●「50回目のファーストキス 50 First Dates」
2004 アメリカ コロムビア=ソニーピクチャーズ 99分
監督:ピーター・シーゲル
出演:アダム・サンドラー、ドリュー・バリモア、ロブ・シュナイダー他

ハワイが正面切って舞台になる映画は最近珍しい、というか私としては
エルビスの「ブルーハワイ」~「真珠湾」以来か?
美しい景色が、物語をより切なくしています。
みなさん、ご存知のホノルル近くの「シーライフパーク」のセイウチ飼育係
のヘンリーは、自前のヨットでアラスカに行き、海中のセイウチの生態を
研究するのが夢。
ある日、オワフ島1周のヨット航海に出たヘンリーだったが、かなりポンコツ
なヨットで、マストが折れて、すぐに挫折。ゴムボートで到着した海岸に
あったカフェで、ワッフルで家を作っているルーシーという女性に出会う。
そして一目ぼれ。明日も会おうね、と二人約束したのだが・・・。

翌朝、同じカフェに行ってルーシーに声を掛けると、「あなた誰?」
ルーシーは1年前に父親の誕生日にパイナップルを採りに行く途中、
道路に居た牛を避けるために、父親が運転を誤り、道路脇の木に
激突、ルーシーは頭を強打し、一命は取り止めたものの、「短期記憶」
を消失するという後遺症が残った。
つまり、ルーシーは今日の出来事をその夜、寝ると翌朝すっかり
忘れているのだ。
ルーシーの父親と弟は、1年間毎日同じことを繰り返し、彼女に事故で
記憶を失っていることを隠してきた。
毎日会い、毎日好きになり、毎日ファーストキスを繰り返す二人、ヘンリー
は、彼女の後遺症を何とかしようと、まずビデオで、昨日のことや事故の
ことを説明、ルーシーは家族がウソをついていたことや事故後の
後遺症のことは理解するが、次の日にはやはり忘れている。

やがて、自分の存在がヘンリーの夢の邪魔をしている、と気がついた
ルーシーは、別れ話を持ちかけ、ビデオを見せられてからずっと
付けていたという日記から、ヘンリーのことを抹消してしまう。

分かれての生活を始めたのだが、ヘンリーはルーシーが忘れられず
ルーシーは、施設で絵を教える仕事を始めたのだが、知らずに
ヘンリーの似顔絵ばかり書いている(その人が誰だかはわからないのだが)

最後は、ちょっとびっくりのアラスカの海のヨットの上のシーン。
すでに二人の間には赤ちゃんが居て、ルーシーのオヤジさんも、ヘンリーの
仕事を手伝っている風。ヨットの中で目を覚ましたルーシーはベッドサイドに
あったビデオ「おはようルーシー」を観ると、自分が結婚して子供が出来て、
というストーリーが綴られている。それを確認し、デッキへ出てみると
ヘンリーも娘もオヤジさんもいて、ということになっている。
病気は治っていないけど、赤ちゃんがこれだけでかくなるまで毎日、ビデオを
観て自分を確認をしつづけているのだろうな、ということがわかる。

脇を固める、ルーシーの家族、通いつめるカフェの客、シーライフパークの
芸達者なセイウチ、彼らがこの映画をいいものにしている。
予算を掛けた映画ではないけれど、ほのぼのとして、いい気持ちになる映画。
あの「E・T」で、少女を演じていたバリモアも、もう30歳だもんなあ。
美人じゃないけれど、こういう役をやると上手いなあって感じました。
お勧めできる一品です。
尚この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-08-30 22:15 | 洋画=か行 | Trackback(3) | Comments(0)

日本の夜と霧

●「日本の夜と霧」
1960 日本 松竹 107分
監督:大島渚、製作:池田富雄、脚本:大島渚、石堂淑朗、撮影:川又昴
出演:桑野みゆき、津川雅彦、小山明子、渡辺文雄、芥川比呂志ほか。

最近、こんなにイデオロギー臭い映画を観たことがなかった。あまりにも
直接的な共産党批判や礼賛、「破防法」や「安保体制」を巡る思想の
激突。これじゃ、4日で上映禁止、大島渚が松竹を飛び出すハズだ。

大島は京大で学生運動に深くかかわっていたことがあるので、自らの
総括として書いた、とも云われる。これで芸術祭に参加したんだから
大した度胸だ。

全編に流れる「若者よ~、体を鍛えておけぇ~」というコミンテルンの歌
ですか?
大学の寮に生活する学生運動家たち。それぞれのスタンスの思想を
抱えながら、体制に批判的である。その温度差がさまざまな軋轢を産む。
まず渡辺と桑野の結婚式のシーンからスタート。それが、思想をぶつけ
あい、イデオロギーで相手を罵倒する修羅場と化していく。
そんな中で、樺美智子死亡事件が起きる。そして、寮に警察のスパイと
いう男が忍び込み、捕らえられる。
口先ばかりでアジる男、カラ元気なだけの男、日和見の男、穏健派、
武闘派さまざま入り乱れて、ある意味青春が描かれていく。
「破防法が制定されてしまうと、また戦前に戻るような気がするのだが」と
のセリフは、破防法を別な言葉に入れ替えると今でも十分通用する。

津川や渡辺、小山らの俳優以外の学生役が、カミカミだったりするのだが
それが、変にリアリティをかもしだしていている。大島の狙いなんだろう。
それと昭和35年の時代の雰囲気を判っていないと、今の若い人には
理解が難しかろう。昔の大学生って、こんな感じでもあったのだよなあ。
それにしても、珍作ではある。川又昴の長回しの映像が独特の味付け
になっている。
この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-08-28 23:13 | 邦画・旧作 | Trackback | Comments(0)

●「ワイルド・バンチ/オリジナル・ディレクターズ・カット」
~The Wild Bunch/Original Director Cut~
1969 アメリカ ケイブルホーグ 146分
監督:サム・ペキンパー(脚本も)
製作:フィル・フェルドマン
出演:ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアン他

サム・ペキンパーは、「ゲッタウェイ」しか見ていなくて、チャンスがあれば
観たいな、と思っていたらWOWOWでディレクターズカットをやってくれた
ので、飛びつきました。
氏の作品の中でも最高傑作の声が高い作品ですね。本筋とは関係ない
ですが、69年の作品にしてはハイヴィジョンノの画が大変綺麗だったのが
印象的でした。

5人のアウトローが、メキシコ軍の悪徳将軍(パンチョ・ビラと対立してる勢力)
と対決していくのだが、追跡するかつての相棒(彼は、ホールデンを捕まえ
ないとまた牢屋に入れられてしまうのだ)との思い、男の生き方、死に方を
ペキンパー流に描いていく。例によって銃撃で倒れるシーンはスローモー
ションを使っている。

パイク、ダッチら5人のアウトローたちは、メキシコのマパッチ将軍からの
依頼でアメリカ軍の武器輸送列車を襲い、大金と引き換えに武器を売り
渡した。彼らはこの武器でパンチョ・ビラ軍と戦うのだ。
しかし、マパッチ将軍は女と酒にだらしなく、軍紀は乱れ、士気は低い。

マパッチがパイクらの仲間の一人を捕らえ(アメリカ軍の弾薬を一箱くすねた
から)、クルマの後ろにつないで引きずりまわしてたことから、激怒、100人の
軍隊を相手に壮絶な銃撃戦を展開、5人も自らが滅んでいくのだった。

ホールデンや、ボーグナインがアウトローを演じているのを見たことがない
ので、最初のあたり、話が見えてこなかったのには往生した。
その後は、わかり易いストーリーだったけど。
やはり、この映画は、見ごたえがある。1913年が舞台だが、なまじの西部劇
ではないし、ペキンパー流、というスタイルがはっきり判るのがすごいな。
最後の銃撃シーンは「ボニー&クライド」のラストシーンを思い出させた。
俳優陣も、すばらしい。傑作だわ、やはり。オリジナルはどんなだったん
だろう?このディレクターズカットは97年にリバイバル上映された。
尚この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-08-26 18:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback(2) | Comments(0)

●「大いなる勇者 Jeremiah Johnson」
1972 アメリカ ワーナー・セブンアーツ 108分
監督:シドニー・ポラック 製作:ジョー・ワイザン
出演:ロバート・レッドフォード、ウィル・ギア、ステファン・マクマリー他。

最近では、「ワイド・アイズ・シャット」「ランダム・ハーツ」「推定無罪」
などを観ていたポラックの西部劇としては初めて観ました。
原題がジェレマイア・ジョンソンというのではどうしょも無いので、
この邦題が着いたんでしょうが。名前の通りなんだけど、誤解を
産みやすい邦題ではある。

ジェレマイアは、街の暮らしに嫌気がさし、一人猟師として山で暮らす
決心をする。過酷なロッキーの自然、襲い来るインディアン。
そんな中で、気のいい熊うちの老人と出会う。そして、悪者インディアン
に旦那や子供を殺され呆然としている未亡人と出くわし、
生きていた男の子を連れて、旅に出、途中で悪いインディアンが
盗んだ馬を、返してやったことから良いインディアンから
妻となる女をもらい、マルタを切って家を作る。家庭らしい暮らしも
始まった。しかし、ジェレマイアが遠出をして帰ってきてみると
悪いインディアンに妻と連れてきた男の子は殺されていた。
ジェレマイアは作った小屋ごと二人を火葬にし、復讐に乗り出す。

そして、またジェレマイアは山への入っていくのだった。
静かな西部劇だ。ジェレマイアはもと軍人で、相当嫌な目にあったのだ
ろう。人里より、過酷な自然のロッキーをねぐらとして選んだジェレマイア。
彼の静かな心の動きが静かに描かれる。
派手さの無い、しかしよく出来た西部劇だ。
尚、この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-08-26 18:22 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

80日間世界1周

●「80日間世界一周 Around the world in eighty days」
1957 アメリカ ユナイテッド・アーティスト 169分
監督:マイケル・アンダーソン
製作:マイケル・トッド 原作:ジュール・ヴェルヌ
音楽:ヴィクター・ヤング

1956年アカデミー賞作品賞、脚色賞、撮影賞、音楽賞、編集賞受賞作品

この名作をいままで観た事がありませんでした。まあ、今更世界の
名所を見たところでどうってことないしなあ、と思っていたからです。
もちろん、あのヴィクター・ヤングの名曲は、一時期世界旅行の
テレビ番組でよく使われていて、旅情をかきたてるのに役にたって
いました。「兼高かおるの世界の旅」のテーマもこれじゃなかった
でしたっけ?
民放BSとNHKBSが今、夏の映画特集として100本を連続して
オンエアしていて、そこで、魅力が語られていたので、長い映画では
ありましたが、少し寝ちゃったところもありましたが、なんとか
ラストまで観ました。
有名な俳優さんが、役名も無しで、短い時間ひょっこり画面に現れる
ことを「カメオ出演」といいますが、この映画を、以って嚆矢とします。
マレーネ・ディートリヒ、フランク・シナトラ、シャルル・ボアイエ、
トレバー・ハワード、などなど、綺羅星のごとくの登場です。

この映画は、シネマスコープに対抗して、この映画のプロデューサー
でもある、とマイケル・トッドが開発したトッドAOのデモンストレー
ションという面も含めて、ジュール・ヴェルヌの名著を贅沢・かつ
華麗に、お金に糸目を付けずに創られた。
冒頭に、クレジットがなく、いきなり、メリエスの名作「月世界旅行」
の35ミリサイレントが流れ、イントロとなっている。

1872年、航空機の無い時代に、ロンドンの名門社交クラブで
フォグ(D・ニヴン)は、"80日間あれば世界一周できる”という
賭けに乗り自ら、世界1周の旅に挑戦するのだった。負ければ
全財産没収。

パリから、スペイン、船でインド、お姫様(マクレーン)を同行して
香港、横浜、サンフランシスコ、ニューヨークそして太平洋を外輪船で
横断して、ロンドンへ。

次から次へと出てくる世界の珍しいカラー映像に57年当時の観客は
70ミリ大画面の迫力も加わって、興奮したことでしょう。今見るとなんて
ことないですけど。物語も単調で、最後になって、ニヴンがせっかく
ロンドンに戻ってきたのに強盗と間違われて投獄され、万事休す、か
と思われたあたりが、時間との競争でハラハラするところが、唯一見所かな?
フォグはなんとか80日間で世界一周を成し遂げたのだった。
そしてインドの若く美しいお姫様を奥様に出来たのだった。
従者パスパルトゥーを演じているカンティンフラスが居なければ、なんとも
ならん映画かもしれない。

横浜といって、出てくるのは鎌倉の大仏であり、京都の平安神宮。
明治4年を過ぎているのにみんなちょんまげをゆっている。
露天もどこかチャイナ風。
それにしても、この一行、衣裳とかどこにしまって移動しているのだろうか。
突っ込みどころは満載ですが、まあ、夢のお話ですから、目くじら立てる
ほどのことではありません。

こんな映画は、もう二度と作れないでしょうし、作る必要も無いでしょうね。
「8時間世界1周」とかは、あるでしょうが。
今の子供に見せてもきっと飽きちゃうだろうなあ。
尚この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-08-23 23:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(1)

●「コニー&カーラ Connie and Carla」
2004 ユニバーサル+スパイスコープフィルムズ 98分
監督:マイケル・レンベック
製作・製作総指揮・脚本:ニア・ヴァルダロス
出演:ニア・ヴァルダロス、トニ・コレット、デヴィッド・ドゥカヴニー
    デビー・レイノルズ(本人)

「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」で、注目を浴びたニア・ヴァルダロスが
製作、脚本、主演を務めた、ミュージカル風コメディ。
短い、いかにも善意に溢れたアメリカ人のいい側面だけをとりあげた、心
温まる作品。私はなぜか、こういう人情系の映画に弱く、涙がちょっぴり。

コニー&カーラは、幼馴染で歌と踊りが大好き。小さい頃から自分たちの芸を
披露してきた。長じて、客の入り最悪の場末のキャバレーで踊っていたが、
ボスの麻薬取引に巻き込まれ、ブツを知らない間にバッグに入れられて、
更にボスが射殺されるところを目撃してしまう。
そこをギャングに見られてしまい、二人はブツを取り返したいギャングに
追いまくられる運命に。
LAまで逃げてきた二人だが、迷い込んだのはゲイの街として有名な
イースト・ハリウッド。一計を案じた二人はゲイに(男に)に成りすまし、
ショーに出ること。これも売れないゲイのショーのメンバーに入れてもらい、
そこで、本当に歌っていることから観客の注目を集めたちまち人気者に
なっていく。(ほかのゲイは自分で歌わずクチパク)。
しかし、自分たちがほかの人のいいゲイをだましていることに心を痛めていた。

彼女らとゲイの軍団のショーは大ヒット(過去のブロードウェイミュージカルの
有名な曲のオンパレード)。連日の超満員となる。テレビ局からも取材がくる
ように。

そのテレビを見ていたのが、故郷からギャングにだまされて、彼女たちを
見つけにきていたかつてのボーイフレンドたち。
彼女たちの姿にびっくり。
一方、コニーは、パブのバーテンで二人のバックダンサーにも加わった
ロバートの弟(ドゥカヴニー)に一目ぼれ。しかし、彼はコニーを男だと
思っている。弟は、付き合っていた彼女から、兄がゲイだということで
別れを言われてしまう。

そんなある日、パブの主人にディナーショーが出来るように改装しよう、と
持ちかける。ほかのゲイも応援する。自分たちの名前が出るディナーショーを
することは彼女たちの夢だったのだ。
「母親から借金するよ」といって、改装を承諾してくれたオーナー。

コニーとカーラは、ディナーショーの開幕1日目で、真実をスタッフや客に
正直に言って終わりにしようと、言い出します。
かつてのボーイフレンドたちが、ギャングのボスたちに彼女たちがLAに
いることを教えたために、ギャングたちがパブにやってきた。

殺しの真実を知った元彼たちが、警察をつれてパブへ。そんなどたばたの
逮捕劇も、客は舞台のことと見ていて大笑い。
ギャングが逮捕され、舞台に残った二人は、客にカミングアウトする。
最初はブーイングだったが、彼女たちの勇気をみなが暖かく支え、さらに
会場に現れたジェフと舞台上で、客の拍手の中、熱い抱擁をかわすのだった。

出てくるギャングさえ、憎めない、血が一滴も出ない、人間は優しく暖かい、
とほのぼのとする映画。コニーとカーラが「エビータ」から「アルゼンチーナ」の
歌を客席と一緒に手を上げて絶唱するところは、良かったなあ。
それと、ギャングの手下が、コニーらが居そうな全米のミュージカル劇場を
回っているうちに、ミュージカルのファンになってしまう、という再度ストーリーも
よかったな。
肩肘張らず、さっと見れてほのぼのできる映画だと思いました。
「雨に唄えば」のデビー・レイノルズが本人役で出てきます。
ジェフを演じたのは、「X・File」のモルダー捜査官でしたね。
尚この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-08-22 10:38 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「ミスター・アーサー Arthur」
1981 アメリカ オリオン・ピクチャーズ 97分
監督:スティーヴ・ゴードン(脚本も)
音楽:バート・バカラック、キャロル・ベイヤー・セイガー
出演:ダドリー・ムーア、ライザ・ミネリ、ジョン・ギールグッドほか

クリストファー・クロスの優しい歌声で、ニューヨークの月夜のマジックが
「ニューヨーク・シティ・セレネード」という主題歌として流れてくると、
ああ、AOR時代の映画だなあ、と懐かしい思い出がよみがえってくる。
自分にとって1981年という年は、格別の思い出があるので、この歌と
この映画も格別の思い出がある。
ダドリー・ムーア。或る意味、不世出の俳優さんだ。元々足が悪く、
作曲やピアニストとして名をなして来た人だが、随分年をとってからの
銀幕デビューとなった。背が低く、歩き方が尋常でないのは産まれつきの
病気のせい。そんな、ダドリーが、ハンディキャップなんか微塵も感じ
させない、おバカな演技(というか駄洒落)で笑わしてくれる。

ストーリーは単純。ニューヨークのホテルで暮している(本当の家は別に
ある)アーサー・バック。大富豪の御曹司で、自分で何もする必要も無く、
また何も出来なくて、何もすることがな。そして酒に溺れる日々。本当の
恋も知らないうちに、父親に有無を言わせぬ政略結婚を迫られ、絶体絶命。

ある日、買い物に入った店で、ネクタイを盗む娘(ライザ)を見つけ、万引きで
捕まりそうになるときに、「彼女は自分の連れだ。ネクタイはつけておいて」と
救ってあげる。このとき、アーサーは初めて恋をしたのだ。
しかし、7億5000万ドルの相続は、どうしても断われなくて、アーサーの
結婚式は近づく。
娘は、ウェイトレスをしながら女優を夢見ている。彼女も、アーサーに引かれる
が、政略結婚がどんどん進んでいく。そして結婚式。
盛装したアーサーは、娘のいるダイナーに行き、「60年くらい休暇をもらって
くれない?」とポロポーズ。婚約者に真実を告げ、彼女の父親にぼこぼこに
されてしまう。
「一生貧乏に暮すことになるぞ」と脅かされるが、アーサーは娘との生活を
選んだのだ。もう7億5000万ドルもいらない、と。
しかし、おばあさんはバック家の人間が地下鉄に乗るなどということは許さない、
としかりつけるが、アーサーの心は揺るがない。

終始、酔っ払って馬鹿笑いをながら駄洒落を連発するアーサーだが、初めて
真実の愛に目覚め、人間としてお金ではないところに幸せを見つけていく。
アーサーはもともと、金持ちとして暮していて幸せだと感じたことが無かったのだ。

ダドリー・ムーアの演技が光る。バカラックの音楽は期待したほど出てこない。
また執事役のジョン・ギールガットが、暖かく厳しくユーモラスにアーサーの
後見役を演じていて、良い味を出している。
しかし、ダドリーも、ギールガットももうこの世の人ではないのだなあ。
最後に、アーサーは7億5000万ドルをせしめるのだが、貧乏人として娘と
暮し始めるのがよしとするか、やはり金持ちとして暮すか、意見の分かれる
エンディングではなかったでしょうか。まあ、金はあっても、もうアーサーは
放蕩はしないだろうけど。
尚この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-08-19 23:07 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)

●「最後の恋のはじめ方・Hitch」
2005 アメリカ コロムビア ソニーピクチャーズ 118分
監督:アンディ・テナント
製作:ジェームズ・ラシター、ウィル・スミス、テディ・ジー。
出演:ウィル・スミス、エヴァ・メンデス、ケヴィン・ジェームズほか。

ウィル・スミスがプロデューサーにも名前を連ねているということはウィル自身、
こういう小洒落たラブ・コメディを作ってみたかったのでしょうね。
観ている方も、洋の東西を問わない恋愛の真実みたいなところに納得しながら
観れたりもします。全体としては、長いのでバラけ感があり、もう少しタイトに
した方が作品もしまったんじゃないかな、と思いました。
ウィルとエヴァが最終的にはくっつつだろう、というのは初めから見えていた
ことだし。

舞台はニューヨーク。自分の過去の痛い恋愛体験を基に、恋愛べたな男に、
恋の手ほどきをする商売のヒッチ。やり方は女性側からみるとえげつない
ように見えるが、ヒッチとしては、何とか持てない(と思って自信をなくして
いる)男たちの恋愛を成就させてやりたい、と極めて真面目なのだ。

ある日、ヒッチは、小太りの会計士アルバートから、自分の会社の顧客で、
財団の超お金持ちセレブ、アレグラに恋をしたので、なんとか自分の心が届く
ように応援して欲しいと、持ちかけられる。色んな手練手管を教えるヒッチ。
一方、そんなゴシップを追いかけている女性記者のサラに出会い、一目惚れ。
自分なりの手を使って、なんとか彼女を自分のほうに振り向かせようとする。

しかし、あることで、ヒッチがデート・ドクターを商売としていて、手練手管を
弄して女を落とすことをしていたと知ったサラは新聞にそのことを書いてしまう。
このことで、上手く行きかけていたアルバートとアレグラの中も空中分解、
自分とサラの間も最悪の関係となってしまう。
しかし、ヒッチの仕事が、誠心誠意から出ていることを知ったサラは、妹の夫を
恋人代わりにして一芝居うち、ヒッチの真心を確認したのだった。また、
ヒッチは、アレグラのもとに行き、アルバートの行動にウソは無く、彼の心は
本当に君を愛しているんだ、と説得。関係修復に成功する。

いかにもアメリカ映画らしい、ニューヨークのアップタウンの小洒落た
恋物語としては、そこそこ面白く観ました。
ウィルのユーモラスなところは、アクションでも勿論生きていますが、こういう
映画でもなかなか本領発揮というところでしょうね。
日本語のタイトルがややこしかったので、日本ではヒットしなかったのでしょう。
尚、この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2006-08-18 15:27 | 洋画=さ行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「ロング・エンゲージメント」
原題「Un long Dimanche de Fiancailles」
2004 フランス・アメリカ ワーナーブラザーズ映画 134分
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
原作:セバスチャン・ジャプリゾ「長い日曜日」
出演:オドレィ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、ジャン=ピエール・ベッケル他

セバスチャン・ジャプリゾの全仏ロングセラー「長い日曜日」を、「アメリ」の
鬼才ジャン・ピエール・ジュネが、彼独特の映像美と構成で魅せる。
オドレィ・トトゥは、アメリのときより頬がこけ、可愛さはイマイチかな。

タッチはJ・P・ジュネ独特のややイエローかかった画面。そして、今回も語りで
ストーリーを引っ張っていく。そのテンポの良さはアメリの時と同じだ。
ただ、夢見る少女を描いたファンタジーと違って、今回は戦争の映画なので、
ディティールにこだわるジュネは、戦争シーンは、相当リアルに描く。
今回は謎解きという新しい要素が加味されて、後半を引っ張る。ただ、
そこに至るまでがやや長いか。
トップシーンが雨の塹壕を歩かされる5人のフランス軍人の死刑囚たち。
彼ら、一人一人の略歴が、ジュネ独特の映像で語られる。ここをしっかり
見て置かないと、後々、理解が苦しくなる。
第一次世界大戦。戦線からの後送を期して、自分で自分を傷つけて、
それがばれて軍法会議にかけられ、死刑を言い渡されたのだった。
しかし、それぞれに庶民としての生活や夢も、抱えていたのだ。

ブルターニュ地方に生まれたマチルド(オドレィ)は、幼いときに両親を
交通事故で失い、さらにポリオに冒されて、足が不自由。親戚の夫婦の
愛情の元、育てられてきた。そんなマチルドには、マネクという幼馴染で
の婚約者がいた。召集されて軍隊に入り、激しい前線で19歳のマネクは
精神的に耐えられなくなり、自傷して後送されようと、自分の手を小銃で
打ち抜き(指が2本吹き飛ぶが)、ことがばれて軍法会議にかけられ、
死刑判決を受けたのだった。冒頭塹壕を行進していた5人のうちの一人だ。

5人は大統領の特赦を期待していたのだが、特赦の知らせは隊長に
握りつぶされ、彼らはドイツ軍とフランス軍の戦闘中間地帯に放り出される。
彼らはそれぞれ、死んだと思われても仕方が無いようなシーンに遭遇する。
そして、マチルドの元にマネク戦死の知らせが届く。

しかし、マチルドは、マネクは生きていると、何故か不思議な直感があり、
戦争後、探偵を雇って、戦友たちを訪ね歩き、マネクの最期を明らかに
しようと心みる。しだいに判ってくる、5人に動向。
実は、5人の中の農夫だったノートルダムという男が、何とか助かり、
ドイツ軍の飛行機の機銃掃射で傷ついていたマネクに、そばで戦死して
いた別の若者の認識票をくっつけて、救助していたのだった。そうすれば
死刑囚であることがばれずに治療を受けられるからだ。
ノートルダムの機転で、戦後病院で治療を受けているマネクをついに
マチルドは見つけ出す。しかし、マネクは記憶を失っており・・・。

自分の愛を信じて、愛する人を遂に見つけるマチルドの信念。ラストは
ハッピーエンドにしてあげたかったな。なんかラストがしょぼしょぼだった。
物語が相当複雑なので、一所懸命観ていないと、わからなくなってしまう。
特赦を握りつぶした隊長に復讐し、ギロチンになってしまう5人の中の
恋人のサイドストーリーもよかったな。

オドレィ・トトゥは、アメリより、ダ・ヴィンチ・コードに近い、ご面相だった。
だんだん渋くなっていくのかなあ。
ジュネの手法は好き嫌いあるだろうけど、私は好きですね。
戦争映画のリアリティもあり、その中でエスプリやヒューモアを欠かさない
彼の姿勢は映画に独特の味をつけているような気がします。
名優ジョディ・フォスターがちょい役で出ていますね。
ジュネの次作が楽しみです。またトトゥとやるのかな。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
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by jazzyoba0083 | 2006-08-17 16:39 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「黄金の腕・The Man With The Golden Arm」
1955 アメリカ コロムビア映画 115分
監督・製作:オットー・プレミンジャー
脚本:ウォルター・ニューマン、ルウィム・メルツァ
音楽:エルマー・バーンスタイン
劇中ジャズ演奏:ショーティー・ロジャーズと彼のジャイアンツ
出演:フランク・シナトラ、エリノア・パーカー、キム・ノヴァクほか。

ハリウッドの問題児?オットー・プレミンジャーが映画界のタブーに迫った
有名な作品。
色男のフランク・シナトラが、ヤク中を好演し、「地上より永遠に」で、MGMの
看板ミュージカルスターから、社会派まで演じられる役者として脱皮、
アカデミー賞を獲得し、余勢を駆って挑戦した、意欲的な問題作。

麻薬中毒で、半年の刑務所生活を終えて、妻(エレノア)の元に帰ってきた
フランキー。妻ゾシュは、彼の飲酒運転が原因の交通事故で下半身不随に
なり、車椅子の生活。フランキーはそのことに対し強い罪の意識を
持っていた。
ただ、妻は化病で、実は歩くことが出来た。フランキーが自分の元から去って
しまうことを恐れていたのだった。
彼は、もう麻薬は絶つ、と宣言し、凄腕であったばくちのディーラーも辞めて
ドラマーとして生計を立てようと決心していた。そして、療養所の医師から
紹介されたオーディションを受けることになったのだった。
一方、街のダニ、麻薬の売人ルイはフランキーに近づき、彼に博打の世界に
戻るように誘い、麻薬の世界にもひっぱりこもうとする。
そんなフランキーを、見守っているのが酒場の女(ノヴァク)モリーだった。
モリーはかつてフランキーと恋仲であったが、今は心を惹かれつつも
自分から身を引いていた。
麻薬はやるまいと誓っていたフランキーだが、ついに誘惑い負け、1回だけだ
と自分にいい訳をしてルイに注射してもらう。
そして、麻薬ほしさにディーラーの世界にも戻ってしまう。しかし、オーディ
ションだけは受けようとするが、手が震えてしまう。そこでルイにもう一度
ヤクを打ってくれと懇願するが、金がないフランキーにルイは、ヤクを売る
気はない。
禁断症状が出たままオーディションに臨むが、当然上手くドラムを操る
ことはできない。
そんな中、ルイがフランキーの部屋を訪ねてくる。そのときちょうどゾシュは
部屋で立っていて、仮病がルイにばれてしまう。ルイは、ばらすぞ、と脅し
去っていくが、ゾシュは追いかけて階段から突き落とし殺してしまう。
その嫌疑が、フランキーにかかる。フランキーはというと、絶望して、
モリーの部屋にころがりこむ。モリーにヤクを買うための金を無心する
フランキーだったが、モリーは、「この1回だけ、が永遠に続くのよ!」と
フランキーをたしなめる。そして、フランキーの申し出で、モリーの部屋で
麻薬からの脱出をしてみることにする。ここから壮絶なシナトラの演技が
見られる。たぶん、療養所を実際に見学して勉強したんだろうな、と
感じられる禁断症状の演技。マフィアとの関係も取りざたされるようになる
シナトラがこんな演技をしていたなんて、とちょっとびっくり。
大いに苦しんだフランキーだったが、モリーの献身的な協力もあり、みごと
麻薬を断ち切ることができただった。
そして、ゾシュの元へと向かった。ゾシュに対して、暫く距離を置こうと
言い出すが、ゾシュは袖を掴んで離さない。それでも去ろうとすると、
ゾシュは、思わずベッドから飛び出て歩いてしまう。驚くフランキー。
そのとき、モリーのヒモからの通報でモリーの部屋にフランキーがいる
ことを知った警察と、モリーが、フランキーの部屋に到着、立ち上がった
ゾシュの姿を見てしまったのだった。
警察に連行されるゾシュ。と思ったら、ゾシュは走って逃げ出し、階段の
行き止まりまで追い詰められると、身を翻して投身自殺をしてしまったの
だった。
フランキーとモリーは、その場から前を向いて歩き始めた。

全編ほとんど笑わないシナトラ。クセのある役を好演するエレノア、
そして、存在感抜群のキム・ノヴァク。
ショーティー・ロジャーズのジャズ、(彼自身とドラマーとしてシェリー・
マンも出演しています)、前に見た「或る殺人」もなかなか見ごたえが
あったプレミンジャーの作品でしたが、この作品も好きだなあ。
それにしても、ゾシュの投身から、約30秒くらいで到着する救急車、
早すぎ(笑)。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-08-14 22:30 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)