カテゴリ:洋画=ま行( 130 )

●「見知らぬ人でなく Not As A Stranger」
1955 アメリカ ユナイテッド・アーチスト=MGM  135分
監督・製作:スタンリー・クレイマー
出演:ロバート・ミッチャム、オリビア・デ・ハヴィランド
   フランク・シナトラ、チャールズ・ビックフォードほか。

観終わった感想は「重厚な映画だったなあ」ということ。
描く世界が医者であることもあっただろうが、俳優の演技も
重さがあったような気がする。

若き医学生(ミッチャム)は、真面目で、馬鹿が着くほどまっすぐな
性格。オヤジが酒飲みで学費が払えず、友人(シナトラ)や担当
教授がお金を貸してはくれるが、どうしても足りない。
そうした時に看護婦(オリヴィア)が彼に好意を寄せていることを知り
かつ、小金も貯めていることを知り、愛情もそんなにないのに
学生結婚する。
そして、晴れて研修医となるのだったが、間違いを許さない性格が
あちらこちらで、他の医者と衝突し、孤立していく。
なんとか研修も終わり、各地に散っていった学生たちだが、
ミッチャムは、あえて田舎町グリーンヴィルを選ぶ。
そこでは、町医者(ビックフォード)が献身的に働いていた。
それこそ、どんな病気でも診なければならず、往診もあり、やりがいは
感じつつ、疲れる毎日。専業主婦となった妻とも会話がない。
妻は子供が欲しいのだが、ミッチャムはまだ早い、と拒絶する。
ある日、馬丁が怪我をした、とのことで往診したミッチャムは
寡婦で女主人(グロリア・フラハム)と出会う。そして、ついに
ミッチャムは、妻にない魅力を女主人に感じて、間違いを犯して
しまう。
勤務する病院の院長は頼りなく、肺炎にかかった自分の担当患者の
治療を放棄している始末。怒ったミッチャムは、自宅から妻を呼び
看護婦として付け、必死の治療で、蘇生させることに成功する。
改めて妻の看護婦としての力量に観劇したミッチャムは、彼女に
病院で働いてくれ、と頼む。妻の気持ちを全くわかっていないのだ。
ある日、妻は自分が妊娠していることに気がつくが、夫に言う勇気
がない。親友の産婦人科医(シナトラ)が、わざわざ家に来てくれた
のだが、本人は牧場の女主人のところに行って帰ってこない始末。
ついには妻から離婚を迫られ、家から出て行ってとなじられる。

そして、心臓に病気を持つ先輩の老医者(ビックフォード)が心臓病で
倒れた。ミッチャムは責任者として、彼の大動脈瘤破裂の手術を
するのだが、結局余計なことを試みて、老医者を殺してしまう結果を
招く。

まったく自信をなくし、妻にまで捨てられ、町をさまようミッチャム。
ようやく、医者ととしてこれまで他人の言うことに耳を貸さず、自分を
過信していたこと、自分のことを愛してくれていた妻を裏切りどんなに
辛い目に会わせていたのか、目が覚めたのであった。

ミッチャム、オリビア、シナトラ、ビックフォード、そしてリー・マーヴィンや
ロン・チエィニー・jrなど、素晴らしい俳優の素晴らしい演技を堪能できる。
金儲けを非難し、誠実に患者のことを思って治療したいと思うミッチャム
は素晴らしいのだが、そのために友人を非難し、教授も許さないという
潔癖すぎる行動は、医者として心のない厳しいだけの医者になってしま
っていたのだ。大学を卒業する時、担当教授がミッチャムに送った
「君は優秀だ。良い医者になるだろう。だが孤高に生きていてはいつか
はつまづく」というはなむけの言葉が心に残る。
自分の信念を貫こうとするために人の心を理解できないと、生きては
行けない、ということなんだろう。

50年代のアメリカの持つ良質な映画なんだなあ、と感心しました。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-07-23 22:30 | 洋画=ま行 | Comments(0)

●「間違えられた男 The Wrong Man」
1956 ワーナーブラザーズ映画 105分
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ヘンリー・フォンダ、ヴェラ・マイルズ、アンソニー・クェイルほか。

ヒッチコックが冒頭出演し、この映画は事実に基づいている、これまで自分が
作ってきたどんなサスペンスより、怖い、と「事実は小説より奇なり」である
ことを吐露して、始まる。
淡々と誤認逮捕が行われ、淡々と裁判が進み、淡々と解決するのだが、
その中に言い知れぬ恐怖がちりばめられていてさすがはヒッチコック、と
感心する。

ヘンリー・フォンダ演じる、クラブの楽団のベーシスト、マニーは、神経質だが
美しい奥さんと二人の男の子に恵まれ、貧しいながらも幸せな暮らしをして
いた。
ある日、妻の歯が痛むので、治療費を工面しようと妻の生命保険を担保に
生命保険会社にお金を借りに行ったのだが。
しかし、最近このあたりで頻発している強盗犯に、マニーの姿が似ている
ことから、警察に通報され、マニーは連行されてしまう。そして、被害にあった
店などで面通しが行われ、みな、彼が犯人だと証言するのだった。

結局、反証できないマニーは収監されるのだったが、7500ドルの保釈金を
親戚が払ってくれて保釈が認められた。
マニーと妻は、犯行があった日時に自分たちのアリバイを証明しようとするが
証人たちが亡くなっていたりして、無罪を証明できない。そんな中で裁判が
始まる。弁護士は、民事が専門のオコーナー氏。彼も、必死でマニーの
無実を熱弁するのだった。そんな中、マニーの妻が、自分の家計のやりくりが
下手で、お金があると使ってしまうダメな妻だ、と自らを責め、ついには
精神的に病んでしまい、療養所に入る事態になってしまう。

そんな時、真犯人がまた犯行を重ね、警察に捕らえられる。真犯人が逮捕
されたことで、マニーの無罪が証明された。喜んだマニーは療養所の妻の
元に馳せ参じ、無罪を報告するのだが、妻の病状は好転しない。
ラスト、字幕で2年後に妻は完治し、夫妻はフロリダに転居し普通の生活に
戻ったと知らされるのだった。

まあ、無実が証明されて、良かったね、なんだけど、終盤までがテンポも
映像も良かったのに、マニーが無実であったことの後で、刑事がマニーに
「もう大丈夫か?」と声をかけ、マニーが「OK」だ、というシーンや、
結局間違った証言をした、保険会社のOLたち、真犯人を名指したあと
マニーと廊下ですれ違っても謝るわけでもない、このあたり、時代を感じて
しまいますね。今だったらとんでもない人権問題に発展して、マニーは
数億円の賠償金を手にすることが出来たのに。
それと、ラストに字幕で奥さんが2年後に完治したことが告げられたのだが、
ならば、映像で短くてもいいから描いて欲しかったな。
でも、最近の映画には勝てない、何かがあるサスペンスではあった。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-07-21 21:55 | 洋画=ま行 | Comments(0)

ミッシング The Missing

●「ミッシング The missing」
2003 アメリカ ユニバーサル&コロムビア+エヴォリューションスタジオズ
     イマジンエンタテインメント作品 137分
監督:ロン・ハワード 原作:トーマス・イードソン 脚本:ケン・カウフマン
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ケイト・ブランシェット、
エヴァン・レイチェル・ウッド、ジョナ・ボイド、アーロン・エッカートほか。

「ダ・ヴィンチ・コード」で今をときめくロン・ハワードが作った西部劇(?)
19世紀末のアメリカの荒野で生き抜いた女性の物語。私には
「コールドマウンテン」と重なるところがありました。ストーリーは全然
違いますが・・・。
娘と父親の相克、それを乗り越える映画であります。重厚に迫りますが、
オカルトなインデアンが出てきたりで、ちょっと雰囲気が普通じゃないですね。

1885年 ニューメキシコ州。荒野の一軒屋で、治療師をしてるマギー。
前前夫のとの娘リリーと、前夫との娘ドットと、愛人のブレイクと、貧しい
ながらも幸せに暮らしていた。長女は、都会の生活にあこがれていた。
そんなマギーの家にある日、一人の男が現れる。20年前にマギーや
母親、そして6歳の弟をすてて、アパッチに憧れインデアンに身を投じた
父親ジョーンズだった。
いまさら、どの面下げて娘のところに来るんだ、私たちを捨てたことは
絶対許さない、さっさと出て行ってよ!とマギーは毅然としている。

だが、街のお祭りに行きたいというリリーの望みに負けて、二人の娘と
ブレイクが、街に行くが約束の夕刻になっても帰ってこないという事件が
起きる。
探しに出かけるマギーの前に繰り広げられていたのは、ブレイクの
惨殺死体と、リリーがさらわれたと証言し、呆然としていたドットの姿
だった。

ドットが犯人はインデアンらしいと告げたことで、マギーはインデアンに
詳しい父ジョーンズに助けを求め、リリーを探しに向かう。ドットも連れて。
街で犯罪を保安官に告げ、騎兵隊の出動を要請する一方で、自らも
犯人たちを追うマギーと父。

リリーたちは、インデアンの妖術師と、極悪白人たちにさらわれ、
メキシコに高く売り飛ばされようとしていたのだ。
途中で、娘をさらわれたインデアン(ジョーンズの友人)を仲間に入れ、
犯人を追い詰めるマギー一行だったが、敵は呪いを使い、マギーを
呪い殺そうとする。

そして、ついに犯人一行を発見し、大銃撃戦になるのだった。しかし
妖術師一行は、手ごわい。多勢に無勢もあって、なかなか娘を
奪還できない。マギーたちの仲間のインデアンがさらわれた娘7人が
かくまわれている洞窟に忍び込み、まず自分の娘を助け、リリーに
マギーから預かった十字架を見せ、逃げようとさせるが、(コトバが
通じないから)リリーはこのインデアンが自分を殺そうとしているのだ
と勘違いして、悲鳴をあげ、これが敵方に聞こえてばれてしまい、
仲間のインデアンは妖術師たちに惨殺されてしまう。

めげずに何とか娘を助けようとするマギーと父、次第に長年の
わだかまりが解けていくのだった。そして遂にジョーンズと
妖術師の一騎打ちとなるのだったが・・・・。

「コールドマウンテン」も最後は悲劇的だったが、この映画もハッピー
エンドとはいえない。前者はそれでも、納得性とか感動とかあったが、
この映画は、非科学的な内容もあり、妖術師の極悪振りからすれば
ジョーンズに救いが欲しかったなあ。

でも、ケイト・ブランシェットと、末娘を演じたジョナ・ボイトの熱演が
映画を引き締めていましたね。西部を舞台にしたダブルの親子の
物語。見ごたえあり、でした。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-07-20 11:30 | 洋画=ま行 | Comments(0)

●「メルビンとハワード Melvin And Howard」
1980 アメリカ ユニバーサル映画 日本未公開 95分
監督:ジョナサン・デミ、脚本:ボー・ゴールドマン
出演:ポール・ル・マット、ジェイソン・ロバーズ、
    メアリー・スティーンバージェントほか。

1980年度アカデミー賞脚本賞、助演女優賞受賞作品

劇場未公開なのでWOWOWで鑑賞。監督が「羊たちの沈黙」の
ジョナサン・デミだったのと、アカデミーで脚本賞を獲っている作品
であることで見る気になった。

ハワードとは、「アビエイター」でデカプリオが演じていた、大富豪に
して奇人変人のハワード・ヒューズのこと。これは実話に基づいて
いるというのが、なんともいえぬ味を作品に与えている気がする。

働き者で気の良い牛乳配達メルビンは、ある日アリゾナの砂漠で
倒れていた老人を助けた。「おれは今、ボーイングとかヒューズとかの
航空機会社に就職しようとして失敗して帰る所だ」というと、
その老人、「私は、ハワード・ヒューズだ」と名乗る。頭から信じない
メルビン。老人に自作の「改造ソリのサンタ」かなんかの歌を
歌わせる始末。
そんな出来事はすっかり忘れ、気はいいのだが金遣いも荒い
メルビンと、ストリップ劇場で働いてせっせと金を稼ぐ妻リンダは
分かれたり、くっついたり。ある日、リンダがテレビに出て優勝した大金で
家を買ったまでは良かったが、大型車にモーターボートまで買って
来て、またまた愛想を尽かされる。
メルビンはやがて子供が2人いる同僚のボニーと再婚し、親族で
ガソリンスタンドを経営することになる。

ある日、黒塗りの大型車がスタンドに来て、男がキャメルを買い、外に
メルビンが出ている間に事務所のデスクに1通の手紙を置いていく。
それが、なんとハワード・ヒューズの遺言状で、彼はハワードに
指名された16人の相続人の一人に選ばれたのだった。
その額、1億3600万ドル。150億円くらいでしょうか。
びっくりしたメルビンはモルモン教の本部に行き、遺言状を置いてきて
しまう。
スタンドに帰ってみると、テレビ局やら新聞やら野次馬やらが大勢
押し寄せる事態になっていた。そして、遺言状の真贋を巡り裁判に
なってしまった。メルビンとしては、クルマに載せてやっただけなのに
嘘なんていってないのに、大金持ちに対して、周囲のヒガみ妬みは
もの凄いものがあった。結局裁判でも、メルビンに不正があったとは
認定されず、まもなく、遺産が振り込まれるという段階になった。

しかし!上級審は、ハワードの遺言状は本物ではない、と認定し、
メルビンの夢は夢と消えていったのだった。

普通の男に降りかかった大金持ちの遺産相続騒動。あっけなく夢と
消えた。映画の前半は、メルビンとリンダのどたばた。遺言状が
届けられると映画の調子は一変、お金を巡る人々の醜さが
出てくる。テレビの取材で、メルビンのボスが「あいつはいいやつだったよ。
働き者で、売り上げトップに立ったこともあるんだ」とインタビューを
受けていたのに対し、裁判長が「不正は無かったと認定するが、
私は大いに疑念を感じている!」と不信まるだし、というか、貧乏人が
急に超大金持ちになることに対し「妬んでんじゃねえか、この裁判長」と
突っ込みたくなるシーンが対照的だった。
淡々と人生の一こまを描ききっているいい映画だと思いました。
アカデミーを獲っていることだし、DVD化され、もっと多くの人が観れる
といいなと思います。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-07-12 22:31 | 洋画=ま行 | Comments(0)

「ムーラン・ルージュ Moulin Rouge!」
2001 アメリカ 20thcentury Fox、バズマーク・プロダクション 128分
監督・製作・脚本:バズ・ラーマン
出演:ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー、ジョン・レグイザモほか。

2001年度アカデミー賞美術・衣装デザイン賞、ゴールデン・グローブ作品賞
女優賞、音楽賞など多数受賞作品

タイトルに「!」が付いているところにこの映画のエッセンスを感じます。
映画冒頭、舞台の幕が徐々に上がると、お馴染みの20世紀フォックスの
サーチライトのシーンが現れ、その前で指揮者が、これまたお馴染みの
タイトル音楽を指揮しているところから始まる。なんとお洒落な映画だ!
と期待は膨らむ。

しかし、最初から物凄い短いカットの積み重ねで、眼がおかしくなりそう。
スタンリー・ドーネンの長回しを見慣れている古いミュージカルファンと
しては、限界ぎりぎり。
最初の40分くらいは何度、観るのを辞めようと思ったほど。
たぶん1カット3秒以上のものは無かったんじゃないかな。
編集はさぞ、大変だっただろうけど、観ている方はたまらないテンポだった。

でも、それを割り引いても、歌の素晴らしさと、ストーリーの出来で
引っ張っていきましたね。

1899年、パリ。モンマルトルの丘のナイトクラブにして売春宿の
「ムーラン・ルージュ」。しかし、経営は思わしくなく、オーナーの
シドラーは高級娼婦兼踊り子のサティーンに、資産家のウースター公爵の
囲われモノになるように仕向ける。サティーン自身も、娼婦から
女優への道を実現させるために、願っても無いチャンスだった。
しかし、サティーンは公爵と、売れない小説家クリスチャンを
間違えてしまい、そのまま愛してしまうようになる。
クリスチャンは自分の書いたミュージカルをムーランルージュで
上演してもらいたかったのだが、なんとか公爵に気に入られる
結末を要求され、断わる。
ある日、舞台でサティーンが倒れる。結核だった。医者はもう先は
長くないと宣告した。
サティーンは、自分の死が近いことを知り、自分は金持ちの公爵の
ものになり、女優になるのよ、売れない作家なんかには用はない、
と心にもないウソをついて、クリスチャンの作品を公爵の都合の
いいような結末で上演することに同意する。

そして、クリスチャンの新しいミュージカルの初日の幕が上がった。
インドのマハラジャにみそめられた踊り子は、売れない小説家との
恋に悩むが、マハラジャをとって幸せになる、というもの。
しかし、本来は、小説家と結ばれるはずだったのだ。
舞台の仲間の応援もあり、オーナーの目論見ははずれ、結末は
公爵の願ったものにはならなかった。そして、舞台に駆け上がった
クリスチャンは、サティーンと愛を確かめる歌を歌い上げるのだった
が、サティーンの病が急変し、彼女は「私たちをモデルにした小説を
必ず書いてね」と言い残して、彼の腕の中で亡くなって行く・・・。

使われる歌が、ニルバーナ、U2、ビートルズ、エルトン・ジョン、
マドンナといったロックの名曲。
先に書いたオープニングの後、「昔、一人の若い男がいた・・」という
出だしのバックにナット・コールの「Nature Boy」が流れてきて、
思わず、「お、いいじゃん」と思わせておいて、後はロックの嵐。
古いタイプのミュージカルを見慣れている私としては面食らう映画
ではありましたが、カットの短さを(これが特徴なんでしょうね)別に
すれば、楽しい映画でした。
古いストーリーに新しいアイデアを重ね、CGも使い、踊りも現代風
で、いいじゃないですか!映画の中でも何度もでくる「ボヘミアン」
というのが、映画のキーワードのような気がします。
ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーは本当に唄っているので
すが、上手いですね。ビックリしました。
エンドロールは最後まで見ないと、この映画のお洒落な部分は
完結しません。

最後に出てくる「この映画をレナード・ラーマンの思い出にささげる」と
出てきますが、監督さんのお父様かなんかでしょうか?
この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-06-30 22:42 | 洋画=ま行 | Comments(0)

●「マイ・ボディ・ガード MAN ON FIRE」
2004年 アメリカ リージェンシー 20世紀フォックス 146分
監督:トニー・スコット 原作:A・J・クィネル「燃える男」
出演:デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファニングほか。

「トップ・ガン」「クリムゾン・タイド」「デイズ・オブ・サンダー」
「イン・ハー・シューズ」「エネミー・オブ・アメリカ」のトニー・スコット
(リドリー・スコットの兄)が、アメリカのクライム・サスペンスの
巨匠、クィネルの作品を映画化。(クィネルは昨年亡くなりました)
キーになる子役を今、ハリウッドで一番存在感のある子役
ダコタ・ファニングが演じている。主役は「トレーニング・デイ」で
アカデミーを獲ったデンゼル・ワシントン。

映画は大きく2つに分かれる。主人公で、アメリカ軍のゲリラ掃討
部隊に16年もいた、クリーシー(何かのトラウマがある)は
誘拐事件がビジネスになっているメキシコにやってきて、
ある若手実業家の娘ピタ(ダコタ)のボディガードを務めることに。
純真無垢なピタと暮すうちに、クリーシーのすさんだ心は次第に
和み、「死んだ命に再び生命が」宿ることになった。

しかし、ピタは学校の帰り、クリーシーが迎えに来たにも拘わらず、
悪徳警官らと組んだ誘拐組織に拉致されてしまう。
国家警察と必死にピタを取り返そうとするが、身代金の引渡しに
失敗し、犯人の甥を警察が殺してしまったため、犯人は電話で
ピタは殺す、といって電話を切った。

ここから、クリーシーの大復讐劇が始まる。小型ミサイルに手榴弾、
自動小銃などで武装し、新聞記者のマリアナに協力を求め、一味を
あぶり出し、徹底的に殺していく。
自分に命を与えてくれたピタを殺したやつにピタに手を出したことを
後悔させてやる、と。
警察組織に巣食った誘拐組織に「戦争」を挑むクリーシーであったが
いよいよ主犯の弟と妻にまで行き着いたとき、ピタがまだ生きていること
が判る。
犯人は、「お前の命とお前に捕らえられている家族と、ピタの命を
交換する」と条件を出し、クリーシーはそれを飲む・・・。

映像の使い方など「トラフィック」を思い出した。長い映画ではあったが、
構成がよく出来ていたし、激しいドンパチもあったので飽きることは
なかった。クリーシーの復讐劇はとても激しいもので苛斂誅求って
風情。決して許されるものではない、と思っていても、「この極悪警官
め、いてまえ!」と叫んでいる自分がいるのも事実。
誘拐も単に悪徳警官だけの仕業ではなく、新たな展開もあって、さすが
大ベストセラーがベースになっているだけのことはあるが、スコット監督の
まとめ方も上手いんだろうな。スーパーインポーズの入れ方など、
凝っていますね。ラストにカタルシスがもう少し欲しかったかなあ。あれで、
あのエンディング以外だと間抜けになるのかなあ。

なお、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-05-02 15:26 | 洋画=ま行 | Comments(0)

●「ミリオンダラーベイビー・Million Dallor Baby」
2005年 アメリカ ワーナー映画 123分
監督、製作、音楽、主演:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマンほか。
2005年度アカデミー賞作品、監督、主演女優、助演男優賞受賞作品


昨年、アカデミーを賑わした作品をWOWOWで鑑賞しました。
皆さんの評価は真っ二つのようですね。私も見終わってしばらくは
「うーむ」と唸ってしまいました。
映画に何を求めるかは、人それぞれ。単に娯楽を、人生の教訓を、感動の
涙を。最近のイーストウッドの作品は「ミスティックリバー」の時もそうでしたが
観た人に、感じ方をまかせるようになっていませんか?あえて重いテーマで。

主演の3人の演技は、これはもう超一流で、文句のつけようがないのですが、
私は、映画の後半にあるいはエンディングにもう少し光明があって欲しかった
です。

ロサンゼルスの下町にあるボクシングジムに、31歳の女性がボクシングを
教えてくれ、と訪れます。経営者で、応急処置師のフランキーは、
「俺は女は見ない主義だ」といって断わりますが、彼女は半年の月謝を前
払いし、熱心に練習します。ジムを手伝う親友の元ボクサー、スクラップの
助言もあり、ついにフランキーは彼女マギーのトレーナーになることを
引き受けます。それからは彼女の努力と才能もあって、連戦連勝。
渡英してチャンピオンと戦い勝ちを収める快進撃。そしてついに、ラスベガスで
タイトル戦の挑戦者の資格を得ます。相手は平気で汚い反則をする
”青い熊”。試合はマギー有利で進みますが、”青い熊”が放った反則パンチで
転倒し、コーナーのスツールにクビを打ちつけ、首から下が完全麻痺という
事態になってしまいます。(このあたりから映画がどっぷり暗くなります)
短くも栄光の一瞬を経験したマギーは人工呼吸器を外してくれとフランキーに
頼みますが、彼にできるわけもなく・・・。
フランキーが教会を訪ね、牧師に「彼女を生かすことは殺すことだ」とうめく
ように絞り出す言葉が辛いです。

そして親友スクラップはこういいます。
「人は毎日死ぬ。床掃除や皿洗いをしてね。そして人生を悔いながら
最期を迎えるんだ。マギーに悔いはない。彼女が最期に思うことは
”いい人生だった”と。」

栄光の瞬間を体験したボクサーがクビから下が完全麻痺の状態で生き
ている、といえるのか。私たちに尊厳死とは、生きるとは、と問うているよう
です。
昨日観た「ソフィーの選択」のほうがまだカタルシスがあったと思います。
私としては、マギーのラストに救いが欲しかったのですが、甘いですか?

尚、この映画の詳しい情報は
こちらまで。
by jazzyoba0083 | 2006-03-16 00:28 | 洋画=ま行 | Comments(0)

●「マッチスティック メン・MATCHSTICK MEN」

2003 アメリカ ワーナーブラザーズ/イメージムービーズ/スコット・フリー
116分 監督:リドリー・スコット 製作総指揮:ロバード・ゼメキス
出演:ニコラス・ケイジ、サム・ロックウエルほか


ボビー・ダーリンの「The Good Life」に乗せて始まるタイトルクレジットも
お洒落な、とってもスタイリッシュな映画。
監督は「エイリアン」「ブレードランナー」「ブラックレイン」「グラディエイター」「ブラックホークダウン」
「ハンニバル」などでユニークな作品を撮り続けているリドリー・スコット。
主役の詐欺師(マッチスティック)を演ずるのはニコラス・ケイジ。
潔癖症で広場恐怖症のロイは、詐欺に関しては天才的。ある日、彼は
別れた妻の娘に会いたくて、精神分析医を訪ね、カウンセリングしてもらい
ながら、自分には出来ない、娘への電話を頼みます。
一方、相棒のフランクと、大仕事を仕掛けていると、自宅に娘が押しかけて
来て、夏休みの間、ここで暮らす、と言い出します。
娘が来てくれたのは嬉しいけど、仕事の邪魔になります。しかし、大仕事に
娘が着いて来ることになってしまいます。
一見成功した、大仕事(詐欺)でしたが、まずいことになってしまいます。
そのあと訪れる、あっという大どんでん返し。
最後のうっちゃられ方は、見事でした。だれも想像できないんじゃないかな。
ま、そこに至るまでに少し無理があったりしますが。
でもラストのカタルシスも少々無理がありますが、ゼメキス風で、カタルシスを
感じさせます。ニコラス・ケイジの潔癖症、チックの演じ方、など、細かい
カメラワークも秀逸と感じました。
リドリー・スコットにしては、チョッと毛色の違った作品に仕上がっていますね。
音楽も、この手の「ありもの」を使わせると実に上手い、ハンス・ジマー。
マント・バーニ・オーケストラ、フランク・シナトラ、ハーブ・アルパートとティファナ
ブラス、ロキシーミュージック、アンディ・ウィリアムズ、マーヴィン・ゲイなど
お洒落な雰囲気作りの強い見方になっています。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-02-18 18:26 | 洋画=ま行 | Comments(0)

●「みなさん、さようなら・LES INVASIONS BARBARES」
2003年 フランス・カナダ コムストック映画 99分 監督:ドゥニ・アルカン
出演:レミー・ジラール、ステファン・ルソー、マリ=ジョゼ・クローズほか
2003年度アカデミー賞外国映画賞受賞作品


原題は蛮人の侵略。なんでこんなタイトル?映画をみていると判ります。
いかにもフランス映画らしい、会話を楽しむもの。ヒューモアとエスプリに
溢れています。
死病に冒された社会主義者の大学教授レミ。女たらしで、妻には迷惑ばかり。
そんな父親のようにはならないぞ、とロンドンで商社マンになった長男。
ある日、父の病気が重篤になったので、帰って来て、と母親から電話が入り
ます。婚約者をともなって、カナダの病院へ。
廊下までベッドが溢れかえる病院で、理事長と組合にクールに話を着け、
専用の病室を作らせてしまいます。そこに父と親しかった人々を呼んで、
最後を賑やかにさせていくのです。痛みを和らげるため、コカインを手に入れる
ため、ジャンキーの娘と知り合いになったり・・・。
我がままに勝手に生きた男と家族、友人たち。その会話の端々に映画の
言わんとする、「人間というものは・・・」というテーマが滲み出てくるようです。
死に瀕している人間を描いていて、決して湿っぽくない。変に明るくも無い。
良い感じにクールに仕上がっていて、レミと家族、友人たちの距離がとても
暖かく描かれていたように思います。細かいところは敢えて端折り、突っ込みを
入れたくなるところも無いではないですが、そんなところは全く気にならない
映画。エンディングの歌が入ってくるところ、そして歌そのものもとても良かった
です。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-02-12 18:29 | 洋画=ま行 | Comments(3)

「スイミング・プール・Swimming Pool」
(監督:フランソワ・オゾン フランス/イギリス 2003年 102分
出演:シャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ他)

ヨーロッパ映画ですねえ。イギリス人の有名女流サスペンス作家サラは、出版社の社長が持っているフランスの別荘で新作に取り組むことになります。このフランスの風景、風、日の光が、暗く雨っぽいイギリスと違って、いいです。全編雨のシーンが無く、陽光サンサンという画面。
そこに社長の娘ジュリーが現れます。自由奔放で若さがはちきれそうなジュリーは庭のプールで日光浴。男を連れ込んだりとやりたい放題。サラはジュリーに自分が失ってきたもの、無いものを見ているようです。
ある日からサラはジュリーを主人公にした小説を書き始めます。そして、さまざまな事件を通して、ジュリーを理解するようになるのですが・・・。エンディングが不可思議な映画です。どう理解したらいいのか、良く判りません。それ以外は心地よい映画ではありました。
尚、映画の詳細はこちらまで!!

「モンスター・Monster」
(監督:パティ・ジェンキンス アメリカ/ドイツ 2003年 109分
出演:シャーリーズ・セロン(アイリーン・ウォーノス)、クリスティナ・リッチ(セルビー)他

主演のシャーリーズ・セロンという女優さん、この映画で2003年のアカデミー賞主演女優賞他、あらゆる賞を総なめにした人なのですが、あいにく私は知りませんでした。
モンスターといっても怪獣映画ではなく、アメリカで実際にあった女性連続殺人魔の
悲しく、辛い人生を描いた実話映画です。セロンは、本当は物凄い美人なのですが、この役作りのために13㌔太り、マユ毛を抜き、歯を入れ歯にして、奮戦しました。実に良い演技です。
アイリーンは女優を夢見る少女でしたが、貧しさや家庭内暴力から娼婦に身を落とさずを得ず、13歳から体を売って幼い兄弟を養ってきたのでした。一方、同性愛癖を直すため親戚に預けられていたセルビー、この二人がある夜酒場で出会います。お互いに優しくされたことなどないのに、セルビーはアイリーンを美しいと言ってくれる。一方、アイリーンは客の暴力に耐えかねてある日、一人の男を射殺してしまいます。アイリーンはセルビーと逃げる意思を固め、娼婦から足を洗い、まっとうな職を見つけようとします。しかし、教養もないアイリーンを雇うような会社はあるはずもなく、セルビーと逃げる金を稼ぐためまた体を売るようになります。しかも、必ず客の男を射殺してしまうのです。絶望の中で。
実話だけが持つ、重さ。物語はこの後、悲劇的な結末になるのですが、見終わった後、アイリーンをただのアホな娼婦の殺人魔と思うか、セルビーは同性愛から抜けられない、人に頼るしか生きるすべを知らない幼い女と思うのか、は皆さんの勝手。
ただ、自分がその身に生まれたとしたら、一体どんな方法があるというのか、考えさせられます。重く暗い映画ですが、お見事!
しかし、いかに教養のない娼婦の映画とはいえ、「F○○K」という言葉がこれほど出てくるのは「フルメタルジャケット」以来か?
尚、映画の詳細はこちらまで!!

「ニュースの天才 Shattered Glass」
(監督:ビリー・レイ アメリカ 1994年 94分
出演:ヘイデン・クリステンセン(スティーブン・グラス)、ピーター・サースガード(チャック)他

これも「モンスター」同様、実話に基づく映画。アメリカ大統領専用機にただ一冊おいてあるという週刊誌「ニュー・リパブリック」この歴史も名誉もある雑誌の最年少記者がグラスだ。彼は、少々お堅いこの雑誌にゴシップ風の記事をものして人気者だった。
ある日、「ハッカー天国」という特ダネを書いたが、同業誌から、クレームが付く。不審に思った新任編集長のチャックは、グラスに事実関係を問いただすが、グラスは必死に言い逃れ、逆に何故俺を守らないんだ!と逆切れする始末。
編集局の記者たちは、チャックが前編集長一派を追い落とそうとたくらんでいると、疑ってしまいます。しかしチャックは負けずに真相を追究していきます。最後の字幕解説で、登場人物のその後が明らかになると、ちょっと複雑な気分になりますが、何重にも張り巡らされたチェックをくぐって嘘の記事は出てしまう怖さを感じさせます。謎解きの描き方もいいですね。短い
映画でしたが、見ごたえは十分です。原題は「粉々に割れたガラス(グラス=人名を引っ掛けてある)」。日本のタイトルが軽い!
尚、映画の詳細はこちらまで!!

「マグノリア・MAGNOLIA」
(監督:ポール・トーマス・アンダーソン アメリカ 1999年 187分
出演:トム・クルーズ、ジェレミー・ブラックマン、メリンダ・ディロン他)

これまた、大変な映画でした。3時間20分弱。しかし、であります。群像ドラマなので、ストーリーが様々に進行し、飽きるということはありません。へんちょこりんな映画ではありましたが、
アカデミー賞にノミネートされたのはなるほどです。因みにこの年の作品賞は「アメリカン・ビューティー」。私はどこか村上春樹の小説を読んでいるような気分になりましたね。
男性至上主義者で作家のトム・クルーズ、死にかけのTVプロデューサーと、その若い妻(財産狙い?)、また面倒を見ている看護師、33年も続いている人気テレビクイズ番組の老司会者(実は癌)とその妻、そして口を利いてくれない娘、この娘に惚れる警察官、昔クイズ番組に出て天才少年とはやし立てられ、今はただの電気屋の店員、クイズ番組で8週も勝ち抜いている少年と父親。彼らの1日が、「偶然」というキーワードで描かれていきます。何といっても圧巻はエンディングの大騒動!これぞ村上春樹ワールド!。長い映画ですが、楽しめます。しっかり見ていないと筋が良く判らなくなります。何せ登場人物が多く、彼らがだんだんお互いに関係しているんだなとわかるまでに時間がかかりますから。「過去を捨てても過去は追いかけてくる」
「過去は俺にとって何の意味もない」など、結構宗教っぽいセリフも。「人間そんなに悪いもんじゃない」「朝の来ない夜はない」などが、この映画に当てはまるかな。タイトルのマグノリアはモクレンの花。花言葉は「威厳」ですが、映画のタイトルがなぜマグノリアかは判りません。
by jazzyoba0083 | 2006-01-22 20:19 | 洋画=ま行 | Comments(0)