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●「5時から7時までの恋人カンケイ 5 to 7」
2015 アメリカ Demarest Films,Mockingbird Pictures.97min.
監督・脚本:ヴィクター・レヴィン
出演:アントン・イェルチン、ベレニス・マーロウ、オリヴィア・サールビー、ランベール・ウィルソン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
WOWOWの「W座」で放映された、日本劇場未公開作品。個人的には大いに「めっけもん」の作品だった。
★は7.5だが、今は亡きアントン・イェルチンに半星を捧げ8とした。
大体、邦題が全然ダメ。まるでラブコメの風情じゃないか。DVDのパッケージデザインもまるでダメ。
本来この作品が持つビターなラブストーリーを表しておらず、売らんかなのゲスな下心丸見えだ。
ラブコメを期待して買ったり見たりした人を裏切る行為でもある。

いちゃもんはこのくらいにして、本題。不思議な不倫関係を続ける2人の話なのだが、あまり期待しないで
見始めたのだが、次第に観ていて心地よさを感じてきた。俳優、NYという舞台、物語の設定、音楽、
ワンカット長回しの映像、もちろんオリジナル脚本を書いたレヴィンの力量も相俟って、実に味わいのある
作品になっている。
作品の中で、主人公の男女、また主人公の両親、友人などなどの会話が実にウィットとユーモアに富んでいて
アメリカの映画だなあ、と感じさせる心地よさもある。脇にベテラン名優を配したのも奏功した。
ただ、出て来る人がみんな基本セレブ、というのが気に入らないけど。また、NYでの男女の劇的な一目惚れ、
これも本来ありえないと思う。が、そんなことを言っていたらラブストーリーは始まらない。

主人公のなかなか芽の出ない作家ブライアンを演じたアントン・イェルチン、彼と5時から7時までの不倫
関係を結ぶ既婚のフランス人アリエルのベレニス・マーロウ、両者とも不思議な魅力を放っている。特に
ベレニスは映画に多く出ておらず、私には馴染みがないが、独特の存在感を持った女優さんだな、と感じた。
ただ、スタイルについていうと、映画の中ではウエストの位置が低く、胴長足太に見えて、それにヒールの
低い靴を履くので(アントンとの身長差をカバーするものだと思うけど)えらく見栄えが悪い。本来骨太の
体格なので、スタイリストのミスかもしれない。
昨年不幸な自動車事故で若くして亡くなってしまったイェルチンであるが、彼の幸せ薄そうな存在感も
見逃せない。監督はこうした2人を上手く使い、加えて、ブライアン(イェルチン)の両親にベテラン、
オスカーノミニーのフランク・ランジェラと、こちらも6度の主演女優賞ノミニーであるグレン・クローズを
配し、不倫とは対極にある夫婦像を描いていて巧みである。
また、ブライアンの不倫相手アリエルの夫の愛人であり(ややこしいな)雑誌編集者として彼の力になる
25歳の女性ジェーンに伸び盛りのオリヴィア・サールビーを置く、という全体のキャスティングは見事だ。

短い時間にメインストリームの話と回りのエピソードを上手く回収し、ラストは実に胸が苦しくなる切ない
ものとなっている。このラストシーン、イェルチンがもういない、と思ってみると、涙が出るほど切ない。
これはホントにいい映画に出会った、と感じた。
蛇足だが、「W座」のエピローグの中で濱田岳も指摘していたことだが、ブライアンがアリエルの夫から
手切れ金?として貰った25万ドルはどうしたんだろう?それと、一旦は離婚したはずのアリエルと夫が
ラストでまた復縁したようなんだが、そのあたりは観た人の想像に任されている。

<IMDb :★7.1>
<Rotten Tomatoes:Tomatometer 72% Audience score 71%>
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<ストーリー>
ニューヨークを舞台に、自由奔放な人妻パリジェンヌと真面目なアメリカ人青年の恋の行方を描いた大人の
ラブストーリー。ニューヨークで暮らす作家志望の青年ブライアンは、街角で煙草を吸っていたフランス人
女性アリエルに一目ぼれし、声をかける。2人はすぐに意気投合するが、実はアリエルは2人の子どもを持つ
人妻だった。アリエルから「5時から7時の不倫関係」を提案されたブライアンは、戸惑いながらも彼女と
付き合いはじめるが……。
「いとしい人」「アイドルとデートする方法」などの脚本家ビクター・レビンが長編初メガホンをとり、
2016年6月に急逝したアントン・イェルチンがブライアン役、「007 スカイフォール」のベレニス・マーロウが
アリエル役をそれぞれ演じた。(映画.com)

※補足しておくと、ブライアンは年上の人妻アリエルをホントに愛してしまい、やっと獲った雑誌ニューヨーカーの
新人賞作品の出版バンス6000ドルで指輪を買い、正面からプロポーズする。アリエルも、流れで結婚した初めての
男である夫にはないトキメキをブライアンに感じていて、2時間だけの関係よりも深く愛するようになっては
いたが、2人の子供がいることが大きなブレーキとなり、ブライアンと一緒になる道は選ばなかった。
だが、夫とは離婚した。ブライアンは深い悲しみの中に突き落とされるが、その悲しみを小説を書くエネルギーに
変えて、アリエルとの関係を題材にした小説を書き上げ出版にこぎつける。

そして時間が経ち、彼も結婚し、(編集者のジェーンと結婚するかと思ったらさにあらず)子供が出来た。
別れから3~4年経ったであろうある日、思い出のグッゲンハイム美術館の前を妻とベビーカーにのせた
赤ちゃんとで通り過ぎようとすると、アリエルが一家と共に美術館から出てきたのだった。あいさつを交わす
アリエルとブライアン。さり気なくブライアンに見せたアリエルの右手薬指には、ブライアンがプロポーズで
くれたものの一度は返した(ブライアンがいつも密会に使うホテルのドアマンに預けておいた)ディオールの
指輪が光っていた・・・・。視線を交わしながら、再び別の道を歩いて去る2人だった・・・。

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358908こちらまで。





by jazzyoba0083 | 2017-02-09 22:45 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

グロリア  Gloria (1999)

●「グロリア Gloria(1999)」
1999 アメリカ Columbia Pictures,Mandalay Entertainment. 101min.
監督:シドニー・ルメット
出演:シャロン・ストーン、ジェレミー・ノーサム、ジーン・ルーク・フィゲロア、ジョージ・C・スコット他
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<評価>★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
1980、ジョン・カサヴェテス監督、ジーナ・ローランズ主演で作られた同名の作品のリメイク。
監督と主演の名前に惹かれて観てみたけれど、これが「セルピコ」「狼たちの午後」「評決」の
シドニー・ルメットの作品か?と疑いたくなるような、「スカスカ」な出来だった。

随分昔にオリジナルは観ていて、まずまずな感想を書いている。http://jazzyoba.exblog.jp/3840861/
中身は覚えていないけど、ジーナ・ローランズの凄みは何となく覚えていて、本作を見だして
しばらくすると、黒人の子供との逃避行は観た覚えがあるな、と思い出したのだった。

シャロン・ストーン、ヤクザなねえちゃんだが母性に目覚めるという役どころだが、深みに欠ける。
見事なスタイルと美形だけを理由にキャスティングされたんじゃないかと邪推してしまう。
彼女も作品に恵まれれば「モンスター」のシャーリーズ・セロンみたいになれたんじゃないかなあ。
共演者もパットン将軍(ジョージ・C・スコット)以外ぱっとせず、グロリアが母性に目覚める
シーンも唐突感がある。それぞれのシークエンスも、もう少し短くしたほうが緊張感が出るんじゃ
ないか、と思う。例えば、悪い男たちの服を全部脱がせて子供と共に逃亡するところなど、良い
シーンだけど、長い。そうしてみると、画角もなんかルーズで締まらないんじゃないか、と思えて
来てしまう。子供を学校に預けるのだが、帰りたくないグロリアが学校の前でクルマを行ったり
来たりさせるシーンも長い。カーチェイスなんかも入っているのだが、スリルを感じない。ルメット、
やる気が無いんじゃないか?と思ってしまう。そこに居れば見つかっちゃうだろう、と思うところに
いたり、詰めが甘いところも多い。
えらく腐してしまったが、素直な感想を記しておく。

「グロリア」を観たい人は、カサヴェテスを観ておけばオッケーじゃないかと思う。
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<ストーリー>
ニューヨーク。グロリア(シャロン・ストーン)はフロリダで3年の刑期を終え、恋人ケヴィンの
元に帰るが、そんな彼女を組織の冷酷な裏切りが待ち受ける。グロリアは居合わせた少年ニッキー
(ジーン・ルーク・フィゲロア)を人質に、男たちに銃を向けてそこを脱出。実はニッキーの父親は
マフィアの会計士で、組織の秘密を握るフロッピーを持ち出したせいで一家は惨殺され、父から
フロッピーを託されたニッキーも彼らの手中におちていたのだ。

マフィアの標的にされ窮地に陥った彼女は、絶縁状態にあった姉の元を訪ねるが追い返されて、
仕方なく安宿に身をひそめる。ところがそこにも追っ手が迫り、雑踏でグロリアとはぐれたニッキーは
再びつかまってしまう。かくしてグロリアは、親友ダイアン(キャシー・モリアーティ)の協力で、
ケヴィンら一味のボスであるルビー(ジョージ・C・スコット)にフロッピーとニッキーの交換を
持ちかけ、自らの命を賭けてニッキーを救い出そうと図るのだった。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=85265#1こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2017-01-12 22:55 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

K-19 The Widowmaker

●「K-19 The Widowmaker」
2014 アメリカ・イギリス・ドイツ New Regency Pictures and more.138min.
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ハリソン・フォード、リーアム・ニーソン、ピーター・サースガード、クリスチャン・カマルゴ、ピーター・ステッビングス他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

ソ連製原潜にまつわる映像は素晴らしいし、カメラワークも監督のこだわりを感じる。が、ストーリーと
して辻褄が合わないんじゃないか、というか艦長と副長の立場が突然真逆になったりで釈然としなかった。
後に「ハートロッカー」で名を挙げた女流監督ビグロー、コロンビア大学大学院で映画を学んだ才媛っぽい
なかなか硬派な作品に挑戦したが、抑制された重い潜水艦映画となってしまった感が少々する。
ソ連を舞台にした映画であるが、全編英語であるので、ならばとこの際日本語吹き替えで鑑賞。そのほうが
まだ違和感は少ないと思ったからだ。

東西冷戦時代に、祖国に忠誠を尽くし、原発事故に当たって、艦を見捨てるなどとんでもない、と、どこか
精神論重視の大日本帝国軍人を思わせるハリソン・フォード艦長、片や、乗組員と核爆発から世界を守る、という
側面から艦長と対立する人情派リーアム・ニーソン副長。彼らの立場が、乗組員の反乱を機に逆転したように
思えるのだ。
そばにいた警戒中のアメリカの駆逐艦に助けを求めようとする副長が、突然、反乱軍に逮捕され、自分が艦長に
指名された瞬間、艦長を守る立場に付き、反乱チームを鎮圧する。艦長がアメリカ軍に救助を求めようとしたり
そのあたりの一貫性のなさに、鼻白んだわけだ。ソ連で初めて作られたミサイル搭載型原潜の初の軍務において、
乗組員や艦の限界をギリギリまで試そうとする艦長の気持ちは分からない訳ではないが、である。
この物語は事実にもとづいてはいるが、艦内の模様などは相当脚色されているのだろう。
(ひとつ気がついたのだが、新造船というのに内部が相当古ぼけているのは何か理由があるのかな)

それにしても、加圧型原発が冷却水装置の故障からメルトダウンの危険性が出て、それを雨合羽くらいの機能しか
ないものを着けて修理にあたり、ひどい放射線被曝を受ける下りは、フクイチを経験している我々には、正視でき
ないほど痛々しい。原子炉事故を起こしたK-19は味方の潜水艦に曳航されロシアに引き上げるのだが、修理に
当たったクルーは1週間後ほどに全員死亡したという。その他のクルーも相当被爆しただろうが、当然この事実は
秘匿された。
本作には、原潜を追い爆雷を投下する駆逐艦や、雷撃機の襲来もない。ひたすら炉心融解に晒された状態との
戦いが描かれるので、心理的な作品であり、活劇ではない。海の底で繰り広げられる潜水艦映画はこれまでも
沢山作られて来たが、原発と向き合う、という(ソ連が粗悪品を作っているという伏線は冒頭に張られる)地味な
ところに焦点を当てた初めての映画であろう。戦争において、自国民を守る役目の原潜が、クルーどころか
世界中の人たちに厄災をもたらす、という戦争の持つ(軍備の持つ)不条理、人間という愚かな生き物の悲しさ、
という主張(と私は汲んだが)は、ビグロー監督の後の作品「ハートロッカー」や「ゼロ・ダーク・サーティ」に
繋がるもの、と読み取ることが出来た。

重苦しい地味な映画であるが、見応え(上記の辻褄の合わなさを除く)のある作品といえよう。ちなみにこの
K-19は、その後も何回も事故を起こした。それゆえ「未亡人製造機」と呼ばれるのである。
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<ストーリー>
ソ連の原子力潜水艦K-19で1961年に実際に起った放射能事故を基に、「ブルースチール」「ハートブルー」の
キャスリン・ビグローが映画化した骨太のサスペンス。米ソによる核戦争に発展しかねない原潜事故という
最悪のトラブルに命懸けで立ち向かう乗組員たちの姿を緊張感たっぷりに描く。
主演は「エアフォース・ワン」のハリソン・フォード。
 
1961年、米ソ冷戦の最中、ソ連国家首脳部は原子力潜水艦K-19の処女航海の艦長にアレクセイ・
ボストリコフを任命した。副艦長には経験豊富なミハイル・ポレーニンが就き艦は出航。この2人の意見は
しばしば対立するが、K-19は次々にテストを成功させていった。困難なテストを乗り切り乗組員たちは
束の間リラックスする。
しかしその直後、新たな任務の遂行中、艦内の冷却装置のひび割れが判明する。原子炉は過熱し始め、
このままでは炉心の溶融が避けられない。ボストリコフはじめ乗組員は、大惨事をくい止めるべくひとつの
決断を下すのだった。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=239589こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-12-15 22:10 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「クライム・ヒート The Drop」
2015 アメリカ Foxserchlight Pictures. 107min.
監督:モヒャエル・R・ラスカム   原作:デニス・ルヘイン『ザ・ドロップ』
出演:トム・ハーデイ、ノオミ・ラパス、ジェーズムズ・ガンドルフィーニ、ジョン。マシアス・スナーツル他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

評価が難しいタイプの作品。ちなみにIBDbでは7.1、Rottentomatoesでは78%の支持を受けている。
しかし、日本では劇場未公開作品。

一言で言うと「暗い」。「テンション低め」、なんだけど、これは「狙いとして」こう作られている。
日本人にはなかなか理解しがたいアメリカ東部の暮らしなのだが、私がこの映画をみていて想起した言葉は
「日常の洋服を着た狂気」、あるいは「誰にでもある深層心理としての狂気」。(または怒りの
沸点の低さというか) 」
 
主人公ボブ(トム・ハーディ」が、隠された正体(というか性分・気質)を露わにして、観ている人を
びっくりさせるのは、お終いの方である。全般においてボブや、彼の従兄弟である、バーの主人公
カズン・バーヴを、どちらかといえば小心の平凡な市民というふうに強調しようとする展開に終始するので
ハイライトまでダレる。原作はどういうふうに引っ張ったのであろうか。

とにかく劇は太陽も出ない、暗い映画。ブルッリン?の底辺に生きている人々の、一見何気ない生活の
中で、チェチェン人のボスたちが稼いでくる汚いお金を、ロンダリングを主目的するバーが舞台となる。

そこで悪事から足を洗いバーテンをしているベン。彼は 大人しくて喜怒哀楽を外にださない。オーナーは
従兄弟(と称しているが実際はどうだか)で経営を任されている「カズン・マーブ」。この店も何年か
前に、チェチェンギャングに乗っ取られていた・

ある日、覆面をした強盗がバーに入り、現金を強奪していく。その犯行と、半年前に酒場で見られたのを
最後に姿を消したニック、さらに、捨ててあった子犬の件で知り合う女性ナディア(ノオミ・ラパス)、
加えて彼女の元カレで精神がオカシイ、エリックが、ボブの拾った子犬は俺のものだ、ベンに接近してくる。
こういたた登場人物で構成されるが、基本的に「まともな人がだれもいない」

それぞれの登場人物に、「実は」と言うエピソードがあり、それが時間を経るごとに相関関係を帯びて
きて面白くなっていく。特にボブとエリックの、金庫のカネを巡る対決は、なかなかスリリングだ。

日常ごく優しく普通の青年が、銃を至近からぶっ放して殺すことに、なんら躊躇しない(その前にはゴミ箱
から見つかった、強盗腕をラップでぐるぐる巻きにして平然と冷凍庫に投げたな)。
そした人間の深層心理の解析できない(映画ではそういう手のシーンもない)不気味さ。
普通の人に見えていてい、何かの拍子に頭をもたげる「狂気といか自制心の崩壊」という不気味さが
「ローテンション」(悪い意味ではない)の中でひしひしと感じてた。
主役のトム・ハーディは、こいうそこらにいる青年なんだけど、よく分からん、というタイプにはとても
いい。テンション低めのノオミ・ラパス、過去を引きずり結果それを抜け出ず殺されるマーヴと、
キャラクターも揃っていた。
ナディアに危害を加えようとし、ベンに瞬殺されたエリックの姿を見て、ナディアが言う「あなたも
同類じゃないの」と。普通の人はそう思うよね。

とにかく独特の雰囲気をを持った、私もこんなタイプの映画をあまり見ていないので、ショックでは有った。
「普通の服を着た狂気」という言葉だでけでは到底言い表せないのがもどかしい。一見普通の人場が出てくる
狂気のサスペンスとして、何度も言うけど「テンション低め」に終わって行った。(何度も言うが狙いだね・
面白くないわけじゃないし)エンディングのバッサリ具合も余韻たっぷりだ。
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<ストーリー>
作家D・ルヘインが自身の「ザ・ドロップ」を脚色した犯罪ドラマ。多民族が暮らすニューヨーク郊外の町
ブルックリンで、犯罪者たちおよび彼らと関係する面々が織り成す、予測不可能な事態を活写。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「レヴェナント:蘇えりし者」などで人気上昇中のハーディが
主演し、「ミレニアム」3部作でリスベット役を演じたN・ラパスが共演。
ベルギー出身で、「闇を生きる男」が第84回アカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされたM・R・ロスカム
監督が、みごとな演出を見せた。

ブルックリンのある一角ではチェチェン系マフィアが暗躍し、違法な大金が日々変更される“ドロップ・バー”と
呼ばれる酒場に集まり、チェチェン系組織の手に渡る。そんな“ドロップ・バー”として使われることがあるマーヴの
店で働くマーヴのいとこボブは、偶然からナディアという女性と出会うが、彼は元恋人であるエリックにつきまとわれて
困っていた。そんなマーヴの店を2人兄弟の強盗が襲って約5000ドルを持ち去るが……。(WOWOW)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=356018こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-11-28 22:25 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「コードネームU.N.C.L.E. The Man from U.N.C.L.E.」
2015 イギリス Warner Bors.116min.
監督・(共同)製作、原案、脚本:ガイ・リッチー
出演:ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィカンダー、エリザベス・デビッキ、ヒュー・グラント他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

テレビ番組「0011ナポレオン・ソロ」は、中学1年ころリアルタイムで見ていて、ソロの持っていた
ワルサーP38 UNCLE仕様やイリヤが持っていたワルサーPPKには強く憧れて、「MGC」でモデルガンを
買ったな。顎の先が割れたロバート・ボーン、ひょうひょうとした面白さが粋な感じだったデイヴィッド・
マッカラム、そしてウェイバリー課長のレオ・G・キャロルと、矢島正明と野沢那智の声もお洒落で、スパイ
映画といえどもハードボイルではなく、小洒落た出来が好きだった。スポンサーがブリジストンとSONYだった
のもよく覚えている。

そういうドンズバの世代であるので、なんで中身的にあるいはスタイル的にオリジナルと合わないものに
わざわざナポレオン・ソロの名前を出したのかな、と感じた。あたらしい、ガイ・リッチーらしいスパイもので
良かったのに。説明的な前半はいささか眠かったが、後半物語が動き出すと俄然面白くなる。
オリジナルの持つ「思わずニヤリ」なセリフやシーンも出て来始める。主人公2人はちょっとハンサムすぎというか
顔が整いすぎている。特にイリヤはオリジナルのイメージとはかけ離れている。 
全体に音楽の使い方が上手く、既成の曲をいい感じで使っている。個人的にお気に入りだったのが、ボート同士の
追撃のシーンで、海に投げ出されたソロが、停まっていたトラックを敵のボートにジャンプさせて沈ませるシーンで
流れるヒロシのテーマでおなじみ、映画「ガラスの部屋」でも使われたペピーノ・ガリアルディ歌うカンツォーネ
「QUE VEUT CETTE MUSIQUE」が良かった。シュールで雰囲気いい感じ。

東ベルリンで自動車整備工をしているギャビーを演じるアリシア・ヴィカンダーは、この映画のマドンナ的な役割
ながら、スパイ映画として重要なポジションでもあり、美人な役どころは悪のボス的存在のエリザベス・デビッキに
任せ、キュートで役得な存在としてなかなかスパイシーであった。彼女にまつわる謎も映画の終盤に明かされ、
続編の匂いプンプンの中でエンドロールとなる。ウェイバリー課長(映画では局長)のヒュー・グラントは、まあ
あんなものでしょう。
この映画はTVシリーズのソロとイリヤが出会い、U.N.C.L.E.という組織が出来上がる、黎明期の物語であり
映画の人気シリーズ「アヴェンジャーズ」や「Xメン」「スタートレック」などで取られる先祖返りパターンで
ある。しかし、ソロが大泥棒だった、というのは何かピンと来ないなあ。

冷戦が始まるころの東西ベルリンが舞台だが、近い過去なりの難しい小道具の苦労があっただろう。特に東側の
当時のクルマや服装などはゼロから再現しなければ無い状況だっただろう。またローテクのスパイ道具を逆に
お洒落に見せている上手い所もある。
全般のダルさのまま終わったら★は6つ以下だなあ、と思っていたら後半になり面白くなった。アメリカの
TVシリーズの映画版というよりも、イギリスの監督がイギリスの俳優を使って作ったイギリス的匂いのする
ある意味ストイックな雰囲気さえあるスパイ映画である。
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<ストーリー>
日本でも人気を博した往年のTVドラマ「0011ナポレオン・ソロ」を、「シャーロック・ホームズ」
シリーズのガイ・リッチー監督が映画化したスタイリッシュ・スパイ・アクション。東西冷戦時代を背景に、
アメリカとロシアのトップ・エージェントが手を組み、互いに衝突を繰り返しながらも世界を揺るがす巨大な
危機に立ち向かう姿を描く。
主演は「マン・オブ・スティール」のヘンリー・カヴィルと「ローン・レンジャー」のアーミー・ハマー。
共演に「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」のアリシア・ヴィカンダー。

 東西冷戦真っ只中の1960年代前半。アメリカCIAの敏腕エージェント、ナポレオン・ソロがベルリンへ
向かう。目的は東ベルリンの自動車整備工場で働く女整備士ギャビーを確保すること。彼女の父親は失踪した
天才科学者ウド・テラー博士で、核兵器を巡る国際的陰謀に巻き込まれている可能性が高かった。

やがて世界の危機を前にアメリカとロシアは協力を余儀なくされ、ソロはKGBのエリート・スパイ、
イリヤ・クリヤキンと手を組まされるハメに。しかし2人は考え方もやり方もまるで水と油。それでも
ギャビーを守り、テラー博士の奪還と大規模テロの阻止というミッションのために、渋々ながらも力を
合わせるソロとクリヤキンだったが…。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352332こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-11-10 22:30 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

サムライ Le Samourai

●「サムライ Le Samourai」
1967 フランス・イタリア CICC and more.101min.
監督・脚本:ジャン=ピエール・メルヴィル
出演:アラン・ドロン、ナタリー・ドロン、フランソワ・ペリエ、カティ・ロジェ他
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<評価:★★★★★★★★★☆☆>
<感想>

フィルム・ノワールの傑作といわれるので、WOWOWで初放送になった今回、録画して鑑賞。
様々な映画に影響を与えたといわれる演出、今ではこういうストレートな演出は無くなったのじゃ
ないかな。硬質、クール、と表現され、ほとんどセリフも演技もないアラン・ドロンは、佇まいも
美しいが、監督の趣旨を理解し、終始ポーカーフェイスである。モノトーンにも近い感じのブルー・グレーの
色彩も、作品の主張を文字通り彩る。監督は後に「仁義」という同じくアラン・ドロンを起用したフィルム・
ノワールの名作をモノしている。
この時代のこの手の映画には欠かせないJAZZの雰囲気も良い。またシトロエンDSを始めとするフランス車や
日常品のデザインなど、フランスのエッセンスの香りも出ている。
難を言えば、ナタリー・ドロンの存在が今ひとつ中途半端な感じ。当時の警察の令状なしの捜索や、
「面通し」など、今やったら人権問題になりそうな捜査や、先の戦争の事がセリフに登場するなど、年代を
感じさせる部分もある。
長身の色男がバリっとしたトレンチコートとハット姿では逆に目立つだろう、と思うのだけれど。
地下鉄での警察との追跡シーンは見ごたえがある。その後の「フレンチ・コネクション」などに影響を与えて
いるのではないだろうか。

さて、本作のタイトルは日本のサムライの精神構造をフランスの殺し屋に置き換えたものであるので、
ストイックでクール、弾の入っていない拳銃を持ってのラストシーンはまさに武士の切腹。また白い手袋を
して最期に臨むところはまさに白装束を汲んだものであろう。武士の美学をフレンチに換骨奪胎した監督の
力量とドロンの存在感は、流石に名作の評判どおりである。
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<ストーリー:結末まで書いてあります>
ソフト帽にトレンチ・コートのいでたちでジェフ(A・ドロン)は、仕事に出かけた。駐車してある一台の
シトロエンにのりこみ、合鍵でスタートさせ、郊外のガレージに乗り込んだ。ガレージの親爺は、車の
ナンバー・プレートを取りかえ、拳銃を、大金とひきかえにジェフに渡した。

その後、コールガールをしている恋人ジャーヌ(N・ドロン)を訪ね、アリバイを頼むと、仕事場のクラブへ
向った。ジェフの仕事は、クラブの経営者を殺すことだった。仕事は、いつものように、寸分の狂いもなく
完了した。だが、廊下へ出た時、黒人歌手のバレリーにはっきりと顔をみられてしまった。警察は動き出し、
クラブの客や目撃者の証言で、ジェフも署に連行され、面通しが行なわれた。

目撃者の大半は、ジェフが犯人だと断定したが、バレリーだけはなぜかそれを否定し、それに、ジェフの
アリバイは完全だった。だが、主任警部(F・ペリエ)は、依然ジェフが、怪しいとにらんで、尾行をつけた。
そのことを知ったジェフは巧みに尾行をまくと、仕事の残金を受けとるために、殺しの依頼を取りついだ
金髪の男と会ったが、男はいきなり巻銃を抜いて、ジェフは左手を傷つけられた。

残金をもらえぬどころか殺されそうにさえなったジェフは、殺しの依頼主をつきとめるべく、偽証をして
彼をかばってくれたバレリーを訪れた。だがバレリーの口は堅く、「二時間後に電話を」とだけ言った。
約束どおりジェフは電話したが、誰も出てこなかった。やむなく帰ったジェフの部屋に、金髪の男がいた。
男はうって変った態度で、殺しの残金を渡すと、さらに新しい仕事を依頼した。ジェフは、男のスキをみると、
いきなりとびかかり、巻銃をつきつけて、依頼主の名を聞き出した。

大がかりな尾行網をぬけジェフは、男から聞き出したオリエビなる依頼主を訪ね、有無をいわさず射殺した。
オリビエの部屋はバレリーのすぐ隣であり、オリビエはバレリーを通じて自分の正体がばれるのをおそれて
新しい仕事として、バレリー殺しをジェフに依頼したのだった。クラブでピアノを弾くバレリーの前にジェフが
あらわれた。ジェフが拳銃を握った瞬間、張り込んでいた刑事たちの銃声がひびいた。主任警部が調べた、
死んだジェフの拳銃には、一発も弾が入ってなかった。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=9079#1こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-11-05 22:30 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「禁断のケミストリー Better Living Through Chemistry」
2014 アメリカ Occupant Entertainment and more.92min.
監督・(共同)脚本:ジェフ・ムーア
出演:サム・ロックウェル、オリヴィア・ワイルド、ミシェル・モナハン、ベン・シュワルツ、レイ・リオッタ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

ストーリーはあんまり褒められたものではないし、ドラッグと不倫を取り扱っているから日本では未公開だ。
公開したら薬剤師組合みたいなところからクレームが付きそうだ。
悪いことに手を染めながらも、人生上手く行っちゃって、次の高みに行くことが出来た、と、まあ都合の
良いお話だが、ブラックユーモアにつられて結構面白く観てしまった。レイ・リオッタとジェーン・フォンダは
友情出演みたいなもので、あとは割りと地味めなキャスト陣である。
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冴えない中年に差し掛かろうとしている男、ダグ(サム・ロックウェル)は、義父に頭が上がらず、任せられた
薬局に自分の名前を付けられない不満を抱えながらも、町では信頼されている薬剤師で、町民の健康事情も
分かっていた。相談を受けながら、それぞれに合ったクスリを調剤するわけだ。

そんなダグが、クスリの配達で出会った超色っぽい人妻と不倫にハマってしまう。絶倫を振る舞うために薬局に
あった麻薬成分のクスリに手をだしてしまう。お陰で美人人妻とは絶好調!家庭では、出来の良くない小学生の
息子を忍者ごっこに巻きこみ、自分の薬局のネオンサインとかショーウィンドウを割ってしまったりした。
息子には理解ある父親だと思われたり・・・。妻は二番目の子供を妊娠中。趣味が昂じてプロのサイクリストに
なってしまい、毎年行なわれる町のロードレースの優勝の常連であった。他に生きがいを見出した妻はダグを
無視しがちとなっていた。

そんな薬局に麻薬捜査官がやってきた。薬局の在庫と使用の量がちゃんと釣り合っていて不正使用がないかを
調べに来たのだ。ダグは不倫用に無断でクスリを使用しているので緊張するが、なんとか後日に資料を提出
するということでいいくるめた。エスカレートしたダグは美人妻と駆け落ちするところまで行ってしまったが、
結構当日、心臓を患っている美人妻の夫(レイ・リオッタ)のクスリに毒を混ぜて殺す、という計画だったが、
配達人が配達せず、しかも薬局のクスリを盗んで自分で売りさばくという売人で更に自分でも使用して
薬局内で死亡してしまったのだ! 
捜査官は、薬局のクスリの在庫と使用量が合わないので調査に乗り出そうとしていたのだが、配達人がくすねて
売ったり自分で使っていたりしていたと理解し、逆にダグに同情する。

ダグは駆け落ちを中止。馬鹿な人生はここで終わりにしようと決心し、美人妻には行けない、と電話。彼女は
一人ヨーロッパへ。薬局の名前は自分の名前となり、妻とまた信頼される薬剤師の道を歩き始めたのであった。
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悪いことをしていたダグにはお咎めなしである。まコメディなんで堅苦しいことは置いて、ブラックユーモアと
アイロニーを楽しめばいいのではないか。
お気に入りのミシェル・モナハンがダグの妻役であった。ここではあんまり美人だなあ、という感じは受けなかった
なあ。
この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=357427こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-09-21 22:50 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

ゲットハード/Get Hard

●「ゲットハード/Get Hard」
2015 アメリカ Gary Sanchez Productions,Warner Bros.101min.
監督・(共同)脚本:イータン・コーエン
出演:ウィル・フェレル、ケヴィン・ハート、ティップ・"T.I."・ハリス、アリソン・ブリー、グレイグ・T・ハリソン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

「俺たち~・・・」というタイトルでお馴染みのウィル・フェレル主演のお馬鹿下ネタ満載コメディ。
ウィルのコメディを改まった姿勢で何か論評しようと考えながらみる人はそう多くないと思うが、
実際突っ込みどころ満載なので、いちいち突っかかっていたら本来?の面白さはない。あるがままに
受け入れて楽しむ映画だ。日本劇場未公開なのでいいのだが、地上波でも放送出来ないような成人ネタが
満載である。夫婦でみるのも憚れるかもしれない・・・ww。ただただ楽しめばいい。
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LAもセレブが住むベルエアに豪邸を構え、多くの使用人を抱えて豪勢な暮らしをしているジェームズ(ウィル)。
投資信託会社の凄腕ディーラーで、経営者のマーティンの娘(頭軽いがナイスバディの美人)と結婚を
間近に控えている。今日も今日とて株の取引で会社に多くの利益を上げた、ということでマーティンは
ジェームズを共同経営者に迎えた。そして娘アリッサとの婚約パーティーをにぎにぎしく始めたのだが、
そこにFBIが踏み込み、ジェームズは詐欺罪で逮捕された。全く見に覚えのないことだが、無実は証明されず、
10年の刑を言い渡される。収監を30日後に控えたジェームズは、凶悪犯用の刑務所に入れられては無事では
済まないと、刑務所生活のノウハウを予習することにした。

彼の「先生」になるのが、ジェームズの会社の地下でクルマの洗車業を営んでいるダーネル(ケヴィン)で
あった。ジェームズは黒人=犯罪者だからダーネルも刑務所の経験があるに違いないと見込み、
100万ドルという報酬で請け負うことに。実はダーネルは真面目一筋の男で、刑務所の経験など全く
なかったのだった。ネットや知人の情報で、ジェームズの豪邸に刑務所の部屋を模して作り、そこで
マーシャルアーツなどを教えていくのであった。そして下町ギャングである従兄弟のラッセルに
ジェームズを教育してもらおうとも考えた。

刑務所経験者ダーネルがジェームズにあれやこれやを教えるのだが、そのプロセスが爆笑モノ、という
仕立て。男の世界に慣れさせるということで、ゲイの集まる喫茶店に出かけ、相手を見つけて「モノを
しゃぶる」練習をさせてみたり、汚い罵り言葉を教えてみたり、どうも本質を外れた教育が笑いを誘う。

黒人たむろす下町に行き、従兄弟ラッセルとその仲間たちと対面。彼らが妙に神妙でジェームズから
財テクを教えてもらったり、ジェームズをマヨネーズみたいに白いことから「マヨ」というニックネームを
付けて仲間に入れようとしたり。
「そんなことをするより真犯人を見つけたほうが早いだろうに」と観ている人は思うだろう。ダーネルも
そう思い、真犯人探しをしようとジェームズに持ちかける。するとあっさり経営者であり婚約者の父でも
あったマーティンが黒幕であることが判明、証拠となるマザーデータが収めてある昔のPCを事務所から
盗み出そうとして地下車庫でマーティンに見つかり、PCを奪還されてしまう。
クルーザーで自分が所有する島に逃げようとしていたマーティンのところにジェームズとダーネルが
乗り込み、マーシャルアーツ炸裂で、敵をやっつけて無実を証明するのだった。
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そんな内容である。そうしたストーリー進行に、細かいお笑い(下ネタ)ギャグが満載で、「馬鹿だねえ」
とか「そんなアホな」といいながら見終わるのだ。タイトルは、懸命な諸氏ならすでに気が付かれている
と思うのだが、シモネタも引っ掛けたものである。

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=355256#1こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-09-07 22:50 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「グローリー/明日への行進 Selma」
2014 アメリカ Cloud Eight Films and more.128min.
監督:エヴァ・デュヴァネイ
出演:デヴィッド・オイェロウォ、トム・ウィルキンソン、カーメン・イジョゴ、ジョヴァンニ・リビシ、ティム・ロス他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

シネコンで上映せず、単館上映を逃した話題作をWOWOWが放映し、これを鑑賞。主題歌はオスカーを
獲った。
黒人公民権運動を象徴する「セルマの大行進」を横軸に、これを指導したマーチン・ルーサー・キング・
ジュニア牧師の葛藤と苦悩を縦軸に、たかだか50年くらい前のアメリカに実質的に選挙権が無かった黒人の
自由の獲得に向けた闘争を描く。

一番心を動かされたのは、キング牧師の呼びかけに応え、行進に加わろうと集まってきた国民に影響を与えた
のはNew York Timesであり、CBSニュースの正しい報道であった事。マスメディアの正しい報道がいかに政治や
国民の行動に影響があるかを改めて感じた。当時テレビ報道が国民生活や政治に多大な影響を持ち始めた頃で
その辺りも含んでみると、更におもしろいのではないか。今のマスメディアはネットの発達で当時ほどではないに
しろ、一定の影響はある。

本国では大ヒットした映画であるが、やはり黒人の自由民権運動を肌身で感じているアメリカ国民と、どうしても
傍観者になってしまう日本人とは感じ方が変わるだろう。変わって当然だと思う。アメリカ人が観れば
私達よりも、より深く重く辛い感動を呼び起こすのではないか。有名な事件ではあるが、改めてきちんと提示され
るとやはり、キング牧師らの存在の大きさを再確認できるだろう。国民の祝日になっている人物だけのことはある。
ジェファーソンやケネディの祝日は無くてもキング牧師の祝日はあるわけだから。(この日の制定には未亡人が
多大な努力をしたようだ。映画のラストでその旨字幕表示される)何故今この映画か、といえば、黒人の
待遇が当時と大きくは変わっていない、ということ、白人の警官に丸腰の黒人が射殺されるという事件が多発する
のに象徴されるように。そのことが今アメリカの大きな問題に(また)なっているからだ。

有名な事件だけに物語をどう構成するか、が問題で、大行進に山を置き、イベント毎に時間を入れた字幕を出す、
という進め方を取った。イベントの字幕が時系列かどうかは確認出来なかったが、これはあまり効果的では
なかったと感じた。途中にジョンソン大統領、フーバーFBI長官、ウォレスアラバマ州知事ら知られた人物と
その言動を散りばめることにより、また師の妻コレッタとの事も挿入することにより、観ている人を飽きさせず
作品に厚みを持たせることが出来たと感じた。個人的にはケネディ暗殺で棚ボタ式に大統領の座に付いた
リンドン・ジョンソン大統領は、ベトナムでろくなことをせず、大したことはない、と思っていたのだが、
ことキング牧師との間のこと、そして黒人の選挙権に関して言えば、なかなか良いことをしたんだな、と
理解した。(監督がそう描いただけかもしれないが。)アメリカではそう観ることが一般的なんだろうか。

「セルマの大行進」への参加者が黒人だけでなく、白人やヒスパニックまで広がる中で、ハリー・ベラフォンテや
ジョーン・バエズ、PPMらミュージッシャンらの参加も決まるというシーンはベタであるがキャッチーな
見せ場であった。ベラフォンテ、飛行機をチャーターして一般の人を乗せてきたんだなあ。凄い。
(エンディングで流れる当時のフィルムにはベラフォンテ本人が歩く様子、またサミー・デイヴィス・ジュニアの
姿も確認できた)
マルコムXも出てきたが、本物に似ていたなあ。それにも感心!配役陣はジョンソン大統領を演じた
トム・ウィルキンソン、ウォレス知事を演じたティム・ロス、それにクレジットされないが、黒人に理解を
示す判事を演じたマーティン・シーンの他はあまり知らない俳優陣であったが、破綻なく手堅く演じて
いたと思う。ラスト、暗殺で締めくくらず、キング牧師のモンゴメリーでの有名な演説で終わったのも良い。
39歳の生涯だった。思えば若いリーダーだったな。ケネディもそうだが、時代が回転するときにはこういう
若い人が出てくるのだろう。坂本龍馬もそうであるように。
この映画を観て、キング牧師に感動するだけではいけないだろう。今のアメリカで黒人がどう扱われている
のか、そこに視線を置くことが大事なのではあるまいか。
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<ストーリー>
1965年3月7日、前年にノーベル平和賞を受賞したマーティン・ルーサー・キングJr.牧師(デヴィッド・
オイェロウォ)の指導のもと、差別により黒人の有権者登録が妨害されていることに抗議する600名もの
デモ隊がアラバマ州セルマを出発。しかしこれを白人知事を筆頭に警官隊が暴力を振るい鎮圧。
彼らが進んだ距離はわずか6ブロックだった。この事件のショッキングな模様は『血の日曜日』として
全米で報じられ、公民権運動への賛同者を集めていく。
抗議デモには日に日に参加者が増え、ついに2万5000人にまで到達。やがて彼らの声は大統領や世界を動かし、
歴史を変えていく。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352675#2こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-08-30 23:20 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

クーデター No Escape

●「クーデター No Escape」
2015 アメリカ Bold Films (presents) Brothers Dowdle, Living Films.103min.
監督・(共同)脚本: ジョン・エリック・ドゥードル
出演:オーウェン・ウイルソン、レイク・ベル、ピアース・ブロスナン、スターリング・ジェリンズ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
小ぶりの作品で、ストーリー的には、驚くような仕掛けもないのだが、ハラハラ
ドキドキ感を演出するエピソードは上手く挿入されていて、★は6個だけど、結構
楽しく見させていただいた。WOWOWにて鑑賞。

水道インフラの整備のため赴任した東南アジアの小国で、行った途端にクーデターが
発生し、自分の会社が国民の怒りを買っていて、反乱民に外国人が殺されている、という
状況下、逃げ場を失ったジャック夫妻と幼い女の子二人一家の決死の脱出行が描かれる。
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エラいところに来ちゃったなあ、という風情の妻と、家族を不便な国に連れて来てしまったな
という風情の旦那。宿泊先のホテルではプール、プールとうるさい幼い娘達。
到着した空港に、出迎えのクルマが来ていない、というところから何かおかしい空気。
空港でピアース・ブロスナン演じるハモンドという謎の男に出会う。

宿のホテルに入ってみても、電気がつかなかったり、テレビが映らなかったり。ロビーには
新聞も売っておらず、近くの売店に出掛けてみれば、自分を見る目がおかしい。
売ってくれた新聞は三日前のものだし。ホテルに帰ろうとすると、道の左と右から反乱軍と
国軍が今や衝突しようとするところに出くわしてしまう。たちまち始まる殴り合い撃ち合い。
双方相当荒っぽい。反乱軍は手当たり次第に住民も殺しているような感じだ。

慌ててホテルに戻るジャック。武器を持った群衆は、アメリカ人がたくさんいるホテルを包囲。
武器を持って建物に侵入して、狼藉を始めた。同宿だったハモンドの手引も有り、屋上へ
避難する。そこには欧米人がたくさん避難してきていた。
待てばやがて欧米軍が駆けつけて助けてくれるだろう、と思っていたところへ、ヘリが登場。
喜ぶみんなだったが、空いたドアからは銃の乱射が降ってきた。そして向かいのビルからの
狙撃。多くが亡くなった。

10歩先を行く、が心情のジャックは、隣のビルに飛び移り、そこから逃げることを決心、
怯む妻を励まし、まず妻がジャンプ。そして二人の娘をひとりずつ投げる。受ける妻は当然
転倒、傷だらけに。そして屋上に出てきた反乱軍にやられる一歩先に、ジャックもジャンプ。
隣のビルに移ることが出来た。しかし屋上のドアは固く閉まっている。そこで一階下に壁
伝いに降りる。やがて戦車も登場。ビルの中に飛び込むと同時にそのビルにも反乱軍が
押し寄せた。また戦車の大砲も打ち込まれた。
ジャック一家は、瓦礫の隙間を死体で塞ぎ、反乱軍の目を避け、九死に一生を得た。
そこで見つけた地図を頼りに、アメリカ大使館を目指すことにした。

現地民の服装をまとい、部屋に転がっていたバイクのキーを持って地下の駐輪場へ行き、
片っ端からバイクの鍵穴に差し込んで見る。途中、反乱軍の一人に呼びかけられるがなんとか
急場をしのいだ。親子4人を載せたカブは、反乱軍の中を塗って数ブロック先のアメリカ
大使館を目指す。途中、一人の男にバレていたが、その男はなぜかスルーした。
なんとか大使館にたどり着くが、大使館はすでに反乱軍に占拠されていた。ジャック一家は
反乱軍に見つかり、逃げる。途中で民家に忍び込み、そこの老人の親切で、なんとか
難を逃れられるか、と思ったが、銃を奪おうとしたジャックが見つかり、それを助けようとした
妻も捕まってしまう。妻がリーダーに乱暴される寸前、なんとハモンドと手下のケニーが
登場、反乱軍を倒し、一家を救った。

ハモンドの忠告で、一家は川の3キロ下流にあるベトナム国境を目指すことになった。
追っ手は更に増える。一家を逃がしたハモンドは、自分が犠牲となり追ってのトラックを転覆
させたが、自分も轢かれて死んでしまう。彼らはイギリスの秘密工作員だったのだ。
イギリスの利権を確保するために影で動いていたわけで、搾取する側として反乱軍の
「国の水道の根幹をアメリカに取られた」という怒りには理解が出来てしまうのだった。

さて、川まですぐそこ、というところで、ボートを見つけ、その所有者の老人に腕時計と
履いていたスニーカーと交換するところまで行ったが、反乱軍が来てしまう。妻と娘二人は
隠れたが、自分は老人に言われるまま穴あきボートを伏せて隠れた。雨の夜である。
押し寄せた反乱軍に、老人は「白人は見ていない」と言ってくれるが、ボスは近くにあった
伏せたボートをめくり上げた。飛び出すジャック、争いが始まるが、なにせ多勢に無勢。
ジャックは捕まってしまう。そこへ、次女のルーシーが「パパ」といって飛びだしてしまう。
ルーシーは捉えられ、手に銃を握らされ、父親を撃てとボスに手を添えられて父に銃を
向ける。その時、走り寄った妻は持っていた棒だか、鉄棒だかをボスにおもいっきり
振り下ろす、怯んだすきにジャックは銃を奪い、反乱軍に発砲、数人の敵を倒すことが
出来た。駆け寄り抱きしめあう家族4人。

急いでボートに乗る。そして川を下り始めるが、ベトナム国境警備隊の目の前で敵に
見つかってしまう。ベトナム兵は「許可のないものは国境を超えられない。引き返せ」と
拡声器で言う。ジャックは必死で無抵抗の市民だと説明、川の流れのまま、やがて
ボートは国境を超える。するとベトナム軍は追ってきた反乱軍に「ボートはすでに
ベトナムに入った。発砲すれば交戦とみなす」と脅した。すると反乱軍は去っていった。
こうしてジャック一家は、絶体絶命のシーンから脱出できたのだった。
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全体の話は以上である。

子供を投げたうえでビルを飛び移るところ、飛び移ったビルで仕方なく反乱軍の一人を殺し
てしまうところ、ハモンドの最期の前後、そしてラスト、銃を握らされたルーシーと、妻の
会心の一撃。結局、大使館に向かおうとか川を下ろうとかの決断をし、最後は旦那の
危機一髪を救った妻こそ、強いなあ、と感じたのだ。しかし、ビルに飛び移るとき、自分の
子供をそう簡単に投げられるものか、あれだけの危機が背後に迫れば、親は一縷の望みを
絶望の中にも見出そうとするのだろうか。男親の決断、親子、夫婦の機微も含め、その辺りも
考えた映画であった。

放題のクーデターはタイトルとしてどうか、と感じた。原題は「逃げ場なし」というニュアンス
なので、そういう方向のほうがいい感じじゃないか。

この映画の詳細はこちらまで。

 
by jazzyoba0083 | 2016-07-27 22:45 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)