カテゴリ:洋画=さ行( 381 )

●「最高の花婿 Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu?」
2014 フランス Les Films du 24 97min.
監督・(共同)脚本:フィリップ・ドゥー・ショーブロン
出演:クリスチャン・クラヴィエ、シャルタン・ロビー、アリ・アビタン、メディ・サドゥン他
e0040938_14511152.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白いんだけど、腹から笑えない重いテーマを持っている。さすがはフランスらしい
映画だ。ヒューモアとエスプリがたっぷり効いている。この時代だからこそ出来た映画で
あろうが、中東からの難民問題は欧州での大規模テロが頻発するちょっと前だった
から、今だとちょっと作れないテーマかもしれない。
娘四人がアラブ、ユダヤ、中国、そしてアフリカ系黒人と次々と結婚するという
両親や周囲の困惑をドタバタにして描いているのだが、こんな映画を作らなくても
いい世の中が来ることを切に願う。

フランスの田舎に住むヴェルヌイユ夫妻には自慢の美人4姉妹がいる。いずれも
婚期を迎えていたが、夫妻の、自分たちも挙式した教会で娘らの幸せな姿を
みたかった。だが、次々と結婚する娘の、長女の旦那はアラブ人、次女はユダヤ人、
三女は中国人と国籍も宗教もばらばら。集まるとお互いの民族や宗教をおちょくる。
そんな夫妻にとって最後の砦は一番美女の末娘ロールであった。彼女こそは・・・、
と願うのだがそれも虚しく、ロールの相手はコートジボワールから来た黒人で
しかも役者だ。卒倒しそうな夫妻は、どうしてこうなってしまったのか悩む。

牧師さんのところに行ったり、分析医にかかったり。そしてついには離婚の危機が
訪れてしまう。末娘としても大いに悩むところだ。彼の父親も結婚には反対の
姿勢を崩さない。彼の父親も値は悪い人ではないので、父親同士で酒を飲んだり
釣りに行ったりしているうちに次第にお互いが持っていた「ある種の偏見」が
薄れてきた。最後はハッピーエンドになるのだが、きわどいセリフの応酬には
ハラハラさせられるし、両親が牧師に末娘がここで結婚することになったと報告に
行った際、牧師は姉たちの事情を分かっているので、相手がクリスチャンながら
黒人だと聞いて、笑っちゃうんだ。分かるんだなあ。笑っちゃうよなあ普通。
差別とかじゃなくて。

よほどの聖人君子でなければ、差別主義者でなくても、だれでも一瞬呼吸が止まる
であろう瞬間。娘が幸せならばそれでいい、と思っていても、である。そういう
万人の思いを上手くすくい上げ、コメディというジャンルで示して見せた。
移民国家でもあるフランス(かつて植民地を持っていた欧州の国はだいたい同じ
ようなものだ)の、(大げさに言えば)あるべき姿を示した作品と言えよう。
乾いた笑いが、陰湿な差別感を吹き飛ばす役割を担っている。
ただ、婿がみんな良いやつなんで、そのあたり若干のご都合主義を感じないでもないが。

この映画を観た殆どの人は4人娘の父母の思いはいかばかりか、良く堪えて心を
広く持てたなあ、偉いなあ、と思うだろう。おそらく今のフランスではかなりの
人がそう思えなくなってしまっているだろうから。
時間があればご覧になることをお勧めしたい作品である。2014年のフランス興収
ナンバーワンの映画だそうである。
e0040938_14514269.jpg
<ストーリー>
フランス・ロワーヌ地方に暮らす敬虔なカトリック教徒のクロードとロビーのヴェルヌイユ
夫妻には4人の娘がいた。だが、長女イザベルはアラブ人のラシッドと、次女オディルは
ユダヤ人のダヴィドと、三女セゴレーヌは中国人のシャオ・リンと結婚。娘たちのために
祝福はしたものの、教会で挙式もできずに内心はがっかり。
様々な宗教儀式から食事のルールまで、異文化への驚きと気遣いに疲れ果てていた。せめて
末娘のロールだけはフランス人と結婚してほしいと願う夫妻は、パリで暮らす末娘の恋人が
カトリック教徒と聞いて安堵する。ところが、ロールが連れて来たのはコートジボワール
出身の黒人青年シャルル(ヌーム・ディアワラ)であった。ヴェルヌイユ一家は結婚に大反対。
さらに、フランス人嫌いのシャルルの父(パスカル・ンゾンジ)も息子の結婚に異を唱え
始める……。(Movie Walker)

<IMDb=★7.0>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:---Audience Score:61%>



by jazzyoba0083 | 2017-09-18 23:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

シノーラ Joe Kidd

●「シノーラ Joe Kidd」
1972 アメリカ Universal Pictures,Malpaso Film.94min.
監督:ジョン・スタージェス
出演:クリント・イーストウッド、ロバート・デュバル、ジョン・サクソン、ドン・ストラウド他
e0040938_15361918.jpg
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
「荒野の七人」「大脱走」のジョン・スタージェスとクリント・イーストウッドの西部劇とは
一体如何なるものか、と観てみた。1972年はイーストウッドにとっては「ダーティ・ハリー」の
一作目の翌年となる。マカロニ・ウエスタンで注目され、その後も西部劇という範疇は本籍地みたいな
ものであるし、スタージェスだからな、との思い。

テクニカラーの色は綺麗だし、音楽はラロ・シフリンだし、なんだけど、なんかどっち付かずの
ピリッとしない作品になっちゃったなあ、という感じだ。メキシコ人が大きくフィーチャーされる
のだが、だいたい、アメリカはメキシコの政情混乱に乗じて国土の半分ほどを占領したり、買い
叩いたりしたので、現地のメキシカンにしてみれば白人は自分の土地を奪った悪人としか見えて
いなかっただろう。本作は1900年が舞台なので、米墨戦争からはだいぶ時間が経ってはいたが、
旧メキシコ領に入ってきていたのは、本作でのハーラン(デュバル)のような白人であった。
そのあたりを攻めてくるのかな、と思ったら、そうでもなく、メキシコ人たちを騙している
悪い白人を我らがイーストウッドがやっつけることはやっつけるのだが、思想性、政治色は
感じない。

ジョー・キッドは無頼者であり、白人側なのか、メキシコ人側なのか、判然としない。自分の
思うがままに、時にはメキシコ人も殺し、最後にはハーランをも裁判所の法廷で射殺するのだ。
まるで自分が裁判長だとでも言いたいように。ハリー・キャラハンの面影も浮かばないわけでは
ないが、はっきりした「善」対「悪」という単純な構図を、本作では感じられなかった。
イーストウッドもまだ「荒野の用心棒」のように無頼がかっこよっく、木枯し紋次郎的な
かっこよさを演出していたころなのだな。娯楽作としてはまあまあ。ラロ・シフリンの音楽は
従来の西部劇音楽とは一線を画すが、中身とあっているかというとそこまでの印象は無かった。
昔のイーストウッドがカッコイイと思える向きにはいいかもしれない。短い映画だし。
e0040938_15362614.jpg
<ストーリー>
どこへ行っても、堕落した西部の町では権力と結びついた名目だけの保安官と町の支配者たちの気まぐれに
よって、流れ者や弱者が制裁を受けるように、ここシノーラの町でもジョー・キッド(クリント・イースト
ウッド)は拘置所にぶち込まれた。彼のいい分は全然聞き入れられずに10日間の拘置と労役をいい渡された。

そこへ突然、チャンマ(ジョン・サクソン)とその一味が乱入してきた。彼らは、自分たちが住んでいた
土地を、わけのわからぬ理由をつけられ、牧場主たちに奪われてしまったのだ。そして幾度となくシノーラの
裁判所にもち込んだが、資本家側の判事(ジョン・カーター)に判決をのらりくらりとひきのばされ、
いっこうにらちがあかなかった。彼らは、保安官を監禁すると土地管理事務所に押しかけ、自分たちの士地で
あることを証明する唯一の記録を焼いた仕返しに、そこにあった書類を全部焼き払い、外で待っていたリタ
(ステラ・ガルシア)を連れてて砂塵の中に消えた。

一味が去ったあと、保安官は追跡隊をつのり、さらに大地主のハーラン(ロバート・デュヴァル)は
ラマー(ドン・ストラウド)、ミンゴ(ジェームズ・ウェインライト)など、すご腕のガンマンを引き連れ、
後を追った。またハーランは、キッドの腕を見こみ、500ドルの罰金を払ってやり、彼にも追跡を頼んだ。
キッドにしてみれば、別にチャンマたちに恨みがあるわけではなかったが、一味が自分の馬を盗んだことを
知って、1000ドルの追跡料をもらってオーケーした。翌日、さらにハーランは待ちあわせていた別のガンマン
たちを追手に加え、大勢を率いてチャンマがいると思われる岩山に囲まれた山村にやってきた。

村人たちはおびえるだけでなすすべを知らなかった。ハーランは村人たちを広場に集め、チャンマに向かって、
もし出てこなければ村人たちを殺すと宣言した。翌日から1日5人ずつ殺していくというのである。
キッドはこの処置に反対したが、ハーランに武器を取りあげられて、村人たちと一緒に教会に監禁された。

夜明け近く、キッドは、たくみな策略で教会から脱出したが、すぐその後、ハーランは人質を数人射殺した。
一方、キッドは酒場にしのび込んでリタと会い、モーゼル銃をぶっぱなしてガンマンたちを釘づけにしてから、
リタとチャンマの野営地に向かった。村人を見殺しにしたチャンマにリタは失望し、キッドはちゅうちょする
チャンマに銃をつきつけて、正当な裁判を受けるべくシノーラの町へ向かった。
ハーランも人質を釈放して、シノーラに帰ることを了承した。町に向かうキッドとチャンマの一行を、ハーランの
別働隊が狙撃してきた。この場はキッドの銃さばきで乗りこえたものの、シノーラに着いた途端、再度銃撃を
始めた。キッドはハーランの潜む酒場に列車を暴走させると、浮き足だった一味を皆殺しにし、ハーランの胸に
弾丸をぶち込んだ。(Movie Walker)

<IMDb=★6.5>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:86% Audience Score:53% >



by jazzyoba0083 | 2017-09-15 22:45 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「セルフレス 覚醒した記憶 Self/less」
2015 アメリカ Endgame Entertainment,Ram Bergman Productions.117min.
監督:ターセム・シン
出演:ライアン・レイノルズ、ベン・キングズレー、ナタリー・マルティネス他
e0040938_11004927.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

このところ、なかなか趣味の良い映画を持ってくる「キノフィルム」の配給。
本作も、結構面白く観た。ただ、伏線の張り方や回収について、「詰めが甘い」
「やり過ぎ」な部分があり、そこが残念だった。主演のライアン・レイノルズが
私にはライアン・ゴズリングと重なってみえてしょうが無いんですけど・・・。

さて、物語自体は、既視感があるようなあまり新鮮味の無いもので、無理がある
点もあるんじゃないか、と思える節もあるけど、カラダをもらった方の男の家族との
話が支えとなって、最後まで眠くならずに観終えることが出来た。

人が入れ替わる話なので、彼がこれで、これが彼か?とこんがらがるところが
あるのだが、話の面白さはそこにあるわけで、その数量的な問題がネックだった。
後から言われれば、なるほどそういうことか、と言うことなんでそのあたりの驚きは
あるのだが、そこで言われたら何でもありだよなあ、という伏線の弱さ。これは
脚本が弱いということなんだろう。

世界的建築家ダミアン(キングズレー)は余命半年ほどのガンに冒されていた。
そこに謎の男からの接触で、ダミアンの脳の中身を、生きている別の人間に
移し替えるという脱皮再生に誘われる。値段は2億5000万ドル位かかるらしい。
しかし、入れ替わった男は、自分の幼い娘を助けるためにカラダを犠牲にした
マークという男であり、定められたクスリを飲み続けないと、ダミアンは消滅し
もとのマークに戻ってしまう、ということだった。

マークという自分がこれからその男の肉体に宿るという重大な事態に、ダミアンが
相手の言いなりにならず、その男の履歴などを徹底的に調べなかったのが
トラブルの元なのだ。カラダはマークだが中身はダミアンという男が街に出てきたら
偶然の拍子にバレることだってあろうに。(マークは死んだことになって保険金が
おりているわけだから。家族親族もいるだろうし)そのあたりの説得性が今ひとつ
だったかな。

ラストに向かっていくストーリーはなかなかよろしかったのではないか。疎遠だった
ダミアンの娘に会いに行くとか。最後は結局ダミアンは消え、マークが戻り、親子
3人で、ダミアンが用意したカネでカリブ海の島で幸せに暮らしましたとさ。
e0040938_11012072.png
<ストーリー>
生きながらえるため新たな肉体に頭脳を転送された男が辿る数奇な運命を描く、
ライアン・レイノルズ主演のSFアクション。
屈強な肉体を得て、たった1人で謎の敵に戦いを挑む主人公を、レイノルズが体を
張ったアクションで演じる。監督は『インモータルズ 神々の戦い』など映像派として
知られるターセム・シン

ニューヨークを創った男と称され、政財界に強い影響力を持つ建築家ダミアン
(ベン・キングズレー)は、ガンを患い余命半年と宣告される。そんな彼に、
科学者のオルブライト(マシュー・グード)が遺伝子を培養し作った肉体への頭脳の
転送を持ちかける。ただし別人として生きることが条件であり、莫大な費用や
オルブライトの研究所にも疑念があったものの、娘クレア(ミシェル・ドッカリー)と
の関係修復ができないまま病状が悪化していき、失意のダミアンはついに決意。

引退の書類を親友のマーティン(ヴィクター・ガーバー)に託した後、オルブライトの
指示に従ってコーヒーを仰ぎ、そのまま倒れる。救急車で研究所に運ばれた彼は、
転送装置へ。68歳のダミアンの体は死に、新たな肉体(ライアン・レイノルズ)を手に
入れる。エドワードという名前で新たにスタートを切った彼は若者の暮らしを謳歌するが、
オルブライトから渡された拒絶反応を抑える薬を飲み忘れたところ、幻覚を見る。
あまりにもリアルだったため探したところ、幻覚に現れた建物は実在していた。
さらに幻覚に出てきた女性マデリーン(ナタリー・マルティネス)と会った彼は、
驚愕の事実を知る。(Movie Walker)

<IMDb=★6.5>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:19% Audience Score:46% >






by jazzyoba0083 | 2017-09-11 22:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「卒業 Graduate (名画再見シリーズ)」
1967 アメリカ A Mike Nichols Lawrence Turman Production.107min.
監督:マイク・ニコルズ 原作:チャールズ・ウェッブ
出演:ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト、キャサリン・ロス、マーレイ・ハミルトン他
e0040938_12063448.jpg
<評価:★★★★★★★★★★>
<感想>

大好きな映画である。わけの分からない最新作をWOWOWで大量に観飛ばすのもまた
楽しいが、ちょっと立ち止まって、過去の名作をもう一度鑑賞してみようと思い立った。
Blu-rayを購入。特典映像で、作品の裏側まで覗けて面白かった。

さて、百家争鳴の本作、アメリカン・ニュー・シネマの先鞭を付けた作品として、
2つのジェネレーションの対決を描いたものとして、いわゆるアメリカ的正義に
対抗したカウンターカルチャーの代表として語られる、メタファーの塊みたいな
作品と論じられる場合が多いが、未見の方は、まずは深掘りなしで観ていただき、
その後論評に触れて欲しい。それでないとまずストレートに感じる素晴らしさが
減ってしまうと思うのだ。

一度観て、再見すると、マイク・ニコルズの作劇テクニックやメタファーが
確認出来て更に面白くなるだろう。
本作、公開されたのが1967年。まさにケネディ暗殺、公民権運動、泥沼のベトナム戦争、
アメリカのこれまでの価値観がひっくり返る時代を迎えていた。私はと言えば高校1年生。
大学紛争前夜。ただ、アメリカがただならぬことになっていることは薄々分かっていた。
そして本作に触れたのは恐らく大学に入ってからだと思う。ベンジャミンはこの映画では
21歳。私と余り違わない価値観の大転換のただ中にいたわけだ。私のエネルギーは
校則粉砕というような同じようなベクトルのエネルギーとなっていくわけだが。

政府や警察といった権力、親、宗教、それまで主にWASPによって支えられてきた
アメリカ的倫理が、嘘であったことがバレてきた時代で、若者は怒り、文化の面では
カウンター・カルチャーとして登場してきた。ロックであり、ヒッピーであり、ドラッグ、
フリーセックス・・・。そうした背景が、本作にはしっかりと提示されていることが
分かる。

ベンジャミンは東部のアイビーリーグを卒業し、カリフォルニアに帰ってきた。
奨学金を貰い、スポーツ万能、大学新聞の編集長という輝かしい経歴を持って。
ただ彼は不安だった。これから何をしていいのか分からないのだ。これまでは
大学を卒業して親の言うことを聞いて大企業に入り結婚し子どもをつくり郊外に
家を建て幸せな家族を作っていく、という「既成概念」が当たり前だった。
ベンジャミンは、何か違う、と思っているのだ。彼の卒業パーティーで客から
「これからどうするんだ」と聞かれ「何か違うものになりたい」とまさにこれまでの
親のレールには乗りたくない、自分というものを確立した人生を送りたいと
漠然と思ってはいたのだが、それがなんだか分からない。

そこにミセス・ロビンソンの登場である。彼女はベンジャミンを誘惑、娘の
エレーンに近づくことを禁ずる。ミセス・ロビンソンは「旧体制のメタファー」と
して捉えられる。ベンジャミンが乗り越えなくてはならないレジュームなのだ。
更に彼女はかつて大学で美術を学び、ベンジャミンと同じく「違う何か」に
なりたかった。しかしエレーンを妊娠してしまい、その時代の流れで結婚となり
諦めてきた部分がある。そんなミセス・ロビンソンにしてみればベンジャミンは
眩しくて仕方がない。古さに取り込んで、(自分の娘=新しい時代=と張り合って)
絡め取りたいという欲求を押さえられない。酒とタバコとセックスレスの人生で
あったのだ。

旧世代対新世代とのジェネレーションを描くメタファー(のようなもの)として
パーティー会場に降りていく階段にあるピエロの絵。パーティーで客から言われる
「これからはプラスチックだ」(本物そっくりに出来る実は偽物)というセリフ、
ミセス・ロビンソンと逢引をするホテルで中からじいさんばあさんがぞろぞろ出てきて
やっと自分が入ろうとすると、後ろから金髪白人の青年たちが先を越して入って
いってしまう、というシーンなどはベンジャミンの心境そのもので分かりやすかろう。
21歳の誕生日に贈られた潜水服一式でのプールの中の彼。またエレーンが通っていた
UCバークレーはその後カウンター・カルチャーの総本山的存在となり、エレーンを
追いかけてバークレーに行くベンジャミンは、旧価値観との決別と、自分を自分らしく
確立するという決意のメタファーであろう。
教会に向かうアルファロメオがガス欠で止まってしまい、それを捨てて走る、という
シーン。町山智浩氏は親がくれたものを捨てる=古い価値観を捨てる=メタファーである
と解説していた。(教会でガラス壁を叩いて叫ぶシーンが十字架のキリスト、とかは
穿ち過ぎじゃないか。ただ、十字架を振り回し、ドアの鍵にしてしまう、というシーンは
旧来の宗教観の破却と見ることもできよう。小道具さんのとっさの判断だったかも。)

そして、以上のような深読みをしなくたって明らかに分かるラストシーンの主張が
この映画の最大の見事さであろう。教会からエレーンと走り去ったベンジャミンは
ちょうど通りすがったバスに乗るのだが、二人が笑顔であったのはほんの一瞬。次第に
顔がこわばり、二人の顔は緊張したものに変わる。そしてバスは走り去っていくのだが、
まさに自由を求めて親の庇護から抜けて来た二人だが、その先に保証されたものは
何もないわけだ。その不安。当時の若者が、昔からの大人が作った世界を嫌い、自由な
生き方を求め自由に生きようとするのはいいが、それがどんなに難しいことかを思い
知ったことだろう。やがてカウンター・カルチャーの時代は終わり、ヒッピーはヤッピーに
なっていく時代がやってくるのだ。そんな時代の不安感が実によく出たラストシーン。
映画史に残るラストシーンといえよう。
e0040938_12070802.jpg
e0040938_12074396.png
最後になってしまったが、サイモン&ガーファンクルの音楽を忘れることは出来ない。
映画と音楽がこれほど見事にシンクロしたケースも余りあるまい。しかも、既成曲を
使っている。(ミセス・ロビンソンだけは歌詞を入れ替えた)S&Gが当時あの美しい
メロディーの中で歌っていたことももまた、当時の若者の心境であったのだ。しかも
アッパーミドル階級を描いた作品にイメージがバッチリ合った。あれがボブ・ディランで
あるわけにはいかないのだ。ジャズファンからすれば、S&G以外の音楽をデイヴ・グルーシン
が手がけていたことにエンドロールを観て驚いた。

更にベンジャミンの服装。ボタンダウンにレジメンタルタイ、あるいはヘリンボーン
ジャケットにニットタイ。細身のパンツにローファー。これはどこから観てもアイビー
リーグである。それがラストになると、ポロシャツにパーカー。エレーンも自宅に
帰ってきたドレスとバークレーにいる時に服装が映画の主張にマッチしているのだ。

マイク・ニコルズの作画についても触れておかねばなるまい。ベンジャミンの心理を
語る結構長いズームイン、ズームアウト、裸になったミセス・ロビンソンのモンタージュ、
ホテルのカウンター越しでのホテルマンとの会話シーン、走るアルファロメオの俯瞰
シーン、アップの使い方、などなどテンションの高いカットが多い。心理を見事に
切り取っている。(編集も上手いのだけれど)

※このシリーズではストーリーは書きません。

<IMDB=★8.0>
<RottenTomatoes=Tomatometer:91% Audience Score:90%>






by jazzyoba0083 | 2017-09-07 22:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「シークレット・アイズ Secret in Their Eyes」
2015 アメリカ IM Global,STX Entertainmet. 111min.
監督・脚本:ビリー・レイ
出演:キゥエテル・イジョフォー、ニコール・キッドマン、ジュリア・ロバーツ、アルフレッド・モリナ他
e0040938_11470082.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
Rotten Tomatoesの評価などは異常に低いが、私は面白く見た。メインストーリーについては。
ただ、イジョフォー、キッドマン、ロバーツの恋や愛情のブロックが今ひとつ締まらない感じで
そこがマイナス点となり、映画全体のテンションを下げてしまったような気がした。あれはあの程度で
いい、と感じる方もいるだろう。微妙である。

ラストのどんでん返しは予想が出来なかった。重苦しい映画だ。自分の娘が強姦殺人の被害者になって
しまった女性警官ジェス(ロバーツ)、その遠因を作ってしまい、13年間悩み続けるジェスの親友
FBI捜査官レイ(イジョフォー)、その事件を担当する検事補~検事クレア(キッドマン)。
それぞれの13年間の息も詰まるような人生が私には感じ取ることが出来た。
ラストでその13年の呪縛から開放された笑顔がカタルシスである。そこは分かりやすく、良かった。
カットバック構成がやや苦しいがストーリーの運びもうまく構成されいて緊張の継続が上手く図られて
いる。真犯人に至るまでの誰が犯人か、とい人物特定がやや、ややこしいかもしれない。

それと9.11直後のLAのテロに対する異常な緊張感というものが、警察や司法の目を曇らせてしまった
様子、目の前の殺人犯より、起こるか起こらないか分からないテロの恐怖への対策のほうが勝ってしまう
という現実は実際にあったろうなあ、と想像は出来る。

13年前と現在を行ったり来たりの映像構成なので、時々どっちで起きている出来事か分からなく
なる点はあった。ただ女性は髪を切ったり、男性は白髪にしたりと工夫はしているが。それにしても
本作の撮影監督の実際の奥さんでも有るジュリア・ロバーツ、老けたなあ。(老け役なんだけど)

ロバーツの娘が強姦殺人の被害者となる。容疑者は警察にモスクの情報を流す情報屋であることは
わかった。だが、テロ対策班は、テロの次の標的はLAだという恐怖心から情報屋を失うことを
恐れ、真犯人逮捕をあの手この手で妨害してくる。当時、NYからテロ対策応援で来ていたイジョフォーは
犯人の逮捕を主張するが、ついにはFBIを去ることになる。

イジョフォー、13年間全米の服役者と、当時の犯人の写真を見比べてとうとうその男を突き止めた、と
思ったら実は違っていた、というのは映画のラストに分かる悲劇である。やはり母の思いの重さを感じる
映画であろう。本作、実はリメイクで、オリジナルはアルゼンチンの「瞳の奥の秘密」である。
オリジナルも機会があれば是非観てみたい。
e0040938_11473046.jpg
<ストーリー>
第82回アカデミー賞で外国語映画賞に輝いたアルゼンチン発の人間ドラマ『瞳の奥の秘密』をベースに、
過去の未解決事件の謎を解くために捜査を開始した3人の男女が辿りつく驚くべき真実を描き出すサスペンス。
娘を殺された検察局捜査官をジュリア・ロバーツ、エリート検事補をニコール・キッドマンが演じ、初共演を
果たす。

元FBI捜査官レイ・カステン(キウェテル・イジョフォー)は夜ごとパソコンに向かい、アメリカ中の受刑者の
写真を調べていたが、どうしても見つけられない男がいた。13年前の2002年、9.11アメリカ同時多発テロ
事件の衝撃からロサンゼルスの検察局に設置されたテロ対策合同捜査班に、現役FBI捜査官だったレイは
ニューヨークから派遣された。
そこで検察局捜査官ジェス・コブ(ジュリア・ロバーツ)とコンビを組み、さらにエリート検事補のクレア・
スローン(ニコール・キッドマン)も加わる。

捜査チームがアル・アンカラ・モスクの監視を続けるなか、モスクの隣の駐車場から女性の死体が発見され、
レイはチームのシーファート(マイケル・ケリー)、バンピー(ディーン・ノリス)と現場に向かう。
そこで、シングルマザーのジェスの娘キャロリンの変わり果てた姿を見て、レイは言葉を失くす。ジェスとは
親友でもあり、キャロリンを娘同然の存在に思っていたレイは、必死で手掛かりを探す。
そして、捜査課のピクニックの時の写真で、キャロリンを見つめる不審な男に気づく。男はモスクに出入り
していると判明するが、まもなく逮捕されたのは別人だった。そして、FBI内部の事情により、容疑者は
釈放されてしまう。

あれから13年が経ち、遂にレイは受刑者の写真から容疑者を見つけたと確信し、検事になったクレアと
捜査主任に昇格したジェスを訪ねる。罪悪感に苦しみ続けたレイの執念が実り、とうとう容疑者逮捕への
手がかりを見つけるが、事件の解決に近づくうちに思いもよらない現実が立ちはだかる……。(Movie Walker)

<IMDb=★6.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:38% Audience Score:42% >




by jazzyoba0083 | 2017-09-04 23:00 | 洋画=さ行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「スター・トレック BEYOND Star Trek Beyond」
2014 アメリカ Paramount Pictures,Sky Dance,Bad Robot,and more.123min.
監督・(共同)製作:ジャスティン・リン (共同)脚本:サイモン・ペッグ
出演:クリス・パイン、ザカリー・クイント、ゾーイ・サルダナ、カール・アーバン、アントン・イェルチン他
e0040938_13234688.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
1979年にスタートした劇場版「スター・トレック」もすでに13作目となった。オリジナルに対し
話のどこかで関連性を持たせながらも、全く新しいクリス・パインシリーズになってからもも3作目。
今回はJ・J・エイブラムズはプロデューサー側にまわり、監督はジャスティン・リンに変更された。

なんか久しぶりで本作シリーズを観たので、宇宙の勢力分野はまったく分からなくなっているのだが
本作は、前作までのことを知らなくてもストーリーを追うことが出来る。クリンゴンとか出てこないから。
全く新しい話として観ることができる、ということ。これまでを知っている人には関連性がやや薄いかも。

先日のスパイダーマンもそうだったけど、この手の映画の肝の一つに分かりやすい、ということがある。
その点本作は、敵対するグループ(実はかつての仲間だったりするのは既視感がりだが)と、
エンタープライズの一行との対決、これに、今後は仲間に入ること間違いないソフィア・ブテラ(メイク
していので誰だかわからない。性格のいい娘なので、もう少しキャラや能力をクローズアップしても
良かったんじゃないかなあ。

エンタープライズ一行に助けを求める女性(だと思う)、彼女の懇願で、一路助けに向かうが、
実は、そこにはクラールという一族が待ち構えていたのだ。助けを乞うた女性は騙すつもりでは
なかったのだが、自分の星を助けてほしいと。このクラールの舞台の、まさに雲霞の如くの攻撃船と
強力な武器で、エンタープライズはかつて無いほどのダメージを負うことになる。機体がバラバラに
なったため、脱出ポッドでクラールの星に降りるのだが、敵の攻撃はなかなかタフであり、さらに
中継点の大型宇宙基地「ヨークタウン」に攻撃に向かう。しかも、太古の宇宙で、2つ合わさると
とてつもない災を起こすというので、先祖が2つに割って宇宙にほかった石を彼らは手にしてしまったのだ! 

この敵の親分というのが、かつて連盟に打ち捨てられた将軍の進化した姿だったのだ。悪さ百倍!って
やつだ。まあ、正義は最後には勝つわけだが、全体として、良いもんと悪もんの位置づけ、悪もんの
正体、スポックとウフーラの恋の行方、全壊したエンタープライズの再建、など、手堅くまとめ、
3Dだったら迫力あるだろうな、というシーンもあって、平均以上の出来ではあった。サイモン・ペッグが
脚本に入って、TV版で観ていたユーモアやペーソスが効いたのではないか。
ただ、分かりやすいが故に、ストーリーにおける緊張感、という点については凡庸のそしりは出るだろうな。
更にこの映画の完成を待たずて、宇宙の彼方に旅立った、レナード・ニモイとアントン・イェルチンに
捧げられている。
さて、次作チェコフはどうするんだろう。
e0040938_13241667.jpg
<ストーリー>
往年の大ヒット・ドラマ・シリーズを「M:i:III」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の
J・J・エイブラムス監督がリブートしたSFアドベンチャー大作のシリーズ第3弾。深宇宙へ
向けて航行を続けていたエンタープライズ号が惑星連邦を否定する新たな敵と遭遇、連邦の理念を
守るべく過酷な戦いに身を投じるカークたちクルーの運命を描く。
出演はクリス・パイン、ザカリー・クイント、ゾーイ・サルダナらレギュラー・メンバーに加え、
新たにイドリス・エルバ、ソフィア・ブテラが参加。監督は前2作のJ・J・エイブラムスに代わり、
「ワイルド・スピード EURO MISSION」のジャスティン・リンが務める。
また本作は、長年スポック役としてファンに愛され、2015年に惜しまれつつこの世を去った
レナード・ニモイと、本作にもチェコフ役で出演し、全米公開直前に事故で急死した
アントン・イェルチンの2人に捧げられている。

 5年におよぶ宇宙探査へと旅立ったエンタープライズ号。それから3年あまりが経ち、ジェームス・
T・カークの中には艦長という役目に対する迷いが生じていた。一方、副艦長のスポックもまた別の
理由から迷いを抱えていた。そんな中、宇宙基地ヨークタウンに寄航したエンタープライズ号一行は、
そこで未知の宇宙船に乗る女性から仲間の救助を求めるメッセージを受け取り、すぐさま救出へと
向かう。しかしそれは巧妙な罠で、エンタープライズ号はクラールという異星人からの襲撃を受け
不時着を余儀なくされ、クルーたちもバラバラになってしまうのだったが…。((allcinema)

<IMDb=★7.1>
<Rottten Tomatoes: Tomatometer: 84% Audience Score:80% >







by jazzyoba0083 | 2017-08-22 23:15 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「スパイダーマン:ホームカミング Spider-Man:Homecoming」
2017 アメリカ Columbia Pictures,Marvel Studios,Pascal Pictures. 133min.
監督・(共同)脚本:ジョン・ワッツ
出演:トム・ホランド、マイケル・キートン、ジョン・ファブロー、ゼンデイヤ、ドナルド・グローヴァー
   マリサ・トメイ、ロバート・ダウニーJr、グィネス・パルトロウ、クリス・エヴァンス他
e0040938_21484357.jpg
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
「スパイダーマン」が、マーヴェルのヒーローたちが同一世界観の中で活躍するシリーズ
”マーヴェル・シネマティック・ユニバース”作品群の一つとして描かれる第一弾。
アヴェンジャーズをからめるあたり、マーヴェルのあざとさは感じるが、本作に限って言えば
アメコミヒーローものの原点に戻った感じがとても清々しかった。サブタイトルのホーム
カミングという言葉も、本作のストーリー上のことだけではなく、私が感じた原点回帰、と
いう意味合いもあるのではないか、と思うのだ。

マーヴェルにせよDCにせよ、アメコミのヒーローは、勧善懲悪の痛快アクションとして始まる
のだが、続編を重ねるに従い、内省的になり、やたら人間臭くなったり、また単独では客が
呼べないとなると、ヒーローを複数重ねてみたりで、何だかアメコミの本来持っているカタルシスとは
離れてしまい、それはそれなりに面白かったりもするのだが、私としては「アメコミ・ヒーロー」は
こうでなくっちゃ!という楽しみが、本作では戻っていたのだ。

つまりボーイミーツガールだったり、やたらメカやITに詳しい親友がいたり、カッコいいメカや
痛快なアクション(多くはカーチェイスだったり空中戦だったりするのだが)により、苦難を
乗り越えて悪に勝つ、という単純明快なものがいいのだ。

その点、本作は、これまでの「スパイダーマン」はご破算にして、おばさんちに世話になって
いるくらいで、あとはまったく新作として観られる。まあ、主人公ピーター・パーカーが
蜘蛛に噛まれて体に変化が起きた、とかは不変であるのだが。そのピーターは、アヴェンジャーズ
の前作「シビルウォー」にちょっと出てきていて、これはその続きということもいえる。

純粋なスパイダーマンファンとしてみれば、アヴェンジャーズ文脈で語られる彼の活躍は面白さ
半分になっちゃうと感じる方もおられるかも知れない。でも、アイアンマン=トニー・スタークら
の登場は必要最低限に抑えられていて、主人公はピーター・パーカー=スパイダーマンであることは
間違いない。前作でスタークに認められたピーターは、スタークの会社でインターンシップとして
勤めつつ(高校生ではあるのだが)何とかアヴェンジャーズの一員として認めてもらいたく、高校生
らしい活躍で頑張る。一方で高校では一目惚れしたミシェル(ゼンデイヤ)も何とかしたい。
そして彼の正体を知るただ一人の親友ネッドとの友情、など青春モノアメコミに必要不可欠なものは
全部揃っている。それがいろいろと入り組んで、(お約束だけど)ミシェルの父親のことなど
「分かり易く」綴られていくわけだ。

その「わかりやすさ」も、アメコミ・ヒーローものでは大切な要素であって、分かりやすくなければ
痛快さが痛快と感じなくなってしまう。人間関係がやたらに複雑であったり、敵味方の構図がややこ
しかったりすれば、字幕を追うものとしては余計にストレスが募るというものだ。

本作では以上のような理由とマイケル・キートン、マリサ・トメイ、ジョン・ファブローらの渋い名優を
配して、演技を固め、お約束のストーリーの並びとなってしまう構成に締まりを与えていた。
特に、マイケル・キートンの悪役は今後も出てきそうで、(「バードマン」をおちょくったような
メカニズムだったですねえ)良かった。でも、冒頭の廃品回収業者風が実はめちゃくちゃなテクノロジーの
使い手だったとはビックリ。(コミックらしくてよかったけど)まあ、アイアンマンがぶっこわしたものを
スタークが回収して儲ける、という構図は納得行かないのはよく分かる。マッチポンプだものね。

今回IMAX 3Dで鑑賞したのだが、始まった瞬間、「お??」という感じ。これまでのIMAX 3Dとは違う
感じを受けた。まるでゴーグルをはめて、VRを観ているような。だから画面のデカさとかは感じない。
そのかわり奥行き感は自然で豪華。スパイダーマンの空中遊泳や、アヴェンジャーズの空中戦には
迫力満点だろう。今回もこの映像効果がすごく作品にいい影響を与えていた。ただ、字幕は真正面から
観ないと、ちょっと首をかしげると字がダブって見えてしまう。

さて、毎度おなじみのラスト。次作の約束をして終わるのだが、次作もこんな感じの分かりやすさと、清々しい
カタルシスを感じさせて貰いたいものだ。ところで間もなく封切られる「ワンダーウーマン」は、どういう
出来だろう。
e0040938_21491232.jpg
<ストーリー>
アイアンマンやキャプテン・アメリカなど“アベンジャーズ”を中心にマーベル・ヒーローが同一世界観の
中で活躍する“マーベル・シネマティック・ユニバース”作品群の一つとして描かれる新シリーズの第1弾と
なる痛快エンタテインメント青春アクション大作。
アイアンマンに憧れ、アベンジャーズ入りを夢見る15歳の青年の葛藤と成長を、ヒーローとしての
華々しい活躍に普通の高校生の瑞々しい青春模様を織り交ぜ描き出す。
主演は「インポッシブル」「白鯨との闘い」のトム・ホランド。共演はアイアンマン役のロバート・
ダウニー・Jrのほか、マイケル・キートン、ジョン・ファヴロー、ゼンデイヤ、マリサ・トメイ。
監督は「クラウン」「COP CAR/コップ・カー」で注目され、長編3作目の本作でいきなり
ブロックバスター作品に大抜擢となった新鋭ジョン・ワッツ。

 ニューヨークに暮らす15歳の高校生、ピーター・パーカー。憧れのトニー・スターク=アイアンマンに
見込まれ、彼が開発した特製スーツに身を包み、スパイダーマンとして街のパトロールに精を出しながら、
早くアベンジャーズの一員になりたいと夢見ていた。そんな中、スタークに仕事を奪われ復讐に燃える
男エイドリアン・トゥームス=バルチャーが、地球外の物質から強力な武器を作り出し、ニューヨークを
危機に陥れようとしていた。アベンジャーズに任せろとのスタークの忠告にもかかわらず、一人前の
ヒーローとして認められたいと焦るピーターは、たった一人で敵に立ち向かおうとするのだったが…。
(allcinema)

<IMDb=★7.9>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:92% Audience Score:90%>



by jazzyoba0083 | 2017-08-12 11:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

シン・ゴジラ(2度目)

●「シン・ゴジラ」(2度目)
2016 日本 東宝映画 120分
総監督・脚本:庵野秀明  監督・特技監督:樋口真嗣  音楽:鷺巣詩郎
出演:長谷川博己、石原さとみ、竹野内豊、高良健吾、松尾諭、市川実日子、余貴美子、國村隼
   平泉成、柄本明、大杉漣、ピエール瀧、小出恵介、松尾スズキ、古田新太、光石研ほか

<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
ちょうど一年前の今頃、「君の名は。」と並んで映画館を賑わせていた。この度WOWOWでも
放送する時期となり、映画館でもしっかり面白かったので、二度目もきっと面白いに違いないと
録画して鑑賞した。
(初見の感想は下記をご参照ください)

初回の感想とは大きく変わらないのだが、やはりゴジラ=福島原発というイメージが更に
強く感じられた。「会議は踊る」の役人たち、決断出来ない政治家、都合のいいことばかりの
米国。こうして見直すと、本作は怪獣映画ではなく、政治ドラマなんだ、ということを確信し
たのだった。ゴジラは原発の、融通の聞かない官僚や無能な政治家の、自分のことだけしか考え
ないアメリカの、日本にとってのいろんな不都合のメタファーの集合体であり、なかんずく、
人類とは共生しえない原子力、というものの置換に他ならないなあ、と強く感じた。
★を9とさせて頂いた。

演技陣で言えば、はやり石原さとみの浮き加減が半端ないなあ、と。(苦笑)

ストーリーその他については上記リンクからご参照ください。
e0040938_15400498.jpg


by jazzyoba0083 | 2017-08-09 23:15 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

S・W・A・T

●「S・W・A・T 」
2003 アメリカ Columbia Pictures Co.(a sony company) 111min.
監督:クラーク・ジョンソン
出演:サミュエル・L・ジャクソン、コリン・ファレル、ミシェル・ロドリゲス
   ジェレミー・レナー、オリヴィエ・マルティネス他
e0040938_12381359.jpg
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

暑気払いのつもりでスカッとしたアクションものが観たくて鑑賞。
う~ん、クルマの壊しっぷりはまずまず、LAPD全面協力のカーチェイスも
まずまず、キャストも若きジェレミー・レナーとか、隣のおばちゃんに
ちょこっとオクタビア・スペンサーの顔が観られたり、出ている人もそこそこ。

冒頭のSWAT対銀行強盗、テレビ画面の再撮風映像を使ったり、なかなか
魅せる。さらにこれがコリン・ファレルとジェレミー・レナーの5年続いた
相棒の決定的な解消に至るエピーソードのなったいる仕掛け。

腕に自慢のジェレミーは銀行強盗を人質越しに射殺したが、人質にも怪我を
させてしまう。これを見咎めた幹部から大目玉を食らうのだが、ジェレミーってば
頭に来て警察辞めちゃうんだよなあ。でコリンの方も武器倉庫係に左遷。

これが話のベースで、それから6ヶ月(ジェレミーがこれで出演終わりということ
はないので後から何かの形で出てくることは分かり易いが)。サミュエルの下で
またSWATが結成される。やがてやってきた世界中から指名手配中の悪人の
護送を任される。あっという間に捕まるのだが、護送の途中に「おれを助ければ
1億ドルやるぞ」との声がマスコミに乗り、世界中からカネ目当ての悪党たちが
LAにやってくる・・・。

1億目当てにそんなに世界中から悪党が来るかね。貰える保障がどこにあるかね?
ジェレミーもそんな1人でカネ欲しさにこの犯人を逃がす立場に回る。またSWATの
仲間にも裏切り者が・・・護送の途中で、いろんな攻撃に会い、犯人は自家用ジェットを
橋に着陸させて、高飛びする計画だ。しかし、ジェレミーの計画、短い間によく練って
仲間をオーガナイズしたものだねえ(苦笑)

最後はもちろん正義は勝つわけだが。上映時間も長すぎで、世界中から指名手配の
犯人アレックスの迫力が無かった。もう少し暴れさせたほうが面白かったのでは?
「暑気払い」としてはまあまあかな。
勇者を集める「アヴェンジャーズ」や、普通の警官の手に負えない現場にかけつけ
るイメージは「第七騎兵隊」の、アメリカ人が好きな骨格が見えてくる。
e0040938_14051167.jpg
<ストーリー>

'70年代の人気テレビ・シリーズを映画化したサスペンス・アクション。エリート
警官たちを集めた特殊部隊S.W.A.T.の活躍を、スリリング&ドラマチックに描く
痛快作だ。

悪名高き麻薬王アレックス(オリヴィエ・マルティネス)が逮捕された。FBIの
もとへアレックスを護送するのは、ホンド巡査部長(サミュエル・L・ジャクソン)を
指揮官とする、結成まもない6人のS.W.A.T.精鋭部隊。約6ヶ月前、S.W.A.T.隊員の
ストリート(コリン・ファレル)は、強盗事件にあたっていた。
しかし、パートナーであるギャンブル(ジェレミー・レナー)の判断ミスから、
2人はS.W.A.T.を追放される。処分に納得できず、ギャンブルは警察を去る。

降格処分を受け入れ、S.W.A.T.に戻る機会を待つストリート。親友2人は別々の
道を選び、この選択が運命を大きく変えるのだった。武器管理に降格された
ストリートに、復帰のチャンスが訪れた。ホンドが新チーム結成の指令を
受けたのだ。選ばれたのはストリートのほか、女性のサンチェス(ミシェル・
ロドリゲス)、ディーク(LL・クール・J)、マイケル(ブライアン・ヴァン・
ホルト)、マッケイブ(ジョッシュ・チャールズ)の5人。

しかし連行中のアレックスが、報道陣に宣言する。「俺を逃がした奴に、
1億ドル払う」と。この逃亡宣言はトップニュースとして放送され、報酬を狙う
者たちで、街は溢れかえる。混乱の中、6人は護送ミッションを決行する。
380万人の市民が、すべて敵かもしれない混沌のロサンゼルス。しかし、敵は、
ロス市民だけではなかった。ニュースを見る者の中に、ギャンブルの姿もあった。
金、誇り、希望。全てを失い、残っているのはS.W.A.T.で培った戦術。
ギャンブルは、持っている力で、1億ドルを手に入れる決意を固める。
今、S.W.A.T.の手の内を知り尽くすギャンブルが、最強の敵となりホンドたちを
襲う……。(Movie Walker)

<IMDb=6.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer=48% Audience Score:52% >




by jazzyoba0083 | 2017-07-24 23:35 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ジョン・ウィック:チャプター2 John Wick:Chapter 2」
2017 アメリカ Summit Entertainment and more.122min.
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーヴス、コモン、ローレンス・フィッシュバーン、リッカルド・スカマルチョ、フランコ・ネロ他
e0040938_20063018.jpg
<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
前作WOWOWで観て、なんだかなあ、という感想を持っていたのに、本作、やっぱりアメリカでの評価が
やたらに高いので、一応確認の為にシネコンに行った。
(前作の感想は http://jazzyoba.exblog.jp/24566950/ こちらでご確認ください)

で、本作。やっぱり私にはダメだった。色んな人がブログにアップしてあるので読まれると宜しいが、
だいたい似通った感想を持たれるようだ。「ストーリーがない」。私としては「スカスカ」。
まあ、アクション(ガンフーっていうんですか?)が見どころで、接近戦での銃撃とかが迫力が
あるようなんだが、キアヌの体がいまいち締まってないのか、アクションのキレが今ひとつ。

前作の復讐譚もかなりムリ線ではあったけど、許せる範囲ではあった。だが今度の復讐劇は、
シンパシーというか、入ってこない。復讐のために仕立てられたストーリーで復讐をしているようで。
やっぱりガンフーを見せるために、ストーリーを逆算した、というウラミが見え隠れする。
前作の5日後に本作がスタートする。いきなりカーチェイス。なんだなんだ、と思っていると、
キアヌが前作で奪われた愛車マスタングを奪い返しに行くところなんだね。とことが、奪い返した
はいいけど、ボコボコにしちゃうんだよなあ。

誓印とか、、「主席」とか、よく分からんし。ローマでのコンスタンティンホテルでのライバル
との一件、二人モツレてガラスを破って飛び込んだホテルがたまたまそこって、ねえ。
で、偉い人が現れると争いは止めて、バーで酒を飲んだりしているし。本気で殺し合う気がある
のかよ、というね。この二人地下鉄内でナイフでやりあうんだけど、激しい格闘をしてきた割には
最後は地味めだったりするし。あ、、いきなり本作を見ると、置いていかれる部分が多いですわ。
暇な人がキアヌが何人殺しているのか数えたのだそうだが、128人だったそうだ。(苦笑)

キアヌの首に700万ドルの懸賞金が掛けられると、ニューヨーク中が暗殺者みたいになったり、
キアヌはそれを見抜いて銃で撃つんだけど、どこを見ると暗殺者と分かるんだろう。
地下鉄を歩きながら消音器付き銃で撃ち合う滑稽さとか、なんだなんだ、これはコメディか?と
突っ込みたくなる。そんな箇所がいっぱい出てくるんでねえ。故に、アクションのみを楽しむ
映画、と言い切っていいだろう。アメリカでの評価が高いのは、彼の国では、この手の受けがいいのかねえ。
日本のシネコンはガラガラだったけど。すでにチャプター3の製作が決まっているようだけど、
もうシネコンには行かないだろうな。と言うか、心配なのはこの監督が、大好きな「デッドプール」の
続編を作るっていうじゃないですか!大丈夫か?
e0040938_20063869.jpg
<ストーリー>
最強の殺し屋ジョン・ウィックの復讐劇を描く、キアヌ・リーヴス主演のサスペンス・アクションの続編。
ヨーロッパを舞台に、殺し屋ジョンと世界中の殺し屋との戦いが繰り広げられる。前作では銃とカンフーを
融合させた“ガンフー”が話題となったが、本作ではガンフーと車でのアクションが融合した“カーフー”を
披露する。

伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)による壮絶な復讐劇から5日後。ロシアン・マフィアの
残党から愛車フォード・マスタングを奪い返した彼のもとにイタリアン・マフィアのサンティーノ・
ダントニオ(リッカルド・スカマルチョ)が姉殺しの依頼にやってくる。彼はかつてジョンが殺し屋業界を
引退するために課された実現不可能とされたミッションを助けたことがあった。しかし平穏な隠居生活を
望むジョンは彼の依頼を一蹴。サンティーノの怒りを買ったジョンは、想い出の詰まった家をバズーカで
破壊されてしまう。愛犬と共に一命をとりとめたジョンはサンティーノへ復讐を開始。だが命の危機を
感じたサンティーノは、ジョンに7億円の懸賞金を懸け、全世界の殺し屋がジョンの命を狙い始める……。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.7 >
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:89% Audience Score:86%>



by jazzyoba0083 | 2017-07-14 14:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)