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「ファンタスティック・フォー Fantastic Four」
2005 アメリカ 20世紀フォックス映画  106分
監督:ティム・ストーリー
出演:ヨアン・グリフィズ、ジェシカ・アルバ、クリス・エヴァンス、
マイケル・チクリス他
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「スパイダー・マン」や「ディック・トレイシー」といったアメリカンコミック原作の
映画。マンガだと始めから割り切ってみればそれなりに楽しい。
岩男にトレーラーがぶつかるところとか、消防車がブルックリンブリッジから
あわや落ちそうになるCGなど、なかなかの出来だと思った。

ジェシカ・アルバが色っぽくていいしね。それにしてもニューヨークを舞台に
した映画をここ何本か、ブルックリンブリッジが必ず出てくるんですね。
この橋はニューヨークの象徴なんでしょう。私ら日本人が思う以上に。
そういえば、アメリカ版「ゴジラ」もこの橋の上で息絶えたんでしたっけ。
「ニューヨークの恋人」ではこの橋から飛び込むと時空の裂け目に入る
仕組みだったし。これからもこの橋は、アメリカ映画のキーになっていくので
しょうね。

ところでこの映画のストーリー。宇宙ステーションで宇宙線の観測をしていた
4人の科学者が、宇宙線の大爆発に遭遇し、大量にそれを浴びたことから、
それぞれ超能力を身につけてしまった、それを正義に使う、という判りやすい、
マンガそのもの。理屈をつけて突っ込んで見てしまってはいけませんね。
ひたすら娯楽に徹して観る事です。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2007-01-08 17:45 | 洋画=は行 | Trackback(2) | Comments(0)

●「パーフェクト・ワールド a prefect world」
1993 アメリカ ワーナーブラザーズ配給 マルパソプロダクション138分
監督:クリント・イーストウッド 脚本:ジョン・リー・ハンコック
音楽:レニー・ニーハウス
出演:ケヴィン・コスナー、クリント・イーストウッド、T・J・ローサー
    ローラ・ダーンほか。
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2006年最後の映画は、やはりイーストウッドでした。
いや~、泣かされましたな。しっかりと。イーストウッドの映画らしく
長い上映時間でしたが、脚本がしっかりしているお陰でしょう、
飽きることなく観させていただきました。忍び寄るように或いは
寄り添うように流れていく音楽は盟友レニー・ニーハウス。
いつものjazzyなテイストではなく、舞台となったテキサスの風を
感じさせるもの。「南部のワルツ」。

ある時点から結末はなんとなく予想できてしまうのですが、フィリップが
ブッチを撃ったのは衝撃でした。観客はあの暴力農夫をそこまで攻め
なくてもいいんじゃないの?と思いつつ、ブッチの育ってきた子どもの
頃の環境に思いを馳せるわけですね。

それと少年フィリップの家庭が「エホバの証人」であることも、ストーリー
に綾をなしていくわけで、このあたりのケレンは日本では無理ですね。

脱走犯ブッチは、ニューオリンズのラテンクオーター(ハリケーン・カトリーナ
でメチャクチャになってしまった街角ですな)で娼婦を母として産まれ
8歳で、母親に乱暴しようとした犯罪者を、娼館のダンスホールに
落ちていた銃で撃って殺してしまう。裁判所は少年に4年の少年刑務所
入りの判決を下す。

その時テキサスの警察で少年の裁判にかかわっていた警官こそ、
脱走犯ブッチを追う事になる署長レッド(イーストウッド)その人だったのだ。
彼は、少年ブッチの家庭環境を考え、判事をT-ボーンステーキで
買収し、あえて刑務所に送り込んだのだ。更正を期待して。

しかしその後犯罪を重ねたブッチはまた刑務所暮らしとなったが、
穴を掘って脱走。逃亡の途中で寄った家で一緒に逃げた男がトラブルを
起こし、その家の少年フィリップを連れて逃げることになってしまった。

やる事なすことが危険な、その一緒に逃げた男を途中で射殺してしまう。
フィリップは父親がすでに死亡していた。そしてブッチはフィリップに
自分の少年時代を重ねる。
ブッチは自分を「俺はいい人じゃない。極悪人でもない。ちょっと変って
いるだけだ」と分析してみせる。そう、ブッチは本当は愛情に飢えている
少し乱暴な男であり、お互いに父への、そして親への愛情に飢えている
二人は、必然のように惹かれあうのだった。
フィリップはブッチに次第に心を許すが、どこかで線を引いているな、
と思わせるのが、ブッチに対する返事が「Yes,sir」「No,sir」と敬語に
なっているところだ。これは字幕では判りづらいな。

クルマを乗り換え(盗み)ていく二人が、途中、親切から一晩世話になった
黒人農夫の家で、農夫が6歳の子どもに対し暴力的であることに異常に
イラつくブッチ。農夫を縛り、拳銃を突きつける。そんなブッチに裏切られた
思いのフィリップは、隙をみて銃を取り上げ、ブッチを撃つ。そして銃を
井戸に捨てクルマのキーを草むらに捨て逃げ出した。

ブッチはフィリップの後を追うのだが、キズはわき腹を貫通していて出血が
ひどい。逃げていたフィリップは、しかしブッチが気になり、一緒に投降
しようとする。追い詰めた警官隊の中から署長レッドは、丸腰になり
二人に近づき説得しようとする。FBIの狙撃手が、ブッチを射程に捕らえて
いた。レッドはFBIに狙撃は待て、と指示をしてあったのだが、レッドが
フィリップを受け取ろうとした時、ブッチが自分の父親が
アラスカから届けてくれた絵葉書を渡そうと尻のポケットに手を回した時
その動きを銃を取り出そうとしたと思ったFBIは・・・。
フィリップが駆けつけていた母親の手から離れブッチに抱きつく。涙が
溢れていた。「ブッチは悪い人じゃない・・・」

犯罪分析官(当時はプロファイラーという言葉はまだなかったのかな)の
サリーの描き方や警察側の描き方が足りない、とか、逆に脱走犯と
少年の話にまとめてしまったほうが良かった、などの批評もあるが、
イーストウッドのいいたいことは極めてよく判るし、ロードムービーとしても
良くできていると思った。最後の愁嘆場でも
ブッチが「参ったな、一日に二度も撃たれちまったよ」と洒落てみせる
雰囲気が、悲惨に流れる一歩手前で踏みとどまったし、サリーが
狙撃したFBIの股間に蹴りを入れるところでは、観客は快哉を叫ぶだろう。

実はレッドとブッチは本当の親子ではないのか?という疑惑があります。
確かに、サリーとレッドのキャンピングカー内での会話で、
「この事件をしくじれば知事は票を失うだろう。俺は・・・・」と言いよどむ
ところ、
キャンピングカーにあった知事用のTボーンステーキを食べちゃった後の
夜にサリーとの会話「記録は全然違う」「彼をもし少年刑務所に送らな
ければ、俺は・・・」と目を泳がせる場面は、確かに怪しい。
しかし、ブッチは父親がアラスカから送ってきた絵葉書を後生大事に
もっていた。アラスカからの手紙をだれかに頼んで出させることくらいは
簡単なことだが・・・。本当の所はどうなんだろうか?判りません。

この一年、イーストウッドの映画をWOWOWとNHKさんのお陰で
実にたくさんみることができたわけだが、食わず嫌いでごめんなさい、
って感じです。年明けに「硫黄島からの手紙」を観にいく予定なので
ますます楽しみになった。今年では今回の映画が一番心に沁みたかな。
「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」も良かったけど、今回は
時代設定(60年代半ば)も良かったと思う。
マカロニウエスタンの売れない役者、ダーティー・ハリーのイメージが
強かったイーストウッドだが、今年、その考えを見事に塗り替えて
くれました。いま、アメリカで最も輝いている監督の一人であろう。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-12-31 22:15 | 洋画=は行 | Trackback(3) | Comments(0)

●「プラダを着た悪魔 The devil wears prada」
2005 20世紀フォックス 110分
監督:デヴィッド・フランケル  原作:ローレン・ワイズバーガー
出演:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント他
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シネコンの一番大きい画面のスクリーンで上映していた。でも、
日曜なのに、客は半分も入ってない。評判上がらないのかなあ。
ファッション業界のサクセスストーリーで、ブランドが判らない男性
には、つまらない作品かもしれない。

でも、私と奥さんはとても面白く鑑賞しました。ストーリー自体は
極めてシンプルでありがちなんだけど、メリル・ストリープの存在感と
アン・ハサウェイのキュートな可愛さ、素敵なファッションの数々は
期待を込めてみている人を裏切らない。シンプルで先が読める
ストーリーが、逆にいい効果を与えているのかもしれない。
ポップスを多用した音楽センスも映画に良くフィットしている。
原作が、「VOGUE」誌で、同じ仕事をしてた人物の暴露本だけに
真実味がある。それをウソっぽくなく演出できていたのはたいした
モノだと感じた。

アンドレアはハーバードの法科大学院に入れる学力を持ちながら、
ジャーナリストになりたくて、入ったのは絶大な影響力を持つファッション
雑誌、「RUNWAY」の編集部。ここの編集長こそ、何百万の女性の憧れの
職業だといわれる。そして現在の編集長が、「プラダを着た悪魔」こと
ミランダ・プリーストリー。
田舎娘のアンドレアは、「RUNWAY」なんか読んだこともないし、
ファションに興味もなかった。真のジャーナリズムへのステップと割り切り
受験してきたのだ。アンドレアはミランダの面接を受けるが、
ジャーナリズムがやりたいと本音を吐き、ミランダからは、ファッションセンス、
ゼロね、とか言われる。でも、何故か採用され、第二アシスタントとなる。

採用されたのはいいが、やるのは電話番と雑用。ミランダの理不尽な
リクエストも絶対に利かなければならない。しかし、どんなに努力しても
ミランダから何か言葉があるわけでもない。
アンドレアは、編集者の一人ナイジェル(スタンリー・トゥッチ)に着る服を
選んでもらい、髪も切りブランドの服に身を固め、覚悟も決めて仕事に
取り掛かる。でも仕事は雑用。ミランダの休暇先が暴風雨で、飛行機が
飛ばなくなると、飛行機を手配しろ、と言われる、ハリー・ポッターの新作を
手に入れて双子の子どもにプレゼントするように言われたり。

忙しすぎて、恋人ともすれ違い勝ちになるし、ストレスは溜まる一方。でも
アンドレアは負けない。やがて、ミランダはアンドレアを認めるようになる。
そして、一大イベントであるパリのファッションショーに同行を許される。
第一アシスタントを差し置いて。

華やかなパリで、華やかなファッション業界の洗礼を受けるアンドレア
だったが、ミランダに「あなたは私に似ているわ。みんな私のようになりた
がっているのよ」と語りかけられ、やはり自分の居場所ではないんだと
悟り、一人パリを去る。そして、「RUNWAY」誌を去り、かつての恋人の
元に戻り、新聞社に就職活動する。
その面接の日、編集長が、ミランダからファックスが来て「アンドレアを
雇わないのはバカだ」と書いてあった。ミランダは彼女を認めていたのだ。

髪を銀色に染めたメリル・ストリープが物凄い。嫌な上司を演じつつ
実は離婚を繰り返す寂しさも露呈し、スッピンさえ披露する。ミランダ自身
ミランダを演じていて、本当のミランダは別にいる、と見た。
しかし、ハリポタの出版前の新作を手に入れろ、とか要求は度を越して
いるが。
毎朝スタバのコーヒーを取りに行くのが第二アシスタントの役目なのだが、
ならば、スタバと同じ機械を会社に据えて、スタバで豆買って来て作ったほう
が早いし時間がセーブできるのになあ、とか思った。

編集者ナイジェルを演じているスタンリー・トゥッチが、脇を締めている。
軟弱に流れ勝ちのファッション映画と、田舎育ちのか弱い女性が都会で
成功し、やがて挫折し新しい人生を手に入れるというどこかで見たような
ストーリーも、メリル・ストリープと、スタンリー・トゥッチ、それに第一アシス
タント、エミリーを演じた英国女優のエミリー・ブラントで、しっかりした
映画になりえていたようだ。アン・ハサウェイはその上に乗っかって輝いて
いれば良かったのだろう。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
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by jazzyoba0083 | 2006-11-26 12:10 | 洋画=は行 | Trackback(8) | Comments(0)

●「ヒトラー~最期の12日間~Der Untegung」
2004 ドイツ・イタリア 155分
監督:オリヴァーー・ヒルシュビーゲル 原作:ヨアヒム・フェスト
                           トラウドゥル・ユンゲ
出演:ブルーノ・ガンツ、アレクサンドラ・マリア・ラーラ他
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実在のヒトラーの秘書、ユンゲさんの回想録と、ヨアヒム・フェストの
同名の実録本をベースにした、ドキュメントドラマ。全編ドイツ語だから
(あたりまえなんだけど、よくドイツを舞台にしていても英語の映画が
あるから)ひしひしと迫力を感じる。いろんなことを考えながら
反応しながら観ていた155分だった。
日本で、東條英機を主人公にしてこういう映画を作るかな、とまず
考えた。最期に今は亡き、ユンゲさんが出てきて、「若さはいい訳に
ならない。知らなかったでは済まされない。しかし、目を開けばきっと
見えたはず」というセリフが実に重い。太平洋戦争も、「見えていた」
人は多かったはずなのに、世の中の狂気の流れというのは、あがらう
のは難しいのだ。その点、昨今の政治の動きに、背筋が寒くなるのだ。

さらに、ヒトラーのセリフ「国民なんてどうなってもいいのだ」という
セリフ。私は「国体護持」という言葉を連想した。戦争になれば、悲惨
なのは国民であり、為政者たちは、国という組織をどう守るかに
汲々とするのだ。
最期の字幕で、この戦争で5000万人が戦死した、とする一方で
きちんと「600万人のユダヤ人が虐殺された」と記すドイツ人は
凄いと感じた。

戦争は悲惨だ、というのは簡単だが、この映画はヒトラーの最期の
12日間を、様々な人の目がから見ることによって、より悲惨さを
浮き上がらせることに成功している。
まず、ユンゲ秘書が見るヒトラー。女性や愛犬に優しい一方、気に
いらない将軍や部下をなじる狂気。「尋常な」人ではないな、と
感じる。そしてその狂気をどうすることも出来ない、親衛隊や将軍たち。
敗北は目に見えているのに、総統に忠誠を誓ったことを頑なに
守ろうとする、石頭たち(日本にもいたな)。
ヒトラーの国民殲滅、全国土焦土化思想に反対する将官の医学教授。
ヒトラーユーゲントの少年。ゲッペルスと夫人その子どもたち。
戦争という狂気は、一度走り始めると、止めることが難しいということが
よく判る。
降伏に反対する将軍や参謀が「二度と惨めな目に会うのはいやだ」と
主張するが、第一次世界大戦で敗北し、巨額な賠償金を払う敗戦国と
なったドイツの、日本とは違う事情も勉強できた。
最期の最期まで「ユダヤ人をドイツから追い出し国土浄化が出来たのは
良かった」と言ってはばからないヒトラー。歴史のバックグラウンドは
全く違うが、日本人が中国人や朝鮮人に取った態度と、通低するものが
ある。
ユンゲ秘書のアレクサンダー・マリア・ラーラが、戦時とは思えぬ
キラキラとした健康な美人振りが、健全さの象徴のような気がした。
地下司令室に閉じこもった12日間、彼女の存在が救いだった。
最後に、登場人物のその後が字幕で語られるが、親衛隊だった将官も
つい最近まで生きていたり、まだ健在な人もいたりするので、映画の
持つ現実味を、まざまざと見せ付けられるし、復習もさせられる。
この映画を、日本中の中高生に見せたいが、学校で観せることは
不可能だろうなあ。こうした映画を作るドイツ人の健全さにも思いが
いった。
この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-11-25 18:45 | 洋画=は行 | Trackback(3) | Comments(1)

●「ファイブ・イージー・ピーセス Five Easy Pieces」
1970年 アメリカ コロムビア映画 98分
監督・製作・脚本:ボブ・ラフェルソン
出演:ジャック・ニコルソン、カレン・ブラック、ビリー・グリーン・ブッシュ他

<1970年度ゴールデングローブ賞助演女優賞=カレン・ブラック>
他、受賞作品
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"イージー・ライダー"などと並ぶアメリカン・ニューシネマの傑作、と
言われていて今まで観る機会が無かった。日本で封切られた当時、
(71年)、私は東京で大学生活を始めたのだった。
今から35年前の時代の雰囲気を理解できないと、この映画の良さは
なかなか判らないのでは?
ベトナム戦争泥沼で、大国アメリカは病んでいた。青年たちも悩んで
いた。そんなバックグラウンドをもって見ると、この映画の主人公が
アメリカそのもののように思えてくる。
ジャック・ニコルソン、若い!(当然)でも、既にハゲ始めてる!
カレン・ブラック、いい味出してます。

裕福な音楽家一家に育ち、ピアノも上手いボビーは、カリフォルニア州
南部の油田で働き、ノータリンの女レイと自堕落な暮らしをしている。
なんか、やる気ないもんね、という人生の目標を失い、でも探そうと
するでもないボビー。
そんな中、レイが妊娠する。本来は知的なボビーとノータリンのレイは
本来かみ合わない(ボーリングのシーンは象徴的)し、会話だって
まともにはならない。でも、どうでもいいのだった。
父親が倒れ、重篤だという知らせを姉から受けて
ボビーはレイから逃げるようにワシントン州の実家に3年ぶりに戻る
ことにするが、結局レイも付いてくることに。このあたりも優柔不断。
実家に帰っても、自分の居場所はない。父親はすでに口が利けず、
泣きながら許しを請うても、反応はない。人生のポイントすらずれて
いる。そんな家族の中で、全く雰囲気を読めずアホな会話をする
レイ。「おれがいると周りが悪くなるから家をでた」とボビーは自分を
分析してみせる。
実家にもいたたまれず、カリフォルニアに帰るボビーとレイだったが、
途中で寄ったガソリンスタンドで、ボビーは木材運搬の大型トレーラーに
乗せて貰い、レイとクルマを放置し、その場から逃げていく。
そうだ、ボビーはいつも逃げているのだ。乗せて貰ったトレーラーの
巨大な材木が、ボビーのその後の人生の大きな重りのようだった。
何一つ解決していないボビー、で、どうするんだよ!えっ!

アメリカの苦悩をその体で一心不乱に演ずるニコルソン。
ボビーを苛立たせるノータリン女を言葉遣いや表情も含め極めて
優れた演技で演じてみせる、カレン・ブラック。観ている方がイライラ
してくるし、「おまえ、アホか」と突っ込みを入れたくなる演技は
素晴らしい。安っぽい化粧もいい。

何も努力しない、現状から逃げ回る、何も解決しない。当時のアメリカ
の苦悩そのものだ。
映画に意味や意義を見出したい人には実にいい映画だろうが、判り易い
エンターテインメント性を専ら楽しみたい人には理屈っぽくて、だめだろう
な。いずれにせよ、アメリカの70年代の傑作映画ではある。
この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-11-24 22:00 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

バード Bird

●「バード Bird」
1988 アメリカ ワーナーブラザーズ映画 161分
監督・製作:クリント・イーストウッド
音楽:レニー・ニーハウス
出演:フォレスト・ウィテカー、ダイアン・ヴェノーラ他。
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NHK-BSのイーストウッド特集の1本。数ヶ月前に観たばかり
なのにまた観てしまった。事実の持つ凄み、そしてパーカーという
悲劇の天才が持つ凄みは、何回観ても面白いというか、
凄い。一ジャズファンとして、ビ・バップの時代にタイムスリップ
したような感覚を覚える。
フォレスト・ウィテカーの微妙に似ているパーカー、ちょっと似てない
んじゃないの?というディジー・ガレスピー、レッド・ロドニーなどを
観るのも面白い。感想はこのブログ内の検索から前回の視聴を
探ってください。
by jazzyoba0083 | 2006-11-20 23:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「ファイアー・フォックス Firefox」
1982 アメリカ ワーナーブラザーズ映画  136分
監督・製作:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、デヴィッド・ハフマン、ウォーレン・クラーク他
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NHK-BSのイーストウッドシリーズの1本。長い映画だった。この人、総じて
長い感じがする。ストーリーは単純で、ソ連が開発したステルス戦闘機を
引退した空軍少佐(イーストウッド)が、盗み出すまでのお話。
皆さんおっしゃるように、機体を盗み出すまでが冗漫で長い。まず、ソ連の
麻薬取引の黒幕に成りすましてソ連に入り、ソ連で生活している仲間が
本物の黒幕を殺す。まんまと黒幕に成りすましているうちに、ばれる。
また他の男に化ける。また正体が割れる。逃げ回っているうちにKGBを
殺してしまう。またまた、追われる。やっとのことで機体の元に潜入。
初見の操縦席で新しい機体を操縦できてしまうところがすごい!?
当時のソ連の航空機は、旅客機からスペースシャトルまで、アメリカの
ものに実に良く似ていたから、初見で操縦できても決して不思議じゃない
のがオチかもしれない。
このころのVFXはまだ精度が高くないので、「ステルス」のような訳には
参らないが、それでも、当時としてはなかなかの出来だと思う。
まだステルスという概念がそう一般的ではなかったころだと思うので、
機体のデザインは良く出来ていたのじゃないかな。去年の「ステルス」の
機体に良く似ているのでビックリしたくらい。
前半を15分くらい短くすると、丁度いい塩梅なのではないでしょうか?
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-11-16 23:15 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「プロフェッショナル The Professionals」
1966 アメリカ コロムビア映画 
監督・製作・脚本:リチャード・ブルックス
出演:バート・ランカスター、リー・マーヴィン、ロバート・ライアン
    ウディ・ストロード、ジャック・パランス、クラウディア・カルディナーレ
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「荒野の7人」か「7人の侍」か、はたまた「ドラゴンクエスト」か。
或る目的のため集められた荒くれが、それぞれの得意分野で
技を発揮しつつ、使命を遂げていく、というお話はよくあるわけで・・。

それにしても、渋いキャスィング。折りしも、昨日ジャック・パランスの
訃報が入ったところでした。この映画では、メキシコ革命軍の指揮官を
演じています。
久しぶりで「活劇」である西部劇を観ました。「ソルジャー・ブルー」あたり
から、先住民族を圧迫する文化史的な西部劇が増えてきて、「明日に
向かって撃て」あたりでエンタテインメント性にも変化が出てきました。
最近は純粋は活劇のウエスタンを見ることは無くなりました。
この映画は1966年製。まだウエスタンが活劇であり得たいい頃?の
映画ですね。「許されざる者」などを観ていると、変ったなあ。

メキシコの国境に近いテキサスの石油王にして鉄道業も営む富豪
のグラントの妻マリアが、メキシコ革命軍のラザに誘拐された。
グラントは、爆破のプロ、ビル(ランカスター)、銃器のプロ、リコ
(マーヴィン)、馬術とロープのプロ、ハンス(ライアン)、斥候と弓の
名手ジェイクの4人を集め、メキシコ領の山にいる妻を助けて来て
くれ、報酬は1人1万ドルだ、と依頼する。
ラザ(パランス)は、誘拐などする人物ではないのに、と一抹の不安を
抱えて救出に向かう4人。
ダイナマイトをふんだんに使い、大軍が攻めてきたように見せて、
その隙に夫人を助けようとした。しかし、夫人はどうやらラザと仲がいい
らしい。しかし、嫌がる夫人を強引に救出、途中で追っ手を振り切り
なんとか、夫人をグラントのところまで連れてくることができた。
しかし、道中で、実は夫人マリア(カルディナーレ)とラザは幼馴染で
お互いに好きあっていたが、領土を支配していたグラントが、
メキシコ人に妻として差し出させたのだった。だからマリアはもとより
グラントを愛しておらず、また逃げる、と宣言するのだった。

追ってきたラザごとグラントの所に戻ってきた4人、グラントは大喜び
で歓迎したが、マリアはグラントの所に戻りたくない。
傷ついたラザを始末するように命ずるグラント。そのとき4人は、
マリアとラザを馬車にのせ、メキシコに逃がしてしまった。
リコは言う「グラントさん、あなたは誘拐された夫人を助けて来て
くれといった。誘拐していたのはあなただ。だから助けるということは
マリアを逃がすことだろう」と。
そして、報酬も受け取らず4人は去っていったのだ・・・。

かっこいい西部劇。ララミー牧場やローハイドのような正統派西部劇とは
ちょっと様子が違うけど、カッコイイ活劇としての西部劇がここには
ある。男気のカッコよさというのかな。アクションも爆破シーンも見ごたえ
があった。名優たちの名演は、見ていて胸がすく。
ただ、あの頃の映画の常道として、昼間のシーンに曇りガラスをかけて
夜のシーンとする手法は、今見ると、ダメだな。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-11-11 23:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「ブラック・ダリア THE BLACK DAHLIA」
2006 アメリカ ミレニアム・フィルムズ、エクィティ・ピクチャーズ
     シグネチャー・ピクチャーズ 東宝東和配給 121分
監督:ブライアン・デ・パルマ 原作:ジェームズ・エルロイ
出演:ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン
    ヒラリー・スワンク、ミア・カーシュナー、リチャード・ブレイク他
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久しぶりに映画館で映画に「対峙」した。別に難しいことではないのだけれど、
人物がたくさん出てきて、物語が錯綜するので、セリフの一つ一つをしっかり
聞いて(見て)いないと、筋が判らなくなりそうだったので、そりゃ、真剣勝負。
それでも、判りづらいところはあったけど。
さらに、デ・パルマの映像美を楽しみたかったので、眠っている場合では
無かったわけです。それにしても、日曜なのに入りが今ひとつだったな。
観た結果は、大変面白かったです。もう一回位観ないと話の筋が明快に
ならないかもしれない。デ・パルマのセピアがかった映像も40年代の
雰囲気を耽美に描写していて官能的に美しかった。
アップ、引き、クレーン、ドリー、パーン、どれも計算されているんだけれど、
それと感じさせない巧みさ。さすがだ。
1947年のLAを再現するためにブルガリアに組んだセットと出てくるクルマ、
これらも凝りに凝っていて美術監督の執念を感じさせる。
物語には直接関係のない、警察署で事務と執るシーンでのちょいとした地震
なども、訳ありげで楽しい。

特に連続殺人犯ラスのアジトを急襲するときの、クレーンショット、その先に
ブラック・ダリアの遺体を発見して悲鳴を上げて走る女性。そして、近づいて
くる警察車両。これだけを1シーンで収めてしまう。印象深いカットだ。

それと、ラスト近く、ケイトの家を訪ねたバッキーが一瞬、芝生の上に
切断されたブラック・ダリアの遺体の幻想を見る、そのときだけセピアが
外れる。これも意味深い、いいカットだったな。

物語はこれから観る人も多いのでネタバレや詳細は省きますが、
1947年1月15日にLAで発見された若い女性(エリザベス・ショート=
ミア・カーシュナー)の、胴体が半分に切断され、口が耳まで切り裂かれ、
内臓と生殖器が抜き取られていた遺体を巡る、謎と男女の交錯が
デ・パルマタッチで描かれていく。
この事件は実際に起きたもので、現在も真相は判っていないのだが、
映画の中では一応決着をつけている。

主人公は、LAPD殺人課特捜班所属の二人の若き刑事、バッキー・
ブライカート(ジョシュ)とリー・ブランチャード(アーロン)の二人。
どちらかというとバッキー目線で物語は進む。
バッキーが特捜班に入るまでが長い。二人が凄腕のボクサーである
ことが映画のスタート。

リーと同棲しているケイ(スカーレット・ヨハンソン)、殺されたブラック・
ダリアことべス・ショートにそっくりな富豪の娘マデリン・リンスコット
(ヒラリー・スワンク)、彼女に惹かれていくバッキー。
映画のセットを建売り住宅にして売り出し、巨万の富を得た、マデリン
の父エメット(ジョン・ガバナー)。その親友にしてエメットの妻のかつての
恋人ジョージイ。 ジョージイの恋人だったエメットの妻ラモーナじが
重要なカギを握っている。
ケイのかつてのヒモで、ギャングのボビー・デウィット(リチャード・ブレイク)。
これらに、ギャングのラス、ダリアの友人ローナが絡んで、殺人事件と
平行して彼らの人間模様が恋愛を軸に描かれていく。

殺されたのは、いつも黒づくめの衣装を着てハリウッド大通を歩き役を
貰おうと必死だった女優のタマゴ、マサチューセッツから夢見て出てきた
べス・ショートだった。皆は彼女のことをブラック・ダリアと呼んでいた。

猟奇的な殺され方からマスコミを賑わすことになり注目される。これの
捜査に当たる、バッキーとリー。登場人物の生活が見事に折り重なって
事件と綾をなしていく。

かつてギャングのボビー・デウィットの女だったケイトは、ボビーに腰に
頭文字BDをナイフで刺青のように傷つけられていたが、最初にそれを
みたとき、一瞬、ブラック・ダリアの頭文字かと思った。でもそんな
ニュアンスをデ・パルマは隠してあるような気がしてならない。
話がやや、複雑だが、大変面白く、いい映画だったと私は感じた。
役者も、みんな良かったが、ヒラリー・スワンクの、金持ちの女ながら
ブラック・ダリアも真っ青なアバズレ振りは、良かったな。
スカーレット・ヨハンソンは、今アメリカで一番妖艶な女優だそうだが、
そうかなあ。美しいことは確かだけれど。原作を読みたくなった映画だった。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-10-29 14:30 | 洋画=は行 | Trackback(7) | Comments(1)

●「ハドソン・ホーク Hudson Hawk」
1990  アメリカ トライスター映画 100分
監督:マイケル・レーマン
出演:ブルース・ウィリス、アンディ・マクダウェル、ダニー・アイエロほか
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ブルース・ウィリスの大失敗作とされる映画です。お笑いなのかサスペンス
なのか良く判らないんだけど、ユーモアたっぷりのおバカな映画を狙った
のでしょうね。
希代の怪盗ハドソン・ホーク(ブルース)=ハドソン川を吹く風のこと=が、
レオナルド・ダ・ヴィンチの仕組んだ錬金術の秘密を盗み出す盗賊と対決
していくお話。これにバチカンのシスターにして諜報部員アンナ
(アンディー・マクドウェル)が絡み、バタバタと進んでいく。

私の感想は、前半はまずまずだったけど、後半がだれてしまって、笑うのか
ハラハラするのか、中途半端だった感じ。ギャグも満載なのだが、これも
中途半端で、上滑りしちゃっていて残念だったと思う。

映画はまず、レオナルド・ダ・ヴィンチが錬金術に成功するところからスタート。
そして、現代。ムショから出たばかりのエディーは、あろうことか刑務所の
保釈担当役人から、盗みの仕事を持ちかけられる。
親友で酒場の共同経営者トミー(ダニー・アイエロ)に相談するが。自分は
本当は更正したいのに。しかし、それはかつてとった杵柄。やはり
腕が鳴ってしまうエディはかつての怪盗ハドソン・ホークとして、また
仕事をすることになってしまう。
それが、レオナルドが隠したという鉛を金に換えるときに必要な
クリスタル3つ。これを組み合わせて太陽光を集めて鉛に当てると鉛は
金になるのだ。
このクリスタルはダ・ヴィンチの作品に隠されていた(!)。これを盗み出す
のがエディの役目。これを陰で糸を引き、世界征服を狙う富豪夫婦、実は
この夫婦と組んでいたCIA(ジェームズ・コバーンら)、バチカンからこれを
阻止するために送り込まれたシスターの諜報員アンナ(アンディ)。
泥棒、CIA、バチカン、世界征服を狙う夫婦が入り乱れて、クリスタルを
奪い合う。

エディとトミーの泥棒コンビの特徴は、泥棒の仕事時間を時計を使わず
歌の時間を使うこと。だから二人で泥棒するとき、歌を歌いながら
やるのだが、ちょっとカッコいいんだが、なんか緊張感が欠ける。

破綻した映画ではないので、見ていて不快を覚えるとか言う愚作では
ないですが、ブルースというと期待が高いんで、みんな中途半端ぶりに
がっかりするのではないでしょうか。気楽に見ればいいのかも。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-10-14 22:30 | 洋画=は行 | Trackback(1) | Comments(0)