カテゴリ:洋画=た行( 226 )

戦う翼 The War Lover

●「戦う翼 The War Lover」
1962 イギリス Columbia Pictures Co,. 105min.black&white
監督:フィリップ・リーコック
出演:スティーブ・マックィーン、ロバート・ワグナー、シャーリー・アン・フィールド、マイケル・クロフォード他
e0040938_13223547.jpg
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想:結末に触れています>

第二次世界大戦、イギリスに駐在したアメリカ空軍爆撃隊を舞台にした、マックィーンとワグナーの
男同士の、また恋人を巡る駆け引きをモノクロで描く。マックィーン主演作品で、この時代のものは
なかなか観る機会がなく、WOWOWで放映してくれたので録画して鑑賞した。

マックィーンは本作製作翌年にジョン・スタージェス作品「大脱走」に主演する。そういう時期だ。
優男ワグナーは人気が出るTVシリーズ「スパイのライセンス」まで、まだ6年を必要としていた。
二人は同じ年に生まれ、マックィーンは残念ながら他界しているが、ワグナーは健在である。
御年87歳になられるはずだ。ワグナーの恋人ダフニーを演じたシャーリー・アン・フィールドも
ご健在で、79歳。以上は映画の出来には関係ない余談。

本作は白黒映画であるが、当時はカラーと白黒が結構入り乱れていた時期のようだ。1962年製の映画を
表彰した第35回アカデミー賞(司会はフランク・シナトラ!)の各賞受賞作を見ると、作品賞の
「アラビアのローレンス」はカラーの大作、一方、主演男優賞に輝いたグレゴリーペック「アラバマ物語」は
白黒だ。美術賞も白黒部門とカラー部門に別れていた。それとこの時代はまだ先の大戦を描いた(特に戦闘)
作品も多かった。先に触れたように「大脱走」「史上最大の作戦」「ニュルンベルグ裁判」「ナバロンの要塞」
などなど。
故に本作も、白黒の欧州大戦もの、という当時としては製作されるべくして製作された作品といえる。
カラーでも良かったような気もするのだが、当時の映像を挿入したりすると白黒のほう粗が見えづらいという
ことでろうか。
内容は先に書いたような、空の男の相克と、恋の鞘当てという単純なストーリーで特に見るべきものはない。
ただ、まだ終戦後17年、「空の要塞」といわれた欧州戦線期待の爆撃機、B-17も沢山実機があったようで、
その編隊の迫力や、実物の胴体着陸などは、好きな人にはたまらないだろうし、実際迫力もある。
冒頭で米英空軍に対する謝辞が字幕で出るが、軍隊全面協力だったのだろう。

物語として一番の見どころは、1000機もの爆撃機編隊で実施したドイツ・ライプツィヒの合成燃料工場
爆撃作戦の帰りの事。迎撃機により6人の搭乗員が死亡し、残りは脱出した後、4発あるエンジンも2つ止まり
爆弾庫に不発弾を抱え、操縦席も機銃掃射でズタズタな愛機を操縦し、なんとかイギリスに着陸させようと
するマックィーン機長が奮闘するところだ。
ワグナーは、機長になる経験も位もある中尉なのだが、マックィーンの男気や腕前に惚れ込んで副機長に
甘んじているが、このマックィーンが、ワグナーの恋人を横取りしようとするのだな。失敗するんだけど。

要するにマックィーンの無頼な魅力が映画の魅力になっているわけ。傷だらけボロボロの期待で帰投する
機内で、マックィーンがワグナーに「死ぬのは怖いか?」と訊くと、ワグナーが「バズ(マックィーン)は
生きるのが怖いんだろう!」と返す。ここが一番のセリフだったな。つまりマックィーンには帰国しても
帰る故郷も家族もない。戦うことそのものが好きで、ワグナーの恋人からは「あなたは破壊し殺すのが
好きなだけよ!」というキツイ言葉を投げつけられる、そういう性格、男なのだな。ラストは有り勝ちな
もので、脱出を止め一人機内に残り、自力で機体をイギリスに戻そうとして、ドーバー海峡はなんとか
渡りきるものの、高度が足りず、イギリス側の岸壁に激突して非業の死を遂げるマックィーン機長。
彼は彼なりの落とし前を付けたのだな。そしてワグナーは恋人と二人で愛を確かめあい、歩き去ると
いうもの。しかしワグナーのイギリスでの恋人は、終戦したらアメリカに渡るのかどうかまでは描かれ
ていない。

マックィーンファンには永久保存作品なんだろうけど、そうでもない人には平凡な戦争&恋愛映画だ。

<IMDb=★6.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:--- Audience Score:48%>
e0040938_13230319.jpg
<ストーリー:結末まで全部書かれています>

アメリカ作家ジョン・ハーシーの「戦争を愛する者」を「女になる季節」のハワード・コッホが脚色し
「俺の墓標は立てるな」のフィリップ・リーコックが監督した戦争映画。

第2次世界大戦の2年目、1942年の冬のある朝。ここは英国にあるアメリカ第8空軍基地。早朝たたき起された
隊員たちは、作戦要領の説明に耳を傾けていた。この日の目標は北ドイツのキール軍港だ。
バズ・リクソン大尉(スティーヴ・マックィーン)を機長とする“女体”号にとっては、8回目の出撃だった。
25回目の出撃が終れば帰国できるのだ。リクソンの部下、副操縦士のリンチ中尉は健全な常識を備えた将校だが、
リクソンは歪んだ人生の持主だった。彼は殺戮と破壊の戦争に生き甲斐を感じていた。

エンジンが唸り、一機また一機、大空へ飛び立った。編隊は目標上空にさしかかったが、一面の密雲に覆われていた。
雲の上からの爆撃は正確を欠く。エメット大佐は帰投を命じた。が、リクソンはこれを無視、編隊を雲の下へ
と移動させた。高度8千5百、目標上空、爆弾室開扉、投下!爆風に機が震動した。

その夜、将校クラブでリクソンとボーランドは、ダフネ(シャーリー・アン・フィールド)という女を知った。
その時、一人の兵隊が飛び込んで来た。爆撃は正確、基地は破壊されていた。いよいよ“女体”号最後の出撃の日が
来た。目標はドイツ本土のライプチヒ石油工場。Bー17爆撃機の大編隊は目標へ飛んだ。途中うんかの如き
敵戦闘機が迎撃して来た。指令官エメット機は撃墜され、リクソンが全編隊の指揮をとることになった。
が、リクソン機もまた被弾、大破した。負傷者と戦死者を乗せ、リクソンは必死の操縦を続け、海峡に達した。

機は1分間に50フィートの高度を失いつつあった。しかも未投下の爆弾が一個ひっかかったままだ。着水すれば
機もろ共吹っ飛ぶことは明らかだった。高度は5百フィート、ドーヴァーの白い崖を越すことができるか…。
だが、リクソンはあくまで帰投するという。過去の自信が彼を半狂乱に追い込んでいた。緊急信号を送り、
救助船の出動を求めた。救助艇が眼下に見えて来た。隊員たちは次々に飛び降りていった。リクソンは
自動操縦装置に切り替えると、最後にボーランドを突き落し、再び操縦棹を握った。が、機首は上がらず震動は
ますます激しくなっていった。白い崖が眼前いっぱいに迫った。次の瞬間、機は絶壁に衝突しぐれんの炎と
化して粉々に砕け散ったのだった。(Movie Walker)
e0040938_13233451.jpg

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=14018こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2017-03-02 23:15 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「DEMONデーモン Go with Me(Blackway)」
2015 アメリカ Enderby Entertainment,Gotham Group.90min.
監督:ダニエル・アルフレッドソン
出演:アンソニー・ホプキンス、ジュリア・スタイルズ、アレクサンダー・ルドウィグ、レイ・リオッタ他
e0040938_15130170.jpg
<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>

日本未公開映画を紹介するWOWOWで鑑賞した。
「病んだ田舎町不気味さ」という雰囲気。ホプキンスを始めとして役者は揃っているのに、映画としては
非常に中途半端さを拭いきれないものであった。
単純に言ってしまえば、おじいさんと若者と若い女性が町の極悪ボスをやっつけに行くというお話。

ホプキンス(さすがの演技)演じるレスターは不気味な老人であるが、彼の背景は娘がヤクで亡くなり、
奥さんには逃げられたということや、娘の葬儀の帰りに当時警官だったブラックウェイ(リオッタ。これまた
ベタな名前で!)にあれこれとイビれたこともあるということなどが提示される。
レスターの娘はこのエリアの麻薬を一手に引き受けるローカル組織のボスであるブラックウェイにヤク漬けに
されて殺されたのだ。彼に大きなウラミがあることは分かる。
一方、レストランに勤める若い女性リリアンは、猫を殺され、ストーキングをされ、暴力も振るわれていた。
(ブラックウェイを殺しに出かけるにはちょっと動機が弱いか)
レスターに味方する甥のネイトの3人で山の鉱山の小屋にいるといわれるブラックウェイを探しに出かけた。
山深い、今は廃坑となっている所にブラックウェイはいるのか?高まる緊張感!

なんだけど、ラストは意外とあっさり終わっちゃうんだ。ブラックウェイは彼ら三人を付けてここまで
やってきて先手を打つ。ネイトと殴り合いになり、リリアンも危ない。爺さんはカモ撃ち銃を持って
ブラックウェイを狙うが、もつれあう2人に狙いがつけづらい。そこに爺さんの後ろから、ブラックウェイの
手下がライフルをぶっ放し、爺さんは肩を撃たれてしまう。しかし、負けない爺さんは起き上がり、
リリアンに迫ろうとしているブラックウェイを、ズドンと一発! ボス、即死! 手下も死んで、2人を山の中に
埋めてしまいましたとさ。で? 終わり? ラストの爺さんの顔のアップの意味は?

ホプキンスの笑わない演技はたしかに良いが、レイ・リオッタの極悪非道なボスは迫力不足。
だいたい脚本がアカンのだな。短い映画なので、ホプキンスファンの方はご覧になるといいかも。
この出来では配給会社は手が出ないだろうな。

<IMDb=★5.2>
<Rotten Tomatoes:Tomatometer=-- Audience Score=34%>
<ストーリー>
ハイネケン誘拐の代償」のアンソニー・ホプキンスとダニエル・アルフレッドソン監督が再タッグを組み、
謎の男から執拗に嫌がらせを受ける女性の姿を通してアメリカ地方社会の闇をあぶり出した社会派サスペンス。

母の遺産である一軒家を相続し、故郷の田舎町に戻ってきたリリアン。そこで彼女はブラックウェイと
呼ばれる謎の男から繰り返し嫌がらせを受けるようになるが、保安官や町の人々に相談しても町を去るよう
警告されるばかりだった。そんな中、老男性レスターと彼の親戚である若者ネイトだけがリリアンに味方し、
誰も居場所を知らないというブラックウェイを一緒に探しはじめるが……。

主人公リリアン役を「ジェイソン・ボーン」シリーズのジュリア・スタイルズ、謎の男ブラックウェイ役を
「グッドフェローズ」のレイ・リオッタ、レスター役をホプキンスがそれぞれ演じた。(映画.com)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=359268こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2017-02-15 23:00 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「沈黙ーサイレンスー Silence」
2016 アメリカ Cappa Defina Productions and more.162min.
監督:(共同)製作・脚本:マーティン・スコセッシ 原作:遠藤周作『沈黙』
出演:アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、窪塚洋介、イッセー尾形、浅野忠信、塚本晋也
   加瀬亮、リーアム・ニーソン他
e0040938_12113812.jpg
<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
2時間40分を超える長編であったが、眠くなったり、ダレたりは一切なく、緊張感の中で
濃密な時間を過ごせた。原作は未読であるし、現実のキリスト教徒や西欧の人たちが観たら
別な感想もあるだろう。私は、もっと小難しい宗教論を描こうとしたのか、と身構えたが、
後段に進むに連れ、エンディングに向かうに連れ、心の中の疑問は個人的に氷解していったのだ。

スコセッシは幼い頃から宗教に興味を持ち、司祭になろうとしたこともあったそうだ。成長し
映画人となってからも、宗教に根ざす考えは変わらず、傑作「タクシードライバー」の主人公
トラヴィスの根っこにも宗教性を感じるしスコセッシはそう描いたのだろう。
「人間は善か、悪か、また両方か」という自ら終生持ち続ける監督にしてみれば、本作に
触れた瞬間、映像化が自分の仕事だと思ったに違いない。原作に出会ってから28年、映画人と
して50年の時間を経て、その時がやってきたわけだ。

話は単純。江戸初期、キリシタンがご禁制となった時代に、棄教した、と伝えられた先輩司祭で
恩師である神父を追って長崎にやってきたポルトガルの若き司祭2人。彼らが目にしたのは苛烈な
隠れキリシタン迫害とそれでもひたむきに信仰に生きる日本の農民たちの姿だった。我が村の司祭として
迎え入れられた2人だったが、長崎奉行井上筑後守の手が伸び、囚われ拷問を受ける信徒と、苦しむ
彼らを助けるため棄教せよ、と迫られる。神への忠誠を守るべきか、信徒の命を守るべきか、
神は「沈黙」したままだった・・・。

<ここから先は、結末まで触れていますので、未見の方はお気をつけください>

徳川家がキリスト教を禁じ鎖国に転じたのは、西欧列強からの侵略を防ぐためで、当時の政策と
しては良し悪しは別として理解は出来る。故に、井上筑後守が「キリシタンは日本では育たんのだ。
日本は沼で、苗を植えても腐るだけだ。」とパードレを説得する。さらに通詞(浅野)が言う
「踏み絵は形だけだ。踏み方も自由で良い。そっと触るだけでも良いのだ。それで自由の身だ」と
いうセリフも極めて日本的である。「形だけ」、役人のセリフである。大方の日本人の観客は
その時点で、こう思うだろう。「踏み絵を踏んでも、心の中で信仰を捨てなければ良いのだ。
何も命まで奪われることはなかろう。そもそもイエスは全ての罪深い人のために十字架を
背負ったのではないか」と。
事実、作品の中でも神の声(だと思う)は踏み絵を躊躇する信徒を見つめるパードレの心に
「踏め、踏んで良いのだ」と語るのだ。

結局、若き2人の司祭のうち一人は、信徒を助けようとし殉教し、もう一人の司祭(ガーフィールド)は
信徒を守るべく棄教した。行方不明になっていた恩師とも長崎の寺で会うことになる。
彼はキリスト教は欺瞞であるとの本さえ書いていた。日本ではキリスト教は育たない、彼もそう
悟ったという。
若き司祭は日本名を貰い、江戸で妻子を得て日本人として暮らし死んでいく。葬式も仏教式で。
だが、棺桶の中の手の中にあったのは、最初に上陸した村のモキチから貰った木彫りのクロスで
あったのだ。彼は転んでからその後、一切宗教的なことを口にせずキリスト教徒は縁を切った
生活をしていた。だが、それは外見だけ。だれも覗けない心のなかでは、固いキリスト教信者で
あったのだ。ラストにもこの司祭を許す神の声(だと思う)が流れるが、キリスト教信者はこの段の
受け止め方には賛否有るだろう。

そう、神は沈黙はしていなかったのだ。信徒や司祭の心に必死に語りかけていたのだ。だが、それが
聞こえるか聞こえないかは、信仰の温度や深さによるのだろう。殉教を神の国(パライソ=パラダイス)
への昇華と信じて死を受け入れる信者や司祭もいたのだ。それが神の御心に沿うものかどうかは私には
分からない。
映画の結末としては腑に落ちるのだが、信仰とは何か、人間にとって神の存在とは何か、という点に
ついては、観客それぞれに問われているのだった。正解はない。

本作では、2人の司祭をマカオから長崎に案内し、その後ずっと関わり続けるキチジロー(窪塚洋介)と
いう存在が重要である。彼こそ、一般人、映画の観客の投影であり、神を信じている一方、極めて人間的な
欲求のままに動く。キチジローは江戸まで出てきて棄教したはずの司祭に告解を受けてくれ、と
迫る(このシーン、彼が幕府の回し者となり、棄教が本物が仕掛けて来たのではないかと疑ったが)。
彼の揺れ動く心に私たちは自分を見るのであろう。彼が司祭に向かって言う「わしらのような
弱い者はどこへ行けばいいのか」という慟哭は今の私達の胸を打つ。

本作鑑賞を機に日本のキリスト教の割合を調べてみた。1%である。なぜもっとキリスト教が
根付かないのか。キリスト教の中でもこの分析が行なわれているが、この映画の中で長崎奉行
井上筑後守が縷縷説明しているように「神道、仏教という完成された宗教がある日本に、
西欧的な思想によって完成されたキリスト教という考えが入り込む隙間は小さく、キリスト教と
いう大木を沼に植えても育たない」と。こういう分析は現在の日本のキリスト教内部でも
行なわているようだ。本作から窺い知れる日本のキリスト教布教の過酷さが窺い知れる。
私もカソリック系ミッション・スクールの出身であるが、卒業生が全員キリスト教徒に
なるわけでは全く無いのだ。

時間を掛けた映像は迫力があり、説得力がある。日本側の出演者も良い。しかし、長崎の
役人からキリシタンまで、当時英語があんなに上手かったとは驚きだ。

個人的には極めて満足できる映画と出会った。
e0040938_12120978.jpg
<ストーリー>
遠藤周作が信仰をテーマに、世界の不条理と人間の本質に深く迫った日本文学の金字塔『沈黙』を、
長年映画化を熱望してきた巨匠マーティン・スコセッシ監督が、原作との出会いから28年の時を経て
遂に撮り上げた渾身の歴史ヒューマン・ドラマ。
非情なキリシタン弾圧が行われている江戸初期の長崎を舞台に、自らの信仰心を極限まで試される若い
ポルトガル人宣教師の壮絶な葛藤の行方を力強い筆致で描き出す。
主演は「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールド。共演にアダム・ドライヴァー、
リーアム・ニーソン。また浅野忠信、窪塚洋介、塚本晋也、イッセー尾形はじめ日本人キャストも
多数出演。
 
17世紀、江戸初期。日本で布教活動を行っていた高名なポルトガル人宣教師フェレイラが、キリシタン
弾圧を進める幕府の拷問に屈して棄教したとの知らせがローマに届く。さっそく弟子のロドリゴとガルペが
真相を確かめるべく日本へと向かい、マカオで出会った日本人キチジローの手引きで長崎の
隠れキリシタンの村に潜入する。
そして村人たちに匿われ、信仰を通じて彼らと心を通わせていく。やがてロドリゴたちの存在は、
狡猾にして冷酷な手段を駆使して隠れキリシタンをあぶり出しては、彼らに“転び(棄教)”を迫る
長崎奉行・井上筑後守の知るところとなり…。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358205#1こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2017-02-05 12:25 | 洋画=た行 | Comments(0)

虹蛇と眠る女 Strangerland

●「虹蛇と眠る女 Strangerland」
2015 オーストラリア・アイルランド Worldview Entertainment and more.111min.
監督:キム・ファラント
出演:ニコール・キッドマン、ジョセフ・ファインズ、ヒューゴ・ウィーヴィング、リサ・フラナガン他
e0040938_16155548.jpg
<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
良かったのはオーストラリアの荒涼とした空撮のみ。原住民おそらくアボリジニの伝説に
インスパイアされて作られた物語の映像化なので、全編夢の中のような感じ。言いたいことが
あるわけでもなし。話が動き出すまで40分。行方不明になった姉ちゃんは結局何処へ行ったのやら。
邦題にある「虹蛇」が出てくるわけでもありません。ww

キャサリン(ニコール)とマシュー(ファインズ)の夫婦は一体何なのか?セックス依存症なのか?
全裸で街なかを歩く状態って?恐らく子どもたちが神隠しにあった夫婦の心理劇なんだろうけど、
まあ、伝わらないこと。こういうサイコサスペンスみたいな映画にはニコールはよく合うのだが、
本作は全体にいただけない。脚本と演出がダメだと大スターがいても映画は面白くならないという
典型だ。映画を観ていて早く時間が経たないか、と思う作品は悲劇だな。
途中でやめれば良いものを、私は一旦観始めた映画は途中で止めないのが原則なので。
これ、劇場で公開されたんだよね。恐ろしく不入りだったと思われ・・・。

<ストーリー>
オーストラリア出身のハリウッド・スター、ニコール・キッドマンが25年ぶりにオーストラリア映画に
主演して贈るミステリー・ドラマ。オーストラリアの砂漠の街を舞台に、ある日忽然と2人の子どもが
姿を消してしまった夫婦を待ち受ける運命を、アボリジニの伝説をモチーフにミステリアスに綴る。
共演にヒューゴ・ウィーヴィング、ジョセフ・ファインズ、マディソン・ブラウン。
監督はドキュメンタリー畑出身で、本作が長編劇映画デビューのキム・ファラント。

 オーストラリアの砂漠地帯にある小さな街ナスガリ。2人の子どもと共に都会からこの街に引っ越して
きたばかりの夫婦キャサリンとマシュー。思春期真っ只中の早熟な娘リリーに対し、まだあどけなさの
残る息子トミーは、夜になると夢遊病者のように近所を徘徊してしまう問題を抱えていた。
そんなある日、リリーとトミーがまるで神隠しにでも遭ったかのように忽然と消えてしまう。
もしこの土地で2、3日も屋外を彷徨うことがあれば命の危険に関わる。地元のベテラン警官レイを
中心に懸命の捜索が続くが、なかなか2人の発見には至らない。そんな中、夫婦がひた隠しにする
家族のある秘密が浮かび上がってくる。極度の不安と緊張に加え、周囲からの疑惑の目にも晒され、
次第に神経を蝕まれていくキャサリンだったが…。(allcinema)

この作品の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354675#1こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2017-01-24 14:35 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「ディバイナー 戦禍に光を求めて The Water Deviner」
2014 オーストラリア・アメリカ・トルコ Fear of God Films and more.111min.
監督:ラッセル・クロウ 
出演:ラッセル・クロウ、オルガ・キュリレンコ、ジェイ・コートニー、イルマズ・アルドアン他
e0040938_16264596.jpg
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
実際に起きた事件をテーマにラッセル・クロウがメガフォンを取った作品。彼の監督初作品だ。
事実という下駄を履いているといえ、テーマは良いし、戦争シーンもそれなりにカネが掛かっている。
なのに、観終わったあとのモヤモヤというかスッキリしなさ具合はどこから来るんだろうと考えた。
脚本が良くないんだろうな。

90度に曲がった針金を持ち、歩き回って、水源のところで針金が一直線に開けば、そこに水源が
ある、という技を持ったオーストラリアの男ジョシュア・コナー(クロウ)。
三人の成人した男子の父親だ。しかし、この三人が揃って第一次世界大戦のトルコ戦線に志願して
出かけ、三人共生死不明の行方不明になってしまった。これを悲観した母は入水自殺。
決心した父は家財を売り、トルコを目指す。三人を必ず探し、死んでいれば遺体を母の傍らに
埋葬したいと決意して・・・。

「アラビアのロレンス」と同じ時期に、トルコ側ではこんな話もあったんだな。欧州の列強が
解体したオスマン・トルコ帝国をいいように蝕んで植民地化していく裏側に。だから本作中でも
イギリスに対抗する勢力が勢力を強めたり、東からはギリシアが攻め寄せる場面があったり、
また本作の舞台になるガリポリの戦いも史実に忠実に描かれているのは嬉しい。
いずれにせよ、この当時、「イギリスの三枚舌外交」と言われるように、イギリスはこの地区で
ろくなことをしていない。
そんなイギリスを宗主国と仰ぐオーストラリアとニュージーランドは連合して戦争に参加。
第一次世界大戦にも英仏軍を支援してトルコ・ガリポリの戦いでは二カ国の連合軍(ANZAC)を形成、
参戦していたわけだ。
ガリポリの戦いは第一次世界大戦の中でも有名な戦闘であり、英仏軍は敗走し、トルコ軍が勝った
戦いであった。この戦いでトルコ軍は約87000人の、豪軍は9000人近い戦死者を出した。が
その多くの部分が行方不明となった。この戦闘を舞台にした映画も何本かある。この戦いで
コナーの三人の息子たちも犠牲になったのだ。

戦闘から4年後。おそらくベルサイユ条約締結後の戦場では、戦争史で初めて遺体の回収が
行われた。コナーは管轄する軍からダメだ、といわれたが、単独船をチャーターし戦場へと
向かう。現地の指揮官も受け入れられない、と拒否するがコナーの強い意思を見て、見てみぬ
振りをする。コナーは水源発掘人の勘を生かし、息子たちの遺品に到達、遺体の発見に至る。
(このあたりもっと丁寧にしてほしかった)
しかし長男は怪我をしたが後方に送られ、どこかに生きているかも、ということで、手がかりを
求め、トルコ軍に紛れ込み、捜索に出かけた。そしてついに生きている長男と出会うことが出来た。
(このくだりもちょいとあっさりしすぎな感じ)

このメインストーリーを縦軸に、イスタンブールで旅館の女将をしているアイシェ(オルガ)との
淡い慕情を横軸に物語は進む。だが、好き嫌いになるが、オルガ・キュリレンコの演技と顔が
個人的に今ひとつ好きになれなかった。東方の顔、ということでのキャスティングであろうが。
そんなことより三人の息子を必死になって探すシークエンスの方に時間を割いたほうが厚みが
出たんじゃないだろうか。(母の憤死も含め)あっちもこっちも欲しくて結局どっち付かずの
映画になっちゃった、という感じだ。せっかくの良いテーマなのに。ラッセル・クロウも
ちょっと淡白だった。
e0040938_16270251.jpg
<ストーリー>

ラッセル・クロウが戦争で行方不明になった3人の息子を捜す父親を演じ、初めて監督も務めた
人間ドラマ。イギリスら連合国軍の一員として参戦し、多くのオーストラリア人が遠い異国トルコの
地で戦った、第1次世界大戦のガリポリの戦いを、オーストラリアとトルコの双方の視点から忠実に
描いている。

ガリポリの戦いから4年後の1919年。オーストラリア人農夫ジョシュア・コナー(ラッセル・クロウ)は、
連合国軍に参加しガリポリ半島で行方不明になった3人の息子たちの最期を知るため、トルコへと旅立つ。
故郷から遥か遠い異国の地での捜索は困難を極めるが、コナーの決意は決して揺らぐことはなかった。
そんな中、イスタンブールで宿を営む女性アイシェ(オルガ・キュリレンコ)や、息子たちと戦った
トルコの英雄・ハーサン少佐(ユルマズ・エルドガン)らの助けを借り、コナーは一縷の希望を掴むのだが……。
(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354779#1こちらまで。





by jazzyoba0083 | 2017-01-11 22:50 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「トゥルー・ストーリー True Story」
2015 アメリカ Regency Enterprises.100min.
監督・(共同)脚本:ルパート・グールド 原作:マイケル・フィンケル
出演:ジョナ・ヒル、ジェームズ・フランコ、フェリシティ・ジョーンズ、ロバート・ジョン・バーク他
e0040938_12470219.jpg
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
日本未公開。WOWOWにて鑑賞。★は6.5。
いつもはおバカをやっているフランコとヒル、本作ではニューヨーク・タイムズの記者マイケル・
フィンケルの原作を元に、シリアスな心理劇に挑んだ。人を取り込む術に長けた殺人犯に
記者が同化していく過程が見ものである。記者自身、まずいんじゃないかと思いながらも
なぜか殺人犯を切り捨てることが出来ない。
記者の前では自分は家族全員は殺していないと主張する。子供を殺した妻と残った子供は
手を掛けたが、というその迫真の描写を記者は見抜けず、否定できない。

作品中に「ダブルネガティブ」というキーワードが出てくる。記者と殺人犯が文章に
ついて議論するとき、所謂二重否定は好ましくない、という下りだ。
「嫌いといえないことはない」など、NOを2つつなげると肯定になるという文章。
これはまさに本作の記者の心理のメタファーである。目の前の殺人犯について本を書こうとして
いる記者は、彼が自分の名誉を回復してくれる存在かもしれず、その甘い心理が殺人犯の主張する
ところに取り込まれていくのだった。「彼は真実を語っていないとはいえない」というジャーナリスト
として失格の心理に自覚もしながらハマっていくのである。

上昇志向が強く、冒頭のアフガンだかイラクで、現地の住人をカネで語らせるなどして、
新聞に特ダネを書いたものの嘘だとばれクビになる実在の記者を演じたジョナ・ヒル。
この記者のファンで家族皆殺しの殺人犯、逮捕された後、電話で記者と接触、彼の
本を書いて名誉挽回と行きたい記者と、彼はやっていないのかもしれないと思わせて
行くジェームズ・フランコ。なかなか魅せていた。悪くない演技である。
最後までこの殺人犯は、本当はやっていないのかもしれないと、映画を観ている観客も
巻き込まれるのだ。これは殺人犯の主張を映像化して見せるという映画の強みが
好むと好まざるとにかかわらず、強く出過ぎるきらいがあった。
全体として、スリリングな心理劇を描こうとしたのだが、なんとも地味な映画になって
しまったのは残念だ。
ジョナ・ヒルの妻にフェリシティ・ジョーンズを持ってきて真実を冷静に見抜く
役割を与えていたが、取ってつけたような感じになっていた。

しかしながら、殺人犯が、ジャーナリストはセンセーショナリズムに毒されていて
真実を語っていない、という趣旨のセリフを吐くなど、また犯人に巧みに取り込まれそうに
なる記者の存在などジャーナリズムとは何か、という側面も描いていて、考えさせ
られる映画ではあった。
e0040938_12473815.jpg
<ストーリー>

ジョナ・ヒルとジェームズ・フランコが共演した実在の殺人事件に基づいたサスペンス。
失業中の記者と殺人事件の容疑者の危うい駆け引きを描く。

捏造記事で職を失った記者と、殺人事件の容疑者が繰り広げる実録サスペンス。
2人の心理的駆け引きに引き込まれる。ジョナ・ヒルが真実と虚構のはざまで揺れ動く記者を
いつものようなコメディ映画と一味違う演技で見せ、怪しい雰囲気を醸し出す容疑者を
ジェームズ・フランコが熱演。更に『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の
主演で注目を浴びるフェリシティ・ジョーンズが、記者である夫を案じる妻役で出演。

些細な出来心で誇張した記事が問題となり、職を追われた元ニューヨークタイムズの記者マイケル。
失意の中、彼は逃亡中に自分の名前を名乗っていた一家殺害事件の容疑者クリスの存在を知る。
ジャーナリストとして地に落ちた評判を回復するため、特ダネを探していたマイケルは、
すぐにクリスの取材を開始して彼と接見を重ねていく。
やがて、クリスはマイケルに殺害事件の真相を語り始めるが…。(Star Channel)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358910こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2017-01-08 11:56 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「天国から来たチャンピオン Haeven Can Wait」
1978 アメリカ Paramount Pictures.101min.
(共同)監督・製作・(共同)脚本:ウォーレン・ベイティ 音楽:デイヴ・グルーシン
出演:ウォーレン・ベイティ、ジュリー・クリスティ、ジェームズ・メイソン、ジャック・ウォーデン他
e0040938_16381132.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

私がウォーレン・ベイティを認識したのは「ディック・トレイシー」くらいから後なので、それよりも
前の若い頃の映画を観ていると別人のような気がする。彼は演出の才能もあったと見えて、翌年の
「レッド」ではオスカーで監督賞を受賞している。本作もオスカーの数部門にノミネートされた。
いかにもアメリカ人が喜びそうなハートウォーミングな作品である。凄い出来の映画ではないが、
鑑賞後に心が暖かくなる「いい時代」の映画だ。アメフトが舞台ではあるが、ルールを知らなくても
十分に楽しい。

天使のミスで早く天国に召されたアメフトのクオーターバックが、他人の体を借りて死ぬはずでは
なかった人生を歩むお話。いろんな仕掛けや伏線が張られていて、天国の話だから交通事故や殺人も
出て来るが、決しておぞましくも湿っぽくもなく、むしろユーモアな味付けも有り、キャストの演技も
なんか朴訥な感じもあって良かった(狙ったのかどうかはわからないけど)。今観ると、いささかの
古さも感じてしまうが、それを欠点としない全体としてよく出来たお話だと思う。上映時間も適切だ。
ただし、体を借りる2人もベイティが演じているわけだが、周りからはベイテイに見えていないと理解して
いないとややこしいかも。

最初に肉体を借りるファンズワースという富豪の下りがコアになっているし一番面白いのだが、
そこで終わらず、オチまでもう一段あるのがこの本の長所なんだろう。Heaven Can Waitという
原題が含蓄があり味わい深い。
e0040938_16383243.jpg
<ストーリー:物語の最後まで触れています>

ロサンゼルス・ラムズの控えクォーターバックのジョー・ペンドルトンは、出場の決まった
スーパーボウルを前に交通事故に遭って急死してしまう。自分の死に納得できないジョーが、
天使長ジョーダンに抗議したところ、まだ50年もの寿命が残っており、担当天使のミスで50年早く
天国に召されたことがわかった。ジョーは即刻地上に舞い戻ることになったが、ジョーの肉体は既に
火葬
された後だった。

ジョーのためにジョーダンが代わりの身体を探すが、フットボール選手に戻りたいジョーの注文は
うるさい。何人かの候補を断った後に提案された大富豪レオ・ファーンズワースの遺体もジョーは
断ろうとするが、ファーンズワースに公害問題で抗議に来た女性ベティに一目惚れしたジョーは
しばらくの間という条件でファーンズワースの身体を借りることにする。
しかしファーンズワースは妻ジュリアとその愛人でファーンズワースの秘書であるトニーに殺されたのだ。

何故か生き返ったファーンズワースに驚いたジュリアとトニーはその後も何とかしてファーンズワースを
殺そうとするがことごとく失敗する。一方、ファーンズワースになったジョーは猛勉強の末にベティの
願いを聞き入れ、公害問題の解決のために工場建設計画を放棄する。これをきっかけにベティもジョーに
惹かれて行く。

ジョーは親友のトレーナーであるマックスを呼び出し、ジョーしか知らない事実を話すことで、
自分がジョーであることをマックスに納得させると、スーパーボウル出場のために猛特訓を始める。
そして、ラムズを買収して入団テストを受けることになる。はじめは金持ちの道楽としてジョーに
対して敵対心をむき出しにしていたチームの選手らも、ジョーの実力を認め、ジョーはスーパーボウルに
出場することになる。

一方、ジョーとベティの仲は急速に深まるが、ジョーは担当天使からファーンズワースの身体を
使えるのがあとわずかであることを知らされる。ジョーはベティに生まれ変わって再会することを
示唆する言葉を告げる。そして、ジョーはジュリアとトニーによって射殺され、遺体は井戸に落ちる。
ジョーはジョーダンとともに再び次の身体を探すことになる。


大富豪ファーンズワースが失踪したとして世の中は大騒ぎとなる。特にベティとマックスは警察に
対して必死に捜査を依頼するが、担当刑事クリムの捜査は要領を得ない。そんな中、スーパーボウルの
テレビ中継を観ていたジョーはラムズのクォーターバック・トムが試合中に大怪我を負う様子を目にする。
ジョーダンとともにスタジアムにやって来たジョーはトムがこのまま亡くなることを知り、トムに
生まれ変わることを決める。
トムになったジョーは試合で大活躍し、ラムズは勝利を収める。一方、ファーンズワースの屋敷では
ファーンズワースの遺体が見つかったことから、仲違いしたジュリアとトニーの殺人が露呈する。

テレビ中継を観ていたマックスは、復活したトムがジョーであることに気付き、試合後のジョーの
もとに駆けつけ、抱き合って喜ぶ。しかし、そこにジョーダンが現れ、ジョーがこれまでの記憶を
失って完全にトムとして生きて行くことになると告げて姿を消す。ジョーは完全にトムとなり、
マックスとのこれまでのことも忘れてしまう。状況を受け入れたマックスは1人、ジョーとの
思い出に浸る。

スタジアムを後にしようとしたトムの前にベティがマックスを探しに現れる。初対面のはずの
2人だったが、互いに惹かれ合うものを感じると、運命に導かれるように肩を並べてスタジアムを
後にする。(wikipedia)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=15544#1こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-12-22 22:30 | 洋画=た行 | Comments(0)

ダーク・スター Dark Star

●「ダーク・スター Dark Star」
1974 アメリカ Bryanstone Pictures and more.83min.
監督・製作・音楽・(共同)脚本:ジョン・カーペンター
出演:ブライアン・ナレル、ドレ・ビハッチ、カニ・カニホルム、ダン・オバノン、ジョー・サウンダース
e0040938_12141126.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

味わいと癖のあるカルト向きの映画を作り、ファンも多いジョン・カーペンターの諸作の中でも、名前の
知れた作品である。宇宙モノが好きな私だが、彼の作品は「遊星からの物体X」「スターマン・・」は
観ているが、本作は彼のそうした宇宙モノの原点となるデビュー作。大学時代に製作したもののリメイクだ
そうで、低予算でたしかにチープであるが、AI機能を持った爆弾との会話、などなどシュールな部分と
「8時だヨ!全員集合」真っ青なギャグがないまぜとなった独特の味わい、個人的に好きである。
1968「2001年宇宙の旅」1977「スターウォーズ」(第四部)とは比べるものの種類ではないと思う。

地球軌道に害を及ぼす不安定衛星を高性能の爆弾を持ってパトロールし、発見しては爆破して地球を守る、
という至高な任務を遂行している割には基地からはないがしろにされ、クルーもゆるゆるグズグズである。
ビーチボールで作ったのがまるわかりのエイリアンとの追いかけっこ、エレベーターの底にぶら下がって
のトラブル、タメ口でかつ人を小馬鹿にしたような女声のメインコンピュータ。これらはギャグなんだろう。
地球を遠く離れ郷愁を感じている乗組員たちの精神状態を表しているようだ。
 
一方で、指令を受けて爆発しようとするAI型爆弾を、なんとか説得(機会を相手に論理や哲学論を吹っかける!)
して納得させるところとか、結局その爆弾が哲学に目覚め自爆をするという結末。さらに生き残った飛行士が
破片でサーフィンをして星を目指すという・・・そのバックにはカーペンターオリジナルのなんとも味わい深い
「ベンソン・アリゾナ」が流れる・・・。

まともな宇宙モノファンが観たら激怒というか呆れるような作りだし、宇宙にいるという物理的なお約束事が
かなり無視されているから、突っ込もうとすれば簡単である。B級おバカスペース喜劇とは割り切れない味わいを
感じる。通受けするけど一般受けしないというような映画かなあ。26歳カーペンターの若さが爆発した
「シュールで哲学的」(アプローチの方法にこそ味わい有り)な映画。ただ、エイリアンとの追っかけっこと
エレベーター宙ぶらりん事件はシークエンスが長すぎ。好きな人にはたまらない、そうでない人は途中で挫折する
事間違い無し!(笑)だいたい、宇宙船の名前に「ダーク・スター」なんて縁起の悪い名前を付けるはずもなくww
e0040938_12143312.png
<ストーリー>
21世紀半ば。人類は、銀河系を越え、新天地を求めていた。その役目を担った光速航行の探査船ダーク・スター号は、
そのすぐれたコンピューター統括により、邪魔になる不安定惑星を爆破し続けていた。
乗つているのはドゥーリトル(ブライアン・ナレル)、タルビイ(ドレ・パヒッチ)、ピンバック(ダン・オバノン)
それにボイラー(カル・ニホルム)の4人だ。

しかし、小惑星群の嵐に遭遇し、レーザーに異常が起こった。この事態に気がついた者はいない。そして爆破作業の
途中で、事件が起きた。20号爆弾が指令を無視して動き始めたのだ。20号はレーザーの故障で船体から離脱できない
状態なのだ。隊員の1人が探査船の底に外から回り、爆発に備える20号に説得する。1度出された命令を徹回する
ことはできない、とはじめは言うことをきかない20号もやっと思いとどまった。

しかし、これが2度、3度と繰り返され、遂に20号は爆破を決行することにする。タルバイは、以前から信じている、
いずれ蘇るといわれるフェニックス星をめざし、ダーク・スターから離れ、ドゥーリトルは、サーフボードのような
鉄きれをつかんでフワフワと浮遊し、他の2人は爆破と共に塵と化するのだった。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=13390#1こちらまで。




by jazzyoba0083 | 2016-12-08 22:40 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「Dearダニー 君へのうた Danny Collins」
2015 アメリカ Big Indie Pictures,ShivHans Pictures.107min.
監督・脚本:ダン・フォーゲルマン
出演:アル・パチーノ、アネット・ベニング、ジェニファー・ガーナー、ボビー・カナヴェイル
   クリストファー・プラマー、メリッサ・ブノワ他
e0040938_16094904.jpg
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

面白かった。優れた脚本家の監督デビュー作だが、さすがは本業、脚本も手掛けたことだけの
ことはあり、ストーリーがよく練れているし、何より日本人にはなかなか出せない会話の
キャッチボールにおけるユーモアとペーソスがいい感じだ。こういう優れた脚本に対し
演技陣も冴えている。アル、アネット、ジェニファー、それにプラマーなど渋いが光る
配役は観ていてまことに充実し、安心も出来る。適度な長さの作品に対し、起承転結が
上手く転がる。実話をベースにしているとは云え、内容は相当換骨奪胎されているので、そこは
脚本家(+演出)の腕とキャストの演技の巧さ、の勝負なのだ。

主人公のアル・パチーノが、大物ロッカーで大金持ちであるが、実は結構いいやつで人情味が
ある男、そしてユーモアがある、という役どころを実に上手く演じている。大金持ちとは
勢い鼻持ちならなくなるなるものだが、本作では、ラストカットの医師からの呼びかけが名前か
苗字か、というところで収める部分のかっこよさも含め、とても良かった!
加えて、ホテルのマネージャー、アネット、そしてアルの息子の嫁、さらにアルの息子役も
締まった演技で映画を緊張あるタイトな仕上がりにしていた。
---------------------------------------------
 ツアー三昧の暮らしで、家庭を省みなかったロック界のスーパースター、ダニー・コリンズ(アル)。
彼はデビュー当時、世界で一番敬愛するジョン・レノンから励ましの手紙を貰っていたのだが、当時所属して
いたレコード会社が本人に黙って売りに出してしまっていた。
そんなことも知らず音楽界で生きてきたダニー、今や大ヒット曲の数々を抱える大スターとなり、
ツアーではどこも満員札止めであった。だが、自堕落の生活は、彼を麻薬と酒びたりにしてしまい、
孫娘がいる長男一家とは疎遠になっていた。
そんな彼だがすでに30年以上も新曲を書いていなかった。ベストアルバムを出せば売れる、それも
あった。ライブを開くとかつての大ヒット曲を歌わなければ聴衆は満足してくれなったというもの
あった。
 そんな状況の中、親友にしてマネージャーのフランク(プラマー)が、ジョン・レノンの手紙の
存在を突き止め、自ら探し出し購入し、ダニーにプレゼントしたのだった。驚いたダニー。当時
これを読んでいれば、また変わった人生になっていたかもしれない、とその内容に激しく打たれたのだ。
自堕落な生活を止め、若い娘との暮らしやクスリも断って心を入れ替えることを決め、郊外のホテルに
ピアノを持ち込み作曲に打ち込んだのだった。そして、長らく没交渉だった長男一家の元へも出かけたのだ・・・。
 すると孫娘は元気はいいのだが、「多動性障害」ということで、特別なプログラムがある学校への
転校がマストであったのだが、NYにある有名校は「面談を受けるだけで3年」という超難関であった。
しかし、ダニーは有名人のコネをフルに使って、孫娘の入学を決めてしまう。(学校に多額の寄付を
した)次第に長男の心も溶けていくが、長男は白血病だ、と告白するのだった・・・。

ホテルマネージャーのメアリーに一目惚れしたダニーは「夕食の約束を」と迫るが、メアリーは
なかなか応じない。新曲のライブでそれが聴衆に認められれば、約束に応じる、というのだ。
彼女のヘルプも有り曲は完成し、小さなライブハウスで演奏会を開くが、結局有名曲のリクエストに
勝てず、またビビりの性格が顔を出し、せっかく家族やメアリーも聞きに来てくれたのに、新曲は
歌えずじまいとなった。やけになったダニーはまたクスリに手をだす。
 やがて最新治療を受けた長男トムの治療の結果を聞く時期が来た・・・。
-------------------------------------------------
e0040938_16100047.jpg
実際はフォークシンガーに起きたジョン・レノンからの手紙であるが、最近曲作りから遠のいた
ロックのスーパースターとその長男一家に置き換えて、そこに起きる物語を、力まず、洗練された会話と、
魅力的な演技で魅せる。ハッピーエンドも含め、こころが暖かくなり、自ずと笑顔で見終わることが出来る
良作である。アル・パチーノの渋い喉がまたいい感じだ。

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352850#1こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-09-19 22:50 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「チャップリンからの贈りもの La rançon de la gloire 」
2014 フランス Why Not Productions and more.115min.
監督・(共同)脚本:グザヴィエ・ボーヴォア
出演:ブノワ・ポールヴールド、ロシュディ・ゼム、キアラ・マストロヤンニ、ピーター・コヨーテ他
e0040938_17115242.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

フランス語の原題と日本語のタイトルを並べると作品のオチが分かる。原題は「名声の値段」。
「贈りもの」が何であるかは映画のラストで語られる。
いかにもフランス映画、という味わい。どこが、と云うと、「間の取り方」「ウィットの加減」
そして全体の「面白うてやがて・・・」という味付け。ハリウッド映画に慣れている身としては
テンポが単調となり、物語が膠着する半ば辺りでは、飽きが来たところもあった。

 実際に有った事件を元にした物語で、チャップリンのお棺を盗み出し、これを人質として身代金を
遺族に要求する、と言うもの。しかし、これを思いついた男が、とにかく場当たりで出たとこ勝負、
無計画この上ない奴で、罪は犯すが憎めないおじさん、彼に巻き込まれる男も、引きずられて大変なのだが、
最後はハッピーエンドとなる。このホノボノ感はフランス映画だなあ、と感じる。こそ泥のような
おじさんがサーカスのピエロになるというのもフランス映画っぽい。

音楽が御大ミシェル・ルグラン。すごい人が音楽なんだなあ、と思っていると、当時のモノクロテレビから
流れてくるのが「ロシュフォールの恋人」の挿入歌だったりする。チャップリンの名作「ライムライト」の
テーマなども上手く取り入れている。一方で分厚いストリングスオーケストラがいささか饒舌すぎやしないか、
と感じた部分もあった。

 チャップリンの遺児(もう立派なオトナだけど)も出演していて、チャップリン家の全面協力の下で
製作されたという。ピーター・コヨーテ以外に出演している俳優さんをあまり知らないが、ヒューモアと
ペーソスという作品の持ち味を上手く引き出していたと思うのでいいキャスティングじゃなかったかと。
チャップリンの棺を盗みだしたはいいが、その後のことを何も考えていなかったため、身代金を盗んだ、
というやつが次から次へと現れたり、舞台となるスイス警察とチャップリン家の秘書の応対が上手いの
で(というか主人公二人がヘタレすぎなんだけど)、身代金が100万ドルから50万ドルになり、しまいには
5万数千ドルまでに引き下げられる。逮捕のきっかけもマヌケなものだし、英語を喋るチャップリン家に
フランス語で電話を入れるとか、その辺りは笑える。結局身代金の値下げ(主人公の片割れオスマンの
奥さんの病気治療費)が、チャップリンの贈りものを呼ぶのであるが。
 フランス映画の持つ、まったり感が好きな方にはお勧めである。
e0040938_17121301.jpg
<ストーリー>
「神々と男たち」のグザヴィエ・ボーヴォワ監督が、喜劇王チャップリンの遺体誘拐事件という当時
世界的ニュースとなった実話をヒントに撮り上げたヒューマン・コメディ。
冴えない2人の男が引き起こした前代未聞の事件の顛末を、チャップリンへのオマージュ満載に、
ユーモラスかつハートウォーミングに綴る。
主演は「ココ・アヴァン・シャネル」のブノワ・ポールヴールドと「この愛のために撃て」の
ロシュディ・ゼム。また、チャップリンの孫娘ドロレス・チャップリンが未亡人役で出演。

 1977年、スイス・レマン湖畔。出所したばかりのお調子者エディは、親友のオスマンとその幼い娘に
温かく迎えられる。しかしオスマンは、入院中の妻の医療費が工面できずに追い詰められていた。
そんな時、テレビでチャップリン死去のニュースが報じられ、2人は遺体が近所の墓地に埋葬されること
を知る。そこでエディは、チャップリンの棺を盗み出し、身代金を頂くことを思いつく。
さっそく、ためらうオスマンを強引に巻き込み、2人で行き当たりばったりの遺体誘拐計画を実行するが…。
(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352889こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-09-14 22:50 | 洋画=た行 | Comments(0)