カテゴリ:洋画=ら~わ行( 174 )

●「ラストミッション 3 Days to Kill」
2014 アメリカ・フランス EuropaCorp,Relativity Media,Wonderland Sound and Vision.117min.
監督:MacG 原案・(共同)脚本:リュック・ベッソン
出演:ケヴィン・コスナー、アンバー・ハード、ヘイリー・スタインフェルド、コニー・ニールセン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
よく見かける老スパイものなのだが、原案と共同脚本にベッソンが入っているので、
ケヴィン・コスナー主演ということもあり、観てみました。冒頭、CIA長官から、過激派に
核ミサイルを売りまくっている「ウルフ」と、その手先の「アルビノ」を抹殺するように
女エージェント、ヴィヴィ(アンバー・ハート)が任命されりる。ユーゴでの頼みになる相棒は
イーサン・レナー(コスナー)というエージェントだ、と言われる。
ベオグラードのホテルのホテルでの、すでに一仕事終えたイーサン、協力したアジア系の
ハウスキーパーに化けたエージェントと、イーサンとの戦い、CIAが待ち構えていることを
察知した一味が取引中止を決めた後の大銃撃戦、などスタートはなかなか宜しい。そのあたり
ベッソンの迫力が効いている。

イーサンは実はガンの一種で余命3か月も無い重病の身。その割にはやつれもみえず
アクションバリバリで元気なんだけど。ww
ヴィヴィは、彼の病気に効く試薬をやるから、「ウルフ」を殺れ、と。私は「アルビノ」を殺るからと。

一方、イーサンには高校生の娘ゾーイがいて、長年離れて生活しているので、自分の余命が
僅かということもあり、妻と娘がいるパリに帰ってきた。家族にはもちろんCIAということは伏せて
あり、世界を飛び回る営業マンということになっている。
妻とは別居状態、パリの自宅に帰ってみると、知らない黒人一家が住み着いている。空き家を
放置すると悪霊が住み着くから住んでやっているという。警察に言っても、住んでしまった方に
権利がある、というわけのわからないことを言われて、仕方なく、一部屋自分のものとして
武器を管理して住み始めた。黒人一家の娘に赤ちゃんが生まれたら出て行くことを約束して。

そうこうするうちに、娘ゾーイの青春まっただ中の素行が危なっかしくて心配する父イーサン。
自分が「ウルフ」に雇われた殺し屋に狙われるなか、殺し屋は娘の写真も持っていた。
猛然と娘の行方を追うイーサン。CIAの追撃にしばらく身を隠そうとしていた「ウルフ」であったが
ゾーイがボーイフレンドの家のパーティーに招かれ、イーサンと妻も、彼の両親に合うために
ボーイフレンドの家に赴くが、そこで彼の父親のパートナーだ、と紹介されたのが「ウルフ」だった
のだ。(そんな予感はしたけどね。私は彼の親がウルフかと思ったけど)

そこで繰り広げられる銃撃戦。イーサンは試薬の副作用で肝心な時に目が回るということ
なのだが、地下鉄に逃げた「ウルフ」を追い、あと一歩ということころで「アルビノ」に捕捉され、
地下鉄の電車で殺される所、間一髪で「アルビノ」を線路に落とし、九死に一生を得たが、
「ウルフ」はまだ生きている。イーサン危機一髪ということろに、例のヴィヴィが現れて、
「フルフ」の銃を持つ手を押さえ、イーサンに殺せ、と命ずる。しかしイーサンは病気も試薬の
お陰で好転してきたこと、長い間家族に迷惑をかけたことなどから、この仕事から足を
洗おうとしていた。「殺せない」というと、ヴィヴィは容赦なく、「ウルフ」を射殺したのだった。

ラスト、海岸で遊ぶ家族3人。やっと平穏な家族の時間が帰ってきたのだった。

そんなお話。銃撃シーンとカーチェイスはさすがに迫力ある。パリの狭い道で高速での
チェイスはベッソンならではの演出で、見応えありだ。真ん中あたりまで、スパイものと
家族ものが上手い配合で面白い映画になっいるな、と感じていた。自転車にのれない
娘にモンマルトルの広場で自転車を教えるシーンとか、一味の経理士を見つけるために
一味の運転手を捕まえて、その運転手とのやりとり、捕まえた経理担当とのスパゲティ
ソースのやりとりなど、ユーモアも欠かさない。しかし、特に親子関係の物語がありきたりで
ピリッとせず、アクションものとしても、せっかく賊が娘の写真を持っていたのだから、もっと
ゾーイに危機が迫るとか、リーアム・ニーソンばりに物語をしたててくれないと、
せっかくの前半が台無し。物語としては平凡な仕上がりとなってしまった。コスナーが
歳は取ったけどいいかんじだったし、惜しいことをしたなと感じた。
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by jazzyoba0083 | 2015-07-06 23:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

ラストベガス Last Vegas

●「ラストベガス Last Vegas」
2013 アメリカ CBS Films,Good Universe,Gidden Media.105min.
監督:ジョン・タートルトーブ
出演:マイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クライン、
    メアリー・スティンバージェン他。
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
このところ一つのジャンルになっているオールドスターを集めた作品。演技は
折り紙つきなので、問題はないのだが、それだけでは映画は引っ張れない。
本作も、若き日のワルガキたちが、58年経って再会を果たすのだが、そこには
個人個人の事情や、若き日の恋の駆け引きの傷の引きずりなどのエピソードが
織り込まれ、更に「今」の恋愛事情をも加え、なかなか贅沢なエピソードとなって
いて、手堅く纏められているので、飽きなく見ることはできるが、全体のストリーの
構成は、ありがちなパターンだ。本国ではかなりのヒットとなったようだ。この手の
作品のマストとして、気の利いたセリフの数々、ユーモアの数々は当然随所に
振りまかれている。

最大のエピソードは、一人のアイドル女子を巡り、対立してしまったデ・ニーロと
マイケルが、実は、女の子から最初にプロポーズを受けたのがマイケルだったのだが、
その娘を同時に愛していたデ・ニーロの元に行くように説得したという秘密を
伏せていたことから起きる騒動。

4人はアメリカのあちらこちらで病気を抱えたり、様々な事情を抱え、冴えない生活を
していた。その中で一人成功したマイケルが、30歳前半の花嫁を獲得し、
ラスベガスで結婚式を挙げる、というので、58年ぶりに4人組が集まることになる。
しかし、デ・ニーロは、マイケルも大好きだったはずの妻が亡くなった時に葬式に
来なかったことを大いに恨んでいて、モーガンらの熱心な誘いでベガスに来るには
来るのだが、どうしてもマイケルの結婚式に素直に喜べない。

そんな折、たまたま入ったホテルのラウンジで、JAZZを歌う女性メアリーに出会う。
どうやらマイケルとデ・ニーロはまたまた同時にこの女性に好意をもってしまったらしい。

モーガンが全財産を打ち込んだブラックジャックで10万ドルの大勝ちをしたことから
豪遊を始めた4人組。そうした中でもマイケルの式の準備は進んでいく。
しかし、マイケルも、デ・ニーロもメアリーにのめり込んでいく。メアリーは、デ・ニーロに
いつまでも亡くなった妻に未練を感じて元気をださないと妻が一番嫌がっているはずよ、
と言われて、覚醒する。さらに、デ・ニーロとメアリーが若き日に、アイドル女子を
マイケルがデ・ニーロに譲ったことを話しているところを聞いてしまったデ・ニーロは
初めて真実を知り、これまでマイケルを恨んでいたことを悔いた。

マイケルはまたしても、デ・ニーロにメアリーを譲ろうとしている。そこで、デ・ニーロは
結婚する若い娘を本当に愛しているのか、とマイケルに問う。どうも自信がない。
マイケルは老いに対する恐怖に対応するものとして若い花嫁を選んだに過ぎないことを
自覚するのだった。
マイケルは、メアリーと一緒になることを決める。デ・ニーロは自分が好きになり始めた
メアリーをマイケルに譲ることにしたのだ。

結局、ベガスでの式は流れたが、わだかまりを解消し、空港で別れ別れになる4人。
彼らの絆は、若い時より味わい深く、深まったのではないだろうか・・・。

そんなお話。細かいエピソードが上手く埋め込まれてていて、同時進行し、終盤に
回収されカタルシスを得るという、王道的手法。 名優4人の演技を観ているだけでも
面白いし、個人的にはお年を召してもキュートなメアリーが素敵だったな。役柄的にも。
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by jazzyoba0083 | 2015-06-20 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

リアリティ Reality

●「リアリティー Reality」
2012 イタリア・フランスFandango,Archimede,Le Pacte,Garance Capital.115min.
  監督・脚本・原案・(共同)製作:マッテオ・ガローネ
出演:アニエッロ・アレーナ、 ロレダーナ・シミオーリ、ナンド・パオーネ、クラウディア・ジェリーニ 他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白いブラックな映画であったが、物語が動き出すまでに30分以上かかるので、しばらく
観ていて、違う映画を見始めちゃったか、と一瞬録画リストをチェックした。このイントロは
個人的にはイラついた。それなりに意味があったのだが、もう少し短く描けなかったものか。
画竜点睛を欠いた。日本では劇場未公開。WOWOWにて鑑賞。

一旦物語が動き出すと、それは面白い。さすがにカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを
獲る実力を持った作品である。

魚屋を友人と営むルチャーノは、気のいいいかにもイタリアンという感じの男。周囲からも
評判はいい。大家族で住み、家族を愛していた。が、料理ロボットを妻と共に詐欺まがいの
セールスをする、という裏稼業もしていた。

普段から目立ちたがりやで、リアリティ番組出身のエンツォに憧れたりもしていた。
そんな折、街の近くのショッピングモールで開催された「ビッグ・ブラザー」というテレビの
リアリティ番組のオーディションに、家族に誘われて参加する。まんざらではなかった
ルチャーノは、仕事があって遅れて到着。そこをエンツォを捕まえたり、プロデューサーに
頼み込んでなんとか参加することが出来た。家族に語ることころによると、1時間も
喋って、スタッフはもっと聞きたい様子だった。これはいい線いくぞ、という自信だった。

しかし、本番収録が迫るがテレビ局からはなかなか予選合格の電話が入ってこない。
そのうちに、自分の家の周りにテレビ局の調査員が来ていて、リアルな自分を監視している
のじゃないか、と思い込み始めた。すると、疑心暗鬼はエスカレートし、周囲の浮浪者も
調査員に見え、家中のものを慈善だといって与えてしまうわ、家の中のコオロギさえ、何か
TV局の意思を持って入ってきた、と思い込むようにまでなってしまう。妻のマリアは
詐欺まがいの料理ロボットを売っているという後ろめたさも手伝い、番組に合格して
大金を掴みたいという気分でいたし、家族も、周囲の友人や村人たちも、ルチャーノが
人気ものになるだろう、と期待していたので、ルチャーノの思い込みの激しさはエスカレート
していく。ついには、魚屋まで売ってしまい、全てを番組合格に掛けてた。

周囲もルチャーノがおかしい、とは思い始めていた。妻のすすめでセラピーも受けてみた。
友人に誘われて教会に行き、神に救いを求めるというところまでい行く。しかし、ルチャーノは
途中から抜けだして、TV局のセットに忍び込み、あたかも自分が既にリアリティ番組に
入り込んでいるような気になってしまうのだった・・・。

「バカは死ぬまで治らない」っていうことかな。ルチャーノの思い込みの激しさもさることながら
家族をはじめとする周囲の期待にルチャーノが乗ってしまし、引くに引けなくなり、やがて
その状態がリアリティ(現実)となってしまうというブラックが描かれているだ。一人の男の
人生があることをきっかけに脆くも崩れていくという。一旦口にした大言壮語は、なかなか
引っ込めるのが辛いのだろう、特にイタリア男にとっては。妄想に飲み込まれてしまった
不幸な男の辛い話である。
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by jazzyoba0083 | 2015-05-13 23:20 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! The World's End」
2013 イギリス Universal Pictures,Working Title Films.109min.
監督:エドガー・ライト  脚本:サイモン・ペッグ、エドガー・ライト
出演:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、パディ・コンシダイン、マーティン・フリーマン、エディ・マーサン、  
    ロザムンド・パイク、ピアース・ブロスナン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
この映画については私の★はあまり信用しないで。なぜなら本作は指向性の極めて
強い映画で、作っている人、出ている人をよく知っていて、このようなテイストを好む映画ファンに
取ってはとても面白いことでしょう。サイモン・ペッグとニック・フロストの「宇宙人ポール」は
私にもよく分かり、面白く笑えたのだが、今回は、「え!?何これ?」という「分からない感」が
先行してしまった。 まあ、大人がバカやっている映画を、分かっていて作っているのだから
画面から漂う「おバカ感」を味わえばいいのであるが、宇宙人が登場したあたりから、どうも
ついていけなくなってしまった。どうしても、12軒のパブを回ってビールを飲むという、そこから
して「おバカ」な目的のため、宇宙人に体を奪われてしまった街の人と戦うはめになるという、
なんともシュールで、形而上的な表現が展開されれる。一件「おバカ」に見えていて、実は
「深い」映画なのかもしれない。ただ私にはその感想には至らなかった。単なるおバカ映画、
としか・・・。どこかイギリスの「おバカ」な匂いはしましたけど。

でも、観ちゃったんだよね、最後まで。ラストカットの意味合いも考えてみたのだけれど、
よく分からなかった。深刻に意味を求めるのは馬鹿げていると思ったので、考えてみる
のは止めたけど。 5人の叔父さんになった男ども、それと紅一点のサムも、宇宙人と
戦うときはやたらと格闘が強いんだよなあ。「アヴェンジャーズ」みたいだよ。

映画「ゴーン・ガール」でオスカーのミニーになったロズムンド・パイクの存在が、この映画を
締めている感じがした。

監督と主演級二人の作品を好む人は、面白いのじゃないでしょうか?
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<ストーリー>
“1晩に5人で12軒のハシゴ酒”に挑戦するアラフォーの酔っぱらいたちが、街を操る何者かと
戦いを繰り広げるSFコメディ。監督・脚本は、「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」の
エドガー・ライト。
出演は、共同脚本も務める「スター・トレック」のサイモン・ペッグ、「宇宙人ポール」のニック・フロスト。

20年前の学生時代、一晩で12軒のパブをめぐる“ゴールデン・マイル”を成し遂げられなかった
ゲイリー(サイモン・ペッグ)は、リベンジするため当時の仲間アンディ(ニック・フロスト)ら4人を
集め、イギリス郊外の街ニュー・ヘイヴンに舞い戻ってくる。
やがて街の様子がおかしいことに気づくが、実は街の人々は何者かによって操られていたのだ。
自由を取り戻すため、そして世界を救うため、12軒目のパブ“ワールズ・エンド(世界の終わり)”を
目指して、酔っぱらいたちのどうしようもない戦いが幕を開ける……。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-04-19 23:20 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

ラブレース Lovelace

●「ラブレース Lovelace」
2013 アメリカ Millennium Films.93min.
監督: ロブ・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン
出演:アマンダ・セイフライド、ピーター・サースガード、ハンク・アザリア、ジェームズ・フランコ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
R18+という指定が付いているので、ポルノの色が濃いのか、と思って見始めたが、
これが何と、リンダ・ラブレースというポルノ女優の壮絶な人生のドキュメント風映画だった
ので、アマンダが引き受けたのも頷けた。途中で止めようかと思ったけど、結末が
どうなるのかという興味で最後まで観た。

リンダ・ラブレースという女優さんを知らなくても「ディープ・スロート」というポルノ映画の
名前を聞いた方は多いだろう。本作は、そのリンダの栄光と、屈辱の半生記である。
悪い男に引っかかるのが悪い、というのは簡単だが、夢見る少女に地獄の思いをさせた
チャック・トレーナーという男はクズ中のクズだな。本来素直なリンダは、夫に従え、カソリック
では離婚は許されない、という母の言いつけを守ったが故に、瀕死のDVに苦しむ結果と
なるのだ。良かれと思った母の教育が皮肉な面に出てしまう。最後に和解はするのだが
ポルノ女優を娘に持った両親とその教育の結末が悲しい。

DVを描くなら題材はいくらでもあるじゃないか、と思うのだが、やはりリンダの生きた事実を
知ると、こういう人生もあったのだ、という思いは去来する。
まあ、ポルノに出るということが既に尋常ではないのではあるけどね。「人に歴史あり」という
側面で楽しめる映画ではあった。アマンダは裸を惜しまない体当たりの演技。
リンダは、夫のDVに苦しみ、一本だけ撮影した「ディープ・スロート」で有名になり、LAの
マリブに住み、ロースズロイスに乗る身分となるが、金の管理は全て夫であるチャック。
彼女は以降、映画には出ることはなく(と公式には言われるが獣姦などの作品には出されて
いたらしい)、夫と別れて別の男性と結婚し、子供ももうけ、それなりに幸せな生活を送り、
一方で自分のようなDVに苦しむ女性をこれ以上作りたくないと自叙伝を出版する。
彼女が撮影現場にいたのは17日間しかでなく、受け取ったギャラは1250ドルのみ。
しかし、一作のヒットで人生に烙印を押されてしまったのだ。リンダは頼まれれば
いろんなことで反ポルノ映画、反DVの講演をしていたそうだが、2002年、交通事故で
死亡した。54歳。

クソ夫のチャックはリンダと別れた後、これも有名なポルノ女優マリリン・チェンバースと再婚
するものの、リンダの死亡の3ヶ月後、心臓発作でこれまた死亡する。天網恢恢、である。
まあ、コカインを常習したりしていたから、遅かれ早かれだったのだろうけど。

本作は、リンダ・ラブレースという女性の壮絶な反省を目の当たりにし、こういう人生も
あったのだな、と思えばいいと思う。個人的には70年代ファッションと挿入される当時の
ヒットポップスが懐かしかった。ちなみに私は「ディープ・スロート」という映画を観たことが
ありません。
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<ストーリー>
「72年に全米で公開され、社会現象になるなど、史上最もヒットしたと言われるポルノ映画
『ディープ・スロート』。その主演女優であるリンダ・ラヴレースの数奇な半生を描く人間ドラマ。
『レ・ミゼラブル』のアマンダ・サイフリッドが“伝説のポルノ女優”を熱演するほか、ピーター・
サースガード、シャロン・ストーンらが脇を固める。

フロリダの小さな町に暮らすリンダ・ボアマン(アマンダ・セイフライド)は、敬虔なカトリック
教徒の両親のもと厳しく育てられた。そんな生活にうんざりしていたリンダは、ある日、
女友達と遊んだ帰りに地元でバーを営むチャック・トレイナー(ピーター・サースガード)と
出会う。チャックが寄せる甘い言葉に酔いしれた彼女は、すぐに彼と結婚。うぶなリンダに
チャックは一つずつセックスの手ほどきをしていった。
当初甘い面を見せていたチャックだが、次第に汚い部分を見せ始める。バーでの売春容疑で
逮捕され保釈金や多方面への借金を抱え金に困ったチャックは、リンダをポルノ映画に
出演させようとする。

こうして彼女はリンダ・ラヴレースという芸名でポルノ映画「ディープ・スロート」に主演。
作品は1972年に全米公開され、成人映画用の劇場だけでなく一般の映画館でも上映、
有名人やセレブ、女性たちもこぞって観に行き、一大センセーションを巻き起こす。
『プレイボーイ』編集長のヒュー・ヘフナー(ジェームズ・フランコ)やサミー・デイヴィス・Jr.からの
賞賛を受け、リンダは性革命のシンボルとして一躍スターとなる。

それから6年後、チャックと別れたリンダは自伝を出すために出版社を訪れる。メディアによって
作り上げられたリンダ・ラヴレースの虚像の裏で、チャックから日常的に暴力を振るわれても
逃げ出すに逃げ出せず虐げられていた日々があった。辛い過去と決別するために、そして
同じように苦しい思いをしている女性たちのために、リンダは当時のことを包み隠さず
正直に語る……。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-03-30 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「リーガル・マインド~裏切りの法廷~ The Trials of Cate MacCall」
2013 アメリカSunrise Films (II),Pitbull Pictures,Sierra / Affinity.97min.
監督・脚本:カレン・モンクリーフ
出演:ケイト・ベッキンセイル、ジェームズ・クロムウェル、アナ・アニシモーア、ニック・ノルティ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
短い法廷映画で、それなりに楽しめたが、詰めが甘いというか、ダメダメ弁護士なのに
有能だと自他共認めている状況やら、最初に出てくる無実の黒人青年に関するエピソードの
中途半端加減やら、自分の子供の親権の問題やら、ちょっと詰め込みすぎで、ドンデン返しが
結構面白いのだけど、いい加減な法曹界メンバーが多すぎで、ホンマかいな、と思って
しまった。ほんとにアメリカの法曹界がこんなだったら戦慄だけど、悪い点を寄せ集めて
悪いことの集大成というような映画になってしまった。

主演、ケイト・ベッキンセイルもいいお歳になってきて、それなりに頑張っているが、設定が
アルコール依存症で、法廷に遅れてきて、保護観察処分の身、さらに子供の親権をめぐり
夫とモメている。更に、過去に有罪にした黒人青年が最新のDNA検査で無罪となるなど、
ダメ弁護士。でも周囲はキミは優秀な弁護士だ、っていっているんだよねえ。

そのダメ弁護士ケイトが、社会貢献プログラムで、指定された弁護。殺人で無期刑を
言い渡された女性が、自分は無実と言っているという。ケイトはノリ気がしなかったが、
更生の一環として引き受けることにする。そして、彼女に事情を聴くと、ろくな捜査も
せず、裁判では証言をでっち上げ、証拠を隠す、という検察と警察のお粗末な姿勢が
あきらかになっていった。裁判長もこれには激怒し、検察側を激しく叱責し、彼女を
釈放する。しか~し、なのである。無実を勝ち取った女性が、とんでもない食わせ物で、
(バカじゃ出来ないよなあ)、裁判で上手いこと嘘をついて、無罪を引き出したのであり、
はやり真犯人だったのだ。冤罪はむしろ警察や検察に行ってしまった。
さらに復帰した法律事務所では、ワシントンでの裁判で嘘に塗り固められた裁判で
勝利すれば共同経営者にする、という誘いを受ける。

これに反省したケイトは裁判長に相談しようとするが、この裁判長が食わせ物で、
ホテルの部屋を取ってケイトを食事に誘うという始末。
良心の呵責に耐えかねたケイトは、警察の名誉の回復をすべく、新しい裁判を立ち上げ
彼女を逮捕し、例の裁判長が自ら公判を回避するように仕向けた上で、再び有罪へと
持ち込む。共同経営者という誘いを蹴って、弁護士事務所を辞める。
しかし、娘の親権を争う裁判では、負けてしまい、娘は父親とシアトルに引越て
しまう・・自暴自棄になる寸前で、相棒の弁護士でお父さんのようなブリッジス(ニック・ノルティ)
のアドバイスで、再び自分を取り戻す努力を重ねるのだった。

展開はテンポよく、カタルシスもあるのだが、ちょっとストーリーに都合が良すぎる傾向があり
シンパシーを感じづらい。
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<ストーリー>
「弁護士のケイト・マッコール(ケイト・ベッキンセイル)は日々のストレスからアルコール
依存症に陥り、弁護士としてのキャリアと娘の養育権を失ってしまう。悲嘆に暮れる
ケイトだったが、彼女の良き理解者ブリッジズ(ニック・ノルティ)の支えで、更生の道を
歩み始めるのだった。
そんなある日、ケイトは殺人事件で有罪判決を受けた女性の弁護を依頼される。
だがその被告人レイシー(アナ・アニシモーワ)が犯人だという証言は揃っており、ケイトも
弁護士として勝訴する可能性はわずかだと感じていた。ところがレイシーは、自分は無罪だと
涙ながらに訴え続けていた……。

娘との関係を再び築こうと努力するケイトだったが、溝は深まるばかり。母として苦悩する
日々を過ごす中、弁護士としてのケイトも今回の事件に深く関与すれば、また同じ過ちを
起こすのではないかと逡巡する。かつてケイトは、ある事件で弁護を担当した被告人を
冤罪被害者として刑務所に入れてしまった過去を背負っていたのだ。
しかしケイトは過去の自分を払拭するため、また弁護士としてのキャリアと娘を取り戻すため、
事件の真相を追うことを決意する。調査を進めていくにつれ警察による証拠の偽装や、
供述の食い違いが明らかになり、ケイトの恩師であるサンプター裁判長(ジェームズ・
クロムウェル)も繰り返される証拠の隠蔽、偽証に憤りを感じていた。ケイトやレイシーに
とって状況が好転していく中、ついに最終弁論の日を迎える。だが勝利を掴むと思われた
ケイトだったが、1つの疑惑が浮かび上がり、さらに思わぬ展開が待ち受けていた……。」
(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-03-28 22:45 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「レイルウェイ 運命の旅路 The Railway Man」
2013 イギリス・オーストラリア Archer Street Productions,Latitude Media,Lionsgate.116min.
監督:ジョナサン・テプリツキー  原作:エリック・ローマクス『泰緬鉄道 癒される時を求めて』(角川書店刊)
出演:コリン・ファース、ニコール・キッドマン、ジェレミー・アーヴァイン、ステラン・スカルスガルド、真田広之
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
事実に基づいた話で、「戦場に架ける橋」のアナザーバージョンと言った風情。今の時代
だからこそ、見る価値がある作品だと思った。重いテーマであるが、当事者の一方は
日本人であるので、内容をしっかり受け止める覚悟と必要があるだろう。

クアイ川マーチでも有名な泰麺鉄道とその工事に当たらされた連合軍側捕虜の苛烈な扱いに
ついてはこれまでもいろいろな形で語られてきた。本作もその一環であるが、大きなテーマと
してあるのは、実話として存在した、イギリス兵と日本人憲兵の赦しの物語であることだ。

現在日本は、隣国と先の大戦についてまだゴタゴタしているのだが、許す側の寛容さ、
その寛容さを引き出す、加害側の心からの反省と詫びがなければ「赦し」は成立はしない、
ということが本作を見ているとよく分かる。特にラスト、真田広之が出てくる当りからその
テイストが色濃くにじみ出てくる。実際にあったこととはいえ、エリック・ローマクス中尉と、
憲兵永瀬のやがては友情に変わる「赦し」は、ありえないほどの苦痛を伴いつつも、深い心を
持った二人だから出来たのであろう。特に、苛烈な拷問を受けたエリックが、最後には永瀬を
見て許す下りはにわかには信じられない行動と思えるかもしれない。時が薬になっているのか、
またどんな時もエリックを支えてきた妻の存在が大きいのか。
これが国を代表する政治家同士となると話しはまた別のことにはなるのであろうが、通底する
心の持ちよう、つまり加害者と被害者のスタンスは同じだと思うのだ。
それが受け取れただけでも本作を観た価値がある。できれば日本人の多くに観て欲しい作品
だと感じた。

日本軍敗戦とともに逆に捕虜となった永瀬は、イギリス軍の質問に対し、自分は単なる
通訳であった、と嘘を言って、戦犯指名を逃れるわけだが、確かに厳しい言葉を投げかけては
いたが、上官の下にいて、指示に通訳しつつ見ていただけで、直接暴力を振るったわけでは
ない。その辺りに永瀬の人間性が垣間見ることができたような気がした。

もちろん日本軍によるイギリス兵の拷問シーンなどはあるが全体として抑制が効いた作風で
コリン・ファース、ニコール・キッドマン、真田広之など抑えつつも内心には様々な思いが去来
する人物を好演していた。映像の美しさも救いになっていたと感じたのだ。
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<ストーリー>
「英国人将校の壮絶な戦争体験や妻の献身的な愛をつづり、「エスクァイア」誌ノンフィクション
大賞に輝いたエリック・ローマクスの自叙伝をコリン・ファース主演で映画化したヒューマンドラマ。
第2次世界大戦時に日本軍がタイからビルマへの物資輸送のために計画し、多くの死者を
出した泰緬鉄道建設にまつわる悲劇がつづられる。

献身的な妻パトリシア(ニコール・キッドマン)と平穏な日々を過ごしているかのように見える
エリック・ローマクス(コリン・ファース)だが、胸のうちでは第二次世界大戦中に日本軍捕虜と
なったときの苦しみを引きずっていた。
彼は捕虜としてタイとビルマを結ぶ泰緬鉄道の建設に従事し、非道な扱いを受けていた。
その現場で通訳をしていた日本人・永瀬(真田広之)がまだ生きていると知ったとき、エリックは
激しく動揺する。永瀬はタイで戦争体験を伝える活動をしていた。決して癒えることのない辛い
思いが呼び起こされ苦しむエリックは、永瀬と直接向き合うために一人タイへと向かう……。」
(Movie Walker)


上記は概略であるので仕方がないが、映画では、エリックがなぜ戦時中のことを妻に語らない
のか、時々悪夢に苛まれるのか、戦友たちとの友情、そしてエリックと永瀬を合わせたい、
復讐をさせたい親友が、自らの命を断ってエリックに覚悟を促すなど、内容は結構苛烈である。
ラストシーンで当時の本人たちと、晩年、泰緬鉄道の鉄橋の上で撮影した二人のショットが
映しだされる。

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by jazzyoba0083 | 2015-03-26 23:15 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ローン・サヴァイバー Lone Survivor」
2013 アメリカ Universal Pictures,Film 44,Emmett/Furla Films,and others.121min.
監督:ピーター・バーグ   原作:マーカス・ラトレル 『アフガン、たった一人の生還』(亜紀書房刊)
出演:マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、ベン・フォスター、エリック・バナ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
アフガン戦争の作戦に出動し、ひとりだけ救出されたネイビーシールズの活躍というか
戦闘を描く、記録映画のようなノリの作品だ。IMDbの評価が異常に高いのは、やはり
戦争当事国として、身近にある出来事なので、関心を持って見られているということだろう。
そういう点からすると、日本人がシンパシーを感じるレベルは低いかもしれない。

基本的にネイビーシールズ、マンセーの創り方であるので、実際関わりのある人達からは
熱く支持されるのだろうな、とは感じられる。
この映画が評価されるとしたら、実践の苛酷さをリアルに描いていること、戦争とは決して
綺麗事では済まないこと。厳しい訓練をパスしてきたエリートであるネイビーシールズの
結束の固さ、が分かるということか。

エンディングでは実際の兵隊たちの写真と配役が示され、観客に感情の高揚を刺激する
役目を担っている。傷を見せる特殊メイクもよく出来ていて、「痛い」という感覚が直に
画面から伝わってくるのは、見せ所だろう。戦闘シーンが殆どだが、緊張しっぱなしという
感じだった。

映画冒頭はネイビーシールズの隊員を養成する訓練の模様がドキュメントで写しだされ、
次々と脱落者が出る模様が描かれ、「そこまでの訓練をやる必要があるのか」と思う位の
訓練なのだが、実際の戦闘では更に過酷な運命が待っているわけだ。そうした訓練で
培われた友情というか戦友意識は非常に高いものがある。

アフガンのタリバーンの重鎮で、アメリカ軍の敵ナンバーワンを抹殺する特殊任務を担って
現地入りした4人のシールズは、アフガンの岩だらけの山中で、ボスを発見するものの、
ヤギの放牧に来た村人数人に見つかってしまう。小隊の中では、彼らも戦士だ、殺せ、
という兵隊と、いや、そんなことしたら世界中にシールズは子供を殺した、と大々的に
知れ渡り、刑務所行きだ、という上官らで対立する。
小隊長の出した結論は、村人を開放し、舞台は山の高いところへ避難し、友軍のヘリに
ピックアップしてもらい撤退するというもの。

しかし、案の定、タリバーンの戦闘部隊が山中にやってきて銃撃戦となる。多勢に無勢だが、
4人は果敢に戦う。高い崖から2度も飛び降り、全身傷だらけ、骨折だらけ、しかも結構
敵の銃弾が当たっている。それでも、屈強なシールズたちは決して諦めること無く仲間を助け
敵を斃す。しかし、山岳の戦闘に長けているタリバーン戦隊は、次第に彼らを追い詰め、
ついに最後の一人となってしまった。その間盛んに救援を求める無線を入れるのだが、
電波の状態が悪く、基地に通じない。一度衛星電話での救援養成が通じて、2機の兵員
輸送ヘリが現地に向かうが、アパッチの護衛がなかったため、1機が対戦車ミサイルで
撃墜されてしまい、もう一機も引き返す。

取り残されたのはラトレル(ウォルバーグ)。彼はタリバーンを嫌うアフガンの村人に助けられる。
この村にはパシュトゥーンの掟があり、敵に追われてきた人は守るというもの。タリバーンの
掃討作戦が村に迫り、激しい銃撃戦となり、ラトレルもついに発見されて殺されそうになるが
彼を助けてくれた男の幼い息子が彼にナイフを渡し、寸でのところで難を逃れた。

そのころ、小隊長の大尉が命に変えて発信した衛星電話で、アパッチを含めた大部隊が
ラトレルらを救出に飛来、村に降りてタリバーンを一掃し、ラトレルを救出した。彼は
一度は心肺停止となったが、基地の手当で蘇生に成功、九死に一生を得たのだった。

ラストで描かれる写真では、ラトレルがその後、彼を救ってくれたアフガン人と再会するところが
写しだされる。シールズの不屈の闘志、堅い仲間意識、愛国心、そしてタリバーンと対立する
アフガン人達。今でも彼の地では同じような戦いが繰り広げられているのだ。
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<ストーリー>
「アメリカが誇る精鋭部隊“ネイビーシールズ”によるアフガニスタンでの作戦中に起きた
衝撃の実話を映画化した緊迫の戦場アクション。
実際に作戦に参加し、ただ一人奇跡の生還を果たした兵士マーカス・ラトレルの体験記
『アフガン、たった一人の生還』を基に、非情な戦場の現実をリアルに描き出す。
主演はマーク・ウォールバーグ、共演にテイラー・キッチュ、ベン・フォスター、
エミール・ハーシュ。監督は「キングダム/見えざる敵」「バトルシップ」のピーター・バーグ。

 2005年6月。世界最強と謳われるアメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズが、
極秘任務“レッド・ウィング作戦”を決行する。最終目標はタリバン幹部アフマド・シャーを
見つけ出し、殺害すること。
マーカスを含む4人の兵士がヘリコプターでアフガニスタンの山岳地帯に降下し、偵察活動を
開始する。そしてタリバンの秘密基地を発見し、標的の存在を確認する。
しかし山中で無線状態が悪く、本部との連絡がうまく取れない。そんな時、山羊飼いの男
たちと遭遇。マーカスたちは彼らを拘束するが、その処遇を巡って意見が割れる。
彼らを解放すれば、確実にタリバンに通報されてしまう。だからといって、明らかな
非戦闘員を口封じのために殺害することが許されるのか。
極限状況の中、激しい議論の末に苦渋の決断を下すマーカスたちだったが…。」(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2015-03-10 22:20 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ロンドン・リバー London River」
2009 イギリス・フランス・アルジェリア 88min.
監督:ラシッド・ブシャール(共同脚本も)
出演:ブレンダ・ブレシン、ソティギ・クヤテ、フランシス・マギー、サミ・ブアジラ、ロシュディ・ゼム他。
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
日本劇場未公開。WOWOWのベルリン国際映画祭特集で観た。そういうチャンスでも
なければ出会えない作品だ。
「イスラム国」問題で世界が頭を悩ませてる現況、時宜を得た鑑賞だと思った。
映画自体は2009年で、今から6年前に製作され、舞台になったのは2005年7月に
ロンドンで発生した地下鉄とバスを狙った同時多発テロである。

それに巻き込まれてしまった二人の男女とその親の心の動きを短い時間に纏めた
ものだが、淡々と粛々と進む中にも、今だからこそ感じられる、鑑賞者の思いもある。
「イスラム国」に軍隊として行く息子や娘たちを持つ親、また中東の危険地帯に
ボランティアとして入る子供を持つ親、それぞれが同じような気持ちを持つんだろうな、
などと考えて見ていた。
事件に揺れる母と父、特にイスラム教のアフリカ人オスマンを演じたソティギ・クヤテは
本作でベルリン国際映画祭主演男優賞を獲得するのだが、その存在感、目つき、は
演技というほどではないのだが、事件に翻弄される異邦人の父親の姿が良かった。
それとは対照的に感情を表に表しつつ、なんでイスラム?と疑問を持ちつつ娘が
アフリカの青年と仲よかったことを受け入れていく姿も良かった。

イギリス海峡の殆どフランス・シエルブール(ノルマンディー地方)に近い、ガーンジー島で
農業を営むエリザベス。夫はフォークランド紛争で戦死しており、一人娘はロンドンで
生活している。2005年7月7日、ロンドンで発生したバスと地下鉄を狙った同時多発テロの
ニュースを観たエリザベスは気になって娘に電話する。留守電で繋がらない。
何回かかけるがダメだ。畑を弟に任せて、ロンドンに出てくるが、下宿はもぬけの殻。
男物の髭剃りがあったりで、自分の知らない娘の暮らしが見えてくる。アフリカで使う弦楽器の
ようなものもある。彼女は、事件の犠牲者が収容されている病院を探したり、街中に
尋ね人の張り紙をしたりして、必死に娘の行方を追った。

一方、フランスで森を管理する仕事をしているアフリカ人オスマンも、息子を探していた。
彼は6歳の時に息子と分かれていて、依頼15年間フランスで暮らしていた。アフリカには
妻のみが暮らすが、息子を連れて帰ってくれ、と言われ、自分ももう息子とアフリカに
帰ろうと、ロンドンに探しにやってきたのだ。ムスリムの彼はモスクで相談したり、やはり
事件の犠牲になってはいないかと病院を探したりしてた。彼はモスクで貰った集合写真の
隣に、尋ね人の娘が写っているのを見つけ、彼女を便りにエリザベスと接触する。

最初、得体の知れない黒人の登場に気味悪がっていたが、娘と彼の息子は一緒に暮らして
いて、一緒に探すことになる。ムスリムのアラビア語のクラスに二人で通っていたことが
分かり、何でクリスチャンの彼女がイスラム教に興味を覚えたのか、不思議というかむしろ
恐怖を覚える。オスマンも、息子が爆発事件の犯人かもしれない、と疑っていた。

二人は事件の直前に姿を消した。事件の犠牲者か、それとも共謀者なのか・・・。
オスマンのほうがホテルの金を払えないからフランスに帰る、というとエリザベスは
娘と一緒に暮らしていたのだから、娘のアパートに来れば、と彼を誘う。二人の間に
流れていた不信、疑惑が次第に溶け、同じ悩みを持つただの親として心を通わすことが
出来るようになっていたのだった。

そのうち、彼女の大家が、二人が事件の朝、二人で旅に出た、と友人が証言していると
教えてくれた。急いで代理店に行くと、二人は列車でパリに行った、と言う。ホッとする
母と父。彼らは二人でパリに旅行に行っているのだ。事件のことを知らないのだ、
良かった! 二人は心底安心するのであった。

さて、もう二人共それぞれの暮らしに戻ろうか、と言ったやさき、警察から連絡があり
DNA鑑定の結果、二人は事件の朝、バスに乗っていて犠牲になったことが判明した、
と知らせに来た。愕然として泣き崩れる母。呆然とする父。加害者ではなかったが、
犠牲者になってしまうとは・・・。

別れの朝、オスマンは言う「悲しみのまま別れては行けない」と。そしてアフリカの歌を
歌う。二人はそれぞれの子供の死を胸に故郷に帰っていったのだ・・・。
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ところで母エリザベスの出身地であるガーンジー島は殆どフランスに近く、中世では
ノルマンディー公の領地であり、ノルマンディー公がイギリスを征服し、ウィリアム征服王と
なったときから英国王室属領となり、今でもGBには属さず独自の議会を持って政治を
行っているという。元首はエリザベス女王だが、行政は英国に委託している。だから
代官がいるんだね。またここはタックス・ヘイブンとしても知られる。消費税がかからない
島なんだね。そんな島があることをこの映画で初めて知った。風光明媚な所らしい。

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by jazzyoba0083 | 2015-02-17 21:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「理想の結婚 An Ideal Husband」
1999 イギリス Canal+,Fragile Films ,Icon Entertainment International.100min.
監督・脚本:オリバー・パーカー  原作:オスカー・ワイルド
出演:ケイト・ブランシェット、ミニー・ドライヴァー、ルパート・エヴェレット、ジュリアン・ムーア他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白かったです。いかにもイギリスの戯曲をアダプトしたという内容で、オスカー・ワイルドの
原作を、オリバー・パーカーが脚本にして監督しています。

映画というのは様々な楽しみ方があるわけですが、本作は、軽妙洒脱なイギリス的会話の
応酬。日本人には絶対に出来ないユーモアとウィットの応酬。こいつが楽しい。
これをオスカー女優ブランシェットとムーアの対立したキャラクターを中心に描いていく
わけですが、舞台がダイナミックに変化する映画ではなく、あくまでも男女の愛憎の駆け引きと
「愛する人に理想のみを追いかけることは結局不毛であり、相手の欠点も含めて愛すること、
奪うことより与えることが愛だ」というこを、二組の男女を中心に描いていく。

舞台が19世紀末のロンドンのハイソサエティ。まあ、スノッブな恋愛談義などは、庶民レベル
では無理なので、舞台が貴族の世界を背景にするのはここでは仕方がない。

国会議員(ジェレミー・ノーザム)とその妻(ケイト・ブランシェット)、国会議員の妹(ミニー)と
独身貴族(ルパート・エヴェレット)、ウィーンからロンドンに現れた、かつてのブランシェットの
学友で仲が悪いチーヴリー夫人(ジュリアン)がメインキャスト。

彼らが過去の秘密とか、それぞれのやりとりの中で、真実と嘘を上手く使い分けつつ
危機になったり・・・。男女の中とは真実だけでは成り立たないということをオスカー・
ワイルド流の手法で物語るのだが、その間のやりとりが非常に面白い。
真実は誤解により曲解され、策謀が飛び交うがそれは上手く行かず、結局、清濁併せのむ
男女の中こそ、長続きの秘訣なのだ、ということが分かってくる。

会話劇から見出される、理想の結婚のありようとは。タイトルは理想の夫だから、夫の
方に力点が置かれているが、理想の夫のありようは理想の妻の投影であるわけで、
それは映画を見ているとよく分かってくる。
イギリス流の洒脱な会話と、戯曲の面白さが堪能出来る佳作であると思う。
ブランシェットやジュリアンらのキャストも安心して見ていられる。脇を固める俳優もいい。
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<ストーリー>
「1895年、ロンドンの社交界。独身貴族アーサー(ルパート・エヴェレット)は親友で政治家の
ロバート(ジェレミー・ノーザム)の妹メイベル(ミニー・ドライヴァー)との結婚に踏み切れない
まま、優柔不断に日々をすごしていた。
ロバートと聡明な妻ガートルード(ケイト・ブランシェット)は人も羨む理想的な夫婦。ところが、
ウィーンの社交界の華となったチーヴリー夫人(ジュリアン・ムーア)が帰国して事態は急変。
彼女はアーサーと婚約していたことがあるばかりか、今度はロバートに接近して過去の秘密を
ネタに彼を脅迫、自分が投資する運河建設計画に協力を求める。返事を渋るロバートに業を
煮やしたチーヴリー夫人はガートルードにロバートの旧悪を暴露。ショックを受けた
ガートルードはロバートを追い出した。
いっぽう、アーサーもチーヴリー夫人によって身の振り方の決断を迫られる。かくして二組の
男女は様々な思いを胸に、“理想の結婚”をめぐり揺れ動くのだった。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-02-12 23:15 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)