カテゴリ:洋画=さ行( 370 )

●「スーサイド・スクワッド Suicide Squad」
2015 アメリカ Atlas Entertainment,DC Comics,Warner Bros.Pictures.123min.
監督・脚本:デヴィッド・エアー
出演:ウィル・スミス、ジャレッド・レトー、マーゴット・ロビー、ジョエル・キナマン
   ヴィオラ・デイヴィス、ジェイ・コートニー、福原かれん 他
e0040938_15061796.jpg
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

本作、シネコンの予告編でイヤと言うほど見ていたけれど、シネコンに行く気は
なかったもの。この度WOWOWで放映していたので、録画してみてみた。
やさぐれた半端者の集まりが招集を受けて、悪と敢然と戦う、というタランティーノ風の
作品かとおもっていたら、なんとDCコミック原作なんだね。個人的にはちょっとフィット
しなかったなあ。火を吹くやつとか、日本刀の達人とか、結構魅力あるキャラはいたのだ
けれど。

バットマン亡き後のゴッサムシティでやりたい放題の悪党らに、悪党だけで組織した
「決死部隊」が立ち向かう。これがDCコミックに出てくる悪役なのだね。私、マーヴェル系は
まあ分かるのだが、DCは、バットマン、スーパーマンくらいしか知らない。故に集められた
悪党たち、だれがどういう由来を持っているのか、不明なまま鑑賞に突入。ジョーカーって
あのジョーカーでいいのか、とかね。

故に、後半のチーム一丸となっての戦闘に至るまでは退屈。DCコミックものってだいたい
全編暗いんだよなあ。ゴッサムシティがそうだからかもしれないが、見づらい。
お互い一匹狼の悪党たち、次第に力を合わせ、見事地球を救ったあかつきには、国から
ご褒美をそれぞれの希望によって貰えるというカタルシスまでの部分は見ることは出来た。
そして、ベン・アフレック登場で続編の匂いと。 おそらく続編はそうとう魅力的でないと
見に行かないと思う。この前の「バットマンvsスーパーマン」も出来のいい映画とはいえな
かった。
いずれにせよ、私のタイプの映画ではなかった。
e0040938_15064251.jpg
<ストーリー>

DCコミックスのスーパーヒーローたちと対峙する悪役(=ヴィラン)たちが結集した異色
アクション。死刑や終身刑をくらった彼らが、強大な悪に立ち向かう姿を描く。バットマンの
敵でチーム最凶の男、ジョーカーをジャレッド・レト、娘に首ったけな元マフィアの殺し屋
デッドショットをウィル・スミスが演じるなど、実力派が多数出演。

迫りくる世界崩壊の危機を前に、政府はある決断を下した。バットマンをはじめとする
ヒーローたちによって投獄され、死刑や終身刑となったヴィラン(悪役)たちを、減刑と
引き換えに自殺に等しい任務を強制する集団スーサイド・スクワッド(自殺部隊)へ入隊
させるのだ。
こうして、情に厚い凄腕暗殺者デッドショット(ウィル・スミス)、狂気の道化師ハーレイ・
クイン(マーゴット・ロビー)、軍人リック・フラッグ(ジョエル・キナマン)、地獄の
炎を操る小心者エル・ディアブロ(ジェイ・ヘルナンデス)、必殺縄師スリップノット
(アダム・ビーチ)、ブーメラン使いキャプテン・ブーメラン(ジェイ・コートニー)、
唯我独尊を貫く女侍カタナ(福原かれん)、魔女エンチャントレス(カーラ・デルヴィーニュ)、
ウロコに覆われた怪力男キラー・クロック(アドウェール・アキノエ=アグバエ)という
強烈な個性が揃った寄せ集めの最狂チームが誕生した。思いがけず“正義のヒーロー”を任された
彼らは、世界を救うことができるのか!?(Movie Walker)

<IMDb=★6.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:25% Audience Score:62%>




by jazzyoba0083 | 2017-06-16 23:20 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

サウスポー Southpaw

●「サウスポー Southpaw」
2015 アメリカ Escape Artists and more.124min.
監督:アントワーン・フークア
出演:ジェイク・ギレンホール、フォレスト・ウィッテカー、レイチェル・マクアダムズ、
   ナオミ・ハリス他
e0040938_12381788.jpg
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

割りと表面的な描き方ではあるが、ジェイク・ギレンホールら配役の演技により
また、ボクシングシーンの見事な描写により、一級の映画になっている。

本作を観ていて、「目標」という言葉が思い浮かんだ。施設育ちからボクシングの
世界で3つの団体でのライトヘビー級チャンプとなった英雄ビリー・ホープ(ジェイク)。
腕っ節一本でのし上がったこの男は攻める人生しか歩んでこず、それで成功してきた
ため、ボクシングでも人生でも天才肌ではあるが「無手勝流」でガードということを
しない。それがこの映画の根本である。栄光に包まれたこの男の人生に暗転が
訪れた時、「守る」ということを学ぶのだろうか、その過程がエンディングに向けて
描かれていくのだ。息を飲むようなストーリーでも、驚愕の結末でもないが、
一人の男の人生の「取り舵いっぱい」は、なかなか感動的ではある。


地位も名誉も、カネも、そして同じ施設で育った美しい妻も、可愛い娘も手に
入れたビリー。冒頭で描かれる試合でも逆転勝利し、最強伝説は継続していた。
そして、勝利の後、自分と妻が育った施設への寄付を求めるチャリティパーティーで
自ら次回の対戦相手と名乗り出たジョーダンとその取り巻きから、挑発を受け
喧嘩となり、誰かが銃を撃ち、その流れ弾が妻に当たり妻はその場で亡くなって
しまう。

ビリーの喪失感は大きく、生活は荒れる。喧嘩をしたことなどから1年間の試合
停止となり、たちまちカネも無くなり、トレーナーやプロモーターたちも離れて
いってしまう。そのために娘からも離されてしまい、更生プログラムの実施を
命じられる。

そんな彼を救ったのが街のボクシングジムトレーナー、ティック(ウィテカー)
だった。ビリーの、人生は「自制」すること、「守ること」「目標を持って
努力すること」を欠いたまま突っ走ってきた。ティックは、ジムで雇うことに
より、ビリーの考え方を少しずつ変えていった。娘と離されたことで、ビリー
自身も考え方を変えていく。

そして1年後、ラスベガスで、あの挑発したジョーダン(今はチャンピオンに
なっていた)との試合が組まれることになった。ビリーは、ティックを
トレーナーに、独自の方法でサウスポーにスタイルを変え、ボクシングも
良くガードもするものに変化させていった。そして試合当日。
真面目な更生プログラムに対する姿勢が評価され、娘との同居を認められた
ため、娘も控室で父の闘いを見つめる。試合は怨恨も入り、壮絶な殴り合いに
なる。ジョーダンは試合中にも挑発してくるが、ビリーは自分を押さえられる
ようになっていた。最終12ラウンドで、決定的なダウンを奪うビリーだったが、
カウント中に試合終了となり、結果は判定となった。結果は2-1でビリーの
勝利だった。会場は帰ってきた強いチャンプに沸き返り、コーナーにかがんだ
ビリーは亡き妻に感謝と報告をし、控室で娘としっかり抱き合ったのだった。
ビリーの人生は、いま始まったのかもしれない。

以上のような話で、難しいところは何もない。半年かけて体を絞った
ギレンホールのボクシングシーンは非常にリアルで、本物の試合を観ているか
のようだ。いや演出されているので本物より迫力があるようにみえる。
また映画全体としてもテンポが良いので2時間超えの映画だという感じは
まったく受けなかった。妻マクアダムズ、ウィテカー、そして娘を支える
司法団体の女性に、「ムーンライト」で主人公のジャンキーの母親を好演した
ナオミ・ハリスが配される。ストーリーの主だった登場人物は少ないものの
非常に締まった演技陣で、これに支えられ、深い味わいのある映画となった。

監督は、フィルモグラフィーを観てみれば、私が好きな「ザ・シューター/
極大射程」「トレーニング・デイ」「イコライザー」などの作品を
手がけたアントワーン・フークワであった。
e0040938_12384712.jpg
<IMDb=★7.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:60% Audience Score:76%>



by jazzyoba0083 | 2017-06-01 23:15 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ザ・コンサルタント The Accountant」
2016 アメリカ Warner Bros.Pictures.130min.
監督:キャビン・オコナー
出演:ベン・アフレック、アナ・ケンドリック、J・K・シモンズ、ジョン・バーンサル他
e0040938_15411422.jpg
<評価:★★★★★★★★★☆☆>
<感想>

面白い。巧妙に練られた脚本なので、ちりばめられた伏線がバシバシ回収される
快さとともに、いささか込み入ったストーリーがわかりづらく感じるかもしれない。
この後観たベン・アフレックの「夜に生きる」より、物語の出来としては(映画の
描かれる世界と提示されるエンタテインメントは全然異なるのだが)こちらのほうが
上だと感じた。同じベンアフの映画であれば、だが。ベンアフも弟くんがオスカーを
獲り勢いに乗ってくるだろうから、二人していい作品をどんどんと生み出していって
欲しいものだ。ベンアフの昔からのファンとしてそう思う。

さて、本作。主人公の会計士クリスチャン(ベン)は、高感度自閉症といわれる病気を
持つ。幼い頃からその矯正には苦労していて、今でも寝る前には激しく点滅するライトの
中で大音量のロックを聞き、足を鍛える作業を課し、クスリを飲んで寝るという日々だ。

高感度自閉症とは何か、よく分かっていないのだが、アスペルガーとかどこかサヴァン
症候群にも似ている感じを受けた。人とのコミュニケーションが苦手だったりする
一方、特殊な能力に長けている。クリスチャンの場合、数字を操ることだった。
これで彼は軍人から会計士となり、また闇に生きる人間となっていくのだった。

冒頭に出てくるギャングを次々と仕留め、親分らしきやつも容赦しない戦闘能力は
(ここ伏瀬になっているわけだが)、どうして身につけたのか。会計士と裏の
暗殺者としての彼を電話でコントロールする女性は誰か?依頼されたロボテック社に
雇われた武装集団を率いる男はだれか?クリスチャンはなぜ軍事刑務所に入っていた
のか、そこで出会ったギャングの会計士との関係は何か。ロボテック社でクリスチャンと
会計監査に当たる女性デイナ(アナ)とクリスチャンの関係はどうなっていくのか?
ロボテック社の真の悪は誰か、などなどが、先述のように冒頭のギャング惨殺シーンから
始まる一連の伏線が回収されていく過程で明らかにされ、エンディングまで観ている人を
引きつけて離さない。
このあたり、脚本もいいが、監督の作劇のうまさが光る。それとベンアフのほとんど
笑顔がない演技も主人公をクールに描き、いい感じだった。

本国の興業もヒットし、続編も企画されているらしい。ボーンシリーズのようになって
行くのだろうか。期待してしまう。
e0040938_15412674.jpg
<ストーリー>
田舎町のしがない会計士クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)に舞い込んだ
大企業からの財務調査依頼。彼は重大な不正を見つけるが、なぜか依頼は一方的に
打ち切られてしまう。その日から、何者かに命を狙われるウルフ。
実は彼は、世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る裏社会の掃除屋でもあった。
年収1000万ドル、天才的頭脳を持ち、最強のファイターで命中率100%のスナイパー。
本籍・本名・私生活、そのすべてが謎に包まれた会計コンサルタントは、
アメリカ政府やマフィア、一流企業に追われながら危険な仕事に身を投じていく……。
(Movie Walker)

<IMDB=★7.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:52% Audience Score:77%>





by jazzyoba0083 | 2017-05-16 23:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ジャッキー/ファーストレディ最後の使命 Jackie」
2016 アメリカ Fox Searchlight Pictures,LD Entertainment,Wild Bunch.99min.
監督:パブロ・ラライン
出演:ナタリー・ポートマン、ピーター・サースガード、グレタ・ガーウィグ、リチャード・E・グラント他
e0040938_11361396.jpg
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

ジャクリーン・ケネディ、華やかで悲劇的な存在。大統領暗殺の数年後、ギリシアの大富豪オナシスと
再婚し、死亡時の名前は、ジャクリーン・ケネディ・オナシス、であった。また長男のJFKジュニアも
自ら操縦する自家用機の墜落で死亡、いまやJFKの直系の血を継ぐのは、現在楽天に勤務している
キャロライン・ケネディの長男となってしまった。
そのあたりの毀誉褒貶がないまぜになり、ジャッキーの本心というか実態は我々普通の日本人には
あまりよく理解さいれていないのではないか。また多くのアメリカ人庶民とても。

そんなジャッキーの、JFK暗殺後ほぼ1週間後に雑誌記者からインタビューを受ける形で、ホワイト
ハウスでの生活やJFKを巡る、あるいは子どもたち、ホワイトハウススタッフたちを巡る、結構
重い話が展開される。有名な話は知ってはいても、彼女が語る真実は、ジャッキーの新しい
イメージとして、個人的には面白かった。(映画に書かれたことが本当かどうかは分からないが)

ジャッキーは美人だし、富豪の娘だし、頭はいいし、ファッションアイコンでもあったので
ミーハーな気分で観に行くと、あかんですよ。映画は「重い」。けだし本作は、脚本と
ナタリーの演技を味わうものなのだろう。

ダラスで夫が銃弾に倒れた後、脳が飛び散る頭を押さえ、必死に呼びかけた。しかし、夫は
既に死んでいたことは判ったという。国の安全と政治を継続的に執行するために、棺を乗せ
ワシントンへともどるエアフォースワンの中で、副大統領リンドン・ジョンソンの次期大統領
への宣誓式が行なわれる。(有名なシーンだ)ジャッキーは側近のアドバイスを受け付けず、
血の付いた服で、どうどうと飛行機の先頭出入り口から外へと出ていく。

ジャッキーがホワイトハウスに入り、調度品を全て国民と現代のモチーフに会うように変更した
ドキュメンタリーの再現映像も使われ(この初めてホワイトハウス内部を公開した
ドキュメンタリーでジャッキーはエミー賞を獲得した)、自分がファーストレディとして
ホワイトハウスをどう変えようか、また夫をどうサポートしようか腐心したことが語られる。
一方で、暗殺後ジャッキーは、周囲からは同情の目で見られるが、立場的には「元大統領婦人」。
自分と夫がやってきたことが次々とジョンソンのスタッフににより上書きされていってしまう。

夫の葬儀さえ、自分の主張が通らなくなってきている。しかし自分を主張するジャッキー。
そこには、自分とJFKの仕事とホワイトハウスでの時間を、国民の心に永遠に残して欲しかった
という強い思いがあったからだ。それが二人の生きた証だからだ。そこにジャッキーの強い
こだわりを感じるのだ。そこには大統領夫人として幸せだったのか不幸だったのか、などの
感情は入らない、入れてもらえない。ラスト。最初に流産した子と、産まれた直後に死亡した
二人の子供の棺を夫の隣に埋葬してもらったシーンにおいて、彼女のケネディ家の嫁として
またJFKの妻としての「私的な」感情が戻ってきたシーンであったように思えた。

ナタリーのジャッキーは、似ている似ていないは置いておいて、そのほとんど笑わない演技は
弱さと毅然さがよく演じられ迫力があった。
アップの多用、記者との会見は正対ショットで、いわゆる「ナメ」を使わない新鮮さ、モノクロの
映像でホワイトハウスを紹介するドキュメンタリー映画の質と、当時の音声の再現、葬儀を
中心として時折使われる当時の映像も巧みであった。ジャッキーの心情を代弁するような、
いささか大仰ではあるが、音楽も映像・物語にマッチしていたといえる。

JFKがどういう人であったかとか周囲のスタッフがどうであったか、自分の子供たちはどうで
あったかとかはあまり関係なく、「元ファーストレディ」としてどう振る舞わなければなら
なかったか、そうでなければ、自分とJFKは歴史に残らなくなってしまう、という側面を
ジャッキーサイドから描いた映画である。
故に、サースガードがいきなりボビーとして出て来るが、アメリカ人なら知っている所では
あってもこれが、弟で司法長官だったロバート・ケネディとすぐには分かりづらかろう。また
もう一人の弟、エドワード・ケネディも作品中で紹介されることはない。

ひたすら「元ファーストレディ」となってしまったジャッキーの心情が綴られる作品なのだ。
毎度のことながらRotten Tomatoesでは、玄人筋に受けが良く、一般客にはそうでもない、と
いうのも理解出来る。日本でもヒットはしづらかろう。
e0040938_11364986.jpg
<ストーリー>
1963年11月22日、ジョン・F・ケネディ大統領は、テキサス州ダラスでのパレードの最中に
銃撃される。
目の前で愛する夫を暗殺されたファーストレディのジャッキーことジャクリーン・ケネディは、
怒りと衝撃に震えていたが、悲しんでいる時間はなかった。
すぐに副大統領が新たな大統領に就任して激務を引き継ぎ、刻一刻と夫が過去の人になって
いくのを目の当たりにしたジャッキーは、彼の名前と功績が後世に残るかどうかは、
この数日間の自分の行動にかかっていると気付いたのだ。
自らの手で築き上げてきた<ケネディ伝説>を永遠にするために、ジャッキーは命の危険さえも
顧みず、最後の使命に身を投じる──。(公式HPより)

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:89% Audience Score:63%>


この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358900こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2017-04-16 16:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「人生は小説よりも奇なり Love Is Strange」
2014 アメリカ Parts and Labor.95min.
監督・(共同)脚本・製作:アイラ・サックス
出演:ジョン・リスゴー、アルフレッド・モリナ、マリサ・トメイ、ダーレン・バロウズ他
e0040938_12383641.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

老人のゲイカップルの哀愁に満ちた話である。ゲイを主体にした映画は基本、あまり好まない
ので、どうしようか迷ったが、アメリカでの評価が高いので鑑賞してみた。短いし。
(お断りするが、私はLGBTに対し何ら偏見もない。が、映像としての男性同士の絡みが苦手
なんであります)

ショパンの曲をうまく使い、ニューヨークという都市の雰囲気の中、70歳を超える画家ベンと
やや年下の音楽教師ジョージの、老齢に及んだゲイカップルの哀愁が独特のタッチで描かれ、
ベンは最期は亡くなってしまうのだが、彼の甥の子の最期の涙とガールフレンドが象徴する
夕景は、希望よりも物悲しさが胸に広がる。監督としてはラストは若い人を登場させてカタルシスと
したかったのだろうけど、やはり映画全編に流れる哀愁の強さを、ラストだけで消すことは出来
なかった。39年もの間、パートナーとして暮らしていたベンとジョージはNY州が同性結婚を
認めたことから、晴れて結婚式を挙げ、一緒に暮らし始めた。家族を始め周囲に彼らを白い目で
みる人はいない。そこはさすがNY州である。

しかし、つまづきはジョージが教師をしている学校が、ミッション系であったことから始まる。
教区司祭の許しは得られず、クビとなり、アパートの家賃を払えず、二人は別れ別れに親戚の
家に居候することになる。せっかく一緒になれたのに、この有様。親戚に世話になりながら
肩身の狭い暮らしを余儀なくされる。もうそう長くない人生を愛する人と豊かに暮らしたいと
小さい願いも叶わないのか・・・。

主役の二人は、キャリアも長く、NYの秋を感じさせる哀愁を上手く演じ、またマリサ・トメイと
いうヴァーサタイルなキャストをしたことで、(彼女はベンの甥の妻)作品が一段と締まった
感じを受けた。
全編を流れる「愛する人との居場所」に対する哀愁に胸がつまる。LGBTに対する過剰な反発が
必要以上に描かれていないのも良かった。
e0040938_12385030.jpg
<ストーリー>
長年連れ添ってきたゲイの熟年カップルが、同性婚合法化を機に正式に結婚するも思わぬ逆風に
さらされ、改めて世間の厳しい現実に気づかされるさまと、それでも変わらない2人の深い愛情を
描いた感動のヒューマン・ドラマ。
主演は「ガープの世界」のジョン・リスゴーと「フリーダ」のアルフレッド・モリナ。
共演にマリサ・トメイ。監督は「あぁ、結婚生活」のアイラ・サックス。

 ニューヨークのマンハッタン。画家のベンと音楽教師のジョージは、連れ添って39年になる
ゲイのカップル。法律の改正によってニューヨーク州でも同性婚が認められ、ついに念願叶い
晴れて正式に結婚した2人。周囲にも祝福され、これまで以上に幸せな新婚生活が始まると
思いきや、同性婚を理由にジョージは勤めていたカトリック系の学校をクビになってしまう。
2人は瞬く間に経済的に追い込まれ、長年暮らしたアパートメントを出なければならなくなる。
こうして新婚早々離ればなれとなり、それぞれに肩身の狭い居候生活を余儀なくされるベンと
ジョージだったが…。(allcinema)

<IMDb=★6.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:95% Audience Score:66%>

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354802こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2017-04-06 22:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「幸せをつかむ歌 Ricki and the Flash」
2015 アメリカ Clinica Estetico,LStar Capital.TriStar Pictures.101min.
監督:ジョナサン・デミ
出演:メリル・ストリープ、ケヴィン・クライン、エイミー・ガマー、オードラ・マクドナルド、セバスチャン・スタン他
e0040938_15533641.jpg
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

まず感じたのは、メリルは歌が上手いなあ、ということ。「マンマ・ミーア!」はそれなりに、先日
オスカーにノミネートされた「マダムフローレンス!夢見るふたり」はそれなりに、そして今回はロックと
来たもんだ。ハスキーにシャウトするロックはなかなか聞かせる。上手いよ!だが、歌の披露が長すぎ
だったな。実の娘との共演も話題であったが、話時代としては、落ち着くところに落ち着いた、という
感じで、あまり面白みが無かった。が、エンディングのウェディングパーティーでの全員でのダンスなど
観終わって嫌な感じが残るようなものではなかったのは、ジョナサン・デミの上手さだろう。

ロックな母ちゃん、リッキーは子供を捨ててバンドをナリワイとした生活。場末風のクラブでシャウトする日々。
充実はしているが金が無い。そんな折に娘のジュリーが離婚して荒れているという前夫の要請で
西部からインディアナポリスへと出かける。長い間ほっぽらかされて、今更何よ、という娘。まあ
しょうがないわな。

ある日、次男が婚約者を連れてくるという長男も来て久しぶりに家族で食事会を開くことになるが、
お互いに罵り合いで収集がつかない。長男はゲイだとカミングアウトするし。

別れれた夫には長い間リッキーの子供を我が子のように育ててきた黒人の後妻があった。次男の結婚式で
しゃしゃり出てこられてはたまらない。

娘のジュリーは次第に心を開き始める。そして次男夫婦の結婚披露宴の招待状が舞い込む。バンドの
リードギターで今のリッキーの恋人であるグレッグは自慢のギブソンのギターを質に入れ、西部までの旅費を
作ってくれたのだ。そして披露宴当日、回りの白い目にさらされて着席する。そしてリッキーのスピーチが
来た。リッキーはバンドのみんなでステージに上り、演奏を始めた。初めは躊躇したり、バカにしていた
参加者も、次第にダンスの輪に入っていったのだ。もちろん最初に踊り始めたのは次男夫婦であった・・。

そんなお話で、びっくりするようなスジではないのだが、ほんわかする作りにはなっている。深い
意味もないけれど、リッキーという母親の生き様みたいなものは伝わってきた。
e0040938_15540830.jpg
<ストーリー>
オスカー女優メリル・ストリープが夢を追って家族を捨てたワイルドな売れないロック歌手を熱演した感動ドラマ。
娘のピンチをきっかけに家族と再会したヒロインが、過去と向き合い、葛藤しながらも自らの生き様を見せることで
子どもたちとの絆を取り戻そうとしていく姿を描く。
メリル・ストリープと実の娘メイミー・ガマーが母娘役で共演し話題に。また、メリル・ストリープのバンド仲間を
リック・スプリングフィールド、リック・ローザスら一流ミュージシャンが演じているのも見どころ。
脚本は「JUNO/ジュノ」「ヤングアダルト」のディアブロ・コディ、
監督は「羊たちの沈黙」「レイチェルの結婚」のジョナサン・デミ。
 
ミュージシャンでの成功を夢みて3人の子どもと夫を捨てたリッキー。今は売れないバンド“リッキー&ザ・フラッシュ”の
ギター兼ボーカルとして、小さなライブハウスのステージに立つ日々。
そんなある日、元夫ピートから娘のジュリーが離婚して実家に戻ってきて以来、憔悴したままだと連絡を受ける。
なんとか飛行機代を工面し、ジュリーの元に駆けつけたリッキー。しかし20年ぶりの再会にも、ジュリーは自分を捨てた
母を許すことができない。そんな中、ピートから連絡を受けた2人の息子たちも戻ってきて、久々に家族が全員顔を
揃えるのだったが…。(allcinema)

<IMDb=★6.0>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:64% Audience Score:43%>




by jazzyoba0083 | 2017-03-27 22:45 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

さざなみ 45 Years

●「さざなみ 45 Years」
2015 イギリス BFI Film Fund and more. 95min.
監督・脚本:アンドリュー・ヘイ
出演:シャーロット・ランプリング、トム・コートネイ、ジェラルディン・ジェームズ、ドリー・ウェルズ他
e0040938_14410036.png
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

まあ、いろいろ有ったであろうけど、今はイギリスの田舎で穏やかな暮らしをしている老夫婦に
起きた「さざなみ」のような出来事。邦題はなかなか味がある。45年じゃ、何のことだか分からないから。

私くらいの歳になると、身につまされると言うか、人生経験を積み重ねないと分からない(若いことが悪い
ということではなく)ことが、じわりと胸に迫る。最後の結婚45周年イベントで踊る二人、特に主人公
シャーロット・ランプリングの目線の先にあったものは、果たして穏やかな未来であっただろうか、と
どきりとするようなエンディングである。ほぼ老人しか出てこない(最近は増えたけど)映画だが、主役
二人の演技で、原作はあるのだけど、えいや!と持っていった作画はなかなかだ。
シャーロットは本作でこの年のオスカーノミニーになったほか、ベルリンや全米批評家協会賞など沢山の
賞を獲得している。

冒頭、ジェフ(コートネイ)がケイト(シャーロット)と結婚する前、付き合っていたカチャという女性と
スイスアルプスの山歩きをした。彼女が転落し、行方不明になったのだが、半世紀近くも経って
当時のままの姿で氷河の中から発見された、という警察からの連絡が、なかなかミステリアスな設定で
宜しい。単に白骨体でないところに、現実の人間としてのリアリティが出ている。にくい出足だ。

「身内の方」って連絡が来ているけどなんで?と尋ねるケイトに対し「当時は夫婦と言わないと泊めて
くれなかったりしたからね」などと結構慌てている感じ。ケイトは、まあ結婚する前の話だし、死んだ
人の話だし、と余裕をカマしていた。スイスに行くの?こんな年になり、険しい山なんかに登れるかよ、
というジェフであった。

だが、ある晩屋根裏でゴソゴソしているジェフ、何しているの、カチャの写真が・・・見せてよ、と
いうやりとりが簡単にあり、後日、ジェフがいない時、屋根裏に入り、ジェフの当時の登山日誌を
見つける。そこにはカチャを写した多くのスライドが・・。
がぜん、夫に対する不信感が頭をもたげる。そして、カチャが死ななかったら彼女と結婚していた?
と尋ねると、「そうだな」という返事。間もなく結婚45周年のイベントがあるというのに、ケイトの
心には夫に対する不信感、嫉妬心がモクモクと台頭してきたのだった。ケイトも夫にいろいろと聞くが
夫ジェフは、心から悪気はなく、既にカチャは過去の人で、ケイトこそ愛する妻であるということは
不変であるようであった。ケイトが言いつのると、「彼女には関係のないことだ」と言うジェフ。
何気ない言葉だが、結構本質的だと思った。普通なら「お前には関係ないことだ」というだろう。
しかし、ジェフが口にしたセリフはカチャが主人公であったのだ。これにはケイトも傷ついたと
思う。だが、男の身として思うのは、(身勝手なんだけど)男は平気で複数の女性に平等に愛情を持てるのだ、
という事。これが分からないと、この老夫婦の「さざなみ」の本質は分からないのではないか。

気が乗らない、と言っていた自分たちの結婚45周年パーティーは、親友のジョージ夫婦が幹事となり
盛大に開かれた。スピーチでジェフは、涙を見せて、ケイトにこんな自分を長く愛してくれて
ありがとう、と感謝する。自分の人生で最良の事であったと。ジェフの言葉にウソはないであろう。
そして、結婚式の時と同じ「煙が目にしみる」でダンスをする二人。さて・・・。

たくさん使われる60年代英米ポップスが懐かしさを掻き立てる。
e0040938_14413022.jpg
<ストーリー>

2015年の第65回ベルリン国際映画祭で主演男優賞と主演女優賞をW受賞するなど、各国の映画賞に輝いた、
とある夫婦の姿を映す人間ドラマ。シャーロット・ランプリングが長年連れ添った夫の元に届いた1通の手紙に
より心を乱される妻を、その相手を『長距離ランナーの孤独』のトム・コートネイが演じ、イギリスの名優の
共演となった。


 イギリスの小さな地方都市に暮らす夫婦、ジェフ(トム・コートネイ)とケイト(シャーロット・ランプリング)は、
結婚45年になる。子供はおらず、仕事を引退した今はささやかな日常を送っている。土曜日に結婚45周年祝賀
パーティを控えた月曜日、ジェフに一通の手紙が届く。50年以上前、雪山でジェフの恋人カチャがクレパスに落ち、
行方不明となっていた。しかし温暖化により雪が溶け、当時の姿のまま発見されたので遺体確認に来てほしい
というスイスの警察からの手紙だった。
ジェフが「ぼくのカチャ」と不用意に口にしたとき、二人の日常に変化が訪れる。ケイトに事情を説明する
ジェフは目の前の妻の存在を忘れ、上の空となっている。ケイトは家の中に冷たいものが入り込むのを感じる。

祝賀会の下打ち合わせに出掛けたケイトは、時計店でスイス製の高級時計を見つける。45周年の記念に夫に
ふさわしいと思い、家に電話を掛けるが、夫は出ない。何かに気を取られて電話に出られないのだと察し、
ケイトの気持ちに陰りが生まれていく。ケイトが家に戻ると、ジェフはいつもの夫に戻っていた。しかし夕食の
席で、ジェフはケイトにカチャとの出来事を語り出す。警察には夫婦と言ってあり、カチャはおもちゃのような
指輪を左手の薬指にしていた、と。ケイトは余裕の表情でやり過ごすが、内心は話を切り上げたくて仕方なかった。
ケイトは存在しない女への嫉妬心を重ねていき、夫へのぬぎいきれない不信感を募らせていく……。(Movie Walker)

<IMDb=★7.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:97% Audiece Score:67%>


この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=355325#1こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2017-03-22 23:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「13時間 ベンガジの秘密の兵士 13 Hours」
2016 アメリカ Paramount Pictures and more.144min.
監督・(共同)製作:マイケル・ベイ
出演:ジョン・クラシンスキー、ジェームズ・バッジ・デール、パブロ・シュレイバー、デヴィッド・デンマン他
e0040938_14252241.png
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

あのマイケル・ベイの作品が劇場で公開されなかったのだな。迫力あるドンパチだったけど、事件が
起きた当時のリビア、ベンガジの構造がよく分からず(冒頭に字幕で解説は多少あるが)、領事館が
攻められてくるまでは誰が何をどうしようとしているのか、とっても分かりづらかった。事態が動き
出すのは先述のように領事館襲撃、そして続くCIAなどが入る情報部隊への襲撃が始まってからだ。

現地で起きている事をペンタゴンやワシントンは見て見ぬふりをする、他のアフリカや欧州にいる
アメリカ軍は建前を突き崩せず、動けない、現地の指揮官はどうも保身に走っているようだし。
しかも、リビアでアメリカに味方している現地勢力、だれが味方で誰が敵か分からない!

こうした状況では、頼りになるのは自分とその仲間たちだけじゃないか!なんとかやりぬくしかないぜ!
しかも本土には帰国を待つ家族がいるというのに・・。という、そこはありがちで分かり易いが。
イーストウッドの「アメリカンスナイパー」、ビグローの「ハートロッカー」、「ゼロ・ダーク・サーティ」
など同様に実際に起きた事件を元に描かれた作品は、主人公を絞り安いのだが、本作の場合は
事件そのものが主人公のような体裁。かといってベン・アフレックの「アルゴ」ほど事件を上手くまとめ
切れているか、というとそうでもない、というこのあたりのどっち付かずが、一般受けしないと判断され
映画館での上映を見送られたのかもしれない。映像は成功していても作劇は失敗しているという・・・。

私としてはこの映画を見ていて唯一頭に浮かんだのは「みんな自分の事ばっかり考えて・・・。」と
いうこと。まあ、総じて戦争というのはそういうものなのだけれど。マイケル・ベイがこの映画を通して
言いたかったのはそればかりではなく、アメリカのために果敢に戦った少数の勇気ある男たちの話、だった
のじゃないか。もちろんその背後に言いたいことは山ほどあろうかと思うけど。それが描き切れていない
ところに本作の蹉跌があるといえよう。玄人受けはしないけど、素人さんには受ける、というRotten
Tomatoesの評価が、的を得ているようだ。
e0040938_14255082.jpg
<ストーリー>
「トランスフォーマー」シリーズなどのヒットメーカー、マイケル・ベイ監督が、2012年にリビアで
発生したイスラム過激派によるアメリカ領事館襲撃事件を映画化したアクションドラマ。
事件を取材したジャーナリストのミッチェル・ザッコフによるノンフィクションをもとに、支援を
絶たれた6人のCIA警備兵が繰り広げる13時間の激闘を臨場感たっぷりに描き出す。

12年9月11日、リビアの港湾都市ベンガジにあるアメリカ領事館が、イスラム過激派の武装集団に
占拠された。領事館のほど近くにあるCIAの拠点アネックスは救援要請を傍受するが、アネックスの
存在自体が極秘であるため手を出すことができない。アネックスに派遣されていた軍事組織GRSの6人の
警備兵たちも待機命令を受けるが、領事館を取り巻く状況が緊迫していくのを見過ごすことができず、
任意で救援活動に乗り出す。
出演は「プロミスト・ランド」のジョン・クラシンスキー、「ザ・ウォーク」のジェームズ・バッジ・デール
(映画.com)

<IMDb=★7.3>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:50% Audience Score:83%>


この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=357056#1こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2017-03-18 23:20 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

ズートピア Zootopia

●「ズートピア Zootopia」
2016 アメリカ Walt Disney Pictures.108min.
監督:バイロン・ハワード 共同監督:ジャレド・ブッシュ
声の出演:ジニファー・グッドウィン、ジェイソン・ベイトマン、イドリス・エルバ、J・K ・シモンズ他
e0040938_15252711.jpg
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

今年(2016年度)のアカデミー賞長編アニメ賞を獲得した作品。トランプ大統領登場を予見したかのような
内容なのだが、テーマとしてはアメリカに普遍的に横たわる根の深い問題なのだろうな、ということは良く
判った。お子様が見ても勿論面白いが、これは基本的には大人のアニメだ。思わず、あれが誰で、と実在の
人物に当てはめたくなってしまう。日本語吹き替えで観れば、画の楽しさをたくさん味わえるのだろうが、口の
動きを確認したくて、またオリジナル版の声も確認したくて、日本語字幕で鑑賞した。

田舎の正義感溢れるウサギが警官試験に合格し、「誰でも何にでもなれる」という夢見る街、ズートピア警察に
着任する。しかし、実際の街は、差別や偏見にあふれているわけで・・・。ウサギの苦労が始まる、という出だし。
良さそうな人がそうでなかったり、怖そうな人が優しかったり。草食動物と肉食動物の確執があったり・・。

たくさんの魅力的な動物が、その動物が持つわかりやすいキャラクターを持って登場するが、私の一番の
お気に入りは狐のニック。小さい頃から「ずる賢い」という烙印を押され、ひねくれて生きてきたし、実際
ずるい商売をしていたりする。しかし、このニックが本作の重要な(ワタシ的には主人公といってもいいと
さえ思う)役割を演じ、映画の主題を体現もしている。アニメ化された表情がまた実にキュートでいい。
警官のボス、水牛のボゴもなかなか味のあるキャラクターで好きだ。

ウサギ警官との間の信頼するのしないのという関係から、ある捜査を二人で暴き、真の黒幕を暴き出すのだった。
狐のニックも警官となり、ウサギ警官とコンビを組むことになったのだ。

動物間の偏見はつまり人間社会のそれであり、多様性を認めあってこそ、というのは人間界以上に動物界では
重要なテーマ性を帯びてくるわで、アニメではあるが、動物たちがこうやってやって行けているんだから
人間が出来て当たり前じゃないか?と問われている気分になるのだ。
ズートピアとはアメリカそのものに他ならない。あるいは地球全体と見ても良いかもしれない。

しかし、今のアニメ技術は凄い。質感といい動きといい、アニメのほうが表現手段は豊富なんじゃないか。
今回感心したのは、背景に描かれる街並や大道具小道具、そして車などの質感が、リアルであって、
あんまりアニメを観ている、という気がしてこなかったのだった。
e0040938_15255611.jpg
<ストーリー>
高度な文明が発達した動物たちの楽園ズートピア。そこは、誰もが夢を叶えられるところだった。
田舎町バニーバロウで育ったウサギのジュディは、幼い頃から、世界をより良くするために警察官に
なりたいと思い描いていた。サイやカバといった大型動物だけが警察官になっているものの、ジュディは
警察学校を首席で卒業。ウサギとして初めて警察官になり、ズートピアに赴任する。

しかし、動物たちの連続行方不明事件が発生し、捜査に向かうのはサイやゾウといった大型の同僚たちばかり。
スイギュウの署長ボゴはジュディの能力を認めようとせず、駐車違反の取締りを命じる。そんな中、
街で困った様子のキツネの親子を助けたところ、彼らは詐欺師だった。だまされショックを受けるジュディに、
詐欺師のニックは、何にでもなれると思っていても無理だと言い放つ。
落ち込むジュディだったが、諦めずに、未捜査のままになっているカワウソのオッタートンが行方不明に
なっている事件の捜査に名乗り出る。ジュディを応援するヒツジのベルウェザー副市長の後押しもあり、
ボゴは期間は2日間のみであること、失敗したらクビにすることをを条件に、やむなく捜査を任せる。

チャンスを掴んだものの、手がかりは皆無だった。そこでジュディは、街に精通しているニックに協力を
依頼。秘密を握られているニックは、渋々彼女の捜査に付き合うことにする。ニックの情報網を駆使し
聞き込みを続けるうちに、ついにツンドラ・ラウンでオッタートンの痕跡が残る車を見つける。
しかしその車はツンドラ・タウンの闇のボス、ミスター・ビッグのものであり、ジュディとニックは
捕まってしまう。何とかこの危機を切り抜けたジュディとニックは、新たな手がかりを掴むとともに、
ズートピアに何かが起ころうとしていることに気付く……。(Movie Walker)

<IMDb=★8.1>
<RottenTomatoes=Tomatometer:98% Audience Score:92%>


この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354239#1こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2017-03-16 22:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

砂上の法廷 The Whole Truth

●「砂上の法廷 The Whole Truth」
2016 アメリカ PalmStar Media and more.94min.
監督:コートニー・ハント
出演:キアヌ・リーブス、レニー・ゼルゥイガー、ググ・ンバータ=ロー、ガブリエル・バッソ、ジム・ベルーシ他
e0040938_15400569.jpg
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

「犯人は被害者と一番遠い関係にある者だ」、「一見悪いと描かれる人は実はそうは悪くない、善人ぶるヤツこそ
怪しい!」という2時間ドラマの王道を行くような展開。ま、見事に引っかかったので、その点は良しとしても、
観終わって、騙されたなあ、という点以外に残らない映画なんだな。それを目指したのよ、と言われればそれ
までだけれど。

キアヌとレニーの名前に惹かれて観てみたのだけど、レニー、この後の「ブリジット・ジョーンズ~」の時より
痩せていて最初ダレだか分らなかった。法廷映画なんだけど、証言に基づく再現シーンにより、観客はミスリード
されていく。嘘をついているのはだれか?ということなんだけど、その割に緊張感は薄い。

キアヌは弁護士、レニーは殺された男(キアヌを育て上げた弁護士でもある)、犯人はレニーと殺された男の
長男(すごく優秀で法律家を目指している)という構図。
ある日、ロレッタ(レニー)の夫ブーンが寝室で胸にナイフが突き刺さった状態で死んでいるのを、ロレッタと息子
マイクが発見。警察はマイクが「自分がやった」と言ったという証言からマイクを逮捕した。ラムゼイ(キアヌ)が
顧問弁護士として裁判に臨む。マイクは証言をしない。なぜか知らないが口を開かないのだ。そのため
状況はどんどん悪くなっていく。 そこで、ラムゼイは助手を勤める若い黒人女性弁護士ジャネルと、ある
作戦に出る。

まあ、常道どおり、息子は母をかばって犯人と言っているのじゃないか、という風になるのだが、殺された
ブーンは、母にも、息子にも暴力を振るっていたらしい。近所に住む住人からも証言がなされる。
しかし、急にマイクが証言台に立つという。マイクは父に幼いころから性的暴力を振るわれていたというのだ。
陪審員の同情が一気にマイクに集まる。(観ている人も陪審員目線になるわなあ) 判決は無罪。すべては
暴力的なブーンのせいにされた。

しかし、実はマイクは父の死体の近くにラムゼイの腕時計が転がっていたのを知っていた。判決の後、
マイクはラムゼイに、あの日寝室で何をしていた、と問い詰める。そう、ラムゼイと母ロレッタは不倫の
関係?暴力を見かねた関係?にあったのだ。(あれあれ)であれば、何故にマイクは自分が逮捕された後、
黙っていたのか?ラムゼイをも庇ったのか? 父は本当は母を虐待もしていないし、マイクに性的暴力はして
いなかったのではないか?ただ粗野な性格だっただけで。ブーンがラムゼイに「どうやら妻が浮気している
ようなんだ、ダレだか分かるか?」というような問いを投げるシーンがある。別れ際にブーンはウィンクして。

恩師であるブーンの粗野な態度に嫌気がさした妻ロレッタは夫の教え子ともいうべきこの家の顧問弁護士
ラムゼイと不倫。夫にバレて、ラムゼイが殺した。しかし、魔が悪くそこに息子が帰ってきて死んだ夫を
見つけてしまう。「ボクがやれば良かったんだ」、普段から父からいじめのような言葉を投げられ、かなり
頭に来ていたマイクは、逮捕されても、母やラムゼイを庇って黙ってしまった。さらに自分が父から性的
暴力を受けていたという嘘までついた。彼は法律にも詳しかったから無罪は獲得できた。そして、ラムゼイに
詰め寄った。殺したのはお前だろう!と。・・・というのが全体像じゃないかな。

ラムゼイの腕時計がベッドの下にあって・・・あたりで映画がぐんと安くなってしまった感じだなあ。

<IMDb=★6.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:29% Audience Score:31%>

e0040938_15401652.jpg
<ストーリー>
巨額の資産を持つ大物弁護士が自宅で殺害される事件が発生。容疑者として逮捕されたのは、被害者の
17歳の息子だった。拘留後、完全黙秘を続ける少年の弁護を引き受けたのは、敏腕弁護士ラムゼイ
(キアヌ・リーヴス)。
何も語ろうとしない被告人をよそに、開廷された裁判では多くの証人から少年の有罪を裏付ける証言が
飛び出す。だが、その証言のわずかな綻びから、ラムゼイは証人たちの嘘を見破る。有罪確定に見えた
裁判の流れが変わり始めた矢先、沈黙を破って衝撃の告白を始める被告の少年。彼の言葉は果たして
真実なのか?そして、真犯人は別に存在するのか……?(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=355436こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2017-02-25 23:15 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)