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●「はやぶさ 遥かなる帰還」
2012 日本 東映 テレビ朝日、朝日新聞ほか制作委員会 136分
監督:瀧本智行  原作:山根一眞
出演:渡辺謙、江口洋介、夏川結衣、小澤征悦、中村ゆり、吉岡秀隆、石橋蓮司、藤竜也、
山崎務、嶋田久作、ピエール瀧、近藤芳正他。
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
満身創痍で小惑星イトカワから人類初の月以遠からのサンプル回収に成功した、
「はやぶさ」。この人工衛星を擬人化し、涙と感動に誘うことは、事実からして容易い。
3作作られた「はやぶさ」関連の映画の内、本作しか見ていないのだが、
「はやぶさ」が次々の直面するトラブルに、諦めずに果敢にトライした技術陣の苦闘を
描き、衛星を映像で擬人化してみせ、感動を呼ぶ。悪い映画ではないと思うのだが
長い割には、またトラブルかい!!(怒)みたいな展開になっていく。
さすがに地球に燃えつきつつも帰ってくる姿は、ウルウルものではあるけど、実際の
ニュース映像を見たときにはもっとウルウル来たと思う。
物語としては山根の原作の方が面白いんじゃないかな。未読だけど。
ジャクサ、メーカー(NEC)、部品を作った町工場のオヤジ、その娘の新聞記者らの
それぞれの思いで綴る。全体が情に流れていく、流されていくような展開にひっかかりを
覚える。せっかく新聞記者という理性の立場の人間を配したのだから、彼女の目線での
客観的な論調を、ナレーション以外でも活用したら良かったのに。
化学技術的なテクニカル・タームがいっぱい出てくるが、分からなくても(説明もないが)
分かる。技術者の苦闘がテーマであるので大きな動きさえわかれば小さい単語は
気にならない。
それとVFXで描く「はやぶさ」」と宇宙は素晴らしいものであった!


渡辺謙、江口洋介、中村ゆり、山崎務、藤竜也、はいい感じ。吉岡秀隆はいつもの一本
調子だなあ。
他の2作品と見比べてみたい。
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<ストーリー>
「小惑星「イトカワ」から岩石サンプルを持ち帰るという世界初のミッションを成功させ、
地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。その偉業を支え完遂させたプロジェクト
チームと家族の、熱い思いと努力を豪華キャストで描いた人間ドラマだ。
リーダーの山口教授と、彼が率いる技術者たちの生きざま、そして彼らがどんな
思いを抱きプロジェクトと向き合っていったかが、観る者の胸を熱くする。
さらに最新VFXでスクリーンに再現された、「はやぶさ」視点で見る神秘的な深宇宙が
興味深い。
主演は、ハリウッドでも活躍する名優・渡辺謙。偉業や成果を伝えるだけの物語で
はなく、困難を乗り越えた技術者たちの話に焦点を当てたからこそ、深遠なドラマに
仕上がった。

2003年5月9日。小惑星探査機“はやぶさ”を搭載したロケットが鹿児島県内之浦
観測所から飛び立つ。その最大の目的は、小惑星“イトカワ”へ行き、太陽系の起源、
地球の起源を探る手がかりとなる石や砂を持ち帰ること。
しかしそれは、世界でも例のない困難なミッションへの挑戦でもあった。

ロケットを見守る“はやぶさ”プロジェクトマネージャーの山口駿一郎教授(渡辺謙)や
新聞記者の井上真理(夏川結衣)たち。2004年5月、“はやぶさ”は地球の重力と
交点速度を借りて方向転換とスピードアップを行なう“地球スウィングバイ”、7月には
“イトカワ”の撮影に続けて成功。
真理はカプセル担当の鎌田悦也(小澤征悦)や広報担当の丸川靖信(藤竜也)など
プロジェクトチームの取材を続ける一方で、疎遠になっていた町工場を営む父、
東出博(山崎努)と会う。妻を亡くして仕事も減った父を心配しながらも、シングルマザーと
して働く真理は、父との距離を埋められずにいた。

その後も様々な困難を乗り越えた“はやぶさ”は、2005年11月に“イトカワ”のサンプル
採取に成功。だが、化学エンジンの燃料が漏れ、姿勢制御も不能になる。
藤中仁志(江口洋介)と森内安夫(吉岡秀隆)は、イオンエンジンの燃料噴射によって
姿勢制御に成功。危機を脱したものの、姿勢制御に時間を要したことで地球への
期間が予定より3年延びてしまう。
さらに通信途絶やイオンエンジンのトラブルなどが重なり、2009年11月に最後の
イオンエンジンが停止。最大の危機に直面した時、山口はリーダーとして決断する。
“はやぶさ”を地球へ帰す。決意を同じくした藤中と森内は、イオンエンジンに最後の
指令を送った。満身創痍になりながらも地球へ帰還しようとする“はやぶさ”のため、
チームの技術と想いがひとつになる。そして真理と父親に間にも、“はやぶさ”の帰りを
願う気持ちが絆を結ぼうとしていた……。 」(goo映画)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-12-10 14:49 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)

アフロ田中

●「アフロ田中」
2012  日本 Showgate 114min.
監督:松居大悟  原作:のりつけ雅春
出演:松田翔太、佐々木希、堤下敦、田中圭、遠藤要、駒木根隆介、リリー・フランキー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
この手の新作映画は普段は見ないのだが、シネコンでたまたま見た
予告編が面白そうだったので、WOWOWでの放映をきっかけに鑑賞してみた。
原作がコミックなので漫画チックな描きっぷりは当然なんだけれど、
アフロ田中の善人ぶりに引き込まれつつ、結局観てしまった。どうってことない
アフロ田中のちょいとした恋物語なんだけど、異形ながら人が良くそれゆえに
なにごとも大成しない田中君が、恋に奮闘するお話で、結末も冴えないのであるが
それはそれ、本人もたいして気にしてない。
そんなノンシャランな生き方が素晴らしいアフロ田中君なのだ・・・ww

松田翔太の、オヤジさんの「なんじゃこりゃ!」ばりの眉間にしわを寄せた困り顔は
良かったし、マドンナの佐々木希、社長のリリー・フランキーも皆脱力系映画に
フィットしていたと思うよ。
暇なときに肩の力をだら~と抜いて見飛ばす分には悪くない映画だ。ちょっと
長すぎだけど。
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<プロダクションノート&ストーリー>
「ビッグコミック・スピリッツ(小学館)で連載中の人気コミック「アフロ田中」シリーズを
映画化。アフロヘアがトレードマークの妄想男・田中の、エッチでちょっぴりせつない
青春ムービー。巨大なアフロヘアを「おっぱいの柔らかさ」と信じて疑わない田中。
恋愛したことがないどころか、年齢=彼女いない歴をバリバリ更新中なのに、新しい隣人・
亜矢ちゃんのハートを射止めようと必死に策を練る……。
おバカに見えて実は大真面目な田中のアフロな生き方に、笑いながらもこっそり共感して
しまうかも。主演は、松田翔太、佐々木希、堤下敦(インパルス)、田中圭ら、笑っちゃう
くらい超豪華キャスト。監督は、ドラマ出身でこれが長編映画デビューとなる松居大悟。

のりつけ雅春の同名ギャグ漫画を「ハードロマンチッカー」の松田翔太主演で映画化。
彼女いない歴24年の男が、彼女を作ろうと空回りしながら悪戦苦闘する様を描く。
監督は本作が商業映画デビューとなる松居大悟。
共演は「天使の恋」の佐々木希、「カンフーくん」の堤下敦、「ランウェイ・ビート」の田中圭、
「七つまでは神のうち」の駒木根隆介。


強烈な天然パーマでこの世に産まれ落ちた田中広。幼い頃からその髪質ゆえ理不尽な
イジメを受け、不遇の少年時代を過ごしてきた。
成長し高校生となった田中はノープランのままその場のノリで学校を中退。その後、
さらなる自由を求めて埼玉から上京する。
肉体労働で日々汗を流しながら、田中(松田翔太)は24歳を迎えるが、いまだ、彼女も
出来ない寂しい生活を送っていた。
そんな時、学生時代からつるんできた地元の仲間たちの1人、井上(駒木根隆介)が、
結婚するという知らせが舞い込む。
高校時代の約束を思い出し、真っ青になる田中。その約束とは“仲間5人のうち誰かが
結婚する日には、その時の彼女を連れてくる”というものだった。

焦る田中の前に、隣に引っ越してきた加藤亜矢(佐々木希)が現れる。そのあまりの
美しさに激しく心をときめかす田中だったが、あんなのどうこうできるはずないだろ、と
瞬時に諦めてしまう。そんな中、田中は彼女がいないことを仲間たちに告白しようと
決め、帰郷。だが半年ぶりに再会した仲間たちは、それぞれ適度に生活に疲れながらも、
身の丈にあった彼女をしっかり作っており、結局、田中は彼女がいる振りを続けるしか
なかった。

東京に戻った田中は、精力的に合コンに参加する日々をスタート。だが頭でっかちで、
ことごとくズレている田中を相手にする女子がいるはずもない。合コンで出会ったユミ
(原幹恵)となんとか連絡先を交換し、ホテルまで行くはめになるものの、やはり肝心な
ところでうまくいかない。
もはや悟りの境地まで達した田中は、すべてを諦めようとするが、そんな時、隣室から
悲鳴が。「ゴキブリが出た」とかわいく騒ぐ亜矢を助けたことがきっかけで、2人の仲は
まさかの急接近。

煩悩を捨てようと一人戦う田中だが、亜矢の魅力の前にあふれ出る好意(と性欲)を抑え
られない。そして遂に運命のクリスマスが訪れる。
友達との約束が急遽なくなってしまったと言いながら「もしよろしければ、お食事でも」と
頬を赤らめながら、健気に田中を誘う亜矢。一気に幸せの絶頂まで駆け上る田中をもう
誰も止められない。まるで恋人同士のようにクリスマスデートを楽しむ田中と亜矢だったが、
そこには大きな落とし穴が待ち受けていた……。 」(goo映画)

亜矢ちゃんを自分の部屋に連れてきたところ、実はその部屋には悪友たちがサプライズ
パーティーをしかけるために潜んでいて・・・。そこに二人が帰ってきたが、押入れから
ビデオを持った悪友が転がりでるに及び、「ハメ撮り・・・」を・・!!亜矢ちゃんは去って
行ってしまったのだ。

その後、何とかよりをもどし遊園地デートで上手く行くと思っていたところ、見事に振られ、
友人の結婚式では酔態をさらして大変なことになり・・・。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-12-04 23:15 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)

●「ゴールデン・スランバー Golden Slumbers」
2009 日本 東宝、アミューズ 139分
監督:中村義洋
出演:堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、柄本明、濱田岳、大森南朋、慣地谷しほり
   相武紗希、木内みどり、伊東四朗、香川照之 ほか。
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
伊坂幸太郎の作品は好きでほとんど読んでいるが、映画はこれまでに
「重力ピエロ」しか観ていない。「重力~」は、本の味わいを良く出していたな、
という感じだったので、今回はどうなんだろう、と多少の不安もあって鑑賞した。
結論から言うと、本作も長編小説をうまく2時間少々に纏めたな、味わいも
かなり良く頑張って出していたな、と感じた。
堺雅人はどうなのかな、とも思っていたが、観はじめたら慣れてしまって
違和感は感じなかった。
冒頭のデパートのエレベータでのシーンがラストに繋がっていくのがちょっと
感動的。原作はああではなかったと思うけど。左様に細かい伏線が小気味よく
回収されていくが、その過程にはいささか、「それはないでしょう」という
シーンもある。最大なのは、「ひとり、それもイイ、ふたりそれもイイ、
さんにんそれもイイ~」と歌うカローラの、ボロボロになったやつがバッテリの
交換だけで動かないでしょう、それにタイヤはどうしたの?とか・・・。
マンホールからあれだけの花火を打ち上げるって・・・とか。

ストーリーとして、謎の殺人鬼(濱田)の正体や背景、真犯人の正体、主人公の
その後など、根本的な部分はオープンエンドとなっている。これは原作に
忠実であり、「黄金のまどろみ」と名付けた小説の、エンターテインメント
読み物としての完成度が、伊坂の小説の多くがそうであるように「奇譚」で
あることを思えば納得できるだろう。
キャスティングもなかなか良かったと思う。
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<ストーリー>
「圧倒的なリーダビリティと鮮やかすぎる伏線回収で、2008年の
“本屋大賞”や“山本周五郎賞”を受賞するなど各方面から絶賛された
伊坂幸太郎の傑作ミステリーを映画化。
仙台を舞台に、ある日突然、見えない巨大な力によって首相暗殺の
濡れ衣を着せられ追いつめられていく一人の男が、かつての仲間たちを
はじめ彼の無実を信じる人々の支えだけを頼りに、懸命の逃亡を
繰り広げる姿をスリリングかつ感動的に描き出す。
主演は「南極料理人」の堺雅人、共演に「チーム・バチスタの栄光」の
竹内結子。監督は、これまでにも「アヒルと鴨のコインロッカー」や
「フィッシュストーリー」など伊坂幸太郎作品の映画化で実績を
残してきた中村義洋。
 
仙台に暮らすごく平凡な30歳の独身男、青柳雅春。(堺)金田首相が
凱旋パレードを行うその日、大学時代の同級生・森田に呼び出された彼は、
“お前、オズワルドにされるぞ。とにかく逃げろ”と謎の警告を受ける。
その直後、背後のパレード会場で爆発音がしたかと思うと、なぜか2人の
前に警官が現われ、躊躇なく拳銃を向ける。

訳もわからぬまま反射的に逃げ出した青柳は、やがて自分が身に覚えの
ない証拠によって首相暗殺の犯人に周到に仕立てられていくことを
大量のマスコミ報道で知る。
青柳の元恋人で大学時代のサークル仲間でもある樋口晴子(竹内)は、
事件の報道に驚き、かつての仲間たちに連絡を取ろうとするのだが…。」
(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2012-10-09 23:10 | 邦画・新作 | Trackback(1) | Comments(0)

ステキな金縛り

●「ステキな金縛り」
2011 日本 東宝・フジテレビ  142分
監督・脚本:三谷幸喜
出演:深津絵里、西田敏行、阿部寛、竹内結子、浅野忠信、草彅剛、中井貴一、市村正親
   小日向文世、KAN、山本耕史、戸田恵子、生瀬勝久、深田恭子ほか。
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
三谷監督のメジャー作品はほぼ観ているが、本作はちょっと期待外れ。展開が
ベタな割には上映時間が長すぎ。緩慢なシーン、ここ要らないんじゃないか?と
いうシーンもあった。昔の武士を現代の法定の証人として連れてくるという設定は
面白いし、その幽霊が3つの条件に合わない人には見れない、という所も
悪くはない。ただ、西田敏行の登場からして、ケレンみで持っていこうとする、
あるいは、笑わしたろか、とするキャラクター設定が強引さを感じる。
三谷作品の笑って、もう少し奥深くひねたところから発生していたのでは
なかったかな。西田敏行=落武者が頭にあっての脚本か、とも勘ぐってしまう。

豪華な配役を活かしきれず、大人数のキャラクターが散漫になってしまい、それを
恐れるが故に長くなってしまい、という悪循環。
そして、やっぱり舞台を観ているような展開。生の俳優さんたちが演じる生の舞台
ならば、このままのストーリーでもいいかもしれないが、映画となると・・・。
そんな中、深津絵里と中井貴一が良かったです。佐藤浩市は、もったいなかった。
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<プロダクションノート&ストーリー>
「三谷幸喜の監督第5作目は、ダメ弁護士と幽霊が活躍する法廷ミステリー。
深津絵里と西田敏行が、テンポの良いやり取りでそのコメディアンぶりを発揮
している。他にも、中井貴一、阿部寛、浅野忠信ら、個性的で芸達者な俳優たちが
集合し、物語を盛り上げる。
法廷が舞台となるということもあり、三谷お得意の密室の会話劇的な要素も
たっぷり。深津と中井の丁々発止のやりとりと、緩急のある西田のボケには、
思わず笑ってしまう。かつての三谷作品に出演した俳優たちが、小さな役や
以前と同じキャラクターで登場しているのも、ファンには嬉しいところ。
最初から最後まで、三谷作品のエッセンスがたっぷりつまったステキな
コメディ映画といえるだろう。

エミ(深津絵里)は失敗続きで後がない三流弁護士。彼女が新しく担当に
なったのは、とある殺人事件。被告人は無実を主張。完璧なアリバイがある
という。なんと事件当夜、旅館の一室で金縛りにあっていたというのだ。
無実を証明できるのは一晩中彼の上にのしかかっていた落ち武者の幽霊だけ。

エミはその幽霊、六兵衛(西田敏行)に会い、彼を証人として法廷に召喚する。
しかしこの六兵衛の姿は、すべての人に見えるわけではなかった。
しかもエミの前には、一切の超常現象を信じない敏腕カタブツ検事、小佐野
(中井貴一)が立ちはだかり……。
人生のどん詰まりに立たされたダメダメ弁護士と、421年前に無念の死を
遂げた落ち武者の間に生まれた奇妙な友情。果たして彼らは、真実を導き
出す事ができるのか……? 」(goo映画)

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by jazzyoba0083 | 2012-09-18 23:50 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)

桜田門外の変 

●「桜田門外ノ変」
2010 日本 東映 「桜田門外ノ変」製作委員会  137分
監督:佐藤純彌   原作:吉村昭「桜田門外ノ変」
出演:大沢たかお、長谷川京子、柄本明、生瀬勝久、渡辺裕之、加藤清史郎、
   北大路欣也、伊武雅刀、西村雅彦、榎本孝明、池内博之、田中要次ほか
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
ラストの現代の桜田門から国会議事堂へのパーンは何を言いたかったのか?
ことほど左様に、原作ありとはいいながら、やたら長い歴史ドキュメントを
見ているようであった。ナレーションが進行を担当しているのも、今の映画
っぽくないな。史実を理解させたいということなんだろうけど、更に
時間軸が行ったり来たりするので、基本知識を持ってない人は判りづらい
映画だったと思う。
事件である「桜田門外の変」を映画の最初の方に持ってきて山を作りたかった
気持ちは判らんわけではないが、幕末の幕府~水戸藩~朝廷~薩長土肥、
宇和島などの諸藩の動き~列強の要求~井伊直弼の立場や紀州家、尾張家、
幕閣の思惑など、てんこ盛りの内容が、過去行ったり来たり。いっそ時系列的に
見せたほうが判りやすかったのではないか。
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見せ所がほしければ、まず事変だけを描いておいて、過去から一気に描いた
方が見やすかった。血飛沫だけは、さすがに東映映画ではありますが。
せっかく、関という水戸藩士(大沢)を縦軸に進行させているのだから
勿体ない。見終わった後に、最低の感情は残したいのだが、関の無念しか
伝わらなかった。史実を描くことに汲々としてしまい、長い上映時間を掛けて
豪華配役の壮大な幕末シーンを描いた割りに残るものの少ない作品となって
しまった。この手の大テーマの映画を作るときの難しさ、ではある。

<ストーリー>
「茨城県の地域振興と郷土愛の醸成を目的に、市民が主体となって企画し、
映画化が実現した時代劇。吉村昭の同名小説を基に、歴史の大きな転換点と
なった大老・井伊直弼襲撃事件へと至る経過とその後の顛末を、襲撃者側で
ある水戸藩士たちの視点から丁寧に描き出していく。

 嘉永6年(1853年)、浦賀沖にペリーの黒船が来航、開国の圧力は
いよいよ抑えがたくなっていく。そんな中、井伊直弼をはじめとする南紀派と、
水戸藩主・徳川斉昭を筆頭とする一橋派の対立が激化。

やがて、大老に就任した井伊は、尊皇攘夷を唱える斉昭らの意見を顧みる
ことなく、独断で開国を進め、あげくは尊王攘夷派の大量粛清に乗り出す。
もはや井伊の暴挙を止める手立ては暗殺以外にないと、水戸藩では
関鉄之介をはじめとする17名の藩士に薩摩藩士・有村次左衛門を加えた
襲撃実行部隊が組織される。こうして天下国家のため、幕政の是正を期して
立ち上がった関鉄之介たちだったが…。」(allcinema)
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by jazzyoba0083 | 2012-04-06 23:15 | 邦画・新作 | Trackback(1) | Comments(0)

ふたたび~Swing me again~

●「ふたたび~Swing me again~」
2010 日本 GAGA、松竹 111分
監督:塩谷俊
出演:鈴木亮平、MINJI、青柳翔、藤村俊二、犬塚弘、佐川満男、渡辺貞夫、古手川祐子
   陣内孝則、財津一郎

<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
今なぜハンセン氏病だった老トランペッターの話なんだろう。
話としては悪い話ではないのでけちをつけるつもりもないけど、映画と
してどうか、といわれると、ご覧の★の数となる。
なんなんだろう、物語性が希薄なのかなあ。

主人公は学生時代に花形トランペッターとしてレコードも出した貴島健三郎(財津)と
そのジャズ仲間。しかし貴島は、ハンセン氏病を病み、恋人とも判れ隔離病棟へと
収容された。それから数十年が流れた。

貴島の孫、大翔も、トランペットを吹く。やがて彼と祖父健三郎がかつてのメンバーを
訪ねて歩くロードムービーとなっていく。

ラストは、神戸の有名なライブ会場で全員が揃っての演奏。これを仕上げなくては
死ねない、とでいうような最後の炎であった。

<ストーリー>
「50年の時を経て仲間との約束を果たそうとする元ジャズ・トランペッターと
その孫がたどる旅を、往年のジャズナンバーと共に描く心温まるロードムービー。
旅を通じて仲間との友情や家族との絆が描かれ、人生に今一度向き合う主人公の姿が
胸に迫る感動作だ。突然現れた祖父に巻き込まれるように旅をする孫を演じるのは、
テレビドラマ等で人気急上昇中の鈴木亮平、ハンセン病に冒されて50年以上もの
隔離生活を強いられた祖父を名優・財津一郎が演じている。
そのほか、藤村俊二、犬塚弘、佐川満男など、ジャズと縁の深いキャストたちが
名演奏を聴かせてくれるのが嬉しい。さらに、渡辺貞夫の圧倒的なサックス・
パフォーマンスも見どころだ。

神戸。大学のジャズサークルでトランペットを吹いている貴島大翔(鈴木亮平)は、
密かに“COOL JAZZ QUINTETTE”というジャズバンドに憧れていた。
それは、たった1枚のLP盤を残して忽然と姿を消してしまった幻のバンドであった。

大翔は家に保管されていたコレクションの中に偶然そのLPを見つけ、熱烈なファンに
なったのだ。ある日、大翔は父・良雄(陣内孝則)から、亡くなったと伝えられていた
祖父がまだ生きており、ハンセン病療養所から50年ぶりに戻ってくると聞かされる。
だが、大翔は生まれて初めて会う祖父・健三郎(財津一郎)との接し方が分からず、
会話もままならない。ところが何の気なしに聴かせた1枚のレコードに、健三郎の
表情が一転。
健三郎は“COOL JAZZ QUINTETTE”のトランペッターだったのだ……。そんな中、
健三郎は50年前のバンド仲間を探したいと、家を出て行ってしまう。
ところが、巻き込まれるようにして大翔はこの旅に同行することとなり、健三郎の
かつてのバンドメンバーを訪ねる形で、神戸から京都、和歌山へと向かうのだった。

50年ぶりの再会に戸惑いながら健三郎の訪問に喜び、泣き、笑い、興奮する友人たち。
そんな中、野田百合子(MINJI)という一人の女性の存在が明らかになる。
彼女は“COOL JAZZ QUINTETTE”のピアニストで、ハンセン病の健三郎の子供を
産んだことで家族からも子供からも引き離され一人寂しく死んでいったのだという。
実は、健三郎がいちばん会いたかったのはこの女性、即ち大翔の祖母だった。

大翔は、この旅を通して祖父から父を経て自分へと繋がる家族の絆を知るのであった。
二人の旅が終わりを迎える頃、思いがけないサプライズが待っていた。
神戸のジャズクラブ“SONE”で、50年間果たせなかった“COOL JAZZ QUINTETTE”の
ライブを実現できることになったのだ。そして今、バンドのラストステージが
幕を開けた……。」(goo映画)

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by jazzyoba0083 | 2011-12-15 22:55 | 邦画・新作 | Trackback(1) | Comments(0)

十三人の刺客

●「十三人の刺客」
2010 日本 東宝 TV asahi Films,「十三人の刺客製作委員会(テレビ朝日系)」141min.
監督:三池崇史 原作:池宮彰一郎 「十三人の刺客」脚本(1963)
出演:役所広司、山田孝之、伊勢谷友介、沢村一樹、古田新太、高岡蒼甫、六角精児、
   石垣佑磨、波岡一喜、窪田正孝、井原剛志、松方弘樹、吹石一恵、谷村美月、
   内野聖陽、光石研、岸辺一徳、平幹治朗、松本幸四郎、稲垣吾郎、市村正親
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
藤沢周平ものの時代劇も好きだが、久しぶりに時代劇の大活劇というかチャンバラの
映画を見た。ストーリーは復讐譚で単純。対立の構図も極めて判りやすい。
1963年のオリジナルは未見だが、映像の作り上げ方などはこちらの方が上、との
もっぱらの評判だ。役者もいいのが揃った。特に、役所と市村は素晴らしい。
稲垣も「民草の痛みをしらぬボンボン殿様」を好演だが、彼のありようは
「太平の世の中が生み出した怪人」であり、20数年後に滅ぶ徳川幕府の武士道の
対極として作り上げられてしまった歪んだ支配者。これに立ち向かう正道の武士道を
打ち抜く13人(12人?)。少々長さも気になったが、面白く見せてもらった。
エログロも含めて。松方弘樹の殺陣は、さすがに様になっていて気持ちよかったな。
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痛快な50分に及ぶチャンバラ、そしてラスト。三池監督は面白さの後に残る、幕末に
迫る歪んだ武士道を抱えた世の中のメタファーとして稲垣~松本幸四郎~役所ら13人を
配置したに違いない。ただ、ラストの伊勢谷の再登場は、ファンタジー?という誤解?
も呼び勝ちだろうし、ラストのラスト、山田孝之が、武士を辞める!といって刀を
捨てようとするが、捨てきれない様は、この時代の身分の抜き差しならぬありようを
語っていた。
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ただ、みなさんも思われたと思うが、村を3500両で全部買収、火薬も大量に仕掛けた
のなら、200人も敵が来るとは思っていなかったとは言え、もっと火薬でドッカン
ドッカンとやって敵勢を削げば良かったのに。そこまでの大量の敵を予想していなかった
というのなら、落合宿で、じっと待ち伏せた役所の深謀遠慮はそこまで、ということに
なる。買い取った村に仕掛けをたくさんしておいて、「小細工はここまでだ。あとは
斬って斬って斬りまくれ!!」と掛け声を掛けた瞬間、役所は相当困難な戦を覚悟した
に違いない。

日本アカデミー賞撮影賞、美術賞を獲得した画面は、当時の夜の部屋の暗さ、街の
たたずまい、女たちのはがれ気味の化粧など、リアリティの獲得に成功していたと
いえよう。

ラスト、私は一対一の対決となった稲垣と役所、稲垣が実は結構な剣の使い手で、
役所が苦戦し、これを市村が助太刀するのかと一瞬思ったりした。(苦笑)

全体として男の子には楽しい活劇としてよく出来た映画だ。底は浅いと言わざるを得ないが
エンタテインメントとしての完成度は高いといえる作品であろう。

<ストーリー>
「1963年に公開された同名映画を、鬼才・三池崇史がリメイクした超大型時代劇
アクション。主演の役所広司を筆頭に、同士となる刺客に山田孝之、伊勢谷友介、
伊原剛志、沢村一樹、松方弘樹ら。
さらに冷血で残酷な暴君に稲垣吾郎、彼の忠実な家臣に市村正親という、まさに
日本映画界を代表する豪華な顔ぶれが集結。これだけの役者が揃って、面白くないわけがない!

“十三人の刺客”それぞれに、キャラクターや背景までうかがえる見せ場を用意して
あるのも、三池監督らしい心憎い演出だ。そしてクライマックスとなるのは、
“ラスト50分の壮絶な死闘”。人を斬ると切れ味が鈍るので、用意しておいた無数の
刀を使い捨てにしていく描写など、恐ろしいほどのリアリティ。宿場町全体を大きな罠に
仕立て上げる、大胆不敵な知略の数々も見どころだ。


 弘化元年3月。明石藩江戸家老・間宮(内野)が、老中・土井家の門前で切腹自害。
間宮の死は、明石藩主・松平斉韶(稲垣吾郎)の暴君ぶりを訴えるものであった。

将軍・家慶の弟である斉韶は、明年には老中への就任が決まっている。
事件は時の幕府を動揺させ、このままでは幕府、ひいては国の存亡に関わると判断した
土井(平)は斉韶暗殺を決断、御目付役・島田新左衛門(役所広司)にその命を下す。

大事決行を控え、新左衛門は刺客集めに奔走。剣豪浪人平山(井原)、酒と女と博打に
溺れる新左衛門の甥・新六郎(山田)ら十一人の強者達が新左衛門のもとに集う。
暗殺計画が極秘裡に進められる中、斉韶の腹心・鬼頭半兵衛(市村正親)はその情報を
掴んでいた。

彼は、かつて新左衛門と剣の同門でありながらも道を違え、御用人千石の身分を自ら
掴んだ傑物であった。そんな中、新左衛門は、斉韶を襲うのは江戸から明石への
参勤交代の道中しかないと判断、襲撃場所を交通の要所の落合宿に決める。

明石藩の参勤交代が尾張を通る時、尾張藩への通行を阻止すれば、勢力を削られた
行列は落合宿に出るはず。斉韶を落合宿に誘い込むため、新左衛門は事の詳細を
尾張藩の木曽上松御陣屋詰・牧野靭負(市川)に打ち明け協力を求める。

斉韶が落合宿にやって来るかは、極めて危険な賭けであったがそれしか手はない。
刺客たちは現地へ急行、明石藩を迎え撃つべく落合宿を要塞へと改造する。
道中、山の民・木賀小弥太(伊勢谷)が加わり、落合宿にて総勢十三人の刺客が揃う。

だが、明石藩は待てども待てども落合宿にやってこない。新左衛門の計略は失敗に
終わったかに思えたその矢先、敵は200騎以上の多勢となってやってきた。
鬼頭は兵を蓄え、この戦いに備えていたのだ。混乱の中、明石藩の退路を断つ
大橋が爆破。13人対300人超の決戦が始まった……。」( goo映画)
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まあ、13人がいくら剣の達人ぞろいとはいえ、200人の軍勢には勝てないんだけど、
最後、民草への御政道を正すため、「武士は主君の為に死ぬべき」軍団と絶望的な
戦いに打って出るのだ。
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by jazzyoba0083 | 2011-11-17 23:30 | 邦画・新作 | Trackback(2) | Comments(0)

キャタピラー 

●「キャタピラー」 R15+
2010 日本 スコーレ、若松プロダクション、84分
監督:若松孝二 
出演:寺嶋しのぶ、大西信満、吉澤健、粕谷佳五、増田恵美、河原さぶ、篠原勝之ほか。
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想とストーリー>
若松監督の作品は、「浅間~」に次いでの鑑賞で、昨年寺嶋がベルリンで銀熊賞を
獲ったということもあり、観てみようかと。
重暗い作品だろう、ということは覚悟していたが、ここまでとは・・・。
皆さん指摘の通り、反戦爺さんの撮った反戦アジ映画、というところか。
話はシンプルで訴える趣旨も判りやすいのだが、さらに言いたいことを重ねる
ために、最後に「首をくくられお国にご奉仕」と、BC級戦犯の絞首刑の
シーンを実写で見せるところあたりから、あれあれ、という感じになり、広島、長崎の
原爆になり、元ちとせの歌が入ってきてトドメを刺すわけだが、いらないんじゃ
ないか、と感じた。久蔵が土間に転がって、自分がシナでしてきた悪行を思い
泣くシーンも微妙に長かった。全体としてつくりが古いなあと思った。

要は、DV夫とはいえ、夫が戦地から「芋虫」(キャタピラー)のようになって、
しかも声・聴覚も失って帰ってきた妻が、「軍神」さんを抱えて何を思いながら
生きたか、を描けば、それだけで、反戦は貫けると思うのだが、まあ若松監督の手法
だから仕方ないけど。夫が戦地でレイプや無用な殺しをしてきたことなど知らないのだが
妻が自分の上に来るとフラッシュバックされ気が狂うように苛まれる、その夫の
背景をもう少し描きこむと、良かったかな、と残念に思う。映像は綺麗だし、
アングルも凝っていて、時間も短く(低予算だからかもしれないが)テンポも
いいのに。

賞を獲った寺嶋の吹っ切れた演技はさすがだし、「芋虫夫」を演じた大西も
セリフもない傷痍軍人を良く演じていたと思う。ヨーロッパの映画賞好みの
作品だ。
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四肢と声を奪われ、顔にも酷いやけどを負った男が、食欲、性欲、排泄欲しか
なくなり人間性が失われた中で、何を生に求めていたのか。自分の活躍を
報じた新聞を時折眺めることしか生きている意義を見つけられない。敗戦し、
自分の軍神としての価値が無いと感じた夫は、シナでしてきた悪行のことも
あり、這い出して池に入水自殺する。その前に浮かんでいる毛虫が印象的だ。
一方、そうした夫を迎えた妻は、村人に夫を軍神さんとして披露することでしか
自分たちのアイデンティティを見出せない。覚悟を決めて必死に生きるが、心の
中は戦争なんて、と思っている。当時の婦人たちと同様自分の人生なんかない
女性の、絶望的な人生が描かれているが、終戦の時に田んぼで見せた妻の
笑顔は、夫自殺後の彼女の人生が暗くないことを示唆しているようだ。

この夫婦を取り巻く村の戦時の暮らしを描くことで若松監督はさらに戦争の
馬鹿馬鹿しさを重ねている。

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by jazzyoba0083 | 2011-10-31 22:55 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)

●「Railways 49歳で電車の運転士になった男の物語」
2010 日本 松竹 Robot Entertainment 130min.
監督:錦織良成
出演:中井貴一、高島礼子、本仮屋ユイカ、三浦貴大、奈良岡朋子、橋爪功、佐野史郎、
    宮崎美子、遠藤憲一、中本健、甲本雅裕、松福亭松之助、石井正則ほか。
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
ベタな映画だな。男の夢を実現するということは、こんなこともあるのだよ、という凄く解りやすい
ストーリーを、出雲の一畑電鉄という美しい光景を借りて描く。普通に面白いが、お涙、強制的に
頂戴、的な持って行き方に鼻白む。母親が亡くなってから後が冗長であった。
役者連は、演技派を並べたので文句はないし、新人・三浦貴大も頑張っていた。
映画はさておき、一畑電鉄に非常に興味が湧いた。一度訪ねて乗って見たいと強烈に感じた。
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<ストーリー>
「東京の電気メーカーの企画室長で、多忙な生活を送る筒井肇(中井)。しかし会社は不景気で
工場を畳まねばならない。そこの工場長川平(遠藤)は同期であるが、モノづくりこそ自分の
生きがい、と工場を畳むことには反感を覚えつつ協力はするが、東京本社への異動は断る。
そんな川平は、病弱な子供を早くに亡くしており、更にある日交通事故であっけない最期を遂げる。
そのことが、筒井に強烈なインパクトを与えた。「自分は真剣に自分の夢と向き合ってきただろうか」と。
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一方、妻の由紀子(高島)は、一人娘の(本仮屋)倖が、手が掛からなくなったので、ハーブティーの
店を開業、自分の夢を叶え始めた。そんな中、取締役の目も見えてきた筒井を、川平の死が
突き動かす。故郷の出雲で、行商を営む母親が心臓発作で倒れた、との知らせが入る。

取り急ぎ出雲に向かう筒井であったが、行った先でも電話で会社との連絡が忙しい。
そこに入る川平の死の一報。そして実家で観た、一畑電鉄の切符の山。彼は少年の頃、
実家の眼の前を走る「ばたでん」の運転士になることが夢だったのだ。
「自分の夢と向き合ってきたのか」・・・

筒井は母のこともあり意を決して、会社を辞め、一畑電鉄の運転士募集に応募する。
目を付けてくれていた専務は、理解できず激怒するが・・・。妻は「ダメだと言ってもやるでしょ」と
理解を示す。就職活動中の娘も、最初はあり得ない、と云っていたが、筒井の真剣さに次第に
父の行動を理解していく。
採用試験も無事に終わり、49歳の新人運転士が誕生した。同時に採用されたのは甲子園の
ヒーローでプロとの契約もあった投手の宮田(三浦)。どこかひねた若き同僚を、励ましながら
二人はまず、東京の京王電鉄の訓練センターで操縦や法規の講習を受け、運転士としての
試験を受ける。そして合格。
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晴れて一畑電鉄の運転士となったのである。毎日同じ線路の上であるが、天気も乗客も毎日
違う運転に、彼は心から満足していた。電鉄の仲間も気のいい奴らばかり。
ある日、幼い子供が、空になった運転室に入り、少し電車を動かすという事件が起きる。
その日は母が危ないと連絡が入り、動揺している筒井をみた宮田が、運転を代わっていたのだった。

宮田をかばい、自分の電車だったので責任は自分にある、と辞表を提出した。戸惑う幹部。
そこに、「辞めないで」と駆けつけた、筒井のファンたち。(このあたりクサかったなあ)
結局、経営も含めて処分するということで世間になっとくしてもらい、筒井は運転士を続ける。

母親は実は末期のガンでもあり、周りには内緒にしていたが、友人のぼやきからばれてしまう。
一度家に帰してあげるという医師の配慮で実家に帰った母。そんな母を自分が運転する
電車に載せたり、妻が東京からやってきて、「こんなことでも夫婦だよね」「あたりまえじゃないか」
なんてセリフを交わしたり、娘は、祖父の介護を経験したことから地元に帰りヘルパーになる
という夢を叶えた。そうしたなか母は静かに息を引き取る。
そんな最中も筒井は電車を運転していた。今日も、いろいろな人生を載せて、筒井の運転する
「ばたでん」は走る・・・・。
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by jazzyoba0083 | 2011-08-16 23:20 | 邦画・新作 | Trackback(2) | Comments(0)

告白

●「告白」
2010 日本 東宝 106分
監督:中島哲也  原作:「告白」 湊かなえ
出演:松たか子、木村佳乃、岡田将生、西井幸人、芦田愛菜、藤原薫、橋本愛、山口馬木也ほか。
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
昨年の映画ブロガーの間で大変評価の高かった作品で、WOWOWでの登場を待って観賞。
原作未読だが、こんなスプラッタな感じなのかな。全体的な完成度や、映像のタッチ、カット
子どもらの演技も、なかんずく日本アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた松たか子の鬼気
せまる演技も良かったことは良かった。だが、あそこまでスプラッタにする必要があったのかな
なあ、という気がする。 原作と脚本の勝利だとは思うが、子どもといえども容赦なく復讐を
やり遂げてしまう、松たか子演じる女性教師の徹底ぶりの怖さは良く伝わった。

冒頭のやりたい放題のクラス。いまどきこんなクラスがあるのかいな、という徹底ぶりで
少年たちへの嫌悪を観客に植え付ける。こんなやつらは許しちゃいかんのだ、と。
そして復讐をついにやり遂げるのだが、何か社会的なことが解決したわけではない。極めて
私的は復讐劇であるからカタルシスとしては「晴れ晴れ」とはまいならない。
また、教師の子どもを殺したことを、せいせいと本人の前でしゃべっちゃう中学生たち。
悪意の塊の集団として中学生らだが、今時ここまで悪い集団はおらんだろう。そのあたりちょいと
現実離れ。エンタテインメントとしての小説であり、映画であると云われればそれまでだが、
いささか引く。

<ストーリー>
「2009年の本屋大賞に輝いた湊かなえの同名ベストセラーを「嫌われ松子の一生」「パコと
魔法の絵本」の中島哲也監督が映画化した戦慄のエンタテインメント復讐劇。
担任クラスの生徒に娘を殺された女性教師が繰り広げる復讐の顛末が、事件に関わった
登場人物たちそれぞれの視点から緊張感あふれるタッチで綴られてゆく。
主演は「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」の松たか子、共演に岡田将生、木村佳乃。
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とある中学校の終業日。1年B組の担任・森口悠子は、ある告白を始める。
数ヵ月前、シングルマザーの森口が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した
事件は、警察が断定した事故などではなく、このクラスの生徒、犯人Aと犯人Bによる殺人
だったと。そして、少年法に守られた彼らを警察に委ねるのではなく、自分の手で処罰すると
宣言するのだった。その後、森口は学校を辞め、事情を知らない熱血教師のウェルテルこと
寺田良輝が新担任としてクラスにやってくる。そんな中、以前と変らぬ様子の犯人Aはクラスで
イジメの標的となり、一方の犯人Bはひきこもりとなってしまうのだが…。」(allcinema)

犯人AとBのミルクに、エイズで亡くなった私の夫の血液を入れておきました・・・で始まる
復讐劇は、森口による徹底的に計算された網の目のような復讐へと連なっていく。
ひきこもりになった少年はウエルテルと少女により、更に追い込まれ(これも森口の計算)、
ついには母親を殺してしまう。一方、学業抜群なれど、小学校時代に発明コンクールで
評価されるべきところ、ルナシー事件という中学生によるネット殺人事件で霞んでしまい
トラウマとなったことから屈折が始まった少年は、その後クラスメイトから酷いいじめを受け
ついには彼を慕っていた少女(こいつが実はルナシー事件の主犯)を殺してしまう。
更に、爆弾事件をしかけるのだが、これも森口にばれていて、ケイタイでコントロールされた
起爆装置で爆発したのは、実の母の研究室であったのだ。自分で憧れの研究者である母を
ころしてしまったのだ。こうして、最愛の我が子を殺された教師森口は、犯人AとBの最愛の
人を自ら殺させるシナリオを描いたのだった。少年法で守られて、決して罰せられない少年は
自らの手で復讐するしかない、と考えた訳だ。
荒唐無稽であるが、徹底した復讐は、後味の良くないカタルシスを残して終わる。
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この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-07-27 23:10 | 邦画・新作 | Trackback(2) | Comments(0)