<   2008年 11月 ( 22 )   > この月の画像一覧

フォゴトン The Forgotten

●「フォゴトン The Forgotten」
2004 アメリカ Columbia Pictures,Revolution Studios,91min.
監督:ジョセフ・ルーベン
出演:ジュリアン・ムーア、ドミニク・ウェスト、ゲイリー・シニーズ、アルフレ・ウッダード他
e0040938_17341464.jpg

「フライト・プラン」とか、先日観た「バーニー・レイクは行方不明」と同じような趣旨の映画
だが、こちらは相手が宇宙人だ。好きな女優さんの一人である、ジュリアン・ムーアが主演
なので観てみたとうわけ。宇宙ものは、荒唐無稽にするか、メルヘンにするか、ものすごく
理詰めに緻密にいくか、訳が分からない方向に持っていくか、いずれかだと思うのだが、
この映画は、訳が分からない方向にいってしまった感がある。
俯瞰系のカメラワークはすべて宇宙人目線であることが、次第に判ってくるが、ラストの
結末にカタルシスをそれほど感じないのはなぜか。(ハッピーエンドなんだけどね)
タイムパラドクスが解決していないからだろうか?

『1人の死亡が確認された悲惨な飛行機事故で9歳になる一人息子サムを亡くした母親
テリー。それから14ヵ月たったいまでもテリーは立ち直れずに、サムの思い出に浸る
だけの毎日を送っていた。
そんなある日、テリーは夫と息子と3人で撮った記念写真からサムだけが消えている
のを見つけ困惑する。異変はさらに続き、大切なアルバムからも、そしてビデオテープ
からもサムが消えてしまっていた。
動揺するテリーに精神科医は、“息子など最初から存在しなかった”と告げるのだった。
ショックを受けるテリーは、サムの存在を証明しようと躍起になるのだったが…。』
(allcinema)

母親テリーにジュリアン・ムーア。夫を始め、回りのみんなはサムなんて息子は最初から
いなかったのだ、と説明、精神的な妄想なのだ、というが、母には信じられない。
確かにサムはキャンプに行くとって、学校の仲間と飛行機に乗るところを見ているし、
事故の新聞切り抜きだってある。しかし、図書館に行って新聞を見ると、そんな記事は載って
いない。そこで、サムと仲良しだった女の子の父親アッシュの元を訪ね、あなたにも娘さんが
いたでしょ、サムと仲良しだったのよ、事故で亡くなったのよね、というが、アッシュには
チンプンカンプン。警察を呼ばれてつまみだされてしまう。
しかし、テリーが、アッシュ家の子供部屋だった壁紙をめくると、子供の落書きが一面に
書かれていた。いったんは前の住人の時からあったのだ、というが、彼も違和感を覚える。
そして、あるタイミングで、やはり自分には娘がいたことを確認する。なぜ忘れていたのか。

そして、アッシュの家から警察に連れて行かれたテリーは国家安全保障局のメンバーに
身柄を渡されそうになる。追いかけてきたアッシュは、すんでのところでテリーを逃がし、
それからは二人で逃げながら、なぜ子供のことが消されているのかという謎を解明し
始める。これにはニューヨーク市警の女性刑事も結局は応援することになる。

捜査していくうちに、テリーとアッシュは、子供たちが乗った飛行機会社を突き止め、この
会社の社長の家に行く。するとそこには誰もおらず、つい先日まで人が住んでいた気配が
していた。そこにNY市警の女性刑事がやってくる。怪しい男(ターミネーターで銀色の白バイ
警官になる男に似ている)がいたので誰何すると返事をしない。威嚇射撃に続いて、
体に銃弾を撃ち込んでも平然として姿を消したのだった。テリーたちを追いかけた女刑事は
彼女らに、あなたたちを信じるわ、人間以外の何かが関わっているのよ。といった瞬間、
空の彼方にビューンと飛ばされて消えて行ってしまった。

子供たちの生存を確信した2人は、飛行機会社の格納庫に出向く。すると件の男が登場、
子供たちである実験をしているという。それは「母と子の絆」だ、という。その謎が判らない
とうのだ。他の人間たちは子供を拉致したことなど、忘れて行ったのに、お前だけはなぜか
忘れなかった。だからそれを調べるのだという。そして男はテリーからサムの記憶を消して
しまう。しかし、彼女にはサムを妊娠した記憶は残っており、男のもくろみは成功しなかった。
母と子の絆は宇宙人でも解明できたかったのだ。その結果、その男は責任を取らされて、
格納庫の屋根を突き破って、ビューンと空に飛ばされて消えていった。

サムが帰ってきているに違いないと確信したテリーは、公園にサムを探しにいく。すると
遊具で遊ぶサムが何事もなかったように、「もう帰る時間なの?」とか言っている。
そしてそばにはアッシュの娘も。近くにいたアッシュに、「サムの母親よ」とあいさつするが、
アッシュは握手しながら、「初めてお会いしたような気がしませんね」というのだった。
ここで、時間がだいぶ昔に戻った、つまり子供らがキャンプに出かける前に戻ったことが
理解できる。みんなの生活はまた元へも戻ったのだった。
宇宙人が地球人を拉致して実験しているという情報をキャッチした国家安全保障局が、
秘密を洩らすまいと、テリーを黙らせるため、彼女を拉致しにかかってきたのだ。
結局そんな話も時制の戻りでない話となったのだ。

宇宙人や円盤を敢えて登場させず、鳥瞰のカメラワークと「ビュ~ン」に象徴させたとこに
好き嫌いが分かれるでしょうね。ただ短い映画なので、腹を立てているひまもないでしょう。
テレビの「テイクン」や「4400」のようなものだ、と思ってみればいいんじゃないのかな。
あ、その二つの方が出来がいいかもしれない・・・。
しかし、映画の中の母親って、危機になると、なぜ、ああもクルマの運転が上手くなり、
銃の名手になっちゃうんでしょうねえ。
ジュリアン・ムーア、綺麗だで、演技も上手いけど、寄るとしなみにアップがだんだん耐え
切れなくなってきましたかね。
この映画の情報は

こちらまで。
by jazzyoba0083 | 2008-11-29 22:55 | 洋画=は行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「アイデンティティ Identity」
2003 アメリカ Columbia Pictures(SPE) 90min.
監督:ジェームズ・マンゴールド 脚本:マイケル・クーニー
出演:ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、レベッカ・デモーネイ、アマンダ・ピート他
e0040938_0443619.jpg

全然予備知識なしで観ました。ちょっと血が多めに出たり、生首が出たりするので、PG-12
になっていますが、その手が大丈夫な人には絶対にお勧めの一作です。
観終わってしまえば、そういうことか。なんだけど、最後まで犯人が判らないというか、
予想を次々と裏切っていく脚本のうまさに脱帽です。allcinemaでも90分の映画で日本では
あまり評判にならなかった割に、絶賛の書き込みの多い映画。だから玄人受けするんだろうな。
テンポも良く、配役もいい。こういう映画に賞を撮ってもらいたいけど、「多重人格もの」は
珍しくなくなったからだろうか。

「階段を上るとまた人が見えるんです。もう現われてほしくないのに」とかいうセリフで映画は
はじまるので、サイコ系の映画だな、ということは判る。時制が行ったり来たりするので、
普通の映画でもないな、というのも判る。
死刑前夜のマルコムという殺人犯に、多重人格を証明する日記が発見されたという。
弁護側は検察が意図的に隠した主張、再審理となることに・・・
マルコムの母は売春婦(これも伏線・物語の中でモーテルの主人がやけに売春婦をクズとか
いって嫌うなあと思ったら原因はここにある)。そして車に放置され捨てられた。
アパートで6人を殺し、死刑判決が確定していた。殺したのは自分だとは分からない。
判るのは首都がワシントンということだけさ、という。

ある土砂降りの夜。いなかのモーテルに血だらけの女性をつれた中年の男性が現れる。
あわてる支配人。彼女は男の妻で、クルマにはねられ重傷をおって、近くにあった
モーテルに助けを求めてきたのだ。
はねたのは女優をロスに送る途中のお抱え運転手(キューザック)エド。事故を無視しろという
女優を振り切って、自分たちの乗ってきた車に乗せて病院に向かったのだが、川が増水し
生き止め、あとからきたアベックの乗った車も立ち往生。エドの車が動かなくなったので
アベックのクルマでモーテルに来たのだった。

一方、はねられた妻は、5歳くらいの息子と父とで移動中、前に走り去って行った娼婦の
運転する車から落ちたハイヒールでパンク。修理を見守っていたところを、エドの前方
不注視(女優の指示でバックの中から何かを探していて、妻に気がつくのが遅れた)で
跳ねてしまったのだ。
そのハイヒールを落とした娼婦の車は、川の増水で行けないためバックをした時に電柱に
激突し、土砂降りの中をオープンカーでこのモーテルにやってきたのだ。

さらに、このモーテルには囚人を護送してきた、刑事と囚人が土砂降りのため、臨時に
このモーテルに泊まることになる。

警察無線も通じず、ケイタイも通じない辺鄙なところ。病院まで50キロもあるため、妻の
出血を止めるため、エドはそこらにあった針と糸で、妻の首を縫合する。

こうしてこのモーテルには11人の人々が土砂降りの中に集まったのだった。
一方、深夜に集まった持ち回り裁判の判事と弁護士ら。彼らが待つのは、連続殺人犯の
マルコム・リバースだ。
そういえば、モーテルで護送されていた囚人がそんな名前だった。(ここでまずだまされる)

そのうち、モーテルで殺人事件が次々と発生、まずケイタイの受かる場所を探しに外へ
出てきた女優が、ランドリーの洗たく槽のの中から生首で発見された。次に、アベックの
男が部屋で殺された。囚人が脱走したことから、彼が犯人と思われ
たが、彼もなぜか逃げてきたつもりの場所がまた同じモーテルで(伏線)、モーテルの
支配人が持っていたバットを口に差し込まれて殺されていた。

実はこの支配人、ラスベガスで大損をこいて帰る途中、モーテルに寄ったところ、主人が
心臓発作かなんかで死んでいたので、遺体を冷蔵庫に隠し、まんまと支配人になりすまし
やり過ごしてきた、気の小さい男であった。しかし、殺人を疑われ、クルマで逃げようとする
が、妻の子供が飛び出してきて、それをよけさせようとした旦那を引き殺してしまう。

エドは元警官で自殺をする人を止められなかったことがトラウマになり精神障害を患い
警官を止めたのだった。彼も護送してきた刑事ローズと捜査を手伝うが、犯人は分からない。
そして、遺体のそばには必ず次に死ぬ人の部屋番号があるのだった。近くにある
かつて渇水で全滅した先住民の墓地の呪か、などというアベックの片割れの女と、娼婦と
母親も傷がもとで?死んでしまったので今や孤児となった男の子の3人を車で逃がそうと
するエドだったが、乗り込んだとたんに車が爆発、しかし3人の遺体はない。不思議に
おもったエドとローズは遺体があるはずの部屋を見回ると、どの部屋からも遺体は消えていた。
お、これはオカルトか?と思わせるがだまされちゃいけません。

このローズという刑事、実は2人組の脱走犯の一人。護送中に警官を殺し、ローズが刑事役、
もう一人が囚人役で護送車を奪ってモーテルにやって来たのだった。
最後に残った娼婦は、護送車で、探し物をしていたとき、2人の資料写真を見てしまった。
エドにそれを知らせようとしたが、ローズに見つかり、銃を向けられる。逃げる娼婦、そして
エドとの撃ち合い。エドはローズに数発食らうが、ひるまず彼の元に銃を撃ちながら
接近し、射殺。だが、エドも娼婦の腕の中でこと切れたのだった。

ここで、白衣を着たエドが登場。「え?」と思う。先ほど護送され判事らの目の前に現れた
マルコムは太ったはげ男だったのに。弁護士いわく、君は「同一性解離障害」なのだから、
殺人者としての人格が死んだことで死刑は停止されるのだ、という。
そして事実、彼は措置入院と治療を受けることなったのだった。彼がモーテルで殺し殺された
人たちはマルコムの多重人格であり、全部マルコム自身であったのだ。それは彼が書いた
日記が、字体も内容もバラバラであることからも判明していた。

ラスト、田舎に帰って果樹園をやりたいと言っていた娼婦に対しエドが死ぬ間際に「オレンジ
畑にいる君が見えたよ」と言っていたのだが、病院に護送されるマルコムの目には、
幸せになった果樹園にいる娼婦が庭を掘ると、モーテルで彼女が泊まっていた部屋の
ナンバーの付いたキーが出てきた。そしてその後ろには、あの虎児となった子供が
カギ手を持って襲いかかろうとしていた。そして、あのモーテルの全部の殺人があの子どもが
やったことを描くフラッシュ映像が流れる。(え?そんなバカな)そして画面は再び護送車。
子供の人格となったマルコムは、娼婦を殺すつもりで、振り返って後部座席との窓を開けて
こちらを振り返った医師の首を絞めて殺すのだった・・・。(へえ、その手で終わるかね!)
最後のセリフが「くたばれ!あばずれ!」。なるほどね。


「多重人格」はなんでもできちゃうある意味禁じ手ではあるが、これほどうまく作れば、作った
ほうを褒めるしかないね。いいやつ役が多いジョン・キューザックの配役にまんまとだまされ
たし、あとから思えば、洗濯機の中で生首がごろごろ転がっている不思議、爆発した車に
遺体の欠片もない不思議、脱走した囚人が逃げて別のところにきた、と思ったら、今さっき
逃げてきた場所に戻ってきていた不思議、モーテルに集まった11人全員が10日生まれで、
苗字が州の名前であった、というありえない不思議、妻の傷を外科医並に縫うエドと、そんな
発想で応急手当が出来ると思う不思議、エドとローズの撃ち合いで、エドの無謀な振る舞いの
不思議、などなど、おかしいところはたくさんあったのだ。それを先住民の墓、とかいう
地雷を埋めておいて、オチを他へといざなう陽動作戦。そして驚愕のラスト。
いやあ、まいりました。
by jazzyoba0083 | 2008-11-28 22:56 | 洋画=あ行 | Trackback(4) | Comments(0)

容疑者 Suspect

●「容疑者 Suspect」
1987 アメリカ TriStar Pictures,122min.
監督:ピーター・イェーツ  脚本:エリック・ロス
出演:シェール、デニス・クエイド、リーアム・ニーソン、ジョー・マンティーニャ他
e0040938_20133066.jpg

「ブリット」「ジョンとメリー」などの作品で知られる巨匠ピーター・イェーツが、どんでん返しの
法廷ドラマに挑戦した。長い映画だったが、騙されるのが好きな(騙され続けてなかなか
正体が見えないドジであるわけだが)私としては、大変面白くみた。しかもいまから20年も前の作品である。通に言わせると一番犯人らしくない人が犯人、というサスペンスの王道でオチを
つけちゃうのはつまらんそうですが。
オスカー女優のシェールと、「デイ・アフター・トゥモロー」では氷漬けの図書館に隠れた息子を
助けに向かう教授をやっていたデニス・クエイド(当然この映画ではとっても若い!)の演技も
よろし。

ワシントンDCで、最高裁判事が、何やら文書を秘書?に渡し、2通の文書にサインした後、
猟銃で自殺をする。一方、その女性がポトマック河でのどをかき切られた遺体となって発見
された。河畔にたむろすホームレスの中で、彼女の財布を持っていた男カールが逮捕された。
国選弁護人として彼の弁護に当たることになったのはキャサリーン(シェール)だった。
彼女はなぜか金にならない国選弁護人を引き受けていた。それは罪のない人が冤罪で死刑台に送られることが我慢ならなかったからだ。

で、被告となるカールに質問していくうちに、彼が聞こえず、声も出せない障害者であることが
判る。そして、彼の証言から、たしかに彼女の財布は盗んだが、その前にマイケルという男が
すでにいたという証言を得る。
一方、国会のロビイスト、エディ・サンガー(クエイド)は、全国牛乳生産者協会のロビイストと
して、議会の中を泳ぐ日々。議案の票集めには、女性議員を色仕掛けで籠絡し、表を買う
行為もしていた。そのエディが、偶然にもカール事件の陪審員に選ばれる。

そしてカールの裁判が始まった。彼はベトナム戦争で、意味のない殺戮に悩み、上官を殴り
除隊、後遺症として、耳が聞こえなくなり、失語症になってしまったのだ。そしてホームレスに。
状況証拠しかないカールにとって不利な裁判であったが、この裁判と、弁護士キャサリーンに
興味を、もったエディは、事件の解決に手を突っ込むことになる。
彼の働きで、実行犯マイケルの所在が明らかになり、マイケルはキャサリーンを襲ってくるが
これを助けたのもエディだった。陪審員と弁護士が接触すると、陪審員はやめさせられ、
弁護士は資格をはく奪される危険があるので、勝手に犯人探しに手を突っ込んできたエディに
迷惑を感じるキャサリーンであった。
しかし、エディの捜査は止まらない。彼女が殺された近くのホームレスの女性が、大統領から
特別な人にしか贈られないカフスの片側を持っていることを発見。これを自分の靴と靴下との
交換で手にいれ、殺されたタイピストを雇っていた司法副長官にアプローチ。このカフスを
見せて、落としませんでしたか、とカマをかける。いったんは、そんなのは知らんね、と言って
いた副長官だが、おれのだといって返してくれという。ここでエディは副長官が怪しいとにらむ。
彼に帰したのは実は国会内で売っているレプリカであったのだった。

ある日エディは、実行犯マイケルを探して旧セントラル駅の駅舎に行って見る。しかし、すでに
彼は殺されていたのだった。そこには司法省のロッカーの鍵が。
この鍵で開くであろうロッカーを探しに司法省に侵入する2人。そしてついに鍵が一致した
ロッカーには、中の書類は中央図書館に移した、というメモしか残っていなかたのだ。

キャサリーンは、殺された女性のクルマの中を捜索、するとカセットデッキに残されていた
カセットテープを発見。そこには自殺した判事が、かつて自分とカール事件の判事が犯した
裁判の不当な法廷指揮と、地位を約束されたことによる、情実判決を出していたことが告白
されていた。つまり、カール事件の判事も、不正に関与していたのだった。
そのことに気がついたキャサリーンに判事の魔の手が伸びる。この事実がばれるのを恐怖
した判事は、事実を知っていたかもしれないタイピストを殺し、自殺した判事の事実を
闇に葬ろうとしていたのだった。しかも、彼は控訴審判事への道が開かれていて、それを
捨てるわけには行かなかったのだ。
ある夜、キャサリーンを追い詰めた判事は彼女に切り付けられ傷を負う。そして次の日に
カール事件の裁判が開かれた。冒頭、キャサリーンをは、証人に裁判長を申請します、
と宣言、裁判長(判事)が、何を言っているのか、そんなことは認められん、審理中止にするぞ
というが、彼女はひるまない。そして、過去の不正を一気に喋り、判事を追い詰めた。思わず
立ち上がった判事の右手からは血が滴っていた。
カールは晴れてタイピスト殺しの罪から解放された。きっとこれからはまっとうな人生を生きて
行くことになるのだろう。

デニス・クエイドが、食わせ者のロビイストなので、ラストまでイイやつなのか悪いやつなのか
判りづらかったのが良かったな。結局キャサリーンを愛してしまったのだが。
シェールは、落ち着いた正義派の弁護士だったが、少々落着きが過ぎていた感じが、そう
言われればしたかな。最後のオチは、サスペンスの玄人すじからすれば、弱いのだろうが、
最初のころ、副長官が犯人か、と思っていたので、いい意味で裏切られ、しかもカタルシス
はちゃんとあった。イエーツらしくテンポはよく、長い映画だが、ぐいぐいと引き込まれる。
デニス・クエイドは、今の方が、味わい深くて好きだな。この頃はもろに若さが出ている。
いろいろ言ったが、面白い映画であったことは確か。
この映画の情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2008-11-27 23:15 | 洋画=や行 | Trackback | Comments(0)

●「バニー・レークは行方不明 Bunny Lake Is Missing」
1965 アメリカ Columbia Pictures,107min. black&white
監督:オットー・プレミンジャー  原作:イヴリン・パイパー
出演:ローレンス・オリヴィエ、キャロル・リンレー、ケア・デュリア、ノエル・カワード他
e0040938_18431248.jpg

「帰らざる河」や「或る殺人」などで知られるオットー・プレミンジャー監督の後期の作品。
サイコ・スリラーとでもいうべきジャンルに属する作品で、一緒になぞ解きが出来るのが
楽しかったが、兄と妹という設定の、それぞれのキャラクターに、いささかの無理を感じたのは

私だけではないだろう。途中までは、一緒に犯人探しをして楽しいのだが、ネタがばれてのち
からは、ちょっとイタイ。

アメリカからロンドンにやってきたアン・レイク(キャロル・リンレー)。娘のバニーをあずけて
いた幼稚園に迎えに行くが、どこにもいない。関係者らは見ていないという。
e0040938_18441383.jpg

警察に届け捜査が始まる。捜査の指揮を取るのがニューハウス警部(L・オリヴィエ)。
アンには兄のステファンという雑誌記者がいて、彼も姪の行方不明に必死になってさがす。ヒントはないのか。「フライトプラン」(ジョディ・フォスター主演)と重なってくる。もっとも本作の方がずいぶんと先の話だが。だから、バニーという娘はもともといなかったのではないか、と観ている方は
疑いたくなる。さらに兄妹が乗ってきたというクリンメリー号他のアメリカ~イギリス間の
船舶の乗客名簿に、兄妹の名前はなかった。どうやって入ったのか。雑誌記者という兄の
身分は本物か?ここで、私は、なぜ兄妹がバニーの写真を持っていないのか?という疑問。
それさえあればすぐに手配できるのに。

捜査が進むうちにバニーの人形を修理に出していた預かり証が出てきたので、人形屋に行くと、あとから追ってきた兄のステファンもやってきて、人形を妹アンの手から取り上げると
火をつけて燃やしてしまう。
e0040938_18454645.jpg

ここにいたって、兄の狂気に気がついたアンは、ついに彼のクルマのトランクに匿われてい
たのを発見。何とか逃げようとするが、兄のしつこい追跡は続く。実は兄は幼児性の抜けて
いない精神状態で、妹の愛情を独り占めする姪を無き者にしようとしていたのだ。バニーを
穴に埋めようとするステファンを、「ブランコ遊び」「かくれんぼ」などで、兄の感情をはぐらか
して逃げようとするアン。そしてついにブランコを押していた時、ニューハウス警部らも駆けつけ、ステファンの身柄を確保、バニーとアンは救われたのである。
e0040938_18463010.jpg

最後の「かくれんぼ」「ブランコ遊び」に引き寄せら得てしまう兄の幼児性は判るのだが、
それまで、この兄妹はどうやって生活してきたのだろうか。なぜロンドンに来たから兄の
変質的な性格が現れたのだろうか、そのあたりの説明が足りないような気がした。
兄のキャラクターの演出がもうひとつ上手くいくと、なかなかの作品になっていたと思うのだ。
ただし、脚本が原作に縛られていたのかもしれない。直訳ではあるが、邦題はなかなか
しゃれていると思う。また、オープニングタイトルの紙をちぎっていく雰囲気は映画とマッチして
いてこれもしゃれている。
この映画の情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2008-11-24 23:30 | 洋画=は行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「ハッピー・フライト HAPPY FLIGHT」
2008 日本 フジテレビジョン、アルタミラピクチャーズ、東宝、電通 103min.
監督:矢口史靖
出演:田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、吹石一恵、田畑智子、寺島しのぶ、田中哲司
   笹野高史、田山涼成、ベンガル、岸部一徳ほか。
e0040938_20111647.jpg

面白かった、愉快だった、笑っちゃった、けど、それだけだね。それだけがいいんだけど。
ジャンボをホノルルに飛ばすまでの飛行機に関わる様々な人が苦闘する物語、いわば
群像劇だけど、主役らしい主役と言えば、機長になるための最後のOJTとして、ホノルル便
のコパイとして試験を受ける田辺誠一か?
e0040938_20115549.jpg

矢口作品初見である。さまざまなコメントを見ると、前作群に比べ達成した感じのカタルシスが
不足している、と指摘されている。たしかに、壮大なる全日空の宣伝映画とも見えなくもない。
が、それはそれ。矢口らしさの切り口で、上等なエンタテインメントに仕上がっているのでは
ないか。
同時期に「私は貝になりたい」が封切られているが、明るい映画を見たい人は絶対にこっちだ。
ちょっとものを考えてみようかな、と思う人は「貝」をご覧になるといい。
私はこっちを見て、気分はとてもハッピーになった。そういう意味で、「いい映画」だった
といえる。どちらかというと飛行機が好きで、観るのも乗るのも好きで、「そうそう、そう
なんだよね」と思わず笑っちゃうところが、ふんだんと登場し、飛行機好きをくすぐる。
東京コントロールのオヤツが飛行機型のチョコレートで、何げなくならんだ飛行機が落ち
着かない、といって整理する、いとうあいこに、おいおい職業病かい、と言っている仲間も、
感覚は5マイルでしょ、とか、そうきたら、こうでしょ、とかやっている。
そんな何気ないヒトこまに、矢口のこだわりを感じ、しっかりくすぐられてしまうのだ。

コパイのOJTでの機長昇格試験を受ける鈴木(田辺)は、優しい試験担当機長(小日向)が
風邪をひいてしまったため、厳しい原田(時任)機長とフライトすることに。目的地はホノルル。
ANA1980便は、まず新米CA斎藤(綾瀬)、先輩田中(吹石)、彼女らを率いるチーフパーサー
山崎(寺島)などの客室乗務員たち。グランドスタッフの木村(田畑)、森田(田山)ら。
オペレーションコントロール(ディスパッチャーら)の高橋(岸部一徳)、整備士の小泉(田中)
中村(森岡龍)ら、そのほか、管制コントロール、レーダー、バードストライクを防ぐため
空砲を撃ちに行くバードマンら、さまざまな人が、いろいろな思いで、1つの飛行機を無事に
飛ばそうと心を一つにして仕事にあたる情熱の素晴らしさを描いて進む。
e0040938_20124422.jpg

ここに自分勝手のお客や、CAたちの失敗などが絡んで、ついにANA1980便は、速度計の
表示に異常があり(バードストライクでピトー管という速度を測る装置が壊れてしまった)
羽田に引き返すことに。羽田は台風が過ぎようとしていた。荒天で、ジャンボの着陸には
非常に難しい状況だ。こんな中、コパイの鈴木は奮闘し、雲の切れ目を狙い、風に尾翼を
流されながら、何とか着陸に成功するのだった。
e0040938_20135045.jpg

まあ、ストーリー的にはそんなところだが、ここに矢口が徹底的に研究したとされる飛行機を
取り巻く人々の裏側がリアリティと笑いをもって描かれる。魚と肉を選ばせる新米CA、早々に
肉がなくなり、半泣き。そこにCPが現れ、「バランスを取ってやりなさい」といって、魚が
どんなに美味しいか口上を述べて、次々と魚をはけさせる技、機長とコパイは同じ食事を
してはいけない、という様子。
e0040938_20143379.jpg

グランドスタッフがある乗客がトランクを人のと取り間違えられたとき、間違えた人が乗った
バスをトラメガで怒鳴って止める様子、飛行機が怖くてたまらないカツラの乗客(笹野)に
エプロンにゲロを吐かれる新人CA。ギャレーの中で、青竹踏みをしながら5分間で食事を
すますCAたち。
e0040938_2015718.jpg

矢口監督は脚本も担当したのだが、よく勉強したと関心した。航空用語など難しい点もあった
だろうに。飛行機オタクもちゃんと出てくるし、操縦席も本物そっくりで、なにより機内撮影は
ANAが15日間も貸してくれた本物のジャンボの中で撮影されているから、リアリティは
より増している。
観終わってなんか楽しい気分になって出てこられる映画。思想性は皆無だが、エンタテイン
メントとしては成功していると思った。飛行機好きならたまらない作品でしょう。
冒頭、飛行機に乗ると必ず見せられる安全のためのVTRから始まるのも思わずニヤリだ。

役者としては、グランドスタッフの田畑智子、CA吹石一恵、機長時任三郎、整備士田中哲司
そして日本のモーガンフリーマンのように、出ていると映画が締まる岸部一徳が数多い
出演者の中で良かったと感じた。竹中直人もラストにチョイ役で出てくるが、私は気が付か
なかった。
綾瀬はるかは・・・制服姿が可愛かった!!
e0040938_2019614.jpg

鑑賞後、矢口監督の絵コンテ、「創作ノート」を2100也で買ってしまった。
キムタクの「Good Luck!」と同じような雰囲気。これでまた全日空のイメージが上がるんだ
ろうなあ。
封切り1週間後の鑑賞。シネコンのこの映画のスクリーンは若い女性が多かった。
この映画の情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2008-11-23 12:38 | 洋画=は行 | Trackback(12) | Comments(1)

●「ボディ・ダブル Body Double」
1984 アメリカ Columbia Pictures 114min.
監督・脚本・製作:ブライアン・デ・パルマ
出演:グレイグ・ワッソン、メラニー・グリフィス、グレッグ・ヘンリー、デボラ・シェルトン他
e0040938_20512844.jpg

ずいぶん昔に一度観たが、その時面白く観た覚えがあったので、再見。面白かったけど
当時に感じたほどではなかったような・・・。
デ・パルマの作品は好きで、結構見ているのだが、初期の作品て、こんな風にB級感あふ
れる作品が多かったのかな。「殺しのドレス」と同じようなテイストだが、完成度も同じ
ようなレベルで、そんなに高くないと感じた。

ストーリーは単純。ハリウッドのB級映画俳優ジェイク(ワッソン)は閉所恐怖症ので、
棺桶にいることができず映画を首になってしまう。一方、女房は浮気。帰るところもなくなった
ジェイクに、オーディションで知り合ったサムという男が接近。彼が留守番を頼まれている
を、彼がシアトルに撮影に出かける間、代わりに留守番してくれないか、というもの。
渡りに船とばかりに引き受けるジェイク。サムは、毎夜同じ時間に隣人の若い女性の
ストリップもどきの光景が見られるんだぜ、と据えられた双眼鏡を見せる。

その中では、隣(といっても、300メートルくらい向こうだけど)の若い女性が大きなガラス窓
ごしに、ほとんど裸で、踊っていた。いいものを見せてもらうものだと喜ぶジェイクだった。
やめればいいのに、ジェイクは彼女が誰であるか気になり、ある日追いかけてみる。
ショッピングセンターの下着ショップでのぞきまがいのことをしたり、海岸のホテルでは
おかしな男が追ってます、僕じゃないよ、といって、名乗り出るが、その瞬間、男が彼女の
ハンドバッグをひったくって逃げた。追いかけたジェイクだったが、歩道がトンネルになった
ことろで閉所恐怖症の彼は追うことできなくなり、逆に女に助けられたのだ。これが
縁で女と知り合いにはなれたのだが。
しかし、ある日、彼女の部屋に男がやってきて女の金庫から金を出し、暴力をふるって出て
いく光景を見てしまった。さらに、この前の海岸の男が、彼女の部屋に忍び込み、金庫から
宝石を盗んでそれが、見つかると、彼女を電話のコードで首を締めにかかった。これを観た
ジェイクは急いで彼女の家に駆けつける。ジョギングしていた男二人も応援に巻き込んで。

しかし、ジェイクが男の犬に咬みつかれている間に、電動ドリルで刺し殺されてしまう。

警察に事情を聞かれるが、のぞきをしていたこがひっかかりいま一つ信用されない。
ある夜、一人でポルノを見ていると、殺された女と同じ振り付けで、しかも体つきも同じ
女が踊っていた。ジェイクは気がついた。踊っていたのはこの女だ。殺された女は別の
女だと。そこで、映画会社に行き、テレビの画面で踊っていた女、ホリー(メラニー)と
知り合う。彼女を映画に出すと、プロデューサーを装って近づき、自分の部屋に連れてきて
真実を聞きだそうとする。そうすると、彼女はある男に、数日間、自分の家で踊っていてくれ
と頼まれたと告白する。ちょうどそこにサムから電話がかかってきたので、その声をホリー
に聞かせると、この声の人よ、と証言した。
e0040938_2052283.jpg

殺されたグロリアの旦那こそ、サムであり、自分の家にジェイクを連れてきて、自分が
覆面をかぶり変装した男に殺されるところを目撃させ、自分はアリバイがあるように工作
していたのだ。事件は、変装したサムによる妻グロリア殺しであったのだ。
この事実を隠すためサムはホリーを殺そうと車で拉致、これに気がついたジェイクも追うが
2人ともつかまり、穴に埋められそうになる。しかし、サムはジェイクを襲おうと突っ込んできた
犬が、誤ってサムにとびかかり、そのまま近くの放水路に落ちて流されたのだった。

そして映画界に復帰したジェイク。今度は閉所恐怖症を振り切って演技をしている。
ドラキュラに扮したジェイクがシャワーのシーンで相手の女優さんがスタンドイン(吹き替え)
に代わる(ボディ・ダブル)シーンで、終えていく。

「殺しのドレス」もそうだが、少々エロチックなシーンも加えつつ、B級の匂いプンプンだが、
最後まで見ちゃうのがデ・パルママジックか。出来はそんなに感心するものではないのだが、
不思議だなあ。突っ込みどころはたくさんあれど、エンタテインメントとしてはちゃんと
仕上がっているからかしら。それにしても主演の俳優さん、今何しているんだろう?
この映画の情報は
by jazzyoba0083 | 2008-11-23 11:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「いつか晴れた日に SENSE AND SENSIBILITY
1995 イギリス Columbia Pictures Co. MIRAGE,123min.
監督:アン・リー  原作:ジェーン・オースティン 『分別と多感』 脚本:エマ・トンプソン
出演:エマ・トンプソン、アラン・リックマン、ケイト・ウィンスレット、ヒュー・グラント他
<1995年度アカデミー賞脚本賞受賞作品>

<1996年度ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作品>

e0040938_1491667.jpg

『英国の女性作家ジェーン・オースティンの1811年の小説『分別と多感』をもとに
E・トンプソンが脚色し、第68回アカデミー賞脚色賞にノミネートされた恋愛ドラマ。

19世紀初頭。イングランド南東部のサセックス州にある私園“ノーランド・パーク”を構える
ダッシュウッド家の主ヘンリーを失った彼の妻と3人の娘。法律の定めるところにより私園を
含め財産は先妻の息子ジョンに相続されるのを心配したヘンリーは、死の床でジョンに
妻と娘の世話を頼んでいたが、ジョンの妻の反対にあいその約束は反故にされてしまう。
彼女たちは悲しみにひたる間もなく、早速新しい家を探し始めるが……。

 過酷な運命に翻弄されながらも、3姉妹が多難な恋を通して成長しする姿を、様々な人物
模様を交えてロマンス感たっぷりに描いてゆく。「恋人たちの食卓」でその手腕をいかんなく
発揮したニューヨーク・インディーズの俊英アン・リー監督による作品ではあるが、
「恋人たち~」ほどの人物描写の豊かさや物語性にはやや欠ける印象がある。
「ダイ・ハード」のアラン・リックマンの抑え気味の演技は非常に良い。』(allcinema)

この「グリーン・ディステニィ」や「ブロークバック・マウンテン」で一流監督の仲間入りをする
アン・リーの監督4本目の作品。ここでは、彼の手腕もさることながら、エマ・トンプソンの
脚本が素晴らしい。オスカーを獲るだけのことはある。また押さえた演技もいい。

私はどちらかというと女の子(ご婦人)に向いた映画だな、と感じた。私には少々甘すぎ。
それぞれのキャラクターなどはさすがによく描きこまれていて、後妻と3人の娘のうち、
長女エマ・トンプソンと次女ケイト・ウィンスレットの悲恋、そして新しい恋の獲得を中心に
ストーリーは進む。最後はハッピーエンドであります。

まず、父が亡くなって引っ越しした先の甥がヒュー・グラント。彼は5年前に婚約をしていたにも
関わらずそれを隠してエマ・トンプソンと恋仲になるが、突然ロンドンに行ってしまう。
野原で足をくじいたケイト・ウィンスレットを助け、いっぺんに恋仲になるウィロビーという男。
こいつが食わせ者であった。そして、二人の恋をじっと見守るブラントン大佐(アラン・リックマン)
。結局、ウィロビーは、ブラントン大佐の娘をはらませてロンドンに逃げ、挙句の果てに
持参金目当ての女性と結婚。ケイト・ウィンスレットは裏切られ、絶望の淵に叩き込まれる。

一方、姉のエマ・トンプソンは、ヒュー・グラントに思いを寄せたまま暮らすが、彼がついに
結婚したと聞き、もう彼を忘れようとする。しあし、ある日ヒュー・グラントが現れ、婚約者の
心が弟に移り、結婚したのは弟だ、と告白する。私の心はずっと、そしてこれからも
あなたのものだ、とエマ・トンプソンに求婚するのだった。

さらに、ウィロビーに振られたケイト・ウィンスレットは、雨の中を徘徊し感染症にかかり、
これを必死に看病したのがブラントン大佐であった。大佐の深い愛情に気付いたケイトで
あった。
そしてエンディング。エマ・トンプソンとヒュー・グラントのカップルと、ケイト・ウィンスレットと
ブラントン大佐のカップルの2組の合同結婚式が開かれ、幸せな笑顔が戻った二人の
女性の姿があった。それを遠くで見詰めるケイトを振ったウィロビーの馬上からのまなざしは
後悔のそれであったようだ。
e0040938_1495158.jpg

長い映画で、恋愛が主軸なので、途中やめようか、と思ったが、脚本の力で引っ張られ
最後まで観切ってしまった。エマ・トンプソンとケイト・ウィンスレットの二人の姉妹の異なる
恋愛意識が、それぞれの男性と触れあううちに変化しない部分と変化する部分が上手く
描かれていたと思う。恋愛に対し、常に抑制的で自分を表わさない古風なエマ・トンプソン。
それに比べ、恋愛に対し無防備なほどに自由で恋愛をストレートに楽しむ多感な妹
ケイト・ウィンスレット。この二人の相違が原題の「sense」と「sensibility」(感覚と常識)
を表わしていると原作は読んでないが、思えたのだ。
「ダイ・ハード」の1作目で、テロリストの親玉を演じ、最後にビルの最上階からガラスを破って
落ちていく役を演じたアラン・リックマンが、ここでは重要でしかもオイシイ役回りを演じている。
e0040938_14101947.jpg

ケイトもエマ・トンプソンも上手かった。全体を通して完成度の高い文芸作品といえる。
多数の受賞がそれを物語っている。
この映画の情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2008-11-22 22:30 | 洋画=あ行 | Trackback(2) | Comments(0)

シッコ  Sicko

●「シッコ Sicko」
2007 アメリカ The Weinstein Company,Dog Eat Dog Films,123min.
監督:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーアほか米・英・仏・キューバの一般市民
e0040938_1311230.jpg

「ボーリング・フォー・コロンバイン」で、突撃取材で、銃に満ちたアメリカの矛盾をついた
マイケル・ムーアが、今度は、先進国中唯一国民皆保険制度のないアメリカの医療の
矛盾と、相変わらず、医療の周辺にうごめく利権と金銭のにおいを体当たりに提示する。

冒頭の電動のこぎりで指を切断した男性、薬指と人差し指では接合の値段が違う。
男性は薬指を選んだが、人差し指は、接合可能なのに、ごみ箱に行ってしまった。
人差し指は6万ドルかかるといわれたからだ。
ある病院は、支払の出来ない患者を、貧困者救済センターに車で乗り付けて捨てていく。

保険会社が、患者の治療を決め、莫大な治療費を請求する。国が医療に関与していない
ので、結局資本の理論でそうなるのだ。またそこには医療に絡む利権の構図、保険会社
薬のメーカー、など、またロビイスト、国会議員ら、金に絡む亡者たちは多い。

アメリカンドリームとか言って、憧れるアメリカは、表面上の美しさの陰にものすごい格差、
教育、医療、差別などが厳然とある。貧困の差は日本の比ではない。これらに対応しようと
国民皆保険を主張しているのが、ヒラリー・クリントンだ。
結局アメリカは金持ちが命を長らえるようなシステムになってしまっているのだ。
最後、キューバのグアンタナモ基地に収監されている911の犯人たちが、国民よりも
はるかに良い医療を無料で受けていることを知り、ムーアと取材中に知り合った患者たちは
マイアミからキューバに上陸。グアンタナモ基地にトラメガで「せめて、アルカイダ並の
治療を!」と叫ぶ。なんというアイロニー。

そして一行はキューバの素晴らしい医療システムに感激し、入院治療までしてもらって
帰国する。ま、キューバのプロパガンダが多分に入っているとは思うが、仮想敵国の
医療と、豊かだ、と信じてきたアメリカの医療の格差に、愕然とする。

医療制度は理解するのには難しいが、アメリカという国のアンバランスな一面が見られて
長い映画だったけど興味深くみた。マイケル・ムーアをネット上で攻撃してきた人物が
自分の妻が病気になり、かさむ医療費のためHPをキープできなくなり、閉鎖するという。
なんという皮肉。
マイケル・ムーアは、匿名で1万ドルのチェックを送る。彼の妻は回復し、今も彼のHPで
ムーアを攻撃しているという。

現在アメリカで起きている、金融資本主義の崩壊など、アメリカ人が反省しなければ全世界
に大きな影響をもたらす事象はたくさんある。多くのアメリカ人はそれに気が付いていない
節がある。危険なことだ。

映画ではフランスやイギリスの優れた国民医療体制を紹介する。羨ましいと思う。だがその
財政を支えている、日本よりかなり多めの消費税とか、クルマを買うと、贅沢品としてほぼ
値段が倍になり、ガソリン1リッター200円を超える負担があるということを知らなくてはなら
ないだろう。日本人たちは今、まさに医療体制の崩壊、に瀕している。国民一人あたりの
租税負担率も、かなり高率になってきている。そろそろ、消費税を上げて、直間を見直して
いかないと、労働意力にも関わってくるでしょう。私も今や給料の3分の1が税金や年金です。
この映画、決して他人事ではいない、として観るのが正しいでしょう。

この映画の情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2008-11-22 16:45 | 洋画=さ行 | Trackback(2) | Comments(0)

臨死 The Invisble

●「臨死 The Invisible」
2007 アメリカ Hollywood Pictures,SpyGlass Entertainment 97min.
監督:デヴィッド・S・ゴイヤー
出演:ジャスティン・チャットウィン、マルガリータ・レヴィエヴァ、クリス・マークエット他
e0040938_23354621.jpg

知っている人が誰も出ていない日本未公開の映画。邦題ほど深刻じゃない青春映画だ。
この手の映画なので、突っ込みどころは満載だが、気楽に見ればいいんじゃないかな。

お利口なお坊ちゃんとして育てられた父親のない男の子と、貧乏な母のいない家庭で
荒んだ生活をしている娘の、不思議な生命の交流を描く。

ニックは裕福な家庭で育ち、成績も優秀な男の子。ある日親友のピートが不良に囲まれて
いるところを助けたことから彼ら特に女ボス的なアニーに目を付けられる。
アニーは、仮釈放中のマーカスという自動車修理工のボーイフレンドがいる。ある夜、アニー
らは、宝石店のショウウインドウを壊し、宝石を強奪、盗難車で逃げた。
アニーはマーカスに売りさばいてくれと頼むが、そんなやばいことはできないと断る。
これに対し、口汚く罵りアニーは出ていく。そんなアニーに頭にきたマーカスは警察に宝石店
強盗を密告する。

警察に逮捕されたアニーだったが裁判までの保釈中、自分を売ったのはピートに違いないと
目をつけて、彼を呼び出し傷めつけ白状させようとするが、苦し紛れにピートはニックの名前を
出してしまった。
アニーたちはニックを呼び出し、ぼこぼこに傷めつけ、やりすぎて瀕死にしてしまった。
まずいと感じたアニーたちは森の中のマンホールのようなところに彼の体を隠した。
ニックは、幽体離脱のようになり、みんなからは見えないが、世の中のことはすべて判る
幽霊のような存在となっていた。そこで、自分の体を見つけてくれ、と叫ぶが聞こえない。

ある日、アニーは盗んだ指輪を故買して、自分の幼い弟に宛てた封筒にいれた。そして
警察がどうやらアニーが怪しいとにらんでいると知り、逃げようと、弟に最後の別れを言いに
家に寄る。いいことをしたいんだ、というアニーの心情をニックは横に立って見ている。
アニーは母に先立たれ、父の愛情のない接し方に荒んでいたのだった。片や自分は母親から
期待をかけられがんじがらめになって自由がない身分。どこか共通点を感じていく。
e0040938_23363446.jpg

するとアニーにニックの声が聞こえてくるようになる。森の中のニックの隠し場所に行くとすで
にニックの体はなかった。ピートに聞くが、わからないという。彼は自責の念にかられ
服毒自殺を試みる。
アニーは、ピートから、警察にちくったのは自分でもなければニックでもないと教えられ愕然と
する。そしてマーカスのやったことに違いないと、マーカスを銃で脅して拉致し、ニックの
体がダムにあることを聞き出すが、アニーはマーカスに撃たれ重傷を負う。
携帯で警察に電話し、ニックの体がダムにあることを告げた。ダムは放水を始めたが寸での
ところで水を止め、ニックの体を救出した。救急病院に搬送されたニックだったが生死の境目
にあった。アニーは病院に現れた。ニックの母親から平手打ちを食らうが、やったことを
告白、自分は何でかわからないが、ニックのところにいかなくちゃならない、という。
そしてベッドに横たわる瀕死のニックに寄り添うと、ニックの意識が戻った。やっといいことが
できたね、といいながら彼女は絶命するのだった。君は僕の命の恩人だよ、というニックの
言葉を聞きながら・・・。
e0040938_2337677.jpg

自分がほとんど殺されそうになった相手を幽体離脱中に理解したとはいえ、そんなに簡単に
許すだろうか。あとしちょっとでほんとに死んじゃったかもしれないのに。
ニックは当初、自分の不満を家庭のせいにするな、やったのは自分じゃないか、と聞こえない
アニーに叫ぶが、家庭の不満から母親に内緒でロンドンに飛ぼうとした自分と大した変りは
無いということだよね。アニー、喧嘩強すぎじゃないかね。銃の撃ち方もあの年齢でばっちり
なのもちょいとね。それに引き換え、ニックの方が精神年齢が幼すぎるかもしれない。
この映画の情報は
by jazzyoba0083 | 2008-11-22 11:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「キングダム/見えざる敵 THE KINGDOM」
2007 アメリカ Universal Pictures,111min.
監督:ピーター・バーグ
出演:ジェイミー・フォックス、クリス・クーパー、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン
e0040938_1124574.jpg

『オスカー俳優ジェイミー・フォックス主演で放つ緊迫のサスペンス・アクション。1996年に、
米国人も犠牲になったサウジアラビアでのホバル・タワー爆破事件をヒントに、サウジで
起きた自爆テロによって仲間を失ったFBIの精鋭たちが現地に乗り込み、サウジの捜査
当局との摩擦を乗り越えテロ首謀者を追い詰めていく壮絶な闘いをスリリングに描く。

監督は俳優としても活躍する「プライド 栄光への絆」のピーター・バーグ。米国の
捜査機関FBIが他国で活動するという一見荒唐無稽とも思える設定を説得力ある物語に
仕上げたのは、ジョー・カーナハン監督の実弟でハリウッドで期待を集める新鋭
マシュー・マイケル・カーナハン。
 ある日、サウジアラビアにある石油会社の外国人居住区で自爆テロ事件が発生。
死傷者は300人以上にのぼり、犠牲者の中にはFBI捜査官も含まれていた。その
首謀者がアルカイダと関係のあるアブ・ハムザと推察したFBI捜査官フルーリーは
現地捜査を志願。
e0040938_11263825.jpg

しかし、穏便な解決を望む両国外交筋とサウジ政府の拒否によって却下されてしまう。
するとフルーリーは独自の手段で駐米サウジ大使に直接要求、捜査期間を5日間、
そして常にサウジ警察が同行するという条件で許可されるのだった。

こうして、法医学調査官のメイズ、爆発物専門家のサイクス、情報分析官のレビットと共に
サウジに降り立つフルーリー。そこで彼らは、事件現場の凄惨さを目の当たりにする…。』
(allcinema)

フリーリー(フォックス)と3人の仲間が、現地警察官のハイサム軍曹と、テロの元締めを
やっつける話。なかなかよくできていたと思う。ただ、冒頭でサウジの歴史を見せられるの
だが、予備知識なしで、字幕を追うだけでは、おさらいは出来ない。そんな背景をもった
「キングダム(サウジアラビア王国)」で映画は繰り広げられるんだよ、ということなんだろうが
日本人には少々酷。また80%位が手持ちカメラなので、画面が揺れるのだが、銃撃戦とか
激しい動きの時はいいのだが、そうでもないときにやられると酔う。
それと一番惜しかったのは、最初のテロで死亡したFBIは法医学調査官メイズの彼氏だった
のだが、フリーリーが彼女に何かをつぶやく。それと、ラスト、結局は射殺されてしまう
テロの親玉が死ぬ間際に孫に残す言葉が同じというのがミソ。それが「俺らが皆殺しにして
やる」という言葉。つまり憎しみの連鎖は終わらないということを言いたいわけだが、それを
いっちゃあおしまいよ、って感じ。何か他の表現方法はなかったのだろうか。もったいない。

爆弾を積んだベンツが、FBI一行の乗った黒の大型ワゴンの車列に近づいて爆発する
シーン、クルマが横転、転覆、衝突するところや、、仲間の一人レビットが拉致されたのを
追跡しつつ、テロの親玉のところに行きつくあたりの大銃撃戦は見ごたえがある。
e0040938_11272064.jpg

e0040938_11275567.jpg

そして、メイズが現地人の女の子にロリポップを手渡すと、女の子がお礼に差し出したのが、
最初のテロ事件の爆弾の中に入れられていた殺傷用のビー玉であり、そこにいた爺さんが
テロの親玉であることが判るシーン。ハイサム軍曹が、手を差し伸べると、出してきた手に
指が2本無い。これは爆弾犯人の証明なのだ(という伏線がはられている)そこからの
家族を巻き添えにしての銃撃戦。このあたりは、いい感じのテンションを持って引っ張って
いってくれるので充実している。ハイサム軍曹はいいやつなのだが、最後に親玉の孫?に
撃たれて死んでしまう。アメリカ人は誰も死なないんだな。ま、一人でも死んだら大国際
問題になっちゃうんだけどね。
e0040938_11283538.jpg

主役のジェイミー・フォックスは「Ray」でオスカーを獲りましたね。この人の映画、フィルモ
グラフィを見ると結構見ていたんですね。「ドリーム・ガールズ」「ステルス」「ジャーヘッド」
「コラテラル」などだが、今回のこの映画では、なんか地味な感じがしたのだが、なぜだろう。
あと、メイズ役のジェニファー・ガーナーが良かったですね。
この映画の情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2008-11-20 22:30 | 洋画=か行 | Trackback(1) | Comments(0)