カテゴリ:洋画=ら~わ行( 182 )

●「ラブ・トライアングル 秘密 3 coeurs」
2014 フランス Rectangle Productions and more.104min.
監督・(共同)脚本:ブノワ・ジャコー
出演:ヴノワ・ポールヴールド、シャルロット・ゲンズブール、キアラ・マストロヤンニ、カトリーヌ・ドヌーヴ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
日本劇場未公開。WOWOWの「ジャパンプレミア」で鑑賞。フレンチラブミステリ?。
ジャンルもよく分からない、ある種恋愛の悲劇を描いたフランスっぽい映画だった。
「或る悲劇」を綴る、という主題は分かるのだけれど、冒頭から流れるコントラバスの
不気味な通奏低音のようなBGMは、監督はミステリとして仕立てようとしているのか?
というミスリードを誘うし、映画の真ん中で急に登場する男の声のナレーションは、唐突
過ぎて、説明臭くて、映画の味を薄くした。
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いわゆる三角関係。最終電車を逃した税務調査官マルクが、立ち寄った立ち飲みカフェ?
みたいなところでシルヴィ(ゲンズブール)と出会うところから物語は始まる。
二人はたちまち恋に落ち、パリで来週の金曜に会おうと約束する。夜中にそんなところに
いたシルヴィもいわく持ちなわけだ。

シルヴィと妹のソフィ(マストロヤンニ)は母(ドヌーヴ)とパリ郊外の街でアンティークショップを
経営している。資産もある家のようだ。
シルヴィには夫がいる。そして金曜日、彼女はパリに出かける。時間通りに約束の場所で
マルク(ポールヴールド)を待つが、マルクは税務署でややこしい中国人に引っかかり
時間を食い、おまけに慌てて出かけたところ、クルマの中で心臓発作を起こししばらく
失神してしまう。それでも2時間強の遅れで到着するが、流石にソフィの姿は無かった。

その後、傷心のシルヴィは夫とアメリカへと渡っていく。姉妹が離れるのは初めてということで
二人の心は悲しい。そんな折、お店の税務問題で困っている妹のソフィは税務署の中で
マルクと出会い、マルクは税務の問題の相談に乗ってやることに。店でPCを叩き、
問題を解決、マルクはシルヴィに似ているソフィに、シルヴィの妹とはつゆ知らず、恋に
落ちていく。もちろん、姉とマルクのことなど知らないソフィも次第に心をマルクに寄せて
いくのだった。そして二人は結婚することに。

アメリカから帰ってきた姉は、妹ソフィに紹介された夫を見て驚愕した。あのマルクじゃないか。
マルク本人は、家にあった写真や、シルヴィにあげたライターなどから彼女が妹ソフィの姉で
あることは分かっていて、対面することが気が気でなかった。運良く?披露宴の間、姉は
飛行機が遅延して、遅くなってからの到着だった。

マルクの心の中のシルヴィを想う炎は消えておらず、シルヴィもまたそうであった。
いけないと思いつつひかれあう二人。シルヴィは一旦アメリカへと帰っていく。
シルヴィもさすがに最愛の妹を不幸にする訳にはいかないと思ったのだろう、それから
数年はフランスに戻らなかった。この間に、マルクとソフィの間には男の子が出来ていた。
マルクは勤務場所もパリから郊外の街へ異動願いを出して変わり、このまま秘密は
秘密のまま行くのか、と思っていた。

ところがソフィが、母の還暦と姉の40歳の記念パーティーを家で開こうと提案してきた。
それを聞いたアメリカのシルヴィは、当初行かない、と行っていたが、妹の強引な
誘いに折れて、再びマルクの前に現れることとなった。不幸の第二幕の開幕である。

賑々しくパーティーは始まったが、マルクとシルヴィはすぐにくっついてしまい、妹のスマホ
から姉の電話番号を盗み、メールをやりとりする。そして二人でどこかへ出かけて行ったり。
シルヴィもマルクも理性では、やってはいけないと十分分かっている、分かってはいるけど
運命の出会いは決定的だったのだ。
もう会わない、とシルヴィは決心するが、一方で二人でどこへ行こう、というマルクの絶望的な
誘いを受けてしまったり、二人の心は大いに揺れるのだった。

医者から過大なストレスは禁物、静かな生活を、と心臓のために言われていたマルクで
あったが、実際は心臓に悪いことばっかり。こうした中、家に帰ってきたマルクは
シルヴィからの電話に出ていた。椅子に座ったマルクはそこで心臓の発作に襲われ、
スマホを床に落とす。呼びかけるシルヴィ。そこに近づく妹ソフィ。マルクの様子がおかしい。
一方で床に落ちているスマホを拾い上げて、耳に当ててみると、聞こえてくるのはシルヴィの
声だった・・・。
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バッドエンドである。妹に不倫を知られた姉シルヴィは生きてはいられない、という
ニュアンスを漂わせて映画は終わるのだが、可哀想なのは何も悪く無い妹ソフィである。
驚くのは、マルクが妻や子供をほっぽらかして、シルヴィとどこかへ行こうとするところ。
そんなに絶望的な愛を選ばなくてもいいのにと。男ならソフィを幸せにして家庭を大事に
しろと。彼は税務調査員として市長の公金不正使用を暴き、裁判に持ち込むのだが、
その際、自分らの結婚の立会人である市長の不正を暴くことで、自分の不倫を暴かれたら
どうするつもりよ、とハラハラした。マルクという男は一見温厚そうに見えて、激情型
破滅型の人間だったのか。

ゲンズブールの存在感は素晴らしい。それとカトリーヌ・ドヌーヴも貫禄である。妹ソフィを
演じたマストロヤンニとは実の母娘である。 マルク役のポールヴールド、美人姉妹を
ものにしてしまうほどのイケメンではないが、それが故に妙にリアリティがあってそれなりに
良かったと思う。映像も美しい。最初に言ったように音楽の趣旨が分からない。
下の写真は、ラストシークエンスのシーンだが、叶うことなかったシルヴィとマルクの
パリはティュルリー公園での再会である。二人がこうであったらなんの不幸も生まれなかったと
言う事と、シルヴィとマルクの愛の強さを示していたのか。それにしてもソフィは可哀想だ。
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この映画の詳細は
by jazzyoba0083 | 2016-07-26 22:40 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ラブストーリーズ コナーの涙 The Disappearance of Eleanor Rigby: Him」
2013 アメリカ Unison Films,Myriad Pictures and more.95min.
監督・脚本:ネッド・ベンソン
出演:ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャスティン、キアラン・ヘインズ、ビル・ヘイダー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
「ラブストーリーズ エリナーの愛情 The Dissapearance of Eleanor Rigby:Her」と
2作品で1つの構成を成すものゆえ、片方の映画だけでは、主人公コナーとエリナーの
心情は分かりづらい。特に本編を最初に見ると、この夫婦の間にいた子供(2歳?)が
何らかの原因で死亡したことが、二人の間の決定的な感情の分かれ目になる、と
いうことが後半にならないと分からない。加えて、半分だけなので映画から得られる思いも
半分な感じなんだろう。一つの事象を男性目線と女性目線から見た2つの作品から構成する
という着想は本作が嚆矢というわけではない。

コナーの涙、の方は男性(マカヴォイ)から見たエリナーとの愛情を描くのだが、冒頭、
レストランで食事をしていて食い逃げをはかり、逃げおおせて夜の公園に倒れこみ、
ホタルを見て綺麗だね、なんていっているカップルが、妻の方から「浮気してよ」とか
「私達一からやり直したいの」「距離を置きたい」とかいわれちゃって男は目を白黒させる
わけだが、こりゃ、見ている方も、????ってな感じで(これが監督の狙いかも知れないが)
エリナーの愛情を最初に見ておけば、二人の間の2歳の愛児が何らかの原因で亡くなり、
その後二人の間がぎくしゃくしているとわかるのだろうけど、本作では家で飼っていた
金魚(熱帯魚?)が死んじゃった件で、男が父と会話するシーンが出てくるまで、きっかけが
わからんのだわね。 

突然男の前から姿を消し、大学の聴講生になってみたり、後をつけた男に対し「もう私たち
終わったのよ」とか言う割に、男の経営するレストランに突然現れ、ドライブに誘ったりする。
よー分からんぞ! 次第に二人の間の子供が亡くなったことが原因らしいとわかってくるの
だが、男がレストランをたたみ、父親のレストランを手伝うことを決め、アパートを引き払う
ところで女が登場、そして夜道を歩く男の後を追う女・・。男としては(本作だけの情報だと)
なんだかわかんないうちに女に捨てられ、しかし事業を仕切りなおし、さあ、また頑張ろうと
自分なりに成長したわけだよね。引っ越し寸前の部屋に現れたエリナーは幻?
モトサヤに戻ったわけ?彼女の心の傷は何を以って回復したというの?分からんなあ。
WOWOWもエリナーの愛情の方を先に放映して欲しかったなあ。本作だけでは釈然とし
ないので、いずれエリナーの愛情を見た時に合わせてもう一度感想を書いてみたい。
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<ストーリー>
最愛の子どもの死をきっかけに互いの心がすれ違い、やがて別れを決断したカップルが、
再生へと向かう紆余曲折の道のりを、男女それぞれの視点から捉えた2つの作品で描き
出した異色作。本作はその女編。主演は「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャステインと
「つぐない」のジェームズ・マカヴォイ。監督は、これが長編デビューのネッド・ベンソン。

 ニューヨーク。幼い我が子を失った悲しみから神経をすり減らし、情緒不安定なエリナー。
夫コナーにも気持ちを分かってもらえず、互いの心は離れていくばかり。ある日、思いあまって
マンハッタン橋から身投げして腕を骨折してしまう。退院した彼女は夫のもとへは戻らず、
家族の暮らすウェストポートの実家に身を寄せる。心機一転とばかりに髪を切り、大学に
通い始めたエリナー。そんな彼女の前に、彼女の行方を必死に探していたコナーが現われるが…。
(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-07-03 21:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「リピーテッド Before I Go to Sleep」
2014年 アメリカ Scott Free Productions,Millennium Films.92min.
監督・脚本:ローワン・ジョフィ  原作:『私が眠りにつくまえに』 S・J・ワトソン
出演:ニコール・キッドマン、コリン・ファース、マーク・ストロング、アンヌ=マリー・ダフ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ネタバレしていますのでご注意ください
★は6.5。仕立ては違えど、記憶障害をテーマにした映画は何本かこれまでも観てきた。
「夢オチ」と同じで結構禁じ手な感じのターマだと思う。逃げこむ場が常に用意されて
いて、観客が先を読むことを容易に騙すことができるから。
本作もこの手の映画をやらせたらまず間違いないだろうところのニコール・キッドマンと
いかにも善人面のコリン・ファースという俳優を得て、まず観客のミスリードを誘う。
だいたいこの手の映画は近くにいる善人こそ悪者で、悪者らしく描かれる人物が
味方だったする。本作もそうで、ニコール演じる記憶障害の女性クリスティーンを
優しく庇護する夫ベン、という立場のコリン・ファース、片や、胡散臭そうな精神科医
ナッシュ(マーク・ストロング)。 冒頭からしばらく作品は見たまんまの善悪関係で進む。

何か変。という違和感を長年付き合ってきた友達から指摘されるが、なにせその日の
記憶は次の日にリセットされ、常に40歳のその後の記憶のないクリスティーンとなる訳
だからやっかいだ。医師ナッシュに勧められて夫に秘密で撮ってあるデジカメの動画
だけが頼るよすがだった。記憶障害になるほど殴った男を思い出せないクリスティーン
だったが、次第に記憶が留まるようになるのと、過去の一部が思い出せるようになって
いく(このあたりもご都合主義的ではあるが)。

ここまでくると想像の通り、ベンと称した男は夫ではなく、浮気相手のマイクであったのだ。
かつて密会したホテルに連れてこられてそれが分かる。(マイクも連れて来ちゃだめでしょ)
夫ベンとは別れた4年前から会ってはいないのだった。そしてまたそのホテルの部屋で
殺されかかる。しかし何とか反撃し、部屋から抜け出ることが出来た・・・。
そして病室。別れた本当の夫ベンが登場。そしてマイクから死んだと聞かされていた
一人息子マイクも4年後の成長した姿を見せたのだった。マイクは刑務所。

だいたいが、クリスティーンが浮気したこと、またベンも妻の親友と一夜の間違いを
したことがいけないのだけれどね・・・。ネタがバレてしまうと2回観る気が起きない作品。
舞台劇が似合うかもしれない。
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<ストーリー>
クリスティーン(ニコール・キッドマン)は、事故の後遺症により毎朝目覚める度に、
前日までの記憶が失われてしまう特殊な記憶障害を負っている。
夫のベン(コリン・ファース)は、結婚していることや夫である自分のことすらも忘れてしまう
そんな彼女を、献身的な愛で支えていた。

ある日、ベンの留守中にナッシュ(マーク・ストロング)という男から電話がかかってくる。
少し前から夫に内緒でクリスティーンの治療を行っているというその医師は、この数週間、
クリスティーンが毎日の出来事を密かに映像日記として撮影していると言い、その隠し
場所を告げる。日記を再生したクリスティーンは、自分の記憶障害の原因が何者かに
襲われて瀕死の重傷を負ったことによるものだと知るのだった。
やがてクリスティーンは“昨日の自分からのメッセージ”を頼りに、真相を追い始めるが……。」
(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-12 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ラン・オールナイト Run All Night」
2015 アメリカ Warner Bros.114min.
監督:ジャウマ・コレット=セラ
出演:リーアム・ニーソン、エド・ハリス、ジョエル・キナマン、エディ・コンロン、ニック・ノルティ、コモン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
リーアム・ニーソンとセラ監督は「アンノウン」や「フライト・ゲーム」など肩が凝らないサスペンス
アクションで組んだ実績がある。その二人が本作では「96時間」シリーズのような構成の
男臭いアクションものを作った。物語としては目新しいものはないが、この手の映画ではさすがに
構成や、画面の見せ方は上手く、緊張感は保ったまま終わりまで観ることは出来た。

今回の組み合わせは、ブロンクス辺りのギャングのボス(エド・ハリス)の軍隊時代から堅い
友情で結ばれた絆の元、彼のためのヒットマンをやってきた。その息子マイクは貧しい親の無い子
のボクシング指導などしてまともに暮らしている。夜はリムジンの運転手だ。

ボスであるショーンはかつては麻薬などもやっていたが今は堅気の商売をしている。しかし
息子のダニーの出来は悪く、父親であるショーンを困らせていた。

この二人の親子が対立軸となり、殺し殺されるというアクションが繰り広げられる。できの悪い子を
持つボスと、ヒットマンを親に持つ真面目な子。
事件は、覚せい剤取引の仲介をした息子ダニーが父親ショーンに、仕事を引き受けてくれと
頼まれたものの、「もうヤクはやらないと決めたんだ」と断られる。このためダニーに話を
持ちかけたアルメニア人マフィアは、激怒してダニーに着手金を返せ、と迫る。ここで銃撃戦。
リムジンの運転手として事件があった家の前で待機していたマイクは、ダニーに銃を突きつけられ
「目撃者」として殺されそうになった。そこを救ったのが父ジミー(リーアム)だった。

ジミーは親友ショーンに息子を殺した、と電話。ショーンは掟であるのだろう、俺はお前ら親子を
殺す、と宣言し、手下たちに二人を探させるのだ。
さあ、それからが大変。ジミーとマイクは、汚職警官、殺し屋、組の人間などが総がかりで親子を
追いスリリングな追跡劇が繰り広げられる。

冒頭のシーンは夢のように構成されているのだが、次第にそれが現実のエンディングに
なっていることに気付かされる。ストーリーの凡庸さは画面作りによって生まれる
緊迫感とテンポでカバー出来ている。NYの街なかを、息子を連れ去った悪徳警官の乗った
パトカーを追いつめる父ジミーのカーチェイスも道中はよくあるパターンだが結末にリアリティが
あり良かったんじゃないか。
画面作りもそれぞれびっくりするものではないのだが、効果的に使われ全体を引き締める
役割を担う。キャスティングが渋く、落ち着いてみていられるのもいい。
私は、ラストで殺し屋プライスが再度現れて、一騒動あるんじゃないか、と思っていたら
当たった。かように、先々が予想出来ないようなストーリーではないし、突き詰めていけば
つじつま合わせのようなところもあるが、一夜の出来事を上手くまとめられたんじゃないだろうか。
タイトル通り、夜通し走りまくるわけだ。
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<ストーリー>
ジミー・コンロン(リーアム・ニーソン)は、ブルックリンを縄張りとするマフィアの一級の殺し屋。
だが、これまでに犯した罪の重さに苛まれ、ウイスキーを呷ることだけが日々の慰めとなり、
仕事のせいで家族からも疎まれていた。

そんなある日、命を狙われた息子マイクを救うため、ジミーはその相手を殺害してしまう。
だが、彼が殺したのは、マフィアのボスで長年の親友、ショーン(エド・ハリス)の息子だった……。
“お前とお前の息子を殺す”と、復讐に燃えるショーン。マフィア、買収された警察、
凄腕の暗殺者……。今やジミー親子は、ニューヨーク中から狙われる身となっていた。
残された時間は“たったひと晩”。刻々と命の期限が迫る中、果たして2人は逃げ切ることが
できるのか……?(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-05-11 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ロシアン・スナイパーBitva za Sevastopol 」
2015 ロシア・ウクライナ 123min.
監督・(共同)脚本:セルゲイ・モクルツキー
出演:ユリア・ペルシルド、ジョーン・ブラッカム、エフゲニー・ツィガノフ、ヴィタリー・リネツキー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ロシア映画を観るという機会はあまりないが、WOWOWで放映していた本作を鑑賞。
「アメリカン・スナイパー」を彷彿とさせるタイトルに釣られたのだが、本題は「セヴェストポリの
戦い」。 凄腕スナイパーとしてドイツ軍に恐れられた実在の女性、リュドミラ・パブリチェンコの
物語である。ハリウッドなどの西欧の映画にはないシーンや画面作りがあって、CGもまあ
鑑賞に耐える範疇なので、主人公の存在の面白さが加わり、面白く鑑賞することが出来た。
ロシアによるクリミア半島の併合事件があったばかりで、ウクライナ出身のパブリチェンコを
描くことで、プロパガンダに役立てようと言う試みが透けて見える感じもある。

パブリシェンコをどういう女性として描きたいのか、今ひとつピント来ず、途中で挿入
される現代ポップス系の歌などもあり、恋愛模様があるのならそれでいいのだけれど、
ハードに徹したほうが味わいが出たのではないか。

時制が1942年に彼女がアメリカを訪れた時を中心にスナイパーとして309人を殺害した
戦場の1937から1941年のセヴェストポリの戦いまで、いったり来たりしながら、
1957のスーズベルト夫人の回顧と、目線が落ち着かない所も難点である。

大学で歴史を学ぶパブリチェンコが、射撃ゲーム場で遊んだ結果が良かったことから
ドイツ軍のソ連侵攻を受けて赤軍のスナイパーとしてスカウトされる。
なぜ、スカウトを受け入れたのか。最初のうちは前線でゲーム感覚で狙撃をしていて
上官からたしなめられるというシーンも有り、一体彼女の心のなかはどうなっているのだろう、
男になり切ったのか、と思いきや、上官に恋してしまい、その上官が戦死すると次の上官にも
恋してしまい、子供が欲しいとか言い出す。その上官も彼女を守って戦死すると、ずっと
彼女を好きだと言い続けてきた大学からの友人の医師を伴侶として迎えることになる。
節操ないの?とか思ったり。

アメリカの欧州戦線への応援を得るためにプロパガンダ要員として繰り出された
パブリチェンコ、彼女を優しい美しい女性としてみるルーズベルト夫人と本国から
ついてきた男の間で、自身アメリカでどう振る舞うべきか迷っている。
「男など振り向かない冷徹な女か、と思えば上官にスグ惚れるという性格も描かれる
のだが、あくまで女性として恋に悩み、英雄という立場に戸惑い、と揺れる心も
あったりで、初めのほうで描いたとおり、散漫になった感じなのだ。

最初の方のドイツ軍との戦闘でロシア兵がほとんどヘルメットを被っていないことに
びっくりした。
309人のファシストを殺した、と自己紹介するのが1942年ワシントンで開かれた世界
学生会議のソ連代表メンバーとして参加した折なのだが、42年後半という年が
先の大戦でどういう年だったのかという所をネットで調べてみた。ソ連にとっては
なかなか大変な年であったようだ。
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<ストーリー>
1941年.ナチスドイツによるソ連侵攻が開始され、まだ大学生だったリュドミラ・
パブリチェンコ(ユリア・ペレシド)は、女性ながらその非凡な射撃の才能を買われ、

ソ連軍兵士として戦場に身を投じていく。
狙撃兵として次々と標的を仕留めるリュドミラは、やがて敵からは“死の女”と恐れられ、
軍上層部には英雄として讃えられながら戦意高揚の道具として利用されていくのであった。

戦場で芽生えた恋、愛する人の死、そして新たな出逢い……。その間も戦況は悪化し、
ソ連軍は黒海北岸のセヴァストポリ要塞に追いつめられる。そして10カ月におよぶ
ドイツ軍とソ連軍の壮絶な攻防戦が始まった……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-05-07 23:40 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「レヴェナント:蘇りし者 The Revenant」
2015 アメリカ Regency Enterprises and more.156min.
監督・(共同)脚本:アレハンドロ・G・イリニャトゥ 音楽:坂本龍一
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター他
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<2015年度アカデミー賞監督・撮影・主演男優賞受賞作品>
<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
改めてイリニャトゥの手腕に唸った2時間半だった。舞台はアメリカ北西部と思しき
雪原。持っている銃から推察するに、いわゆる西部劇の時代よりやや早い時期か。
(資料によれば1823年とある)実在したハンター、ヒュー・グラスの話をまとめた
マイケル・パンクの原作を映画化したもの。

西部開拓の一行は狩猟をしながら皮を作り、稼いでいくハンターの一団だ。ガイド役を
務めるのがグラス(ディカプリオ)と息子のホーク。グラスは狩りの腕前も一流の
凄腕のハンターであった。その彼の身に降りかかる災難をダイナミックに描く。
と書くと簡単だけど、ダイナミックなんて言葉では到底足りない。

「壮絶」という言葉が見ている間頭を巡っていた。それはグラスが一流のハンター
だからこそのシーンだといえる。やはりディカプリオの、どれだけ体を張るの、と
思わせるそれこそ体当たりの演技は、圧倒的だ。
また、シーンというか舞台が雪原しかないので、しかもほとんど色彩というものがない
世界において、2時間半の映像を、飽きさせる事無く描くイリニャトゥと撮影監督
エマニュエル・レベツキ(3年連続受賞)の作画は、逆に雪原だからこその力をもって
観る人に迫ってくる。レベツキの映像は「ゼロ・グラビティ」や「バードマン
(あるいは~)」のように長回しのケレンミ、というようなものはないが、シンプルな
構成の中に観客を引き込む魔法のような画作りは、形容のしようがないほどだ。
確かにグリズリーとグラスの戦い、また馬のはらわたを出してその中に入って夜を
過ごすなどの過酷なシーンでびっくりするところはあるのだけれど、それにしても
目線のつけ方でシーンに引き込む手腕は、なるほどなあ、と唸るしかない。

本作ではインディアン(先住民)との事にも多くの時間が割かれ、復讐は自然の手に、
という彼らの言葉はグラスの心に重く伝わる。ラスト、先住民も現れて、グラスの
復讐は完結するのだが、ラストシーン(ラストカット)で、グラスがカメラ目線に
なる(と私は感じた)のだが、息子や隊長の復讐を遂げても、息子は帰ってくるわけ
ではなく、先住民の言うように復讐は自然の手に委ねたのではあるが、それでグラスの
心は満たされたのか、映画を観ているあなたはどう考えるのだ、と問うているような
目線だった。あの厳しい自然と闘い抜いた力は、息子を愛する力、ということになる
のだけれど、その愛情の(執念ともいえる)力の凄さにも括目せざるを得ないわけだ。

またラストシークエンスは原作者やイリニャトゥの先住民に対する
敬意のようなものを感じたのだった。

まあ、またこの作品で、個人的年度ナンバーワンは決まったかなあ。

※ 2016 6月4日(土)ホノルルからセントレアに帰国の機内で、復習のため鑑賞。
   凄さを再確認した。上記に書いた初見の感想は間違っていないなと。
   2度めとなるとカメラワークやアングルなどにも注意を払うことが出来、他重層的な
   完成度の高さを誇る作品であることが分かったのだった。

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<ストーリー>
 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のアレハンドロ・G・
イニャリトゥ監督がレオナルド・ディカプリオを主演に迎え、過酷な大自然の中で
繰り広げられるひとりの男の壮絶な復讐劇を壮大なスケールで描いたサバイバル・
アクション・アドベンチャー。
共演はトム・ハーディ。第88回アカデミー賞では監督賞、撮影賞に加え、極寒の
大自然を相手に体当たりの熱演を披露したレオナルド・ディカプリオが、みごと
悲願の主演男優賞を初受賞した。
 
 1823年、アメリカ北西部。狩猟の旅を続けている一団が未開の大地を進んでいく。
ヘンリー隊長をリーダーとするその集団には、ガイド役を務めるベテラン・ハンターの
ヒュー・グラスとその息子ホーク、グラスを慕う若者ジム・ブリジャーや反対に
グラスに敵意を抱く荒くれハンターのジョン・フィッツジェラルドなどが一緒に
旅をしていた。

ある時、一行は先住民の襲撃を受け、多くの犠牲者を出す事態に。混乱の中、
グラスたち生き残った者たちは船を捨て陸路で逃走することに。そんな中、グラスが
ハイイログマに襲われ、瀕死の重傷を負ってしまう。ヘンリー隊長は旅の負担になると
グラスを諦め、ブリジャーとフィッツジェラルドに彼の最期を看取り丁重に埋葬する
よう命じるのだったが…。(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-05-05 14:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ラスト・リベンジ Dying of the Light」
2015 アメリカ TinRes Entertainment,Over Under Media.94min.
監督・脚本:ポール・シュレイダー
出演:ニコラス・ケイジ、アントン・イェルチン、アレクサンダー・カリム、イレーヌ・ジャコブ他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
年老いて引退間近のCIAエージェントが、認知症にかかりながら、22年前の復讐に
乗り出す、という設定自体はいいのだが、セリフでの説明ばかりが多く、映画としての幅を
感じることが出来ず、さらに、致命的だったのが、ラストシーンの、それまでの設定を
ぶち壊す「理屈の通らない」展開。 ロケ地はアメリカ、東欧、アフリカと展開するのだが、
その割には広がりを感じなかった。

ネットで調べると、この映画のグダグダ具合は、名手ポール・シュナイダーやニコラス・ケイジの
責任では、どうやらなさそうで、ポスプロの段階で製作側から相当な横槍が入って、
シュナイダーが本来目指していた映画とは違った出来になったようだ。

認知症の中でも重症で、余命幾ばくもないという診断を受けたエヴァン・レイク(ニコラス)が
若手の相棒、ミルトンや、ブダペストで活躍していた頃の恋人にしてジャーナリストの
ミシェルの手を借りて、22年前のエヴァンの最大のトラウマでありやり残したことである
イスラム過激派の、死んだと思われていたバニールへの復讐に乗り出すのだ。

妄想行動や突然の感情の変化など、重症の認知症としての出方がもう少し描かれると
良かった。ラスト近くに、22年ぶりに対面を果たしたエヴァンとバニール。
片や重度の認知症で、片や「地中海高血圧」という重症の病で立てもしない身体。
対決したエヴァンは、バニールを前にして何をしていいか分からず、「帰るわ」と言って
その場をさってしまう。そのあたりは良かったのだが、その後、バニールの手下が
エヴァンたちが滞在したホテルに銃を乱射しながらやってきて、そこでエヴァンも
ミルトンも怪我を負う。

その後だわ、変なのは。記憶障害が出ているエヴァンは一度しか行ってないバニールの
アジトに車で急行。(よく覚えていたな) 車いすのバニールを殺しにかかる。
復讐を遂げたエヴァンは帰り道、呆然としたのか意識消失なのか、トラックと正面衝突し
命を落とす。

冒頭、彼がCIAの新入職員に対し、伝説のエージェントとして訓示するが、今や堕落し
力を失ったCIAを叱咤する演説がラストで繰り返される。
何だか、昨今ヘタレになったCIAを励ますような映画なのか?と思ってしまったのだ。

IMDb4,4の評価も致し方無い出来となってしまった。
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<ストーリー>
30年のキャリアを誇るベテランCIA捜査官エヴァン・レイク(ニコラス・ケイジ)は、CIAに
入る以前はアメリカ海軍でも国に忠義を尽くすなど、輝かしい経歴を持っていた。
しかし、「自分はまだまだ現役として現場で役に立つ人間だ」と主張するレイクに、上司は
華々しい式典の約束と引き換えに引退を勧告する。

そんなとき、レイクを慕う部下・若きCIA捜査官ミルトン・シュルツ(アントン・イェルチン)が、
22年前の合衆国ミッション遂行中にレイクを監禁し拷問した政治過激派のテロリストリーダー、
モハメド・バニール(アレクサンダー・カリム)がケニアに潜伏している可能性がある、
という情報を突き止めた。
その忌まわしい過去の記憶を、レイクは22年間一時たりとも忘れたことはなかった。
死んだと思われていた仇敵がどこかで生きているはずだと信じていたレイクは、シュルツと
共にルーマニアに飛ぶ。

女性密偵ミシェル・ズバレイン(イレーヌ・ジャコブ)の力を借りながら、バニール生存の
証拠を掴むことに成功するが、レイクは末期的な認知障害と医者に診断され、記憶が
混濁するなど不安定な健康状態が続き、残された命は僅かになろうとしていた。しかし
レイクは自分の肉体と精神に消えない傷を刻み込んだ宿敵バニールへの復讐に燃え、
国家の威信と名誉、正義を守るため、自らの命を賭けてケニアへ最後の闘いに乗り込
んでいく。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-04-19 22:50 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

ルーム Room

●「ルーム Room」
2015 アメリカ  Element Pictures, No Trace Camping.112min.
監督:レニー・アブラハムソン  原作・脚本:エマ・ドナヒュー 『部屋』(講談社刊)
出演:ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ、ジョーン・アレン、ショーン・ブリジャーズ
   ウィリアム・H・メイシー他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
物語の主題は、7年間の幽閉後の二人+周囲の人々との心理劇にある。故に、幽閉の
舞台裏は割とあっさり冒頭部分で明かされていく。なぜ幽閉されているのか、という事に
ついては。7年間の幽閉生活、5年間まったく「ルーム」以外に外界を知らない男の子が
存在できるのかどうか、は心理学専攻じゃないのでよくわからないが、もしそうだとして
その男の子が感じるであろう、驚きや恐怖などが、実に細やかに描かれていく。

結構重いテーマを観る人に投げかけている。特に拉致され犯され、子供を生みさらに
5年間幽閉されたジョイ(ラーソン)の、脱出してからの社会復帰へ向けた精神的苦痛は
見ていて辛いものがあった。

ブリー・ラーソンは本作でオスカー主演女優賞を獲得したのだが、個人的にはジャック役の
ジェイコブ君に主演男優賞をあげたかった位、彼の子どもとは思えないナチュラルな演技は
驚異だ。かわいいと言うより美男子だし、髪を切らずに5年いたので女の子みたいだった。
親子の物語であるが、主演はやはりジャック君だ。

ヒット小説がベースで骨子の面白さは担保されているのだが、とても映像向きの小説で
あるのだな、と想像できる。これを映画化(低予算)したプロデュースの勝利だろう。
この手の映画は単館上映になりがちなのだが、ラッキーにもいつも行くシネコンで上映
してくれたので行って来たが、日曜の朝イチではあったが、小さい小屋の観客はまばら。
早々に終わってしまうだろうなあ。

5年間「ルーム」以外に世界を知らず、この部屋が宇宙であり、テレビで見る人間は宇宙人で
あると信じてきたジャック。ママが結構丁寧に教育したおかげで、その割にはきちんと育って
いた。そのジャックが「ルーム」からの脱出に成功、警察に保護され、ママも保護。

ジャックが目にするもの、例えば最初に出くわす犬を連れた男。本物の犬!そして変な制服
を着た警官!どこまでも広い空!みたこともない木々!たくさんの人!初めて合うジィジと
バァバ! 宇宙とは地球とは、世界とはなんと広く未知なものに溢れているのだろう!という
感激を、次第に減りゆく恐怖とともに吸収していく。よく自閉症にならなかったな、友達と
遊べるようになるなあ、と感心した。ジャックの素直な吸収力、感謝を忘れない心は5年間の
ルームでのママの教育の成果、と言わざるを得ない。
最初のうちはママ、ママと母親離れが出来ない子であったが、それも次第に修正され、実は
無垢なゆえに母よりも社会に馴染む速度は早い。そして母から離れていく速度もまた早い。
そうしたジャックの心理を表現する映像、たとえばベッドから素足で降りるリノリウムの床の
感触のカットとか、がとても上手く演出できていたと思う。

一方ママは7年後の社会復帰で、混乱と不安に苛まれる。行方不明の女性が子供と
長い幽閉期間の果てに脱出、(犯人は逮捕されるのがテレビニュースで流れる)、マスコミや
世間の注目は半端ない。ついに彼女は睡眠薬自殺にまで追い込まれる。

ラスト、ママとジャックは「ルーム」を再び訪れ、ジャックは、家具など一つ一つにサヨナラを
いう。そして「ママもサヨナラを言えば?」と言う。ここに二人の温度差が如実に現れて
いる。「ルーム」を去る二人。未来は決して楽ではないだろうが、明るい青空は広がっていると
胸熱くなり映画は終わっていくのだ。

蛇足だが、ジャックを保護した女性警官が、天窓の付いた納屋をたちまち発見し、ママも
あっさり救出されるところ、とか、「ルーム」が住宅街にあったにもかかわらず、ママは7年間
何らかの脱出のサインを出すことは出来なかったか、とか、簀巻になったジャックが男(父)の
トラックから脱出するところ、犬を連れた男と出くわすシーンでは男(父)の行動がドタバタ
過ぎる、とか、ツッコミはあるけれど、全体に、よく出来た作品だ。
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<ストーリー>
ある日、拉致監禁され、一児の母親となった女性が絶望的な状況からの脱出に挑む姿を
描く人間ドラマ。子役時代から数々の作品に出演し、『ショート・ターム』で注目を浴びた
ブリー・ラーソンが、息子と共に生き延びようとする母親を演じる。
監督は被り物をしたバンドマンを描いた『FRANK フランク』のレニー・エイブラハムソン。

ママ(ブリー・ラーソン)と5歳の誕生日を迎えたジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)は、
天窓しかない狭い部屋で暮らしている。夜、二人がオールド・ニックと呼ぶ男がやってきて、
服や食料を置いていく。
ジャックはママの言いつけで洋服ダンスの中にいる。ママは「息子にもっと栄養を」と
抗議するが、半年前から失業して金がないとオールド・ニックは逆ギレする。

さらに真夜中にジャックがタンスから出てきたことで、ママとオールド・ニックは争う。
翌朝、部屋の電気が切られ寒さに震えるなか、生まれてから一歩も外へ出たことがない
ジャックに、ママは真実を語る。
ママの名前はジョイで、この納屋に7年も閉じ込められていた。さらに外には広い世界が
あると聞いたジャックは混乱する。電気が回復した部屋で考えを巡らせたジャックは、
オールド・ニックをやっつけようとママに持ち掛ける。しかし、ドアのカギの暗証番号は
オールド・ニックしか知らない。ママは『モンテ・クリスト伯』からヒントを得て、死んだフリを
して運び出させることを思いつく。

ママはジャックをカーペットにくるんで段取りを練習させるが、恐怖から癇癪を起こす
ジャック。ママは、“ハンモックのある家と、ばあばとじいじがいる世界”をきっと気に入ると
励ます。しかし、「ママは?」と尋ねられると、2度と息子に会えないかもしれないと知り、
言葉に詰まる。そして、オールド・ニックがやってくる。脱出劇は失敗しかけるが、
ジャックの記憶力と出会った人たちの機転で、思わぬ展開を迎える。

翌朝、ママとジャックは病院で目覚める。ママの父親(ウィリアム・H・メイシー)と母親
(ジョアン・アレン)が駆けつけるが、二人が離婚したことを知ってママはショックを受ける。
数日の入院後、二人はばあばと新しいパートナーのレオ(トム・マッカムス)が暮らす家へ行く。
しかし意外な出来事が次々とママに襲い掛かる。一方、新しい世界を楽しみ始めたジャックは、
傷ついたママのためにあることを決意し……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-04-10 10:08 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「6才のボクが、大人になるまで。 Boyhood」
2014 アメリカ IFC Productions (presents),Detour Filmproduction.165min.
監督・脚本・(共同)製作:リチャード・リンクレーター
出演:パトリシア・アークエット、エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレーター、イーサン・ホーク他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
劇場に観に行こうと思っているうちにタイムアップになってしまった作品。昨年のオスカーを
賑わせて、助演女優賞にパトリシア・アークエットが選ばれましたね。

この映画の凄いのは、役者が演技しているのだけれど、6才から18才まで同じ人が演じて
いるので、リアリティが滲み出て来て、まるで本当の家族の歴史、子どもたちや家族の成長の
話を観ているような気になること。WOWOWでの鑑賞だったが、「W座」の小山薫堂も言って
いたが、日本には「北の家族」という本作よりもっと長い間かけた作品がある。
しかし、1本の映画にリアルな12年間を閉じ込めたという意味では、迫力の差は自ずと出ると
思う。

主人公はメイソンという男の子ではあるが、その姉サマンサ、そして母オリヴィア、離婚して
しまうけど父メイソン・シニアの家族の物語でもある。あたりまえのことだけど、12年の年月で
子供は成長し、大人は老いる。それは残酷なほど画面にあらわれる。

冒頭、メイソンが6歳のガキの頃は、大した話題もなくどちらかというと夫婦の話に重きを
置く。このままこのようなタルい話を160分以上も見せられるのか?と思っていると、時間の
積み重ねとともに、俄然面白くなっていく。それは何故か。

メイソンとサマンサが自我を持ってくるからだ。自分の考えを持ち自分で何かをしようとする
時、それは周囲に影響を与え、物語を作る。
メイソンという男の子は、どちらかというとゲームが好きなオタク系の大人しい子で、根は
優しいが、ワルに誘われれば、14才でビールも飲むし、ハッパもやるような大胆さもある。
彼は誕生日に買ってもらったカメラが気に入り、その才能が開花、大学も写真方面に進むの
だが、高校時代の学校の暗室での教師との会話が良かった。

メイソンの両親は離婚し、母は再婚するのだがこの相手が最悪な高圧的暴力夫であった。
家族で逃げ出し、母の友人の家に転がり込む。母は大学で教鞭を取る、という夢に
向かって修士号を獲り、大学に就職、更に3度めの結婚をする。そんな母親の成長の
記録でもある。二人の子供を大学に出し、自分の人生を生きたいという気持ちも二人の
子供を前に遠慮なく発言する。舞台となっているのがテキサスというアメリカでも保守的な
あるいは男尊女卑的な風土を持ったところ、という面もこの映画のポイントであろう。
そうした風土の中で母が女として自分の人生を如何に生きるか、という点も見どころである。

さて、われらがメイソン君だが、若者のエネルギーは「リビドー」だなあ、と感じさせる成長を
する。素直な子なので、大したトラブルもなく、また頭もいいので、苦労することもなく
テキサス大学に進む。姉のサマンサもテキサス大学だ。 中学の頃から恋愛感情がふつふつと
湧き上がり、高校から大学では美女をしっかりものにし、でもその美女はラクロス部の
スポーツマンの方にいってしまう。失恋もしっかり経験するのだ。そしてまた成長するのだ。

折節に実父のシニアがいいことを言う。この父親はミュージシャン志望だったのだが、売れず、
保険会社に就職し、再婚。赤ちゃんがいた。
後半、家族全員で父のギターに合わせて唄うところがあるが、こういうことって中々出来ない。
つまりメイソンの一家はいい家族なんだな、いい家族になったのだな、と分かる。
できすぎな感じもあるが、出てくるパーソナリティが、暴力義父以外みんないい人なんだな。
いい人に囲まれ良い家族が出来上がっていく。実際はそんなに上手くは運ばないケースも
多いとは思うが。

つまり、子供も親もその親も、誰一人自分一人では生きてはいけず、お互いが影響し合い
尊敬し合い、愛しあい、「自慢の息子だ」「自慢の母だ(父だ)」と言える家族を努力して作り
上げていく、家族として生きるということはそういうことなんだ、というとても大事なことを、
この映画は教えてくれる。

メイソン君はオーディションで選ばれた男の子。思春期になると顔にニキビが出来たり、その
過程の映像も楽しい。また姉サマンサはリンクレーターの娘だろう。長時間のドラマに拘束
するには都合も良かったし、自分の娘の記録にもなると思ったのかもしれない。
オスカーを獲ったが、母オリヴィアのパトリシア・アークエットは、その体型の変化や顔のシワ
まで含め、いい演技だったと思う。また父シニアのイーサン・ホークも12年の歳月をいい意味で
感じさせ良かった。

ラストはメイソン君の新しい恋の予感を示唆して終わる。

いい映画を観ました。
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<ストーリー>
第64回ベルリン国際映画祭で監督賞にあたる銀熊賞に輝いた、『ビフォア・ミッドナイト』の
リチャード・リンクレイター監督によるヒューマンドラマ。6歳の少年メイソンの成長とその家族の
変遷を、主人公や両親を演じた俳優など、同じキャストとともに12年にわたって撮り続ける
という斬新な手法で描く。

テキサス州に住む6歳の少年メイソン(エラー・コルトレーン)は、キャリアアップのために
大学で学ぶという母(パトリシア・アークエット)に従い、姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)と
共にヒューストンに転居、そこで多感な思春期を過ごす。
アラスカから戻って来た父(イーサン・ホーク)との再会、母の再婚、義父の暴力、そして初恋……。

周囲の環境の変化に時には耐え、時には柔軟に対応しながら、メイソンは静かに子供時代を
卒業していくのだった。やがて母は大学で教鞭をとるようになり、オースティン近郊に移った
家族には母の新しい恋人が加わっていた。
ミュージシャンの夢をあきらめた父は保険会社に就職し、再婚してもうひとり子供を持った。
12年の時が様々な変化を生み出す中、ビールの味もキスの味も、そして失恋の苦い味も
覚えたメイソンはアート写真家という夢に向かって母親から巣立っていく……。(Movie Walker)
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by jazzyoba0083 | 2016-02-14 22:50 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

ロスト・フロア Séptimo

●「ロスト・フロア Séptimo」
2013 スペイン・アルゼンチン CEPA Audiovisual,and more.88min.
監督・(共同)脚本:パチ・アメスクア
出演:リカルド・ダリン、ベレン・エルダ、オズバルド・サントロ、ルイス・シエンブロウスキー他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
欧米以外の映画はあまり見ないのだが、今回はあらすじに惹かれWOWOWにて
鑑賞。スタッフ、キャストともに知っている名前は無い。

犯人は身近にいる、というこの手の映画の常道を地で行くような映画で、さらに
真犯人を特定する過程でのミスリードを仕掛け、観ている人を欺こうとする。
原題は犯行の舞台となる一家が住むマンションの「7階」を意味するスペイン語。
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さて、その7階に住む弁護士セバスチャン、かなり危ない人達の弁護をしている風。
妻デリアとはスペインで出会ったが、彼が妻の親友と浮気、これがバレて離婚の
方向で話が進んでいた。
そんな中、セバスチャンの裁判が佳境を迎えた日、子供二人(小学校2年生くらいか)と
出勤。登校する子どもたちと一階へと向かう。
妻から階段とエレベーターで降りる競争はしないでね、といわれるのに(ここがまず
ミスリード)、セバスチャンはエレベーターで、二人の子供は階段で一階を目指した。
エレベーターは途中でなぜか一回停止、すぐに動くが、セバスチャンが一階に降り立って
みると子供らの姿がない。子供らのいたずらか?(その前にかくれんぼしているシーンが
ある=これもミスリード)と思ったがいろいろ探せど見当たらない。

管理人はずっと玄関を見ていたが通っていないと証言、学校にも登校していないという。
そうしている間にも出廷しなければならない裁判が始まろうとしている。
セバスチャンは妻に知らせ、同じマンションに住む警視に相談し、警察も出動し
捜索が始まる。誘拐されたのか? セバスチャンは浮気相手だった女性の部屋、普段から
おかしな風体の男の部屋、前科のある男の部屋などを探すが見当たらない。
妻はセバスチャンを疑うセリフを吐くが、やがて納得(これもミスリード)。
管理人を疑ったり、警視を疑ったりしたが、身代金要求の電話もかからない。さあ・・・。

やがて、女の声で、10万ドルと引き換えに子供を解放する、と電話が入る。警視は警察と
連携しろ、というがセバスチャンは断り、自分の弁護士事務所の悪徳ボスを脅して
現金10万ドルを入手、犯人が指定した駐車場へと向かう。

警察?の内部にいる友人に警視の過去を探らせると、警視は最近人身事故を起こして
いて、10万ドルほどが必要だったと知らせてくれた。セバスチャンは警視に詰め寄るが
それとこれとは別だ、と逆に殴られる。(ここがまたミスリード)

やがて身代金を置いた場所に自転車に乗った少年が現れ、現金を確認し携帯で
犯人と思しき人物と会話し、金が入っていたことを確認すると去っていった。
すぐに犯人からセバスチャンの携帯に連絡が入り、現金を確認したので子供らは
開放する・・・とまで聞いたところで携帯のバッテリーが切れて子供らがどこで解放されるのか
が聞き取れない。急いで自分の家に帰ると、友人がマンションの前で待っていて、
二人はずっとマンションの4階に居たようだ、無事だという。急いで自室に行くと妻に
しがみつく二人の子供の姿。セバスチャンも近寄り二人を抱きしめる。

実はその前に、妻と警視がつるんでいて此の計画を立て、金に困っている警視には
現金を、子供の親権を獲得してスペインに帰りたい妻は離婚届へのサインを狙い
仕組んだ犯行だったことが明かされる。

犯人は逮捕されていないが、子供らは無事で、妻ともう一度やり直さないか、と語る
セバスチャンだったが、妻は私達より子供を考えましょう、と離婚を迫り、ついにセバスチャンは
サインする。パパと別れるのは嫌だという子供らを説得し、夜中の便でその日のうちに
スペインに行こうとする妻。3人は空港に向かい、チェックインを済ます。

その頃、セバスチャンは子供らが閉じ込められていた部屋に行き、様子を見る。そこには
警視に頼まれて電話連絡を担当した女が、「警視から掃除をしておけ」と頼まれたと
説明している。しかし、ゴミの中に子供が常用するクスリの袋を発見。事件の全貌を理解した
セバスチャンは空港に急行する。飛行機に乗る直前の3人を見つけ、妻に事の次第を
説明する。親権を譲らない姿勢の妻も、子らが刑務所に面会に行くのか?と言われ、
自分だけスペインに行けと言われたことに従う。
子らはセバスチャンにつれられてマンションに戻って行った・・・。エンド。
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ま、一応筋は通っているのだが、突っ込みどころもある。妻は警視に多額の借金がある事を
どうやって知ったのか。妻は自分がやめとけと言った階段競争をその日にやることと
どうして確信でき、またそれを警視に連絡したのか。子供の親権のためにそこまでやるか、
という動機の重さが感じられない。子供は取り戻したが10万ドルと失った社会的地位は?
セバスチャンは一切を伏せてこれから生きるつもりなのか?全体にもう少し引き締まり感が
欲しかったな。子供が消えるという設定は良かったのに骨子と終わり方がトホホな状態だった。
緊迫感も中程度也。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-02-02 22:45 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)