カテゴリ:洋画=ら~わ行( 178 )

●「ワイルド・バンチ/オリジナル・ディレクターズ・カット」
~The Wild Bunch/Original Director Cut~
1969 アメリカ ケイブルホーグ 146分
監督:サム・ペキンパー(脚本も)
製作:フィル・フェルドマン
出演:ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアン他

サム・ペキンパーは、「ゲッタウェイ」しか見ていなくて、チャンスがあれば
観たいな、と思っていたらWOWOWでディレクターズカットをやってくれた
ので、飛びつきました。
氏の作品の中でも最高傑作の声が高い作品ですね。本筋とは関係ない
ですが、69年の作品にしてはハイヴィジョンノの画が大変綺麗だったのが
印象的でした。

5人のアウトローが、メキシコ軍の悪徳将軍(パンチョ・ビラと対立してる勢力)
と対決していくのだが、追跡するかつての相棒(彼は、ホールデンを捕まえ
ないとまた牢屋に入れられてしまうのだ)との思い、男の生き方、死に方を
ペキンパー流に描いていく。例によって銃撃で倒れるシーンはスローモー
ションを使っている。

パイク、ダッチら5人のアウトローたちは、メキシコのマパッチ将軍からの
依頼でアメリカ軍の武器輸送列車を襲い、大金と引き換えに武器を売り
渡した。彼らはこの武器でパンチョ・ビラ軍と戦うのだ。
しかし、マパッチ将軍は女と酒にだらしなく、軍紀は乱れ、士気は低い。

マパッチがパイクらの仲間の一人を捕らえ(アメリカ軍の弾薬を一箱くすねた
から)、クルマの後ろにつないで引きずりまわしてたことから、激怒、100人の
軍隊を相手に壮絶な銃撃戦を展開、5人も自らが滅んでいくのだった。

ホールデンや、ボーグナインがアウトローを演じているのを見たことがない
ので、最初のあたり、話が見えてこなかったのには往生した。
その後は、わかり易いストーリーだったけど。
やはり、この映画は、見ごたえがある。1913年が舞台だが、なまじの西部劇
ではないし、ペキンパー流、というスタイルがはっきり判るのがすごいな。
最後の銃撃シーンは「ボニー&クライド」のラストシーンを思い出させた。
俳優陣も、すばらしい。傑作だわ、やはり。オリジナルはどんなだったん
だろう?このディレクターズカットは97年にリバイバル上映された。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-08-26 18:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback(2) | Comments(0)

●「ロング・エンゲージメント」
原題「Un long Dimanche de Fiancailles」
2004 フランス・アメリカ ワーナーブラザーズ映画 134分
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
原作:セバスチャン・ジャプリゾ「長い日曜日」
出演:オドレィ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、ジャン=ピエール・ベッケル他

セバスチャン・ジャプリゾの全仏ロングセラー「長い日曜日」を、「アメリ」の
鬼才ジャン・ピエール・ジュネが、彼独特の映像美と構成で魅せる。
オドレィ・トトゥは、アメリのときより頬がこけ、可愛さはイマイチかな。

タッチはJ・P・ジュネ独特のややイエローかかった画面。そして、今回も語りで
ストーリーを引っ張っていく。そのテンポの良さはアメリの時と同じだ。
ただ、夢見る少女を描いたファンタジーと違って、今回は戦争の映画なので、
ディティールにこだわるジュネは、戦争シーンは、相当リアルに描く。
今回は謎解きという新しい要素が加味されて、後半を引っ張る。ただ、
そこに至るまでがやや長いか。
トップシーンが雨の塹壕を歩かされる5人のフランス軍人の死刑囚たち。
彼ら、一人一人の略歴が、ジュネ独特の映像で語られる。ここをしっかり
見て置かないと、後々、理解が苦しくなる。
第一次世界大戦。戦線からの後送を期して、自分で自分を傷つけて、
それがばれて軍法会議にかけられ、死刑を言い渡されたのだった。
しかし、それぞれに庶民としての生活や夢も、抱えていたのだ。

ブルターニュ地方に生まれたマチルド(オドレィ)は、幼いときに両親を
交通事故で失い、さらにポリオに冒されて、足が不自由。親戚の夫婦の
愛情の元、育てられてきた。そんなマチルドには、マネクという幼馴染で
の婚約者がいた。召集されて軍隊に入り、激しい前線で19歳のマネクは
精神的に耐えられなくなり、自傷して後送されようと、自分の手を小銃で
打ち抜き(指が2本吹き飛ぶが)、ことがばれて軍法会議にかけられ、
死刑判決を受けたのだった。冒頭塹壕を行進していた5人のうちの一人だ。

5人は大統領の特赦を期待していたのだが、特赦の知らせは隊長に
握りつぶされ、彼らはドイツ軍とフランス軍の戦闘中間地帯に放り出される。
彼らはそれぞれ、死んだと思われても仕方が無いようなシーンに遭遇する。
そして、マチルドの元にマネク戦死の知らせが届く。

しかし、マチルドは、マネクは生きていると、何故か不思議な直感があり、
戦争後、探偵を雇って、戦友たちを訪ね歩き、マネクの最期を明らかに
しようと心みる。しだいに判ってくる、5人に動向。
実は、5人の中の農夫だったノートルダムという男が、何とか助かり、
ドイツ軍の飛行機の機銃掃射で傷ついていたマネクに、そばで戦死して
いた別の若者の認識票をくっつけて、救助していたのだった。そうすれば
死刑囚であることがばれずに治療を受けられるからだ。
ノートルダムの機転で、戦後病院で治療を受けているマネクをついに
マチルドは見つけ出す。しかし、マネクは記憶を失っており・・・。

自分の愛を信じて、愛する人を遂に見つけるマチルドの信念。ラストは
ハッピーエンドにしてあげたかったな。なんかラストがしょぼしょぼだった。
物語が相当複雑なので、一所懸命観ていないと、わからなくなってしまう。
特赦を握りつぶした隊長に復讐し、ギロチンになってしまう5人の中の
恋人のサイドストーリーもよかったな。

オドレィ・トトゥは、アメリより、ダ・ヴィンチ・コードに近い、ご面相だった。
だんだん渋くなっていくのかなあ。
ジュネの手法は好き嫌いあるだろうけど、私は好きですね。
戦争映画のリアリティもあり、その中でエスプリやヒューモアを欠かさない
彼の姿勢は映画に独特の味をつけているような気がします。
名優ジョディ・フォスターがちょい役で出ていますね。
ジュネの次作が楽しみです。またトトゥとやるのかな。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-08-17 16:39 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」
  The Assassination of Richard Nixon
2004 アメリカ セネターインターナショナル 107分
監督:ニルス・ミュラー
出演:ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ドン・チードルほか

74年に実際に起こった事件をヒントに作られた。 気が小さいというか
自己をまっとうに主張できない男が、社会的に追い詰められていき、
遂には、旅客機を乗っ取ってホワイトハウスに突っ込むしかない、と
信じ切ってしまうまでを、ある種、社会病理学的に描いていく。
「タクシードライバー」のソフト版って感じもする。
一見ごく普通のセールスマンが、次第に狂気を孕んでいく様子を
ドキュメンタリータッチで重ねていく。

映画は、主人公のサム・ビックが、大好きなクラッシック音楽の、中でも
好きな指揮者、レナード・バーンスタインに宛てた手紙を語る形で
進んでいく。1973年、サムは別居をした妻マリー(ワッツ)と3人の子供
との生活を取り戻すため、オフィスの事務機器を扱う店のセールスマン
の職を得た。一生懸命頑張るサムだが、口下手で不器用なサムは、
上手く商売を運べず、いつも上司から、罵られている。
小器用にウソをつくことが、上手い商売のコツでもあるのだが、
ウソが嫌いで、真面目に、平等に暮すことがなによりの信条である
サムにとって、欺瞞に溢れた身の回りが、次第に我慢が出来なくなる。

サムは親友の黒人ボニーと移動タイヤ屋を経営することが夢だった。
銀行に行き、自ら描いたバスの画を見せて融資を懇願するサムだった
が、審査に時間がかかるといわれる。
しかし、約束の日になっても銀行からはナシのつぶて。
その代わりにポストに入っていたのは、マリーとの離婚決定通知書だった。

サラリーマンとして上司を怒らせたサムは、会社をクビになり、かつ融資は
出ず、家族には逃げられ、さらにタイヤ屋を始めることを前提に注文して
あった500本ものタイヤが宙に浮き、詐欺とみなされるが、兄が
なんとか救う。そして兄からも絶縁される。何も良いことがないサム。

テレビでは、ニクソンがおよそ実現しないようなこと、そしてウソと
明らかにわかるような奇麗事を並べていた。サムは次第に、悪いのは
この国の指導者であるニクソンが、と確信していく。そのためには
ニクソンを暗殺するしかないと。

そして、一人で航空機を乗っ取ってホワイトハウスへ自爆特攻を計画
する。
いるよなあ、こういう不器用な人。ただ、実行できない、あるいはしては
いけない自制心が勝っているから、事件にならないだけで、皆が
やりたい放題だったら、この世の中やっていけないですわね。
(最近の子供殺しなんかみてると、そうしたタガが外れて来たような
背筋の寒さを感じるのですが)
タケシの暴力描写にも通じる思想だろうか。
自分の胸に手を当てて考えてみると、誰の心にも「サム」はいる訳で。

ラストのサムの狂気は、殆ど精神病の領域で、少々おぞましかったけど、
ショーン・ペンが、「ミスティック・リバー」で見せたアカデミー賞演技が
ここでも光っている。「キングコング」で注目されたナオミ・ワッツも良い
キャスティングだと思いました。
レナード・バーンスタインへの手紙、というのも本当にあったことなので
しょうか?物語の運びとしてはユニークだったけど、このこと自体が
すでに病気っぽい感じがします。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-08-12 18:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback(4) | Comments(0)

私は告白する I Confess

●「私は告白する I Confess」
1952 ワーナーブラザーズ映画 95分
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:ウィリアム・アーチボールド、ジョージ・タボリ
出演:モンゴメリー・クリフト、アン・バクスターほか。

このブログにヒッチコックが登場するのは初めてですね。
私が産まれた年の作品です。初公開のころはまだこの世には
いなかったですが。
閑話休題。confessというのは懺悔する、という意味もあります。

舞台はカナダ・ケベック。イントロでセントローレンス川からシャトー・
フロントナックにカメラが近づくところから、あ、これはケベックだ、
と気が付く人も多いはず。
映画には、このほかにもシタデル(城砦)や有名な街中も写っていて、
ケベックに行ったことのある人は、思わずひざを乗り出すはず。
かくいう私も。

セント・メリー教会で下働きをするドイツ人難民のオットー・ケラーは、
金欲しさに、庭師仕事に入っている弁護士を殺害する。
しかも、神父の服を着て。その足で、教会に戻り、若き神父マイケル・
ローガンに懺悔する。その罪を知ったマイケルであるが、神父の守秘
義務で、警察には通告する訳にはいかないのだった。

一方、いまや市議会の有力議員婦人となっているルースは、かつて
マイケルの恋人で、結婚まで考えたが、第二次世界大戦が勃発し、
マイケルはルースを寡婦にするわけにはいかないから、「俺を待つな」と
言い残して戦地に赴いた。
そして終戦、ルースは議員と結婚した。しかし、マイケルは無事に帰ってきた。

結婚したことを知らせず、二人で逢うマイケルとルース。ある日遊びに行った
先で例の弁護士に二人でいるところを見られ、しかもルースが結婚している
身であることも明かしてしまう。ショックを受けるマイケル。

ところで、弁護士殺しの捜査を担当するラルー警部らは、殺害時刻当時、
弁護士の家から神父が出てくるのを目撃した女子学生から証言を得る。
警部らは、マイケルに疑いの目を向ける。しかし、マイケルは反証すること
が業務上できない。
マイケルに世話になり教会で働かせてもらっているオットー・ケラー夫婦
だったが、自分の犯行であるとわかると死刑になる、とおびえ、次第に
マイケル神父に不利な心象を与えるような証言をする。
一方、くだんの弁護士は、自分の仕事にからみ不正がばれそうなので
ルースの夫である議員になんとかとりなしてほしいと相談を持ちかけるが
ルースは拒絶する。すると弁護士は、マイケルとルースの密会をばらすと
脅しにかかった。だから、ルースも弁護士の死にほっとしてはいたのだ。
あまりにもひどい冤罪に、かつての恋人ルースは、二人が当時密会していた
ことを明かし、マイケルにはアリバイがある、と自らの恥をさらす形で
愛するマイケルを救おうと試みる。しかし、密会の時間と殺害の時間に30分
の間隔があるとのオットーの証言で、ついにマイケルは逮捕、裁判となって
しまう。さまざまな関係者の証言が重ねられ、陪審員は彼に証拠不十分で
無罪を言い渡す。裁判を見学しに来た多くの野次馬の罵声の中を進む
マイケルに、罪の呵責に耐えかねたオットーの妻が、マイケルに
走り寄り叫ぶ「神父さんは無罪です」。その時、オットーの手の拳銃が火を噴き
妻に命中、「許してください」と言い残して妻は絶命する。

オットーはシャトー・フロンテナックに逃げ込む。そして更なる銃撃をして、
追いかけてきたマイケルや警察と対峙する。
オットーの「神父、しゃべったのか。お前も臆病だな」という言葉で警察は
神父の犯行ではなく、オットーが殺害したことを理解する。懺悔を受けていた
神父は職業上、秘密を明かせなかったのだ。
丸腰で、オットーを説得するマイケル、いうことを聞かないオットー。
そしてオットーの銃がマイケルに向けて発射されようとした・・・・。

ヒッチコックのサスペンスとしては特異はシチュエーションを扱った小品では
ありますが、一時代前のストーリーをキチンと積み重ねて描いていく内容は
見ごたえがあります。
そして、やはり映像が綺麗。そしてカットやアングルも斬新。特にマイケルと
ルースが若いころデートに出かけるシーン、ルースが2階から降りてくる
ところをアオリで撮ったシーンは、びっくり。
デジタルでなかった時代の影を上手く生かした撮影が見事。
ただ、指摘している人も多いが、オットーはなぜ懺悔(告白)をしたのか、
神父に罪を擦り付ける道具にしたのではないか?ルースは2年間なぜ
待てなかったのか。あんなに愛していたのに。などの疑問は残る。
それを差し引いても、ヒッチ・コックらしい、いい映画でした。
キリスト教信者であれば、もっと思いいれ出来るでしょう。
「イヴの総て」で、なりあがり女優を演じて見事だった、アン・バクスターが
髪をブロンドに染めての演技。ハリウッド美人って感じですね。モノクロは
美人を更に美人に見せる効果もあるような気がします。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-07-09 23:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ライフ・イズ・ビューティフル LA VITA E BELLA」
1998 イタリア ミラマックスフィルムズ 117分
監督・脚本・主演:ロベルト・ベニーニ
出演:ニコレッタ・ブラスキ、ジョルジオ・カンタリーニほか

1998年度アカデミー賞主演男優賞ほか、この年、全世界で44もの賞に
輝いた、イタリアの名作。
NHK-BSで鑑賞しました。何の予備知識も持たず観たのですが、面白ろ
かったです。というか、いかにもイタリア(ヨーロッパ)らしい、タッチと感じ
ました。アメリカでは、ああいう映画は作らないですね。ユダヤ人が
強制収容所を描くと、「シンドラーのリスト」とか「ソフィーの選択」などの
重い感じになるのでしょうね。
90年代のチャップリンと称されるベニーニらしい、乾いた笑いの中に戦争を
描いて見せて見事でした。

観始めた頃は喜劇かとも思い、ストーリーが良く見えてこないなどもどかしさ
もあったが、後半から「なるほどこういう映画だったのか」と思うほど、トーンが
変わる。

1939年。イタリア。ホテルの給仕、そしてやがて本屋を経営するユダヤ系
イタリア人グイド。先天的?な楽天家で、困った事態もジョークとユーモアで
切り抜けていく。
そして、ある日、小学校の先生、ドーラに恋をし、婚約を破棄させて
結婚。男の子も生まれ、幸せな生活を送っていた。しかし、時代は
ファシスト党の時代。グイドと息子ジョズエは、強制収容所へと送られた。
妻のドーラはユダヤ人ではないのだが、一緒に列車に乗せろ、と迫り
家族で収容所に入る。グイドは、息子が悲しむのがいやで、これは
ゲームなんだ、いろいろなゲームをして悪役から逃れて1000点獲得すると
戦車が貰えるんだよ、と悲惨さを隠してしまう。
無邪気なジョズエは父の言うことを良く聞き、収容所での厳しい生活を
切り抜けていく。
戦争が終わり、アメリカ軍の進攻で、逃げる前に大量にユダヤ人を処分して
いくのだが、グイドは妻を捜して、部屋を抜け出し、ジョズエをかくまって
ドーラを探す。しかし、途中で兵士に見つかってしまう。
ナチスやファシスト党が逃げたあと、収容されていた生き残りのユダヤ人も
脱出し誰もいなくなったところで、ジョズエは隠れていたゴミ箱から出てきた。
グイドに「誰もいなくなり、静かなったら出てきなさい」といわれていたからだ。
すると、前方からアメリカ軍の戦車がやってきた。若い兵士はジョズエを
戦車に乗せて、収容所を後にする。ジョズエは一等賞のご褒美の戦車は
本当だったのだ、と感激したのだ。そして母と再会することになるが・・・。

グイドが部屋を抜け出し、妻を捜すとき、兵士に見つからないなど、アラを
探せば、いくらもあるでしょうが、家族を、なかんづく息子の命を守ろうと
した一人のオヤジの、おかしくも、悲しい物語に瑕疵がつくものではない。
最後に戦車が出てくるシーンを、アカデミー狙い、と批判する向きもあるが、
あれは、映画のパンチラインでしょう。ちょい、スピルバーグ的ではあるが。
(スピルバーグもユダヤ人だな)
悲惨な戦争の中であれだけユーモアをもって望める親がそうそういるとは
思えないが、その描き方が「おもしろうて、やがて哀しき」映画となっている
ので、余計悲惨に感じることもできる。残虐に描くばかりが脳ではない、と
いうことだろう。
日本の全小中高校生は、すべからく、学校で観るべき映画だな。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-07-05 22:40 | 洋画=ら~わ行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「リーグ・オブ・レジェンド~時空を超えた戦い
     The League Of Extraordinary Gentleman」


2003年 アメリカ フォックス映画 110分 
監督:スティーヴン・ノリントン 製作総指揮:ショーン・コネリー
出演:ショーン・コネリー、スチュワート・タウンゼント、ペータ・ウィルソンほか

1899年、仮面の悪人が、当時最新鋭であった鋼鉄製戦車で、英国銀行を
襲った。金を奪わず、ダ・ヴィンチが描いた、ベニスの都市設計図を盗んで
行った。英国政府は、冒険家クオーターメインに、設計図の奪回を命じ、
クオーターメインは、世界中から、キャプテン・ネモ、ジキル&ハイド、
吸血女、ドリアン・グレイ、透明人間、トム・ソーヤを集め、チーム(リーグ)を
作る。そして、彼らの超能力を発揮させて、ファントムと、その秘密基地と
対決していく。

まあ、どうなんでしょう、これだけの文学上の有名人を一同に集めて、
フィクションを作ってしまうというのは。安っぽさはあまり感じないし、
それぞれの背景を知っていれば、楽しさは倍増でしょうね。でも、
単純に何も考えずに観る映画としては、まあ、許せるのではないでしょうか?
くだらない子供だましの映画と捕らえる映画ファンも多いでしょうね。
私も、最初は敬遠していたのですが。結構観ちゃいました。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-04-16 21:24 | 洋画=ら~わ行 | Trackback(2) | Comments(0)

●「ワン・フロム・ザ・ハート One From The Heart」
1982 アメリカ ゼトロープスタジオズ 100分 
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:フレデリック・フォレスト、テリー・ガー、ナスターシャ・キンスキーほか。

全編スタジオで作られた幻想的な、でもストーリーはありがちな
ラブストーリー。何を楽しむかは、観た人のお楽しみ。
私はコッポラの名前に惹かれて観て見ましたが、これはコッポラが映像で
綴った、一遍の恋愛詩、であるかな、コッポラ流恋愛おとぎ話、と感じました。
凝ったセットと色使い、トム・ウェイツとクリスタル・ゲイルのデュエットも
おしゃれ。
まず、オープニングからして、お月様の世界のお話だからね、って
言っているみたいで。

独立記念日を明日に控えたラスベガスでお話は始まります。
当時のラスベガスはまだ今のようなどデカイホテルが立ち並ぶアミューズ
メントパークのような街ではまだなかったですね。
で、旅行代理店に勤めるフラニーと、ジャンク屋を友達と経営するハンクは
同棲を始めて5年が経つ。なんか、最近倦怠気味。気持ちの行き違いから
フラニーは家を出て行ってしまう。口では彼女のことをあしざまにいう
ハンクではあるが、やはりフラニーを忘れられない。
お互いに一人になって、他の人と付き合っては見るのだが、やはり、お互いを
愛している・・・ストーリー自体は、驚くこともなにもなく、ラストも、想像通りに
なるのです。それが、映像の美しさと、素敵な音楽をミックスすると、
あら不思議、コッポラマジックになるのですね。

「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」のコッポラと「タッカー」
「ペギースーの結婚」のコッポラ。ふたつの顔を持っているコッポラの、
これは、後者に属する作品です。

どっちのコッポラが好きかで、好悪の別れる映画ではあるでしょう。

なお、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-04-05 23:02 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

恋愛専科・Rome Adventure

●「恋愛専科・Rome Adventure」
1962 アメリカ ワーナーブラザーズ映画  120分
監督、製作、脚本:デルマー・ディヴィス
出演:トロイ・ドナヒュー、スザンヌ・プレシェット、アンジー・ディッキンソンほか。


トロイ・ドナヒューやスザンヌ・プレシェットと組むことが多かった
デルマー・ディヴィス監督の「避暑地の出来事」(テーマソングの
「夏の日の恋」で名高い)のような、恋愛映画。こちらも音楽は
マックス・タイナーで、カンツォーネの名曲「アルディラ」が、美しく、効果的に
使われている。

母校の名門女子大で、禁じらている本「恋愛専科」を生徒に薦めたとして、
責められた若き講師プルーデンス(プレシェット)は、船旅でイタリアに。
恋を求めて旅立つ。
ローマで、留学生ドン(ドナヒュー)に出会い、たちまち恋に落ちる。
しかし、ドンには腐れ縁の恋人リダ(デッィッキンソン)がいた。
ドンはリダとは別れたつもりだが、リダは、付きまとう。偶然二人が会って
いるところを目撃したプルーデンスは、自分が幼かった、と身を引き、
アメリカに帰ることにする。しかし、ドンの思いは真剣で、一足先に
飛行機でアメリカに飛び、プルーデンスを待っていたのだった。

という、他愛の無い、よくあるお話でした。2時間耐えられたのは、
多くの批評にもあるとおり、動く絵葉書の如く、イタリア、特に北イタリアの
美しい風景がふんだんに写っていて、これを眺めているだけででも、
まあ、いいか、てな具合。名曲「アルディラ」も、美しい曲だしね。

トリビアを少々。トロイ・ドナヒューといえば、私らの世代にはテレビシリーズ
「サーフサイド6」や「ハワイアン・アイ」などの探偵モノが懐かしい。
この映画の翌年、共演したスザンヌ・プレシェットと結婚したが、
2001年に65歳の若さで他界している。
この映画でプルーデンスに好意を寄せつつ、ドンとの間をなんとかして
やろう、とするイタリア人のおじ様プレイボーイを演じているロッサノ・
ブラッツィは、どこかで観たことがあるなあ、と思っていたら、名作ミュージカル
「南太平洋」でミッツィー・ゲイナーと割り無い中となる子持ちのフランス人
入植者のおじさんでした。
そして、アンジー・ディッキンソンは、現代の名ポップス作曲家バート・
バカラック夫人を長くやってました。テレビシリーズで女刑事をしていたので、
顔に見覚えがありましたね。尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-04-01 23:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「わが恋は終わりぬ・Song wihtout end」
1960 アメリカ コロムビア映画 150分 
監督:チャールズ・ヴィダー、ジョージ・キューカー
出演:ダーク・ボガード、キャプシーヌほか。

1960年度アカデミー賞ミュージカル映画音楽賞、ゴールデン・グローブ
作品賞(ミュージカル)受賞作品

ハンガリーの天才・鬼才ピアニストにして作曲家、フランツ・リストの半生を
ダーク・ボガード(「ベニスに死す」など」)が熱く演じる150分。
監督のヴィダーが途中で亡くなったため、急遽キューカー(「魅惑の巴里」
「スタア誕生」など)メガホンをとり、完成させたもの。

リストは1811年にハンガリーで生まれ、75歳まで生きた。
この時代には映画にも出てくるが、ショパン、ワグナー、パガニーニなどが
活躍している。
宮廷をパトロンとして、芸術活動をしていた頃だ。
22歳の時、ベルリオーズの紹介で、パリで、6歳年上のマリー・ダグー
伯爵夫人と出会い、恋に落ち、駆け落ち同然で同棲を始めるが、パリに
居られなくなり、イタリアのメディチ家の庇護の下、コモ湖湖畔で
隠遁生活を余儀なくされる。ダグー夫人との間には、のちにワグナー夫人と
なる次女を含め3人の子が出来た。
その後、再び演奏活動を始めるが、36歳の時、ロシアのキエフで
カロリーネ・ヴィットゲンシュタイン侯爵夫人と運命的な出会いをする。
このカロリーネ(キャプシーヌ)との恋の物語がこの映画の中心をなす。
彼女は、夫と上手く行っておらず、ピアノの天才にして恋多きリストを
真剣に愛するようになり、離婚をバチカンのローマ法皇庁まで出向いて
認めさせようとする。リストもダグー夫人と子供たちを捨て、カロリーネ
と共に生きようと、神に誓うのだが、一度でた離婚の許可が取り消される
におよび、彼女もリストも、この恋は成就できないと悟り、二人とも
修道院に入ってしまう。「あなたはわたしのものでは無いわ。神のもの
なのよ」とカロリーネは嘆くのでした。

60年代初頭の伝記映画らしい創りだと思いますが、キューカーらしさ、
というのはどのあたりで出ていたのか、不肖、私には良く判りません。
ただ、ダーク・ボガードの色男ぶりと、狂気をはらんだリストは、楽しく
観させて貰いました。それと、キャプシーヌはいいです。
知っている曲がたくさん出てくるのも楽しいですし、ショパンやワグナー
との接点が「へえ、なるほどねえ」という形で描かれていて、これまた
楽しい。現代の映画とはだいぶ赴きが違いますが、リストファン、
クラッシック音楽ファンには、楽しい映画だと思います。それと
本当は弾いてないダーク・ボガードのピアノの手さばきも、よく練習した
なあ、と感心しました。
リストに興味を持たれたかたは

こちら
を参考になさるといいでしょう。
また、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-03-31 23:13 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

「恋愛小説家・AS GOOD AS IT TAKES」
1997 アメリカ コロムビア・トライスター映画 138分 
監督・製作:ジェームズ・L・ブルックス
出演:ジャック・ニコルソン、ヘレン・ハント、グレッグ・キニアほか。

1997年度アカデミー賞主演男優、主演女優賞、
ゴールデン・グローブ 作品、男優、女優賞(コメディ/ミュージカル部門)
放送映画批評家協会賞主演男優賞 受賞作

この名作を今まで観ていなかったことを反省しています。まず、この
映画を悪く言う人は無いですね。よく出来た大人のストーリー、
そして、アカデミーを両方獲ったニコルソンとハントの演技。アップを
効果的に使ったカメラワークと編集、みんな良く出来た映画です。
この年は「タイタニック」が9部門をかっさらっていったわけですが、
主演の2部門は、この映画が獲らせなかったことになるんです。
ま、デカプリオとニコルソン、ウィンスレットとハントでは、演技の出来が
違うと思うでしょう、素人でも。でも、やはり脚本が優れていたからこそ
の演技だったのでしょう。
それと、映画会社が付けた邦題タイトルのダサさも、皆さん指摘されて
いるところですね。いい原題があるのに。

道についている筋や部屋のタイル模様などが跨げなかったり、
レストランに自前の使い捨てナイフ&フォークを持っていく、脅迫
神経症の偏屈恋愛小説家、メルビンは、毎日通うマンハッタンの
カフェレストランのウエイター、キャロルが実は大好き。
キャロルはバツイチで、喘息の息子と母親を抱えて必死で働き
華やかなことなどない日々を送っていた。
メルビンのマンションの部屋の前の部屋には、ゲイの絵描き(グレッグ
キニア)が住んでいて、ニコルソンの偏屈さと、ゲイの素直さが対比されて
描かれていきます。ゲイの飼っている子犬が重要なポジションを演じて
居ます。上手いワンちゃんだわ。
キャロルが好きなメルビンだが、どうしても偏屈が先立って、好きだと
素直に言えない。キャロルもメルビンを良く思っているのに、素直に
告白しない彼にイライラ。何回自分の心を打ち明けようとするメルビン
だが、そのたびに彼女を傷つけてしまう。
画面に向かって「ほら、早く、アイラブユーって言うんだよ!」と声が出て
しまいそうになります。メルビンの、勇気の無さに見ているほうも
イライラしてきます。
ある日、ゲイの絵描きが破産し、絶縁状態の両親の住むボルチモアまで、
金を借りに行かなければならなくなるのですが、絵描きがメルビンに
一緒に行ってくれ、と頼み、メルビンはキャロルを誘うのですが・・・
このあたりから物語が動き始めます。

ラストは、とても大人で素敵です。あんなに勇気がなかったメルビンにも
やっと時期が来て・・・。観ている方も、カタルシスを感じ、暖かい気分に
なるのです。

この映画は、もうニコルソンとハントの芝居を観ていればいいでしょう。
ごくごく自然に、こうも自然に演技が出来るかと思うほど、日常的な
非日常を演じきります。舞台のお芝居を観ているようです。
主題歌の「Look at the sunny side of the life」が、映画の言わんと
するところを表しているようです。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-03-30 22:59 | 洋画=ら~わ行 | Trackback(2) | Comments(1)