1999 アメリカ Columbia Pictures,Mandalay Entertainment. 101min.
監督:シドニー・ルメット
出演:シャロン・ストーン、ジェレミー・ノーサム、ジーン・ルーク・フィゲロア、ジョージ・C・スコット他
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<評価>★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
1980、ジョン・カサヴェテス監督、ジーナ・ローランズ主演で作られた同名の作品のリメイク。
監督と主演の名前に惹かれて観てみたけれど、これが「セルピコ」「狼たちの午後」「評決」の
シドニー・ルメットの作品か?と疑いたくなるような、「スカスカ」な出来だった。

随分昔にオリジナルは観ていて、まずまずな感想を書いている。http://jazzyoba.exblog.jp/3840861/
中身は覚えていないけど、ジーナ・ローランズの凄みは何となく覚えていて、本作を見だして
しばらくすると、黒人の子供との逃避行は観た覚えがあるな、と思い出したのだった。

シャロン・ストーン、ヤクザなねえちゃんだが母性に目覚めるという役どころだが、深みに欠ける。
見事なスタイルと美形だけを理由にキャスティングされたんじゃないかと邪推してしまう。
彼女も作品に恵まれれば「モンスター」のシャーリーズ・セロンみたいになれたんじゃないかなあ。
共演者もパットン将軍(ジョージ・C・スコット)以外ぱっとせず、グロリアが母性に目覚める
シーンも唐突感がある。それぞれのシークエンスも、もう少し短くしたほうが緊張感が出るんじゃ
ないか、と思う。例えば、悪い男たちの服を全部脱がせて子供と共に逃亡するところなど、良い
シーンだけど、長い。そうしてみると、画角もなんかルーズで締まらないんじゃないか、と思えて
来てしまう。子供を学校に預けるのだが、帰りたくないグロリアが学校の前でクルマを行ったり
来たりさせるシーンも長い。カーチェイスなんかも入っているのだが、スリルを感じない。ルメット、
やる気が無いんじゃないか?と思ってしまう。そこに居れば見つかっちゃうだろう、と思うところに
いたり、詰めが甘いところも多い。
えらく腐してしまったが、素直な感想を記しておく。

「グロリア」を観たい人は、カサヴェテスを観ておけばオッケーじゃないかと思う。
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<ストーリー>
ニューヨーク。グロリア(シャロン・ストーン)はフロリダで3年の刑期を終え、恋人ケヴィンの
元に帰るが、そんな彼女を組織の冷酷な裏切りが待ち受ける。グロリアは居合わせた少年ニッキー
(ジーン・ルーク・フィゲロア)を人質に、男たちに銃を向けてそこを脱出。実はニッキーの父親は
マフィアの会計士で、組織の秘密を握るフロッピーを持ち出したせいで一家は惨殺され、父から
フロッピーを託されたニッキーも彼らの手中におちていたのだ。

マフィアの標的にされ窮地に陥った彼女は、絶縁状態にあった姉の元を訪ねるが追い返されて、
仕方なく安宿に身をひそめる。ところがそこにも追っ手が迫り、雑踏でグロリアとはぐれたニッキーは
再びつかまってしまう。かくしてグロリアは、親友ダイアン(キャシー・モリアーティ)の協力で、
ケヴィンら一味のボスであるルビー(ジョージ・C・スコット)にフロッピーとニッキーの交換を
持ちかけ、自らの命を賭けてニッキーを救い出そうと図るのだった。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=85265#1こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2017-01-12 22:55 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)