カテゴリ:洋画=ら~わ行( 176 )

●「Re:LIFE~リライフ~ The Rewrite」
2015 アメリカ Castle Rock Entertainment,Rensnick Interactive Development.107min.
監督・脚本:マーク・ローレンス
出演:ヒュー・グラント、マリッサ・トメイ、ベラ・ヒースコート、J・K・シモンズ、クリス・エリオット他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

ヒュー・グラントとの作品が多いマーク・ローレンスが脚本を書いて監督も努めた。ラブコメ系のローレンス
監督の諸作品、大傑作というものは無いが、「トゥー・ウィークス・ノーティス」「ラブソングができるまで」
など割りと好きで観ている。ヒュー・グラントは、がっちり頼りになる男、ではなくどことなく頼りなく
でもハンサムで女性にはモテる、という役どころにはピッタリ。そういうキャラクターのイメージが付き
過ぎてしまっているのが気の毒だが、この際、そっち方面で極めて欲しいところだ。
メリル・ストリープと組んだ「マダム・フローレンス!夢見るふたり」の公開が間近。本作はオスカーに
ノミネートされるのでは?と評判の高い作品で楽しみである。

そんなヒューが今回組んだのは、マリサ・トメイ。コメディからシリアスものまで守備範囲は広く、
演技が確かなので、キャスティング側からは魅力的は女優さんなんであろう。本作ではヒューが
教師をすることになる大学に、年齢を重ねてから入学しシナリオの勉強をしている、大きな娘2人を
持つシングルマザーという役どころを魅力的にしっかりと演じ、彼女の存在がこの映画の芯を強くして
いると感じた。

軽いタッチの物語を、ラストのカタルシスまで上手くまとめてあり、うなるような出来ではないが、
観終わって心地よい作品に出来上がった。
またハリウッドでかつてはアカデミー脚本賞も獲った作家、と言う事で映画の事がたくさん出てくるので
映画好きとしては、一翻上がる。リアルな俳優の名前も出てくるし、ヒューが書こうとしている
賞を獲った作品の続編の妄想主人公はマット・デイモンである。ww
特に気にったのが大学での上司にあたる学科長のJ・k・シモンズの家にヒューが訪ねた時、一家では
映画を観ていたのだが、玄関先に出てきたシモンズが、続きは観たくないので、家族に
「後でスジだけ教えてくれ」ということころ。観ていた映画が「食べて、祈って、恋をして」という
2010年のジュリア・ロバーツ主演の作品で、私もこのブログに書いたけど、しょうもない観光映画で
シモンズが辟易するのがよ~く分かったからだ。映画のつくりてとしては「後からスジだけ教えて」と
いわれるのは最大の屈辱であろう。このあたりは、脚本も多くモノする監督ならではの味付けである。

本作の最大の魅力は、自信喪失の脚本家が、自分の教え子にインスパイアされ、人生を見つめ直す、と
いう、原題そのものの「リライト」(書き直し)のストーリーである。(邦題はなんで、分かりづらい
リライフなんて単語を持ってきたのだろう?)生徒の一人がマリサ・トメイであるわけだが。
本作の構造は、ハリウッド脚本家としての側面、大学教師として色仕掛けの女学生や仲間の教師を
含む先生としての側面(教師として目覚めていく過程も含め)、そして生徒の一人マリサ・トメイとの
愛情物語的側面と、更に18歳の長男の父親としての側面も加えて大きくは4つのプロットから成る。

ヒューの教える公立大学があるニューヨーク州ビンガムトンは、田舎だ、年中雨だ、とかいわれるが
映像に出てくる町は美しく魅力的。大学の講義などのシーンでいつも窓の外は雨、というのはニヤリと
する。町の名物として紹介されるハンバーガショップ、一度行ってみたくなった。
(※マーク・ローレンス監督はこの学校の出身。正確にはニューヨーク州立大学ビンガムトン校という
らしい。テレビ映画「トワイライト・ゾーン」の製作者・脚本家ロッド・サーリングも、この学校の
出身で、彼が舞台にした全米一古いといわれる回転木馬も本作に登場する。)
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<ストーリー>
脚本家のキース・マイケルズ(ヒュー・グラント)はアカデミー賞を獲得し栄光を掴むが、その後ヒット作を
生み出せないまま15年もの月日が経ってしまう。妻に逃げられ一人息子に会えず、ついには電気を
止められてしまい、キースはやむなくエージェントに紹介されたニューヨーク北部の田舎町ビンガムトンに
ある大学のシナリオコースで教鞭を振るうことにする。

ビンガムトンではまだ過去の栄光が通用し、調子に乗った彼は酔っぱらってウェルドン教授(アリソン・
ジャネイ)に暴言を吐いたり、受講者にカレン(ベラ・ヒースコート)ら好みのタイプの学生たちを
選んだりと好き勝手をして学科長のラーナー(J・K・シモンズ)に何度もたしなめられる始末。
しかしシングルマザーのホリー(マリサ・トメイ)をはじめ生徒たちは真摯に授業に臨んでおり、
彼女らの映画への情熱に触れたキースの中で何かが少しずつ変わり始める……。
(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=353722こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-11-21 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

リオの男 L'homme de Rio

●「リオの男 L'homme de Rio」
1964 フランス・イタリア Dear Film Produzion and more. 113min.
監督・(共同)脚本:フィリップ・ド・ブロカ
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、フランソワーズ・ドルレアック、ジャン・セルヴェ、アドルフォ・チェリ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

東京五輪が開催された1964年の作品。マンガ「ゴリラ」「ルパン三世」や映画「インディ・ジョーンズ」
シリーズなど、その後のコミカルテイストの諸作品に大きな影響を与えたといわれる。
古い映画ではあるが、ベルモンドのキャラクターが生きた佳作である。パリからリオ・デジャネイロに飛び、
空に、陸に、海にと、テンポの良い追跡劇が繰り広げられる。スタントを排したというアクションや
人を喰ったようなコミカルなシーンも、荒唐無稽な映画の代表選手のようであり、心地よい。
アクションシーンで泥だらけになったその直後に、新しめの同じ衣装で登場するなど、大らかな作りの
時代の映画でもあった。一体同じ服を何着用意したのだろうか。
VFXを使わないほとんどロケの構成だが、今見ると逆に新鮮で手作り感満載で、主人公は死なない、
と分かっていてもハラハラするところがいい感じだ。

婚約者のフランソワーズ・ドルレアックは、カトリーヌ・ドヌーヴのお姉さんで、この映画の3年後、
25歳の若さで交通事故で亡くなっている。「ロシュフォールの恋人たち」では姉妹共演を果たした。
美しい人だったのに残念なことだった。
ツッコミどころ満載の映画であるが、リアリティを追求した映画ではなく、あり得ないだろう、と
いうところを主人公が果たして行くというところを肩の力を抜いて楽しむタイプの作品。
まさか、50年後にここで五輪が開催されるとは誰も思っていなかった、開発前の美しいリオと
首都機能を移転した人工都市、ブラジリアの人工的な美しさも味わい深い。

本作に続く「カトマンズの男」など、荒唐無稽感が加速しているという続編も機会があれば見てみたい。
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<ストーリー:結末まで触れています>
航空兵アドリアン(ジャン・ポール・ベルモンド)は八日間の休暇に胸をふくらませてパリへやってきた。
パリには、フィアンセのアニェス(F・ドルレアック)が待っているのだ。そのころパリでは博物館の
守衛が殺され、アマゾンの小像が盗みだされていた。調査が開始され、考古学者カタラン教授
(ジャン・セルヴェ)が呼びだされた。教授の話によると、この小像は、三年前教授とビレルモザ氏、
およびブラジルのディ・カストロ氏の三人が奥地探検を行ない発見したもので、三人は三個の小像を
それぞれ一個ずつ保管し、カタラン教授は自分の像を博物館に寄付したのだった。

またビレルモザ氏は探検後死に、現地リオのある場所に像の一つをかくしていた。この事件を知った
ビレルモザ氏の娘アニェスは、さっそく現場にかけつけた。アニェスは小像の秘密を知っていたのだ。
しかし、そんなときカタラン教授が、何者かに連れ去られ、さらにアニェスまでが誘拐されてしまった。
ちょうど、そこにきあわせたアドリアンは、連れ去られるアニェスの姿を見つけ、必死に後を追った。

アニェスを連れた男は飛行機でリオに飛んだ。アドリアンも、とっさの機転で、飛行機に乗りこみ、
そのまま後を追った。リオに着いたアドリアンは、土地の少年の助けを得て、アニェスをとりもどした。
小像のありかを知るアニェスの手引でアドリアンは小像をみつけだした。が、それもつかの間、
例の男たちが現れ小像を奪われた。
残る一つは、カストロ氏が持っているのだ。アニェスとアドリアンはブラジリアに向った。そして途中、
二人は“敵”にかこまれたカタラン教授をみつけ、救出に成功した。しかしこのカタラン教授こそが、
この事件の主謀者だったのだ。カタランは二人のすきをみて、カストロを殺害し、小像を奪い、さらに
アニェスをもさらって逃走した。目的地に着いたカタランは、財宝の所在を知ると夢中で発掘した。
追ってきたアドリアンは、そのすきにアニェスを助けだした。その時、森林をゆさぶる大爆発が起った。
カタランは財宝とともに生埋めになり、アドリアンはアニェスと共に森林を脱出した。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://movie.walkerplus.com/mv13315/こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-11-20 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ロバート・アルトマン/ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男 Altman」
2014 アメリカ Sphinix Production.95min.
監督・製作:ロン・マン
出演:ロバート・アルトマン、ポール・トーマス・アンダーソン、ジェームズ・カーン、デヴィッド・キャラダイン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

愛する巨匠、ロバート・アルトマンの生涯を綴ったドキュメンタリー映画である。彼の映画の多くを観てきて
その生涯のアウトラインは大体分かっているつもりだったが、未知の事柄も多く、面白かった。
映画の出来としては、極めてオーソドックスな手法であり、当時の映像をよく集めてあり、関係者の
インタビューのラインナップも良く並べてあったので、標準以上の仕上がり、といえるだろう。

「アルトマンとは?」という質問に、彼に関係のあるハリウッドスターや監督らが、一つのフレーズで
返し、その理由を短く述べる、という手法が時代の流れに沿って並べられていく。彼の出世作となった
「M★A★S★H」のドナルド・サザーランド、エリオット・グールド、「今宵フィツジェラルド劇場で」の
メリル・ストリープ、「ザ・プレイヤー」のブルース・ウィリスらが登場する。アルトマンの後半の
作品でキーマンとなるティム・ロビンスはアーカイブのみの出演で、インタビューには出てこない。

ハリウッドでは相当の変わり者であったことは本作でも触れられるが、実はシャイで愛妻家、家族思いで
あった。ハリウッドの求めるものと、自分が表現したいもののズレで悩んだり、実際クビになったり、
パリに移ったり、オフブロードウエイで演出したりという激動の生涯であった。
老齢になってから心臓移植を受け、オスカーの特別賞を受賞し、この世という舞台から退場したのだった。
アルトマン愛好家の多くがそうであるように、私も「M★A★S★H」と「ザ・プレイヤー」、「ショート・
カッツ」が強く印象に残っていて、大好きな作品である。これらには彼らしい皮肉が詰まっている。
繰り返し見ることになるであろう。

本作では演出家として手がけた「コンバット」などのテレビドラマの諸作が丁寧に集められていて、
また失敗作と云われる日本未公開作品も短く紹介されているほか、ホームビデオも多く扱われていて
多角的にアルトマンという人の人格が表現されている。もちろん本人のインタビューフッテージも
たっぷりとある。アルトマンという映像表現家の、大体ハズレのない生涯が上手く纏めてあるので
ファンならば観てみるといいだろう。
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<ストーリー>

「M★A★S★H マッシュ」、「ナッシュビル」など、数々の名作を世に送り出したアメリカ・
インディペンデント映画の父、ロバート・アルトマン監督の実像に迫るドキュメンタリー。
ポール・トーマス・アンダーソンやジュリアン・ムーアを始めとした関係者の証言に、貴重なアーカイブ
映像を交えて、その素顔が明かされてゆく。

映画監督、革新者、ストーリーテラー、異端者、家庭人、放浪者、ギャンブラー、怒れる男、アーティスト。
映画監督であると同時に様々な顔を持つロバート・アルトマン。大成功も大失敗も経験し、敵も味方も
数多く作りながら、決して権力に迎合することなく豪快に映画を生み出していった。
その結果、カンヌ、ベルリン、ヴェネチア、世界三大映画祭の全てにおいて最高賞を、アカデミー賞では
名誉賞を受賞。
いかにして彼は、“ハリウッドで最も嫌われ、そして愛された男”になったのか。彼の精神に触れたとき、
私たちはその存在の偉大さに心を打たれ、彼を魅了し続けた“映画”という存在そのものの大きさに気付かされる。

ジュリアン・ムーアやブルース・ウィリス、アルトマンを師と仰ぐポール・トーマス・アンダーソン監督、
アルトマン組のエリオット・グールド、サリー・ケラーマン、ライル・ラヴェット、リリー・トムリン、
『ポパイ』の主役を務めた人気俳優、そして、妻のキャサリン・アルトマンと子どもたち。彼に縁のある
俳優や監督、家族がアルトマンについて証言。ロケハンや製作現場などの貴重なメイキングシーン、自宅や
旅先で撮影したホームムービーなど、今まで目にすることのなかったお宝映像をふんだんに盛り込み、
初期の産業映画やテレビドラマ、未公開作品を含むフッテージやインタビューなどのアーカイブ映像と共に、
映画に捧げた彼の人生が紐解かれてゆく。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://movie.walkerplus.com/mv58518/こちらまで。

by jazzyoba0083 | 2016-10-21 22:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「わたしに会うまでの1600キロ Wild」
2014 アメリカ Fox Searchlight Pictures,Pacific Standard.115min.
監督:ジャン=マルク・ヴァレ 原作:シェリル・ストレイド『わたしに会うまでの1600キロ』
出演:リース・ウィザースプーン、ローラ・ダーン、トーマス・サドスキー、ミキール・ハートマン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

この年のオスカー主演女優賞と助演女優賞のノミニーになった本作は、やはりリースとローラの
演技にこそ見どころがある、(アメリカ大陸の雄大なる自然は、主人公の心を癒やす大きな
力となることはTテーマの一つであることは勿論なのだが)といえるだろう。
パシフィック・クレスト・トレイル(PCT)というアメリカ西部の南北を貫くハイクロードの存在は
本作で知り、ネットで調べてみると、踏破するのは大変難しいものと分かる。始点から終点まで完全に
歩くと4000キロを超える。主人公はそのうちの半分弱の1000マイル(1600キロ)のそれでも厳しい
道のりを「悲しみの荒野で道に迷った主人公が暗い森から抜け出す」という趣旨で歩き切り、自分を
再発見する、という極めて分かりやすい映画である。
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このテーマに対し、主人公とその母を演じたリースとローラの二人の女優の演技と、カットバックを
多用した構成で見せる。ただただ歩くだけなので単調になりがちではあるが、暑熱のメキシコ国境から
雪深いシエラネバダを超え、オレゴン州ポートランドまでの風景と、人々との触れ合い、過酷な自然と
対峙する、また水や食料がなくなるなどのハプニングへの対応など「歩く」という単調さを克服した
作品に仕上がっている。後述するが当然二人の女優の存在が大きいのだ。

実際にPCTを歩ききった女性、シェリル・ストレイドの自伝的な著作が原作である。
粗暴な父(夫)を持った母と娘。夫と別れやっと自分の時間が取れるようになった母は娘と同じ
大学に通い、自分の人生を謳歌しようとしていた。娘は結婚していたのだが、母が難病で余命1年と
言われたのにもかかわらず、何の準備もできないまま1ヶ月あまりで他界してしまう。まだ
40代半ばでの早逝であった。母とともに歩んできた娘にとっては、最近自由を謳歌し始めた母は
ウザくもある反面、自分の全てでもあった。
この大きな喪失感に娘は打ちのめされて、復帰することが出来ずコカインや手当たりしだいの男
漁りに走り、夫とも別れてしまう。さすがにこれではダメになると思った娘は何の訓練もないのに
PCT1000マイルを歩く決心をする。

1000マイルと一口に言っても、東京から下関を経由して鹿児島くらいまであるく勘定。しかも
その道は舗装されていないどころか、ロッククライミングのような岩山あり、川を渡る、雪の中を
歩く、暑い、寒い、と大変なことなのだ。重い荷物を背負い、スタート地点から歩き始めたが
初日から後悔してしまう・・・。準備と知識不足から、食料や水がなくなったり、ガラガラヘビが
いたり、靴が合わなくて爪が剥がれてしまったり、男に襲われそうになったりしながら、3ヶ月の
余かかって男でも難しいとされる1000マイルのトレイルを女性ひとりで遂に踏破したのだった。
道中、母や父、自分が荒れていた頃を思い出し、人生を見つめなおし、この旅が終わったら自分は
どこで何を始めるのか、人生をどう生きるか、を発見するのだった。

ドラッグあり過剰なセックスあり、そして過酷なハイキングを達成する女性を文字通り体当たりで
演ずるリース・ウィザースプーンが良かった上に、母親を演じたローラ・ダーンの存在感が大きかった。
母の存在、母の死を乗り越えて、自分の人生を獲得するという母娘の葛藤を二人は上手く演じ、
また監督の演出も光る。本作を観る多くの人は、歩く主人公に多少の差はあれ自分を重ねて観るの
ではないだろうか。そうして主人公の行動を追体験し、彼女が歩いた果てに見つける自分の人生に
共感を覚えるのではないだろうか。本作ではそういう趣旨はよく出ていると思う。
歩く過程で起きる事件のリズムがやや平板になってしまったウラミはあるが、彼女がいかに無謀な旅に
出たか、というものを間接的に表現する手法など映像表現としても優れていて、総じて出来の良い映画だった。
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<ストーリー>

何のトレーニングもせずに、3か月をかけて1600キロもの自然歩道踏破に挑んだ女性シェリル・
ストレイドの自伝を、リース・ウィザースプーン主演で映画化した人間ドラマ。
極寒の雪山や酷暑の砂漠が待つ厳しい道のりを、必死に乗り越えようとするヒロインの姿が胸を打つ。
監督を務めたのは、『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレ。

シェリル(リース・ウィザースプーン)は、スタートしてすぐに“バカなことをした”と後悔していた。
今日から1人で、砂漠と山道が続く1600キロの“パシフィック・クレスト・トレイル”を歩くのだが、
詰め込み過ぎた巨大なバックパックにふらつき、テントを張るのに何度も失敗。その上、コンロの
燃料を間違えたせいで、冷たい粥しか食べられない。
この旅を思い立った時、彼女は最低な日々を送っていた。どんなに辛い境遇でも、いつも人生を
楽しんでいた母(ローラ・ダーン)の死に耐えられず、優しい夫を裏切っては薬と男に溺れる毎日。
遂に結婚生活も破綻した。このままでは残りの人生も台無しだ。母が誇りに思ってくれた自分を取り
戻すために、一から出直すと決めたのだ。
だが、この道は人生よりも厳しかった。極寒の雪山や酷暑の砂漠に行く手を阻まれ、食べ物も底を
尽くなど、命の危険にさらされながら、自分と向き合うシェリル。果たして彼女が、1600キロの
道のりを越えて目にしたものとは……?(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=350921#1こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2016-09-06 23:15 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ラブ・トライアングル 秘密 3 coeurs」
2014 フランス Rectangle Productions and more.104min.
監督・(共同)脚本:ブノワ・ジャコー
出演:ヴノワ・ポールヴールド、シャルロット・ゲンズブール、キアラ・マストロヤンニ、カトリーヌ・ドヌーヴ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
日本劇場未公開。WOWOWの「ジャパンプレミア」で鑑賞。フレンチラブミステリ?。
ジャンルもよく分からない、ある種恋愛の悲劇を描いたフランスっぽい映画だった。
「或る悲劇」を綴る、という主題は分かるのだけれど、冒頭から流れるコントラバスの
不気味な通奏低音のようなBGMは、監督はミステリとして仕立てようとしているのか?
というミスリードを誘うし、映画の真ん中で急に登場する男の声のナレーションは、唐突
過ぎて、説明臭くて、映画の味を薄くした。
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いわゆる三角関係。最終電車を逃した税務調査官マルクが、立ち寄った立ち飲みカフェ?
みたいなところでシルヴィ(ゲンズブール)と出会うところから物語は始まる。
二人はたちまち恋に落ち、パリで来週の金曜に会おうと約束する。夜中にそんなところに
いたシルヴィもいわく持ちなわけだ。

シルヴィと妹のソフィ(マストロヤンニ)は母(ドヌーヴ)とパリ郊外の街でアンティークショップを
経営している。資産もある家のようだ。
シルヴィには夫がいる。そして金曜日、彼女はパリに出かける。時間通りに約束の場所で
マルク(ポールヴールド)を待つが、マルクは税務署でややこしい中国人に引っかかり
時間を食い、おまけに慌てて出かけたところ、クルマの中で心臓発作を起こししばらく
失神してしまう。それでも2時間強の遅れで到着するが、流石にソフィの姿は無かった。

その後、傷心のシルヴィは夫とアメリカへと渡っていく。姉妹が離れるのは初めてということで
二人の心は悲しい。そんな折、お店の税務問題で困っている妹のソフィは税務署の中で
マルクと出会い、マルクは税務の問題の相談に乗ってやることに。店でPCを叩き、
問題を解決、マルクはシルヴィに似ているソフィに、シルヴィの妹とはつゆ知らず、恋に
落ちていく。もちろん、姉とマルクのことなど知らないソフィも次第に心をマルクに寄せて
いくのだった。そして二人は結婚することに。

アメリカから帰ってきた姉は、妹ソフィに紹介された夫を見て驚愕した。あのマルクじゃないか。
マルク本人は、家にあった写真や、シルヴィにあげたライターなどから彼女が妹ソフィの姉で
あることは分かっていて、対面することが気が気でなかった。運良く?披露宴の間、姉は
飛行機が遅延して、遅くなってからの到着だった。

マルクの心の中のシルヴィを想う炎は消えておらず、シルヴィもまたそうであった。
いけないと思いつつひかれあう二人。シルヴィは一旦アメリカへと帰っていく。
シルヴィもさすがに最愛の妹を不幸にする訳にはいかないと思ったのだろう、それから
数年はフランスに戻らなかった。この間に、マルクとソフィの間には男の子が出来ていた。
マルクは勤務場所もパリから郊外の街へ異動願いを出して変わり、このまま秘密は
秘密のまま行くのか、と思っていた。

ところがソフィが、母の還暦と姉の40歳の記念パーティーを家で開こうと提案してきた。
それを聞いたアメリカのシルヴィは、当初行かない、と行っていたが、妹の強引な
誘いに折れて、再びマルクの前に現れることとなった。不幸の第二幕の開幕である。

賑々しくパーティーは始まったが、マルクとシルヴィはすぐにくっついてしまい、妹のスマホ
から姉の電話番号を盗み、メールをやりとりする。そして二人でどこかへ出かけて行ったり。
シルヴィもマルクも理性では、やってはいけないと十分分かっている、分かってはいるけど
運命の出会いは決定的だったのだ。
もう会わない、とシルヴィは決心するが、一方で二人でどこへ行こう、というマルクの絶望的な
誘いを受けてしまったり、二人の心は大いに揺れるのだった。

医者から過大なストレスは禁物、静かな生活を、と心臓のために言われていたマルクで
あったが、実際は心臓に悪いことばっかり。こうした中、家に帰ってきたマルクは
シルヴィからの電話に出ていた。椅子に座ったマルクはそこで心臓の発作に襲われ、
スマホを床に落とす。呼びかけるシルヴィ。そこに近づく妹ソフィ。マルクの様子がおかしい。
一方で床に落ちているスマホを拾い上げて、耳に当ててみると、聞こえてくるのはシルヴィの
声だった・・・。
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バッドエンドである。妹に不倫を知られた姉シルヴィは生きてはいられない、という
ニュアンスを漂わせて映画は終わるのだが、可哀想なのは何も悪く無い妹ソフィである。
驚くのは、マルクが妻や子供をほっぽらかして、シルヴィとどこかへ行こうとするところ。
そんなに絶望的な愛を選ばなくてもいいのにと。男ならソフィを幸せにして家庭を大事に
しろと。彼は税務調査員として市長の公金不正使用を暴き、裁判に持ち込むのだが、
その際、自分らの結婚の立会人である市長の不正を暴くことで、自分の不倫を暴かれたら
どうするつもりよ、とハラハラした。マルクという男は一見温厚そうに見えて、激情型
破滅型の人間だったのか。

ゲンズブールの存在感は素晴らしい。それとカトリーヌ・ドヌーヴも貫禄である。妹ソフィを
演じたマストロヤンニとは実の母娘である。 マルク役のポールヴールド、美人姉妹を
ものにしてしまうほどのイケメンではないが、それが故に妙にリアリティがあってそれなりに
良かったと思う。映像も美しい。最初に言ったように音楽の趣旨が分からない。
下の写真は、ラストシークエンスのシーンだが、叶うことなかったシルヴィとマルクの
パリはティュルリー公園での再会である。二人がこうであったらなんの不幸も生まれなかったと
言う事と、シルヴィとマルクの愛の強さを示していたのか。それにしてもソフィは可哀想だ。
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この映画の詳細は
by jazzyoba0083 | 2016-07-26 22:40 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ラブストーリーズ コナーの涙 The Disappearance of Eleanor Rigby: Him」
2013 アメリカ Unison Films,Myriad Pictures and more.95min.
監督・脚本:ネッド・ベンソン
出演:ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャスティン、キアラン・ヘインズ、ビル・ヘイダー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
「ラブストーリーズ エリナーの愛情 The Dissapearance of Eleanor Rigby:Her」と
2作品で1つの構成を成すものゆえ、片方の映画だけでは、主人公コナーとエリナーの
心情は分かりづらい。特に本編を最初に見ると、この夫婦の間にいた子供(2歳?)が
何らかの原因で死亡したことが、二人の間の決定的な感情の分かれ目になる、と
いうことが後半にならないと分からない。加えて、半分だけなので映画から得られる思いも
半分な感じなんだろう。一つの事象を男性目線と女性目線から見た2つの作品から構成する
という着想は本作が嚆矢というわけではない。

コナーの涙、の方は男性(マカヴォイ)から見たエリナーとの愛情を描くのだが、冒頭、
レストランで食事をしていて食い逃げをはかり、逃げおおせて夜の公園に倒れこみ、
ホタルを見て綺麗だね、なんていっているカップルが、妻の方から「浮気してよ」とか
「私達一からやり直したいの」「距離を置きたい」とかいわれちゃって男は目を白黒させる
わけだが、こりゃ、見ている方も、????ってな感じで(これが監督の狙いかも知れないが)
エリナーの愛情を最初に見ておけば、二人の間の2歳の愛児が何らかの原因で亡くなり、
その後二人の間がぎくしゃくしているとわかるのだろうけど、本作では家で飼っていた
金魚(熱帯魚?)が死んじゃった件で、男が父と会話するシーンが出てくるまで、きっかけが
わからんのだわね。 

突然男の前から姿を消し、大学の聴講生になってみたり、後をつけた男に対し「もう私たち
終わったのよ」とか言う割に、男の経営するレストランに突然現れ、ドライブに誘ったりする。
よー分からんぞ! 次第に二人の間の子供が亡くなったことが原因らしいとわかってくるの
だが、男がレストランをたたみ、父親のレストランを手伝うことを決め、アパートを引き払う
ところで女が登場、そして夜道を歩く男の後を追う女・・。男としては(本作だけの情報だと)
なんだかわかんないうちに女に捨てられ、しかし事業を仕切りなおし、さあ、また頑張ろうと
自分なりに成長したわけだよね。引っ越し寸前の部屋に現れたエリナーは幻?
モトサヤに戻ったわけ?彼女の心の傷は何を以って回復したというの?分からんなあ。
WOWOWもエリナーの愛情の方を先に放映して欲しかったなあ。本作だけでは釈然とし
ないので、いずれエリナーの愛情を見た時に合わせてもう一度感想を書いてみたい。
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<ストーリー>
最愛の子どもの死をきっかけに互いの心がすれ違い、やがて別れを決断したカップルが、
再生へと向かう紆余曲折の道のりを、男女それぞれの視点から捉えた2つの作品で描き
出した異色作。本作はその女編。主演は「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャステインと
「つぐない」のジェームズ・マカヴォイ。監督は、これが長編デビューのネッド・ベンソン。

 ニューヨーク。幼い我が子を失った悲しみから神経をすり減らし、情緒不安定なエリナー。
夫コナーにも気持ちを分かってもらえず、互いの心は離れていくばかり。ある日、思いあまって
マンハッタン橋から身投げして腕を骨折してしまう。退院した彼女は夫のもとへは戻らず、
家族の暮らすウェストポートの実家に身を寄せる。心機一転とばかりに髪を切り、大学に
通い始めたエリナー。そんな彼女の前に、彼女の行方を必死に探していたコナーが現われるが…。
(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2016-07-03 21:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「リピーテッド Before I Go to Sleep」
2014年 アメリカ Scott Free Productions,Millennium Films.92min.
監督・脚本:ローワン・ジョフィ  原作:『私が眠りにつくまえに』 S・J・ワトソン
出演:ニコール・キッドマン、コリン・ファース、マーク・ストロング、アンヌ=マリー・ダフ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ネタバレしていますのでご注意ください
★は6.5。仕立ては違えど、記憶障害をテーマにした映画は何本かこれまでも観てきた。
「夢オチ」と同じで結構禁じ手な感じのターマだと思う。逃げこむ場が常に用意されて
いて、観客が先を読むことを容易に騙すことができるから。
本作もこの手の映画をやらせたらまず間違いないだろうところのニコール・キッドマンと
いかにも善人面のコリン・ファースという俳優を得て、まず観客のミスリードを誘う。
だいたいこの手の映画は近くにいる善人こそ悪者で、悪者らしく描かれる人物が
味方だったする。本作もそうで、ニコール演じる記憶障害の女性クリスティーンを
優しく庇護する夫ベン、という立場のコリン・ファース、片や、胡散臭そうな精神科医
ナッシュ(マーク・ストロング)。 冒頭からしばらく作品は見たまんまの善悪関係で進む。

何か変。という違和感を長年付き合ってきた友達から指摘されるが、なにせその日の
記憶は次の日にリセットされ、常に40歳のその後の記憶のないクリスティーンとなる訳
だからやっかいだ。医師ナッシュに勧められて夫に秘密で撮ってあるデジカメの動画
だけが頼るよすがだった。記憶障害になるほど殴った男を思い出せないクリスティーン
だったが、次第に記憶が留まるようになるのと、過去の一部が思い出せるようになって
いく(このあたりもご都合主義的ではあるが)。

ここまでくると想像の通り、ベンと称した男は夫ではなく、浮気相手のマイクであったのだ。
かつて密会したホテルに連れてこられてそれが分かる。(マイクも連れて来ちゃだめでしょ)
夫ベンとは別れた4年前から会ってはいないのだった。そしてまたそのホテルの部屋で
殺されかかる。しかし何とか反撃し、部屋から抜け出ることが出来た・・・。
そして病室。別れた本当の夫ベンが登場。そしてマイクから死んだと聞かされていた
一人息子マイクも4年後の成長した姿を見せたのだった。マイクは刑務所。

だいたいが、クリスティーンが浮気したこと、またベンも妻の親友と一夜の間違いを
したことがいけないのだけれどね・・・。ネタがバレてしまうと2回観る気が起きない作品。
舞台劇が似合うかもしれない。
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<ストーリー>
クリスティーン(ニコール・キッドマン)は、事故の後遺症により毎朝目覚める度に、
前日までの記憶が失われてしまう特殊な記憶障害を負っている。
夫のベン(コリン・ファース)は、結婚していることや夫である自分のことすらも忘れてしまう
そんな彼女を、献身的な愛で支えていた。

ある日、ベンの留守中にナッシュ(マーク・ストロング)という男から電話がかかってくる。
少し前から夫に内緒でクリスティーンの治療を行っているというその医師は、この数週間、
クリスティーンが毎日の出来事を密かに映像日記として撮影していると言い、その隠し
場所を告げる。日記を再生したクリスティーンは、自分の記憶障害の原因が何者かに
襲われて瀕死の重傷を負ったことによるものだと知るのだった。
やがてクリスティーンは“昨日の自分からのメッセージ”を頼りに、真相を追い始めるが……。」
(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-12 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ラン・オールナイト Run All Night」
2015 アメリカ Warner Bros.114min.
監督:ジャウマ・コレット=セラ
出演:リーアム・ニーソン、エド・ハリス、ジョエル・キナマン、エディ・コンロン、ニック・ノルティ、コモン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
リーアム・ニーソンとセラ監督は「アンノウン」や「フライト・ゲーム」など肩が凝らないサスペンス
アクションで組んだ実績がある。その二人が本作では「96時間」シリーズのような構成の
男臭いアクションものを作った。物語としては目新しいものはないが、この手の映画ではさすがに
構成や、画面の見せ方は上手く、緊張感は保ったまま終わりまで観ることは出来た。

今回の組み合わせは、ブロンクス辺りのギャングのボス(エド・ハリス)の軍隊時代から堅い
友情で結ばれた絆の元、彼のためのヒットマンをやってきた。その息子マイクは貧しい親の無い子
のボクシング指導などしてまともに暮らしている。夜はリムジンの運転手だ。

ボスであるショーンはかつては麻薬などもやっていたが今は堅気の商売をしている。しかし
息子のダニーの出来は悪く、父親であるショーンを困らせていた。

この二人の親子が対立軸となり、殺し殺されるというアクションが繰り広げられる。できの悪い子を
持つボスと、ヒットマンを親に持つ真面目な子。
事件は、覚せい剤取引の仲介をした息子ダニーが父親ショーンに、仕事を引き受けてくれと
頼まれたものの、「もうヤクはやらないと決めたんだ」と断られる。このためダニーに話を
持ちかけたアルメニア人マフィアは、激怒してダニーに着手金を返せ、と迫る。ここで銃撃戦。
リムジンの運転手として事件があった家の前で待機していたマイクは、ダニーに銃を突きつけられ
「目撃者」として殺されそうになった。そこを救ったのが父ジミー(リーアム)だった。

ジミーは親友ショーンに息子を殺した、と電話。ショーンは掟であるのだろう、俺はお前ら親子を
殺す、と宣言し、手下たちに二人を探させるのだ。
さあ、それからが大変。ジミーとマイクは、汚職警官、殺し屋、組の人間などが総がかりで親子を
追いスリリングな追跡劇が繰り広げられる。

冒頭のシーンは夢のように構成されているのだが、次第にそれが現実のエンディングに
なっていることに気付かされる。ストーリーの凡庸さは画面作りによって生まれる
緊迫感とテンポでカバー出来ている。NYの街なかを、息子を連れ去った悪徳警官の乗った
パトカーを追いつめる父ジミーのカーチェイスも道中はよくあるパターンだが結末にリアリティが
あり良かったんじゃないか。
画面作りもそれぞれびっくりするものではないのだが、効果的に使われ全体を引き締める
役割を担う。キャスティングが渋く、落ち着いてみていられるのもいい。
私は、ラストで殺し屋プライスが再度現れて、一騒動あるんじゃないか、と思っていたら
当たった。かように、先々が予想出来ないようなストーリーではないし、突き詰めていけば
つじつま合わせのようなところもあるが、一夜の出来事を上手くまとめられたんじゃないだろうか。
タイトル通り、夜通し走りまくるわけだ。
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<ストーリー>
ジミー・コンロン(リーアム・ニーソン)は、ブルックリンを縄張りとするマフィアの一級の殺し屋。
だが、これまでに犯した罪の重さに苛まれ、ウイスキーを呷ることだけが日々の慰めとなり、
仕事のせいで家族からも疎まれていた。

そんなある日、命を狙われた息子マイクを救うため、ジミーはその相手を殺害してしまう。
だが、彼が殺したのは、マフィアのボスで長年の親友、ショーン(エド・ハリス)の息子だった……。
“お前とお前の息子を殺す”と、復讐に燃えるショーン。マフィア、買収された警察、
凄腕の暗殺者……。今やジミー親子は、ニューヨーク中から狙われる身となっていた。
残された時間は“たったひと晩”。刻々と命の期限が迫る中、果たして2人は逃げ切ることが
できるのか……?(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-11 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ロシアン・スナイパーBitva za Sevastopol 」
2015 ロシア・ウクライナ 123min.
監督・(共同)脚本:セルゲイ・モクルツキー
出演:ユリア・ペルシルド、ジョーン・ブラッカム、エフゲニー・ツィガノフ、ヴィタリー・リネツキー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ロシア映画を観るという機会はあまりないが、WOWOWで放映していた本作を鑑賞。
「アメリカン・スナイパー」を彷彿とさせるタイトルに釣られたのだが、本題は「セヴェストポリの
戦い」。 凄腕スナイパーとしてドイツ軍に恐れられた実在の女性、リュドミラ・パブリチェンコの
物語である。ハリウッドなどの西欧の映画にはないシーンや画面作りがあって、CGもまあ
鑑賞に耐える範疇なので、主人公の存在の面白さが加わり、面白く鑑賞することが出来た。
ロシアによるクリミア半島の併合事件があったばかりで、ウクライナ出身のパブリチェンコを
描くことで、プロパガンダに役立てようと言う試みが透けて見える感じもある。

パブリシェンコをどういう女性として描きたいのか、今ひとつピント来ず、途中で挿入
される現代ポップス系の歌などもあり、恋愛模様があるのならそれでいいのだけれど、
ハードに徹したほうが味わいが出たのではないか。

時制が1942年に彼女がアメリカを訪れた時を中心にスナイパーとして309人を殺害した
戦場の1937から1941年のセヴェストポリの戦いまで、いったり来たりしながら、
1957のスーズベルト夫人の回顧と、目線が落ち着かない所も難点である。

大学で歴史を学ぶパブリチェンコが、射撃ゲーム場で遊んだ結果が良かったことから
ドイツ軍のソ連侵攻を受けて赤軍のスナイパーとしてスカウトされる。
なぜ、スカウトを受け入れたのか。最初のうちは前線でゲーム感覚で狙撃をしていて
上官からたしなめられるというシーンも有り、一体彼女の心のなかはどうなっているのだろう、
男になり切ったのか、と思いきや、上官に恋してしまい、その上官が戦死すると次の上官にも
恋してしまい、子供が欲しいとか言い出す。その上官も彼女を守って戦死すると、ずっと
彼女を好きだと言い続けてきた大学からの友人の医師を伴侶として迎えることになる。
節操ないの?とか思ったり。

アメリカの欧州戦線への応援を得るためにプロパガンダ要員として繰り出された
パブリチェンコ、彼女を優しい美しい女性としてみるルーズベルト夫人と本国から
ついてきた男の間で、自身アメリカでどう振る舞うべきか迷っている。
「男など振り向かない冷徹な女か、と思えば上官にスグ惚れるという性格も描かれる
のだが、あくまで女性として恋に悩み、英雄という立場に戸惑い、と揺れる心も
あったりで、初めのほうで描いたとおり、散漫になった感じなのだ。

最初の方のドイツ軍との戦闘でロシア兵がほとんどヘルメットを被っていないことに
びっくりした。
309人のファシストを殺した、と自己紹介するのが1942年ワシントンで開かれた世界
学生会議のソ連代表メンバーとして参加した折なのだが、42年後半という年が
先の大戦でどういう年だったのかという所をネットで調べてみた。ソ連にとっては
なかなか大変な年であったようだ。
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<ストーリー>
1941年.ナチスドイツによるソ連侵攻が開始され、まだ大学生だったリュドミラ・
パブリチェンコ(ユリア・ペレシド)は、女性ながらその非凡な射撃の才能を買われ、

ソ連軍兵士として戦場に身を投じていく。
狙撃兵として次々と標的を仕留めるリュドミラは、やがて敵からは“死の女”と恐れられ、
軍上層部には英雄として讃えられながら戦意高揚の道具として利用されていくのであった。

戦場で芽生えた恋、愛する人の死、そして新たな出逢い……。その間も戦況は悪化し、
ソ連軍は黒海北岸のセヴァストポリ要塞に追いつめられる。そして10カ月におよぶ
ドイツ軍とソ連軍の壮絶な攻防戦が始まった……。(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-07 23:40 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「レヴェナント:蘇りし者 The Revenant」
2015 アメリカ Regency Enterprises and more.156min.
監督・(共同)脚本:アレハンドロ・G・イリニャトゥ 音楽:坂本龍一
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター他
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<2015年度アカデミー賞監督・撮影・主演男優賞受賞作品>
<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
改めてイリニャトゥの手腕に唸った2時間半だった。舞台はアメリカ北西部と思しき
雪原。持っている銃から推察するに、いわゆる西部劇の時代よりやや早い時期か。
(資料によれば1823年とある)実在したハンター、ヒュー・グラスの話をまとめた
マイケル・パンクの原作を映画化したもの。

西部開拓の一行は狩猟をしながら皮を作り、稼いでいくハンターの一団だ。ガイド役を
務めるのがグラス(ディカプリオ)と息子のホーク。グラスは狩りの腕前も一流の
凄腕のハンターであった。その彼の身に降りかかる災難をダイナミックに描く。
と書くと簡単だけど、ダイナミックなんて言葉では到底足りない。

「壮絶」という言葉が見ている間頭を巡っていた。それはグラスが一流のハンター
だからこそのシーンだといえる。やはりディカプリオの、どれだけ体を張るの、と
思わせるそれこそ体当たりの演技は、圧倒的だ。
また、シーンというか舞台が雪原しかないので、しかもほとんど色彩というものがない
世界において、2時間半の映像を、飽きさせる事無く描くイリニャトゥと撮影監督
エマニュエル・レベツキ(3年連続受賞)の作画は、逆に雪原だからこその力をもって
観る人に迫ってくる。レベツキの映像は「ゼロ・グラビティ」や「バードマン
(あるいは~)」のように長回しのケレンミ、というようなものはないが、シンプルな
構成の中に観客を引き込む魔法のような画作りは、形容のしようがないほどだ。
確かにグリズリーとグラスの戦い、また馬のはらわたを出してその中に入って夜を
過ごすなどの過酷なシーンでびっくりするところはあるのだけれど、それにしても
目線のつけ方でシーンに引き込む手腕は、なるほどなあ、と唸るしかない。

本作ではインディアン(先住民)との事にも多くの時間が割かれ、復讐は自然の手に、
という彼らの言葉はグラスの心に重く伝わる。ラスト、先住民も現れて、グラスの
復讐は完結するのだが、ラストシーン(ラストカット)で、グラスがカメラ目線に
なる(と私は感じた)のだが、息子や隊長の復讐を遂げても、息子は帰ってくるわけ
ではなく、先住民の言うように復讐は自然の手に委ねたのではあるが、それでグラスの
心は満たされたのか、映画を観ているあなたはどう考えるのだ、と問うているような
目線だった。あの厳しい自然と闘い抜いた力は、息子を愛する力、ということになる
のだけれど、その愛情の(執念ともいえる)力の凄さにも括目せざるを得ないわけだ。

またラストシークエンスは原作者やイリニャトゥの先住民に対する
敬意のようなものを感じたのだった。

まあ、またこの作品で、個人的年度ナンバーワンは決まったかなあ。

※ 2016 6月4日(土)ホノルルからセントレアに帰国の機内で、復習のため鑑賞。
   凄さを再確認した。上記に書いた初見の感想は間違っていないなと。
   2度めとなるとカメラワークやアングルなどにも注意を払うことが出来、他重層的な
   完成度の高さを誇る作品であることが分かったのだった。

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<ストーリー>
 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のアレハンドロ・G・
イニャリトゥ監督がレオナルド・ディカプリオを主演に迎え、過酷な大自然の中で
繰り広げられるひとりの男の壮絶な復讐劇を壮大なスケールで描いたサバイバル・
アクション・アドベンチャー。
共演はトム・ハーディ。第88回アカデミー賞では監督賞、撮影賞に加え、極寒の
大自然を相手に体当たりの熱演を披露したレオナルド・ディカプリオが、みごと
悲願の主演男優賞を初受賞した。
 
 1823年、アメリカ北西部。狩猟の旅を続けている一団が未開の大地を進んでいく。
ヘンリー隊長をリーダーとするその集団には、ガイド役を務めるベテラン・ハンターの
ヒュー・グラスとその息子ホーク、グラスを慕う若者ジム・ブリジャーや反対に
グラスに敵意を抱く荒くれハンターのジョン・フィッツジェラルドなどが一緒に
旅をしていた。

ある時、一行は先住民の襲撃を受け、多くの犠牲者を出す事態に。混乱の中、
グラスたち生き残った者たちは船を捨て陸路で逃走することに。そんな中、グラスが
ハイイログマに襲われ、瀕死の重傷を負ってしまう。ヘンリー隊長は旅の負担になると
グラスを諦め、ブリジャーとフィッツジェラルドに彼の最期を看取り丁重に埋葬する
よう命じるのだったが…。(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-05-05 14:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)