●「主人公は僕だった Stranger Than Fiction」
2006 アメリカ Columbia Pictures,Mandate Pictures,112min.
監督:マーク・フォスター  脚本:ザック・ヘルム
出演:ウィル・フェレル、エマ・トンプソン、ダスティン・ホフマン、マギー・ギレンホール他
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今まで観たことのないストーリーは新鮮で、情けないウィル・フェレルがよく役に会っていて
とても面白くみました。ラストまでちゃんと観ないと訳わからんですね。
普通、主人公のようなことになれば、彼が最初にかかった精神科医のように統合失調症と
いわれることは必定。そりゃ、いつも声が聞こえるんです、とか言って街の中で誰でもない
人に大声で話しかけるなんてことしたら、基地外と思われて当り前ですわな。

国税庁の調査員であるクリック(ウィル・ファレル)は、毎日の生活が計ったように同じことの
繰り返し。一つの違いもない。しかしそんな彼が、ある日時計を2分進めて合わせてしまった
ことからとんでもない悲劇に巻き込まれる。

どこからともなく、女性の声で、彼の行動を反芻したり、予測したりすのだ。聞こえるだろ、と
仲間に言っても、友人には当然聞こえない。医者に行けば統合失調症、と言われる始末。

『ひねりの利いた設定と巧みなストーリー展開で評判となった新人ザック・ヘルムの脚本を
人気俳優ウィル・フェレル主演で映画化したハートフル・ファンタジー・コメディ。
ある日突然、自分の人生が人気作家によって執筆中の物語に左右されていることを知った男が、自分の人生を取り戻すために奮闘するさまを、“小説の語り手”についての考察を絡めつつ、ユーモラスかつ寓話的に綴る。共演にエマ・トンプソンとダスティン・ホフマン。監督は
「チョコレート」「ネバーランド」のマーク・フォースター。

 国税庁の会計検査官ハロルド・クリックは、規則正しく単調な毎日を送る平凡な男。
ところがある朝、彼の頭にナレーションのような女性の声が聞こえる。それは断続的に
聞こえるようになり、文学的な表現でハロルドの行動を的確に描写していく。どこかで自分を
主人公にした小説が書かれていると疑い始めたハロルドは、“このささいな行為が死を
招こうとは、彼は知るよしもなかった”という信じがたいフレーズを聞いてしまう。
困惑した彼は、文学を専門とするヒルバート教授に相談してみることに。そんな中、
国防費に抗議して税金の一部を滞納し続ける勝ち気なパン屋の女店主アナに心惹かれて
いくハロルドだったが…。』(allcinema)
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誰かが書いている小説の一部に違いないと、教授(ダスティン・ホフマン)に尋ねると、こうした
小説を書くのはカレン・アイフル(エマ・トンプソン)しかいない、と言われる。しかし彼女は
今どこにいるのか不明だとも。出版社に行ったりするが、なかなか会うことはできない。

カレンは、2分進めてしまった時計のせいで、いつもは乗らないバスに乗れることになり、
停留所にいると、通りかかった自転車の少年が目の前で転倒、ハロルドはとっさに少年を
押しのけ助けるが、自分はバスにもろにはねられてしまう。そこで死んでしまうのがカレンの
小説の結末だった。

カレンはハロルドという男が実在することを知ることになり、完成させたはいいが、本当に
実在の男を殺してしまっていいのか悩み、教授の元を訪れ、草稿を置いていく。
これを読んだ教授は、小説が世紀の傑作だ、と感じる。そして、相談に再び訪れたハロルドに
これはもう君は死ぬしかない、君は死んでも名前は残る、とかかなりいい加減なことをいう。
そして草稿をハロルドに渡し、一度読んでみろ、という。
一気に読み終えたハロルドは、やはりこの小説は傑作で、自分の死でしか終わりはない、と
確信し、小説の結末を受け入れる覚悟を決める。

しかし、である。どうしても実在の人間を殺すことができなかったカレンは、結末を変えて
出版することにした。そしてそれを教授の元に持ってきて読ませる。「普通の出来になったね」
とは言われるが、カレンはそれで満足だった。

その変更されたエンディングとは、バスにはねられはしたけれど、奇跡的に一命を取り留め、
パン屋のパスカルと結ばれることなったのだ。いや~ハッピーエンドでよかったよ!

大人のファンタジーとしては堪能できるストーリーだった。作家を演じたエマ・トンプソンの
神経症的な作家の雰囲気、勝気なパン屋だけど純情な彼女アナを演じたマギー・
ギレンホールの美人なような、そうでないような普通さ加減、どこかいい加減な文学教授
のダスティン・ホフマン、そして、この主人公は彼しかいないだろうな、と思われるウィル・
フェレル、みな良い配役だ。邦題に原題の持つウィットはない。あまりにも通俗的であるのが
残念だ。
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マギー・ギレンホールは苗字でもわかるとおり、「ブロークバック・マウンテン」「ゾディアック」
などでブレイクしたジェイク・ギレンホール(あの眉毛の太い)のお姉さんだ。
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by jazzyoba0083 | 2008-09-30 23:10 | 洋画=さ行 | Comments(0)

インサイダー The Insider

●「インサイダー The Insider」
1999 アメリカ Touchstone Picures,158min.
監督:マイケル・マン、脚色:エリック・ロス、マイケル・マン
出演:アル・パチーノ、ラッセル・クロウ、クリストファー・プラマー、ダイアン・ヴェノーラ他
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1999年度アカデミー賞で7部門にノミネートされながら無冠に終わった話題作。
「コラテラル」「ラスト・オブ・モヒカン」のマイケル・マンが、実話に基づき作り上げた158分の
長編社会派重厚映画だが、やたら固いか、というとさにあらず、エンタテインメントとしても
成功している。久しぶりに見ごたえのある社会派映画であった。
CBSの名物ドキュメンタリー番組「60 Minutes」のプロデューサー(アル・パチーノ)と
彼に内部告発のインタビューを撮らせる、たばこ会社の元重役(ラッセル・クロー)が
中心となって話は進むが、いくら実話だからといって、実際にあるたばこ会社B&Wや
フィリップ・モリスなどが実名で出てくるし、CBSやニューヨークタイムズのキャスターや
記者も実名で出てくる。このあたりはアメリカらしい。

アル・パチーノはどの映画に出ても、どんな役をやってもハマってしまい存在感を重く感じ
させる俳優さんだが、今回はラッセル・クロウも、心揺れるたばこ会社元重役を上手く演じて
いた。脇を固めるプラマーらの配役もまことによろしい。

CBSの敏腕プロデューサー、バーグマン(アル)の元に分厚いたばこ会社の極秘文書が
送られてきた。内部告発と思われるが、彼では中身が読めない。そこで、アメリカを代表する
たばこ会社B&W社の元重役ワイガンド(ラッセル)に接触、彼にこの文書を読み解いて
くれるように依頼する。
ワイガンドは、会社と対立して首になっていた。子供は小さく喘息の持病を持っており、家族を
養っていかなくてはならない。彼と会社の間には辞めてもなお有効な守秘義務の契約が
ある。しかし、会社が国民の健康を無視してタバコに仕掛けた悪さを告発せずにはいられ
なかった。また、バーグマンは、ワイガンドにインタビューすることで、たばこ会社の議会証言が
嘘であることを告発したかった。二人の思惑は一致し、インタビューは成功、バーグマンと
組んで活躍してきた局の顔ともいえる、著名なキャスター、マイク・ワレスとともに、編集を
仕上げて放送直前までいった。

また、ワイガンドは、ミシシッピ州の裁判所が、法的に証言を禁止したにも関わらず、勇気を
もってたばこ会社の不正を告発したのだった。
ワイガンドは、これまでジョンソン&ジョンソンやファイザーといった健康産業に勤務してきた
化学者であったが、B&W社から破格の待遇でヘッドハンドされたのだが、自分のやっている
仕事に疑問を覚え経営陣と対立、やがて首、告発となったのだ。彼は辞めてから学校で
化学と日本語を教えて生活をしていた。

しかし、放送直前で、CBSの首脳部は放送中止を言い渡す。法律を破る恐れのある放送を
流すことで、買収交渉が進んでいるCBSに不利になるし、最悪の場合B&W社の子会社に
なってしまうかもしれないと言われてしまった。しかし、バーグマンとマイクは、告発者との
約束はジャーナリストとして破れない、と放送を主張するが通らない。

そこでバーグマンは、CBSの経営陣が、たばこ会社の告発のビデオの放送を圧力を加えて
中止させたという中身をニューヨークタイムズの友人に売り込む作戦にでる。

タイムズは、バーグマンの言っていることの裏を取り、1面トップで報道したのたった。
これにより、世論はバーグマンとワイガンドの見方となり、ワイガンドは告発者として守られ、
二人の娘に勇気ある親の姿を見せてやることもできたのだった。

アメリカという国の企業の持つ闇と、ジャーナリストの戦いは見ていて考えさせられるとともに
自分の会社の経営陣に「F○C○ YOU!」と言い放つ、バーグマンやワイガンドの姿勢に
痛快さを覚えた。長い映画ではあったが、アル・パチーノの圧倒的な(最初はだらしなくいい加減だが、仕事はきちんとやるタイプのジャーナリストか、と思ったら、今回は徹頭徹尾、硬派
な報道マンに徹していた。)存在感は、いつものことながら素晴らしい。
この告発でたばこ会社は巨額の賠償金を払うことになったことは、皆さんもご存じだろう。
そしてワイガンドはカリフォルニア州で最も優秀な先生に選出されたりもした。いまでも
健在であるそうだ。バーグマンは会社に楯ついた結果になったので、あっさり会社を辞め、
公共放送で記者をする一方、カリフォルニア大学でジャーナルズムを教えているそうだ。

正義を通し、会社とぶつかり、あっさり辞めて、別の生き方を生きる・・羨ましいな。そして
彼を理解しそっと支える妻の存在も見逃せない。長い分、色んな方面を描けていたし、
それが散漫になっていなかった点も評価できよう。アル・パチーノの役どころがやや左より
だった点がアカデミー会員に嫌われたかも。ちなみにこの年の作品賞は「アメリカン・
ビューティー」だったわけだが、こちらもキリスト教的アメリカ既存道徳概念を淫微に壊して
見せた作品であったのだから、どっちもどっちという感じだけど。やはり芸術としてみれば
アメリカン~に軍配があがるのかなあ。
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by jazzyoba0083 | 2008-09-29 23:20 | 洋画=あ行 | Comments(0)

「最後の初恋 Nights In Rodanthe」
2008 アメリカ Village Road Show Pictures,97min.
監督:ジョージ・C・ウルフ 
出演:リチャード・ギア、ダイアン・レイン、スコット・グレン、ジェームズ・フランコ他
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昨日封切りとなった、ラブロマンスを、奥さんと一緒に観賞。この手の映画はWOWOWで観る
のが私の定石なので、ラブロマンスを映画館に見に行ったのは、記憶に無いくらい。
97分という短い映画で、ストーリーも、さもありなん、ハーレクインか、とも思える陳腐なもの
だが、リチャード・ギアとダイアン・レインファンにはたまらんのでしょうね。

『「運命の女」以来の共演となるリチャード・ギアとダイアン・レイン主演で贈る大人のラブ・
ストーリー。「きみに読む物語」のベストセラー作家ニコラス・スパークスの同名恋愛小説を
映画化。それぞれに悩みを抱えた中年の男女が運命的に出会い、互いを共感するうちに
いつしか惹かれ合っていく恋の行方を、切なくもロマンティックに描く。

 浮気で家を出ていった夫や反抗的な思春期の娘など家庭の問題に悩まされている
エイドリアン。そんな日々に疲れ果てていた彼女はある時、友人が経営する小さなホテルを
5日間だけ手伝うことになり、ノースカロライナの海辺の町ローダンテにやって来る。
季節外れのリゾート地に宿泊予定の客は高名な外科医のポール・フラナー一人だけ。
一見、横柄で無愛想なポール。だが実は彼も家族の問題を抱えていたのだった。
互いの事情を知ると共に心を開き、次第に想いを寄せていくエイドリアンとポール。
こうして2人の関係は、滞在3日目に訪れた嵐と相まって急接近するのだが…。』(allcinema)
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夫の浮気が原因で別居しているエイドリアン(ダイアン・レイン)、手に負えない思春期の女の
子と小学校1年くらいの男の子の母でもある。夫との生活は絶望だが、子供の母としては
なんとかしっかりしなくては、と思っている。
そんなエイドリアンがロダンテという村の海辺の小さなホテルを5日間友人になり代わって
世話をすることに。そこに現れた、高名な外科医ポール・フラナー(ギア)。彼は、医療過誤で
ある夫人を死亡させてしまい、その夫から呼び出されてこの村にやってきたのだった。
彼は最近離婚したばかりだが、28歳になる医者の息子がいる。だが息子は父親の態度に
反発し、アメリカを離れ、ボリビアでボランティアをしていた。

やがてハリケーンがやってくる。小さなホテルは風雨に激しく晒される。エイドリアンとポールは
協力してホテルを守る。そんな雰囲気で当然のように二人は惹かれ結ばれる。
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ポールは死なせてしまった夫人の旦那に、素直に謝る。最初に行ったときは自己弁護ばかり
で素直に謝るということをしなかったため、旦那の心を閉ざしてしまったのだった。しかし、
エイドリアンのアドバイスで、素直になって謝罪し、和解に至ったのだ。そこで医師としての
道を見直そうと息子の居るボリビアに行くことを決心。
エイドリアンとの間には、頻繁に熱いラブレターの交換が行われた。そして、もうじき結婚を
するためにアメリカに帰ってくる、という時に、現地で発生した土砂崩れに巻き込まれ
ポールは命を落とす。そして遺品を携えて、ポールの息子が彼女の元を訪ねてくる。
とめどなく流れる涙。呆然の日々。
そんな母親の姿をみて、あんなに反抗的だった娘も自分の非を認め、母に心を開くのだった。

そして、海辺を散歩するエイドリアンのそばを伝説の野生馬の群れが走り抜けていった。
ポール54歳、エイドリアン47歳の、悲しくも美しいお話であった。

ストーリーは置いておいて、ダイアン・レインが熟年のこの手の演技には欠かせない女優さんに
なりましたね。綺麗に年齢を重ね、人生の深みを演じられる情熱と渋さを兼ね備えたいい
俳優さんです。もっといい映画にどんどん出てほしいですね。
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by jazzyoba0083 | 2008-09-28 12:00 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「リトル・チルドレン Little Children」
2006 アメリカ New Line Cinema,137min.
監督:トッド・フィールド 原作:トム・ペロッタ
出演:ケイト・ウィンスレット、パトリック・ウィルソン、ジェニファー・コネリー、ジャッキー・アール
    ヘイリー、ノア・エメリッヒ、グレッグ・エデルマン、フィリス・サマーヴィル他
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久しぶりに思索的(考えさせられる)映画を見た。まず、脚本がいい。演出のセンスもいい。
役者もいい。三位一体で、仕上がりの上等な映画が出来上がった。期待しないで、また
知識なしで観たのだが儲けもの、という感じだ。

人間の二面性の切なさ、別の自分、別の人生への憧れと恐怖、これらを2組の夫婦と
性犯罪者の息子と母という3種類の人間を描くことで訴えてきた。
ロバート・アルトマン風に、偶然も内在した人生のある種の不条理、そして人間の欲を、うまく
表現できていた。体当たりの演技のケイト・ウィンスレット、性犯罪者のJ・R・ヘイリーが
良かった。下記のallcinemaにもあるとおり、いい歳をした大人たちのわがまま(人間の
欲ってそんなもんなのだけどね)が交錯する世界、いわゆるリトル・チルドレンだ。

『トム・ペロッタの全米ベストセラー小説を「イン・ザ・ベッドルーム」のトッド・フィールド監督
が映画化した悲喜劇メロドラマ。郊外の住宅地を舞台に、いい年して今の自分を受け入れ
られず別の人生を夢見てしまう大人になりきれない大人たちの哀しい人間模様を、同情と
共感を込めつつもシニカルに綴る。
主演は本作で5度目のオスカー・ノミネートとなった「タイタニック」のケイト・ウィンスレット、
共演にパトリック・ウィルソン、ジェニファー・コネリー。2007年のアカデミー賞では主演
女優賞と脚色賞に加え、子役出身のジャッキー・アール・ヘイリーが助演男優賞に
初ノミネートされ、大きな話題となった。
 
 アメリカ、ボストン郊外の閑静な住宅街ウッドワード・コート。成功したビジネスマンの夫
リチャードと3歳になる娘ルーシーと共にここへ引っ越してきた専業主婦のサラ・ピアース。
(ウィンスレット)さっそく娘を連れて公園デビューに挑むが、郊外の典型的な主婦の集団に
肌が合わず違和感を拭えない。そんな主婦たちの目下の話題は、彼女たちが“プロム・
キング”と呼ぶ、学園の人気者タイプの男性のこと。彼の名はブラッド・アダムソン。
ドキュメンタリー作家として成功したキャシーを妻に持ち、主夫をしながら司法試験合格を
目指していた。サラはちょっとしたイタズラのつもりで、公園に現われたブラッドとハグをして
キスを交わす。軽いお遊びのつもりが、やがてお互いのことが心の中を大きく占めるように
なってしまう。そんな中、性犯罪で服役していたロニー・マゴーヴィーが街に戻ってきたことで、街はにわかに騒然となっていく。』(allcinema)
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ウィンスレットと主夫パトリック・ウィルソンの不倫、ウィンスレットの旦那の変質的な趣味、
かつてショッピングモールで誤って少年を射殺してしまい、警官を止めたラリー。彼は
町に刑を終えて町に住むようになった性犯罪者のロニーを目の敵にしている。
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ウィンスレットとウィルソンは子供づれで駆け落ちしようとするが、お互いに今の人生に
目覚めて中止。タッチフットボールではじめて勝利を得たウィルソンのチームにいるラリーは
応援にきたウィンスレットとの逢瀬に急がしいウィルソンにすっぽかされ、やけになって
ロニーの家の前でラウドスピーカーで性犯罪者が町にいるのは許せんと夜中にも関わらず
大声を出す。さすがに近所の人たちも迷惑顔。出てきたロニーの母は激怒して庭から
出て行けというが、心臓発作に襲われて死亡、後悔の念に苛まれたラリーは、ロニーに
謝りに行くのだが、公園で母の死を嘆いているロニーに近づくと、ロニーは自らを去勢して
血だらけになっていたのだった・・・。
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性犯罪者ロニーが母親がセッティングしたデートに出かける一部始終が迫力があって良かった。
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by jazzyoba0083 | 2008-09-27 20:45 | 洋画=ら~わ行 | Comments(2)

●「いつも心に太陽を To Sir,With Love」
1967 アメリカ・イギリス Columbia Pictures,105min.
監督:ジェームズ・クラヴェル 脚本:ジェームズ・クラヴェル
出演:シドニー・ポワチエ、クリスチャン・ロバーツ、ジュディ・ギーソン、ルル他
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中学3年か高校1年ごろだと思う、LuLuの歌う、主題歌が、盛んにラジオから流れていて
よく聞いていたものだ。ヒットしたと記憶している。その歌を唄っていたルルも出演している
イギリス版「金八先生」。というか金八がこっちをパクった時制だろう。
アメリカでもこの手の荒れた学園と熱血教師という組み合わせはテレビや映画で何本も
作られている。ストーリーも深みがあるわけではないが、人間の温かさを描いている
普遍性は、いつの時代に見ても感動はある。
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工学を学んで来た元通信技師、黒人新米教師サッカレー(ポワチエ)は、次の就職が決まる
まで、とロンドンは労働階級の住むイーストエンドの中等学校に勤務することに。
彼が受け持ったのは卒業を控えて、就職もしなければならないのに、すっかり荒れてしまって
いる最上級クラスだった。教師の言うことなど聞きもせず、反抗ばかりの態度に一度は
切れかかったサッカレーだったが、情熱とアイデアで彼らを大人として接すると、生徒たちも
次第に心を開いてくるのだった。個々の生徒が抱える問題を真剣に考えてくれる先生を
生徒たちも裏切ることができないのだった。
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そして、あんなに荒れていたクラスも、卒業パーティーを開く頃は、皆でプレゼントを先生に
準備をするようになっていた。
そんな中、サッカレーにラジオ会社から採用の通知が。しかし、生徒らとの人生に生きがいを
見つけたサッカレーは、採用通知を破いてしまうのであった。

若きシドニー・ポワチエがいい。ストーリーは有りがちなものであるが、感動の一遍であること
には間違いはない。親子で、学校で見てほしい映画である。
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by jazzyoba0083 | 2008-09-25 22:59 | 洋画=あ行 | Comments(2)

THE WINDS OF GOD-KAMIKAZE-

●「THE WINDS OF GOD -KAKIKAZE-」
2006 松竹配給 125min.
監督:原作:脚本:今井雅之
出演:今井雅之、渡辺裕之、千葉真一、松本匠、ニコラス・ペタス、渋谷亜希他
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今でもそのお芝居は日本中で公演されている今井雅之のライフワーク「WINDS OF GOD」
を全編英語で映画化。

現在のNYでお笑いコンビとして舞台に立つドイツ系アメリカ人のマイク・キッシンジャーと
日系アメリカ人のキンタ・モンゴメリーは、うだつの上がらないコンビで、今日も今日とて
首になって放り出された。彼らは絶対に売れたい、と覚悟してバイクに二人乗りで、一路
ラス・ヴェガスに向かった。しかし、大型トラックに激突する。

そして彼らが気がついたとき、二人は、1945年8月1日の鹿児島県国分の特攻基地にいた。
二人の体は、岸田という中尉と福元という少尉にすり替わってしまっていたのだ。
なぜ、2005年から1945年に来てしまったのか理由もわからず、特攻基地で生活を始める
二人。しかし、絶望的な特攻で仲間が次々と消えていく。その理由を考える二人。
なぜ、天皇陛下や国のために命を落とすのか、殺人を犯すのか、朝鮮人がなぜ母国のため
でもないのに特攻に加わるのか、あまりにも平和な世から来た彼らに取っては理解しがたいことばかりだった。

やがて、キンタが福元の写真を見ると、そこに自分の母の若いころの姿があった。キンタの
母は、父が特攻で亡くなった後、アメリカ人と結婚してキンタを産んだのだ。その因縁で
この世界にタイムスリップしたのだと理解する。自分の母を守るために特攻に行くと
覚悟を決める。去っていく時彼の口から出る「これまで大変お世話になりました」というところ
だけが日本語のセリフとなっている。そして岸田中尉ことマイクも、キンタの後を追い、
特攻の仲間となる。突っ込んだ瞬間、また時空が戻り、2005年の8月15日に戻る。
マイクは、キンタの墓の前にたたずんでいた。キンタはバイク事故で亡くなったのだった。
墓地公園のベンチに年老いた特攻時代の中隊長の牧師となった姿があった。(マイクは
そうとは気がつかないが。大体、マイクが自分がタイムスリップしたと認識していない節が
ある) いったんは田舎に引き上げようとしていたマイクだが、もう一度NYでお笑いとしての
成功にチャレンジしてみる気になったのだった。

平和の時代から見た、特攻とは?隊員や上司も悩んでいたのだ、とかの戦争というおろかな
人間のサガを描きたいのはよくわかるが、映画としてはセットもチャチだし、お金がかかって
ないなあ、と判ってしまうので、これは舞台で見るべきだねと。
タイムスリップした日本で、みんな英語をしゃべるので、ここの小隊だけは英語をしゃべる
特殊部隊か、と思ったけど、全員英語なのね。日本語ナマリばりばり(今井の英語だけは
さすがに練れているが)で、アメリカで封切ったのかな。アメリカ人でもつらいのじゃないかな。
日本ではもっとつらいのじゃないなかな。今井の言いたいことや、映画化の意気込みは
感じるが、やはりこれは舞台で鑑賞するストーリーじゃないかな。
2時間という時間も長すぎた。
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by jazzyoba0083 | 2008-09-23 23:05 | 洋画=あ行 | Comments(1)

●「トランスフォーマー Transformer」
2007 アメリカ DreamWorks SKG,Paramount Pictures,144min.
監督:マイケル・ベイ 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ他
出演:シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョシュ・デュアメル、ジョン・ヴォイト他
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アルマゲドンのマイケル・ベイが、日本のアニメを下敷きにスピルバーグのアイデアも借りつつ
2時間20分余に渡る、一大CG娯楽映画を作り上げた。
子供も大人も、ロボットエンタテインメントの原点である、ワクワクどきどき、勧善懲悪の緊張感
など押さえるべきツボはちゃんと押さえてるのはスピルバーグの指導か。

悪モンの宇宙生命体ロボットと人間を守ろうとするロボットの激しい対決。マシンであるロボット
と人間のニューマンな交流、など、ストーリーは既視感のあるもの。
そもそもこの映画での楽しみは、徹底したCGによって描かれる、悪ロボットの攻撃やロボット
同士のNYを舞台にした壮絶な戦いである。これは見ごたえがあるよ。
NYのビルが巨大なロボットの戦いでボロボロになるし、高速道路などのクルマは激しく
潰され、ひっくり返る、戦闘機や戦車の破壊具合などは、私は大変興味深く、面白く感じました。

主人公が自分のクルマがロボットになったとき「日本製に違いない」とのセリフは、このところ
韓国勢などに押されがちの我が国のテクノロジーが褒められた?ようで嬉しかった。

宇宙のかなたで、金属生命体同士の戦いがあり、その命のキーみたいな「キューブ」が
行くえ不明になる。悪のボス、メガトロンは、地球にやってきて、北極に墜落、氷に弱い構造故
動きが取れず氷漬けになる。これが1800年代のこと。これを北極探検中のサム・
ウィトウィッキーの高祖父が発見していたのだ。

失われたキューブを求めて、悪の生命体と、地球を守ろうとする善の生命体、オプティマス・
プライムをボスとする一隊。これに地球外金属生命体の存在を知りながら極秘に研究を
続けている、セクター7という組織が絡まり、物語が進んでいく。

「キューブ」と「氷結メガトロン」は、フーバー大統領によって、フーバーダムの内部に隠され、
セクター7により研究が続いていた。いくつかの地球のテクノロジーもここから生まれたのだ
という。
しかし、追いかけてきた悪のトランスフォーマーたちの知るところとなり、攻撃を仕掛けられる。
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一方、学校の成績でAを3つと2000ドルで、はじめての車を買ってもらえることになったサムは、クルマが変化する姿に驚愕する。彼の高祖父がメガトロンとキューブを確保したときに
キューブから放たれた光線で刻印されたキューブのある場所をめぐり、よいトランスフォーマーと悪いトランスフォーマーが、戦いを始める。
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そして遂にフーバーダムを悪の一味が発見して、氷結を解除、凶暴なメガトロンが暴れだす。
対決するオプティマス・プライムとその仲間。(みんな車に変身しているのだが)
やがてNYを舞台にした善と悪の壮絶な戦いが繰り広げられる。そしてサムの車だった
バンブルビーが深く傷つき、サムのガールフレンドのミカエラが、レッカー車で助ける。
そしてメガトロンと、オプティマス・プライムの一騎打ち。小型化されたキューブをダムから
持ち出し、抱えて逃げまくるサムを追うメガトロン、そうはさせじとオプティマス。
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最後は、オプティマス・プライムの胸にキューブを格納して自爆することで解決しようとしたが、
サムは、キューブのエネルギーをメガトロンに向け、メガトロンの心臓部が溶解し最期を
迎えたのだった。

平和を取り戻した地球に残ったオプティマス・プライムらの一隊は、再び帰る星が見つかるまで
また仲間と会える日まで、人間を守って地球で暮らすことになったのだった。

自動車やヘリコプター、ジェット機など機械がトランスフォームしてロボットになるシーンは
子供も大喜びだろうな。ストーリーにそう見るべきはないが、テンポの映像の迫力で魅せて
しまう144分であった。登場人物は、ミカエラ役の女の子が気になったくらいで、特筆すべきは
ない。ただ、ジョン・ヴォイトは、さすがで映画に重さを出している。
この映画の情報は

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by jazzyoba0083 | 2008-09-22 23:20 | 洋画=た行 | Comments(1)

「あるスキャンダルの覚え書き Notes of a Scandal」
2006 イギリス BBC Films,DNA Films,92min.
監督:リチャード・エアー  原作=「あるスキャンダルについての覚え書き」ゾーイ・ヘラー
出演:ジュディ・デンチ、ケイト・ブランシェット、ビル・ナイ、アンドリュー・シンプソン他
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短い映画なんだけど、イギリスを代表する2大女優の共演に興味があり、見てみました。
ジュディ演じる女性教師の心のありようが、実によく描かれていて、面白く観ました。
ケイトの方は、今一つ深みが足りないように感じた。演技はよろしいけど。
しかし、ジュディ・デンチという女優さんは、こういう役柄が実に似合う女優さんですね。
この配役では彼女しかいないでしょう。それくらい、男を愛せず、気に入った女性をとことん
独占しにかかるある種精神を病んだ教師を熱演、普段は厳格な教師だが、私生活では
皆の知らない別の顔を持つ、私たちもあるであろう、人間の2面性をスクリーンに表出して
見事だった。
ケイトは、20歳も年上の大学教授の後妻に入り、息子は障害児、娘は多感な年ごろ。
家庭がひと段落したので、学校の美術教師としてジュディのいる学校にやってきたのだ。
しかし、そこで15歳の純真だがうそつき少年と体の関係を持ってまい、片や、ケイトを
断然気に入ったジュディの独占欲は、少年の存在が邪魔。
生徒との禁断の行為を目撃してしまったジュディは、学校には言わないから、と事件を
人質にケイトを独占しようとする。その代り少年とはすぐに別れなさいと、忠告する。
しかし、ケイトの若い性に対する欲望は止められず、関係は続く。

やがて、ジュディの愛猫が死んだことで、遺体を引き取りに行くタイミングと、ケイトの
息子が初めて学芸会で演技するタイミングが重なり、ジュディが私と居て、という懇願を
ケイトが迷いながらも断ったことを根に持ち、学校の教師に、生徒とケイトの間のことを
話してしまう。(この男教師もケイトに惚れて、ジュディに仲立ちしてほしいと頼みにきた
のだったが)ケイトが生徒との関係を断てなかったのも癇癪に触れたのだ。
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たちまち、生徒の親がケイトの家に猛抗議に訪れる。そして学校や社会に広まってしまう。
マスコミは押しかけ、ケイトは犯罪者として法廷に立たなければならなくなった。
またジュディも、二人の関係を知っていたと断ぜられ、1年早い退職を勧告された。

夫からもなじられたケイトは、まさか生徒との関係をジュディがばらしたこととは知らず、
しばらくジュディの家に身を寄せさせてもらうことに。彼女の家の周りにもマスコミが
殺到していた。ジュディが買い物に出かけたある時、ごみ箱から自分のことを書いた日記を
発見、家探しして、前に付き合っていた女性との一部始終を書いた日記を発見した。
そこには変質狂としか思えないないようであったのだ。
自分を助けてくれたと信じていたジュディのすべての行動は、自分を独占するための手段
だったことが判り、ジュディをなじり、また夫の待つ家に帰っていくケイトだった。

そして、ジュディはといえば、また性懲りもなく、新しい女を物色して公園のベンチに座る
女に声をかけるのだった。

『2人のオスカー女優、ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットが迫真の演技を披露する
サスペンス・ドラマ。15歳の教え子と禁断の関係を持ってしまった女教師と、その秘密を
利用して彼女に近づいていく孤独な初老の女教師との間で繰り広げられるスリリングな
愛憎の行方が緊張感いっぱいに綴られてゆく。原作はゾーイ・ヘラーのベストセラー
『あるスキャンダルについての覚え書き』。監督は「アイリス」のリチャード・エアー。

 おもに労働者階級の子供たちが通うロンドン郊外にあるセントジョージ総合中等学校。
ここで歴史を教えるベテラン教師のバーバラは、厳格すぎるゆえに生徒ばかりか同僚教師
たちからも疎まれる孤独な存在だった。そんなある日、美貌の美術教師シーバが赴任してくる。彼女との間にならば友情が築けると確信したバーバラは、以来シーバを秘かに観察し、
それを日記に書き留めていく。そして、ある出来事をきっかけにシーバと親しくなったバーバラは、上流階級の幸せそうな家庭生活にシニカルな感情を抱きながらもシーバとの友情に
喜びを感じていた。ところがある時バーバラは、シーバと男子生徒の情事の現場を目撃して
しまう…。』(allcinema)

2007年アカデミー賞主演女優、助演女優、脚本、音楽の各賞にノミネートされた。
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by jazzyoba0083 | 2008-09-21 22:25 | 洋画=あ行 | Comments(0)

「戦場のピアニスト The Pianist」
2002 フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス 148min.
監督:ロマン・ポランスキー 原作:ウワディスワフ・シュピルマン
出演:エイドリアン・ブロディ、トーマス・クレッチマン、エミリア・フォックス他

<2002年度アカデミー賞主演男優、監督、脚本賞等多数受賞作品>

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 ナチスの残虐さももちろん描かれているのだが、それより主人公が戦争を生き抜いていく様
それを囲む人たち、などがしっかり描かれていて、実に見ごたえがあった。突然の銃撃や
砲撃にドキッとすることもあったが、主人公の心情にシンクロしているので、脅かしの構成では
ないことは明らかだ。実話が原作であることで重みを増してはいる。ポランスキーとしては
下駄をはかせてもらった上の演出が要求される。それを148分という時間を使って、さらに
エイドリアン・ブロディという配役を得て、見事に花咲かせた。奇を衒わないリアリズムと
静かに迫る様々な人間性に圧倒され、ラストでラジオ局でまたピアノを弾けるようになった
主人公の姿に無意識に涙が流れていた。秀作の証であろう。スターチャンネルのデジタル
画像が非常にクリアであった。

『第55回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞の感動ドラマ。実在のピアニスト、
ウワディスワフ・シュピルマンの実体験を綴った回想録を基に、戦火を奇跡的に生き延びた
ピアニストとその生還に関わった人々の姿を、過剰な演出を抑え事実に基づき静かに
力強く描く。自身もゲットーで過ごした過酷な体験を持つロマン・ポランスキー監督渾身の
一作。
 1939年9月、ポーランド。ナチス・ドイツが侵攻したこの日、ウワディクことウワディスワフ・
シュピルマンはワルシャワのラジオ局でショパンを演奏していた。街はドイツ軍に占拠され、
ユダヤ人をゲットー(ユダヤ人居住区)へ強制移住させるなどの迫害が始まる。
シュピルマン家も住み慣れた家を追われる。ゲットー内のカフェでピアノ弾きの職を得た
彼は、様々な迫害に遭いながらも静かに時をやり過ごす。しかし、やがて一家を含む大量の
ユダヤ人が収容所へと向かう列車に乗せられる。その時、一人の男が列車に乗り込もうと
していたウワディクを引き留めた。』(allcinema)
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主人公が悲惨な戦争を生き抜くさまがメインストーリーではあるのだが、最初のうちは
家族、そしてゲットーや強制労働現場での仲間、レジスタンス、恋心を寄せる女性、
その夫たち、ラストのドイツ軍将校との触れ合い、など周辺を彩るキャラクターが素晴らしく
活き活きと描かれている。彼らがブロディの演技を昇華させているといってよかろう。
しかし、いまだにユダヤの悲惨な行いを描き、堂々としているドイツという国のある種の
健全性を見たような気がした。カメラワークも素晴らしいことを付け加えておこう。
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by jazzyoba0083 | 2008-09-21 19:05 | 洋画=さ行 | Comments(0)

「ボー・ジェスト Beau Geste」
1939 アメリカ Paramount Pictures,102min.
監督:ウィリアム・A・ウェルマン
出演:ゲイリー・クーパー、レイ・ミランド、ロバート・プレストン、スーザン・ヘイワード他
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昭和14年の作品。いささかつくりに大時代的なものを感じてしまうのも今から70年ほど前の
映画であることを考えれば、そう気にはならない。それより、演出やカメラワークが上手いので
冒頭からグイグイと引き込まれていった。フランスの外人部隊を舞台にしたイギリスの小説を
アメリカで映画化したので、どこかなじめない点もあることはある。
しかし、それを上回る古典としての迫力をこの映画は持っていると思う。何より若き日の
ゲイリー・クーパー、レイ・ミランドが輝いている。これまた若き日のスーザン・ヘイワードも
息を飲むほど美しい。そしてクーパーの少年時代を演じているのが、後に「雨に唄えば」や
「夜は夜もすがら」などでハリウッドのトップ・ミュージカル・スターとなった、
ドナルド・オコナーであることも嬉しい発見だった。そう言われれば、という感じだが、
少年時代の方がハンサムである。タイトルのボー・ジェストとはフランス語で「美しい行い」という意味だが、クーパー演じる人物の名前とのダブルミーニングとなっている。
名前の意味するところはエンディングで明かされる。

アラブの砂漠、トコス砦の様子を見にきたフランス軍外人部隊のボージョレ大尉一行は
砦の異様な雰囲気に戸惑う。どの銃眼からも見方らしい兵士が体を乗り出しているのだが、
いずれも生きている様子はない。命令を受けたラッパ手(後に彼がジェスト3兄弟の次男
であることが判るのだが)が壁を上って砦の中に入ってみると、中にいた兵士はやはり全員
死亡していた。そして胸に剣が突き刺さって死んでいた軍曹の手にはロンドン警視庁あての
手紙が。

その手紙には、「青い水」と呼ばれるサファイアを盗んだのは私です」と記されていた。
そしてそのそばにはもうひとつの遺体が。ボージョレ大尉も中に入ると、ラッパ手の姿も
消えていた。声をかけてもだれも応答しない。やがて部族の一隊が攻めてきて、大尉の
一行はオアシスに避難した。すると砦の中から煙が上がり、やがて砦は爆発、火災と
なったのだった。

このミステリーを15年前のイギリスに遡って解いていくのがストーリーである。
『英国のP・C・レンの小説を映画化した、いかにも魅惑的な波瀾万丈の物語。
孤児のジェスト三兄弟は、彼らを養子に迎え愛情を注いでくれた叔母の経済的危急を知り、
最後に残された宝石“青い水”を守り抜くため、無断で持ち出して外人部隊に加わった。
長男ボー(クーパー)を中心に堅い兄弟愛に結ばれた彼らは、戦場で獅子奮迅の活躍を
見せるが、結局、末弟ジョンだけが生還し、“青い水”を逝った兄たちの手紙と共に叔母に返す。

監督ウエルマンは、胸躍る冒険の予感を叙情的に綴るプロローグの美しい展開(幼少の
3兄弟と従妹がともに遊ぶ場面から現在への時間経過の、今の映画では考えられない
流麗な運び)から、偉大な娯楽活劇の作り手であると同時に、自覚しているかどうかは
ともあれ、詩的なストーリー・テラーである一面ものぞかせ、これぞ30年代アメリカ映画
という、バランスの取れたヴォリュームを作品に持たせている。』(allcinema)
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3兄弟の砦での生活、一隊を率いることになる軍曹との確執、責めくる部族と反乱の
狭間で揺れる兄弟。長兄と末っ子の2人が砦に、次男は援軍に、という配置。そのあたりの
物語も大時代的ではあるが、魅せるものがある。

結局、銃眼から体をのぞかせていた兵士は、部族との戦いで命を落とした兵士を軍曹が
砦の中の軍勢を大人数に見せるため、遺体を立てかけて仕掛けたものであった。
そしてその戦いで、長兄(クーパーが命を落とす。末っ子のジョンは、兄のメッセージを
受け取り、サファイアを携えて砦を脱出、エジプトへと向かった。そこに援軍のラッパ手
として砦に入った次男が亡くなっている長兄を発見、彼を宿舎のベッドに運び、ガソリンを
まいて火をつけたのだ。
これは少年時代の兄弟の約束「バイキングの火葬」を実践したものだった。そして次男も
砦を後にしジョンと合流、砂漠からの脱出を試みるが、部族の一隊に行く手を阻まれる。

ラッパ手の次男は、自分が攻撃ラッパを吹いて、いかにも大軍が来たように見せるから
その間に銃撃しろ、と離れたところに移動してラッパを吹く。たちまち大混乱する部族。
まんまと作戦は成功したが、次男は逃げる途中の部族の一人が放った銃弾に斃れた。

そしてイギリス。叔母にサファイアを返すため、そして待っていてくれたイゾベル(ヘイワード)
に求婚するため、ジョンが戻ってきた。そして、叔母に無断でサファイアを盗んだのは
長兄のボーで、叔母が没落を防ぐため、あえて盗んだという事実を明らかにした。
叔母の口から思わず「美しい行いだわ(ボー・ジェスト)」という言葉が出たのだった。
そしてジョンは、イゾベルに求婚したのだった・・・
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"Milland and Susan"

古き良きハリウッドのアドヴェンチャー映画がここにある。
この映画の情報は

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by jazzyoba0083 | 2008-09-19 23:05 | 洋画=は行 | Comments(0)