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●「ハイネケン誘拐の代償 Kidnapping Mr.Heineken」
2014 ベルギー/オランダ/イギリス Informant Europe,European Film Co.,Umedia 96min.
監督:ダニエル・アルフレッドソン  原作:ピーター・R・デ・フリース
出演:ジム・スタージェス、サム・ワーシントン、ライアン・クアンテン、アンソニー・ホプキンス他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
1983年にオランダで実際に起きたビール王、ハイネケン誘拐事件の実相に迫った映画。
この映画のポイントは2つ。犯人である幼なじみの5人がどこにでもいる普通の人間であり、
根っからの悪人でないことが、結局は自分たちの破滅を招いていく、という点。
もう一つは、被害者ハイネケンの狡猾さである。アンソニー・ホプキンスが実にハマっていた。

主眼は、普通の男たちである犯人らの、誘拐を犯したばかりにその後の人生がめちゃくちゃに
なっていく様なのだが、実際、だれも悪人ぽくないし、誘拐したハイネケンの健康を心配したり
する奴すらいるわけだ。こうした人間が、悪事を成し遂げることなど出来るわけはないわけで、
結局全員が逃げおおせずに逮捕されてしまう。 それはよく分かるのだが、この事件の謎として、
最初警察でさえ大掛かりな組織の犯罪と見ていた事件が、あっという間に5人に絞られ、逃げている
最中に家族や親族も逮捕されるという急転直下、これには映画でも説明されるが、誰かの
タレコミがあったようだ。誰なのだろう。そして、23億円ともいわれる身代金は未だに行方不明
のまま。実はハイネケンが回収を済ませている、(当然保険金は降りているだろうから、
ハイネケンはボロ儲け)、という噂もある。

最後に犯人たちのその後が字幕で示されるが、意外と短い懲役で出てきているんだな。
一人はその後の別の事件に巻き込まれ死亡したようだが、一人はオランダマフィアのボスと
なった、という。誰だろう・・。結局、仕掛けた誘拐が身の程知らずの人物と身代金だったことが
あの5人のサイズに合わなかったということだろうな。もう少し、小型な犯行にすればこんな
ことにもならなかったかもしれないのに。

昨年の今頃、シネコンで封切られた作品で、ポスターを見た時に、一瞬観に来ようかな、とも
思ったが、やめておいて正解だった。WOWOWで見るのが適当な中程度の出来の映画である。
実話がベースとはいえ、映画としての充実度が今ひとつ、という感じである。
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<ストーリー>
1983年に実際に起きた大富豪ハイネケン誘拐事件の顛末を映画化した実録犯罪サスペンス。
ベストセラー・ノンフィクションを基に、未だ謎多き事件の真相に迫っていく。出演はハイネケン役に
アンソニー・ホプキンス、誘拐犯役で「アクロス・ザ・ユニバース」のジム・スタージェス、
「アバター」のサム・ワーシントンほか。監督は「ミレニアム2」「ミレニアム3」のダニエル・
アルフレッドソン。
 
1983年、オランダ・アムステルダム。コル・ヴァン・ハウトは、幼なじみの仲間3人とともに
経営していた会社が倒産し窮地に陥る。追い詰められた末にコルたちは大胆不敵な計画に
全てを賭ける。
それは、世界的ビール会社“ハイネケン”の経営者フレディ・ハイネケンを誘拐し、莫大な
身代金を手に入れるというもの。綿密な計画を練り上げ、いざ実行に移すコルたち。そして
予定通りハイネケンの誘拐に成功する。全てが順調に進んでいるかに思われたが、次第に
歯車が狂い出す。さらに、老獪なハイネケンの食えない態度にも翻弄され、いつしか
仲間同士で疑心暗鬼に陥っていくコルたちだったが…。(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2016-06-29 23:10 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ビッグゲーム 大統領とハンター少年 Big Game」
2014 フィンランド・イギリス・ドイツ Subzero Film Entertainment and more.91min.
監督・脚本:ヤルマリ・ヘランダー
出演:サミュエル・L ・ジャクソン、オンニ・トンミラ、レイ・スティーヴンソン、ヴィクター・ガーバー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
何か、こう少年漫画雑誌を読んでいるような感覚。森に住む少年の成長譚であるが、そこに
合衆国大統領が絡んでくると俄然ただならぬ様相を呈するわけだ。短い映画だし、そう
目くじらを立てるほどの期待も無かったわけだが、ヘタレ大統領と、なんだか知らないけど
(ご都合主義的に)強い少年の活劇が結構面白かったりして、見てしまった。
そう金がかかってなさそうな映画だが、エアフォースワンの映像とか爆発シーンとかのCGの
出来がそこそこ良かったりするので、そこが加点材料となってもいる。

お話は単純で、テロリストの中国製小型ミサイルによってエアフォースワンが撃墜されるの
だが、大統領は緊急脱出用ポッドに乗り、辛くも脱出。そのポッドがフィンランドの山奥に
着陸し、それを父親を越えようと一人で狩りの冒険に出てきた少年が発見。少年は
大統領を救うことで男になっていくのだ。

エアフォースワンにあんなジェミニ宇宙船の先端のようなポッドがあるのかどうかとか、
少年が小型四駆のトラックみたいなものを運転して山に入っていくとか、世界最強の
アメリカ軍の、しかも最高司令官たる大統領の乗り組むエアフォースワンが6機ほどの
護衛戦闘機もろとも簡単に撃墜されるのか、とかいろいろと突っ込みどころというか
あれあれ、という点はあるし、この手の映画の王道としての敵の存在の設定がちょっと
ひねりがなさ過ぎ、という難点もあるが、まあ、女っけほとんどゼロだし、親子で見る
作品としてはまあいいんじゃないでしょうか。
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<ストーリー>
フィンランドの山岳地帯を舞台に、アメリカ大統領と13歳の少年が年の差や身分の違いを
乗り越え、まるで親子のような絆を育み、テロリストに立ち向かう姿を描くサバイバル・
アクション。サミュエル・L・ジャクソンがアメリカ大統領に扮し、ユーモアあふれる演技や
体を張ったアクションに挑戦している。

アメリカ大統領(サミュエル・L・ジャクソン)を乗せフィンランドの首都ヘルシンキに
向かい航行中のエアフォースワンに、テロリストによる地対空ミサイルが撃ち込まれた。
大統領は墜落前に緊急脱出ポッドで避難し難を逃れ、フィンランド北部の山奥に着陸。
しかしワシントンD.C.の国防総省はポッドの位置を見失い、テロ・グループによる捜索の
手が迫る中、孤立無援の大統領を助けたのはシカ狩りをしていた13歳の少年ハンター
だった。厳しい状況下、大統領と少年の戦いが始まる。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-06-15 22:30 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ヘイル、シーザー! Hail,Caerar!」
2016 アメリカ Mike Zoss Productions,Working Title Films.106min.
監督・脚本・編集:イーサン&ジョエル・コーエン
出演:ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、オールデン・エアエンライク、レイフ・ファインズ
    ジョナ・ヒル、スカーレット・ヨハンソン、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィンドン
    チャニング・テイタム。
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
コーエン兄弟、今回はこうきたか!という感じ。映画好きには、特に「ザッツ・エンタテインメント」
の頃のハリウッドが好きな映画好きには堪らない一作となった。私もその口である。
タイトルから類推するに、古代ローマを舞台にしたものなのか、コメディなのかどうなのか
分かり辛いが、作中で作られる映画のタイトルがそのままタイトルになっているという具合。
それにしても名が体を現さないから日本でヒットするのは難しいだろう。

加えて、アメリカの社会風土と思い切りシニカルに笑い飛ばしているところがあるので
まあ、それなりには面白いけど、ウディ・アレンの作品と同様、宗教、ユダヤ人、赤狩り、
ハリウッドスターという人たちの社会におけるポジションなど(特に1950年代における)が
理解されていないと面白さも半減、という仕掛けからすると、日本でのヒットは望めない。

またコーエン兄弟らしくないなあ、と感じる人も多いかもしれない。身もふたも無い不条理な
暴力や、観念的な構成などがここでは身を潜めているからだ。筋を追う分には分かりやすいと
思う。けど、コーエン兄弟が言いたかったことの深い部分をしっかりと受け止めようとすると
難しいかもしれない。

ジョシュ・ブローリン演じるスタジオのトラブル処理係エディ・マニックス氏が、オプ風に登場
する。まあ、彼の登場で、この映画は真面目にはすまないな、と感じる。
彼が解決しなくてはならない問題は、所属するキャピトル映画が製作中のローマ時代の
大作「ヘイル、シーザー」でシーザー役を演じる大スター、ベアード・ウィットロック(クルーニー)が
誘拐されてしまい、身代金を要求されるのだが、それを解決し映画を完成させることに
ある。
一方で、エディ自身も当時花形企業となりつつあったロッキード社からヘッドハントを受けて
いて、先方と接触するなどしていた。 この二つのストーリーが縦軸で、
これにハリウッドスターたちのスキャンダルや、トラブル、製作者側と現場との考え方の違い
などなどのエピソードが横軸として織り込まれていく。
その一つ一つがコーエンらしいアイロニーやシニカルな視点が加えられ進むのだ。
「ヘイル、シーザー!」はキリスト復活の下りが出てくるため、宗教的にバランスは取れているか
を、ユダヤ教、正教、カソリック、プロテスタント、などいろんなキリスト教系の聖職者を
呼んで意見を聞いたり。その場でのユダヤ教ラバイとの問答がなかなか味わい深いものだったり。

人気女優ディアナ・モラン(ヨハンソン)は、エスター・ウィリアムズ張りの水着の女王。でも
だれだかわからない男の子供を妊娠したり、かなり蓮っ葉な口の聞き方といい、スカーレット
本人の当てこすりか、はたまたエスターが実際そういう人物だったのか、などと思ってしまう。

更にセリフがまるでダメな西部劇専用のイケメン俳優ボビー・ドイル(エアエンライク)を
製作者側が興行的成功を狙い強引にラブストーリーの主役にキャスティングする。
しばらくは我慢をしていたローレンス・ローレンツ監督(ファインズ)の激怒ぶり。
そしてボビーの能天気ぶり。

そのラッシュを見ていたエディ、女性編集者(マクドーマンド)のスカーフがフィルムリールに
からんであわや窒息死!という珍場面も。

さらにジーン・ケリーと思しきミュージカルスター、バート・ガーニー(テイタム)らによる
タップダンスと50年代MGM風ミュージカル場面、あ、主人公エディが禁煙を破ってしまい
ました、と教会で懺悔するのだが、これが映画で数回、いろんな懺悔をしているのだが、これが
エディという人間の個性を引き立てている。

そして最大の見所は誘拐されたベアード(ジョージ・クルーニー)。誘拐するのが結構金持ち風の
共産主義者たち。彼らはベアードを洗脳して、映画を通して共産革命を成功に導く助けと
したい、と目論むのだが、ベアードはあっけなく感化されるものの、救出後に映画に戻ると
なんのことはない、唯物主義者には敵のはずのキリストの復活に心を打たれるという役柄を
見事に演じてしまうという軽さを発揮してしまう。ご存知の通りクルーニーはハリウッドでも有名な
リベラルなのだが、そうした彼がこのような役柄を演じている(狙いだろうけど)ことに笑えて
くるのだ。
また、ミュージカル俳優だったテイタムがソ連の潜水艦でモスクワに渡り革命に命をささげる
という(身代金の10万ドルは海に消えたけど)あたり、コーエン演出らしく観念的ではある。

なんといってもスカヨハのエスター・ウィリアムズばりの映画のワンシーン、テイタムが水兵の
衣装でジーン・ケリーばりに歌って踊るミュージカルシーンなど50年代映画ファンとしては
堪らないところだ。

全体として、映画への愛情に満ち溢れている反面、ハリウッドの内情をおちょくり、暴露し
小気味いい出来となっている。上映時間もちょうどいい。私はコーエンらしいとは何かと
いうことも含め、本作はコーエン兄弟の中でも好きな作品になるであろう。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-06-05 13:30 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「フレンチアルプスで起きたこと Force Majeure」
2014 スウェーデン・デンマーク・フランス・ノルウェー Motlys and more.118min.
監督・脚本:リューベン・オストルンド
出演:ヨハネス・バー・クンケ、リーサ・ローヴェン・コングスリ、クリストファー・ヒヴュ、クララ・ヴィッテルグレン
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
いかにも欧州的、カンヌ的な作品。シニカル・コメディーというのか、観ている方が
身につまされる。この映画を観た人は全員、「もし自分があの立場だったら・・・」と
考えないわけにないかないだろう。

キッカケは簡単だ。仕事人間のお父さんが、フレンチアルプスにあるスキー場に
4泊?の日程で「家族サービス」ということで、一家(妻と小さいこども二人)で
スキーを楽しみに来た。 久々の家族旅行ということで皆気分は高揚していた。

ところが、ヒュッテのレストランでランチを楽しもうとした時、人工で発生させた雪崩が
なんと、レストランの方に流れ込んできた。大騒ぎになるレストラン。
そこで家族にも事件が起きた。父親トマスは、家族をほっぽり出して一目散に逃げ出して
しまったのだ。妻は子供を守ろうとその場に留まった。幸い雪崩はレストランの手前で止まり、
大したことは無かったのだが、この家族には非常にまずい状況を産んでしまったのだ。

家族を守らず逃げた父。妻や子どもたちとの間に気まずい雰囲気が流れる。妻に
「逃げたでしょ」と問われると、トマスは「逃げてないって。スキーブーツじゃ走れない
だろう」と反論。しかし妻は納得しない。ボディタッチなどで何とか状態を打開しようと
する夫だったが、妻の不信は容易に溶けない。さて、どうしたものか。

こういう事態って、雪崩という形ではないが、ありがちなことだ。映画を観ている人も、
自分だったら家族を守るだろうか、また本能的に逃げたとして、そのことを素直に詫びる
事が出来るだろうか、そう考えてしまうだろう。

誰かに話さなくては収まらない妻は友人夫婦に別の話題の腰を折って、雪崩事件の話を
し始める。何もこんなところでしなくても、と夫も観客も思うだろう。更に話掛けられた
友人もどう返事すべきか悩んでしまう。更には、この夫婦の間でも、妻が「あなたは逃げそうね」
とかいうもので、こっちにも気まずさが伝染する・・・。

次第に自己の全人格否定に陥ってしまう夫。「何でもかんでも俺が悪いんだ」と。
作戦かもしれないけど。さすがの妻も泣き出す夫に動揺を隠せない。子供らも
泣き出すパパにすがりつく。
10年近く寄り添いあってきた夫婦の、これも良くある光景だが、何となくグズグズな中に
夫婦の中は修復されていく方向に向かう。そして、最後のスキーの日、霧の中で滑走を
始めた親子だったが、母が一人ハグレてしまう。必至に探す夫。待つ子どもたち。そして
霧の中から妻を担いだ「たくましい」父の姿が現れたのだ・・・。(これは妻が夫の威厳を取り戻す
為に子供の前で仕組んだ演技だな)

些細なこと(でもないけど)夫婦がお互いに何を考えているのか分からなくなる、という心理を
巧みな会話、友人夫婦も巻き込んだ設定で、徹底的に赤裸々にえぐり出していく。
気分爽快な映画ではないけど、会話に耳を側立ててしまうような作品なのだ。
見る人には反省と共感を与えるだろう。妻役の女優さんの小憎らしいような表情、いかにも
いい人タイプの夫を演じた男優さん、結婚した夫婦といえども腹の中では何を考えているのか
判らないという夫婦を上手く演じていたと思う。
最後のバスの下車のシーンはどう解釈すればいいのだろう!? 重い余韻を引きずる映画で
ある。編集、また室内の会話のシーンにいきなりドローンが飛び込んできたりすることろなど
うまい構成で、また気まずくなってからのエピソードがいちいち「あるある」で、笑えるというか、
笑えない。
ただセリフ劇の側面が大きいので時間がもう少し短縮したほうが締まったのではないか。
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<ストーリー>/b>
お披露目となった2014年のカンヌ国際映画祭で評判を呼び、その年の全米賞レースを
席巻するなど世界的に話題を集めた北欧発のシニカル・コメディ。アルプスの高級リゾートに
バカンスにやって来たスウェーデン人一家を主人公に、父親のとっさの行動が引き金と
なって家族の絆に思いがけない亀裂が生じていくさまとその顛末を、辛辣な眼差しで
赤裸々かつユーモラスに描き出す。監督はスウェーデンの俊英、リューベン・オストルンド。

 フレンチアルプスの高級リゾートにスキー・バカンスにやって来たスウェーデンの一家4人。
いつも仕事で忙しい父親のトマスは、ここぞとばかりに家族サービスに精を出す。
ところが2日目、テラスレストランで昼食をとっていた一家を不測の事態が襲う。
スキー場が起こした人工雪崩が、予想を超えた規模に成長しながらテラスへ向かってきたのだ。
幸い大事には至らなかったが、その時トマスは、妻と2人の子どもを置き去りにして、
自分だけで逃げ出してしまったのだ。何事もなかったかのように、その場を取り繕う
トマスだったが、妻のエバはおろか子どもたちの目もごまかすことはできなかった。

以来、家族の中には不穏な空気が漂い、楽しいはずのバカンスが一転して息詰まる
修羅場の様相を見せ始め、次第に追い詰められていくトマスだったが…。(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-23 23:15 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「パッセンジャー 57 Passenger 57」
1992 アメリカ Warner Bors. 85min.
監督:ケヴィン・フックス
出演:ウェズリー・スナイプス、ブルース・ペイン、トム・サイズモア、アレックス・ダッチャー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
WOWOWで「カプリコン1」などと並んで放映していたので、観てみた。IMDbの評価も
低く、心配しながら観始めたのだが、案の定、途中で「なんだかなあ」って感じになって
しまった。ウェズリー・スナイプスのマーシャルアーツが見どころなんだろうけど、今見ると
普通。ただ、本物のDC10を使った空撮などは迫力があったし、スタンドインを使ったのだ
ろうけど、走行中のDC10に飛び乗ったり、飛び降りたり、そのあたりはインパクトがあったが
全体的に、トホホなダイハードというような体裁になってしまった。航空機関士がいる
3人体制のパイロットに時代を感じた。
だいたい突っ込みどころが満載で、おいおい、という調子になってしまうのが痛かった。
冒頭の凶悪犯レーンが整形手術を受けようとする所は、お、何が始まるか、と期待した
部分もあるのだけどね。

どんな突っ込みどころがあったか、というと、
・警備主任がいきなり副社長に抜擢されるという。(まあ、アメリカの副社長は日本の
それとはだいぶ違うとはいえ)
・凶悪テロ犯の護送にビジネスクラスの、しかもど真ん中を使うかネ。
・スナイプスが飛び立つ旅客機の前輪に飛びつき、そこから機内に入るのだが、実際
そんなことが可能か?
・機内でサブマシンガンみたいなものを乱射すれば、機体にアナが開いてエライ事に
なると思うのだが。
・凶悪犯のボスがCAや貨物スタッフや乗客になりすました手下に助けられるという
シチュエーションなのだが、CAやスタッフが正規に採用され、ボスが護送される便に
全員示し合わせて乗り込むことなど出来るのだろうか?なしすましたとしても、知らない
CAがいたら即バレると思うのだが。
・一旦、小型機用に飛行場に着陸するのだが、その時、乗客に混じって逃げた犯人
グループの内、ボスは逮捕されるのだが、貨物スタッフだったやつが、警官の制服と
ライフルをかっぱらって、再びタラップを上がるボスの両脇にいるFBIを遠方から
撃つのだが、あやつ、いつ警官に化けられたんだろう。
・スナイプスの同僚が「ロスに行けばいいことが待っているよ」というのだが、それって
映画の中で明かされていなんじゃないか?

などなど、どうもご都合主義的な展開が多くて、ついていけない風情。

凶悪テロ犯レーンが捕まり、LAに護送されることになった。たまたま警備主任から
警備担当副社長に昇進が決まったカッター警護主任も乗り合わせていた。
しかし、レーンは乗務員や乗客にまぎれた手下たちの乗っ取りで救われ、まずは
小型機専用の飛行場に着陸。その後、カッターやCAたちの活躍で多くの乗客と
乗務員が助かったのだ。カッターはなにかと彼の手助けをしてくれたCAと再婚する
ことを決めていた。というようなお話なんだけど。
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<ストーリー>
レイン(ブルース・ペーン)は、ここ一年間に起こった4回の航空機爆破事件の犯人。
頭が良く、人を引き付ける魅力と行動力を兼ね備えているが、感情や良心というものがなく、
情報当局者たちは彼を恐怖のレインと呼んでいた。
FBIに拘留されたレインは、ロサンゼルスで行われる裁判のために護送されることに
なったが、なんと驚いたことに、護送には飛行機が使われた。その飛行機には
ジョン・タッカー(ウェズリー・スナイプス)が乗り合わせていた。
ジョンはレインと同じく、頭がよく行動力に溢れた男だが、中味は正反対。火の打ち所の
ない経歴の持ち主で、テロ対策の専門家としても世界でトップ・クラスの人物だった。

妻がピストル強盗の犠牲となってからは、第一線を退いて、もっぱらセキュリティーの
ノウハウを教える仕事に従事していたが、大手航空会社の重役になっている旧友の勧めで、
その航空会社のテロ対策専門官の職に就くことになり、ロサンゼルスに向かう途中だった
のである。

ところがレインの方はロサンゼルスに行く気など毛頭ない。離陸後、レインは仲間と一緒に
FBI捜査官たちを殺し、航空機をハイジャックする。レインの残虐な計画を阻止するために、
ジョンは飛行機の燃料を抜いてしまう。着陸するより他なくなったレインたちは近くにあった
小さな飛行場に降り立つ。ジョンに濡れ衣を着せ、逃げるレイン。それを追うジョン。

レインたちは再び燃料を積んだ飛行機に乗って離陸しようとするが、ジョンは滑走中の
飛行機に車で追いつき、飛び移る。機上での格闘の末、ジョンはレインを逮捕するのだった。
(Movie Waker)

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by jazzyoba0083 | 2016-04-30 22:45 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生 Batman v Superman:Dawn of Justice」
2015 アメリカ Warner Bros.,Atlas Entertainment,DC Comics,DC Entertainment.152min.
監督:ザック・スナイダー
出演:ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムズ、ジェシー・アイゼンバーグ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
わざわざ3D字幕での上映を観たくて、名古屋駅前のシネコンまで出向いた。結局、
3Dでなくても良かったし、セリフ(情報量)がやたら多いので吹き替えのほうがよく理解
出来たかもしれない。全体的に期待を裏切る低調な映画だった。描き方は結構シリアスで
ジョークが散りばめられるMARVELとは一線を画すが、それが息が詰まる悪い方に
行ったと感じたのだ。

私はここでも何度も言っているように、アメコミ映画が好きで、MARVELもの、あるいは
DCコミックでもバットマンやスーパーマンは必ず観てきたし、これからも観るだろう。
皆それなりに面白かったのだが、本作は頂けない部分が多すぎた。
<以下、ネタバレしていますのでご注意>
MARVELの「アヴェンジャーズ」がヒットを続け、近々最新版「シビルウォー」も公開される
のだが、それに張り合って?「ジャスティス」という「戦隊」を作ったのだな。

そのジャスティスが映画を見終わるまで何のことなのかよく判らなかった。というか
映画全体がよく解判らなかった。 大向うを狙って、二大ヒーローの激突を作ってみたものの、
その理由付けに苦労し、なんだかんだと理屈をつけまくる前半2時間が退屈だ。
スーパーマンが悪をやっつける時のやり方が過激すぎで市民が巻き込まれる、だから
彼は正義の味方じゃないぞ、という下りも弱いし、それに激怒するバットマンも賢そうに
見えない。両スーパーヒーローのこれまでの積み上げた姿を壊す心配さえある展開だ。
そんなことで、何だかよく判らないグダグダな映画(言いすぎかな)に成り下がった感が
あるのだ。

そこでジェシー・アイゼンバーグというこれまでもバットマンでいうところのジョーカーみたいな
役どころを登場させ、こいつがスーパーマンの育ての母マーサを誘拐、スーパーマンに対し、
バッドマンのクビを持ってこないと母親は焼き殺す!とか言っちゃうわけ。この辺りからようやく
物語が動き出すのだ。ならばスーパーマンがアメリカンの議会に証人として召喚される、という
なんだか笑えないシーンを含むそれまでの2時間は一体何だったのか?
後半20分くらいの戦闘で出てくるワンダーウーマンの登場も唐突だし、戦う戦術も瞬間
過ぎで何の技なのかよく判らない。
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で、母思いのスーパーマンはしぶしぶバットマンに対峙するのだが、実はバットマンが幼いころに
行きずりで両親ともに殺された自分の母の名前がマーサであり、(このトラウマシーンも、出て
くる理由が良く判らない)
母を思うスーパーマンの心に打たれたバットマンは急遽バットマンの味方に変身!(母親の
名前が一致して、という理由付けが、何だかなあ。
またバットマンの身代わりの早さは鼻白む。大体今回のバットマンはエキセントリックになりすぎ。)

そこで、クリプトナイトという(これは前作「マン・オブ・スティール」を観てないと分かりにくい)
クリプトン星製の鉱石の槍を抱えて、アイゼンバーグが創りだした巨大な怪物に突き刺し、
宇宙空間に飛び出すのだが、米軍のミサイルにスーパーマンまでやられてしまったのだ!

このバトルに急遽参加するのがワンダーウーマン。スーパーマンもバットマンも彼女が誰か
判らない。この3人が「ジャスティス」という正義のチームを組んでこれから悪と対峙する
シリーズが出来るのだろう。この映画の見所は、怪物対3ヒーローの戦いのみ。それはそれなりに
VFXの仕掛けなどは見どころはある。でもワンダーウーマンの背景がなんも説明されず、
なんか昔の戦争にも加担していたらしい、位の知識しか無いまま、戦闘に加わる唐突さ。
私なんか、ワンダーウーマンの予備知識がゼロなので、何のこっちゃか全然分からなかった。
普通、どう考えてもスーパーマンの方が、普通の人間であるバットマンより強いと思うななあ。
バットマンの戦闘用バトルスーツがグラデュエイター風でかっこ良かったけどね。

全部で2時間30分という超長い映画であり、全体が暗い。青空は出てこない。同じ暗い映画
でも「ダークナイト」みたいな締りがないので、前半は判らないわ、退屈だわで寝落ちしそうに
なった。また3D効果もメガネをはめて観るほどのものはない。これから見に行かれるかたは
2D字幕で十分だと思う。

そしてスーパーマンの国葬とが執り行われる。実際の棺はスーパーマンが育てられた故郷の
墓地に埋葬された。ロイス・レイン(エイミー・アダムズ)が一掴みの土を棺に掛けるのだが、
その土が棺の蓋から宙に浮きだして・・・映画は終わる。タイトル・ロール後に何かあるのか
と思ったら何もなかった・・。だが、「ジャスティス」チームの夜明けなんだから、スーパーマン
は復活しなければお話にならない。次作、どういう理屈を付けてスーパーマンが復活する
のだろうか?

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-04-03 12:05 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ピッチ・パーフェクト Pitch Perfect」
2012 アメリカ Brownstone Productions (III),Gold Circle Films.112min.
監督:ジェイソン・ムーア  原作:ミッキー・ラプキン
出演:アナ・ケンドリック、スカイラー・アスティン、レベル・ウィルソン、アダム・ディヴァイン、アンナ・キャンプ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
WOWOWでの放映を観た。家内の予約であったが、面白そうなので観てみたら
ホントにたいそう面白かった!★は7,5だ。アナ・ケンドリック目当て、というのもあったけど、
女子アカペラ隊のメンバーがそれぞれ個性豊かで、キャラが立っていて歌も合わせてカラフル。
アメリカにはこういう大学生の運動や音楽を中心にした青春学園バラエティというジャンルが
確立していて、テレビ出身者の登竜門みたいな部分もあり、固定的なファンも多い感じだ。

大会を実況する二人のアカペラ協会の役員にしてDJの年増の男女二人が、狂言回し的な
役割で、ギャグやシモネタも満載で作品のドライブ剤になっていていい感じ。
本作のヒットに気を良くしてプロデュースサイドはパート2を作った。これも当然観てみたい。

アナ・ケンドリック、コケットに振るほうがいいのか、シリアスに振ったほうがいいのか分かりづらい
感じの女優さんだが、特徴ある顔立ちは嫌いじゃない。それに彼女、ブロードウェイ育ちなので
歌は上手い。
先にも書いたが、バーデン大学の女子アカペラチームの部員たちが個性豊かで、当然、今の
アメリカでこういうチームとなると、黒人、デブ、アジア系、LGBT、ユダヤはマストなんだろう、
それぞれキャスティングされていて、またその個性の味付けが面白い。これは脚本の勝利だ
ろう。中でも、自分のことをファット(デブの)と呼ぶエイミーの歌唱力とデブとは思えない
キレキレのダンス、彼女が吐く毒を含んだジョークのあるセリフなどが良かった。
冒頭の全国大会決勝でいきなり猛烈なゲロを客席に向かって放出するリーダー・オーブリーの
シーンからして、本作、只者じゃないと思わせるのだ。いわゆる掴みはOKってやつ。

お話は簡単で全米大学アカペラ選手権を目指す、バーデン大学の伝統あるアカペラチームの
奮闘ぶりを男子アカペラチームとの恋愛模様を絡めて描く、学園ドラマの王道的ストーリー。

リーダーのオーブリーは強権で、古い歌ばかり歌っていたが、新入部員のベッカ(アナ)は
自分なりにアドリブを入れたりしてリーダーと衝突。一旦はバラバラになり、準決勝では
3位になるが、2位だったチームに高校生が居て失格、急遽出決勝出場が決まり、恩讐を
乗り越えてメンバーが集まる。リーダーも考え方を変え、服装も歌も踊りもソロも
今風の活気あるものに変更、見事、優勝を獲得したのだ。その過程の中で、ベッカと
同じ大学の男子グループ、トレブルバスターズ(優勝の常連)のメンバー、ジェシーとの
恋愛模様が横筋として描かれ、縦筋、横筋ともメデタシというハッピーエンディングを
迎えるのはこの手の映画のこれまた常道。構成、演出、演技とも予想を裏切る面白さ。
お勧めしたいです。
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<ストーリー>
2012年に全米で口コミから人気に火がつき予想を超えるスマッシュ・ヒットとなった
アナ・ケンドリック主演の学園音楽コメディ。渋々入った大学で女子アカペラ部にスカウト
されたヒロインが、ひとクセもふたクセあるメンバーたちと衝突を繰り返しながらも絆を
結び成長していく姿を、過激なギャグを織り交ぜつつ迫力あるアカペラ・パフォーマンスの
数々とともに描き出す。
共演はレベル・ウィルソン、ブリタニー・スノウ、ジョン・マイケル・ヒギンズ、エリザベス・バンクス。
監督はブロードウェイ・ミュージカルの演出家として活躍し、本作が映画監督デビューとなる
ジェイソン・ムーア。

 音楽プロデューサーを目指すベッカは、バーデン大教授の父親に説得され、意に反して
同大学に入学する。学園生活に何の期待もないベッカは、サークルの勧誘にもまるで興味なし。
ところが、シャワー中の鼻歌を聞かれたクロエに強引にスカウトされ、彼女のいるアカペラ部
“ベラーズ”に入部することに。
ベッカはそこで、自ら“ファット”と名乗るエイミーやエロさ全開のステイシー、レズビアンの
シンシアら個性あふれる新入部員と巡り会う。そして部長オーブリーの厳しい指導の下、
全国大会出場を目指して練習に励むベッカたちだったが…。(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-04-01 22:45 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「パリよ、永遠に Diplomatie」
2014 フランス・ドイツ Gaumont,Film Oblige,Blueprint Film.83min.
監督・(共同)脚本:フォルカー・シュレンドルフ  原作戯曲:シリル・ジェリー(映画共同脚本)
出演:アンドレ・デュソリエ、ニエル・アレストリュプ、ブルクハルト・クラウスナー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
実話に基づく作品、ということだが、こういう秘話があったことを初めて知った。知れば
まあ、ありそうなことだろうけど、まずはallcinemaの解説を先に読んで頂くのが良かろう。

「第二次世界大戦末期に、敗色濃厚なヒトラーが実際に計画した“パリ壊滅作戦”が
いかにして回避されたのか、その歴史秘話を描いたシリル・ジェリーのヒット舞台を、
「ブリキの太鼓」「シャトーブリアンからの手紙」の名匠フォルカー・シュレンドルフ監督が
映画化した仏独合作映画。

ヒトラーにパリの破壊を命じられたドイツ軍人と、それを思い止まらせるべく決死の直談判を
決行した中立国スウェーデンの外交官が、ホテルの一室で繰り広げる緊迫の駆け引きの
行方をスリリングに綴る。
主演はアラン・レネ作品の常連アンドレ・デュソリエと「預言者」「サラの鍵」のニエル・アレストリュプ。
 
 1944年8月25日未明、ナチス・ドイツ占領下のパリ。連合軍の進軍がパリ市街へと迫る中、
ドイツ駐留軍が陣を構える高級ホテル“ル・ムーリス”では、パリ防衛司令官ディートリヒ・フォン・
コルティッツ将軍を中心にある作戦会議が開かれていた。それは、ヒトラーが命じた
“パリ壊滅作戦”を粛々と進めるためのものだった。
しかし、ドイツの敗北はもはや避けられず、この作戦に戦略的な意味がないことは明白だった。
やがて会議を終え、一人部屋に残ったコルティッツの前にどこからともなく現われたのは、
中立国スウェーデンの総領事ラウル・ノルドリンク。パリ生まれのノルドリンクは、愛する
パリを守るため、作戦の中止をコルティッツに迫るのだったが…。」
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という背景と作品内容だ。当然、パリは破壊されなかったのは現在私たちがエッフェル塔や
オペラ座や凱旋門やルーブルやノートルダム寺院やオルセー美術館やセーヌに掛かる美しい
橋、またパリの美しい町並みを愛でることが出来ることから、明白なわけで、本作は
ある夜が明けるまでの数時間を凝縮した、老人二人の緊張する駆け引きが見どころな訳だ。

結果は分かっているので、興味はナチのパリ占領軍司令官コルテッツ将軍が、自分をどう
納得させていくか、であった。もちろん、フランスを、パリを心から愛する中立国スウェーデンの
総領事ノルドリンクの、巧みな会話も見どころなのではあるが。原作を知らなかったが
しばらく観進むうちに、あ、これは芝居が原作なんだろうな、と分かってくる。実際、舞台となる
のはパリの将軍の部屋が殆どなのだ。1つの部屋中だからこそ、息が詰まる様な駆け引きに
緊張感が出ているのだと思う。ドイツ軍将軍コルテッツは、ノルドリンクとはフランス語で会話し
部下には当然ドイツ語で命令を下している。舞台ではどうしたんだろうか。

殆どリアルタイムの80分強。映画は未明の3時頃から始まり、夜明けしばらくして終わる。
二人のやり取りから、ヒトラーの狂気が浮かび上がるのだが、ベルリンが破壊されたから
その復讐にパリを壊滅させるという。特にランドマークを徹底的に痛めつけるという作戦。
その作戦には軍事上の意味は全く無く、むしろ人類の遺産に対する重大な罪となるのだ。
コルテッツはユダヤ人粛清にも手を染めた将軍だったが、パリ壊滅作戦は言われれば
やらなくてはならないとはしながら、やはり心に引っかかりを覚えていた。そこに登場したのが
ノルドリンクだったのだ。二人は旧知の中。ノルドリンクがどうやってナチのパリ壊滅作戦を
寸前で知ったかは不明だが、あの手この手を使ってコルテッツの良心に訴えかける。
コルテッツは作戦中止をしたら、反逆の軍人は家族も処刑される法律をヒトラーが作った
ため家族を思うと、やらざるを得ないという。そこでノルドリンクは地下の組織を使って
コルテッツの家族をスイスに安全に逃がすから、作戦を中止してくれ、と懇願する。

ノルドリンクが家族を逃がす、といっても保証がない。不安なコルテッツはノルドリンクを
信じるしか無い。最終的にコルテッツは彼を信じ、結婚指輪を彼に託す。そして作戦中止を
命ずる。一部の部下に跳ね返りはいたが、大事に至らず、パリは守られたのだ。
原題にあるように、「外交」とは戦火を交えることだけではない。どこかの総理大臣に
観てもらいたい映画である。

コルテッツはその朝入城してきた連合軍に投降した。彼はその後釈放され、1955年に
ノルドリンクと再会する。ノルドリンクはフランスから授けられた勲章を、コルテッツに
譲った。コルテッツはパリを救ったドイツ将軍として歴史に名を残せたのだった。

作品の中で、パリ破壊をやめるように説得を続けるノルドリンクに対し、コルテッツ将軍が
「きみが私の立場だったらどうする」というシーンが有る。つまり、作戦中止すればドイツにいる
家族はヒトラーに処刑されるという状況を、お前ならどうするのだ、と問うたのだ。
映画を観ている人は、ここで、自分だったら行くも地獄引くも地獄の状況をどう打開するのだ
ろうか、と考えるに違いない、いや考えて欲しい。

この映画を観た人はコツテッツの勇気や諦めなかったノルドリンクの勇気に胸打たれる一方、
ヒトラーの狂気に背筋が凍ることだろう。人類はこういう人物を生む土壌を持っていることを
常に思い描いてないと危ないということ。現在でも、イスラム国やタリバンによる遺産の破壊、
またドナルド・トランプに代表される極端な主張など、世界は一致してその芽を摘まなくては
ならないのだ。

この映画の詳細はまで。
by jazzyoba0083 | 2016-03-31 22:50 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「はじまりのうた Begin Again」
2013 アメリカ Exclusive Media Group,Sycamore Pictures,Apatow Pro.104min.
監督・脚本:ジョン・カーニー
出演:キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ、ヘイリー・スタインフェルド、アダム・レヴィーン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
2日連続して、心が温まるいい映画を見させてもらった。本作も「佳作」である。
以前、音楽をテーマにした作品「ONCE ダブリンの街角で」でも高評価を獲得した
ジョン・カーニー監督が脚本も書いて作った、本作も音楽がテーマとなる人間ドラマだ。
時制の設定の仕方も上手く出来ていて、物語を飽きさせない。何より、悪い人がだれも
出てこないし、みんないいやつばっかり(まあ音楽をやるやつに悪いヤツはいないのだ
けれど)、で、ほのぼのとした気分で観終えることが出来、観ている最中も自分が知らずの
うちに笑顔になっているのに気づく。

自らがバンドをやっていた監督だけあり、物語の作り方も音楽家ならではのツボが
押さえられていて、いい歌もたくさん歌われる。キーラの相手役デイブを演じるアダム・
レヴィーンは「マルーン5」のメンバーなので歌は上手い。キーラの歌は味があるっちゃ、
あるけど、上手いとはいえない。

マーク・ラファロのも良かったが、なんといってもキーラの、「セリフが決められていないんじゃ 
ないか」、と思わせるような自然体のセリフ回しと演技。ナチュラルなその演技が映画に
リアリティと嘘っぽっくない心の温まりを感じさせるのだった。
個人的に一番のお気に入りは、ダン(ラファロ)とグレタ(キーラ)が、イヤフォンを二股に出来る
コードを使ってお互いのプレイリストを聴き合うながら夜のNYを歩きまわるシーン。
フランク・シナトラやスティーヴィー・ワンダー、サッチモなど、中々渋いところが出てくる。
これがまたNYの夜景に良く似合うのだな。

かつては大ヒットをプロデュースしたダンはこれに悩み、酒に溺れる日々。ついには自分が
立ち上げたレーベルの会社をクビになる。一方イギリスからやって来たグレタは、名前の
知られたアーティストと恋人関係で、曲も作り提供していた。しかし、彼氏に浮気されて
別れ、知り合いの男性のところに転がり込んだ。彼が歌うパブで無理やり引っ張りだされ
自作の歌を歌うはめになる。それを聞いていたのがダンだった。彼は一発で彼女の歌を
気に入り、契約しようとするが。

お金がないので色んな屋外でライブ盤を収録。バンドメンバーはNYの売れないミュージシャン
や音楽研究生たち。警察に追っかけられたり、住人から「うるさい!警察呼ぶぞ」とかいわれ
つつ、アルバムを完成させる。

ダンには中学生の娘がいて、ギターをやるのだが、ビルの屋上での夜間セッションには
彼女も入れる。分かれていた妻もやってくる・・・。かつてプロデュースして今や大スターに
なったヒップホップのミュージシャンも協力してくれた。

良いアルバムが出来たのだが、ダンとグレタは、ネットでたった一ドルで売りに出してしまう!

アルバムが出来て、別れが来た時見つめ合うダンとグレタ。ダンの目にはグレタに対する
愛を感じてしまったな。結局、ダンは妻と和解し、娘とも上手く行き、モトサヤになるのだけど。
ラスト、自転車に乗って夜のNYを行くグレタの横顔に、みんなを幸せにする天使の顔を見た。
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<ストーリー>
音楽がつなぐ予想外の出会いと運命を描いた物語。キーラ・ナイトレイが失意のヒロインに
扮しギターを片手にその歌声を初披露するほか、人気バンド・マルーン5のボーカリスト、
アダム・レヴィーンがヒロインの恋人役として映画デビューを果たす。
監督はアカデミー賞歌曲賞に輝いた『once ダブリンの街角で』のジョン・カーニー。

ニューヨーク。シンガーソングライターのグレタ(キーラ・ナイトレイ)は、同じミュージシャンの
恋人デイブ(アダム・レヴィーン)に裏切られ、失意のままライブハウスで歌っていた。
そこに偶然居合わせた落ちこぼれの音楽プロデューサー、ダン(マーク・ラファロ)はグレタの
才能に惚れ、彼女にデビューの話を持ちかける。

ところが、その録音はニューヨークの街角で行うという。セントラルパークやチャイナタウン、
橋の下、路地裏、ビルの屋上、地下鉄のホームなど、グレタのゲリラレコーディングは続いて
いくが、この無謀な企画が小さな奇跡を起こし始める。やがてアルバムが完成したその日、
誰も予想できなかった最高のはじまりが待っていた……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-03-30 22:40 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ハッピーエンドが書けるまで Stuck in Love」
2012 アメリカ Informant Media 97min.
監督・脚本:ジョシュ・ブーン
出演:グレッグ・キニア、ジェニファー・コネリー、リリー・コリンズ、ローガン・ラーマン、ナット・ウルフ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白かった。★は7,5。短い時間に複数の登場人物の話を上手く折りたたんで、主張すべき
ところもちゃんと主張し、分かりやすく楽しい映画であった。温かい思いで観終えることが
出来る家族再生の話だ。「きっと星のせいじゃない」をモノした監督さんだけに品のあるシュア
な作りだ。細かいエピソードの積み重ね方が上手いんだな。伏線としても活用されているし。

それにしてもジェニファー・コネリーと、娘役のリリー・コリンズ(フィル・コリンズの娘さん)が
まあ、ホントの母娘のように似ているんだな。眉毛が特に。
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閑話休題。自分の浮気が原因で妻エリカ(ジェニファー)と離婚。しかし未だに未練タラタラで
再婚した家に覗きにいったり、感謝祭では必ず妻の席を用意するという賞も何本か獲った
そこそこ有名な小説家。だが妻と別れて以来、新作が書けていない。
大学生の娘サマンサ(リリー)は、大学生。文学を専攻していて、19歳にして、処女作が
出版されることになったという才媛だが、母の浮気を目撃してしまったことから愛について
懐疑的というか絶望的になり、セックスだけの友達と遊んでいた。
長男のラスティも文才があり、詩を書いたりしていて将来はスティーヴン・キングに憧れ
彼みたいな小説を書きたいと願っていた。同じ英語のクラスに気になるケイトという女の子が
いたが、連れがいるためなかなか思いを言い出せなかった。
別れた妻エリカも再婚したものの、娘との確執が気になり、未だに再婚が正しかったのか
悩んでいる。

そう、原作が表しているように家族4人全員が「愛に立ち往生」してしまっているのだ。
映画では、それぞれがその「立ち往生」を、自分の力で、また他人のアドバイスを受けて
脱していく様をユーモアを交えながら描いていく。

長男のラスティは外へ出て自分を変えろ、好きな女の子がいるなら告白しろ、と言われ
俄然やる気をだし、大量のハッパを持ってパーティー会場に行くが、ケイトがドラッグに
手を染めているところを観てしまい、ラスティは彼女の悪いボーイフレンドにパンチを
食らわせてケイトをつれてその場を脱出、自宅に連れて帰る。それを温かく迎える
父。 ラスティとケイトはそれから恋人の仲になっていく。
その父も近くに住む美人の人妻とあけっぴろげなセフレ関係を結んでいたが
彼女からも3年立ったんだから再婚しなさいよ、とかいって出合い系サイトで女性と
あったりもしていた。しかし、どうしても別れた妻が忘れられない。

長女サマンサを好いて追いかけてくる同じクラスのルイスは、とてもいいやつで、
突っ張ってばかりのサマンサも彼と居ると和むのだった。最初は、付き合う気もなかったが
彼の人柄を知るに及び、また脳腫瘍の母に読み聞かせをする姿をみるにつけ
彼に心を開き、恋人になっていく。

サマンサの処女作の出版パーティーにやってきた母エリカは、勇気を振り絞って
サマンサと話してみようとするが、サマンサはどうしても心を開かない。
やがて、父から、お母さんが浮気をする前に、お前が生まれる前、お父さんが浮気を
して家を出たんだ、その時、母さんはずっと待っていてくれた。許してくれたんだ。
だから、母さんが浮気しても、再婚しても、自分は待っているんだよ、きっと帰ってくると
信じてね、という話を聞くに及び、自分が母を誤解して嫌っていたことを知り、母の
元に行き、和解するのだった。そのパーティーで、長男ラスティの恋人ケイトは酒を
飲んだことからドラッグ症状が出てしまい、知らない男と消えてしまった。
みんなで彼女を探し、彼女は施設で更生を目指すことになった。

長男ラスティのもとにスティーヴン・キングから電話が入った。お姉さが送ってくれた
君の小説、最高だよ。雑誌社に送っておいたからね、というもの。ラスティも小説家と
しての道が開けたのだった。

そして今年も巡ってきた感謝祭。父と娘サマンサ、恋人のルイス(最近母親が脳腫瘍
で死んでしまい、サマンサが彼を支えたことで絆は深まった)、作家デビューが決まり
恋人ケイトの更生も進むラスティ、4人の姿があった。自家製の七面鳥を食べていると
ドアをノックする音が。ラスティは「ケイトを呼んであったから彼女かも」と戸口に出て
見るとそこには母の姿が。彼女も「立ち往生」から一歩前に進んだのだった。

そして5人での感謝祭が始まった・・・。
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というもの。それぞれの「立ち往生」の解決していく様が分かりやすく、優しい目線で
描かれていて、ほんのりしながらエンディングを迎える。最後にケイトの姿が無かったのが
個人的には残念だったが。

出演者たちの役どころが貧乏ではないので、その辺り上手く行き過ぎな恨みもあるし
スティーヴン・キング自身(本物)から個人的に電話が入るなんてのもお父さんが有名な
作家であればこそ、であるわけだし。その手の七光系の雰囲気を割り引いても、
ハートウォーミングなコメデイ・ドラマであった。この手の映画、好きだな。
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この映画の詳細はこちら>/a>まで。
by jazzyoba0083 | 2016-03-29 22:50 | 洋画=は行 | Comments(0)