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●「スパイダーマン:ホームカミング Spider-Man:Homecoming」
2017 アメリカ Columbia Pictures,Marvel Studios,Pascal Pictures. 133min.
監督・(共同)脚本:ジョン・ワッツ
出演:トム・ホランド、マイケル・キートン、ジョン・ファブロー、ゼンデイヤ、ドナルド・グローヴァー
   マリサ・トメイ、ロバート・ダウニーJr、グィネス・パルトロウ、クリス・エヴァンス他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
「スパイダーマン」が、マーヴェルのヒーローたちが同一世界観の中で活躍するシリーズ
”マーヴェル・シネマティック・ユニバース”作品群の一つとして描かれる第一弾。
アヴェンジャーズをからめるあたり、マーヴェルのあざとさは感じるが、本作に限って言えば
アメコミヒーローものの原点に戻った感じがとても清々しかった。サブタイトルのホーム
カミングという言葉も、本作のストーリー上のことだけではなく、私が感じた原点回帰、と
いう意味合いもあるのではないか、と思うのだ。

マーヴェルにせよDCにせよ、アメコミのヒーローは、勧善懲悪の痛快アクションとして始まる
のだが、続編を重ねるに従い、内省的になり、やたら人間臭くなったり、また単独では客が
呼べないとなると、ヒーローを複数重ねてみたりで、何だかアメコミの本来持っているカタルシスとは
離れてしまい、それはそれなりに面白かったりもするのだが、私としては「アメコミ・ヒーロー」は
こうでなくっちゃ!という楽しみが、本作では戻っていたのだ。

つまりボーイミーツガールだったり、やたらメカやITに詳しい親友がいたり、カッコいいメカや
痛快なアクション(多くはカーチェイスだったり空中戦だったりするのだが)により、苦難を
乗り越えて悪に勝つ、という単純明快なものがいいのだ。

その点、本作は、これまでの「スパイダーマン」はご破算にして、おばさんちに世話になって
いるくらいで、あとはまったく新作として観られる。まあ、主人公ピーター・パーカーが
蜘蛛に噛まれて体に変化が起きた、とかは不変であるのだが。そのピーターは、アヴェンジャーズ
の前作「シビルウォー」にちょっと出てきていて、これはその続きということもいえる。

純粋なスパイダーマンファンとしてみれば、アヴェンジャーズ文脈で語られる彼の活躍は面白さ
半分になっちゃうと感じる方もおられるかも知れない。でも、アイアンマン=トニー・スタークら
の登場は必要最低限に抑えられていて、主人公はピーター・パーカー=スパイダーマンであることは
間違いない。前作でスタークに認められたピーターは、スタークの会社でインターンシップとして
勤めつつ(高校生ではあるのだが)何とかアヴェンジャーズの一員として認めてもらいたく、高校生
らしい活躍で頑張る。一方で高校では一目惚れしたミシェル(ゼンデイヤ)も何とかしたい。
そして彼の正体を知るただ一人の親友ネッドとの友情、など青春モノアメコミに必要不可欠なものは
全部揃っている。それがいろいろと入り組んで、(お約束だけど)ミシェルの父親のことなど
「分かり易く」綴られていくわけだ。

その「わかりやすさ」も、アメコミ・ヒーローものでは大切な要素であって、分かりやすくなければ
痛快さが痛快と感じなくなってしまう。人間関係がやたらに複雑であったり、敵味方の構図がややこ
しかったりすれば、字幕を追うものとしては余計にストレスが募るというものだ。

本作では以上のような理由とマイケル・キートン、マリサ・トメイ、ジョン・ファブローらの渋い名優を
配して、演技を固め、お約束のストーリーの並びとなってしまう構成に締まりを与えていた。
特に、マイケル・キートンの悪役は今後も出てきそうで、(「バードマン」をおちょくったような
メカニズムだったですねえ)良かった。でも、冒頭の廃品回収業者風が実はめちゃくちゃなテクノロジーの
使い手だったとはビックリ。(コミックらしくてよかったけど)まあ、アイアンマンがぶっこわしたものを
スタークが回収して儲ける、という構図は納得行かないのはよく分かる。マッチポンプだものね。

今回IMAX 3Dで鑑賞したのだが、始まった瞬間、「お??」という感じ。これまでのIMAX 3Dとは違う
感じを受けた。まるでゴーグルをはめて、VRを観ているような。だから画面のデカさとかは感じない。
そのかわり奥行き感は自然で豪華。スパイダーマンの空中遊泳や、アヴェンジャーズの空中戦には
迫力満点だろう。今回もこの映像効果がすごく作品にいい影響を与えていた。ただ、字幕は真正面から
観ないと、ちょっと首をかしげると字がダブって見えてしまう。

さて、毎度おなじみのラスト。次作の約束をして終わるのだが、次作もこんな感じの分かりやすさと、清々しい
カタルシスを感じさせて貰いたいものだ。ところで間もなく封切られる「ワンダーウーマン」は、どういう
出来だろう。
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<ストーリー>
アイアンマンやキャプテン・アメリカなど“アベンジャーズ”を中心にマーベル・ヒーローが同一世界観の
中で活躍する“マーベル・シネマティック・ユニバース”作品群の一つとして描かれる新シリーズの第1弾と
なる痛快エンタテインメント青春アクション大作。
アイアンマンに憧れ、アベンジャーズ入りを夢見る15歳の青年の葛藤と成長を、ヒーローとしての
華々しい活躍に普通の高校生の瑞々しい青春模様を織り交ぜ描き出す。
主演は「インポッシブル」「白鯨との闘い」のトム・ホランド。共演はアイアンマン役のロバート・
ダウニー・Jrのほか、マイケル・キートン、ジョン・ファヴロー、ゼンデイヤ、マリサ・トメイ。
監督は「クラウン」「COP CAR/コップ・カー」で注目され、長編3作目の本作でいきなり
ブロックバスター作品に大抜擢となった新鋭ジョン・ワッツ。

 ニューヨークに暮らす15歳の高校生、ピーター・パーカー。憧れのトニー・スターク=アイアンマンに
見込まれ、彼が開発した特製スーツに身を包み、スパイダーマンとして街のパトロールに精を出しながら、
早くアベンジャーズの一員になりたいと夢見ていた。そんな中、スタークに仕事を奪われ復讐に燃える
男エイドリアン・トゥームス=バルチャーが、地球外の物質から強力な武器を作り出し、ニューヨークを
危機に陥れようとしていた。アベンジャーズに任せろとのスタークの忠告にもかかわらず、一人前の
ヒーローとして認められたいと焦るピーターは、たった一人で敵に立ち向かおうとするのだったが…。
(allcinema)

<IMDb=★7.9>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:92% Audience Score:90%>



by jazzyoba0083 | 2017-08-12 11:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

シン・ゴジラ(2度目)

●「シン・ゴジラ」(2度目)
2016 日本 東宝映画 120分
総監督・脚本:庵野秀明  監督・特技監督:樋口真嗣  音楽:鷺巣詩郎
出演:長谷川博己、石原さとみ、竹野内豊、高良健吾、松尾諭、市川実日子、余貴美子、國村隼
   平泉成、柄本明、大杉漣、ピエール瀧、小出恵介、松尾スズキ、古田新太、光石研ほか

<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
ちょうど一年前の今頃、「君の名は。」と並んで映画館を賑わせていた。この度WOWOWでも
放送する時期となり、映画館でもしっかり面白かったので、二度目もきっと面白いに違いないと
録画して鑑賞した。
(初見の感想は下記をご参照ください)

初回の感想とは大きく変わらないのだが、やはりゴジラ=福島原発というイメージが更に
強く感じられた。「会議は踊る」の役人たち、決断出来ない政治家、都合のいいことばかりの
米国。こうして見直すと、本作は怪獣映画ではなく、政治ドラマなんだ、ということを確信し
たのだった。ゴジラは原発の、融通の聞かない官僚や無能な政治家の、自分のことだけしか考え
ないアメリカの、日本にとってのいろんな不都合のメタファーの集合体であり、なかんずく、
人類とは共生しえない原子力、というものの置換に他ならないなあ、と強く感じた。
★を9とさせて頂いた。

演技陣で言えば、はやり石原さとみの浮き加減が半端ないなあ、と。(苦笑)

ストーリーその他については上記リンクからご参照ください。
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by jazzyoba0083 | 2017-08-09 23:15 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

S・W・A・T

●「S・W・A・T 」
2003 アメリカ Columbia Pictures Co.(a sony company) 111min.
監督:クラーク・ジョンソン
出演:サミュエル・L・ジャクソン、コリン・ファレル、ミシェル・ロドリゲス
   ジェレミー・レナー、オリヴィエ・マルティネス他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

暑気払いのつもりでスカッとしたアクションものが観たくて鑑賞。
う~ん、クルマの壊しっぷりはまずまず、LAPD全面協力のカーチェイスも
まずまず、キャストも若きジェレミー・レナーとか、隣のおばちゃんに
ちょこっとオクタビア・スペンサーの顔が観られたり、出ている人もそこそこ。

冒頭のSWAT対銀行強盗、テレビ画面の再撮風映像を使ったり、なかなか
魅せる。さらにこれがコリン・ファレルとジェレミー・レナーの5年続いた
相棒の決定的な解消に至るエピーソードのなったいる仕掛け。

腕に自慢のジェレミーは銀行強盗を人質越しに射殺したが、人質にも怪我を
させてしまう。これを見咎めた幹部から大目玉を食らうのだが、ジェレミーってば
頭に来て警察辞めちゃうんだよなあ。でコリンの方も武器倉庫係に左遷。

これが話のベースで、それから6ヶ月(ジェレミーがこれで出演終わりということ
はないので後から何かの形で出てくることは分かり易いが)。サミュエルの下で
またSWATが結成される。やがてやってきた世界中から指名手配中の悪人の
護送を任される。あっという間に捕まるのだが、護送の途中に「おれを助ければ
1億ドルやるぞ」との声がマスコミに乗り、世界中からカネ目当ての悪党たちが
LAにやってくる・・・。

1億目当てにそんなに世界中から悪党が来るかね。貰える保障がどこにあるかね?
ジェレミーもそんな1人でカネ欲しさにこの犯人を逃がす立場に回る。またSWATの
仲間にも裏切り者が・・・護送の途中で、いろんな攻撃に会い、犯人は自家用ジェットを
橋に着陸させて、高飛びする計画だ。しかし、ジェレミーの計画、短い間によく練って
仲間をオーガナイズしたものだねえ(苦笑)

最後はもちろん正義は勝つわけだが。上映時間も長すぎで、世界中から指名手配の
犯人アレックスの迫力が無かった。もう少し暴れさせたほうが面白かったのでは?
「暑気払い」としてはまあまあかな。
勇者を集める「アヴェンジャーズ」や、普通の警官の手に負えない現場にかけつけ
るイメージは「第七騎兵隊」の、アメリカ人が好きな骨格が見えてくる。
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<ストーリー>

'70年代の人気テレビ・シリーズを映画化したサスペンス・アクション。エリート
警官たちを集めた特殊部隊S.W.A.T.の活躍を、スリリング&ドラマチックに描く
痛快作だ。

悪名高き麻薬王アレックス(オリヴィエ・マルティネス)が逮捕された。FBIの
もとへアレックスを護送するのは、ホンド巡査部長(サミュエル・L・ジャクソン)を
指揮官とする、結成まもない6人のS.W.A.T.精鋭部隊。約6ヶ月前、S.W.A.T.隊員の
ストリート(コリン・ファレル)は、強盗事件にあたっていた。
しかし、パートナーであるギャンブル(ジェレミー・レナー)の判断ミスから、
2人はS.W.A.T.を追放される。処分に納得できず、ギャンブルは警察を去る。

降格処分を受け入れ、S.W.A.T.に戻る機会を待つストリート。親友2人は別々の
道を選び、この選択が運命を大きく変えるのだった。武器管理に降格された
ストリートに、復帰のチャンスが訪れた。ホンドが新チーム結成の指令を
受けたのだ。選ばれたのはストリートのほか、女性のサンチェス(ミシェル・
ロドリゲス)、ディーク(LL・クール・J)、マイケル(ブライアン・ヴァン・
ホルト)、マッケイブ(ジョッシュ・チャールズ)の5人。

しかし連行中のアレックスが、報道陣に宣言する。「俺を逃がした奴に、
1億ドル払う」と。この逃亡宣言はトップニュースとして放送され、報酬を狙う
者たちで、街は溢れかえる。混乱の中、6人は護送ミッションを決行する。
380万人の市民が、すべて敵かもしれない混沌のロサンゼルス。しかし、敵は、
ロス市民だけではなかった。ニュースを見る者の中に、ギャンブルの姿もあった。
金、誇り、希望。全てを失い、残っているのはS.W.A.T.で培った戦術。
ギャンブルは、持っている力で、1億ドルを手に入れる決意を固める。
今、S.W.A.T.の手の内を知り尽くすギャンブルが、最強の敵となりホンドたちを
襲う……。(Movie Walker)

<IMDb=6.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer=48% Audience Score:52% >




by jazzyoba0083 | 2017-07-24 23:35 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ジョン・ウィック:チャプター2 John Wick:Chapter 2」
2017 アメリカ Summit Entertainment and more.122min.
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーヴス、コモン、ローレンス・フィッシュバーン、リッカルド・スカマルチョ、フランコ・ネロ他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
前作WOWOWで観て、なんだかなあ、という感想を持っていたのに、本作、やっぱりアメリカでの評価が
やたらに高いので、一応確認の為にシネコンに行った。
(前作の感想は http://jazzyoba.exblog.jp/24566950/ こちらでご確認ください)

で、本作。やっぱり私にはダメだった。色んな人がブログにアップしてあるので読まれると宜しいが、
だいたい似通った感想を持たれるようだ。「ストーリーがない」。私としては「スカスカ」。
まあ、アクション(ガンフーっていうんですか?)が見どころで、接近戦での銃撃とかが迫力が
あるようなんだが、キアヌの体がいまいち締まってないのか、アクションのキレが今ひとつ。

前作の復讐譚もかなりムリ線ではあったけど、許せる範囲ではあった。だが今度の復讐劇は、
シンパシーというか、入ってこない。復讐のために仕立てられたストーリーで復讐をしているようで。
やっぱりガンフーを見せるために、ストーリーを逆算した、というウラミが見え隠れする。
前作の5日後に本作がスタートする。いきなりカーチェイス。なんだなんだ、と思っていると、
キアヌが前作で奪われた愛車マスタングを奪い返しに行くところなんだね。とことが、奪い返した
はいいけど、ボコボコにしちゃうんだよなあ。

誓印とか、、「主席」とか、よく分からんし。ローマでのコンスタンティンホテルでのライバル
との一件、二人モツレてガラスを破って飛び込んだホテルがたまたまそこって、ねえ。
で、偉い人が現れると争いは止めて、バーで酒を飲んだりしているし。本気で殺し合う気がある
のかよ、というね。この二人地下鉄内でナイフでやりあうんだけど、激しい格闘をしてきた割には
最後は地味めだったりするし。あ、、いきなり本作を見ると、置いていかれる部分が多いですわ。
暇な人がキアヌが何人殺しているのか数えたのだそうだが、128人だったそうだ。(苦笑)

キアヌの首に700万ドルの懸賞金が掛けられると、ニューヨーク中が暗殺者みたいになったり、
キアヌはそれを見抜いて銃で撃つんだけど、どこを見ると暗殺者と分かるんだろう。
地下鉄を歩きながら消音器付き銃で撃ち合う滑稽さとか、なんだなんだ、これはコメディか?と
突っ込みたくなる。そんな箇所がいっぱい出てくるんでねえ。故に、アクションのみを楽しむ
映画、と言い切っていいだろう。アメリカでの評価が高いのは、彼の国では、この手の受けがいいのかねえ。
日本のシネコンはガラガラだったけど。すでにチャプター3の製作が決まっているようだけど、
もうシネコンには行かないだろうな。と言うか、心配なのはこの監督が、大好きな「デッドプール」の
続編を作るっていうじゃないですか!大丈夫か?
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<ストーリー>
最強の殺し屋ジョン・ウィックの復讐劇を描く、キアヌ・リーヴス主演のサスペンス・アクションの続編。
ヨーロッパを舞台に、殺し屋ジョンと世界中の殺し屋との戦いが繰り広げられる。前作では銃とカンフーを
融合させた“ガンフー”が話題となったが、本作ではガンフーと車でのアクションが融合した“カーフー”を
披露する。

伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)による壮絶な復讐劇から5日後。ロシアン・マフィアの
残党から愛車フォード・マスタングを奪い返した彼のもとにイタリアン・マフィアのサンティーノ・
ダントニオ(リッカルド・スカマルチョ)が姉殺しの依頼にやってくる。彼はかつてジョンが殺し屋業界を
引退するために課された実現不可能とされたミッションを助けたことがあった。しかし平穏な隠居生活を
望むジョンは彼の依頼を一蹴。サンティーノの怒りを買ったジョンは、想い出の詰まった家をバズーカで
破壊されてしまう。愛犬と共に一命をとりとめたジョンはサンティーノへ復讐を開始。だが命の危機を
感じたサンティーノは、ジョンに7億円の懸賞金を懸け、全世界の殺し屋がジョンの命を狙い始める……。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.7 >
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:89% Audience Score:86%>



by jazzyoba0083 | 2017-07-14 14:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

ザ・ギフト The Gift

●「ザ・ギフト The Gift」
2015 アメリカ Blumhouse Productions.108min.
監督・脚本・(共同)製作:ジョエル・エガートン
出演:ジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール、ジョエル・エガートン、アリソン・トルマン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
「因果応報」。ジェイソン・ベイトマンが監督、脚本、出演を果たしたスリラー。ありそうで
なさそうな設定が面白く、かつ分かりやすい。しかし、子供の頃の怨念はここまで引きずるのかと
空恐ろしくなる。やっぱ、いじめはいかんですな。ベイトマンの役どころは、恨みはらさで置かりょうか、的
立場の男。何を考えているのか分からない表情と演技が良かった。

善人顔して実はとんでもないやつが最後には徹底的にやっつけられるので、カタルシスは感じられるの
だが、決して痛快な終わりではない。割と低予算だったが、本国ではかなりのヒットをしたようだ。
一番の被害者といっていいレベッカ・ホールがいい味だった。ラスト、生まれてきた子供の父親は誰か、
カタキを取られる役のジョエル・エガートンが泣き崩れるところを見ると、カタキをうった
方のベイトマンがレベッカ・ホールが気を失っているうちにナニしてしまい、できた子供ということ
になるのか。ベイトマンがエガートンに、「子供の目を見れば分かるよ」というが、まあ血液型やDNAで
調べれば分かるのだけど。究極の「ギフト」というわけか?。その前にレベッカは離婚しちゃうのだろうけどね。
手堅くまとまったスリラーだといえる。
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<ストーリー>
ジョエル・エドガートンの初監督作となるサイコ・スリラー。平穏な毎日を過ごしていた夫婦が、夫の旧友との
再会を機に次々と届けられる贈り物に悩まされ、恐ろしい出来事に巻き込まれていくさまが描かれる。
エドガートンは監督だけでなく、製作・脚本を担当。さらに不気味な旧友ゴード役を怪演し、存在感を見せつける。

シカゴからカリフォルニア州郊外に移り住んだ若い夫婦サイモン(ジェイソン・ベイトマン)とロビン
(レベッカ・ホール)は、人もうらやむ幸せな生活を送っていた。その新天地はサイモンの故郷でもあった
ことから、偶然、買い物中に高校時代の同級生ゴード(ジョエル・エドガートン)から声をかけられる。
ゴードのことをすっかり忘れていたサイモンだったが、旧友との25年ぶりの再会を喜んだゴードは、次々と
贈り物を届けてくる。しかし、その過剰な様子に、2人は次第に困惑。とりわけサイモンは露骨にゴードを
煙たがり、ついに強い口調で“もう自宅に来るな”と言い放つ。やがて夫妻の周囲で続発する奇怪な出来事。
そこへ、ゴードから謝罪の手紙が届くが、そこにはサイモンとの過去の因縁をほのめかす一文があった。
果たして25年前、彼らの間に何があったのか。頑なに口を閉ざす夫への疑念を募らせ、自らその秘密を
解き明かそうとしたロビンは、衝撃的な事実に行き当たる……。(Movie Maker)

<IMDb=★7.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:92% Audience Score:75%>




by jazzyoba0083 | 2017-07-12 22:55 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「スーサイド・スクワッド Suicide Squad」
2015 アメリカ Atlas Entertainment,DC Comics,Warner Bros.Pictures.123min.
監督・脚本:デヴィッド・エアー
出演:ウィル・スミス、ジャレッド・レトー、マーゴット・ロビー、ジョエル・キナマン
   ヴィオラ・デイヴィス、ジェイ・コートニー、福原かれん 他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

本作、シネコンの予告編でイヤと言うほど見ていたけれど、シネコンに行く気は
なかったもの。この度WOWOWで放映していたので、録画してみてみた。
やさぐれた半端者の集まりが招集を受けて、悪と敢然と戦う、というタランティーノ風の
作品かとおもっていたら、なんとDCコミック原作なんだね。個人的にはちょっとフィット
しなかったなあ。火を吹くやつとか、日本刀の達人とか、結構魅力あるキャラはいたのだ
けれど。

バットマン亡き後のゴッサムシティでやりたい放題の悪党らに、悪党だけで組織した
「決死部隊」が立ち向かう。これがDCコミックに出てくる悪役なのだね。私、マーヴェル系は
まあ分かるのだが、DCは、バットマン、スーパーマンくらいしか知らない。故に集められた
悪党たち、だれがどういう由来を持っているのか、不明なまま鑑賞に突入。ジョーカーって
あのジョーカーでいいのか、とかね。

故に、後半のチーム一丸となっての戦闘に至るまでは退屈。DCコミックものってだいたい
全編暗いんだよなあ。ゴッサムシティがそうだからかもしれないが、見づらい。
お互い一匹狼の悪党たち、次第に力を合わせ、見事地球を救ったあかつきには、国から
ご褒美をそれぞれの希望によって貰えるというカタルシスまでの部分は見ることは出来た。
そして、ベン・アフレック登場で続編の匂いと。 おそらく続編はそうとう魅力的でないと
見に行かないと思う。この前の「バットマンvsスーパーマン」も出来のいい映画とはいえな
かった。
いずれにせよ、私のタイプの映画ではなかった。
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<ストーリー>

DCコミックスのスーパーヒーローたちと対峙する悪役(=ヴィラン)たちが結集した異色
アクション。死刑や終身刑をくらった彼らが、強大な悪に立ち向かう姿を描く。バットマンの
敵でチーム最凶の男、ジョーカーをジャレッド・レト、娘に首ったけな元マフィアの殺し屋
デッドショットをウィル・スミスが演じるなど、実力派が多数出演。

迫りくる世界崩壊の危機を前に、政府はある決断を下した。バットマンをはじめとする
ヒーローたちによって投獄され、死刑や終身刑となったヴィラン(悪役)たちを、減刑と
引き換えに自殺に等しい任務を強制する集団スーサイド・スクワッド(自殺部隊)へ入隊
させるのだ。
こうして、情に厚い凄腕暗殺者デッドショット(ウィル・スミス)、狂気の道化師ハーレイ・
クイン(マーゴット・ロビー)、軍人リック・フラッグ(ジョエル・キナマン)、地獄の
炎を操る小心者エル・ディアブロ(ジェイ・ヘルナンデス)、必殺縄師スリップノット
(アダム・ビーチ)、ブーメラン使いキャプテン・ブーメラン(ジェイ・コートニー)、
唯我独尊を貫く女侍カタナ(福原かれん)、魔女エンチャントレス(カーラ・デルヴィーニュ)、
ウロコに覆われた怪力男キラー・クロック(アドウェール・アキノエ=アグバエ)という
強烈な個性が揃った寄せ集めの最狂チームが誕生した。思いがけず“正義のヒーロー”を任された
彼らは、世界を救うことができるのか!?(Movie Walker)

<IMDb=★6.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:25% Audience Score:62%>




by jazzyoba0083 | 2017-06-16 23:20 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

サウスポー Southpaw

●「サウスポー Southpaw」
2015 アメリカ Escape Artists and more.124min.
監督:アントワーン・フークア
出演:ジェイク・ギレンホール、フォレスト・ウィッテカー、レイチェル・マクアダムズ、
   ナオミ・ハリス他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

割りと表面的な描き方ではあるが、ジェイク・ギレンホールら配役の演技により
また、ボクシングシーンの見事な描写により、一級の映画になっている。

本作を観ていて、「目標」という言葉が思い浮かんだ。施設育ちからボクシングの
世界で3つの団体でのライトヘビー級チャンプとなった英雄ビリー・ホープ(ジェイク)。
腕っ節一本でのし上がったこの男は攻める人生しか歩んでこず、それで成功してきた
ため、ボクシングでも人生でも天才肌ではあるが「無手勝流」でガードということを
しない。それがこの映画の根本である。栄光に包まれたこの男の人生に暗転が
訪れた時、「守る」ということを学ぶのだろうか、その過程がエンディングに向けて
描かれていくのだ。息を飲むようなストーリーでも、驚愕の結末でもないが、
一人の男の人生の「取り舵いっぱい」は、なかなか感動的ではある。


地位も名誉も、カネも、そして同じ施設で育った美しい妻も、可愛い娘も手に
入れたビリー。冒頭で描かれる試合でも逆転勝利し、最強伝説は継続していた。
そして、勝利の後、自分と妻が育った施設への寄付を求めるチャリティパーティーで
自ら次回の対戦相手と名乗り出たジョーダンとその取り巻きから、挑発を受け
喧嘩となり、誰かが銃を撃ち、その流れ弾が妻に当たり妻はその場で亡くなって
しまう。

ビリーの喪失感は大きく、生活は荒れる。喧嘩をしたことなどから1年間の試合
停止となり、たちまちカネも無くなり、トレーナーやプロモーターたちも離れて
いってしまう。そのために娘からも離されてしまい、更生プログラムの実施を
命じられる。

そんな彼を救ったのが街のボクシングジムトレーナー、ティック(ウィテカー)
だった。ビリーの、人生は「自制」すること、「守ること」「目標を持って
努力すること」を欠いたまま突っ走ってきた。ティックは、ジムで雇うことに
より、ビリーの考え方を少しずつ変えていった。娘と離されたことで、ビリー
自身も考え方を変えていく。

そして1年後、ラスベガスで、あの挑発したジョーダン(今はチャンピオンに
なっていた)との試合が組まれることになった。ビリーは、ティックを
トレーナーに、独自の方法でサウスポーにスタイルを変え、ボクシングも
良くガードもするものに変化させていった。そして試合当日。
真面目な更生プログラムに対する姿勢が評価され、娘との同居を認められた
ため、娘も控室で父の闘いを見つめる。試合は怨恨も入り、壮絶な殴り合いに
なる。ジョーダンは試合中にも挑発してくるが、ビリーは自分を押さえられる
ようになっていた。最終12ラウンドで、決定的なダウンを奪うビリーだったが、
カウント中に試合終了となり、結果は判定となった。結果は2-1でビリーの
勝利だった。会場は帰ってきた強いチャンプに沸き返り、コーナーにかがんだ
ビリーは亡き妻に感謝と報告をし、控室で娘としっかり抱き合ったのだった。
ビリーの人生は、いま始まったのかもしれない。

以上のような話で、難しいところは何もない。半年かけて体を絞った
ギレンホールのボクシングシーンは非常にリアルで、本物の試合を観ているか
のようだ。いや演出されているので本物より迫力があるようにみえる。
また映画全体としてもテンポが良いので2時間超えの映画だという感じは
まったく受けなかった。妻マクアダムズ、ウィテカー、そして娘を支える
司法団体の女性に、「ムーンライト」で主人公のジャンキーの母親を好演した
ナオミ・ハリスが配される。ストーリーの主だった登場人物は少ないものの
非常に締まった演技陣で、これに支えられ、深い味わいのある映画となった。

監督は、フィルモグラフィーを観てみれば、私が好きな「ザ・シューター/
極大射程」「トレーニング・デイ」「イコライザー」などの作品を
手がけたアントワーン・フークワであった。
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<IMDb=★7.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:60% Audience Score:76%>



by jazzyoba0083 | 2017-06-01 23:15 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ザ・コンサルタント The Accountant」
2016 アメリカ Warner Bros.Pictures.130min.
監督:キャビン・オコナー
出演:ベン・アフレック、アナ・ケンドリック、J・K・シモンズ、ジョン・バーンサル他
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<評価:★★★★★★★★★☆☆>
<感想>

面白い。巧妙に練られた脚本なので、ちりばめられた伏線がバシバシ回収される
快さとともに、いささか込み入ったストーリーがわかりづらく感じるかもしれない。
この後観たベン・アフレックの「夜に生きる」より、物語の出来としては(映画の
描かれる世界と提示されるエンタテインメントは全然異なるのだが)こちらのほうが
上だと感じた。同じベンアフの映画であれば、だが。ベンアフも弟くんがオスカーを
獲り勢いに乗ってくるだろうから、二人していい作品をどんどんと生み出していって
欲しいものだ。ベンアフの昔からのファンとしてそう思う。

さて、本作。主人公の会計士クリスチャン(ベン)は、高感度自閉症といわれる病気を
持つ。幼い頃からその矯正には苦労していて、今でも寝る前には激しく点滅するライトの
中で大音量のロックを聞き、足を鍛える作業を課し、クスリを飲んで寝るという日々だ。

高感度自閉症とは何か、よく分かっていないのだが、アスペルガーとかどこかサヴァン
症候群にも似ている感じを受けた。人とのコミュニケーションが苦手だったりする
一方、特殊な能力に長けている。クリスチャンの場合、数字を操ることだった。
これで彼は軍人から会計士となり、また闇に生きる人間となっていくのだった。

冒頭に出てくるギャングを次々と仕留め、親分らしきやつも容赦しない戦闘能力は
(ここ伏瀬になっているわけだが)、どうして身につけたのか。会計士と裏の
暗殺者としての彼を電話でコントロールする女性は誰か?依頼されたロボテック社に
雇われた武装集団を率いる男はだれか?クリスチャンはなぜ軍事刑務所に入っていた
のか、そこで出会ったギャングの会計士との関係は何か。ロボテック社でクリスチャンと
会計監査に当たる女性デイナ(アナ)とクリスチャンの関係はどうなっていくのか?
ロボテック社の真の悪は誰か、などなどが、先述のように冒頭のギャング惨殺シーンから
始まる一連の伏線が回収されていく過程で明らかにされ、エンディングまで観ている人を
引きつけて離さない。
このあたり、脚本もいいが、監督の作劇のうまさが光る。それとベンアフのほとんど
笑顔がない演技も主人公をクールに描き、いい感じだった。

本国の興業もヒットし、続編も企画されているらしい。ボーンシリーズのようになって
行くのだろうか。期待してしまう。
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<ストーリー>
田舎町のしがない会計士クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)に舞い込んだ
大企業からの財務調査依頼。彼は重大な不正を見つけるが、なぜか依頼は一方的に
打ち切られてしまう。その日から、何者かに命を狙われるウルフ。
実は彼は、世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る裏社会の掃除屋でもあった。
年収1000万ドル、天才的頭脳を持ち、最強のファイターで命中率100%のスナイパー。
本籍・本名・私生活、そのすべてが謎に包まれた会計コンサルタントは、
アメリカ政府やマフィア、一流企業に追われながら危険な仕事に身を投じていく……。
(Movie Walker)

<IMDB=★7.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:52% Audience Score:77%>





by jazzyoba0083 | 2017-05-16 23:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ジャッキー/ファーストレディ最後の使命 Jackie」
2016 アメリカ Fox Searchlight Pictures,LD Entertainment,Wild Bunch.99min.
監督:パブロ・ラライン
出演:ナタリー・ポートマン、ピーター・サースガード、グレタ・ガーウィグ、リチャード・E・グラント他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

ジャクリーン・ケネディ、華やかで悲劇的な存在。大統領暗殺の数年後、ギリシアの大富豪オナシスと
再婚し、死亡時の名前は、ジャクリーン・ケネディ・オナシス、であった。また長男のJFKジュニアも
自ら操縦する自家用機の墜落で死亡、いまやJFKの直系の血を継ぐのは、現在楽天に勤務している
キャロライン・ケネディの長男となってしまった。
そのあたりの毀誉褒貶がないまぜになり、ジャッキーの本心というか実態は我々普通の日本人には
あまりよく理解さいれていないのではないか。また多くのアメリカ人庶民とても。

そんなジャッキーの、JFK暗殺後ほぼ1週間後に雑誌記者からインタビューを受ける形で、ホワイト
ハウスでの生活やJFKを巡る、あるいは子どもたち、ホワイトハウススタッフたちを巡る、結構
重い話が展開される。有名な話は知ってはいても、彼女が語る真実は、ジャッキーの新しい
イメージとして、個人的には面白かった。(映画に書かれたことが本当かどうかは分からないが)

ジャッキーは美人だし、富豪の娘だし、頭はいいし、ファッションアイコンでもあったので
ミーハーな気分で観に行くと、あかんですよ。映画は「重い」。けだし本作は、脚本と
ナタリーの演技を味わうものなのだろう。

ダラスで夫が銃弾に倒れた後、脳が飛び散る頭を押さえ、必死に呼びかけた。しかし、夫は
既に死んでいたことは判ったという。国の安全と政治を継続的に執行するために、棺を乗せ
ワシントンへともどるエアフォースワンの中で、副大統領リンドン・ジョンソンの次期大統領
への宣誓式が行なわれる。(有名なシーンだ)ジャッキーは側近のアドバイスを受け付けず、
血の付いた服で、どうどうと飛行機の先頭出入り口から外へと出ていく。

ジャッキーがホワイトハウスに入り、調度品を全て国民と現代のモチーフに会うように変更した
ドキュメンタリーの再現映像も使われ(この初めてホワイトハウス内部を公開した
ドキュメンタリーでジャッキーはエミー賞を獲得した)、自分がファーストレディとして
ホワイトハウスをどう変えようか、また夫をどうサポートしようか腐心したことが語られる。
一方で、暗殺後ジャッキーは、周囲からは同情の目で見られるが、立場的には「元大統領婦人」。
自分と夫がやってきたことが次々とジョンソンのスタッフににより上書きされていってしまう。

夫の葬儀さえ、自分の主張が通らなくなってきている。しかし自分を主張するジャッキー。
そこには、自分とJFKの仕事とホワイトハウスでの時間を、国民の心に永遠に残して欲しかった
という強い思いがあったからだ。それが二人の生きた証だからだ。そこにジャッキーの強い
こだわりを感じるのだ。そこには大統領夫人として幸せだったのか不幸だったのか、などの
感情は入らない、入れてもらえない。ラスト。最初に流産した子と、産まれた直後に死亡した
二人の子供の棺を夫の隣に埋葬してもらったシーンにおいて、彼女のケネディ家の嫁として
またJFKの妻としての「私的な」感情が戻ってきたシーンであったように思えた。

ナタリーのジャッキーは、似ている似ていないは置いておいて、そのほとんど笑わない演技は
弱さと毅然さがよく演じられ迫力があった。
アップの多用、記者との会見は正対ショットで、いわゆる「ナメ」を使わない新鮮さ、モノクロの
映像でホワイトハウスを紹介するドキュメンタリー映画の質と、当時の音声の再現、葬儀を
中心として時折使われる当時の映像も巧みであった。ジャッキーの心情を代弁するような、
いささか大仰ではあるが、音楽も映像・物語にマッチしていたといえる。

JFKがどういう人であったかとか周囲のスタッフがどうであったか、自分の子供たちはどうで
あったかとかはあまり関係なく、「元ファーストレディ」としてどう振る舞わなければなら
なかったか、そうでなければ、自分とJFKは歴史に残らなくなってしまう、という側面を
ジャッキーサイドから描いた映画である。
故に、サースガードがいきなりボビーとして出て来るが、アメリカ人なら知っている所では
あってもこれが、弟で司法長官だったロバート・ケネディとすぐには分かりづらかろう。また
もう一人の弟、エドワード・ケネディも作品中で紹介されることはない。

ひたすら「元ファーストレディ」となってしまったジャッキーの心情が綴られる作品なのだ。
毎度のことながらRotten Tomatoesでは、玄人筋に受けが良く、一般客にはそうでもない、と
いうのも理解出来る。日本でもヒットはしづらかろう。
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<ストーリー>
1963年11月22日、ジョン・F・ケネディ大統領は、テキサス州ダラスでのパレードの最中に
銃撃される。
目の前で愛する夫を暗殺されたファーストレディのジャッキーことジャクリーン・ケネディは、
怒りと衝撃に震えていたが、悲しんでいる時間はなかった。
すぐに副大統領が新たな大統領に就任して激務を引き継ぎ、刻一刻と夫が過去の人になって
いくのを目の当たりにしたジャッキーは、彼の名前と功績が後世に残るかどうかは、
この数日間の自分の行動にかかっていると気付いたのだ。
自らの手で築き上げてきた<ケネディ伝説>を永遠にするために、ジャッキーは命の危険さえも
顧みず、最後の使命に身を投じる──。(公式HPより)

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:89% Audience Score:63%>


この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358900こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2017-04-16 16:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「人生は小説よりも奇なり Love Is Strange」
2014 アメリカ Parts and Labor.95min.
監督・(共同)脚本・製作:アイラ・サックス
出演:ジョン・リスゴー、アルフレッド・モリナ、マリサ・トメイ、ダーレン・バロウズ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

老人のゲイカップルの哀愁に満ちた話である。ゲイを主体にした映画は基本、あまり好まない
ので、どうしようか迷ったが、アメリカでの評価が高いので鑑賞してみた。短いし。
(お断りするが、私はLGBTに対し何ら偏見もない。が、映像としての男性同士の絡みが苦手
なんであります)

ショパンの曲をうまく使い、ニューヨークという都市の雰囲気の中、70歳を超える画家ベンと
やや年下の音楽教師ジョージの、老齢に及んだゲイカップルの哀愁が独特のタッチで描かれ、
ベンは最期は亡くなってしまうのだが、彼の甥の子の最期の涙とガールフレンドが象徴する
夕景は、希望よりも物悲しさが胸に広がる。監督としてはラストは若い人を登場させてカタルシスと
したかったのだろうけど、やはり映画全編に流れる哀愁の強さを、ラストだけで消すことは出来
なかった。39年もの間、パートナーとして暮らしていたベンとジョージはNY州が同性結婚を
認めたことから、晴れて結婚式を挙げ、一緒に暮らし始めた。家族を始め周囲に彼らを白い目で
みる人はいない。そこはさすがNY州である。

しかし、つまづきはジョージが教師をしている学校が、ミッション系であったことから始まる。
教区司祭の許しは得られず、クビとなり、アパートの家賃を払えず、二人は別れ別れに親戚の
家に居候することになる。せっかく一緒になれたのに、この有様。親戚に世話になりながら
肩身の狭い暮らしを余儀なくされる。もうそう長くない人生を愛する人と豊かに暮らしたいと
小さい願いも叶わないのか・・・。

主役の二人は、キャリアも長く、NYの秋を感じさせる哀愁を上手く演じ、またマリサ・トメイと
いうヴァーサタイルなキャストをしたことで、(彼女はベンの甥の妻)作品が一段と締まった
感じを受けた。
全編を流れる「愛する人との居場所」に対する哀愁に胸がつまる。LGBTに対する過剰な反発が
必要以上に描かれていないのも良かった。
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<ストーリー>
長年連れ添ってきたゲイの熟年カップルが、同性婚合法化を機に正式に結婚するも思わぬ逆風に
さらされ、改めて世間の厳しい現実に気づかされるさまと、それでも変わらない2人の深い愛情を
描いた感動のヒューマン・ドラマ。
主演は「ガープの世界」のジョン・リスゴーと「フリーダ」のアルフレッド・モリナ。
共演にマリサ・トメイ。監督は「あぁ、結婚生活」のアイラ・サックス。

 ニューヨークのマンハッタン。画家のベンと音楽教師のジョージは、連れ添って39年になる
ゲイのカップル。法律の改正によってニューヨーク州でも同性婚が認められ、ついに念願叶い
晴れて正式に結婚した2人。周囲にも祝福され、これまで以上に幸せな新婚生活が始まると
思いきや、同性婚を理由にジョージは勤めていたカトリック系の学校をクビになってしまう。
2人は瞬く間に経済的に追い込まれ、長年暮らしたアパートメントを出なければならなくなる。
こうして新婚早々離ればなれとなり、それぞれに肩身の狭い居候生活を余儀なくされるベンと
ジョージだったが…。(allcinema)

<IMDb=★6.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:95% Audience Score:66%>

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354802こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2017-04-06 22:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)