戦国自衛隊1549

●「戦国自衛隊1549」
2005 角川映画 東宝 119分
監督:手塚昌明  製作:黒井和男 原案:半村良 原作:福井春敏
出演:江口洋介、鈴木京香、鹿賀丈史、北村一輝、綾瀬はるか、生瀬勝久、嶋大輔
    的場浩司、宅間伸、中尾明慶、伊部雅刀他
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洋邦問わずスペクタクル映画が好きで、時々こういう邦画も観てみます。半村良の
原作を元にした70年代の「戦国自衛隊」は角川映画の中でも良品であったわけですが、
今回のリメイクは「亡国のイージス」の福井春敏が「リメイク」した訳で、興味がありました。

allcinemaでも徹底的に叩かれていますが、まあ、そういいたくなる気分も判ります。
実に突っ込みどころ満載で、しかも、40年前のテレビ版「ウルトラマン」から変らない作りに
唖然としましたね。「首都消失」から、VFXは進歩したものの、ストーリーがちゃちだから
いくら自衛隊が全面協力しても、ダメはダメだ。

皆さん一致しているのが、タイムパラドクスの決まりごとである、先祖を殺したらそこから
何代もの未来の子孫が消えるという、矛盾を解決できていない痛さ。
「歴史は自らを修復する力を持っている」というせっかく良い筋書きがあるのに・・・。
北村一輝がO・Nで、中尾明慶がT・Hだったという驚きは良しとしても、鹿賀さんの
織田信長は参ったなあ。戦車や装甲車を走らせヘリを飛ばすため石油精製装置を
つくり、PCを駆使して、江戸をぶっ飛ばす装置を作ってしまった。電気はどこから
引いてきたのでしょうか?それと、「お前らは平成で生きろ、後は俺が・・・」と言って
敵中に突っ込み、弁慶宜しく槍と矢に串刺しにされ、歌舞伎スタイルで絶命する生瀬さん。
これは笑いどころなんでしょうか?
きりが無いので止めますが、そんなストーリーと演出のトンチンカンで白けた上に
江口の芝居が臭い。鈴木京香も自衛隊らしくないなあ。ラスト、現代に還れた一行を
敬礼の列で迎える自衛隊が気持ち悪い。
という訳で、金をかけてこれかよ!というキモチで観ると楽しいかもしれない。

現代。人口磁場シールドの実験場で、実験隊がまるごとタイムスリップ、戦国の世に
飛ばされる。この部隊を指揮していたのが鹿賀さん。副官に的場さん。
この部隊を救出に行く部隊の隊長が生瀬さんで、退官して居酒屋のマスターをやって
いた江口さんが呼ばれて、技官の鈴木京香さんと一緒に戦国時代に行く。
しかし与えられた次のタイムスリップまでの余裕は74時間。

そこでは、織田信長を殺してしまい、みずから信長になり、この時代から日本を
変えていい国にしようとする(なぜ?)鹿賀さんと同調した部下たち。
彼らは「天導」と呼ばれ、斉藤道三らを従えて、天下を取ろうとしていた。そこに現れた
江口一行。最初は、現地人と交戦してはいけない、とかたくなに交戦を避けていたが、
そうもしていられなくなると、マシンガンをぶっ放し、われらの先祖を殺しまくる。
鹿賀部隊と江口部隊の対決となり、江口部隊は辛くも勝利し、74時間後の時空の
ゆがみに間に合うと・・・。

かつて「首都消失」を面白い、と観た人には、面白いでしょう。せめて「復活の日」くらいの
気概を求めたい人は、腹がたつので止めたほうがいいかも、です。
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by jazzyoba0083 | 2007-10-30 23:55 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)

●「ブレイブ・ワン The Brave One」
2007 アメリカ・オーストラリア Warner Bros. Village Roadshow 122min.
監督:ニール・ジョーダン
出演:ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード、ナヴィーン・アンドリュース他

対立軸がハッキリした非常に判り易い映画。考えさせられるストーリーだが
キネマとしてのエンタテイメントはしっかり獲得している上等な映画だと思う。
45歳になったジョディの、抑制の効いたベテランらしい感情の動きの演技は素晴らしく、
絶望的な、そして激情の果てに訪れる虚しさを、演じきっている。
表層的には単なる復讐劇だが、ジョディの役柄がラジオの朗読DJだったり、自分が
変っていってしまう懊悩を織り込むことで、完成度の高い映画となったと感じた。
先週見た「グッド・シェパード」とはまた全然違う、人生の虚しさを、ここでは味わえた。

NYのラジオ局で都市の風景を自作の散文にして朗読しているDJ、エリカ・ベイン
(ジョディ)は、インド系の医師デイヴィッドと婚約も整い、式への準備で忙しく
まさに幸せの絶頂にいた。
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そんな二人が愛犬を連れて公園を散歩していると、3人組の若い男に、難癖を
つけられ、暴力シーンをビデオで撮影して楽しむ”ハッピー・スラッピング”という
限度を知らないバイオレンスに巻き込まれてしまった。
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最愛のデイヴィッドは死亡し、エリカも瀕死の重傷を負い、3週間の昏睡の後、
何とか命は取りとめた。「自分の中の最愛のモノをなくすと、その穴は塞げない」と
エリカの心にポッカリあいた最愛の人の喪失という穴は、塞げないものとなって
いた。警察の対応がおざなりであったため、暴力には銃を持たなければと、
銃砲店に行くが、ライセンスが無く、断わられる。しかし店に居合わせた男から
不法な銃と弾を1000ドルで買わないか、と誘われ、購入する。
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そして、銃を手にしてから、エリカは街で出くわす暴力に、発砲という形で反応する
ようになった。もの静かなラジオDJが、最愛の人を失った穴を暴力に対する銃撃と
いう形で埋めようとしたのだ。
まず、偶然入った雑貨店で、夫婦間の銃撃戦に巻き込まれ、ダンナに自分も殺され
そうになり、持っていた銃でダンナを射殺してしまう。
ここで、エリカの中で何かが壊れて変った。次には地下鉄でちょっかいを出してきた
黒人の若い男2人を。次は売春婦をいたぶっていた男を。
自分でも悩みながら、暴力に銃撃で対抗する女に変ってしまったのだ。世間は
なぞの正義の処刑人、ともてはやす。
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やがて、エリカとデイヴィッドを襲った犯人がエリカから奪った指輪が見つかる。
警察から連絡を受けたエリカは、指輪が売買された店を突き止め、それを
売りにきた女を捜す。そしてその女から、指輪を貰った男をついに突き止める。
そして、女から男の住所を聞きだし、自分たちを襲った3人の男を仕留めに出かけた。

彼女を、犯人を追跡する立場から、何くれと無く気にかけているのが、マーサー刑事
(テレンス・ハワード)。彼が、世の中の常識や観ている人の感情の代理をする役目だ。
なぞの処刑人を追っているうちに、処刑人はエリカであること突き止める。
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そのころエリカは3人の襲撃犯を始末しにアジトに向かっていた。後を追うマーサー刑事。
間に合うのか。エリカは3人の男を「処刑」することができるのか・・・。
(まだ観ていない人が多いと思うので結末は、しばらく伏せておきます)
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映画のラストから感じられることは、「最愛の人」を失くしたため、人生が変ってしまった
女の悲哀であり、虚しさであった。復讐を遂げてのちも、彼女は暴力を振るわれ
自分の生命に危機が及んだ時は、銃をぶっ放すのだろうか?
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by jazzyoba0083 | 2007-10-28 12:20 | 洋画=は行 | Trackback(22) | Comments(0)

●「ウディ・アレンの重罪と軽罪 Crimes and Misdemeanors」
1989 アメリカ Orion Pictures 103min.
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ウディ・アレン、マーティン・ランドー、ミア・ファーロー、アラン・アルダ他

   <1989年度アカデミー賞・助演男優、監督、脚本賞ノミニー>
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ウディ・アレンの軽妙洒脱な会話を楽しむNYを舞台にした大人の恋のお話、じゃなく、
舞台はNYだし、BGMはジャズなのはいつもどおりなのだが、描かれているのは
「人生の実相とは?」とか「宗教は人生を救うのか?」とかの、かなり大上段に振りかぶった
映画だ。とはいえ、ウディのことなので、救い難い人生の不条理を「ブラック」に描く。
二人の重罪と軽罪の男が最後まで交わることのないストーリーを紡いで映画は進む。

主人公のクリフ(ウディ)は、売れないドキュメンタリー映像作家。奥さんとはもう1年も
ベッドを共にしていない。奥さんの兄はテレビのプロデューサー。若い女優に手を出し
たりしている。弟のベンはユダヤ教のラビ、目の病でやがて失明する。
10歳くらいの女の子を抱えて離婚した妹もいる。そんな家族だ。

一方、高名は眼科医ジュダー(ランドー)は、妻のミリアムと適齢期の娘がいて
富と権力を手にした何不自由のない生活を送っている。彼は、旅行の時に知り合った
ドロレスというスチュワーデスの愛人がいて、彼女から、奥さんと別れて私と一緒に
なるっていったじゃない、奥さんのところに行くわよ、と迫られていた。途方にくれる
ジュダー。しかも、基金の金に手をつけて株をやっていたことまで知られている。
金で解決しようとするが、ドロレスは乗ってこない。
困ったジュダーは、弟のジャックに相談する。兄ジュダーに金を借りた恩義がある
ジャックは、「消すしかない」と、殺し屋を雇ってドロレスを密かに殺すことを提案する。
躊躇するジュダー。
彼は、熱心なユダヤ教一家に育ったが、神を信じることは無かった。しかし、自分の
身に不幸が降りかかると、「神は許してくれるだろうか」なんてことを口にする。
弟のラビにも相談するが、聖職者である弟は、正直に妻に浮気を打ち明けるしかない
そうすれば、妻ミリアムも理解してくる、というが、ミリアムの気性を知っているジュダーは
とても切り出せない。

そのうちにドロレスの態度はエスカレートし、家の近くから電話してくるまでになった。
覚悟を決めたジュダーは、ついにドロレスの殺しの実行を指示した。しかし、その後、
殺人を犯してしまったことに、悩みに悩むのだった。
刑事が診察室に来て事情を聞くが、「患者の一人ではあったが、どういう事情の
ある人なのかはよく判らない」とシラを切り、警察は信じて帰っていく。

一方、クリフは、相変わらず売れない記録映画を作り続けていたが、ある日現場で
ハリー(ミワ・ファーロー)という同業者とであう。一目ぼれしてしまうクリフだが、
ハリーは離婚したばかりで、別れた男とのトラウマが消えず、クリフの愛情を受け入れる
ことが出来ない。そして、ヨーロッパに行くわ、しばらく距離を置いたほうがいいと思うの
と言って、クリフの元を去っていく。

そして4ヵ月後。失明した弟の長女の結婚式が開かれた。みんな集まってきた。
ユダヤ教に則って式と披露宴が進行する。ジュダーは、見事逃げ切り、相変わらずの
富と権力を手にしていた。
そんな披露宴の会場に、クリフの妻の兄である、スケベプロデューサーと、ハリーが
腕を組んで現れた。婚約者だ、といって紹介している。大ショックを受けるクリフ。
ハリーは、「あの人はいいひとよ。私を理解し、愛してくれているわ」という。
「一緒に馬鹿にしてたじゃないか」とクリフ。しかしハリーの心は揺るがない。
がっくり肩を落としているクリフにジュダーが近づき、映画をやっていると聞くと
こんなストーリーはどうだ?といって、自分の身の上に起きた愛人殺人のことを
脚色して話す。聞き入るクリフ。聞いているだけのクリフ。話し終えたジュダーは妻ミリアム
と帰っていった。もう何事もなかったかのように。

ラスト、花嫁花婿のダンスシーンにオーバーラップする、クリフがドキュメンタリーで
インタビューを続けていたものの自殺してしまう教授のコメントが印象的だ。

大きい犯罪を犯したお金持ちで名声もある男が罪を逃れて、幸せな暮らしを続けている。
一方、恋人とのささやかな愛情を信じてきた、しがない貧乏男は、ささやかな愛情に
裏切られる。なんという人生の皮肉。神はいるのか?

恋人に裏切られたクリフの表情が、実に情けなく見事だった。
こんなウディの映画もいいなあ。ジュダーを演じたランドーはどこかで見た顔だなあと
思っていたら、テレビ映画「スパイ大作戦」で変装の名人をやっていた人だった。
ミア・ファーローは1969年に封切られた、イェーツ作品の「ジョンとメリー」が印象的だった
記憶がある。
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by jazzyoba0083 | 2007-10-24 22:50 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「トンマッコルへようこそ Welcome to Dongmakgol」
2005 韓国 Showbox 132min.
監督:パク・クァンヒョン 音楽:久石譲
出演:シン・ハギョン、チョン・ジェヨン、カン・ヘジョン、イム・ハリョン、ソ・ジェギョン他
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韓国で2005年度の興行成績1位に輝いた映画。ファンタジーというよりも、寓意的な
よく出来た反戦映画と見ました。甘いところは多々あるのですが、韓国でなくては
出来ない設定の中で、人間の本来持つ暖かさが十分出ていたと思う。
敵対する同士が同じ環境の中に置かれ、不思議な友情が芽生える、というストーリーは
これまでも、いろんな映画の中で描かれてきているので、びっくりするようなお話ではない。

しかし、これに朝鮮戦争という舞台を与え、疑いや争いを知らない純粋な人々の暮らす
不思議な村に、飛行機で不時着してきたアメリカ軍兵士、韓国軍兵士、北朝鮮兵士を
送りこみ、人間同士、いがみあい、争いあうことのバカバカしさを描いていくと、とても
心温まる映画に仕上がったというわけだ。戦争が舞台だから死人もでるが、なぜか
暖かいんだな。

登場するのは、くだんの不時着した米軍パイロット、スミスと韓国軍の脱走兵(少尉)と
途中で合流することになる衛生兵、それに国連軍に追いかけられてきた北朝鮮の
兵士3人。それぞれがトンマッコル村にたどり着き、最初はいがみ合っているが、村人の
争いとは縁のない暮らしや考えの中で、次第に、いがみ合っているのがバカバカしく
なってくる。村の収穫を手伝い、やがて敵も味方もなくなっていくのだった。

しかし、米軍はスミス大尉を必死に捜索し、北上の途中にある砲台を破壊する計画を
着々と進めていた。収穫も終わり、村祭のころ、明かりを目当てに、トンマッコルに
国連軍の救助隊が落下傘でやってくる。彼らの傍若無人ぶりに、激怒した6人の
南北米国の兵士たちは、彼らをやっつけてしまう。

収穫も済み、6人の兵士たちはいつまでもここにいると、この村が狙われると、村を
出ることを決意、近くにかつて墜落した爆撃機から重機関銃やバズーカ砲を持ち出し、
村を離れ、別な場所にニセの砲台を築く。
北を目指してきた国連軍(米軍)の爆撃機と護衛の戦闘機に機銃掃射を浴びせ、
ここが砲台であるかのように思わせる。スミス大尉だけは、基地に帰り、村を爆撃
しないよう、報告するために隊を離れた。
護衛の戦闘機に3人の仲間がやられたが、爆撃機は、ニセの砲台を本物と間違えて、
爆撃を始めたのだった。これで取りあえずトンマッコル村は守られたのだ。
自らに降り注ぐ爆弾の中で、残った3人は笑顔であった・・・。
「やあ、俺ら、戦争のないときに出会いたかったなあ・・・」

トンマッコル村は宮崎アニメチックな雰囲気。韓国映画のお約束のギャグも満載だが、
シーンが長いと思われるところがある。手榴弾を不発だと思い投げ捨てたところ
とうもろこし倉庫に転がりこみ爆発、もろこしがポップコーンになり、空から降ってくる
ところ。アイデアはとてもいいのだが、スローモーションが長い。またイノシシと南北の
兵士が力を合わせて闘い仕留めるところのスローモーションも長い。そのイノシシを
肉を食べない村人に代わり、6人でシェアするところに、6人の心の結びつきを描き
たかったのだろうが、イノシシのスローモーションは長かった。

印象的だったのは、allcinemaでどなたかも書いて見えるが、上下のシーンが
印象的に多かった。スミス大尉が、不時着するところ、さっきのポップコーンの降るシーン、
韓国軍のピョ少尉が草むらに寝転ぶ俯瞰ショット、爆撃機に向かって蝶の大群が
上昇していくところ、B29から降ってくる爆弾のアングルや、空と陸との戦闘シーン
などなど上から下へ、下から上へと視点が動いていくさまは映画を象徴するシーンだ。
韓国映画にありがちな力んだ演技もあったが、全体としてよく出来たいい映画だと
思いましたね。韓国で大ヒットするのはやはり半島は統一したい、という彼の国の
人々の願いが強いのでしょうね。
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by jazzyoba0083 | 2007-10-23 23:20 | 洋画=た行 | Trackback(3) | Comments(1)

●「グッド・シェパード The Good Shepherd」
2006 アメリカ Universal Pictures,Morgan Creek Productions 167min.
監督:ロバート・デ・ニーロ  製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ他
脚本:エリック・ロス
出演:マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー、ロバート・デ・ニーロ、アレック・ボールドウィン
    タミー・ブランチャード、ビリー・クラダップ、ケア・デュリア他
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CIAを作り上げていった男たちの話。グッド・シェパードとは聖書の中の言葉で良き羊飼い。
新作を封切の日に観にいったのは何年ぶりだろう。いつも行くシネコンが周年記念で
毎月20日はどの作品でも1000円なので、一人で出かけました。「ヘアスプレー」などは
後ほど奥さんと。

監督も、総指揮も、脚本も、出演者も豪華で、話しの内容も実話を元にしたものなので
私好み。で、初日に馳せ参じたわけです。長い上映時間なので、水分などは一切
口にせず、167分。正直長かった・・・。

印象。重い。暗い。カタルシス不足。事実に基づいているので、歴史的なバックグラウンド
は少し勉強してから観たほうがいいでしょう。ケネディ大統領時代のキューバ危機、
ピッグス湾襲撃失敗、などが判らないと、筋が見えてこないところがあり辛いと思います。

エリック・ロスのストーリーは、主人公エドワード(マット)の少年時代から今までの歴史と
1961年現在のキューバ危機周辺をカットバックしながら進行していきます。
内容が複雑なので、全体を理解するのにとても苦労しましたし、たぶん観た人はみんな
苦労するんじゃないかな。

第二次世界大戦間近のアメリカが舞台。イエール大学に通うエドワードは、父親が
海軍の将軍であったこともあり、若いうちから軍に誘われる。熱心に勧誘するのが
サリバン将軍(デニーロ)だった。それも軍事諜報機関のエージェントとして。
父親が軍の機密を守るために拳銃自殺をした現場に居合わせたトラウマなのか、寡黙で
笑顔を見せないエドワードだったが、図書館に通い勉強するうちに図書館で耳の悪い
女性ローラと出会う。お互いに好きあうのだが、そこに親友の妹クローバー(アンジェリーナ)
が現れた。積極的なクローバーはエドワードに近づき、そして妊娠する。
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兄から責任を取れといわれ、ローラと別れ、クローバーと結婚する。そのころ欧州では
ナチの跋扈で風雲急を告げていて、エドワードもロンドンに諜報活動に派遣される。
残されるクローバーと子供。
そして、終戦までの6年間、家族は会うことが無かった。戦争が終わり国に帰った
エドワードは、馴染まない息子となんとか暖かい家族を築こうとしたが、国は許さなかった。
サリバン将軍は、これまでのOSS(軍事情報局)をCIAに改組し、ソ連を対象とした
諜報活動をすることになったので、エドワードの力を借りたい、と申し出る。
「良き羊飼い」のエドワードは、新しい諜報機関に身を投じる。
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この映画の縦軸になるのだが、最初の方でキューバ進攻が失敗したのはCIAに内通者が
いたせいだ、といって犯人探しが始まるのだが、そこに映りの悪い写真数枚とベッドの
中の男女の会話を録音したテープが送られてきた。エドワードはCIAの技術部に解析を
依頼するのだが、これがラスト近くに衝撃の結果を生む。

大学に在学中から諜報部員としての教育を受けてきたエドワードは、サリバン将軍からも
「だれも信じるな」といわれていて、家族以外に気を許せる人間はほんの一握りしか
いない。いつもだれかに見られているようだし、誰の言葉も信用できないし、事実信じていた
人間に裏切られることもたびたびだった。

父親の愛情を受けることなくそだった長男も、母の大反対を押し切りCIAに就職する。
彼も「誰も信じるな」と教育されるのだった。そしてレオポルドビルで、現地の女性と
恋仲になり、スパイとしてはあるまじき秘密を話してしまう。これが米軍のピッグス湾進攻
作戦を失敗に導いた原因になったのだった。対立する親子ではあったが、父は息子を
守ると軍に申し出、そのかわりの条件を飲むことになる。軍から言われたセリフは
「息子を守るか、国を守るか」。あまりにも苛烈な条件。その条件とは・・・・。

結局CIAの副長官として招かれるエドワード。彼は国の「良き羊飼い」でしか生きられない
人間になっていたのだ。妻との愛も、息子との愛も、息子と妻となる女性との愛も
壊して、国を守ることを選んだのだ。不幸な男の話、ということでいいのか?
国家という巨大な組織に組み込まれ、個人の幸せを犠牲にしなければならなかった
ある男の物語ということか?ラスト、新しいCIA本部の中に消えていくエドワードの姿に
デ・ニーロは何を言わせたかったのだろうか。
この映画のキャッチコピー「いくつ愛を失くせばこの国を守れるのか。」
世界の警察を持って任じるアメリカ合衆国の素顔なのだろう。
捜査で知り合うイタリア移民の男が、「イギリスには○○がある、フランスには○○がある
ドイツには○○が、イタリアには○○、黒人には音楽がある。で、きみには何があるのかね」
と聴かれ、「アメリカ合衆国」とエドワードが応えるシーンがこの映画を代表している
かのようだった。(○○はそれぞれの国の名物。忘れてしまった)

(10月23日追記:以上を書いてからも、この映画のことをずっと考えていた。ネットで
観た方の感想も読んでみたりもした。時間が経ってから、思ったこと・・・・。
マット・デイモンを中心とした抑制した演技は、3時間の会話劇を飽きさせない圧倒的な
表現力を獲得していた。ラスト、新築なったCIAの建物に消えていく副長官になった
エドワードの背中は、改めて考えると、勝利者でもなく、ただの小男に見えた。
その背中には、「公」と「私」の間で、人生を「公」に大きく振った男の「虚無感」が見えて
いたのではなかったのか。
ピッグス湾事件についても復習してみた。CIAのやり方に激怒したケネディはCIAの
解体も口にしたが、それを実現する前にダラスで凶弾に倒れた。これを以って
CIA解体に反対する勢力の犯行ではないか、という説もあるとか。
尚この映画の詳しい情報は

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まで。
by jazzyoba0083 | 2007-10-20 17:10 | 洋画=か行 | Trackback(21) | Comments(2)

●「幸せのレシピ No Reservation」
2007 アメリカ Warner Bros.Pictures,Castle Rock Enterteinment 104min.
監督:スコット・ヒックス
出演:キャサリーン・ゼタ=ジョーンズ、アーロン・エッカート、アビゲイル・ブレスリン他

代休を取った日に行ったシネコンは水曜レディースデイでどれでも1000円ということで、
御婦人がたで結構賑わっていました。この映画もほぼ満席。

映画自体は、女性向けのごく判り易いストーリー。NYでも超一流レストランの料理長を
勤めるケイト(キャサリーン)。
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腕は一流で厨房を切り盛りするが、どうも人付き合いが上手くない。オーナーは
料理長候補としてニック(アーロン)を副料理長としてスカウトしてくる。

一方、ケイトの姉が交通事故で亡くなり、遺児のゾーイを預かり暮すことになる。
子供の世話なんてしたことがないし、ゾーイはいい子なんだけど、やはりママが恋しい。
ゾーイにも手を焼き、自分の思うとおりにならないことに苛立つ。
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ケイトとニックは料理の腕を競いながらも、密かに惹かれてく。先に好きになったのは
ケイトだった。しかし、どうしても自分の殻の外に出て行けないケイトは、ニックに対しても
どうも素直いなれないでいた。でも料理の腕でニックに自分の座を追われたくないいケイトは
新作料理でも工夫を重ね、またゾーイとの暮らしの中で苦労を重ねながら、頑張っていた。

しかし、オーナーはニックに料理長を任せることにする。ショックを受けるケイトは
ニックとケンカをしてしまう。ケイトの腕を認めつつ、自分が料理長になることは
かならずしも本意ではないので自ら身を引きサンフランシスコのあるレストランの
総料理長になることにした。しかしケイトはニックと別れたくないし、ゾーイも懐いている。
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ある日、レストランでレアのステーキを巡って客とケンカになり、レストランを飛び出して
来てしまう。かかりつけのセラピストに相談すると、「自分の考えこそ自分のレシピなんだよ」
といわれ、もやもやが晴れ、ケイトとニックとゾーイは3人に名前を付けたレストランを
開業したのだった。
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複雑なことも、スリリングなこともない判り易いストーリーで女性やデートムービーには
いいんじゃないかな。心あたたかくなる映画です。ケイトのアパートに下に住む2人の
男の子がいるやもめの男性も、なかなかいいやつだ。あまりいやなやつが出てこない
映画は観終わったとにすっきりしますよね。ゾーイを演じたアビゲイル・ブロスビンが
良かった。ゼタ=ジョーンズもアーロンも、いいんじゃないでしょうか?
なおこの映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2007-10-17 14:30 | 洋画=さ行 | Trackback(3) | Comments(0)

●「2番目のキス Fever Pitch」
2005 アメリカ ELC Productions LTD,FOX 2000 Pictures 103min.
監督:ボビー・ファレリー 原作:ニック・ホーンビィ「ぼくのプレミア・ライフ」
出演:ドリュー・バリモア、ジミー・ファロン、ジャック・ケラー、アイオン・スカイ他
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イングランドの人気サッカークラブ「アーセナル」の熱狂的サポーターを主人公にした
人気作家、ニック・ホーンビィの自伝的ベストセラー「ぼくのプレミア・ライフ」を、
サッカーを舞台にした原作そのままの映画をリメイク。舞台を大リーグとした。
アメリカじゃ、お年寄りから子供まで、っていったらやっぱり国技・野球でしょう。
主演は「50回目のファーストキス」(04)「25年目のキス」(99)のドリュー・バリモア。
邦題も、このシリーズ(映画はシリーズじゃない)から原題とは関係のない「キス」を
つけたんだな。このタイトルじゃ、中身は全く判らない。

ボストンのビジネス街で成功しているビジネスコンサルタント、リンジー(ドリュー)は、
いいお年なのだが、恋のほうはイマイチ。
そこに企業見学で、小学生を引率してきた教師ベン(ジミー)と出会う。ぎすぎすした
ビジネス界の男にはない、風貌はあまり冴えないがほんわりした感性とユーモアを
持つベンに、次第に惹かれていく。周りのミスたちも俄然応援体制。ベンのほうも
受け持ちの小学生から励まされたり。

しかし、リンジーの友人が言う。「いいやつなんだけど、あの年まで独身だったわけでしょ?
なにかあるんじゃないの?」と。
そんなバかなこと、とデートを楽しんでいたが、ある日ベンはリンジーに告白する。
「僕はボストン・レッドソックスのファンなんだ」と。いいじゃない?ボストニアンだものねえ。

でも、ベンの場合、超の上に超がつくほどの筋金入りなのだ。幼い頃、伯父さんに連れて
行ってもらったフェンウェイ球場。そこで観た初めての大リーグに、すっかり虜になって
しまったのだ。以来23年間。伯父さんが亡くなると年間シートが遺産として回ってきて、
毎年ホームゲームは欠かさず球場に通い詰める。部屋の中は全てレッドソックスグッズで
固められていることはもちろんである。

春になれば暖かい場所でデートを、と思っていたリンジーに、ベンは「ダメなんだ。フロリダに
レッドソックスのキャンプに行かなくちゃ」。そして家で家族とスポーツニュースを見ていると
熱狂したレッドソックスファンとしてベンがインタビューに答えているではないか!それも
アホッぽい答えの連発!
4月のオープニングゲームはもちろんリンジーと行くことに決めているベン。リンジーは
悩むのだった。この男は4月から9月まではレッドソックス中心に世界が回るんだ、
自分は「2番目」なんだ、そんなんで幸せになれるだろうか?と。まあ多くの女性がそんな
悩みを持つときがあるんですよねえ。野球でなく、クルマだったり楽器だったり・・・。

そんなリンジーも、球場へ行き、二人でレッドソックスを応援していると、年間シートを
持っているいつもの仲間たちとの交流もあり、次第にベンの熱い心がわかって来るような
気がする。
「やっぱり野球よりリンジーを選ぼう」と決心したベンは、ヤンキース戦に行くのを止めて
パーティーに。帰りにドアマンから0-7でレッドソックスは負けてるよ、と聞いて安心。
リンジーとアパートへ帰っていくのだった。しかし!!この試合は結局8-7でレッド・
ソックスが大逆転勝利を遂げたのだった。やっぱりなあ、野球を裏切ると、こういうことだ。
とがっくりのベン。このことでリンジーと大喧嘩になり(やっぱりなあ)、何となく気まずくなった
二人は分かれてしまう。でもリンジーを忘れられないベンは、年間シートを12万5000ドルで
売ってしまう決心をする。リーグチャンピオンシップの対ヤンキース戦で、観客席で売却に
サインしようとしていた。このことを知ったリンジーは急いで球場に駆けつけ、ダフ屋から
高いお金を出してチケットを買い、外野しかはいれないのに、望遠鏡で内野席をみると
まさにサインをする直前。そこでリンジーはフィールドに降りて球場を走って横断、ベンの
元に行き、サインを止めさせるのだった。警察に連れて行かれて怒られちゃうけど。
結局、二人の愛情を確認できて、ハッピーエンド。そして実際この年レッドソックスは、
ワールドシリーズでセントルイス・カージナルスを下して、見事ワールドチャンピオンに
なり「バンビーの呪い」は遂に解けたのだった。

よく出来たデートムービーですね。男はみんなそんなもので、女はいつも苦労するんだね。
でも大事なものは何?球場で悩むベンに男の子が言います。
「あんたはレッドソックスを愛してきたよね、でも彼らはあんたを愛してくれてるかい?」と。

この映画、レッドソックスが2004年に本当にワールドチャンピオンになって大いに盛り
上がったのですね。観客の中のシーンは実際の試合が終わったあと、客に残ってもらい
撮影したそうです。レッドソックスファンには(松阪がいるので最近は多いのでは?)
たまらんでしょうね。8回の裏かなんかにみんなで「スイートキャロライン」を大合唱する
のはなんででしょうか? いかにもアメリカらしいほのぼのラブコメディでした。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2007-10-15 22:50 | 洋画=な行 | Trackback(2) | Comments(0)

●「ロケッティア The Roketeer」
1991 アメリカ Walt Disney Production 108min.
監督:ジョー・ジョンストン 原作:ディヴ・スティーヴンス
出演:ビル・キャンベル、ジェニファー・コネリー、アラン・アーキン、ティモシー・ダルトン他
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この手の映画は割りと好きなので、これまで見逃してきた。これをNHK-BS2で深夜に
放送。これだからNHKは油断も隙もあったもんじゃない。
アメコミの世界だから、突っ込みどころは満載だけど、所詮はマンガですから、堅苦しい
ことを考えずに楽しむのがコツです。

農薬散布などをして空のレースに懸けているクリフ(ビル)は、次の試合に備えて練習飛行中
FBIとギャングの抗争に遭遇し、ギャングが上空にぶっぱなしたマシンガンが当たり、
飛行機は着陸はしたものの炎上、レースは絶望となった。
彼らが追っかけていたものはハワード・ヒューズが軍に依頼されて試作したランドセル型の
人間ロケット装置。FBIは、X-3といわれるその装置が追跡劇の中で破壊されたと思って
いただ、実はクリフの飛行場格納庫に隠されていて、これをクリフとメカニックのピーヴィーが
見つける。

なんだか判らないままいじっていると、ロケットであることが判る。クリフはこれを背負って
いろいろ活躍しちゃうわけ。ヒーローの誕生だ。
一方、クリフの恋人ジェニー(ジェニファー)は、ハリウッドの女優志望だが、なかなかいい
役が回ってこない。そんなおり、スタジオにクリフがやってきてロケットの話しをする。
これをシンクレアというスターが聞いていた。彼は実はナチのスパイで、アメリカ本土を
攻撃する手段として、X-3を盗む手助けをしていた。ナチは同様の装置を開発していたが
失敗していたのだ。
クリフの話しを聞いたシンクレアは、ジェニーに近づき、ロケットのありかを聞き出そうとする。
クリフとシンクレア(ナチス)、FBIをギャングが絡んだロケットの争奪戦が始まる。

恋人の危機をヒーローが救い出すというパターン(今回はナチの飛行船の上)は、お約束。
そして奇人として描かれることの多いハワード・ヒューズが、いい人で出ている。
特にラストに、クリフに競争用の飛行機をプレゼントするところなど、なかなか粋である。

鉄腕アトムみたいだけど、さしあたって天馬博士がヒューズで、ピーヴィーが御茶ノ水博士
といった塩梅かな。1938年が時代設定だが、古さの中に科学技術の先端を提示する
やりかたは、興味が尽きない。
マンガだけど人情味があって面白く見ました。
なおこの映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2007-10-15 22:40 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「恐怖の土曜日 Violent Struday」
1955 アメリカ 20th Century-Fox Pictures 90min.
監督:リチャード・フライシャー
出演:ヴィクター・マチュア、ステーヴン・マクナリー、J・キャロル・ネイシュ
    リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、リチャード・イーガン他
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「ミクロの決死圏」「トラ・トラ・トラ」などで知られる巨匠リチャード・フライシャーの
初期の作品。日本で言えば昭和30年、まだ東京タワーの影もないころ。
このころの映画を観るといつも思うのだが、アメリカの物質文明の豊かさに圧倒される。
(映画の本質とは関係ないことだけど)

主演のヴィクター・マチュアという人はのちに「サムソン&デリラ」などの古代映画で
マッチョな英雄を演じていたようだが、私は余り知らない。それよりも、アーミッシュの
家長を演じていたボーグナインが若い!

暴力的な土曜という原題だが、事件は金曜に起きる。鉱山の町にやってきた3人組。
ホテルに陣取り、手薄な警備をいいことに町の銀行強盗を計画していた。
これが縦軸で、そこに鉱山会社の社長の跡取りと夫人の愛のもつれ、その会社に
勤める男と子供(お父さんは戦争に行かず、鉱山で仕事をしていたことを負い目に
感じている。でもこれは国防省の指令だった)との相克。強盗の落ち合い場所に使われる
アーミッシュの一家。そして銀行の支配人と彼が密かに思いを寄せる看護婦。
などの群像ドラマが横軸に進む。

最後は、鉱山会社の跡取りが夫人とよりを戻すために旅行に出かけようと銀行によって
トラベラーズチェックを作っているときに強盗団が入ってくる。
トラブルに巻き込まれる夫人と、支配人。強盗団にクルマを奪われ、アーミッシュの納屋に
閉じ込められる鉱山会社員。それぞれが強盗事件に遭遇し人生が変わっていくのだった。
(全員殺される強盗団とてしかり)

どうと言うことの無い、普通のアクション・サスペンスだが、当時のオーケストレーションの
音楽が雰囲気を出していた。ラスト近く、主人公の鉱山会社員がショットガンで銀行強盗の
一人を撃つところは、強盗が数メートル後ろに吹っ飛んでいくのだが、サム・ペキンパー
ばりだ。このあたり、フライシャーの演出面目躍如。群像をまじえるにには90分はやや
短かったかな。
なおこの映画の詳しい情報は

こちら

by jazzyoba0083 | 2007-10-14 14:30 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「ストレンジャー・ザン・パラダイス Stranger Than Paradise」
1984 アメリカ・西ドイツ Cinestheasia productionas 89min.
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
出演:ジョン・ルーリー、エスター・バリント、リチャード・エドソン、セシリア・スタークほか

       <1984年度 カンヌ映画祭カメラ・ドール受賞作品>
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前々から名前は知っていたし、ジャームッシュの作品も観たことはあるが、どうも
「オフ・ビート」感覚の映画、というのは苦手で、まあこの際、時間も短いこともあるし
観てみよう、ということになった。
さすがはカンヌ好みだね。モノクロ、登場人物4人。まあ、おばあさんやポーカーの
仲間を入れるともう少し多いか。でも少ない。ワンシーンワンカット。前半はズーム
パーンもない。シーンとシーンの間に黒身が入る。まあ独特のつくりだこと。

ストーリーも有るような無いような。NYに住むハンガリー移民のウィリーの元に
クリーブランドの伯母さんから、ブタペストから、お前のいとこがやってくるが、自分が
入院してしまうので、10日間ほど預かって欲しいと頼まれる。
迷惑だ、と思うが、病気じゃしょうがない。時をおかず、エヴァという若い女性がやってくる。

奇妙な同居生活が始まる。10日たてばクリーブランドへ行くからと思って諦めて
生計のネタの競馬に友達のエディと繰り出していた。部屋を去る日、ウィリーはエヴァに
ドレスを買ってやるが、サエないわね、とか本気丸出しで、いやいや着たりしている。
そして部屋をでると、脱いでくずかごにすてちゃって。

ウィリーとエディは、クリーブランドにエヴァを訪ねる。安レストランでウエイトレスをしていた
エヴァだったが、恋人ができていたり。おばさんは快く思っていない。
寒いクリーブランドに嫌気もさしていた。
ウィリーとエディは、エヴァに、3人でフロリダに行こう。金はあるさ、といって、長距離を
借りたクルマで走破、フロリダにたどりつく。モーテルに泊まり、またギャンブルに
明け暮れるが、ドッグレースですっからかん。エヴァは、太陽の下のヴァカンスを夢みて
いたのに、現実は違うのに苛立つ。ある日、道を歩いていると麻薬の売人と間違われて、
大金を預けられる。ラッキーと思ったエヴァは、そのお金でハンガリーへ帰ろうとする。

そこに今度は競馬で当てた二人がモーテルに戻ってくると、お金と置手紙があり、
二人は空港へエヴァを追いかけるが、すでに機内の人に。ウィリーはチケットを買って
機内に行き引き戻しにいく(じつは一緒にハンガリーへ行くつもりだった)。
ウィリーを乗せた飛行機はブタペストに飛び立った。しかし、くだんのモーテルに
エヴァは戻ってきた。部屋のソファにどたりと寝そべったエヴァ。ジ・エンド。
「I put a spell on you」の歌と共にエンドクレジットと。

そんな映画。何がいいたいのか、感動がどうとか、あるシチュエーションの若者を
ロックな雰囲気で映像化。前半固定だったカメラも、、フロリダに入ると動き始める。
3人の心を表しているかのように。映像の雰囲気を楽しむ映画でありストーリーとかは
関係ないんだな。
なおこの映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2007-10-13 22:35 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)