ケーブルガイ・Cable Guy

●「ケーブルガイ・Cable Guy」
1996 アメリカ コロンムビア/ソニーピクチャーズ 95分
監督:ベン・スティラー
出演:ジム・キャリー、マシュー・ブロデリック、レスリー・マンほか。

「マスク」で日本でもすっかりおなじみになったジム・キャリーが「マスク」の
2年後に撮ったもの。ベン・スティラーは俳優としてのほうがキャリアが
長いのだが、監督としては2本目。そして、マシューは、「ミュージックマン」
の主演で見覚えがあった。

ジム・キャリーはその表情が極めて特異なイメージがあるが、この映画でも
面白いのか、怖いのか、判らないのが、むしろ怖い。

不動産会社に勤めるスティーブンは、彼女との間が微妙になり、しばし別々に
暮らすことになり、新しいアパートに越してきた。
ケーブルテレビに加入したのだが、係りの男が4時間たっても来ない。
やっと来たのが、ジム演じるケーブルガイ。
最初から、「こいつ頭おかしいんじゃないか」っていう言動のオンパレード。

スティーブンと彼女の間のヨリを戻すのを手伝ったり、スティーブンの部屋
に勝手に入って、大型テレビや大型スピーカー、カラオケセットを
据え付けて行ったり、とにかくスティーブンの廻りをしつこく付きまとう。
本人は「友達になりたいんだ」というが。どこか、危ない人の匂いが
する。
そのうち、スティーブンは突然警察に捕まる。家に持ち込まれた
オーディオセットが、盗品と判ったのだ。

なんとか保釈され、疑惑も晴れたが、スティーブンはケーブルガイが
許せない。正体を暴こうと、テレビ局の知り合いに頼むと、ケーブル
テレビ会社にそんな男はいない、という。かつてクビになった
男らしい。ケーブルガイはついにスティーブンの彼女を拉致し、
大きなパラボラアンテナの上でスティーブンと対決することになる。

結局、ケーブルガイは幼いころ、両親とも忙しく、テレビが子守で、
友達が出来なかった。そんな子供を作っちゃいけないんだ、
子供をテレビに任せちゃいけないんだ、と至極まともなことを
最後に言うのだが、それがこの映画全て。

批評では、みなさん高い評価をしているようですが、私には
なんだかなあ、って感じでした。たしかにケーブルガイの言って
いることは正しいし、社会的な問題提起にもなっているんですが、
じゃ、途中で出てくる中世の騎士の格好をした決闘ゲームは
なんだろうか?ジムの顔芸の達者なところに思わずクスリという
シーンもあるが、95分の映画にしても、なんだかなあ、です。
映画を通して、テレビのニュースで伝えられる「双子殺人事件」
というのは何かのパロディなんでしょうか。知らない人には
全く判らない。
ラストシーンで、ヘリの中の救急士に名前を聞かれ、
「I LOVE LUCY」の旦那の名前、リッキーと答えたバックに
ルーシーの番組のテーマが流れたのも、知らない人には
全く判らない。アメリカでこそ成り立つ映画かな。

尚、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-04-30 23:30 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「判決前夜 ビフォーアフター・Before And After」
1995  アメリカ ピラミッドピクチャーズ、キャラバンピクチャーズ 107分
監督・製作:バーベット・シュローダー
出演:メリル・ストリープ、リーアム・ニーソン、エドワード・ファーロングほか

メリル・ストリープは、「激流」と「マディソン郡の橋」の間の作品。
リーアム・ニーソンは「シンドラーのリスト」で主演をした翌々年の作品。
その後、「スターウォーズ エピソード1」「 ラブアクチュアリー」など傑作に
出演している。私と同い年。メリルのほうが2つ年上。
息子のエドワード・ファーロングは、「ターミネーター2」で、殺されかける
サラ・コナーの息子、未来の英雄ジョンを演じていた少年(91年)。

そんな配役で繰り広げられるサスペンス&親子の愛情の絆を描いた
映画。
ニューハンプシャー州の田舎町。女医のキャロラインの下に若い女性の
他殺死体が運び込まれる。この女性は、彼女も顔見知り。
家に帰ってみると、息子のジェイコブが、失踪していて、警察が事情を
聴きに来る。殺された女性とジェイコブが最後に一緒にいるところを
目撃されていた。
ジェイコブが乗っていたクルマのトランクを開けてみた父親のは、
血のついたジャッキと手袋を発見するが、とっさに隠滅してしまう。
母は、息子が変質者に襲われ、誘拐されたかもしれないのに、なぜ、
そういうことをする、となじるが、父親は息子を守ることに懸命。
やがて、ジェイコブからボストンにいると絵葉書が来る。しかし、
これはジェイコブの演技で、実は、ガールフレンドである彼女と
言い争いをしているうちに、彼女がころんで、ジャッキに顔を打ち
死亡するという、事故だったのだ。やがて、ジェイコブは友人宅に
隠れているところを警察に見つかり逮捕されてしまう。

事故であっても、父は息子を刑務所に行かせたくないから、弁護士に
相談し、なんとか罪を逃れようと作り話をでっち上げる。
しかしし、妹、母、そして本人も真実を語らないことに疑問を持つ。
そして、ジェイコブはついに自分の罪を警察に告白する。
そして、裁判の結果、執行猶予のつかない有罪で少年刑務所に。
父も証拠隠滅で1年の実刑をくらった。

そして、月日は流れ、4人の家族に元の生活が戻ってきたようだ。

結局私の目には父親の思い込みが全ての歯車を狂わせたと感じた。
自分ならどうするだろう。映画を観ながら、心のなかで父親を
なじっていた。ということからすれば、この映画は少なくとも凡作では
ないようだ。ラストシーンで、4人で漕ぐカヤックの向こうに赤いハネ橋が
徐々に開くシーンが何かを象徴しているようだった

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こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-04-29 18:35 | 洋画=は行 | Comments(0)

アミスタッド・AMISTAD

●「アミスタッド・AMISTAD」
1997 UIP・ドリームワークス作品 ブエナビスタ配給 155分
監督・製作:スティーブン・スピルバーグ
出演:マシュー・マコノヒー、アンソニー・ホプキンス、モーガン・フリーマン
ジャイモン・フンスーほか。

奴隷制度が確立されていた19世紀のアメリカで、実際にあった事件を
元にスピルバーグが映画化。確か、ジュラッシックパークの1と2の
間に撮ったんじゃなかったかな。
「カラーパープル」「シンドラーのリスト」など、スピルバーグの別な面を
表す映画の1つで、アカデミーにもノミネートされましたが、受賞は
どの部門でもしていません。やはり「シンドラー」に比べれちゃうんだ
ろうなあ。
歴史がイマイチ判ってないと、セリフが多い映画なので眠くなります。

1839年、キューバ沖でスペインの奴隷運搬船アミスタッド号で、
奴隷が反乱を起こす。アメリカの軍隊に捕まり裁判となるのだが
スペイン女王は彼らの所有を主張、船長らは、自分たちの奴隷だと
主張。しかし、裁判の中で次第に、スペイン人たちの奴隷に対する
過酷な仕打ちが明らかにされていく。

奴隷制度に反対していた元大統領アダムズは、弁護士のボールドウィン
(マコノヒー)と、最高裁で、奴隷制度いかにおろかなものであるかを
説きます。映画最期の20分のアダムス(ホプキンス)の弁護演説が
この映画の全てを語っている。

奴隷制度を説明するのに155分の時間が必要だろうけど、全体に
平板。しかし、娯楽映画を作る一方で、こうした映画をきちんと
作っていくスピルバーグという人も偉い。

アメリカの自由というのものが、どのくらいの血の代償の上に
成り立っているか、ということがよく判る映画。
建国の父たちといわれている、ワシントン、ジェファーソンなど
のつめの垢をブッシュに飲ませたいと、最近のアメリカを見ていると
つくづく思う。

スピルバーグは戦争の愚かしさを徹底して描いているが、
次は何を持ってきてくれるだろう。楽しみではある。

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こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-04-29 15:08 | 洋画=あ行 | Comments(0)

●「アンドリューNDR114・Tne Bicentennial Man」
1999 アメリカ コロムビア・ソニーピクチャーズ、タッチストーン映画 131分
監督:クリス・コロンバス
出演:ロビン・ウィリアムズ、エンベス・デイヴィッツ、サム・ニールほか。

遠くない未来・・・ 家庭用メイド兼執事ロボットのようにして開発された
アシモの進化系のようなロボット、NDR114号が、サム・ニールの
家庭にやってきた。この段階で、顔がどことなくロビン・ウイリアムズ風。
アンドリュー(アンドロイドだから)と名づけられ、家庭内でいささか、
煙たがれて生活(?)していたアンドリューだが、実はかれは、配線の
ミスか何かで、学習能力が極めて優れているアンドロイドであった。

女の子のリトル・ミスと心を通わせるように(見えた)なったり、器用に
彫刻をつくり、そしてついには自分で時計を組み立て、売るようになる。
人間により近いアンドリューは、まず、自分に表情を出せるように
して欲しいと、頼む。
そして次に自由が欲しい、と主人に申し出るが、それなら、君は
もう自由だ、どこへでも行くがいい、といわれるが、ご主人の
命令には逆らえないようにインプットされているアンドリューは
主人の家の近くに自分で家を建て住み、主人ファミリーを見守る
ことにする。

彼の人間に近づきたい、あるいは人間になりたい、という願望は
リトル・ミスそっくりの孫ポーシャを愛してしまったから。そして孫も
アンドリューを愛するようになっていく。
自分を人間に近づけてくれる技師を探して全国を歩いた
アンドリューはサンフランシスコ(遠景のゴールデンブリッジは
二階建てになっていました!!)NDR専門技師のルパートを
探し当て、人工皮膚、人工血液と、味覚、などの機能を付加して
もらい、どんどん人間に近くなって行く。(このあたりで、まるで
ロビン・ウイリアムズそのものになる)そして、世界会議に自分を
ロボットでなく人間だと認めてくれ、と請願しますが、却下される。

そこで、アンドリューはルパートに依頼して、寿命が訪れる
アンドロイドに仕立ててもらうことに成功する。すると、
皮膚は衰え、内臓も弱り、老人になっていく。
機械として誕生してから200年、周りの人間がどんどんいなく
なって行く中、アンドリューは世界会議で200年生きた人間として
認められることになる。そしてポーシャとも結ばれることになるが。

偶然「心」を持ってしまったアンドロイドが、人間になりたい、
自由を得たいと願い、願望が叶えられていく一方、自分は
決して死なない存在であることに気づき、周囲の愛する人間が
どんどんいなくなっていく中で、それに耐えられなくなって、ついに
寿命を持つアンドロイドになって死んで行く、というストーリー。

前にジュード・ローが主演した同じアンドロイドの映画がありましたが、
こちらのほうが判りやすくヒューマンな感情に溢れていました。
人間だれしも死にたくないが、人間がもし死ななくなったら、と考える
とそれも恐ろしい。映画の中では「自然の摂理」と言っていましたが
命あるものは、いずれ滅ぶ。これでいいのでしょう。
それと、人間の心(またはそれに近い機能)を持ったロボットが
出現したら、便利というより怖いですね。アシモを見ていて
すでにそう思います。機械は機械のレベルを超えさせないように
しなければなりませんね。それがアシモフのロボット3原則なんで
すが、機械はどう暴走するかわかりませんからね。それに
どなたかも言っていましたが、アンドロイドに性別の概念を
インプットしちゃ、いけないですね。

映画の途中、ダンスシーンでジャズボーカルが流れるところが
あるのですが、こういうハイタッチな映画で、人間臭いジャズが
流れると、非常に心理描写に効果的だと感じました。

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by jazzyoba0083 | 2006-04-25 23:30 | 洋画=あ行 | Comments(0)

ターミナル・The Terminal

●「ターミナル・The Terminal」
2004  アメリカ ドリームワークス UIP  129分
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズほか。

スピルバーグが「プライベート・ライアン」「キャッチ・ミー・イフ・
ユーキャン」に次いで、トム・ハンクスと組んだハートウオーミングな
ドラマ。ニューヨークJFK空港をそのまんま、アリゾナ砂漠に作って
しまったことでも話題を呼びました。

私としては、映画のそもそもの発端となった、「ア・グレート・デイ・
イン・ハーレム」という写真を扱ったドキュメンタリーを知っていて、
実際1958年8月に雑誌「エスクヮイヤ」誌の呼びかけで
ハーレムに58人の著名ジャズミュージシャンが一堂に会して
アート・ケインによって撮影された写真があることは事実。
ジャズファンなら、一度は見たことがあるはずです。
トム演ずるビクター・ナボルスキーのオヤジさんが、故郷の東欧から
NYに手紙を出し57人までのサインを貰ったのだが、最後の一人の
サインを貰わず亡くなってしまった。トムはこのサインを貰いにNYに
来たのだが、その最後の一人のべニーー・ゴルソンも実在。本人も
出ているが、ゴルソン氏は現在77歳で、今も活躍しています。
このドキュメントのレビューは、親HPのジャズレビュー05年版を
ご一読ください。

というわけで、JFK空港に着いたトムだったが、祖国でクーデターが
発生し、クラコウジアという国が無くなってしまったのだ。これで、
彼はパスポートもビザも失効し、空港で足止めを食う事に。
空港から出ることも、戻る祖国も、無くなったトムは、工事中の
ゲートに住み暮らし、NYに入れるタイミングを待ちます。
腕のいい左官であり、大工であるトムは、建設中の空港で
力を認められ、工事人として雇われ、時給19ドルで働きます。

そんな中、フライトアテンダントのゼタ=ジョーンズと知り合うことに
なり、恋愛中の彼と上手くいかないキャサリンとトムは、互いい
惹かれていく。

空港の掃除人やレストランで働く人々、入管職員、工事屋さんとの
交流。死に瀕しているオヤジに薬を持って帰りたいロシア人との
間に通訳として入り、「これはヤギの薬だ、と言っている」と
彼を救うシーン。そして、最後に入管のチーフが局長の命令を
無視して、トムがNYに出て行くことを認めるシーン。
などなど、胸熱くjなるシーンもタップリ。

キャサリンとの恋も実ることなく(あっけなく元彼の鞘に収まる)、
NYに出ることが出来たトムは、ラマダ・インで演奏中の
ベニー・ゴルソンに会うことが出来、サインも貰うことができたの
でした。そして祖国のクーデターも失敗し帰れる事にもなったの
でした。

酷評する人が多いですが、私は面白く観させていただきました。
そりゃ、入管局長が最後まで悪い人という印象が拭えなかった、
(ラストで、彼を見逃すシーンで、局長も悪い人じゃなかったと
思えるのですが)、キャサリンとの恋のエピソードも、取ってつけた
ようなギクシャクサを覚えないではないですが、全体としては
非常に良く出来た娯楽作品ではないでしょうか。
私は、9ヶ月で英語があれほど上手くなるのかな、と変なところで
突っ込みを入れたくなりましたが。

「人は絶えず何かを待っている」。これがこの映画のキーワード
です。待っているだけなのか、何かをして待っている事態を
何とか動かそうとするのか?それは、人それそれですね。

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by jazzyoba0083 | 2006-04-23 22:32 | 洋画=た行 | Comments(1)

兄貴の恋人

●「兄貴の恋人」
1968 日本 東宝映画  90分
監督:森谷司郎
出演:加山雄三、内藤洋子、酒井和歌子、沢村貞子、ほか

若大将シリーズ以外で観る加山雄三の青春シリーズ第2弾。
前回観た「お嫁においで」よりも、随分良い出来だと思います。
特筆すべきは撮影の斎藤孝雄、音楽の佐藤勝は、99年の
「雨あがる」まで、活躍していた東宝の至宝。佐藤は、「雨~」の
直後に亡くなりました。
という訳で、カメラワーク、編集とも、テレビを意識したような、
あるいは、実験的な(パンフォーカスを使うなど)作りとなっています。

加山雄三演ずる、北川鉄平は、カメラメーカーのサラリーマン。
内藤洋子は、近親愛以上のやばさを感じさせる、兄貴大好きの
大学生の妹。酒井和歌子(この時代の彼女は本当に奇麗だった)
は、加山の会社のBG(この言葉は死語)だったが、実家の
スナックを手伝うために、退社するところから映画が始まる。
加山は、金持ちのお嬢さんを娶りたいと、お見合いを重ねるが、
どこかに、酒井を深く愛している自分を理解している。

酒井の実家は、貧しく、母は病気で兄はヤクザ。ある日、加山は
アメリカ赴任を命ぜられるが、酒井に結婚を迫る。そんな中、
酒井の兄のケンカに巻き込まれ、アメリカ行きは中止、更に
福岡に飛ばされることになってしまう。

一方で、兄の恋人の出現に心穏やかでない内藤は、面白く無い日々。
しかし、加山が心から酒井のことが好きだと判ると、一転、結婚の
後押しをすることになる。

「お嫁においで」の時もそうだったが、悩める青年を加山が好演している。
若大将シリーズのノー天気とは一味違う、加山の演技が見られる。
ストーリーは60年代のものだが、ロミ山田の役などクセがある配役もあり、
なかなか考えられたものだろう。編集もいい。

しかし、この時代の映画を今観るときの楽しみといえば、映画に写る風俗、
街角の風景でしょう。
クルマ、まだ冷房のない「国電」、ミニスカートのファッション、まだ、田舎っぽい
東京の景色、スナックでかかる黛ジュンや青江三奈の歌声、
オードリーの「暗くなるまで待って」の映画立て看板など、私らの世代には
涙モノですわ。

この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-04-22 23:14 | 若大将  | Comments(0)

セルラー・Cellular

●「セルラー・Cellular」
2004 アメリカ ニューラインシネマ 95分
監督:デヴィッド・R・エリス
出演:キム・ベイシンガー、クリス・エヴァンス、ウイリアム・H・メイシーほか。

たぶん、この映画の存在を知っている人は、相当の映画マニアか
キム・ベイシンガーファンでしょう。
私も、WOWOWでやっていたので録画してみたのですが、あまり
期待はしていませんでした。B級映画の出来のいいやつ、ならいいな、
位の感じで見たのです。・・・・・が! 面白かったです。実に。
よく出来ていました。ホントに。下のリンクから詳細ページに飛んで、
皆さんの感想を見てください。つまらなかったと言う人のなんと少ない
ことか。 日本の2時間サスペンスより短い時間で、この内容の良さ、
これは、脚本が上手いのと、撮影と編集のテンポの勝利でしょうね。
キムとクリスも意外、と言ったら失礼ですが、いいんですよ。
またWOWOWか、CSで見る機会がある方は是非見てください。

不動産屋を営む夫を持つ、中学校の生物の先生ジェシカ。
ある日、強盗の一団が、自宅に押し入り、メイドを射殺してジェシカを
誘拐します。待った組に覚えの無い彼女は、郊外の空き家に監禁され
夫の行方を問い詰められます。
閉じ込められた部屋の電話は破壊されたのですが、ジェシカはこれを
上手く細工して、手当たり次第に、発信してみます。その電波を
たまたま受けてしまったのが、LAのビーチで遊んでいたライアンだった。
彼女は見知らぬライアンに事情を説明し、電話を切らずに警察に
言って欲しいと頼みます。最初冗談かと思ったライアンだったがあまりに
切迫した状況に、依頼を受け警察に行きますが、まともに取り合っても
もらえません。唯一、被害者の名前と住所をメモしたのが、ムーニーと
いう退職を決めた巡査だった。
一応不審に思ったムーニーはジェシカの住所に行ってみるが、その
住所には「ジェシカ」と名乗る女性がいて、「なんのこと?」と。
一方、監禁されたジェシカは、息子が学校から誘拐されてきてしまうに
および、夫が空港のバーにいることを教えてしまいます。

ジェシカからの連絡で、空港に夫を救いに急ぐライアンだったが、
今一歩の所で、賊に先を越され、夫も誘拐されてしまいます。

実は賊はLAの警官で、麻薬取引に絡んで売人を殺害したのだが、
たまたまジェシカの夫は近くで不動産物件を収録するためにビデオを
廻していて、たまたま、この殺害シーンを撮影、このことに気づかれて
追い回されていたのだった。そのテープは銀行の貸し金庫に保管されて
いたのだったが、賊は一家全員を捕らえて、このテープを我が物にし
証拠を隠滅しようとするのだった。ジェシカからの電話でこれを
なんとか阻止しようとするライアン。そして、事態がおかしい、と気が
つく警官のムーニー。彼らは悪徳警官をやっつけることができるのか!

というのがストーリーですが、タイトルどおりケイタイ電話が実に巧妙に
小道具として使われていて、1時間半の映画なのにテンポ、ストーリーの
上手さ、伏線の張り方や、狂言回しの登場など、並の出来ではないです。
キム・ベイシンガーは私と殆ど年齢が変わらないのに、奇麗ですねえ。
ま、生物の先生が、壊された電話機を復元させ、信号を発信させる
知識と技術を持っていたのが、ちょっと弱かったかな。

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by jazzyoba0083 | 2006-04-21 22:07 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「ダイヤルM・ A Perfect Murder」
1998 アメリカ ワーナーブラザーズ映画  107分
監督:アンドリュー・ディヴィス
出演:マイケル・ダグラス、グウィネス・パルトロー、ヴィゴ・モーテンセンほか

ヒッチコックの名作「ダイヤルMを廻せ」のリメイクだが、出来は???。
トレーダーのスティーブンは、違法な取引に失敗し、多額の負債を抱え、
倒産寸前。片や、資産家の妻エミリーは、若手の画家デヴィッドと不倫中。
このデヴィッド、実は、前科のたくさんあり、絵も刑務所で覚えたのだ。
そして、デヴィッドという名前も、偽名なのだ。エミリーはそれを知らず、
純粋に才能ある若手画家だ、と信じて愛に溺れるのだった。

そんな中、スティーブンは、妻のエミリーが画家と不倫をしていることを
突き止め、彼の素性を暴いた上で、50万ドルでエミリーを殺せ、と
依頼する。エミリーの1億ドル以上の遺産を狙ったのだ。

スティーブンは、アリバイを確実にして、デヴィッドに妻殺しを指令、
そして、ある夜、マンションの1室に強盗が侵入、エミリーを殺しに
かかりますが、エミリーの反撃で、犯人は死んでしまいます。

覆面をとってみると、死んでいたのはデヴィッドの友人。デヴィッドも
自分の手を染めるのが嫌で、友人に殺しを頼んでいたのだった。

スティーブンは、鍵の隠し場所まで教えて、手引きしたのに、なぜ
やらない、とデヴィッドをなじりますが、逆にデヴィッドは、スティーブン
との殺しの請負のときの会話をテープに録ってあり、それをネタに
スティーブンにあと40万ドルを渡せ、さもないとこのテープを公開
するぞ、と脅します。

夫を疑っていなかったエミリーだが、自分のキーホルダーに
殺人者の部屋の鍵がついていたことが判明し、夫が自分の
資産目当てに殺しにかかっていることを理解する。
スティーブンは妻に殺された殺人者のポケットから、自分が与えた
と思った鍵を、エミリーのキーホルダーにあわててつけてしまったのだ。

ま、ラストは正義が勝つわけですが、サスペンスとしては普通かな。
リメイクということで、期待したんですが、普通すぎた。
さすがに原題にヒッチコックのタイトルをそのままは付けられなかった
ですね。恐れ多くて。
グウィネス・パルトローは、はかなくて美しかったけど。


この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-04-19 22:22 | 洋画=た行 | Comments(1)

パッチギ

●「パッチギ」
2004 日本 シネカノン パッチギ製作委員会 119分
監督:井筒和幸 音楽:加藤和彦
出演:塩谷 瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、楊原京子、尾上寛之
オダギリジョー、余貴美子、大友康平、前田吟、小出恵介ほか

2005年日本アカデミー賞新人俳優賞=沢尻エリカ、塩谷瞬
話題賞=沢尻エリカ 
ブルーリボン賞作品賞 受賞作

1968年18歳の高校生が主人公の作品といえば、時代的には
昭和27年(1952)生まれの私には、ど真ん中のストライク。
グループサウンズの「オックス」の公演で失神シーンで始まるこの
映画は、思い入れも十分です。

舞台は京都。主人公の松山康介は京都の高校3年生。オックスの
赤松愛にあこがれて、女にもてたいばかりに、頭をマッシュルームに
したり、ギターを始めたり、というその時代の高校生の青春をしていた。

一方、京都に修学旅行に来た九州の生徒に、地元の朝鮮高校の
女学生が、いじめられるという事件が、発生、怒りに燃えた朝鮮高校の
男子生徒の悪がきたちは、徒党をなして、修学旅行のバスを包囲し
学生をボコボコにしたあげく、バスを横倒しにするという、大暴れ。
その中心にいたのが、リ・アンソンという在日であった。
かれは、ウリナラの帰国船に乗って北に帰ることになっていた。

松山たちの通う高校では、担任から、京都だけでも南北融和を目指せ、
と、朝鮮高校に親善サッカーの申し入れに行って来いと命じられ
松山と友人の吉田が、訪ねることになる。
険悪な中で、申し入れ状を渡した松山たちだったが、そこで、アンソンの
妹、キョンジャが、「イムジン川」をブラスバンドで演奏する姿を見て、
一目ぼれ。自分もギターを手に入れて、「イムジン川」に挑戦することに
する。

青春映画の側面と、分断国家の悲劇、そして強制連行の恨み、
そんな陰が松山やキョンジャの上にも影を落とす。
京都を2分する高校生のやんちゃ集団の決闘の中で、アンソンの
親友が事故で亡くなるが、その葬式のシーンで、族長のような男が
「お前、帰れ!生駒トンネルを掘ったのは誰か知っているのか、
国会議事堂の大理石を切り出して積み上げたのは誰か知っているのか、
ウリナラの田植えの最中、たった1枚の紙で、日本に連れてこられて、
俺はプサンからの船から飛び降りて死のうと思ったよ、
これがお前らに判るか」と松山に問うのだが。

劇中に流れる「イムジン川」が鴨川とも重なりつつ、南北の分断は
自らの意思でないところで為された、悲劇性を浮かび上がらせる。
フォーク・クルセダーズの歌がフィーチャーされて、時代とそれが持つ
悲しみに厚みを付けて行く。

同じ強制連行を描いた「血と骨」とはまったく異なったアプローチだが、
日本人は忘れてはいけない部分を映画が主張しつづけることは
形はどうあれ、必要だし、不可欠なテーマであるといえる。

若いキャスティングだが、塩谷、小出、オダギリ、それに沢尻エリカらが
非常に活き活きと演技している。なかでもオダギリジョーと大友康平の
役回りと演技が良かったと感じました。
今から40年近く前の京都を、そのまま出現させるのは難しく、映像の
細かいところに突っ込み場所はありますが、この映画では、問題に
ならないでしょう。私は井筒監督の作品は初めて観ましたが、
この手の映画をキチンと作ってくれるのならこれからも応援したいですね。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-04-18 23:15 | 邦画・新作 | Comments(1)

冷たい月を抱く女・MALICE

●「冷たい月を抱く女・MALICE」
1993  アメリカ MGM=コロムビア=SONY 106分
監督:ハロルド・ベッカー 音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:ニコール・キッドマン、アレック・ボールドウィン、ビル・プルマンほか

ニコール・キッドマンが26歳。「誘う女」で95年にゴールデン・グローブ
賞最優秀主演女優賞を獲り、ブレイクして行く2年前に、「インディペンデンス
・デイ」で、戦闘機を操縦する勇敢な大統領を演じたカーク・ダグラス似の
ビル・プルマンと共演、名脇役(この映画のクレジットでは主演扱い)
アレック・ボールドウィンを迎え、3者の男女の関係を描くサスペンス。
他に名優ジョージ・C・スコットも出ている。

大学学長補佐として勤務するアンディ。勤める大学ではレイプ事件が
相次ぎ、アンディも犯人ではないかと疑われ、精子検査までさせられる。
そんな中、妻のトレイシー(キッドマン)が、腹痛で大学病院を訪れる。
担当したのは、アンディの高校時代の友人ジェッドだった。アンディは
ジェッドを自分の家の一部屋を貸して暮らすが、ジェッドの奔放な生活を
苦々しく思っていた。ある日、トレイシーが再び卵巣脳腫で出血して倒れて
緊急手術。担当はジェッド。自分を神と信じる自信家のジェッドは
トレイシーの、もう一方の卵巣も壊死していると診立て、
摘出するが、病理検査の結果、健康な卵巣だった。そして、トレイシーは
妊娠もしていた。だが、流産せざるを得なかった。(これも芝居だったが)

トレイシーは、アンディを非難、子供を産めない身体にしたのは、あなただ、
と言って彼のもとを去って行く。
しかし、レイプ事件の容疑で受けた検査で、アンディは無精子症だと判り、
子供は出来ないことが判明した。そう、妻を妊娠させたのは
ジェッドだったのだ。しかし、二人はこれを隠し、ジェッドと大学を示談に
持ち込み2000万ドルをせしめる。これはジェッドと仕組んだことだったのだ。

自分に妊娠させる能力がない事が判ったアンディはトレイシーの行動を
怪しむ。死んだ、といっていた妻の母(アン・バンクロフト)は実は
生きていて、訪ねて行くと失踪した妻の行き先のヒントをくれる。(このシーンは
サントリーがHPでシングルモルトウイスキーの宣伝に使うくらい味がある)

妻を追っているうちに妻とジェッドの逢引の現場を目撃することになる。

全てを理解したアンディは、妻を呼び出し、現金を半分よこす様に迫る。
となりの子供が、妊娠促進剤を注射している妻を目撃していると
決定的証拠を提示する。妊娠促進剤は、多量に摂ると、卵巣を壊死させる。
これを、ジェッドが判っていながら切除手術をして、トレイシーを被害者に
仕立て、大学を示談に持ち込もうという目論見だったのだ。自分を
子供を産めない身体にしてまで金を奪おうという、この金亡者。
妊娠は想定外だった。しかし、ここから全てが崩れて行くのだが・・・。
妻は、目撃者の隣の家の少年を殺そうとたくらむが、ジェッドは、止めておけ、
金はアンディにも分けろ、と解決を迫る。しかし、妻はジェッドを射殺、
子供を殺しに隣の家に忍び込み、少年の顔にラップを被せて窒息させようと
するが、子供は人形に差し替えられていた。アンディにはめられたのだ。

ストーリーの内容は少々安っぽいが、筋書きとしては良くできているんじゃ
ないかな。キッドマンが徹底した悪女を演じています。この人、意思の強い
女をやるとはまりますね。グウィネス・パルトローが出ていたんだそうですが、
どこで誰の役で出てきたのか判りませんでした。レイプされた女子学生か?
そういえばレイプ事件は、アンディが無精子症であることを示すための
伏線であっただけのことだったなあ。
現代の「MALICE」とは、「恨み」「悪意」「犯意」とかなんですが、
邦題は、上手く付けたというべきか、中身がよく判らんというべきか。

なお、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-04-17 22:30 | 洋画=た行 | Comments(0)