●「うつくしい人生 C'est quoi la vie?」
1994 フランス サロメ 115分
監督・脚本:フランソワ・デュペイロン 撮影:永田鉄男
出演:エリック・カラヴァカ、ジャック・デュフィロ、イザベル・ルノー他
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これは絶対にハリウッドでは作らない種類の映画であり、いかにもフランス映画らしい。
良きにつけ悪しきにつけ。ヨーロッパ映画は苦手、という人は(私もどちらかというと
そちらだが)観ないほうがいいかも知れない。

映像が美しい。全編黄色というか黄金色がかかった色調。これが収穫時期の南フランスの
山間の田舎の風景に絶妙な味を出している。そしてストーリー。普通の農村に生きる
ある男の、「うつくしい人生」に覚醒する物語を淡々と描いていく。ドラマチックなことなど
起きるはずもない田舎の人々の苦労と暖かい人情が、それゆえ浮かび上がる。

ニコラは農家の長男。家には祖父母と父母、それに妹がいる。自分の身の振り方を
決めかねているニコラだが、ある日、父が貧困がゆえに首をつって自殺してしまう。
さらに飼っていた牛が狂牛病の疑いで、没収されてしまう。絶望の淵に立たされる一家。
元気だった祖父も、次第にボケていってしまう。祖父母を養老院に入れた家族だったが、
住み慣れた家を離れ、古い家に引越し、出直すことにする。
親切な農家に、金はあるときに、という約束で、妊娠した牛を譲ってもらう。ニコラは
祖父母を養老院から出し、チーズを作り、小麦をつくり、農業で生きていこう決める。
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そんなニコラは、クルマに乗せたことから、二人の子持ちの元オペラ歌手、マリアと
出会う。そして、山の上で民宿のようなことをして暮らしているこの未亡人を愛する
ようになる。マリアも、農業に自分の生きる道を見つけ、必死にがんばるニコラを
好ましく見つめている。さらに、農機具修理をしている親友、心の支えになってくれている。
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普通の暮らしの中の喜怒哀楽を、愛情や友情で包んで見せ、人生って捨てたもんじゃない
と思わせるのはフランス映画の常道。クルマでいうとダッヂやクライスラーでなく、
ルノーって感じかなあ。チカラでなく情ってことかな。しみじみ、味わいたい映画です。
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by jazzyoba0083 | 2007-11-28 22:50 | 洋画=あ行 | Comments(1)

●「ザ・センチネル/陰謀の星条旗 The Sentinel」
2006 アメリカ 2th Century-Fox Film,Regency Pictures 108min.
監督:クラーク・ジョンソン 原作:ジェラルド・ペティヴィッチ『陰謀の星条旗』
出演:マイケル・ダグラス、キーファー・サザーランド、キム・ベイシンガー他
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昨年、シネコンで予告編を観て、観に来ようかな、と思った作品だが、WOWOWで正解。
途中まで、『これは!』と思わせたが、次第に、なんじゃこれ、てな展開になってきて、
役者が揃っていただけに残念な仕上がりとなってしまった。

要は、大統領暗殺の嫌疑をかけられた伝説のシークレットサービス(マイケル)が、
自分の妻を寝取られたと勘違いしているかつての親友(キーファー)を長とする追跡隊に
追い詰められ、不倫関係にある(!)大統領夫人(ベイシンガー)に助けを求めつつ
疑惑を晴らし、本当の内通者をあぶり出し、暗殺未遂を未然に阻止する、というお話。
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まず、シークレットサービスと大統領夫人が恋仲、というのが安っぽく観える。たぶん
原作本では、そうは感じないだろうが、これが映画の怖さ、というやつだな。
マイケルにSS内に内通者がいる、という情報をもたらしたタレコミ屋と、暗殺者たちの
接点が薄い。一番ダメだったのが、内通者が元KGBらの暗殺団に取り込まれたのだが、
その動機も希薄。
ラスト、モントリオールで開催されたG8で、大統領に迫った暗殺団との銃撃戦で、
カナダ軍に変装した一味が、マシンガンをぶっ放して、迫ってくるのだが、そんな一団が
どこにいたんだ?などなど、他にも小さい突っ込みどころは満載であります。
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金と時間を返せ、とまではいかないまでも、冒頭、レーガン大統領暗殺未遂事件の
ニュースフィルムを見せたり、アラビア文字のモンタージュがフラッシュバックされたり
意味深で始まり期待が高まっただけに、裏切られ感は強い。
さすがアメリカ大統領SSの映画だけあって、出てくるクルマがダッヂやクライスラーC300
だったりする。キム・ベイシンガーの手元アップでの皺いっぱいの彼女の手の甲が
痛々しかったのが一番の印象だった・・・。
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by jazzyoba0083 | 2007-11-25 20:50 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「ショート・カッツ Short Cuts」
1994 アメリカ Avenue Pictures Production,Fine Line Features 189min.
監督:ロバート・アルトマン(共同脚本も) 原作:レイモンド・カーヴァー
出演:アンディ・マクダウェル、ブルース・デイヴソン、ジャック・レモン、ジュリアン・ムーア
    マシュー・モディーン、クリス・ペン、マデリン・ストー、ティム・ロビンス
    リリ・テイラー、ロリ・シンガー、ヒューイ・ルイス、リリー・トムソン、トム・ウエイツ
    フランシス・マクドーマンド、ジェニファー・ジェイソン・リー、ロバート・ダウニー・jr他
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ロバート・アルトマン没後一年企画としてWOWOWで放映されたものを鑑賞。今年観た
映画の中で最長。いわゆる群像ドラマで、多数の男女が出てくるので、誰と誰がどうで、
という配置が判りづらい憾みはある。しかし、時間のことはさておいてストーリーは面白い。
LAに暮らす男女のさまざまな事件が、微妙に関連を持って描かれていく。
俗っぽい市民の暮らしを貧富や男女、恋愛などさまざまな側面をアルトマン一流の皮肉
めいた描き方で活写してみせる。だからどうした、などと観ないで、彼らの俗物は
自分にも住んでいる、人生実に塞翁が馬である、抜き差しならぬ男女の嫌らしさ、など
どんどん迫ってくるものがある。
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LAにメド・フライという害虫が蔓延し、ヘリからクスリを撒いて駆除しようとしていた。
そのヘリの夜間飛行の編隊がタイトルバックになっていて美しい。そこにクレジットされる
俳優は主役クラスがざらざらと並ぶ。
テレビが重要な小道具となっている。その殺虫剤を撒くニュースをしゃべっている画面が
まず、さまざまな家庭の様子をつなぐ画面となる。そして、そのニュースキャスターの
夫婦がまず話の基点をつくる。アンとハワード(ニュースキャスター)のフィニガン夫妻、
その子ケイシー。ケイシーが学校へ行こうと道を渡ると車にはねられる。はねたのは
コーヒーショップでウエイトレスをしているドリーンだった。、その夫はリムジンの運転手を
しているアール。二人の間は危機的だ。一方、白バイ警官のジーンと3人の母親である
妻のシェリー、歯科医のラルフとマリアン夫婦。ハワードの隣家に住むジャズ歌手の
テス(アニー・ロス)と娘でチェリストのゾーイ。プール清掃業のスチュアートと
主張道化師をしている妻のクレア、テレフォンセックスのバイトで生計を立てている妻
ロイスと、仕事のないジェリー夫婦。害虫駆除ヘリのパイロット、ストーミーと白バイ警官と
浮気しているベティ。彼らは離婚している。これにケーキ屋・パン屋が絡み、lそれぞれが
微妙な係わり合いを持ちながら映画は進む。
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ストーリーを全部書くことは不可能だし、あまり意味がないので止めるが、この大作、
現代アメリカ人の俗っぽい普段の生活を切り取って私たちに突きつけて見せた。
長さでいささか閉口する部分もないではないし、最後の地震はちょっと笑っちゃうけど
これとてアルトマンの狙いなんだろうね。名優たちがアホな役をきっちり演じているので
映画がしまっているのだろう。
ジャズ歌手のアニー・ロスが、歌手の役で出演している。彼女の歌がある意味狂言廻しの
役割を任じられている。
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 A director,writer Robert Altman,passed away 20th Nov.2006
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by jazzyoba0083 | 2007-11-24 16:30 | 洋画=さ行 | Comments(0)

16 ブロック  16 Blocks

●「16 ブロック 16 Blocks」
2006 アメリカEquity Pictures,Emmett/FurlaFillms,Donners'Company,101min.
監督:リチャード・ドナー
出演:ブルース・ウィリス、モス・デフ、デヴィッド・モース、ジェナ・スターン他
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昨年(06)秋の封切だったのだが、シネコンに行く間もあらばこその終了だった記憶が
ある。で、WOWOWで放送を鑑賞。
ブルース・ウィリスの刑事モノというと、どうしても『ダイ・ハード』シリーズが思い出されて
しまうが、この映画もいいも悪くも、『ダイ・ハード』を引きずっての鑑賞となってしまう。
ただ、やれ『ガントレット』だの小型版『ダイ・ハード』だの、言われるが、まあストーリーが
やや弱いかなあ、とう弱点はあるものの、私は楽しく観ましたよ。特にラストはベタだけど
良く伏線が生きていて、ホロリとさせられました。映画はこういう風に終わってくれないと!
という典型ですな。

ブルース・ウィリスはくたびれた役作りに励んだ結果、見たことの無いような青白い顔と
くたびれた表情、腹はでて肩は落ちて、最初、誰か判らないくらいの変身振り。でも
アクションになると切れがでちゃうのは、サガか?

NYの分署に勤めるジャック・モーズリー刑事は、頭痛薬をウィスキーで飲むような
へたれ刑事になり下がっていた。夜勤明けで帰ろうとしたとき上司から、裁判所へ
証人を送るように命じられる。たった16ブロックを移動するだけの簡単な仕事と
思われた。留置所から、黒人の青年エディを受け取り、クルマで移動し始めたのだが
途中でアルコールを買おうとクルマを止め、雑貨屋に入ったとき、彼らを付け狙って
きた男たちが、エディを殺そうと銃撃を始めた。応戦するジャック。
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逃げ込んだバーから応援を求めると、やってきた刑事たちは、おかしなことを言い出す。
ニュージェント(モース)らは、悪徳刑事であり、エディが証言しすると、この悪事がばれて
しまう。ニュージェントらはこれを恐れてエディを無きものにしようとしているのだった。
20年間相棒を組んできたニュージェントは、ジャックにエディを渡せと迫るが、ジャックは
断わり、刑事の一人の足を撃ち、NYの街に逃げ出した。
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追われるジャックとエディは、妹の家に行き、銃を用意して、更に裁判所を目指した。
自分の受け持ち地区であるため、何処に何があるか熟知しているジャックは、巧みに
逃げ回るが、次第に包囲網は狭まってきた。
二人は市バスをジャックし、これに立てこもり、検事とテレビを連れてくるようにいう。
しかし、ジャックは仲間の刑事たちが自分の言うことを聞くとは思わなかった。
覚悟を決めたジャックはエディに客のスーツを着せて、人質解放のドサクサで逃げろ
と指示。バスの中にジャックしかいなくなり、いよいよ突撃隊が突っ込むというときになり
エディが現れ、またバスに乗り込んでくる。自分を助けてくれたジャックを見過ごせなかった
のだ。全部の車輪をパンクさせられていたバスで、包囲網を破り、再びビルの1室に逃げた
二人。追い詰めるニュージェントら。市警も気が狂った警官が暴れているということで
ジャックの逮捕に向かってきた。
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ビルの一室から検事を呼んでくれ、と電話をかけるが、この電話をキャッチしたニュージェントら
は、部屋を襲う。が、ジャックの方が一枚上手で違う部屋番号を知らせて、隙を作ったのだ。
逃げ出そうとしたとき、ニュージェントが階下で待っていた。
しかし、エディとのコンビネーションでニュージェントの手から逃れ、街に逃げ出した。
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しかし、エディはバス襲撃の時にわき腹を撃たれていて、手当てが必要。ジャックは消防署
の救急隊に勤める妹に助けを求め、彼を病院に送り、自分が法廷に立とうと決心する。
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そう、彼も数年前まで悪徳警官の一味だったのだ。悔いたジャックはケーキ屋を目指す
エディを逃がし、自分が法廷に証人として立つ覚悟を決めたのだ。

そしてポケットにバスの中で拾った小型テープレコーダーを忍び込ませ、敢えて
ニュージェントと対決、重要な自白を言い合いの中から収録した。そして裁判所に単身
乗り込む。後を付けるニュージェントの仲間、銃を忍ばせて。そして裁判所で名乗った
とたん、狙撃隊が彼を囲む。しかし狙撃隊の隊長の銃のスコープには、ジャックの背後に
迫った警官が銃を取り出している姿も映っていた。そこについに検事が登場、ジャックが
上着のポケットからテープレコーダーを取り出そうとしたとき「銃だ!」との掛け声が!
続きいて銃声!倒れたのは、ジャックではなく背後にいた悪徳警官の一人だったのだ。
ジャックの身柄を確保し、録音したテープを押収して大陪審へとジャックを連れて行った
のだった。
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自らの罪も償ってシャバに戻った2年後。彼の誕生日と出所を祝う集まりが開かれた。
送られて来たケーキは勿論、シアトルの妹の所へ行き、ケーキ屋を開業した
エディからのもの。店の名がなんと「エディ&ジャックズ」。彼に感謝して付けた名前だ。
(ケーキ屋開業資金3万1000$の謎も映画の中で明かされる)

ケーキの上には「チャック・ベリー、モーリス・ホワイト、ジャック・モーズリー、エディ・
バンカー、人生変らないことはない。」と記されていた。そして、店の前で誇らしげに
笑うエディの写真が添えられていた・・・・・。

逃避行の際に、ジャックがエディに人は簡単に変るもんじゃない、と言っていたのを
自分が更正したことを例えに、皮肉って見せたのだ。「俺はケーキは嫌いだし、ケーキの
上に書く文句なんて無い」といっていたジャックに皮肉タップリに・・・。
人生を諦めていたジャックがエディと出会うことで、再び生きる力を得たというお話し。
お互いの出会いは「いい兆し」であったのだ。

ある嵐の日、クルマを運転していたあなたは、バス停に今にも死にそうな老婆、
命の恩人の親友、理想の女性の3人が待っていた。乗せて行きたいが1人しか乗れない。
あなたはどうするか?
この答えもなかなか洒落ていた。

配役で言うと、悪徳刑事の親玉ニュージェントを演じたデヴィッド・モースがいい味を出し、
敵役として活き活きとしていた。それとエディのモス・デフは、ブラックアメリカン訛り丸出し
の、ストレートな青年を好演し、美味しいところを持って行った感じ。
バスが舞台の1つとはいえ、「ガントレット」を目指したわけでもないし、マッチョ刑事の
活躍を描こうとしたわけでもない。中年刑事の「とあるお話し」を、いい感じで纏め上げた
作品とみれば、心地よく観る事ができると感じた。ハリソン・フォードにも、歳食ってからの
刑事の映画があったな。もちろんイーストウッドも。ブルース・ウィリスはこの後で
『ダイ・ハード4,0』を撮っているわけだが・・・。
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by jazzyoba0083 | 2007-11-23 17:50 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「プライドと偏見 Pride and Prejudice」
2005 イギリス Universal Pictures,Working Title Films,127min.
監督:ジョー・ライト 原作:ジェーン・オースティン「高慢と偏見」
出演:キーラ・ナイトレイ、マシュー・マクファディン、ドナルド・サザーランド、ジュディ・リンチ他
<2005 アカデミー賞主演女優、作曲、美術、衣装デザイン各賞ノミニー>
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いかにもイギリスの映画らしい。出来といい、尺といい。映像は物凄く美しい。黄金律や
シンメトリー、色の配置、奥行きのとり方、動線と背景の計算など、1シーン1カットの
映像美を楽しむのもいい映画。衣装もいい。ターナーの絵画を観ている感じを瞬間味わった。
なにせ近世の文芸ラブロマンスだけに、全編タルい感じは否めない。
が、ナイトレイの美しさと、ダーシー氏とのもつれた果ての愛はストレートで、良く伝わる。

『18世紀末のイギリス。田舎町に暮らすベネット家の5人の子どもはいずれも女ばかり。
女性に相続権がないこの時代、父親が死んだら家も土地も遠縁の男子が継ぎ、娘たちは
路頭に迷ってしまう。母親はなんとか娘たちを資産家と結婚させようと躍起になっていた。

そんなある日、近所に独身の大富豪ピングリーが引っ越してきた。にわかに浮き足立つ
5人姉妹。そして舞踏会の夜、次女エリザベスは、ピングリーの親友ダーシーと出会う。
しかし、ダーシーの高慢な態度に強い反感を抱くエリザベス。さらに、あらぬ誤解から
ダーシーへの嫌悪感はますます募っていくのだったが…。』(以上allcinmaより)

この時期のイギリスの身分階級と、社会制度の中での結婚という状況を幾分シェイクスピアもかくや、とばかりのヒューモアも織り込み、それこそ男女の間の「高慢と偏見」それに
もう一つ加えれば「誤解」という愛情を妨げる要因を、乗り越え解決していく様子を5姉妹の
長女と婚約者、次女(ナイトレイ)とダーシー氏(お城を持ってる大資産家)を通して
描いていく。

「ダーシーには婚約者がいるんです。婚約しないと約束しなさい」とナイトレイに宣告する
ジョディ・リンチの叔母さんが、物凄い迫力。でも、そんな障害も二人の愛は乗り越える
んだけどね。恋愛映画なのに時代なのか1つのキスシーンもない。でもどこか猥雑な
臭いのする映画なんだよなあ、さすがにシェイクスピアを生んだ国の映画だけのことは
あるなあ。
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ナイトレイは美しいし、この役にあっていた。ジョディ以外では、5姉妹の父親をやった
ドナルド・サザーランド(『24』のキーファーの実父)はさすがの存在感。いるだけで
意味が伝わる存在だ。長さを我慢できる恋愛映画ファンにはお勧めです。
BBCがテレビ用に3回連続のドラマにしたらしいが、観ていません。そっちのが面白いと
いうことを言う人もいます。
なおこの映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2007-11-20 22:40 | 洋画=は行 | Comments(1)

●「17歳のカルテ Girl,Interrupted」
1994 アメリカ Columbia Picturers,Red Wagon Productions 127min.
監督:ジェームズ・マンゴールド  原作:スザンナ・ケイセン
出演:ウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー、クリア・デュヴァル
    ウー・ピー・ゴールドバーグ、ジャレッド・レトー他
  <1994年度アカデミー賞助演女優賞(アンジェリーナ)受賞作品>
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邦題が、なんともいけない。原題は「つまづいた少女」ほどのニュアンスだが、この邦題だと
いやに安っぽくなる。アンジェリーナはこれでアカデミー賞を獲ったが、ウィノナ・ライダーの
演技の方が、抑えたものが要求されていて難しかったと思うが、これを彼女は良く
演じきっていたと思う。アンジェリーナの役は、蓮っ葉で暴力的な少女なので、やり易く
目立ち易いポジションで得をした感じだと思う。ライダーの演技をもっと評価しなくては
ならないと感じた。 いろいろ物議をかもしている女優さんだけどね。

そのライダー演じるスザンナは、アスピリンを一瓶とウォッカを一瓶飲み、九死に一生を
得る。作家志望の彼女は、想像力が豊かで、1部分でブレーキが利かないところがある
多感な少女にすぎないのだが、両親や周囲は、彼女を精神病院に入れる。
時代は1960年代の初め。

自分もこんなところにいるべきではない、と思っていても、強制的な薬づけ、などで気力は
失せていく。しかし、人間観察の目は鋭く、日記やイラストを毎日書いていくのだった。
病棟で同室になったジョージーナは虚言癖があり、脱走を繰り返すリサ(アンジェリーナ)は
どの少女にもどの看護士にも対立するナイフのような少女だった。

リサは、人を追い詰めてしまう癖があり、自分は正しいことを言ってやっているのに、と
嘯いている。ある日、スザンナとリサは施設を脱走し、最近退院した少女デイジーのところに
寄るのだったが、彼女の性癖を厳しく指摘しすぎてしまい、彼女は自殺してしまう。

リサが恐ろしくなったスザンナは一人でフロリダに行くのを止めて、病院に戻ってくる。
黒人の看護士ヴァレリーの援助もあり、スザンナは自らの心を開くきっかけを掴むことに
成功する。その後は、自閉的な性格も改善され、退院する日を迎える。
リサは、逃亡先からまた引き戻されてくる。

スザンナは退院の前夜、リサたち患者に意地悪をされるのだが、スザンナが「なぜあなたは
(自殺に追い込むとか、自分に閉じこもるように)みんなの背中を押すようなことばかりするの」
と問い詰める。そして「あなたは死んでいるのよ、もう死んでいるのよ」と指摘する。
そうするとリサの感情が一気に吹き出て「だれも私の背中なんか押してくれない、なぜ
私にかまってくれないの?」と。気が強いリサを敬遠している周囲に、自分は認められ
愛されたかったのだ。
退院していくスザンナ。手を振りハグして別れを惜しむ仲間たち。彼女たちの分身は
だれの心にもある、ということを強く印象づけて映画は終わる。
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つまり、スザンナが入院中に出会ったさまざまな障害を持つ少女たちは、スザンナ自身
大なり小なり心に抱えている心の問題であり、それはひいては、私たち全ての人間に
通じている事実なのだ、ということをこの映画は伝えていると感じた。親にしろ分析医にせよ
どこがスザンヌと違うのか?私たちはどうなんだろう?と。

実在するスザンヌ・ケイセンの原作を映画化したもので、病的に多感な少女の行動を
一律に精神病(境界性人格障害)とする当時の社会(現在も?)の危うさ。退院した
スザンナは、退院できない少女たちとどこが違うのか?
アンジェリーナの演技を絶賛する声が圧倒的だ。確かに彼女の存在は光ってはいたが
私はウィノナ・ライダーのある種捕らえどこころのない少女(というには当時彼女は28歳だが)
の味を良く出していたと感じた。(地が出ていた???)17歳、というが映画のどこに
17歳だと言っていたかな?
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by jazzyoba0083 | 2007-11-18 23:30 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ブロードウェイと銃弾 Bullets Over Broadway」
1994 アメリカ Miramax Films,Magnolia Productions,99min.
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ジョン・キューザック、ダイアン・ウィースト、ジェニファー・ティリー他
  <1994年度アカデミー賞助演女優賞(ダイアン・ウィースト)受賞作品>
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20年代のブロードウェイ。一人の売れない舞台作家が自らを発見していくまでを
ウディ独特のシニカルでヒューモアな視点で描く。いつもの爆裂セリフを喋るのは
今回はウディではなく、ジョン・キューザック。情けない、自信のない劇作家に嵌った
役であった。そして、アカデミー助演女優賞を獲得した、熟女女優をいい味で演じた
ダイアン・ウィースト。邦題の「と」は、原題の「over」とはややニュアンスが違うが、
「に」でもないし、まあ適当か。

閑話休題。ローリング20。ギャングが跋扈する禁酒法時代のNY。売れない劇作家
デイヴィッドは、何とか自分の劇を上演するパトロンを探していた。そこへ
歌もセリフもヘタッピーなオリーブという女優志望のレビューガールを、セリフたっぷりで
起用してくれるなら、資金を援助しようという申し出がきた。援助の主はギャングのボス
だった。レヴューガールは愛人だ。
なんとか本を完成して舞台の座組をつくる。主役にはヘレン・シンクレア(ダイアン)を
起用。この女優、デイヴィッドに何かと色目のようなものを使ってくる。挙句には
ディヴィッドも、歳の差を越えて恋愛感情をいだくようになる。しかし、ディヴィッドには
売れない時期を支えてくれていた恋人がいた。

上演に向けて稽古が進むが、やはりオリーブの素っ頓狂な演技は、舞台を台無しに
してしまう。しかし資金と繋がっているので切るに切れない。そんなオリーブの護衛に
付いているのがチーチという子分。こいつがなかなかの文才があり、ストーリーの
手直しのアドバイスをする。すると劇がどんどん面白くなっていく。さらにシンクレアの
アドバイスもあり、更に面白くなっていく。しかし、ガンはオリーブだ。
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この劇が自分の劇だと思い始めたチーチは、オリーブの存在が許せない。ある夜、
家まで送るふりをして、桟橋で撃ち殺してしまう(殺人シーンそのものは無い)。
行方不明になったオリーブの代役が立ち、いよいよ劇は面白く、完成度の高いものに
なった。そして、まずボストンで公演。これが大評判になり、いよいよブロードウエイで
上演されることになった。初日、オリーブを亡き者にした犯人探しに躍起になるギャングの
ボスに、チーチは追い詰められ、舞台の袖で、子分に撃たれてしまう。その最後の
言葉も、芝居をこうしたら面白くなるというアドバイスだった。

翌日の新聞には、芝居を絶賛するコメントが並んだ。銃撃の音さえ効果音として激賞
されるありさま。自分の実力で舞台が成功したわけではないことを悟ったデヴィッドは
他の恋人に走ってしまった彼女を奪い返し、筆を折って、田舎へと帰って行ったのだ。

バックステージの事情はウディの得意とするところ。時代設定やギャングの登場、
ステージの居座るタレントレスなボスの愛人そのあたりまでは、よくある設定だが、
ボディガードのチーチの登場が、俄然この映画を面白くする。チャズ・パルミンテリという
俳優さんだが、演技の上手い下手というより、こういう人物を設定したことがウディの
勝利だ。いつものウディの映画のようにアクが強くないので、ストレートな娯楽映画に
仕上がっていると感じた。
尚この映画の詳しい情報は

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by jazzyoba0083 | 2007-11-17 23:30 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ボーン・アルティメイタム The Bourne Ultimatum」
2007 アメリカ Universal Pictures, Kennedy/Marshal Production 115min.
監督:ポール・グリーングラス 原作:ロバート・ラドラム
出演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、デヴィッド・ストラザーン、スコット・グレン他
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ボーンシリーズ完結編。1も2も観てきたので、とても楽しみにしていまいした。下馬評も
上々。おすぎさんも激賞、新聞の論評も概ね良好です。
封切後1週間。映画館は「恋空」「続・三丁目の夕日」「クロース・ゼロ」の客で賑わって
いました。この映画のスクリーンもまあまあかな。1週目の興行成績は4位だそうです。
マット・デイモンも日本のテレビに出まくってPRに努めていましたね。

さて、作品。これまでで一番面白かったと思います。思索的なのは1作目。ラドラムの
小説の雰囲気が一番生きていた感じ。2作目はジェイソンの人間らしさを垣間見て、
そして仕上げの「ボーン・アルティメイタム」では、自分探しの最終章となり、自分が
誰かが判る上に、自分を殺人マシーンに仕立て上げたCIAのからくりが判るように
なっています。

とくかく冒頭からラストまで、物凄いスピード。展開が早いので、このシリーズを観ていない
人は少し辛いかもしれません。監督は2作目「ボーン・スプレマシー」と同じグリーングラス。
手持ちカメラでカットが多く、スクリーンの前の方では訳判らないと思いますよ。
これから観にいく方は、映画館の一番後ろの方で観ることをお勧めします。
このノンストップのアクションは、この手の映画が好きな人にはたまらないでしょうね。
ストーリーも3作の中で一番判り易いし。
ロケも、モスクワに始まり、ロンドン、パリ、マドリッド、タンジール、NYと多彩。アップの
短いカットの積み重ねの中で、都市が変るときは俯瞰のロングとなるのが印象的な
演出だ。

以下、映画のパンフより・・・
「暗殺者ジェイソン・ボーンはCIA極秘計画“トレッドストーン”によって洗脳された究極の
完成度を誇る暗殺者だった。しかし、ミッション中のアクシデントで記憶を失い、暗殺者で
ある過去を捨て、恋人マリーと平穏に暮していた。だが、たとえ記憶がなくとも、その過去
から逃れることはできなかった。
組織が送り込んだ新たな暗殺者が居場所を突き止め、ついにはマリーの命を奪って
しまう。最愛の女性を失い、行き場のない怒りを抱えたボーンは、組織の計画の全貌を
暴き「記憶」の全貌を暴き「記憶」を取り戻すため、最後の戦いを開始する。
モスクワ、パリ、ロンドン、マドリッド、タンジール・・・。
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次々と送り込まれる暗殺者との壮絶なチェイスを繰り広げ、最終目的地へと向かう。
最後通告=アルティメイタムを叩きつけるために!
しかしボーンの背後では、すべてを闇に葬るため新たな計画<ブラックブライアー>が
極秘に進行していたのだ。この陰謀を企てた黒幕となる人物とは?そしてジェイソン・
ボーンの「正体」とは?ついに驚愕の真実が明らかになる!」

ということです。ボーンは、ロンドンの「ガーディアン紙」の記者と接触することにより
CIAの陰謀を暴こうとするが、記者は組織に射殺されてしまう。
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CIAマドリッド支部のニッキーと、CIAのテロ特殊対策本部を取り仕切ることになるパメラの
協力を得て、ボーンの謎解きと、復讐が始まる。
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とにかく約2時間、ノンストップアクション。特にジェイソンがNYに乗り込んでからの
カーチェイスは物凄いの一言。ジェイソンが奪って逃走するパトカーのつぶれた
トランクがマンガチックで思わずニヤリ。そして、屋上駐車場から追い詰められたジェイソンが
クルマごと地上に落下 、助かるのだが、そこで使われるのがアウディA6で、さすがの
頑丈さをアッピールしていた。 マンガのようにジェイソンは不死身だ。
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ラストのカタルシスも、満足いくものだ。ラストのニッキーの「ニヤリ」が最高でしょう!
ジェイソンが何故、究極の暗殺者になったのかの謎が明らかにされるのだが、ちょっと
ビックリの動機。しかし、その動機にいたるまでの彼の事情が明らかにされないので、
ちょいと不満。
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まあ、しかし、娯楽作品としての完成度は高い映画で、堪能させていただきました。
マット・デイモン、頑張ってましたね。いいと思いますよ。ラドラムの描いた世界とはチョイと
離れてしまっているかな、とは感じましたが・・・しかし、お勧めです。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで
by jazzyoba0083 | 2007-11-17 11:50 | 洋画=は行 | Comments(2)

●「ミッドナイト・クロス Blow Out」
1981 アメリカ MGM,Orion Picturers,Cinema 77 108min.
監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ 撮影:ヴィルモス・ジグモント 音楽:ピノ・ドナッジオ
出演:ジョン・トラボルタ、ナンシー・アレン、ジョン・リスゴー他
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デ・パルマの映画は好きで良く観る。この映画も2度目の鑑賞だが、26年前の作品ゆえ
内容は殆ど忘れていた。改めて観て、面白い仕上がりだなあ、と思ったけど、ラストは
どうなんだろう。私としては納得は出来ない。いくら花火と悲しみが対照的であろうと。

B級映画の効果マン、ジャック・テリー(トラヴォルタ)は、渓谷で映画のための音を
高性能マイクを使って集めていた。と、そのとき、クルマの音が聞こえ、続いて銃声、
見ると車がガードレールを破って川に転落していった。

急いで川に飛び込み、車中でもがいていた女性を救出した。その女性サリー(ナンシー・
アレン)は、ちょいと頭のねじがゆるいネエチャン。乗っていて死んでいたのは次期大統領
候補として有力視されていた知事だった。事件をもみ消そうとする知事陣営。
ジャックは録音されていた銃声を確認し、警察に言うが、警察は、あれは事故だ、と言って
取り合わない。

やがて、写真屋のカープが同じ場所で高性能のフィルムの撮影テストをしていて偶然
クルマの転落を写していた。これをマスコミに売り込みもうけていた。
実はカープは知事陣営に対抗する勢力から、女と一緒のところを撮影してスキャンダルに
して、人気を落とす仕事を請け負っていたのだ。カープとサリーは組んで、そんな
スキャンダル撮影を生業としていたのだった。

この写真が掲載された雑誌を買ったジャックは、一こま一こまを切り抜きぱらぱら漫画の
ように一枚ずつ撮影し、動画を完成させ、これに録音した音を被せてみた。
すると、銃声と同時にクルマのパンクの音が入っていて、このためクルマは蛇行し川に
転落したことがはっきりした。銃の閃光も映っていた。再び警察に行くがまだ信用されない。

そこに地元のテレビキャスターのドナヒューから、フィルムがあるなら音と一緒に持ってきて
くれ、テレビで放送しようじゃないか、と誘いが入る。

しかし、カープの後ろにはもう一人の仕掛け人バークがいたのだ。彼は反対陣営から
写真を撮れといわれていたのだが、やりすぎたのだ。変質者であった。彼は、ジャックと
サリーの会話を盗聴し、自らドナヒューになりすまして、サリーを呼び出し、フィルムと
テープを奪いサリーを殺そうとしていた。かたわらで、街の娼婦を見つけては殺していた。
どうも納得がいかないジャックは、サリーに隠しマイクを仕掛ける。

何も知らないサリーは駅に行き、バークに会う。バークはサリーを港に誘い出し、
フィルムとテープを受け取り、海に捨てる。びっくりしたサリーに魔の手が迫る。
マイクから流れるサリーの声をたよりに、サリーの後を追うジャック。「自由の日」を記念した
パレードが行進し、花火が打ち上げられる中、サリーの元にたどり着くジャック。まさに
バークの手にした千枚通しが振り上げられる瞬間、ジャックはバークの腕を取り、その
千枚通しをバークの胸に刺したのだった。しかし、サリーはすでにクビを絞められて
絶命していた。虚しく輝く花火。フィルムもなくなり、証拠は無くなってしまったのだ。

テレビは、「連続殺人魔が殺されたが、最後の犠牲者も犯人を刺して絶命した」と報道して
いた。
ラスト、どうしても上手い悲鳴が取れなくて苦心していたB級映画に、サリーの最後の
悲鳴を使うジャックだった・・・・。

頭のねじの緩んだサリーを、ナンシー・アレンがキュートに演じていた。デ・パルマの
カメラワークは、相変わらず独特で、ジャックの部屋の中で10回くらい続く360度パンや
駅でサリーを待つバークから、ズームバックで全部が明らかになる構図とか、
面目躍如。ただ、ラスト、あんなにその死を悲しんでいたサリーの最後の絶叫をB級映画に
使うのはどうも納得いかなかったなあ。ここの映画のトラヴォルタはとてもいいと思った。
それとリスゴー扮する変質者バークも不気味で良かった。音楽がちょっと大仰で、大団円の
オーケストラも時代を感じた。そのあたりはやはり26年前の映画なのかなあ。
「ミッドナイト・クロス」という邦題もなんのこっちゃかよーわからんバブル時期の命名だ
ろうなあ。原題はパンク(タイヤの)の事だ。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2007-11-14 22:45 | 洋画=ま行 | Comments(0)

カオス CHAOS

●「カオス CHAOS」
2005 アメリカ Chaotic Productions,Mobius Entertainment Ltd.107min.
監督・脚本:トニー・ジグリオ
出演:ジェイソン・ステイサム、ウェズリー・スナイプス、ライアン・フィリップ
    ジャスティン・ワデル、ヘンリー・ツェーニー他
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どんでん返しの繰り返し。ラストは、気分がいいのか、悪いのかよく判らなかった。
正直に言えば、後味は良くない。
カオスとは「混沌」とかの意味だが、ここでは「カオス理論」のことを言っている。だから
タイトルだけではよく判らない。
カオス理論とは「非常に不規則で複雑な現象であっても、簡単な方程式で表現できる」とする
理論のこと。
物語の終盤、複雑に絡み合う事件のピースが「カオス理論」のごとく1つの“法則”へと収束していく様子を表している。

物語は雨の橋の上、追い詰めた犯人が横転したクルマの中から上院議員の娘を
人質に出てきた。追い詰めたのはシアトル警察のコナーズ刑事と、ロレンツ刑事。
結局、二人の刑事は犯人も人質も射殺してしまうのだった。
これが社会的に問題となり裁判が開かれ、ロレンツは追放され、コナーズは謹慎と
なった。

場面変わって、銀行に6~7人の強盗が押し入り数十人の客と従業員が人質となった。
犯人はコナーズとの交渉を要求してきた。市警本部はしかたなく、コナーズを現場に
復帰させ、交渉係としたが、SWATがリーダーのコナーズの命令を無視して突入した
ため、犯人は銀行を爆破、ドサクサにまぎれて逃亡してしまった。
コナーズは人質と従業員をしらみつぶしに調べさせる。銀行からは何も盗まれた形跡が
なかった。犯人の目論見とは?

コナーズにはお目付け役ともいうべき若い刑事デッカーが付く。彼と、コナーズのモトカノで
刑事のテディが協力して、手がかりを探っていく。地元テレビカメラがとらえた逃げ出す
人質の中に前科のあるリチャーズの姿を見つけ、追い詰める。トラックで逃亡する
リチャーズを、新米デカのデッカーが、バイクで追跡(シアトル中を駆け巡る)、
転倒して怪我を負いながらも、リチャーズを確保した。自宅を捜索すると5万ドルの
札束が。しかし、これは先の銀行強盗の分け前ではなく、以前にあった強盗事件で押収
されたものであった。これで、警察内部に内通者がいることが判明。証拠品保管係の
自白により、カー路刑事の存在を突き止める。彼の自宅に急行するが、カーロはすでに
射殺されていた。そこには、あの上院議員の娘を射殺した件で、自分だけが免職された
ことに恨みをもっている、その復讐だというロレンツのメッセージがあった。

デッカーは怪我で入院中のリチャーズのもとに行き、仲間は誰か、と聞きだす。点滴に
多量のモルヒネを入れると、ショックで死んでしまうんだよね、といいながら注射器で
点滴液の入った袋にモルヒネを打ってみせる(本当は生理的食塩水)。恐怖に慄いた
リチャーズは、リーダーと仲間が集まる場所を教える。

警察はその家を包囲し、ロレンツが集まるのを待つ。しかし、仲間は警察の存在に気づき
逃亡、家を爆破してしまう。中に入ったコナーズは爆破に巻き込まれ殉職してしまった。
以下、完全ネタばれです。ご注意ください。
後を継いだデッカーとテディは更にロレンツを追う。ロレンツが防犯カメラが微妙に
アングルを変えた先にはロックの掛かっていないマネージャー用のPCがあった。
また、取引のログを解析した結果、1つの口座から100ドルづつ、1万口座から金が
引き出されていた。これは1つの口座から大量の金額を引き出すとセキュリティが
効いてしまってだめだからだ。このアイデアはハリソン・フォード「ファイアーウォール」の
ものとそっくりだ。

この口座を追っていくと、ロレンツとコナーズの意外な関係が浮かび上がり、デッカーと
テディはまずロレンツを追い詰め、ダイナーにいるロレンツを発見、銃撃戦の末、
テディが射殺する。デッカーはコナーズの部屋を捜索、すると「カオス理論」の本が。
実は上院議員を射殺したのはロレンツで、ロレンツとコナーズは処分が不服で社会に
反撃に出たのだ。二人は、ずっとグルだったのだ。
コナーズが持っていた紙幣に警察が付けた追跡可能な香りがついていたことでデッカーは
全てを悟った。高飛びをしようとするコナーズを追うデッカー・・・・。

最後の20分のどんでん返しは中々痛快だったが、ストーリーが「インサイドマン」と
さも似たり。カオス理論はあまり関係ないような気がした。「ジュラシック・パーク」の
「フラクタル理論」のほうが理論というベースを使っているものとしては説得性があった。

なお、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2007-11-13 22:54 | 洋画=か行 | Comments(0)