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●「ハッピーエンドが書けるまで Stuck in Love」
2012 アメリカ Informant Media 97min.
監督・脚本:ジョシュ・ブーン
出演:グレッグ・キニア、ジェニファー・コネリー、リリー・コリンズ、ローガン・ラーマン、ナット・ウルフ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白かった。★は7,5。短い時間に複数の登場人物の話を上手く折りたたんで、主張すべき
ところもちゃんと主張し、分かりやすく楽しい映画であった。温かい思いで観終えることが
出来る家族再生の話だ。「きっと星のせいじゃない」をモノした監督さんだけに品のあるシュア
な作りだ。細かいエピソードの積み重ね方が上手いんだな。伏線としても活用されているし。

それにしてもジェニファー・コネリーと、娘役のリリー・コリンズ(フィル・コリンズの娘さん)が
まあ、ホントの母娘のように似ているんだな。眉毛が特に。
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閑話休題。自分の浮気が原因で妻エリカ(ジェニファー)と離婚。しかし未だに未練タラタラで
再婚した家に覗きにいったり、感謝祭では必ず妻の席を用意するという賞も何本か獲った
そこそこ有名な小説家。だが妻と別れて以来、新作が書けていない。
大学生の娘サマンサ(リリー)は、大学生。文学を専攻していて、19歳にして、処女作が
出版されることになったという才媛だが、母の浮気を目撃してしまったことから愛について
懐疑的というか絶望的になり、セックスだけの友達と遊んでいた。
長男のラスティも文才があり、詩を書いたりしていて将来はスティーヴン・キングに憧れ
彼みたいな小説を書きたいと願っていた。同じ英語のクラスに気になるケイトという女の子が
いたが、連れがいるためなかなか思いを言い出せなかった。
別れた妻エリカも再婚したものの、娘との確執が気になり、未だに再婚が正しかったのか
悩んでいる。

そう、原作が表しているように家族4人全員が「愛に立ち往生」してしまっているのだ。
映画では、それぞれがその「立ち往生」を、自分の力で、また他人のアドバイスを受けて
脱していく様をユーモアを交えながら描いていく。

長男のラスティは外へ出て自分を変えろ、好きな女の子がいるなら告白しろ、と言われ
俄然やる気をだし、大量のハッパを持ってパーティー会場に行くが、ケイトがドラッグに
手を染めているところを観てしまい、ラスティは彼女の悪いボーイフレンドにパンチを
食らわせてケイトをつれてその場を脱出、自宅に連れて帰る。それを温かく迎える
父。 ラスティとケイトはそれから恋人の仲になっていく。
その父も近くに住む美人の人妻とあけっぴろげなセフレ関係を結んでいたが
彼女からも3年立ったんだから再婚しなさいよ、とかいって出合い系サイトで女性と
あったりもしていた。しかし、どうしても別れた妻が忘れられない。

長女サマンサを好いて追いかけてくる同じクラスのルイスは、とてもいいやつで、
突っ張ってばかりのサマンサも彼と居ると和むのだった。最初は、付き合う気もなかったが
彼の人柄を知るに及び、また脳腫瘍の母に読み聞かせをする姿をみるにつけ
彼に心を開き、恋人になっていく。

サマンサの処女作の出版パーティーにやってきた母エリカは、勇気を振り絞って
サマンサと話してみようとするが、サマンサはどうしても心を開かない。
やがて、父から、お母さんが浮気をする前に、お前が生まれる前、お父さんが浮気を
して家を出たんだ、その時、母さんはずっと待っていてくれた。許してくれたんだ。
だから、母さんが浮気しても、再婚しても、自分は待っているんだよ、きっと帰ってくると
信じてね、という話を聞くに及び、自分が母を誤解して嫌っていたことを知り、母の
元に行き、和解するのだった。そのパーティーで、長男ラスティの恋人ケイトは酒を
飲んだことからドラッグ症状が出てしまい、知らない男と消えてしまった。
みんなで彼女を探し、彼女は施設で更生を目指すことになった。

長男ラスティのもとにスティーヴン・キングから電話が入った。お姉さが送ってくれた
君の小説、最高だよ。雑誌社に送っておいたからね、というもの。ラスティも小説家と
しての道が開けたのだった。

そして今年も巡ってきた感謝祭。父と娘サマンサ、恋人のルイス(最近母親が脳腫瘍
で死んでしまい、サマンサが彼を支えたことで絆は深まった)、作家デビューが決まり
恋人ケイトの更生も進むラスティ、4人の姿があった。自家製の七面鳥を食べていると
ドアをノックする音が。ラスティは「ケイトを呼んであったから彼女かも」と戸口に出て
見るとそこには母の姿が。彼女も「立ち往生」から一歩前に進んだのだった。

そして5人での感謝祭が始まった・・・。
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というもの。それぞれの「立ち往生」の解決していく様が分かりやすく、優しい目線で
描かれていて、ほんのりしながらエンディングを迎える。最後にケイトの姿が無かったのが
個人的には残念だったが。

出演者たちの役どころが貧乏ではないので、その辺り上手く行き過ぎな恨みもあるし
スティーヴン・キング自身(本物)から個人的に電話が入るなんてのもお父さんが有名な
作家であればこそ、であるわけだし。その手の七光系の雰囲気を割り引いても、
ハートウォーミングなコメデイ・ドラマであった。この手の映画、好きだな。
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この映画の詳細はこちら>/a>まで。
by jazzyoba0083 | 2016-03-29 22:50 | 洋画=は行 | Comments(0)

フォーカス Focus

●「フォーカス Focus」
2015 アメリカ Warner Bros.(Ditributor) Kramer & Sigman Films,Zaftig Films.105min.
監督・(共同)脚本:グレン・フィカーラ
出演:ウィル・スミス、マーゴット・ロビー、ロドリゴ・サントロ、ジェラルド・マクレイニー、B・D・ウォン他
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<感想>
このところウィル・スミスの作品には落胆を禁じ得なかったので、本作もシネコンには
行かずじまいだった。公開から一年、WOWOWで放映されたので観てみた。

恒例のIMDbとの評価当てっこ、私が6,7、IMDbは6,6だったからいい線行っていた。
つまり、そこそこに面白い、ということで観て損はない感じだ。
今回のウィル・スミスの役どころはクールでスタイリッシュな詐欺師。しかもかなりの人数の
軍団を抱えるまるで企業のボスのような役どころだ。で、スミスに絡んでくるのが、軍団の
見習いとして、ひょんなことから知り合うマーゴット・ロビー。

映画は1部、2部のような珍しい構成になっている。前半は、大きなアメフト大会会場を
舞台とした、一大スリ大会。ニッキー(ウィル)が率いるチームはなんと120万ドルを
ゲットした。その金を預かり、後で皆の口座に振り込む、といってゲームの観戦に
出かけたニッキーとジェス(マーゴット)。二人で他愛の無い賭け事をしていると、
謎のアジア人が「俺も入れてよ」とか言って接近してくる。しかし、ニッキーとそのアジア人は
掛けを次第にヒートアップさせ、仲間と稼いだ120万ドルを全て掛けて、負ける。
ニッキーは、それでも止めず、更に倍にして掛ける。アジア人に「グランドにいる誰か一人の
選手を思い浮かべろ。それをジェスが当てる」というもの。

いきなり振られたジェスはイヤダイヤダと固辞する一方、仲間の金まで手に染めたニッキーを
咎める目線をくれていた。 アジア人が選ぶ、そしてジェスの番。するとフィールドには
ニッキーの仲間ファーハドの姿が!彼の背番号は55。彼女はそれを選び、口にする。
驚くアジア人。「なんで分かるのか!」 かくしてニッキーは120万ドルを倍にして、その場を
離れた。(ここの勝負、アジア人が頭に浮かべた選手の番号は紙に書留めた訳でもないの
にどうしてアジア人は負けた、といったのかよく解らなかったが)

観ている方も、あの冷静なニッキーが無謀な賭けに出るさまを観て、おいおい仲間の金だろ、
大丈夫か、いつものクールなニッキーはどこに行った?とハラハラする仕掛け。
が、実はニッキーは、数日前からこのアジア人(ヴェガスでもハイローラーとして知られる
大金持ちのギャンブラー)に目をつけ、この掛けを計画していたのだ。彼に色んな場面で
55という数字を刷り込み、(これがなかなか愉快だけど、そこまで出来るか?という側面も)
双眼鏡でフィールドを覗くと、見えた55という番号を啓示としてチョイスするという心理学に
基づく詐欺行為だったわけだ。ニッキーは用意周到に詐欺を仕掛けていたのだ。
そういうことだったのね!!

ニッキーとジェスは師弟の関係を超えて、愛し合っているように見えたが、大会会場からの
帰り道、ニッキーはジェスに8万ドルの分前を与え、「ご苦労さん、じゃあな」と言って去って
行ってしまった。おいおい、なにこれ、と驚くジェスだった。

さてそこから3年後。舞台はアルゼンチン、ブエノスアイレス。F1の爆音響くサーキットだ。
ここでも、ニッキーは長い間時間を掛けた詐欺を仕組んでいた。
F1マシンの走行性能を上げるシステムについて、あるチームに接近し、その偽物を
一番のライバルチームに売りつける、というもの。しかし、そのチームのオーナ主催の
パーティーに行って狂言を打つ予定が、入ってびっくり、オーナーのガリーガの愛人風の
存在にジェスの姿が!三年ぶりに出会う二人だったが、ジェスは今は幸せよ、とか
知らない人のフリしておいて、とかいう。

さて、そこからニッキー、ジェス、オーナーのガリーガ、がリーガの参謀にしてガードの
オーゥエンスが絡んだ、騙し騙されの陰謀合戦が繰り広げられる。 びっくりなのは
オーゥエンスがニッキーを撃つところ。これにはびっくり。そしてジェスのホントの役目。
みんな騙されていたのだな。観客も含め。オヤジの登場にも唖然!!
この辺りは大どんでん返しの打ち合いみたな感じだ。

観ている人は一緒に騙されて驚くというのがこの映画の正しい見方だ。オヤジの登場の
伏線は前半からぬかりなく散りばめられていた、またニッキーとジェスの恋の行方は
お互いを信じられない、という状況を乗り越えられることが出来るのか、そのあたりの
作りも上手いことやった感じ。

そんなこと出来るの??というツッコミもできようが、ここは素直に騙しに身を委ねて楽しむ
べきだろう。なかなか清々しいエンディングだし。
ウィル・スミスは、このように製作側に入らないほうがいい作品になるんじゃないか。俳優に
徹したほうがいいと感じた。
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<ストーリー>
視点《フォーカス》を操ることで相手を手玉にとる犯罪のプロ、ニッキー(ウィル・スミス)は、
30人もの熟練詐欺師を束ね、カジノや高級ホテル、ストリート、フェスティバルなど様々な
場所であらゆる手段と華麗なる手さばきで大金を稼いでいた。
そんなある日、ニューオーリンズで未熟な女詐欺師ジェス(マーゴット・ロビー)と出会った
ニッキーは、彼女に最高の詐欺師になりそうな可能性を見出し、犯罪のプロとして育てる
べくノウハウを伝授する。
しかしジェスがメキメキと上達していく中、二人は恋に落ち、やがて師弟関係を超えた関係と
なってしまう。だが恋愛は枷になり腕を鈍らせると判断したニッキーは大きなヤマに勝った後、
ジェスに大金を渡し突然の別れを告げ、忽然と彼女のもとを去ってしまうのだった……。

数年後、ニッキーはブエノスアイレスのモーターレース会場に一世一代のプロジェクトをしか
けていた。そこに現れたのは、以前とは見違えるほど美しくゴージャスになったジェス。
彼女はニッキーのライバルチームに属し、男を手玉に取る女詐欺師に成長していた。
かつて愛した女の登場で揺れ動くニッキー。大金が蠢く会場で果たして最後に笑うのは
誰なのか……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-03-28 22:50 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ブラジルから来た少年 The Boys from Brazil」
1978 アメリカ  Sir Lew Grade,Producers Circle,ITC Entertainment.124min.
監督:フランクリン・J・シャフナー  原作:アイラ・レヴィン
出演:グレゴリー・ペック、ローレンス・オリヴィエ、ジェームズ・メイスン、リリー・パルマー、ブルーノ・ガンツ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
こういう映画に出くわすのでWOWOWは楽しい。これだけの名優が居並びながら、しかも
サー・ローレンス・オリビエが本作でオスカー主演男優賞ノミニーとなっているにも関わらず
日本では劇場未公開。私はこんな映画があることすら知らなかった。

怪作、である。作りや演技としては時代を感じる大仰なものであるが、描かれたストーリーが
未来を言い当てている事をもってみれば、時代を置いて観てこその「怪作」といえる。
原作があるとはいえ、クローン技術を今から40年そこそこ前にこれだけ具体的に描き、
独裁者の登場に警鐘を鳴らしたのは、見事、というほかなく、またこれを2時間ちょっとで
極めて多弁に描き切ったシャフナーの技量、また名優たちの芝居の面白さもまた格別で
ある。そこから漂う「不気味さ」は、ちょっとやそっとの映画では敵うまい。

物語の土台となる骨子に既に突っ込みどころもないではないが、しかし、狂気のヒトラー
信奉者で、第四帝国の出現を夢見て、ヒトラーのクローン作りに命を掛けるナチス出身の
医師メンゲレを演じたグレゴリー・ペック。それに、ナチスの犯罪を追跡し告発し続ける執念の
ユダヤ人、リーベルマンを演じたサー・ローレンス・オリビエ。この二人の格闘技の様な演技を
見るだけでもこの映画を見た価値はある。 ふたりとも役柄として「執念の人」なので、ラスト近くの
噛みつきもある血みどろの取っ組み合いは、「異様」という雰囲気を出すのに十分である。
今の若い人が観たら、引くかも。 とにかく出てくる人がみんな不気味で・・・凄いわ。
そして、その脇に立つ、クローンで出来上がったヒトラーもどきの少年の不気味さと言ったら。
この少年を演じた子役、その後映画の道から足を洗ってしまったようだが。
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しかし、このクローン技術はその後長足の進歩を遂げ、もしやろうと思えば、犯罪者の
クローンを作ることは既に難しくなくなっていることを思うと、なおさら本作を見る時
背筋が氷るのである。

聞けば、日本でテレビ放映された時、ラストシーンがカットされたとか。本作、ラストシーンが
あるとないとでは、主張が全く異なってくる。時代とはいえ監督の趣旨に反した編集で
あり、今であれば裁判ものだろう。

<ストーリー>
映画化・ドラマ化(WOWOWが放送)された「ローズマリーの赤ちゃん」などで知られる
人気作家I・レヴィンの小説を、「ローマの休日」のG・ペック、名優L・オリヴィエらの豪華
顔合わせで映画化。だが日本で見ることができたのは本国での公開から6年後、
フジテレビ系“ゴールデン洋画劇場”枠でだったという、知る人ぞ知るサスペンス映画の
逸品だ。邪悪な思想を根絶することは難しいというメッセージは時代を超えている。
アカデミー賞ではオリヴィエへの主演男優賞、編集賞、作曲賞という3部門にノミネート。

ナチスハンターのリーバーマンは、元ナチスのメンゲレ博士の不穏な動きに気付く。
メンゲレの計画は西ドイツで65歳前後の公務員を中心に、94人を殺害するというものだった。
それから標的に該当する人物が次々と殺されるが、被害者たちの周囲には黒髪で色白で
青い瞳の少年がいた。
やがてある養子あっせん会社が特定の条件を満たす夫婦にブラジルから来た少年たちを
紹介していたと分かるが、少年たちはヒトラーのクローンだった。(WOWOW HPより)
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by jazzyoba0083 | 2016-03-22 23:45 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ヘイトフル・エイト The Hateful Eight」
2015 アメリカ  Double Feature Films,FilmColony. Dist.:The Weinstein Co.168min.
監督・脚本:クェンティン・タランティーノ
出演:サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーン、チャニング・テイタム他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
註:以下、決定的な本筋に触れてはいませんが細かいネタバレは含みます。
オスカー発表を日本時間明日朝に控え、それまでに観られる映画は観ておきたい!と
タランティーノの新作に行ってきた。この手の映画は向こう受けするものではないので
早く観ないと終わっちゃうから。作品賞の本命と目される数本は受賞が決まってからの
封切りとなる。残念だ。

閑話休題。本作は色々と話題も多い。美術監督を日本人の種田陽平が務めている、
画面がパナヴィジョンウルトラ70mmで撮られている、日本での公開版はその70mm版
より20分短いデジタル版、などなど。
で、タランティーノ自身が「おそらく自分の最高傑作」と言うほど、さすがの出来であった。
3年前に評判になった「ジャンゴ~繋がれざる者~」も見応え十分だったが、
私としては、同じ西部劇ながら目指す方向がちょいと違う本作の方が好きだった。
何故なら、エンターテインメントに徹しているからだ。
西部劇を借りた現代社会風刺などタランティーノお得意の毒々しさもしっかり
ある。

ストーリーは骨子は単純なのだが、出てくる人物がたくさんいるのでややこんがらがるが
それでも良く整理され分かりにくい、ということはない。三分のニが一つの部屋での
展開なので、会話の練り上げの上手さを初めとして脚本がよく出来ている、ということだ。

まさにこれまでのタランティーノらしさが全部乗せ状態。物語の面白さ(思いがけない展開)、
伏線とその回収、観客へのミスリードの上手さ、容赦無い残虐性、(それがまた乾燥している
のでスプラッタ、とは思えない)時制の構築、画面構成など、映画のエンターテインメント性を
遺憾なく発揮できているのだ。
音楽がこれまたエンリオ・モリコーネと来たもんだ。

そしてタランティーノの演出に応えるサミュエルたち曲者役者の上手さも光る。特に
悪女役を演じたオスカー助演女優賞ノミニーで演技派として知られるジェニファー・
ジェイソン・リー(ヴィク・モローの娘さんだね)の怪演が光った。もう一人の主役と
言える。カート・ラッセルの死んじゃう、サミュエルが撃たれる、最後に残ったゴギンズが
どちらに付くかなどのタイミングが絶妙だ。先述のように長い映画の前半にばらまかれる
ミスリードネタが伏線となって後半に向け回収されていく小気味よさといったら!
そして敵も味方も容赦無い! その割り切りの良さも実に気持ち良い。(残酷さ、非情さがいい、
とかそういうことじゃなくて)

狭い空間を感じさせない種田の美術も見事だ。168分、全然長くない。さてカットされている
20分には何が描かれているのだろう・・・。70mm版を観てみたい。IMAXとはまた違う
迫力なんだろうなあ。そして明日、ジェニファーは助演女優賞を獲るのだろうか??
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<ストーリー>
雪嵐によって山の上のロッジに閉じ込められた、ワケありの男7人と1人の女が繰り広げる
騒動のゆくえを描く、クエンティン・タランティーノ監督・脚本による密室ミステリー。
サミュエル・L・ジャクソンやティム・ロスといったタランティーノ作品ではおなじみのキャスト
たちが、いわくありげなクセ者を演じる。

どこまでも続く白銀の世界。北部の元騎兵隊で今は賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン
(サミュエル・L・ジャクソン)が、レッドロックへ運ぶお尋ね者3人の凍った死体を椅子代わりに
座っている。寒さで馬がやられ、誰かが通りかかり拾ってくれるのを待っているのだ。
やがて1台の駅馬車がウォーレンの前で停まる。馬車の客は、同じく賞金稼ぎのジョン・
ルース(カート・ラッセル)。腕にはめた手錠の先には、連行中のデイジー・ドメルグ
(ジェニファー・ジェイソン・リー)が繋がれていた。1万ドルもの賞金をかけられた重罪犯の
その女は、散々殴られた顔で不敵に笑っている。

迫り来る猛吹雪から避難するため、ルースはレッドロックまでの中継地でうまいコーヒーに
シチュー、装飾品から武器まで何でも揃っているミニーの紳士用品店へ向かうという。
途中、クリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)が乗り込み、新任保安官だと名乗るが、
ルースは彼が黒人殺しで名を馳せる凶悪な南部の略奪団の一員だと知っていた。

ミニーの店へ着くと、見知らぬメキシコ人・ボブ(デミアン・ビチル)が現れ、母親に会いに
行ったミニーの代わりに店番をしていると話す。ルースは早速ストーブの上のコーヒーを
飲むが、ボブが作ったらしいそれは泥水のようにマズく、自分の手で淹れ直す。

店には3人の先客が吹雪で閉じ込められていた。絞首刑執行人のオズワルド・モブレー
(ティム・ロス)は、洗練されているがどこか胡散臭い英国訛りの男。カウボーイのジョー・
ゲージ(マイケル・マドセン)は、何を考えているかわからず、母親とクリスマスを過ごす
ために帰る途中だということ以外は一切語らない。そしてサンディ・スミザーズ(ブルース・
ダーン)は、大勢の黒人を虐殺した南部の元将軍。ルースはこの怪しげな男たちに疑いの
目を向けていた。この中にドメルグの仲間がいて奪還するチャンスを待っているのでは
ないか。あるいは1万ドルのお宝を横取りしようとしているのではないか……。偶然集まった
他人同士のはずが、マニックスは父親がヒーローと崇めていたスミザーズとの出会いに
感激し、そのスミザーズの息子の謎の死につてウォーレンが何かを知っていた。

それぞれの過去の糸が複雑にもつれ出した時、コーヒーを飲んだ者が激しく苦しみ、
間もなく息絶える。夜も更け、外の吹雪はますます激しくなっていく……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-02-28 13:00 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「パーフェクト・プラン Good People」
2013 アメリカ・イギリス・デンマーク・スウェーデン Millennium Films and more.90min.
監督:ヘンリク・ルーベン・ゲンツ
出演:ジェームズ・フランコ、ケイト・ハドソン、トム・ウィルキンソン、オマール・シー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
主役の二人の名前に惹かれて鑑賞。展開に強引でご都合主義的な部分も見られるが
1時間半のドラマとしてはまあまあ、面白く観ることは出来た。しかし、ラストでのご夫妻の
強いことといったら!(苦笑) 火事場の馬鹿力とった所か。
アメリカからロンドンへ祖母の遺産の古い家もある新天地ということでやってきた夫婦が
やばい金に手をだしたばっかりに、えらくひどい目に遭うものの、訳ありの老刑事を味方に
つけて窮地を脱する、というお話。

イギリでは借りた家の一室を又貸ししてもいいのかな?ということで、若い夫婦(フランコ&
ハドソン)が地下室を貸していた男がある日麻薬の過剰摂取で死んでいた。部屋を
整理していた二人は天井裏から3500万円という大金が入ったバッグを見つけた。
この金は、この男が仲間と麻薬取引の現場に強盗に押し入り、クスリと共に奪ったものの
仲間の一人を射殺し、金とクスリを独り占めにして逃げてきた、その金だった。
麻薬も盗られたため、この辺を取り仕切るフレンチマフィアからも行方を追われていた
男だったのだ。

若い夫婦は夫の祖母の遺産である古い家を修理し、子供を作って住もうとしていたが、
金が無く、改築も止まりそうになっていた。そんなことから二人はこの金をしばらく隠し
ネコババしちゃおうと計画した。金払いが順調になったため警察から目をつけられて
しまった。一方、弟を殺された上、金もクスリも持って行かれた強盗の残り一団は
男の死んだ部屋を見つけ出し、金を探すもクスリは見つかったものの、金は見当たらない。
そこで部屋を貸していた夫婦が怪しいと睨み、夫婦のもとにやってくる。
更にクスリの行方を探す一方、取引現場を強盗されたフレンチマフィアらは面目を
潰された、ということで、残りの強盗を探していて、夫婦と接触してきた。

強盗とマフィア両方から狙われてしまった夫婦。彼らの味方になろうとしていたのは
警察の老刑事。あることから事件を外されていたのだが、強盗団から付け狙われ
始めた夫婦から助けの要請が入り、乗り出すことになった。
部屋を訪ねてきた強盗団にふたりとも捕まりいたぶられたり痛い目にも遭った。
マフィアからもしっかり脅されている。

そこから先は、悪同士をぶつけて共倒れになるように画策してみたりしたが、追い詰め
られていく。夫婦は祖母の古家を基地にして決戦に出る、という展開になる。
普通の素人夫婦が、強盗団とマフィアを相手にいい戦いを繰り広げる。妻も手伝い
老刑事も手を貸して、なんとか難を逃れることが出来た。ラスト、古い祖母の家を
舞台に繰り広げられる決戦では夫妻は強い! ジェームズ・フランコもケイト・ハドソン、
可もなく不可もなし。強盗団のボスがあまり怖そうに見えないのが難点かな。
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<ストーリー>
ロンドン郊外の安アパートに住む請負労働者トムと小学校教師アナの夫妻。シカゴから
再起を誓い移住して来たふたりは祖母から相続した屋敷を改築し子供を持ち幸せに暮らす
という夢を抱いていた。
ある日、トムの元にひとつの通知が届く。“退去勧告”。政府による金融引き締め政策と
外国人労働者への取り締まり強化により、ふたりは経済的に追い込まれていた。
途方に暮れる中、思わぬ事態が訪れる。階下の住人が3500万円の大金を残して突然
死したのを発見したのだ。持ち主不在の3500万円。近づく、退去期限。そして、ふたりは
遂に金に手を出してしまう。慎ましやかな夢を叶えるために。しかし、それは絶対に手を
出してはいけない金=だった。

金を巡りマフィア、麻薬密売組織、そしてある事件の復讐を誓う刑事がふたりに迫る。
つかの間の“安心”を手に入れたふたりが掴んだのは、恐ろしい陰謀が蠢く闇世界への
切符だった……。(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-02-25 22:50 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「プールサイド・デイズ  The Way,Way Back」
2013 アメリカ Sycamore Pictures,and more.104min.
監督・(共同)脚本・(共同)製作総指揮:ナット・ファクソン
出演:スティーヴ・カレル、トニ・コレット、アリソン・ジャネイ、アナソフィア・ロブ、リアム・ジェームズ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
なかなか良く出来た甘酸っぱい青春ドラマ。日本では劇場未公開ながら、本国では
結構ヒットしたようだ。親子、友情、恋愛というこの手の王道のエピソードを上手い舞台を
使って手堅く面白く、ユーモアもたっぷりで描いた。役者たちもまた達者だった。

自分に自身が持てず、また周りもそれに鞭打つようなことをいう環境の、うじうじ少年が
ひと夏のプールでのバイトと、恋愛で成長していくお話。ちょっとつじつま合わせのご都合
主義が見える所もあるけど、まあ、青春ドラマなんで許せる。主人公のダンカン少年を
応援したくなるっつー思いで気持よく映画を見終えることが出来た。
だだ、離婚だの恋人関係などで人物設定がごちゃごちゃになりそうなので、誰が誰、と
見極めつつ観るのが吉だと感じた。

離婚した母パム(トニ・コレット)の新しい恋人トレント(カレル)は、はっきりしないヘタレ
気味のパムの息子ダンカンに苛々していて、「お前は10点満点で3点だ」とか酷いことを
平気で言う。

そんな危うい家族が夏休暇で、友人の別荘に遊びに行く。大人どもはマリファナ、セックス、
浮気と14歳のダンカンにしてみれば、アホなことばかりやっている。そんな中で、遊びに行った
ゲーセンでパックマンをやっていたウォーターパーク従業員オーウェン(サム・ロックウェル)と
出会う。ダンカンは家族に内緒でウォーターパークでバイトを始めるのだが、結構いい加減に
見えて、人生に対し結構いいことを言うオーウェンの影響を受けダンカンは次第に「大人」に
なっていく。

一方、隣の家のスザンヌ(アナソフィア・ロブ)とはフィーリングが合っていい感じになる。
でも奥手のダンカンはなかなか積極的になれない。そうこうしているうちに母パムと
恋人トレントの仲が悪くなり(トレントが浮気していたことがバレたり)、急遽休みを切り上げ
帰ることになる。スザンヌとの別れが辛いダンカン。スザンヌの方からキスのプレゼント。
また、帰り際、ウォーターパークに寄り、チュウーブライダーで神業と言われる追い抜きを
披露してみせた。オーウェンをはじめとするパークの従業員からは温かい言葉が掛けられる。

そんなこんなでワゴン車の後ろに後ろ向きに座ったダンカンの横に母もやってきた。
母はトレントと別れるつもりらしい。二人して後ろ向きに座っているのが象徴的であった。
かくしてトレントはひと夏の経験を通して、一皮むけた少年になっていったのだった。
大事なのは出会いなんだなあ。

男の子の思春期を描いた佳作としてお勧めしたい映画だ。
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<ストーリー>
両親が離婚し、夏休みを母親とその新しい恋人と過ごすはめになった孤独な少年が、
旅行先で奇妙な男と出会ったことから自分を変えていく。ほろ苦くも爽やかな青春ムービー。

「ファミリー・ツリー」の脚本で第84回アカデミー賞脚色賞に輝いたN・ファクソンと
J・ラッシュのコンビが、今度は脚本に加え監督にも挑んだみずみずしくほろ苦い青春映画
の秀作。
離婚した母親とその新しい恋人との生活になじめず苦悩していた思春期の少年が、ちゃらん
ぽらんな男と知り合ったことから成り行きでプールでアルバイトを始め、ようやく自分の
居場所を見つけていく。
この奇妙な男を「月に囚われた男」のS・ロックウェルが好演するほか、S・カレルや
T・コレット、A・ロブなど共演陣も充実。

14歳の内気な少年ダンカンは、離婚した母の新しい恋人トレントと馬が合わずに悩んで
いた。夏休みをトレントの別荘で過ごすことになった彼は、そこでも孤独な日々を過ごして
いたが、あるとき、ふと足を向けたウォーターパークで、ちゃらんぽらんな従業員の
オーウェンと知り合う。
成り行きからそこでアルバイトすることになったダンカンは、初めての仕事やオーウェンら
奇妙な人々との交流の中で、次第に心を解放していく。 (WOWOW)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-02-19 22:50 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「フェイス・オブ・ラブ The Face of Love」
2013 アメリカ Mockingbird Pictures.92min.
監督・(共同)脚本:アリー・ポーシン
出演:アネット・ベニング、エド・ハリス、ロビン・ウィリアムズ、ジェス・ワイクスラー、エイミー・ブレネマン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
大人のメロドラマ。名優が並んだ、という意味で見る価値があるかな。まあストーリーは
分かりやすいが(メロドラマで大事なこと)、ラストの主人公の笑顔には個人的に納得が
いかなかった。せっかくのロビン・ウィリアムズも上手く使えてない勿体なさ。

お金に苦労しない方々のメロドラマなんで浮世離れしてはいるけど、こういうの嫌いではない。
アップと動くカメラを多用し、感情の表出とサスペンス感を醸し出している。何か起きるのでは
ないか・・と。でも意外なことは起こらずに終わる。

結婚30年を迎えた夫妻(アネット&ハリス)がメキシコに記念旅行に出かけ、夫は大波が
危ないというのにマリファナをやったりしてハイになり海に出かけ溺死してしまう。
それから5年。LAの美術館で夫とそっくりな男性を発見する。追いかけてみたり、ネットで
調べてみたりした結果、オクシデンタル大学の美術学部教授のトムという男であることが
判明。

画を習いたい、ということで近づく。自宅で個人レッスンを重ねるうちに、お互いに強く惹かれ
あうようになる。トムも離婚して独り身であった。

アネットには亡夫の友人で向かいに住むロビン・ウィリアムズという友人がいた。彼も、
アネットの事を憎からず思っている。
しかし、夫そっくりなトムの出現に心はすっかりトムのもの。しかし、彼女はトムには絶対
夫の写真を見せないのだった。

やがて、離れて暮らす娘が帰宅、トムと鉢合わせとなり、びっくりする娘は、トムに対し
なぜか激怒する。しかしアネットは娘に出て行け、と言ってしまう。それでも何が何だか
わけがわからないトム。

二人はメキシコに行くことにする。そこでトムはかつてアネットが亡夫と撮った写真を見つけ
アネットを問い詰める。するとアネットは荒れた海に飛び込む。これを助けるトム。
アネットはトムをまるで亡夫のように抱きしめたのだ。

つまり、アネットの愛していたトムは亡くなった夫(ギャレット)の面影に過ぎず、トムという
キャラクターは存在していなかったのだ。それを知ったトムは彼女から離れていく。

そして6ヶ月後、娘と元の生活に戻ったアネットのもとに一枚の追悼展の案内が。それは
トムが亡くなり(彼が長い間重篤な心臓病を患っていたことはかなり前に明らかにされる)
その追悼展が開かれたのだった。会場に赴くアネットの目の前に「The Face of Love」
(愛の肖像)という一枚の絵があった。それは自宅のプールで泳ぐ自分をガラス越しに
見つめるトム自身を描いたものであった。その画を観ているうちにアネットの顔に笑顔が
浮かぶ。
つまり亡夫の面影を追っていただけのアネットではあったがトムは彼女を愛していたのだ。
そして、画の通り、プールで泳ぐ笑顔のアネットであった。

こういうストーリーなんだが、ラストの笑顔が先に書いたように納得いかない。アネットは
あくまでトムは亡夫ギャレットの代替であり、キャラクターの存在しない男。それなのに
彼はアネットを愛してくれた。彼女はトム自身を愛していたのか?あの笑顔はどうなのか?
愛されていたと確信したのはいいけど自分はトム自身を愛していなければ笑っちゃいかんと
思うのだが。まあ、メロドラマに目くじら立ててもしかたがないけど・・・。
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<ストーリー>
結婚30周年を迎えたニッキー(アネット・ベニング)は、建築家の夫ギャレット(エド・ハリス)が
設計した自宅も完成して幸せの絶頂にあった。一人娘のサマー(ジェス・ワイクスラー)は
自立してシアトルで暮らしている。すべてが順調だったある日、結婚記念日を祝うために
訪れたメキシコのビーチ・リゾートでギャレットが事故死してしまう。

それから5年、ニッキーの心は深く沈んだまま。そんな彼女を見守るのは、近所に住む
ロジャー(ロビン・ウィリアムズ)だけ。彼も妻のスーザンを亡くして苦しんでいた。だがある日、
ニッキーは美術館でギャレットに瓜二つの男性を目撃。その男性が大学の美術学部教授
トム・ヤング(エド・ハリス:二役)であることを突き止めた彼女は、彼の授業に押しかける。

容姿だけでなく、柔らかな声も眼差しもギャレットそっくりのトム。トムも、ニッキーの訪問に
何かを感じたようだった。何としてもトムをつなぎ止めたいニッキーは、絵画の個人レッスンを
依頼。半ば強引に自宅に呼び寄せる。
10年前、妻アン(エイミー・ブレネマン)との離婚が原因で絵筆を捨てたトムのアトリエは
荒れ放題だったが、ニッキーとの交流を通じて創作意欲を取り戻し、次々と作品を完成させて
ゆく。次第に距離を縮めた2人はある夜、ベッドを共にする。罪悪感を覚えながらも、トムに
夫の面影を重ねるニッキー。だが、トムにも秘密があった。心臓に持病を抱え、長くは生きら
れないのだ。

互いに秘密を抱えたまま、恋に落ちてゆく2人。やがて、トムはギャレットとは別人である
という当たり前の事実を目の当たりにしたニッキーは、2人を混同するほどの情緒不安定に
陥る。母の異変に気付いてやって来たサマーも、父親そっくりのトムの姿に動揺。しかし、
娘よりトムを選んだニッキーは、2人で逃避行を繰り広げる。
行き先は、ギャレットが亡くなったビーチ・リゾート。やがて2人を更なる悲劇が襲う……。
(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-02-18 22:40 | 洋画=は行 | Comments(0)

ビッグ・アイズ Big Eyes

●「ビッグ・アイズ Big Eyes」
2014 アメリカ The Weinstein Company,and more.106min.
監督・(共同)製作:ティム・バートン
出演:エイミー・アダムズ、クリストフ・ヴァルツ、ダニー・ヒューストン、ジョン・ポリト、クリステン・リッター他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
ブラックファンタジーじゃないとティムは評価されないのだろうか?本作は極めてアンダー
レイテッドである。事実がベースになっているので物語の面白さは割り引くとしても★は
8,5を進呈したいいい出来と思う。事実、この年のゴールデン・グローブ主演女優賞を
エイミー・アダムズは本作で受賞している。日本で話題にならなかったのは、配給会社の
問題なのだろうか。

脚本も上手く出来ていて、物語自体アクが強いので106分という上映時間も宜しい。
エイミーの演技もさることながら、助演男優賞を最近2つ獲っている(「イングロリアス・
バスターズ」と「ジャンゴ~繋がれざるもの」)クリストフ・ヴァルツのオーバーアクトとも
取れる怪演が素晴らしい。この人、小憎らしい役をやらせたらいい味出すなあ。

ティムの主役二人の心情を上手く映像化した手法も買いたい。物語の折りたたみ方も上手い。

本作は、おそらく多くの人が一度は見たことがあるんじゃないか、と思われる、大きな眼を
した子供の画。これを巡って、いわば佐村河内さんと新垣さんのような関係を夫婦でやって
いた、ということ。
大きな眼をした子供の画を書くのは妻のマーガレット(エイミー)で、それを自分が描いたと
大宣伝する口のうまい詐欺師のような嘘つきC調男ウォルター(ヴァルツ)。
1950年から60年代のことで女は男に養ってもらうもの、良きハウスワイフこを女の鏡と
いう時代に自ら画を売り込む手法も勇気も無かったマーガレットにウォルターがつけこんだ
わけだ。結婚しているからサインはキーンという苗字であるため、ウォルターが描いたと
言っても誰も疑わない。
で、このウォルターが口から先に産まれたような男で、まあ有能なプロデューサーといえば
そうなんだけど、最後にはマーガレットを恐怖で支配し、長い間富も名声もウォルターが
独占、写真集まで出してしまう。
事実、当時画を飾るといえばキャンバスに書かれたものを額装し壁に飾るというもので
あったが、ウォルターは画をポスターや絵葉書にして売りまくった。油絵などをこうして
売る手法はウォルターをもって嚆矢とするそうなので、その方面の才能はあったのだろう。

しかし、自分の分身と思う画が自分のモノにならないフラストレーションに我慢の緒が切れ、
二人は別居し、マーガレットと娘(前夫との子)はハワイに移る。彼女は離婚を決意し、その旨を
電話で連絡するが、抜目のないウォルターは、画の権利を全部よこせ、なおかつ新作を100枚
描け、それならば応じよう、と言う。しぶしぶ応じるマーガレット。しかし「エホバの証人」らの
サポートもあり、怒ったマーガレットはハワイのラジオ局で真実を打ち明けることにした。

世間は大騒ぎとなり、ウォルターは画はあくまで自分が描いたと裁判に持ち込む。
(ハワイでの二人の対決がまた漫才のような感じで面白いのだ)あまりにアピールが
過ぎるウォルターに対し、裁判長は二人に1時間で画を書いてみなさい、と指示する。
当然、ウォルターは描けない。腕がしびれて駄目だ、とか嘘をいうが、完璧に書き上げた
マーガレットの画の前に真実は明らかであった。裁判はマーガレットの完勝であった。

裁判所の正面で笑顔で出てきたマーガレットと取り囲むマスコミや支援者。差し出された
写真集に「マーガレット」と堂々とサインする彼女には明るい笑顔が戻っていた。

時代がそうさせたとはいえ、ウォルターの支配から抜け出られなかったマーガレットに
非を求めるのは酷だろうか。ウォルターがまともなら、妻の才能を高くうる方法を編み出し、
自分はアートディレクターとなり、妻を最大限売り込み、金儲けもする、と思うのだが、
残念ながら彼は小物であり、自分の名誉と金が欲しかっただけだったのだ。

映画の最後で本人の画像を使って説明されるが、ウォルターは2000年に無一文で死去、
マーガレットはハワイからサンフランシスコに戻り、画廊を開店し、今も(89歳だったか)
元気で画を書いているそうだ。
映画評論家の町山氏がマーガレットに会った折、「ウォルターが生きているうちにこの映画が
出来たら」と問うと、彼女は「ウォルターは自分の事が映画になったことを自慢する、そんな
男ですよ」と答えたとか。

機会があれば皆さんに見ていただきたい佳作・良作だ。
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<ストーリー>
 60年代にモダン・アート界で大きなブームを巻き起こし、その後思わぬ一大スキャンダル
へと発展した絵画“ビッグ・アイズ”シリーズを巡る画家夫婦の驚きの実話をティム・バートン
監督で映画化。
主演は「魔法にかけられて」「アメリカン・ハッスル」のエイミー・アダムスと「イングロリアス・
バスターズ」「ジャンゴ 繋がれざる者」のクリストフ・ヴァルツ。
 
1958年。離婚を決意したマーガレットは、幼い娘ジェーンを連れて家を飛び出す。女手一つで
娘を育てるため、サンフランシスコのノースビーチで似顔絵描きを始めたマーガレット。
彼女はそこで口が上手く社交的な男性ウォルター・キーンと出会い、結婚する。

ある日、マーガレットの描く瞳の大きな子どもの絵が、ひょんなことから世間の注目を集める
ようになる。するとウォルターは、その“ビッグ・アイズ”を自分の絵と偽り売りまくる。
それを知り抗議するマーガレットだったが、口八丁手八丁のウォルターにまんまと言いくる
められてしまう。以来、世間にもてはやされるウォルターの陰で、黙々と絵を描き続ける
マーガレットだったが…。(allcinema)
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この映画の詳細は、こちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-02-17 22:55 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ブラック・スキャンダル Black Mass」
2015 アメリカ Cross Creek Pictures,and more.Dist.Warner Bors. 123min.
監督:スコット・クーパー  原作:ディック・レイア「ブラック・スキャンダル」
出演:ジョニー・デップ、ジョエル・エガートン、ベネディクト・カンバーバッチ、ロリー・コクレイン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
シネコンに行こうかWOWOW放映まで待とうか、どうしようか散々迷ったものの、
観たかった「ザ・ウォーク」(3D)が何故か、ど早朝かど深夜しか上映していなくて、
本作になったという次第。「オデッセイ」はIMAX 3Dで明後日観ます。

で、日曜のシネコンの小さい小屋。なのに客は10人ほど。嫌な予感・・・。
おそらくたくさんの人物が出てきて名前が混乱するだろうし、会話劇になるのじゃ
ないかと思われたので、眠気も吹き飛ばして真剣に観ました。

結局、面白くなかった。つまらないというほどでもないのだが、ジョニデの変身ぶりは
それなりに見ものではあったが、彼の変身は「シザーハンズ」から「ローン・レンジャー」
「チャーリー・モルデカイ」までマストアイテムだから、驚きは無かったけど。
一見ジョニデと分からない風貌になってはいる。

実在した人物と事件をベースにした作品で原作があるから、実録ものとして大きな
脚色は出来ないのだろうけど、どうしても主人公のジェームズ・"ホワイティ"・バルジャーに
良い悪いの感情は別としてシンパシーを感じる、また受け取るものが無かったのだ。

作品中で証言者もいうが、「生まれつきの犯罪者」。まことにそうなんだが、犯罪者を描いた
実録物は昔から多数あり、傑作もあった。そこに、サイコパスならそれなりの、また
犯罪者になった背景とかが描かれ、破滅型ならそれなりの感情の移入も出来るのだが
本作では、ただただ「悪人・犯罪者」なのだな。「こういう悪いやつも居たんだな」、
彼を取り囲む悪の連鎖も、そういうことなのね、という事実の認識以上のものを感じ
取ることは出来なかった。 ジョニデの悪っぷりだけは良かったけど。

まあ、大づかみだが、FBIの情報屋にして極悪人の兄と上院議員の弟。幼なじみの
FBIの捜査官が、兄にイタリア・マフィアを潰すために、FBIの情報屋になれと。そうすれば
やっていることを見逃そうと、これもびっくりだね。
司直の世界も政治の世界も、裏があってイヤダイヤだ、ということなのだな。裏切られも
するわな。
最後に明かされるが弟は上院議員を辞めた後マサチューセッツ大学の総長を長く
務めたというからまたびっくりだわ。 
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<ストーリー>
「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ、「ローン・レンジャー」のジョニー・デップが、FBIの
最重要指名手配犯となった実在する伝説のギャング、ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを
体当たりで熱演し評判を呼んだ衝撃の実録犯罪ドラマ。

ボストンを舞台に、極悪非道なバルジャーとFBI捜査官の間で交わされた禁断の密約の
実態と、次第に狂気が暴走していくバルジャーが手を染めた恐るべき悪行の数々を描き出す。
共演はジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチ。
監督は「クレイジー・ハート」「ファーナス/訣別の朝」のスコット・クーパー。

 1975年、サウスボストン。アイリッシュ系ギャングのボス、ジェームズ・バルジャーは、
イタリア系マフィアと激しい抗争を繰り広げていた。一方、弟のビリーは、州の有力政治家と
して活躍していた。
そこに、バルジャーの幼なじみジョン・コノリーがFBI捜査官となって戻ってきた。折しもFBIは
イタリア系マフィアの掃討を目標に掲げており、功名心にはやるコノリーは、バルジャーに
ある提案を持ちかける。それは、バルジャーがFBIの情報屋となり敵の情報を流す代わりに、
FBIは彼の犯罪を見逃す、という驚愕の密約だったのだが…。」(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-02-07 12:20 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ブルー・リベンジ Blue Ruin」
2013 アメリカ The Lab of Madness,Film Science,Neighborhood Watch.90min.
監督・脚本・撮影:ジェレミー・ソルニエ
出演:メイコン・ブレア、デヴィン・ラトレイ、エイミー・ハーグリーブス、ケヴィン・コラック、イヴ・プラム他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
★は8に近い7。
この監督さん、自分で本も書き、撮影もするというマルチタレント。「ジャズ・シンガー/ジャッキー・
パリスの生涯」(未公開)もWOWOWで見る機会があり、とても面白かったという記憶が
ある。本作と比して作品に通底する部分にどこか似た臭いがする。

本作、一口で言って「異様」な映画である。オフ・ビートというのとは違うだろうし、全編に
漂う「やるせなさ」「虚しさ」。アンハッピーエンドではあるが、これ以外の終わり方があるだ
ろうか、という物語。下手をするとダルく感じるストーリーを90分という短い時間に押し込め
「トーン」を演出出来るというのは、此の監督、只者ではない。こだわりの映像も、色彩を
上手く使い効果的である。例えば主人公の乗るボロボロのセダンは淡水色。恐怖のシーンに
使われる青い照明など、主人公の心象にブルーを置くことにより、「虚しさ」を強調する。
タイトル通りである。
そして実は結構リアリティに富む決定的なシーン。それは、主人公が両親殺しの復讐として
殺した男の兄弟が、主人公の友人のライフルで顔半分を吹き飛ばされる所。
これはその突然性と、リアリズムで、「虚しい」トーンの作品に緊張を与えるのに成功している。

出演者は知らない人ばかり。(端役として出ているのを観ているのかもしれないが)特に
主人公ドワイトを演じたメイコン・ブレアは、映画のトーンにぴったりな雰囲気。ヘタレな
イメージなのだが、結構意志は強かったりして、絶望に向かって突進する顔に似合わない
行動が「異様」で良かった。実際ドワイトのヘタレぶりは、いくつか描かれていく。ぞれがまた
前部痛い(物理的に痛い)のだ。刺さったボウガンを自分で抜こうとして抜けず、病院へ
駆け込んだ瞬間失神してしまうという・・。

いわゆる「復讐譚」なんだけど、ホームレスに身をやつして両親殺しの犯人の出所を待ち、
出てきたことを知ると、接近し殺害。だが、兄弟たちに言わせると彼は実行犯ではないという。
あれあれ・・・。 主人公ドワイトの両親が殺されたのは、父親が、ある男の妻ににちょっかいを
出し、これに激怒した男がクルマを運転している父親を射殺、同乗の母も死亡ということ
だったのだ。殺人事件の動機もトホホなもんだ。しかし、ドワイトには肉親を殺されたウラミは
強い。出所した犯人を殺して、その後どうするつもりだったのだろうか。自分が犯人だと
容易に想像されてしまうのに。刑務所に入ることも厭わないつもりだったのだろうか。それに
しても自分の人生を棒に降るような殺人の原因でもなかったと思うのだが、そこがこの映画の
狙い目。

出所したての家族を殺された一家兄弟は、殺人を警察に届け出ず、自分たちで復讐に乗り出し
た。狙われたのはドワイトの実の姉。ドワイトは姉の家に行き、事情を話し姉を転居させ
そこで一族が来るのを待つ。殺し合いをするつもりなのか? 案の定彼らはやってきて
逃げようとしたドワイトはボウガンに足を射抜かれてしまう・・・。

そこからドワイトと一家の殺し合いが始まる。ドワイトは高校の友人に銃の手ほどきを受けたりし、
一家の留守宅に忍び込み、有ったたくさんの銃をまとめて池に捨て、籠城しはじめた。
やがてやってきた男と姉と母。甥っ子みたいな若いやつに背後から撃たれ、母親にまだ机の
下に隠されていたサブマシンガンで撃たれるが、反撃もし、甥っ子は逃亡、後は全員死亡した。
「虚しい」・・・・。ドワイトの人生の来歴は語られないが、彼の人生は何だったのか。
決して暴れん坊ではない物静かなドワイトが殺しの連鎖に巻き込まれていく様は、見ものである。

冒頭から20分以上、ドワイトはセリフがない。寂れたクルマを根城にするホームレスとして
登場、誰なのかも分からない。そこに警察がやってきて署に呼び、両親殺しの犯人が司法
取引で釈放される、と教えられた。さあ、その時は来た!・・・・。ドワイトの行動に自分の
思いを重ねながら見るとよろしかろう。 
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<ストーリー>
両親を殺されたホームレスの悲しい復讐劇を描いたサスペンス・スリラー。第66回カンヌ国際
映画祭監督週間で上映されるや完成度とリアリティを持った世界観が話題となり、国際映画
批評家連盟賞を獲得した。
監督・脚本は、数々の作品の撮影を担当するほか、ホラー作品「Murder Party」(未)で
注目を集めたジェレミー・ソルニエ。
孤独な戦いに乗り出すホームレスを、これまでのジェレミー・ソルニエ監督作品全てに
出演しているメイコン・ブレアが演じている。
ほか、「ホーム・アローン」のデヴィン・ラトレイ、「SHAME-シェイム-」のエイミー・
ハーグリーヴスらが出演。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。


終始虚しいのでスッキリしないという方も多かろう。だがこの独特の雰囲気。私は嫌いではない。
by jazzyoba0083 | 2016-01-26 22:40 | 洋画=は行 | Comments(0)