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●「トランセンデンス Transcendence」
2014 アメリカ Alcon Entertainment.119min.
監督:ウォーリー・フィスター
出演:ジョニー・デップ、モーガン・フリーマン、ポール・ベタニー、レベッカ・ホール、キリアン・マーフィー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
シネコンに行こうかどうか迷った作品。結局WOWOWで良かった感じ。期待ほどでは
なかった。AI対人間とか、人間の意識のデータ化などは最近良くテーマになり、昨日
WOWOWでシーズン1が終わったスピルバーグ総指揮のドラマ「エクスタント」にも
通底するものだ。広範囲に考えれば、「ロボ・コップ」や「ターミネーター」もそうだった。
しかし、最近はクラウド型コンピュータとネットの発達で、人間の意識をデータ化して
クラウドに上げるという想定になって、現実が映画をドライブしている感じがする。

本作も、世界的人工知能学者であるジョニデが、反対するテロリストの凶弾に倒れるの
だが、妻の手により意識がデータ化され、クラウド上に生きることになり、この暴走を
止めるため、アメリカ軍やFBIなどがテロリストと組んで対抗しようとする話だ。

ジョニデが簡単に銃撃され、それが軽傷と分かったものの、実は銃弾に毒薬が塗られて
いて、余命いくばくもなくなるということになる。妻はチンパンジーのアップロードが成功
したのだから、旦那の意識もデータ化してアップロードできる筈だ、とジョニデの頭を
剃って電極を付け、意識のアップロードを図ったわけだ。これが成功、ジョニデはPC内で
復活を遂げる。しかし、進化した科学者の脳は世界中のネットワークと結び、世界の
脅威となりはじめる。これを恐れた軍や科学団体は、テロリストと組んで、ジョニデの
地下施設を破壊しようとする。

アップロードが完成し、これが更にバージョンアップされるのに2年という月日が流れるが
それは字幕で「二年後」としか示されない。この間、ジョニデはナノロボットという一見
粉磁石のようにしか見えない粉体をコントロールし、人間をロボット化する技術や、
再生医療などを完成させていた。ジョニデは、更に自分の脳力を拡張しようと世界をの
PCを自分の意のままに操るようになってきたため、軍などがこれを止めにかかったわけだ。

全体的に評価が低いのは、ストーリーが食い足りないということ。いろいろと作られてきた
人工知能ものを何がしかヴァージョンアップしてくれているのか、と思ったのだが、映像は
なかなか奇抜で美しいし、VFXも見どころはある。が、お話が平板だもので、ときめかない
んだ。更に、ラストになって、実物?のジョニデ再登場に及んでは、なにこれ?と
細かいところでは、止めにかかったのが野砲一門とテロリストというのがどういう意味なのか
よく分からなかった。

冒頭、地球が電気も使えず、PCもタダのドアの支え棒にしかならない時代がやってきましたよ、
と見せておいて、それはどうしてかっていうと・・・、語られる仕掛け。何故ならば、ジョニデや
ナノロボットを殲滅するために仕掛けられたウィルスのせいなのだね。このウィルスでジョニデも
滅ぶけど、世界中に散らばったナノロボットと支配されたPCもダウンしてしまい、原始的な
世界にもどってしまったとさ、ということなのだな。

キャスティングは宜しかったのではないでしょうか。アメリカでも大コケしたそうだが、それは
脚本の失敗(結局は製作者サイドの失敗)ということなのだろう。
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<ストーリー>
 「ダークナイト」や「インセプション」の名カメラマン、ウォーリー・フィスターが記念すべき
監督デビューを飾ったSF大作。
究極的な人工知能を開発研究する天才科学者が反テクノロジー団体の凶弾に倒れ、
その死の間際に感情を含む彼のすべての脳データをコンピュータ・ネットワーク上に
アップロードされたことから巻き起こる予測不能の運命を描く。
主演はジョニー・デップ、共演にモーガン・フリーマン、レベッカ・ホール、ポール・ベタニー。

 近未来。人工知能研究の第一人者ウィルは、反テクノロジーを標榜する過激派集団の
銃弾に倒れる。だが、その死を受け入れられない妻のエヴリンは、親友の科学者マックスに
協力を仰ぎ、ウィルが息を引き取る前にその意識をスーパーコンピュータにアップロード
することに成功する。
やがてネットワークに繋がったウィルは、軍事機密や個人情報を含むあらゆるデータを
手に入れ、加速度的な進化を始める。もはや超越的な存在へと近づいていくウィルの
暴走に、いつしかエヴリンの心も揺れ始めるが…。 (allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-06-27 23:50 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「ダブル-完全犯罪- Absolute Deception」
2013 アメリカ Limelight International Media Entertainment,Voltage Pictures.92min.
監督:ブライアン・トレンチャード=スミス
出演:キューバ・グッティング・ジュニア、エマニュエル・ヴォージエ、クリス・ベッツ他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
日本ではDVDスルーされた作品をWOWOWで鑑賞。突っ込みどころ満載のいわゆる
B級サスペンス・アクション。テレビの2時間サスペンス的な作りだ。上映時間もそんな
感じだし。おお、と思ったのは2度死んだと思っていた旦那が最後まで黒幕だったという
ことくらいかな。なにせ、FBIエージェントであるキューバの相方となる雑誌記者を演じた
エマニュエル(この人おそらく初めてみたと思う)の眉毛が気持ち悪いくらい不自然に
細くて、萎えた。そんなに不美人でおないのだから眉毛で損しているんじゃないか。
そのあたりからB級臭プンプンだ。

冒頭、オーストラリアでのFBIエージェントと、協力者らしき男のシーン。協力者は追手に
殺されてしまう。
その男の妻はNYの暴露雑誌の記者で、夫は2年前に交通事故で死んでいるはず、と
いう。しかし、最近撮影された写真を見れば信じざるをえない。

実はこの夫は公認会計士なのだが、自分のボス・金融王のオスペルベルグと組んで
金融詐欺をしていたわけだ。これがバレてオスペルベルグは逮捕、自宅監禁となり
裏切りをしったボスの追手が迫ったことから司法取引に応じ、FBIと接触しようと
したところだったのだ。夫は金庫からボスの大金をくすねていたのだね。
それがバレて、ボスから追いかけられて自分が殺されたように見せたわけ。これに
協力したのが地元の刑事という、ありがちな構図で。

二度目に死んだ自分の亭主が一体なにをしていたのか知りたい妻は、FBIと
オーストラリアに来るのだが、一緒に捜査しちゃうんだよね。地元警察からはやめてくれと
言われているのに。それと、この妻、鍵を開けるドロボーさんみたいな工具一式は持って
いるわ、PCのパスワード解析USBはもっているわ、格闘は強いはで、エージェント?と
突っ込みを入れたくなるんだな。そんなことしているからオスペルベルグに命を狙われる
ことになるのだ。でっかい4WDで追いかけられるのだけど、運転が馬鹿に上手くて
逃げちゃうんだな。なんだかんだありつつ、最後は旦那が悪事をしていたことを知り
対峙、簡単にピストルで殺しちゃう・・。愛していたのじゃないのかね、昔といえども。
ハードボイルドだねえ。 旦那が内緒でやっていた事務所のPCに動かぬ証拠があり
オスペルベルグはアメリカへ強制送還され裁判に。事件は解決したのだった。

出演者といい、ストーリーと言い、派手ないねえ。IMDbで4点台って、めったに見ない
作品だ。途中でやーめたという程ではないから突っ込みながら見ると逆に面白いかも。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-06-17 22:35 | 洋画=た行 | Comments(0)

チャッピー Chappie

●「チャッピー Chappie」
2015 アメリカ・メキシコ・南アフリカ Columbia Pictures (presents) and more.120min.
監督・(共同)製作・(共同)脚本:ニール・ブロムカンプ
出演者:シャールト・コプリー、テヴ・パテル、ヒュー・ジャックマン、ニンジャ、ヨ=ランディ・ヴィッサ
     ホセ・パブロ・カンティージョ、シガニー・ウィーバー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ブロムカンプの第三作。なにせデビュー版「第9地区」のインパクトがもの凄かったので
期待してみちゃうというバイアスがかかるのだが、多くの人が否定的だった第二作
「エリジウム」も私は面白く観たので、まあ「第9地区」を凌ぐのは無理としても相当の
期待をしてシネコンにいったわけです。前評判もあまり芳しくないというか、日本でも
あまりプロモーションに力が入ってないように見えますね。すでにシネコンでは1日3回、
悪い時間帯での上映になっちゃってました。日曜の小さい小屋もガラガラ。

映画は例によって治安最悪の南アフリカ、ヨハネスブルグが舞台となる。で、「ロボコップ」
とか、一連のマーヴェル系アメコミでの既視感もありありで、こりゃ、丁寧には作ってある
けど、ストーリー的にはなんだかなあ、という展開か?と思っていたら、ラスト30分くらいで
ブロムカンプ節炸裂で、意外性(そうびっくりもしないのだが)の展開となり、なかなか
満足して席を立つことが出来た。

本来人間と同じ意識を持たないドロイドとして開発した警官ロボットに、開発者のディオンが
人間と同じ「心」の成長を持つプログラミングの開発に成功、廃棄となることになっていた
22号を会社のルールに違反して持ち出し、自分で組み立てようとしたのだ。
ところが、ロボット警察に手を焼いていた、お人好しギャング4人組が、ロボットならリモコンで
スイッチ切れるだろう、というパンピー的な発想をし、ディオンと22号を拉致してしまう。
それは、ロボット警官の無能化を目的としていたはずだった。しかし、人間の意識回路を
インストールすることで、悪の味方をするドロイドとして、何とかならないか、とディオンを
ボコボコにして、ついに、意識レベル赤ちゃんのドロイド「チャッピー」が産まれたのだ。
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チンピラ3人組がボスから上納金を納めなくては自分たちが殺される状況の中で、
真っ白な意識をもつ「チャッピー」は、チンピラの中で育てられていくことになってしまった。
その辺りの描写は面白かった。言葉使いとか、クビから太り金の鎖をジャラジャラ下げたり、
いかつい歩き方など、チャッピーの吸収は早かった。チンピラは、チャッピーの成長を促す
ため、街に一人で放り出す。しかし、不良たちから警官と見られているので、石を投げられ
火炎瓶をぶつけられ、さんざんな目にあって、チンピラのもとに帰ってくる。なんて自分が
こんなひどい目に合わされなくてはならないのかと、幼心に苦悩もしていた。しかし、
チャッピーの創造主であるディオンは、チャッピーに「犯罪」を犯してはいけない、「人間は
傷つけてはいけない」という約束だけはさせる。

一方、警察当局から100台オーダーの受注を受けたディオンの手柄を苦々しく思っていたのが
巨大ドロイドで、人間がヘルメットを被って制御する「ムース」というマシンを作ったヴィンセント
(ヒュー・ジャックマン)。ドロイドの登場で犯罪も減り、巨大なマシンの出番が無くなったことから
研究費もカットされ、なんとか騒動を起こしたいヴィンセントであった。そこで彼は警察ドロイドの
無能化をプログラミングすることにした。システムに入り込んで、警察ロボットを無能化、
街はまた犯罪に溢れ、しかも、チャッピーがチンピラと組んで現金輸送車を襲うシーンがテレビで
放映されるに及び、警察は、ドロイドの契約を破棄、会社は「ムース」に出動命令をだした。
社長(シガーニー・ウィーヴァー)は、ドロイド全てを破壊せよ、と指示する。そしてついに最後の
戦いが始まる。空中を飛んで、チンピラとチャッピーのアジトにやってきた「ムース」はチンピラたちに
容赦無い攻撃を加え、チンピラだけど結構気のいい「ママ」ヨーランディも、チャッピーの理解者でも
あった「アメリカ」も惨殺されてしまう。最後に生き残ったニンジャは、無駄な戦いを挑むが、
ヨーランディーの最後の一撃で「ムース」は破壊された。しかしヨーランディは射殺されてしまう。
されに、ディオンも撃たれ瀕死となる。ディオンを助けようとチャッピーは会社に乗り込み、
「ムース」を操縦していたヴィンセントを捕まえてボコボコにする。

そしてチャッピーは研究棟にはいり、ディオンと自分の「次の場所で」生きる道の作業にかかる。
チャッピーは意識をデータ化することを自らの知能で可能にしていて、「ムース」のヘルメットを
使い、まずはディオンを、たった一台残された実験用ドロイドにディオンの意識を転送する。
ディオンの肉体は死亡するた、ディオンの意識はドロイドに移転された。されに破棄される予定
だったため5日分のバッテリーしか無い上、充電機能も破壊されて「余命」の無いチャッピーが
別の充電可能なドロイド(36号だったかな)に意識を転送。
さらに、チャッピーは、死んでしまったヨーランディの前に収集していた意識を、PCで遠隔組み立て
したドロイドに移植したのだった。これで、チャッピー、創造主(メイカーといっていた)ディオン、
そしてチンピラの中で一番チャッピーを理解しかわいがっていた「ママ」ヨーランディの3人(?)は
ドロイドとして、「次の場所」での生き方をすることになった。(続編ありそう)
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こういうストーリーで、モーションキャプチャーを使った映像も、残酷なシーンは日本では
カットされた部分もあったようだが、(イスラム国がらみ?)、全体として、テンポ、活劇、そして
寓意性もあり、突っ込みどころもあるけど、面白く見ることが出来た。

「A・I」や、先日までWOWOWで放映されていた「エクスタント」など、人間の「意識」を持った
ドロイドと人間の「心」の問題、特に「罪」や「愛」についてのテーマはこれまでもいくつか取り上げ
られてきた。人間型警察ロボットも普通だし、これに対抗しようとするシステムの違う陳腐化した
巨大ドロイドとの同じ組織内、会社内での争いもありがちだし、気の良いギャングの存在も
想定内、ラストの戦いも予想はできるし、チャッピーが人間の優しい心を得て、愛する人を
救おうとする行為も想定できる。しかし最後の最後にこういうやり方でねえ、というのは
ブロムカンプが一矢報いた感じだ。しかし、(不可能と思うが)人間の意識をデータ化して
これを他の高性能演算機を備えたロボットに移植することが出来るなら、人間は永久に
死なないことになる。人間の体をしているかどうかは別として。これはSFの世界では常識なの
かもしれないが、私には結構衝撃的だった。悪人もそのまま残るわけだし、「人間の意識」の
データ化、なんて成功しないほうがいいな。さて、ドロイドになった3人(?)、続編はあるのか?

<ストーリー>
「2016年.犯罪多発都市、南アフリカ・ヨハネスブルグ。ロボット開発者のディオン(デーヴ・
パテル)は、学習機能を備えたAI(人工知能)を搭載した世界でただ一体のロボットを極秘で
製作。“チャッピー”と名付けられたそのロボットを起動させると、まるで子供のように純粋な
状態であった。
だが、チャッピーはディオンとともにストリートギャングにさらわれ、そのAIにはギャングに
よって生きるための術が叩き込まれていく。そんな中、加速度的に成長するAIは彼自身の
バッテリーが残り5日間しかないことを知り、さらに死への恐怖をも感じるようになっていく。
やがて、ただ生きることを目的としたチャッピーは人知を超えた行動を起こし始めるが……。」
(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-06-07 11:30 | 洋画=た行 | Comments(0)

トカレフ Tokarev

●「トカレフ Tokarev」
2014 アメリカ Hannibal Classics,Patriot Pictures.98min.
監督:パコ・カベサス
出演:ニコラス・ケイジ、レイチェル・ニコルズ、マックス・ライアン、マイケル・マグレイディ、ダニー・グローバー
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
最近とんといい作品に恵まれないニコラス・ケイジ。本作も嫌な予感がしたのだが、
予感は的中してしまった。娘に何かされた父の復讐劇というのは、たっくさんあるわけ
だが、トカレフというタイトル通り、ロシアンマフィアの匂いをプンプン撒き散らしておいて
更に、今は更生して金持ちのビジネスマンになったポールだが、かつてはロシアンマフィアと
抗争を繰り広げていた過去があった。騙しの伏線はたっぷりだ。
加えて、娘がボーイフレンド二人と家で遊んでいると、3人の賊がやって来て、3人を
嬲り者にした挙句に娘を射殺するという「イメージ映像」が観客をミスリードに誘う。
ちょっと汚いやり方だなと感じた。

で、肝心のオチだけど、これがビックリなんだけど、トホホなビックリなんだよなあ。
娘はかつてオヤジがギャングをやっていたことを知っていて、銃の隠し場所も知っている。
そこで酒なども入って、気が大きくなった男友達二人に銃のケースを持ちだして見せて
やる。ボーイフレンドは銃を持って振り回していたが、その中に、かつてオヤジが
ロシアマフィアとの戦いで奪ったトカレフがあったのだ。で、それを振り回していた
ボーイフレンドの銃が暴発し、娘の頭を射抜いてしまった、というものだわさ。

なんかもうちっと気が利いたオチはなかったのかなあ・・・。復讐に駆られたオヤジが
昔の仲間と殺しまくったロシアマフィアもいい迷惑だし、マフィアに殺されちゃう
親友も可愛そうじゃん。さらにもう一人の友人はあらぬ疑いを掛けられオヤジに刺殺
されちゃうんだもんなあ。

娘を撃った銃がトカレフと割れた時に、自分の銃の箱のなかにトカレフがあったことに
すぐ気がつくだろうにさ。

う~む、ニコラス・ケイジ、もちっといい映画に出てくんないかなあ・・・。「フェイス/オフ」
みたいな・・・。オスカー男優の名前が泣くってもんだわ。最近はラジー賞ノミネートばっか
だものなあ。
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<ストーリー>
「犯罪に手を染めていた過去を清算したポール・マグワイア(ニコラス・ケイジ)は、
妻ヴァネッサ(レイチェル・ニコルズ)、娘ケイトリン(オーブリー・ピープルズ)と共に幸せな
生活を送っていた。だが、ソビエト製の拳銃トカレフ(TT-33)によって娘が何者かに殺害され、
その途方もない哀しみは歯止めのきかない怒りへと変わっていく。

復讐心に燃えるポールは、昔のギャング仲間と共に娘を殺害した犯人を探し始める。
そんな中、ロシアマフィアが娘の殺害に関与している事を聞きつけたポールたちは、壮絶な
復讐劇を開始。トカレフに秘められた謎、張り巡らされた罠、躍動する狂気……
娘の死の背後に潜む驚愕の真実が明らかになった時、闇に葬り去ったはずの“悪”が
ポールの中に甦るのだった……。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-05-05 22:30 | 洋画=た行 | Comments(0)

ドン・ジョン Don Jon

●「ドン・ジョン Don Jon」
2013 アメリカ Voltage Pictures.
監督・脚本:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
出演:ジョセフ・ゴードン・レヴィット、スカーレット・ヨハンソン、ジュリアン・ムーア、トニー・ダンザ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
売り出し中のジョセフ・ゴードン=レヴィットが、初の長編のメガフォンを自らの主演、脚本作品で
取った作品。お話は単純だし、映像の組み立てもなかなか凝ってはいるが、ジャンルとして
私の好みではない。言わんとする所は分かるし、出ている役者もオスカー級が並んでいて
それなりだが、心から「面白かった!」とはならなかった。本国ではだいぶ稼いだ作品のようだ
が、まあ、アメリカ人には受けるタイプの映画かもしれない。オチもだいたい分かっちゃうし。

つまりは理想の女というものは、どういうものなのか、ということをプレイボーイではあるが
真面目で清潔好きの主人公の女性に対する考え方の変化を描くことにより示したもの。
その方法論の描き方がジョセフ・ゴードン=レヴィット流ということ。ではあるが、目新しいか、
というとそうでもない。

ナイスバディのすこぶるつきの美人だが、ジコチューなスカーレット、それに対比されるのが
お年は行っているが、14か月前に交通事故で夫と息子を亡くしていて影のある夜学の
同級生ジュリアン。
主人公ジョンは、モテモテなのだが、人間の女よりネットのポルノ動画のほうが好き、という
ちょっと変わった青年。ある夜いつものクラブでいつものようにナンパしてると、今まで
観たことのないような美人バーバラ(スカーレット)と出会い、一目惚れしてしまう。しかし
彼女はなかなか体を許さない。やっと初めて自分の家に連れてきてベッドインに成功した
ものの、ポルノを観るほうがやっぱりいいと、夜中に起きだしてPCを見ていることろを
見られてしまい、本物の恋人がいるのにどういうこと?と責められるが、友達からジョークの
映像が送られてきたんだよ、とか嘘を言ってその場は事なきを得た。

そんな折、夜学でエスター(ジュリアン)という年増の女性から声を掛けられる。うざったいと
敬遠していたジョン。一方バーバラの希望でジョンの家族にも紹介し、両親も気に入り
うまくいくかのように見えた。しかし、自分の部屋を自分で掃除するジョンを、家政婦に
やらせるバーバラ、私と一緒に暮らし始めたら自分で掃除するなんて言わないでね、と
約束させられてしまう。そのあたりから、ジョンの心に多少の違和感が生まれる。
そして、ポルノ鑑賞が止められないジョンはついに2度めの目撃をされてしまう。PCの
履歴をチェックされ、ポルノサイトが並んでいたのを見つけられたのだ。これが決定的と
なり、引き止めるジョンを尻目にバーバラは彼の元を去っていく。

そんな折に、ジョンはエスターと接近する。最初は失恋の憂さ晴らしのようにしてエスターと
セックスをするのだが、包み込むようなエスターといると心地良いことが感じられるのに
気がつき始めた。そして、家族にもバーバラと別れた、と言うと、妹が、「別れて正解。
あの女は自分のことしか考えていない。好きな男は自分のために何でもして当たり前と
思っているジコチュー女よと」言い放つ。納得してしまうジョンだった。
そして、エスターと付き合いを深めれば深めるほど、目を見て話をしてくれるし、自分の
こともちゃんと考えてくれる女性像の素晴らしさに気がつくのだった。結婚はしないだろう
けど、ジョンの女性の見方が変わっていったのだった。そしていつの間にかポルノも
見なくなっていたのだ・・・・。

ポルノ好きの男、超美人だがジコチューの女、年増だけど、男女の愛情とはどういうものか
ということをわかっている女性。ちょっと設定がステレオタイプだったかなあ。教会の懺悔の
シーンとか、同じシチュエーションを繰り返すとか、映像の構成の仕方は凝っていて
飽きさせないのではあるが、個人的には、今ひとつ、という映画であった。
スカーレット・ヨハンソンがジコチューの嫌らしさが出し切れてないんじゃないか、と思えた。
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<ストーリー>
「『LOOPER ルーパー』の若手演技派、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが自ら主演も務めた
初長編監督作となるコメディ。平凡ではあるものの、何不自由ない毎日を過ごすモテ男が
タイプの異なる2人の女性との出会いを通し、新たな価値観を見出していく姿を描く。
スカーレット・ヨハンソンとジュリアン・ムーアがヒロインを務める。

鍛えられた身体に甘いルックス、車も部屋も洒落込み、趣味はジムでのトレーニング。
家族を大切にして、週末は教会へ。完璧男のジョン・マテーロ(ジョゼフ・ゴードン=
レヴィット)は、毎晩異なる美女を“お持ち帰り”するプレイボーイ。
そんな彼を、遊び仲間のボビー(ロブ・ブラウン)とダニー(ジェレミー・ルーク)は“ドン・ジョン”と
呼んでいた。だが、相手にも完璧を求めるジョンは、自分好みの女性、理想のセックスを
求めて女性との関係を繰り返すものの、どうしても満足できない。彼の理想は、パソコンで
見ているポルノのようなセックスだったのだ。

ポルノ鑑賞は止まらず、毎週末、教会で“婚前交渉”と“自慰”を懺悔する日々。教会の後には
実家で家族と食事。父のジョンSr.(トニー・ダンザ)とはいつも張り合う似た者同士。
父子のケンカを仲裁する理想家の母アンジェラ(グレン・ヘドリー)は、息子に素敵な恋人が
できることを望んでいた。家族に無関心な妹モニカ(ブリー・ラーソン)は、スマホが手放せない。

そんなある日、ジョンはクラブで出会った美女バーバラ(スカーレット・ヨハンソン)に一目惚れ。
しかし、家庭的で堅実、恋に恋するタイプの彼女は、ジョンとは正反対。“この世で一番美しい
女性”とのセックスのために、尽くし、我慢し、奮闘するジョン。そして訪れた待望のひと時。
しかし、それもポルノには敵わなかった。寝ている間、こっそりポルノサイトにアクセスしていた
ところ、運悪く起きてきた彼女に見つかってしまう。何とか関係は修復できたかに見えたが、
その後もポルノの鑑賞頻度が上がる一方。

ある日、夜学の授業の合間にポルノを見ていた彼に、年上の女性エスター(ジュリアン・ムーア)が
話しかけてくる。気取らない性格の彼女は、ポルノ鑑賞についても遠慮がない。
嫌な部分に踏み込んでくるエスターを煙たがるジョンだったが、この出会いが彼に大きな影響を
及ぼすことに……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-04-29 22:10 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「ダラス・バイヤーズ・クラブ Dallas Buyers Club」(再見)
2013 アメリカ Voltage Pictures,Truth Entertainment (II).117min.
監督:ジャン・マルク=ヴァレ
出演:マシュー・マコノヒー、ジャレッド・レトー、ジェニファー・ガーナー、デニス・オヘヤ、スティーヴ・ザーン他

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<2013年度アカデミー賞主演男優賞、助演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞作品>

<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
去年の今頃ミニシアターで観たのだが、また観てみたいと思っていたのでWOWOWで放映
されたのを機会に鑑賞。

劇場鑑賞の折の感想はこちらでご確認いだだければと思うが、再見して★の数をひとつ
増やした。やはり凄い映画だ。実話がベースなので割引はあるとしても、死にかけたHIV患者の
男が国、組織と戦うパワーは、一体どこからくるのだろうか、とつくずく思う。ラストカットでロンが
再びロデオの挑戦するのだが、その力の源はテキサス魂とでもいうのだろうか。

そして激ヤセで人相変わってしまったマコノヒーは本当に凄みがにじみ出ているなあ、とこれも
再認識した。そして、単に彼の孤独な戦いだけではなく、彼に力を貸す、トランスジェンダーのレイヨン、
主治医イヴ、メキシコ人医師らとの交流が物語に厚みを付ける。全編を通しての完成度の
高さを再認識させられて、★を一つ増やしたという次第だ。 それにしても主人公ロンは
本当は頭の良い奴なんだな。入会金を取って薬はタダという仕組みとか弁護士を雇って
法廷闘争をするとか、並の頭じゃ出来ないと思う。残念ながら、彼の生涯は長くはなかったが、
残したもの、与えた影響は大きかったのだ。事実こうして映画になるくらいなのだから。
再見して良さを再認識。いい映画というのはそういうものだろうな。

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by jazzyoba0083 | 2015-04-16 15:42 | 洋画=た行 | Comments(0)

とらわれて夏 Labor Day

●「とらわれて夏 Labor Day」
2013 アメリカ Indian Paintbrush,Mr. Mudd,Right of Way Films.111min.
監督・脚本:ジェイソン・ライトマン
出演:ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリン、ガトリン・グリフィス、トビー・マクガイア他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
久々のケイト・ウィンスレット。だんだんいい味をだしてくるようになったなあ。オスカーも
獲ったことだし、ますます演技に磨きを掛けてほしいものだ。
さて、本作はシュアな作品づくりで定評があるジェイソン・ライトマンが脚本も書いて演出した
もの。なんだか、一冊のペイパーバックを読んだような気分でもあり、設定は全然違うが
どこか雰囲気に「マディソン郡の橋」を思い出していた。全体として、スリリングな面もありつつ
エンディングもそれなりにきっちりカタルシスを取ってくれるので、いいのだが、何か
引っかかるものが残った。それは何か。後半、ハッピーエンドに持っていくための時間の
折りたたみ方がいささか強引過ぎるか、と感じたこと、脱走犯と母子家庭が庭で遊んでいても
何にも起きないのはいささか不自然だったなあ(隣人とかが気が付きそうなものだけど) 
主人公のウィンスレット演じるアデルがちょっと情緒不安定とはいえ、短慮に過ぎるんじゃないか、
と思われる節があちらこちらに。大体、金曜に脱走犯が来て、如何にいい人だったとはいえ、
週明けにはカナダに逃避行って、ちょっとスピード有り過ぎるんじゃないかなあ、とか。 
これはアメリカの刑法だからしょうがないのだろうけど、脱走犯の犯罪は故殺じゃなくて、
傷害致死事件じゃないかなあ、あれで懲役18年は重いんじゃないか??とか。でも本作は
そういう点を乗り越えて観客の心に何か暖かいものを与えてくれている。

まあ上記のような違和感は感じつつも全体のストーリーとしては理解し易いので、パンクした
タイヤを交換できたり、野球が上手くなったり、長じてはよく客の入るパイの専門店を
開いたりで、長男にも大きな影響を与えた脱走犯、パイの店の下りはスピルバーグとか
ゼメキスが喜びそうな展開だな。

全編を通じて絶対的な悪人が出てこないのも、本作のほんわか感を生み出している。
ところどころにフラッシュバックで挿入される過去映像が、ウィンスレットのものか、脱走犯の
ものか、よく分からなくなるところがあった。
結局あの脱走犯は根っからの悪人ではなく、たまたま奥さんを押し倒したらスチームパイプに
頭を打ち付けて殺してしまったわけで、善人なんだよな。ただ何で料理が上手く、いろんな
技術に長けているのか、あたりの説明はない。また奥さんを殺してしまった原因もよく分からな
かった。

いろいろと欠点を上げたが、全体として観て損したとは思わない作品レベルには仕上がって
いると思う。ケイト・ウィンスレット、少年時代の長男、(成人してからはトビー・マクガイア)、
実はいい人の脱走犯ジョシュ・ブローリンも顔つきが悪そうなそうでなさそうな感じが出ていて
良かったと思う。個人的にはラストはもっと悲劇的なものを予想したのだが、時間はかかったが
ハッピーエンドで良かった。やはり家庭はお父さんがいて、お母さんがいて、子供がいて、と
いう構図が望ましいなあ。そうしたエアポケットに、脱走犯がたまたまいい人だったのでハマった
という感じ。そんなお話もあるでしょう。長男がいかに脱走犯に影響を受けて育っていくかが
ラストで短く淡々と語られるが、それはそれで、重要な意味を持つものだ。
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<ストーリー>
『マイレージ、マイライフ』の俊英ジェイソン・ライトマン監督が、シングルマザーと逃亡犯の
純愛を、13歳の息子の視線を通して描いたラブストーリー。
母親役をケイト・ウィンスレット、逃亡犯をジョシュ・ブローリンという実力派たちが演じ、彼らの
運命を変える5日間の物語がドラマチックにつづられる。

アメリカ東部の静かな町。9月初めのレイバー・デイの週末を控えたある日。夫が自分のもとを
去ったことが原因で心に傷を負ったシングルマザーのアデル(ケイト・ウィンスレット)と13歳の
息子ヘンリー(ガトリン・グリフィス)の前に突然、警察に追われる脱獄犯フランク(ジョシュ・
ブローリン)が現れる。

家へ連れて行くよう強要された2人は、そのまま自宅で彼を匿うことになる。危害を加えないと
約束したフランクは、アデル親子と緊張状態を保ったまま過ごすうち、次第に家や車を修理し、
料理をふるまい、ヘンリーに野球を教えるようになってゆく。
いつしかフランクはヘンリーと打ち解け、アデルとはお互いに惹かれ合うように……。
ともに過ごした時間の中で、ついに3人は人生を変える決断を下す。人生の晩夏にさしかかった
シングルマザーと思春期の少年が体験した、運命の5日間の行方は……?」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-04-15 22:40 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「デッド・マン・ダウン Dead Man Down」
2013 アメリカ FilmDistrict,IM Global,WWE Studios.118min.
監督:ニールス・オルデン・オプレヴ
出演:コリン・ファース、ノオミ・ラパス、ドミニク・クーパー、テレンス・ハワード、イザベル・ユペール他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
妻子を殺された男の復讐譚とは映画の1つのジャンルになるくらい沢山の作品があるが、
これもそうしたもののひとつ。所謂B級だと思うのだが、そこそこは楽しめた。

絶望し復讐に生きがいを見出そうとする男と、絶望し、未来が開けない女の出会い。
それがお互いに共振しあって、一つの仕事にのめりこんでいくという単純なストーリー。
見どころは最後の銃撃戦か。 「困り顔」のコリン・ファース、「ミレニアム・ドラゴン・タトゥーの
女」のノオミ・ラパス。両者とも極めつけの美男美女じゃないところがリアリティ。
復讐相手となるテレンス・ハワードは、ボスキャラとしては「悪さ」が足らない感じだ。

プロットにはいささか強引さを感じるところもあるけど、このところヘビーかつ重量級の
作品鑑賞が続いていたので、時に息抜きにこういう作品も悪くない。

主人公ヴィクターはハンガリー人で、兵役の後、家族でNYに出てきたが、求めたアパートが地上げに
合い、追い出しを迫るギャングたち(アルバニア人が使われた)に銃撃を受け、妻子を殺された。
その時一味は家族全員を殺したと思っていたのだが、実は旦那は生きていて、彼らの
組織に入り、復讐のチャンスを狙っていた。

地上げ屋で殺し屋の一味、アルフォンス(テレンス・ハワード)と襲撃実行犯のアルバニア人の
元にはジグゾーパズルのような写真と、ターゲットとなっていることを示す写真が送られて
来ていた。(もちろん、ヴィクターの仕業)一方、マンションの別棟の同じ位のフロアに住んでいる
ベアトリス(ノオミ・ラパス)は飲酒運転のクルマに追突され、顔に大怪我を負い、引きこもりの
生活。そんななかで、向いのヴィクターが部屋の中で殺しをするところを目撃、携帯の動画で
録画してあった。

ベアトリスは、ヴィクターに接近し、秘密を明かし、自分の顔をこんなにした男を殺してくれ、
と依頼する。そうでなければ殺しをしたことを警察に言うぞと。そのころのベアトリスは
ヴィクターの秘密をしらない。やがて、心に闇を持ったもの同士が惹かれ合うのであるが、
ヴィクターは、一味を本部の倉庫に誘い出し、建物全体に仕掛けた爆弾を爆発させ、
自らも犠牲にして復讐を遂げるつもりであったので、ベアトリスに冷たく接した。

ヴィクターの殺された妻の叔父がなぜか知らないけど、武器の調達や裏世界の情報に
長けていて、ヴィクターの復讐に手を貸していた。

やがて、ヴィクターの正体が実はハンガリー人で、アルフォンスらが殺したと思っていた男で
あることを、ヴィクターと共に動いていた気のいい男に知られることになる。
ヴィクターはアルバニア人ボスの弟を拉致し、アルフォンスに捉えられたというビデオを
取り、それを宅急便でアルバニア人のもとに送り、仲違いを演出したかった。しかし、
ベアトリスは、その中身を入れ替えて、送ったのだ。彼女はヴィクターに死んでほしくなかった
のだ。そのヴィクターは彼女の依頼を実行したのだが、交通事故を起こした男を半殺しには
したが、殺しはしなかった。彼女が後悔するだろうと踏んだからだ。

やがて、アルフォンスにアルバニア人グループ加えたグループとヴィクターの最後の戦いが
始まる。たまたまヴィクターの家を訪ねたベアトリスはアフフォンス一味の捕らえられた。
そこに急行するヴィクター。ピックアップトラックごと、一味の本部である倉庫に突っ込み、
銃撃戦が始まる。重装備をしたヴィクターは次々を一味をやっつけていく。
捕らえられていたベアトリスは隙をついて逃げ出し、密かに持っていた、アルバニア人弟の
「アルフォンスの倉庫に捕らえられている」というビデオをPCで再生した。それを見た
アルバニア人兄は、アルフォンスに騙された、と思い込み、お互いを撃ち合い、相討ちとなる。

最後に残った一味の中の相棒に対峙したヴィクターは、彼に幼子がいることを知っていて
「お前が居なくなったら家族が悲しむ」と銃を向けることはせず、その場を去っていった。
地下鉄の中で固く抱き合うヴィクターとベアトリスであった。

叔父さんは強力な武器をどうやって手に入れたんだろう。殺したと思っていた男が
一味に潜入していたことは名前はもちろん変えてあったが、アルバニア人らには
ばれなかったのか。ベアトリスの加害者はその後どうなったのか。ベアトリスに預けた
SDカード入りの封筒を彼女は開けて、うさぎの尻尾のお守りに入れ替えてアルバニア人に
送ったのだが、封筒を破って別のものに入れ替えたのかな。などなど、いろんな細かい点の
不思議さはあるが、スピード感も手伝って、まあまあ楽しむことが出来た。
ノオミ・ラパスという女優さんは不思議な味わいを持った人だ。
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by jazzyoba0083 | 2015-03-24 23:15 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「チョコレート Monster's Ball」
2001 アメリカ Lee Daniels Entertainment,Lions Gate Films.113min.
監督:マーク・フォスター
出演:ビリー・ボブ・ソーントン、ハリー・ベリー、ピーター・ボイル、ヒース・レジャー、ショーン・コムズ他
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<2001年度アカデミー賞主演女優賞受賞作品>

<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
このところ、見応えのある作品に出会えて、楽しい一方、色々と考えることが多く、
正直、疲れる。本作は今から14年前の作品になるのだが、ハリー・ベリーが何かで
オスカーを獲ったとは知っていたが、本作が該当作品であった。WOWOWでの鑑賞で
あったが、本来もっと過激なセックスシーンがあったと思え、それを「映倫再審査合格版」と
して放送されたもの。故に、当該シーンはイメージカットが多用され普通に見るような
ベッドシーンとなっていた。だが、本作の性格を考えると、主人公二人の激しい性交渉は
それなりに意味があるわけで、再編集してしまったことで、監督が訴えたかったことが
多少変形した恨みはあることは、鑑賞後に理解できる。(オリジナルを観ると4分位カット
されているようだ)

全般に暗い映画である。鬱屈された登場人物たちのカタルシスがあったのかなかったのか
ラストでもよく分からない部分もある。でも、人は誰かに大事にされたいと願い、それに
応える大事にしたい、という気持ちの交流から、愛情に溢れた幸せな生活が獲得できるのだ、
ということを貧富の差を超えて、訴える力を持つ作品ではある。
ラストで、ハリー・ベリーは、自分を大事にしてくれる男が、夫の死刑執行に立ち会った刑務官
であった(彼の息子も)ことを知り、涙を流すが、その涙は何だったろうか、刑死した夫は画が得意で
ハンクとソニーの似顔絵も描いていて、それをハンクの家で発見するのだが、夫とハンクらの
心の交流を知り、安心して涙したのだろうか。私は一瞬、夫を殺して私を囲い者にした、と、復讐に
出るのではないか、とハラハラした。ハンクと外の階段で並んでアイスクリームを食べ、少し笑顔に
なるのだが、その笑顔は心からの笑顔では無いように感じたのだが、どうだろう。彼女なりの
折り合いを付けた感じがしたのだが。

親子3代で刑務所の看守をしてきた男たち、主人公ハンク(ソーントン)と息子ソニー(ヒース・
レジャー)、それと病気がちで酸素ボンベが手放せない老父バック。同じ職業に着いてきて
それなりに誇りを抱いてきたのだが、お互いを尊敬し、愛しているか、というと、南部男の習性
なのか、お互いに屈託を持ち暮らしている。3代の親子関係に愛情とか親密さは感じられない
寂しい状況になっていた。

そんな折に、ハンクとソニーが勤める刑務所で、ローレンス・マスグローブという男の私刑
執行が行われた。母親に似て、繊細で心優しい息子ソニーは、電気椅子に連行する際に
吐いてしまう。死刑囚の最後を汚した、と父親は激怒、所内で暴力を振るい、止めに入った
黒人看守を差別する汚い言葉を吐いた。これは老父譲りの南部男気質なのだろう。

ソニーは家に帰ってからも父や老父から責められ、ついに切れてしまい、父を殴り銃で
脅し、「オヤジはボクを嫌いだろう」と聞く。ハンクは「嫌いだ。ずっと嫌いだった」と言うと、
ソニーは、「ボクはオヤジを愛していたよ」と言うと持っていた銃で胸を撃ち抜いて自殺して
しまう。

この事件はハンクに衝撃を与えた。ソニーに言われたことで、自分が父として人として間違って
いたと気が付き、刑務所を辞める。老父には「愚かな判断だ」と文句を付けられる。

一方死刑囚の妻、レティシアは10歳くらいの男の子と、厳しい生活にさらされていた。
アパートは30日以内に出て行けと言われているし、勤めていたダイナーもクビになり、
ようやく新しいレストランでウエイトレスとして働き始めた。そこにいつも来ていたのが
ハンクであり、いつもチョコレートアイスクリームとコーヒーを注文していく。

ある雨の夜、レストランに来ていた息子と歩いて帰ろうとしたレティシア。息子がクルマに
ひき逃げされてしまう。そこにたまたま帰り道だったハンクがクルマで通りかかる。
必死に助けを求めるレティシアであったが、黒人らしいこともあり一瞬通り過ぎるが
やがて、バックして二人を救助し、病院に搬送する。レティシアの息子は傷が酷く、
病院で死亡してしまう。 彼女がよく行くレストランのウエイトレスとも気がつかない
ハンクだが、自分も息子を失った直後でもあり、警察の依頼もあり、彼女を家まで
送って行くことになる。

その後、ハンクとレティシアは急速にその中を深め、体を求め合う間になっていく。
ハンクは刑務所を止め、ガソリンスタンドを購入し、自営をすることにした。
その間、レティシアのクルマが壊れたことから、ハンクは息子ソニーの乗っていたトラックを
彼女に与える。最初は警戒していたレティシアだが、ハンクの真面目な接し方に
心を開いて行くのだった。お互いに心に空いた穴を埋める必要があったのだ。

ある日、レティシアがハンクにお礼をしたくて、上等なテンガロンハットを買い、それを
持って自宅に行ったが、たまたま用事で不在で、老父が対応した。老父はレティシアに
向かって、「ハンクのガールフレンドか。黒人の女とヤってこそ男だ」と口走った。
これを聞いたレティシアは、ハンクもそういう気持ちだったのか、と誤解し、直後に
やってきたハンクを無視し、帰ってしまう。しばらくレティシアはハンクを寄せ付けない
態度であった。しかし、レティシアがついにアパートを追い出され、荷物を前に家の前で
途方にくれているところをハンクが通りすがり、家に案内する。

そのころ、オヤジがレティシアを怒らせたことが原因となり、ハンクは老父を老人ホームに
預けることにした。ホームの担当が「お父様を愛していらっしゃるのね」と声を掛けると、
「愛してなんかいません」ときっぱりと言い切るのだった。彼は彼なりに父親の抑圧に
苦しめられて来たのだ。それを息子ソニーの自殺でしみじみと理解することになったわけだ。

ハンクは家中の壁を塗り替えて、レティシアを迎え入れ、「大事にするよ」とささやくのだった。
お互いに大事にしたい、大事にされたい、と思う同士だったのだ。それに至るまでは大きな
犠牲を払ってきたのだ。ベッドを共にした後で、ハンクはアイスクリームを食べたい気分だ、と
クルマで買いに出かける。その間に、息子ソニーの部屋に入り、刑死した夫が描いた二人の
似顔絵を見つける、という前に書いた所に戻るのだ。アイスクリームを買って帰ったハンクと
レティシアは外の階段で並んで食べ始めた。欠けてしまった人生の一部を二人で埋め合う
作業を始めようとするかのように。彼が購入したガソリンスタンドは「レティシアの店」と
名付けられていた。

刑務官一家の3人の親子、そしてレティシアと交通事故死する息子のそれぞれの親子関係と
その喪失。そして再生。そのあたりが重い空気感の中に、じわじわと伝わる作品であった。
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by jazzyoba0083 | 2015-03-17 23:15 | 洋画=た行 | Comments(0)

ドレッサー The Dresser

●「ドレッサー The Dresser」
1983 イギリス Columbia Pictures.118min.
監督:ピーター・イェーツ  
出演:アルバート・フィニー、トム・コートネイ、エドワード・フォックス、ゼナ・ウォーカー、アイリーン・アトキンス
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
脚本家ロナルド・ハーウッドの舞台劇を映画化したもの。ハーウッドはサー・ドナルド・
ウィルフィットの付き人をしており、ハーウッドの実体験を脚本化したものだそうだ。今年の
始めには、本作のテレビ映画版がアンソニー・ホプキンスとイアン・マッケランの共演で
制作されると報道されている。日本でもこれまで数々のキャスティングにより舞台劇化されて
いるという。そいういう話を私は今回本作を観て初めて知った。
ストレート・プレイとしてはかなり有名なんですね。

両優あい打つ、という感じか。サーを演じるアルバート・フィニーとドレッサー(衣装係兼付き人)を
演じるトム・コートネイの丁々発止のやりあいは、さすがは本来舞台劇、という感じで
見応えがある。舞台上での主役であるサーと、世俗上の主役?である付き人ノーマンの
ところを変えてのやりとりは迫力満点だ。アップの多用も含めイギリス人ピーター・イェーツの
解釈の上手さを感じる。バックステージドラマなので、舞台裏や楽屋場面が多いのは仕方の
ないこととして、ドイツ軍の空襲が苛烈になる1942年のロンドンという時代設定の上手さも
手伝い、駅頭や街中のシーンも挿入され、飽きること無く観ることが出来る。

シェイクスピアを心から愛するイギリス人ならでは、の舞台劇に対する愛情や、劇団員たちの
愛憎も加わり、主役二人を始めとする人生の一面を切り出して観せている。
見どころはやはりラストに繋がるシーンであろう。227回めの「リア王」を演じきったサーが
楽屋で絶命するのだが、それまでのトピックスを収斂させる主張が繰り広げられる。
16年間の人生をサーに奉仕することに生きてきたノーマンが、サーが書き始めた自叙伝の
謝辞に自分の名前がないことに驚愕し、サーを罵る。しかしサーはノーマンはもはや
自分の一部であり、特に意識をする存在ではなくなっていたわけだ。舞台だけが人生だった
サーにすれば、満足な人生を全うしたといえるのだが、翻って長年の奉仕が報われなかった
(と本人は思っている)ノーマンはどうするのだ? 奉仕しつつも「たった一人の友人」でも
あったとラストに独白するのだが、ノーマンにとってサーは人生そのものになっていたのだ。

前段では、俗世間ではまるで子供のようなサー、しかし一旦袖から舞台に入れば人が変わった
ようになるサー、そんな老優を母になり嫁になり時に叱責もし、支えているノーマン。
ノーマンにはそんな名優を支えているというプライドが人生を支えていた。その対比がいろんな
エピソードで綴られるのだが、先に書いたようにラストでの老優の「退場」とノーマンの
周章狼狽は、人生の側面を物語っている。また長年独身で老優を想いながら舞台監督を
務めてきたマッジとサーに常に感謝されながらも、最後では極めて「冷静」な奥方の対比も
面白かった。その奥方に対抗しようと色仕掛けに来る劇団の若手女優のからみもまた
面白い挿話である。
しかしながらこの映画の最大の見所はサーとノーマンの掛け合いの醍醐味であろう。
1980年にこの本を書き上げたハーウッドは本作でも映画化の脚本を手がけているが
けだし才人であろう。面白い作品に巡りあった。あの「ブリット」のイェーツである。
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<ストーリー>
1942年l月。第二次大戦下のイギリス、ロンドン郊外のある劇場。出しものは『オセロ』。
演じるのはシェイクスピア劇団の座長(アルバート・フィニー)。そして、その舞台裏では
ドレッサー(衣裳係兼付き人)のノーマン(トム・コートネイ)がせわしなく動き回っている。

この座長は、サーの称号が与えられているほどの名優だが、全て目分の思い通りに
ならないと気がすまない文字通りワンマン座長だ。翌日、劇団は次の公演地である
ブラッドフォードへと旅立った。その日の午後、一行は目的地に到着するが、座長は、
有名なグランド劇場が空襲にあい焼け落ちてゆくのを目のあたりにして、精神錯乱の
状態に陥った。通りがかったノーマンが、座長の異常に気づき病院に送る。今夜、何と
しても『リア王』を上演しなければならない……。ノーマンは焦った。刻々と迫る開演時間に、
コーデリア役である座長夫人(ゼナ・ウォーカー)は茫然となった。
そして、二十年近く劇団に打ち込んできた舞台監督のマッジ(アイリーン・アトキンズ)らは
協議の結果、公演中止という結論を出した。とその時、病院をぬけ出して来た座長が
そう白な顔で現われた。必死になって『リア王』の仕事をさせようとするノーマン。
しかし座長は、虚脱状態から抜け出すことができず、空襲におびえる哀れな老人のままだ。

団員たちは不安をつのらせ、特にオクセンビー(エドワード・フォックス)は、座長が最も
苦手とする男で、冷ややかな視線を座長になげかけていた。相変わらず不安定な状態が
続き、座長はまちがえて『オセロ』の扮装をしてしまう始末。開演30分前。ノーマンは
孤軍奮闘で、どうにか準備をすませ、あとは開演のべルをまつばかりとなる。遠くで鳴り
ひびく空襲警報のサイレン。やがて『リア王』の幕が上がる。それは座長にとっては
二二七回目の『リア王』だ。いざ舞台に立った座長は、全身の力をふりしぼって、いつになく
力のこもった『リア王』を演じきるのだった……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-03-02 22:40 | 洋画=た行 | Comments(0)