カテゴリ:邦画・新作( 81 )

●「大停電の夜に Until the lights come back」
2005 アスミック・エース 132分
監督:源孝志 音楽:菊池成孔
出演:豊川悦司、田口トモロヲ、原田知世、田畑智子、寺島しのぶ、
    井川遥、吉川晃司、阿部力、淡島千景、宇津井健
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この手の邦画は趣味性が強いだけに、意見が分かれるのだろうな。
「人、多すぎ」「時間、長すぎ」「ラブ・アクチュアリーのパクリ」等等。
まあ、当たらずといえども遠からず、という側面もあるのだが、
そう目くじら立てる人は、最初から観ないで置くべきか、観始めたら
途中でやめればいいのであって・・。
作品性として、どうなの?という点を云々する映画じゃないと思う。
これに1800円を出すか出さないかは、本当に趣味の分かれ目だと
思う。
で、私はWOWOWで観た訳だが・・・。出だしのビル・エヴァンスの
「My Foolish Heart」は、ちょいとベタ過ぎたかな。全編にファンタジー
としてみれば、ちゃんと観ることはできました。長い映画だし、
天体少年と乳がん姉ちゃんのストーリーはカットしたほうが締まったかも
しれないのは確か。
それと、豊悦を向こうに回して、完全に食ってしまっていた田畑智子の
演技はたいしたモノだ。或る意味主人公かもしれない。

恋愛群像ドラマをクリスマスイブの大停電というシチュエーションで
描いていく。余命あと3ヶ月と宣告された父から、お前には別の母が
いる、といわれてしまう左遷の辞令をもらったばかりのサラリーマン
(田口)、彼は、不倫をしていて(相手は井川遥)家にいる妻(原田)と
は心が通わず彼女も離婚を覚悟していた。サラリーマンは父から
聞いた実母に電話してみる。父にあってくれませんか、と。
余命3ヶ月といわれた
男のかつての彼女(淡島)は、自動車会社を定年退職した夫(宇津井)
に、23歳のころ不倫し、子どもを産んでいたことを告白。
急な告白に驚く夫は、無意識に家を飛び出ていた。
6年ぶりに出所してきた元ヤクザ(吉川)と、ムショにいる間に結婚
してしまった、女(寺島)。すでに腹には今の男との間の子どもがいる。
そして、クリスマスイブをもって店をたたもうと決めている、元ジャズ
ベーシスト(豊川)は、かつてニューヨークに活動の場を移したときに
残していった女を待っている。その男に密かにあこがれている
通りをはさんだ蝋燭屋の女主人(田畑)。
こんな人たちが、クリスマスイブの夜、大停電に見舞われ、それぞれの
愛を確認していく模様が描かれている。
まったりと、ゆる~い映画で、チョイ長いなあと感じるけど私はいい雰囲気
で観終わることが出来ました。
豊悦の経営するジャズバーの名前が「Foolish Heart」というのも
洒落が利いているのかクサイのかの分かれ目。

このほかに天体オタクの中学生(本郷奏多)と明日乳がんの手術を受ける
モデル(香椎由宇)のストーリーも絡む。

最初バラバラだったそれぞれの愛情が、停電というきっかけで、収まる
所に収まっていくのだが、お洒落なワリに寺島しのぶという生臭い女優が
でていたり井川遥という雰囲気が映画に乗らない女優が出ていたり、
ややミスキャストもあったが、なかなか楽しめた映画でした。私には。
尚この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-11-22 23:15 | 邦画・新作 | Trackback(6) | Comments(0)

蝉しぐれ

●「蝉しぐれ」
2005 日本 東宝 蝉しぐれ製作委員会(電通、テレビ朝日ほか) 131分
監督:黒土三男 原作:藤沢周平
出演:市川染五郎、木村佳乃、ふかわりょう、今田耕治、原田美枝子、緒方拳
    小倉久寛、根元りつ子、大滝秀治、大地康雄、利重剛、山下徹大他。
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藤沢周平原作には「たそがれ清兵衛」ほか、佳作がたくさんあるので、
楽しみにして観ました。長い映画だけに覚悟がいたけれど。
まず、ファーストカット?に「製作 M木T夫」(D通社長)の文字が1つ。
いきなりどっちらけ。それは大D通の社長さんで、この映画の製作資金の
多くを出しているのは判りますが、あまりにもあからさまで、アラブの王様じゃ
ないんだから、勘弁してよ、って感じです。映画好きなら、もう少し控えめでも
良かったんじゃないのかなあ。

この手の日本映画は賛否分かれるところでしょう。「北の零年」もそうだった
けど、傑作とみるか、偉大なる駄作と見るか。
映画好きには、酷評されているようですね。黒土監督、まだまだ山田洋次や
黒澤になり得ず、もう少しがんばりましょう、って感じで。

で、私は、というと、第一に長い。大作をアダプトするには2時間少々は
短すぎという人がいるが、それならこの脚本が下手だ。
第二、黒土監督は15年来、藤沢作品を映画化したかったそうだが、チカラ
入りすぎで、たそがれ~や、そのほかの作品に負けてはならじ、とアングルと
季節描写に力点を置きすぎているので、肝心のストーリーが負けている。
「リバーランズ・スルー・イット」を見習いなさい。ワンカットワンカットの画が
全部、一幅の日本画になっている、と言われたかったのだろうか、
それはそれは画としては大変奇麗ですよ、日本の四季は良く描かれて
いますよ。それが目的化しちゃまずいでしょ。それで時間とっちゃまずいでしょ。

監督が肩にチカラが入りすぎちゃいました、って典型の仕上がりじゃない
かな。シーンも山あり海あり、草原あり、川あり、肥沃な稲田あり、それに
四季がからんで、もう、写真集でも出したら?って感じ。それに、ふかわと
今田耕治のキャスティングはどうなんだろうか。染五郎と木村だけでも
現代が出ちゃうのに、せっかく日本の自然を200年くらいさかのぼって
描いているのなら、別のキャスティングもあったのではないかなあ。
加えて、ラスト。木村佳乃のセリフは「いわずもがな」のモノが多すぎで、
更に過去の振り返りシーンも出しすぎ。親父さんの遺骸を押すのを
泣きながら手伝うシーンだけで十分でしょう。こうやって映画が長くなっちゃう
んだよな。


東北の小藩。牧平四郎(染五郎)は、下級武士の跡取り。しかし、
父(緒方)が、望まぬ跡目争い騒動に巻き込まれ、理不尽にも切腹させ
られる。長じて、父を死に追いやった主席家老から、親父の地位に復権
させてもらう。敵側が恩を売ったのだ。
平四郎には幼馴染でお互いに淡い恋心を通わせていた近所のおふくが
いた。しかし、ある日おふくは江戸表に出ることになり、やがて殿様の
側室となり、男の子を産む。しかし、政敵に追いやられるように国許に
戻され、殿様の別邸「欅御殿」に幽閉状態となる。
平四郎は、敵と見る主席家老から、おふく(木村)の子どもをさらって来い
と命ぜられる。「今の地位に戻した恩を忘れてはいまいな」と。意を決した
平四郎は、欅御殿に赴き、正面からおふくに会い事情を説明し、一旦
子どもを懇意の藤兵衛にあずけ、父側の家老で今は権力から離れている
青山に全てを訴えることにする。
幼馴染のふかわと今田耕治が応援をすることになるのだが。
欅御殿を囲む主席家老の手勢。主席家老はこうなることを予想し、
皆殺しを狙っていたのだった。多勢を向こうに回して、家中の刀を集めて
座敷に林のように突き立てて応戦する。あやかしの剣を使う敵にも勝つ
ことができる。おふくの子どもを無事味方の家老のもとに届けられた
のだった。そして数年が経過。

藩内は、平四郎側に落ち着いたようで、おふくの子が跡目を継ぐことが
決まり、おふくは髪を落として尼になろうと決心、一目だけでも、平四郎に
会いたいと手紙を出す。そして、事件以来久しぶりに会う二人。
初めてお互いの想いを確認したのだった。

さんざん腐しましたが、「駄作」とは言い切れないと思いますよ。
私も日本映画には厳しい注文を付けたいので、このコメントになりましたが、
観てソンとは思いませんから。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-10-07 17:30 | 邦画・新作 | Trackback(2) | Comments(1)

タナカヒロシのすべて

●「タナカヒロシのすべて」
2004 日本 アグレッシブ・プロ、小椋事務所 103分
監督・脚本:田中誠
出演:鳥肌実、ユンソナ、加賀まりこ、高橋克実、宮迫博之
    伊武雅刀、市川実和子、小島聖、西田尚美、矢沢心、
    日吉ミミ、島田珠代、南州太郎、小倉一郎、昭和のいる・こいる
    寺島進、上田耕一 ほか。

出演者を見てると結構、旬な人が集められている。超一流はいないけど。
これがこの映画のこころだな。
鳥肌実、とは、テレビに出ない(出れない)孤高独特の舞台人だ。
かれの映画第一作がこれ。ひところでいうと、あまり意味を求めてはいけない
映画であろう。なんか、ビッグコミックスピリッツの漫画を見ているようだ。

かつら会社に勤めるタナカヒロシは、32歳。独身。人とも喋らず、一人でいる
ことが何より楽な人生だ。当然彼女もいない。ある日、いつものように
弁当屋(ユンソナ)から、弁当を買って、中に入っていたフォーチュンクッキーを
みると、なんと「大凶」。
これから、タナカヒロシの人生に次々に不幸が降りかかる。母親がガン死、
あいついで父が急死、残された家を狙って悪徳修理業者が入り込み、
わざと屋根に穴を開けて修理を迫られ200万を請求される始末。これに
ハンコをついてしまうのがタナカヒロシなのだ。
さらに、カツラ会社が倒産、弁当屋の娘さえ(韓国人なのだが)不法滞在で
仕事が出来なくなる。頭の毛さえ薄くなってくる。
デリヘルの女(矢沢心)から「心を閉じていては生きていけないよ」と説教
されてしまう。
ユンソナと歩道で途方にくれていると頭上から鉄骨が落ちてくる!

こんな人もいるのだなあ、別に観終わってもなにか感動が残る訳でもない
のだが、人の幸せって小さい出来事から生まれることが多い、なあんて
感じてしまい、観ていて面白い映画ではあった。
この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-09-16 22:35 | 邦画・新作 | Trackback(5) | Comments(0)

日本沈没

,●「日本沈没」
2006 日本 ディックインターナショナル 日本沈没製作委員会 135分
監督:樋口真嗣
出演:草彅 剛、芝咲コウ、及川光博、福田麻由子、豊川悦司、大地真央他


06年夏休みの目玉映画の一つを試写会で観て来ました。旧作やテレビ映画
の印象があり、どんな仕上がりになっているか見てみたかったからです。
TBSの映画ですね。

第一印象、VFXは凄い!良く出来てるなあ。これだけ観にいっても損は無い。
ただ、人物の描き方というか、ヒューマンな部分はステロタイプで、あまり
良い印象を受けなかったなあ。
これから観にいく人が多いと思うので、この手のスペクタクル映画としては
邦画としては、良く出来たほうだとは思います。
最近見た「亡国のイージス」などと比較して、どうかな。
もちろん、自衛隊、東京消防庁、海洋研究開発機構全面協力なので、機材
は本物を使い放題。リアリティを付加するのに成功しています。
ストーリーも前作の方が情緒?があったような気がするし、イントロも
いきなりハザードシーンからだから、全編スピード感は充溢しているものの
緩急が付いてない気がするなあ。
ま、観てきてください。そして皆さんの感想を是非聞かせてください。
by jazzyoba0083 | 2006-07-06 15:45 | 邦画・新作 | Trackback(1) | Comments(0)

チルソクの夏

●「チルソクの夏」
2003 日本 ブレノンアッシュ 「チルソクの夏製作委員会」 114分
監督:佐々部清
出演:水谷妃里、上野樹里、桂亜沙美、三村恭代、淳評、山本譲二、高樹澪

監督は「半落ち」の佐々部清。彼自身、映画の舞台になった下関市出身
なので、映画の中の町の描き方は、実に丁寧で、良い味付けになっている。

映画はセピアカラーで始まる。2003年の下関。10年振りで開催された
下関~釜山の姉妹都市の高校生選抜で争そわれる陸上大会に、
スターターを務め、かつ大会を仕切る一人の中年に差し掛かった女性体育
教師の姿があった。スターター用のピストルを上げる手にはブレスレットが
光っていた。

1977年の釜山。この年に釜山で開かれた大会に下関の代表の一員として、
長府高校の女子仲良し陸上選手4人組も参加していた。この大会で、
韓国の走り高跳びチームに居た安大豪選手に4人とも強く惹かれた。
安選手も、4人の中で同じ走り高跳びの選手、遠藤郁子に一目惚れ。
安選手は戒厳令下で夜間外出禁止にも関わらず、郁子らの宿舎に
忍び込んでくる。
そして、郁子に出て来いというのだった。友達の助けを借りて二人は
話すことができた。安の父は外交官で、幼い頃2年間日本に居たことが
あるため、安は少し日本語が出来る。安は郁子の住所を聞き出し、郁子は
来年の大会にも是非出場して、今度は下関で逢おうと約束する。
1年に1度しか会えない七夕の日の彦星と織姫に二人をなぞらえて・・・
(チルソクとは韓国語で七夕のこと)

下関と釜山で文通が始まったが、郁子の父は朝鮮人と付き合うことは
許さん、と酷くしかる。また周囲の目も郁子に差別的だ。一方、安の母も
自分の伯父が日本兵に殺されていることから日本人が嫌いで、息子が
日本人と付き合うことを許さない。今はソウル大学に入ることだけを考えて
いなさい、と諭すのだった。
挙句の果てには、郁子に自ら手紙を書いて、文通を止めるように言ってきた。
貧乏な郁子の家だが、陸上の成績がよければ体育奨学生として
体育大学へ進学の道があるのだが、安との間もままならず、しかもお金も
ない、ということで郁子はなかば自棄的に就職し、陸上もやめようとする。
しかし、4人組の友だちに諭され、考えを改め、来年の選抜大会にでよう、
と再び決意するのだった。
そして1978年の下関大会。釜山からやってきたフェリーの船上に安の
姿があった。彼も、約束を守りたかったのだ。
そして、4人組の力で二人は市内の公園で会うことが出来た。そして二人の
愛を確認したのだった。安は来年は大学に入り、20歳になったら兵役に
着くので、今度逢えるのは4年後だ、といって再会を硬く約束して、
帰って行った。

翌朝、昨夜の宿舎抜け出しを叱られていて安の帰るフェリーを見送ることが
出来なかった郁子だが、一人の女子高生が郁子に、安からの贈り物を
預かっていた。中には金に輝くブレスレットが入っていた。

そしてシーンは再びセピアになり、2003年の下関大会。中年になった
郁子は回顧する。
安君との約束は遂に守られることは無く、私は東京の体育大学に行き、
新しい恋愛もし、結婚も離婚も経験しました。きっと安君もたくさんの
恋愛をしたことでしょう・・・と。
無事に大会を終え、大会関係者が挨拶で「バブルがはじけてから
中止されていたこの大会を開くことが出来たのはある方の多大な援助が
あったからです」と明かす。

相変わらず中の良い4人組、すでに中年になっていた。そのとき恩師が
「そういえば韓国の関係者から郁子にメモをあずかっている」と紙を渡す。
そこにはハングルで「5番ゲートでまっている」と書いてあった・・・。

観た後が爽やかな青春映画。「パッチギ!」の「イムジン河」対こちらの
「なごり雪」という構図も良く似ているが、主人公の日韓関係が逆な分、
少し此方の方が柔らかい感じがする。
「パッチギ!」は日韓の関係の描き方がもう少し、政治的臭いがする。
安君が「僕は外交官になって、南北を統一することに役にたちたい。
僕たちの世代で憎しみあうなんておかしいよ!」といいうと、郁子は
「安君てそんなことを考えているのね。私たちなんか、テレビのタレントが
どうした、とかそんな下らないことしか話さないのに」。すると安君、
「それは日本が平和な証拠だよ。羨ましいよ。韓国人もそうなりたい」と返す。
まあ、高校生なりの青いセリフであり、本質のところはもっとおどろおどろしく
硬いのだろうけど、青年の考えとしてはまことに正論だ。
さすが文化庁推薦の映画だけのことはある。
そんなに骨太ではないけど、青春の眩しさ、そしてちょっとした問題意識を
提起するには良い映画でしょう。
私自身、1977年といえば、既に就職もしていたので、主人公たちよりは
早い世代ですが、同じ時代を生きてきた人間として時代感は実に良く
伝わってきました。e-mailもケイタイも無い時代からこそ描けた世界、
それは「三丁目の夕陽」にも通じる思想ですね。
4人組の女子高生が良かったですね。上野樹里はその後ブレイクして
いきますが、郁子を演じた水谷妃里さんは最近見ませんが、どうして
いるのでしょうか?
尚、この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-07-03 22:55 | 邦画・新作 | Trackback(1) | Comments(0)

亡国のイージス

●「亡国のイージス」
2005 日本 日本ヘラルド・松竹 亡国のイージス製作委員会 127分
監督:阪本順治
出演:真田広之、中井貴一、寺尾聡、勝地涼、佐藤浩市、チェ・ミンソ
吉田栄作、谷原章介、原田芳雄、岸部一徳、原田美枝子、橋爪淳ほか。


皆さんの感想を読むと、ボロクソですね。私は原作を知らないので、
まあ、自衛隊全面協力なので、反政府映画にはなりようが無いわけで。
しかも、製作委員会に電通だの産経新聞だのFM東京だのが入って
居るのを観れば、お上にたてつく映画ではなく、基本路線は大政翼賛
なのだ、と想像はつく。

全体の印象は、アクション映画としてはまあまあ。プロパガンダ映画には
なりきれず、「愛国右派」の印象のみが軽く残った程度か。
結局、「軍事」を持つ国こそが「愛国」を言える価値がある、といいたかったの
だろうが、トンチンカンなまま、「ウルトラマン」みたいな(それ以下?)の
惨めな脚本となってしまった。
出演しているのが豪華な俳優陣なだけに、もったいない。
自衛隊フェチには、スカッとする映画かもしれないな。

皆さんのご指摘どおり、如月のおふくろさんの首吊り自殺と親父殺しが
今の如月とどう繋がるのか?北朝鮮の工作員がなんでやすやすと
イージス艦に乗り込めたのか。中井演じる「首領様の忠実な下僕」は
これをやるためだけに長い年月海上自衛隊に潜伏していたのか?
女忍者みたいな北朝鮮の工作員は、中井の妹なのか?彼らは
どういう家族なのか?(家族の写真を燃やすシーンがあるが、あれは
なんだ?)、何で、彼女は海中で如月とキスするのか?
アメリカが全然反応していないのは何故だ?
内閣危機管理室に首相があれだけ長い間閉じこもっていて、マスコミは
なぜ反応しないのか?
「ダイス」といわれる組織が本当にあるのか、ないのか良く判らん。

と、まあ突っ込みどころ満載ではある。B級アクション映画としては
自衛隊の全面協力があるから、観ている分にはそうは厭きない。
しかし、リアルな自衛艦や戦闘機に比べ、「いそかぜ」が沈没していく
シーンのCGが、お粗末で惜しいな。

日本において、こうも中途半端な映画しか出来ないことこそ「憂国」なの
ではあるまいか?
「たそがれ精兵衛」の真田広之、「雨あがる」の寺尾聡が好きな人は
観ない方が良いかもしれませんよ。
尚、この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-05-13 17:30 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)

パッチギ

●「パッチギ」
2004 日本 シネカノン パッチギ製作委員会 119分
監督:井筒和幸 音楽:加藤和彦
出演:塩谷 瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、楊原京子、尾上寛之
オダギリジョー、余貴美子、大友康平、前田吟、小出恵介ほか

2005年日本アカデミー賞新人俳優賞=沢尻エリカ、塩谷瞬
話題賞=沢尻エリカ 
ブルーリボン賞作品賞 受賞作

1968年18歳の高校生が主人公の作品といえば、時代的には
昭和27年(1952)生まれの私には、ど真ん中のストライク。
グループサウンズの「オックス」の公演で失神シーンで始まるこの
映画は、思い入れも十分です。

舞台は京都。主人公の松山康介は京都の高校3年生。オックスの
赤松愛にあこがれて、女にもてたいばかりに、頭をマッシュルームに
したり、ギターを始めたり、というその時代の高校生の青春をしていた。

一方、京都に修学旅行に来た九州の生徒に、地元の朝鮮高校の
女学生が、いじめられるという事件が、発生、怒りに燃えた朝鮮高校の
男子生徒の悪がきたちは、徒党をなして、修学旅行のバスを包囲し
学生をボコボコにしたあげく、バスを横倒しにするという、大暴れ。
その中心にいたのが、リ・アンソンという在日であった。
かれは、ウリナラの帰国船に乗って北に帰ることになっていた。

松山たちの通う高校では、担任から、京都だけでも南北融和を目指せ、
と、朝鮮高校に親善サッカーの申し入れに行って来いと命じられ
松山と友人の吉田が、訪ねることになる。
険悪な中で、申し入れ状を渡した松山たちだったが、そこで、アンソンの
妹、キョンジャが、「イムジン川」をブラスバンドで演奏する姿を見て、
一目ぼれ。自分もギターを手に入れて、「イムジン川」に挑戦することに
する。

青春映画の側面と、分断国家の悲劇、そして強制連行の恨み、
そんな陰が松山やキョンジャの上にも影を落とす。
京都を2分する高校生のやんちゃ集団の決闘の中で、アンソンの
親友が事故で亡くなるが、その葬式のシーンで、族長のような男が
「お前、帰れ!生駒トンネルを掘ったのは誰か知っているのか、
国会議事堂の大理石を切り出して積み上げたのは誰か知っているのか、
ウリナラの田植えの最中、たった1枚の紙で、日本に連れてこられて、
俺はプサンからの船から飛び降りて死のうと思ったよ、
これがお前らに判るか」と松山に問うのだが。

劇中に流れる「イムジン川」が鴨川とも重なりつつ、南北の分断は
自らの意思でないところで為された、悲劇性を浮かび上がらせる。
フォーク・クルセダーズの歌がフィーチャーされて、時代とそれが持つ
悲しみに厚みを付けて行く。

同じ強制連行を描いた「血と骨」とはまったく異なったアプローチだが、
日本人は忘れてはいけない部分を映画が主張しつづけることは
形はどうあれ、必要だし、不可欠なテーマであるといえる。

若いキャスティングだが、塩谷、小出、オダギリ、それに沢尻エリカらが
非常に活き活きと演技している。なかでもオダギリジョーと大友康平の
役回りと演技が良かったと感じました。
今から40年近く前の京都を、そのまま出現させるのは難しく、映像の
細かいところに突っ込み場所はありますが、この映画では、問題に
ならないでしょう。私は井筒監督の作品は初めて観ましたが、
この手の映画をキチンと作ってくれるのならこれからも応援したいですね。
尚、この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-04-18 23:15 | 邦画・新作 | Trackback(2) | Comments(1)

THE 有頂天ホテル

●「THE 有頂天ホテル」
2005 フジテレビ・東宝 136分 監督&脚本:三谷幸喜
出演:役所公司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、篠原涼子
戸田恵子、生瀬勝久、YOU、オダギリジョー、角野卓造、
川平滋英、唐沢寿明、津川雅彦、西田敏行、伊東四朗ほか。


まあ、出てくるわ出てくるわ、大オールキャストの「グランドホテル」
形式の三谷コメディ。1932年のMGM映画の大傑作「グランドホテル」
になぞらえた映画やテレビドラマは数々創られてきたわけですが、
今回は三谷幸喜がこれに挑戦。まず、こんなにオールスター集めちゃ
違反でしょ。脚本がダメでも、演技で救っちゃいますから。
事実、笑いが起きていたのは総支配人の伊東四朗の白塗り、
角野卓造のこまった人物ぶり、西田敏行の演技あたりでしょうから、
本より演技で笑いが起きていた、といった感じかなあ。
今回はホテルの宿泊客より従業員が主人公だったりするのですが、
狂言回しとなる、娼婦(篠原)、売れない歌手(YOU)の
役のたてどころが良かったですね。
大晦日のホテルの1日のドタバタを描いていくストーリー。
それぞれの客や従業員が、少しずつ関係があり、大人数を
取り仕切る脚本は、まずは良く出来ていたと思います。
スキャンダルでホテルに逃げ込んだ国会議員(佐藤)の描き方も
もう少し、工夫が欲しかった感じ。
三谷ファンにはたまらない映画でしょうねえ。ま、見て損はない映画では
ありますが、好悪は別れるかもしれません。
それにしても、邦画を映画館に観にいったのは何十年振りでした。
この前に何を観たのか、もう記憶にないくらいです。
尚、この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-03-05 18:03 | 邦画・新作 | Trackback(1) | Comments(0)

阿弥陀堂だより

●「阿弥陀堂だより」

2002 日本 アスミック・エース 阿弥陀堂だより製作委員会 128分
監督:小泉堯史 原作:南木圭士 出演:寺尾聰、樋口可南子、北林谷英
田村高廣、香川京子ほか


すさんだ日本、この映画を国民すべてに観てもらいたい。これといって
ストーリーらしいものは無いんだけど、人間も自然(風景)も、今の
日本が失ったものがある。小泉監督は、そういうことを言いたかったんだ
ろうなあ。
売れない小説家(寺尾)と、東京の大病院の優秀な勤務医であったが
流産してしまい、それからパニック障害になってしまった妻(樋口)。
二人は、妻のリハビリを兼ねて、夫の故郷である(ロケ地:長野県飯山市)
無医村に、医者として勤めます。そこには死者の祀る阿弥陀堂があり
お守をしているのがうめばあさん(北林)。喉の病気で喋れなくなった娘
(小西真奈美)がうめばあさんから,生きていく上のちょとした気の利いた
話を聞き取り、村の広報誌に、「阿弥陀堂だより」としてエッセイを書い
ています。
寺尾と樋口夫婦に、小説家としての恩師である田村、そして香川夫妻、
口の利けない娘が死にそうになる、これを助ける市民病院の医師(吉岡
秀隆)、村の人々。出演してくる人々が、「人間て、本来いいもんだよね」
「死ぬの生きるのと、騒がしいよね」と静かに静かに訴えてきます。
そして圧倒的な、奥信濃の美しい自然。初夏から始まり、夏、秋、冬、
そして春、と人間の一生を重ねて描かれていきます。冒頭の緑は
本当に画面から滴ってきそうです。
何かを大仰に言う映画ではないですが、たまには、ほっとするこんな
映画もいいですね。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-02-25 21:21 | 邦画・新作 | Trackback(1) | Comments(0)

雨あがる

●「雨あがる」

1999年 東宝・アスミックエース 91分 監督:小泉堯史 原作:山本周五郎 脚本:黒澤明
出演:寺尾聰、宮崎美子、三船史郎、吉岡秀隆、仲代達矢、ほか


人に尋ねられれば、迷わずお勧めできる、上質な邦画です。時代劇だからと
いって、とりたてて構える必要も無く、歴史の知識も要らない、肩の力を
抜いて観て、観終わったあとには心が洗われた様な爽やかさが残る、
掌編です。
山本周五郎の短編を黒澤明が脚本にし、映画になる前に黒澤監督が
亡くなってしまい、残された「黒澤組」の人たちの手で、仕上げられました。
監督の小泉は長く黒澤監督の助監を勤め、黒澤美学をよく知り
尽くしている人。この後「阿弥陀堂だより」、今公開中の「博士の愛した数式」を
寺尾聰と組んで作り上げていきます。

長雨が続く、大河のほとり、今日も雨で足止めを食う、浪人三沢伊兵衛と
妻たよ。三沢は武術の達人ではあるが、どうも人が良すぎて、仕官が
長続きしません。
ある日、藩士同士のケンカを上手く止めたところをお殿様にみそめられ、
藩の剣術指南役として採用されかけますが、・・・。
人間の良さ、が全編に流れ、いやな思いを一つもしないですむ映画でした。
飄々とした寺尾は父親、宇野重吉に益々似てきました。28年ぶりの
映画出演だったという三船敏郎の長子、三船史郎が、下手をすると、
「なんだこの素人が・・」と思われてしまうような、棒読みのセリフの連発。
でもオヤジもそんなんでしたね。あと一歩すれすれというところで止まり、結果、
良い味を出してると思います。
エンディングも、どう終わらせるだろう、と考えて観ていたのですが、希望を残して
さわやかに終わってくれました。「たそがれ精兵衛」は、感動でしたが、こちらは
すがすがしさ、というところでしょう。
尚、映画の詳しい情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2006-02-06 21:44 | 邦画・新作 | Trackback(2) | Comments(0)