<   2009年 02月 ( 20 )   > この月の画像一覧

●「こわれゆく世界の中で Breaking and Entering」
2006 アメリカ Miramax Films,Mirage Enterprises,119min.
監督:アンソニー・ミンゲラ 製作:シドニー・ポラック、アンソニー・ミンゲラ、ティモシー・ブリックネル
出演:ジュード・ロウ、ジュリエット・ビノシュ、ロビン・ライト・ペン、マーティン・フリーマン他
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昨年、惜しくも病気により急逝した才人、ミンゲラの作品。「イングリッシュ・ペイシェント」「コールド
マウンテン」など、彼の作風は、「重い味わい」だと思う。この映画も、観ているうちに「味わいある
映画だなあ」と感じるのだが、その味わいは、普通ではないな、と気が付いてくる。そして好悪の別れる
エンディング。本作は、ありふれた生活に潜む愛情のやりとりを、セリフの豊かな感性を通して描いた。
スカッとする映画ではないが、いかにもイギリスの曇り空を背景にした人間のありようは、心に迫るもの
だった。私としては高評価である。

イギリス・ロンドンのキングス・クロス地区。移民も多く住み、犯罪の多発地帯としても知られるところ。
そんなキングス・クロスの大規模再開発に関わる会社の共同経営者にして建築家のウィル(ロウ)は
リヴ(ライト・ペン)という女性と、リヴの連れ子であるビーという少女と同棲してすでに10年が経つ。
最近は会話もなく、心がすれ違う生活。本来芸術家としての仕事をもっているリヴであるが、ビーが
情緒不安定、睡眠障害を持つ障害児であることから、仕事をあきらめ家事に専念している。
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そんな折、キングス・クロスに越してきたウィルの設計事務所が、少年を使った窃盗チームに荒らされ、
ウィルは、全てが入ったコンピュータを盗まれてしまった。
犯人の少年の一人がボスニア難民のミロ。2度目に入られたときから、外に止めたクルマの中で不寝番
をしていたウィルの目の前で、事務所に入ろうとする少年を発見、追いかける。そして少年が入って
入ったアパートの部屋を確認して戻ったのだった。
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洋服を仕立てなおします、という看板が出ていたそのアパートに、後日ウィルは客を装って行って見る。
着替えに使った息子の部屋に、ジオラマに使っていた日本製のフィギアがあった。母親はアミラ(ビノシュ)
といい、ボスニアからの難民で、夫は戦争で殺されたという。ウィルは、この母親に一目で惚れてしまった。

それからいろんな服を修理に持ち込むウィルであった。ある日、息子が学校から帰ると、部屋にウィルの
会社の名刺があった。息子ミロは、盗みに入り損ねた日、追いかけられてここまでつけられた、と確信し、
あいつはみんな知っているんだよ、と自分の犯行を認め、大事なものらしいコンピュータを返そう、と
言う。アミラは自分があって返してくる、と工事現場のウィルを訪ねるが、ウィルは、アミラの友人の家に
彼女を引っ張り込み、寝てしまう。お互いに純粋な愛情かと思っていたら、アミラは眠ってしまったウィルと
裸で一緒にいる写真を友人に写真に撮らせた。息子を警察に渡させないための武器に使おうというのか。

窃盗の捜査に当たっているブルーノ刑事は、ウィルらの犯行であると睨んでいたが、ウィルに追いかけられ
たとき、手に怪我をしたウィル、その血液のDNA鑑定で犯人と特定され、警察がアパートに乗り込んで
来た。逃げるミロと友人だったが、警察に包囲され逮捕されてしまう。

母親アミラは、ウィルに息子に不利な証言はしないように、刑務所送りにならないようにと懇願するが、
その頃までにはアミラが不貞の写真を撮っていたことをウィルに打ち明け、二人の間にはぎくしゃくした
空気が生まれていたため、ウィルは、アミラの懇願を拒否する。
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犯人逮捕の知らせを持ってきたブルーノ刑事ら警察の一行と工事現場で話こんでいいるうちに、現場に
連れてきていた娘のビーが、積み上げたパイプの上に乗って転落、足を骨折してしまう事故が起きた。
自分が不注意だったと責めるウィル、この事件をきっかけにリヴとの関係がいい方向に向かい始める。
そしてウィルは、なんとかリヴとの関係を元に戻したいと、アミラとの関係を打ち明ける。

ミロの審判が始まった。証言を拒否していたウィルだったが、リヴを伴って会場に現れ、パソコンはアミラに
教えようと貸したものを忘れていたのであり、ミロのけがは、会社に遊びに来てくれた時のものであって、
その時リブが手当てをした、とリヴも口裏を合わせてミロの無実を主張する。びっくりするアミラや
共同経営者であったが、刑事はミロはもともとそんなにワルじゃないと見通していたのだった。

審判会場からの帰り道、リヴに、アドリブで口裏を合わせてくれたことに感謝するウィルだったが、リヴは
突然クルマを止めさせ、あなたは全然判ってない!と降りてしまい、もう家にかえらないで!とどなり
散らす。愛しているんだ、と引き留めるウィル、悪かった、と謝るウィル。
結局、二人は別れるだな、これでエンディングか、と思わせておいて、引き留めに来たウィルに飛びついて
抱きしめるリヴであった・・・。ん、なんじゃこれ? 男女の愛情は判らんなあ、あんなに愛していたと
思ったアミラとの関係はさっさと清算しちまうし。
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ジュード・ロウ、そして中年女の世間にしがみつかざるを得ない情念と愛情を、文字通り裸でぶつかった
ビノシュ、難しい役柄を淡々とこなしてみせたロビン・ライト・ペン。特に女性陣2人は決して美人でない
ところが、ストーリーに現実味を加えていた、と言えるでしょう。リヴの連れ子ビーの存在が、いい配置で、
不安定な2人の愛情にさらに不安定さを加えて見せている。

ミンゲラの描く独特の男女の愛情の世界。原題は破壊と登場、とかの意味かな、邦題は、いいタイトル
とは思うけど、何か精神の破滅みたいな、あるいはアフガンかイラクの話のように取られなくはない、と
感じた。エンディングはどうでしょう?あのままリヴがウィルと離れていったら普通の話なんでしょうね。
復縁を匂わせて終わって行った方が、男女の愛情の複雑さを一層際立たせることになるのでしょう。
「重い味わいを持った佳作」と言えるでしょう。
この映画の情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-02-27 22:50 | 洋画=か行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「あなたが寝ている間に While you were sleeping」
1995 アメリカ Hollywood Pictures,Buena Vista,103min.
監督:ジョン・タートルーブ
出演:サンドラ・ブロック、ビル・プルマン、ピーター・ギャラガー、ピーター・ボイル、ジャック・ウォーデン他
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この手の映画、好きですね。ほのぼの系とでもいうのかな、悪い人が一人も出てこない、そしてハッピー
エンド。クスリとさせて、ホロリとさせる。ストーリーはシンプルで判りやすい。ゴールデングローブの
候補になったのだから、アメリカでも悪い評価ではなかったようですね。まあ、映画道の人々には
”パス”の映画かもしれませんが。

サンドラ・ブロックは好きな女優さんの一人です。やはり「スピード」が一番だが、「イルマーレ」や
「インターネット」、「評決のとき」や「クラッシュ」など、硬派からラブコメまでこなせる女優さんだと思い
ます。この映画でも、心優しい女性を好演しています。

シカゴの地下鉄改札係のルーシーは両親を亡くし、猫だけが相棒の寂しい生活。そんなルーシーは
毎朝さっそうと地下鉄に乗っていく弁護士(とは知らないが)ピーターに人知れず恋している。
あるクリスマスの日、ピーターはいつものようにやってきてホームに立ったが、若いやつに絡まれて
線路に転落してしまう。ルーシーは線路に降りて、彼に抱きついて体を回転させて、近付いてきた列車
から彼を救ったのだった。

すぐに病院に運ばれたピーターだったが、頭を打って意識が戻らない。家族が駆けつけるなか、
ルーシーも病院に行くが、家族しか会えない、といわれてしまう。独り言で「未来の花婿なのに」と
つぶやくと、それを聞きつけた看護師が、婚約者だからということで、ベッドサイドに連れて行ってくれる。
家族から「誰?」という顔をされるが、看護師が「彼の婚約者よ」と紹介してしまい、ルーシーもすぐに
否定が出来なかった。両親と祖父母、妹、隣のソールというおじいさん。皆いい人で、すぐにルーシーを
婚約者と信じ、家族同然に大事にしてくれる。クリスマスパーティーにも呼んでくれ、プレゼントまで用意
してくれていた。

しかし、弟のジャックは、兄に婚約者なんて聞いたことないから、いろいろと聞き出そうとするが、
とっさのところで上手く切り抜ける。家族に親切にされると、孤独なルーシーはますます、あれはウソ
とは言い出せなくなっていく。なかなか意識が戻らないピーターだが、実は婚約寸前までにいったガール
フレンドがいた。彼女が旅先から帰ってくることに。

そして新年が明けたころ、ジャックの意識が戻る。駆け付けた家族の顔を見てほっとするピーター
だったがルーシーを見て「誰?」。家族は「記憶喪失に違いない」と勝手に思い込む。
そのころ、ルーシーの心は実は一回も口を利いていないピーターより、家族として付き合ううちに弟の
ジャックに惹かれていったのだ。しかし、彼女は、兄の婚約者なんかじゃない、とはどうしても言えない。

ピーターの家の隣のおじいさん、ソールに仲介を依頼するが、ソールは、ピーターに対しルーシーは
心優しいいい娘だから、今度来たら、改めてプロポーズしろ、という。そして見舞にくるルーシーを見て
いたピーターはルーシーの気立ての良さや頭の回転の良さにたちまち惹かれてしまい、プロポーズした
のだった。なり行き上、OKしてしまうルーシーだった。

一方、欧州から帰ってきたピーターのガールフレンドは、(これがルーシとは対照的にイヤな女)留守電
をしてもなかなか電話をかけてこないピーターを探し、ついに病院にいることを突き止め、病室にやって
きた。そしてルーシーと婚約したことを口汚くののしって去っていった。

そして、結婚式の日。ピーターの横に立ったルーシーは、神父がまだ何も言う前に、自ら「異議あり」と
いい、ピーターの介添え人として立ち会っていたジャックも「異議あり」と。
そして、ルーシーは、これまでの顛末を家族に説明、みんないい人だったから、みんなを愛してしまった
からいいだせなかったと。家族の温かさから遠ざかっていたルーシーは、暖かい家族を失いたくなかった
のだった。そんな中で弟のジャックを愛してしまった、と告白した。
びっくりの家族たち。さらにそこにピーターのかつてのガールフレンドが夫を伴って、やってきて、
夫のある女と婚約しようとしたのか、と言いよる始末。その場からそっと姿を消すルーシーであった。

そして、改札係を辞めることにした最後の日、いつものようにトークンを受け取る皿に、指輪がコロリと。
ジャックと家族たちだった。改札のブースに入ったジャックは、正式にルーシーにプロポーズしたの
だった。
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冒頭、ルーシーが憧れるピーターを見て、これは主人公の相手じゃないな、と想像が付き、更に
弟、ジャックの登場で、こりゃ、弟とのハッピーエンドだな、との予感が浮かぶ。
アマアマなお話ではあるが、ちゃんとつじつまを合わせて、しかも、アパートの管理人の息子や、病院の
お節介なナース、そしてソールおじさんなど、スパイスの利いた配役も良かったと思う。
ユーモアとホロリとくるストーリーはハリウッドのラブコメの常道。その王道を行った作品だと思った。
「あなたが寝ていた間に」というのが時制としてはあっているな。でもゴロは悪いね。
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by jazzyoba0083 | 2009-02-26 23:03 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「エリザベス:ザ・ゴールデン・エイジ Elizabeth:The Golden Age
2007 イギリス・フランス Studio Canal,Working Title Films,114min.
監督:シェカール・カプール
出演:ケイト・ブランシェット、ジェフリー・ラッシュ、クライヴ・オーウェン、リス・エヴァンスほか。
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<2007年度アカデミー賞衣装デザイン賞受賞作品>

これはもう、ケイト・ブランシェット映画と言い切っていいでしょう。この年の主演女優賞は「エディット・
ピアフ~愛の賛歌~」のマリオン・コティヤールに持って行かれたのでした。今年はノミネートから漏れて
しまい、「愛を読む人」のケイト・ウイィンスレットに先を越されちゃいましたね。
今年40歳になるブランシェット、主演女優賞ももうすぐでしょう。「インディ・ジョーンズ」とか
「ベンジャミン・バトン」「ロード・オブ・ザ・キング」とか、キワモノ系のドラマではなく、ストレートなドラマを
演じた方が賞は取りやすいかと。作品にさえ恵まれれば、近い将来の受賞は間違いないでしょう。
本作でも、力の入った演技を展開し、むしろ、肩に力が入りすぎた感もありましたね。

中世イギリスの、あるいはヨーロッパの歴史が少しでも判っていると、興味や面白さもぐんと違うタイプの
映画です。大英帝国を築き上げたエリザベス1世の半生を前作と連続して描く。私は前作は観ていませんが
本作だけでも十分面白い。
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『1585年、プロテスタントの女王としてイングランドを治めるエリザベス1世。彼女は揺るぎない信念で
王の威厳を保っていたが、依然国内外でカトリックを信奉するものたちの謀略が渦巻いていた。
中でも、欧州全土をカトリックにする誓いを立てイングランドをも手中に収めようと息巻くスペイン国王
フェリペ2世と、従姉のエリザベスが不義の子であることから正統な王位継承権が自分にあると主張
するスコットランド女王メアリーの存在は脅威となっていた。
そんなある日、エリザベスの前に、新世界から帰還したばかりの航海士ウォルター・ローリーが現われる。
やがて2人は交流を重ねるうち互いに惹かれ合い、“ヴァージン・クイーン”を貫き通していたエリザベスの
心は揺らぎ始めるが…。』(allcinema)

このあたりのイギリスには海賊上がりのドレイク提督とか、策士ウォルシンガム、父ウィリアム8世、
エリザベスの母、アン・ブーリン(「ブーリン家の姉妹」ではナタリー・ポートマンが演じていた)、
エリザベスが幼いころロンドン塔に幽閉さてていたいう事実、そしてカソリックとプロテスタントとの対立、
英国国教の確立、そして、本作の中でもハイライトとなるスペイン無敵艦隊との会戦と圧倒的勝利、
そして「ゴールデンエイジ」といわれる大英帝国繁栄の時代、興味は尽きない歴史の数々がある。
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それらを背景に、常に陰謀と暗殺に晒されながらも、「ヴァージン・クイーン」として、生涯結婚すること
なく治世したエリザベス1世の実は、女性として恋に悩み、妾腹の子としての負い目からスコットランド
女王メアリーとの確執など、歴史の教科書には現れない人間エリザベス1世を描いていく。
密かに恋心を寄せていたウォルター・ローリー卿を侍女のベスに奪われてしまう悲恋もあり・・・。
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無敵艦隊に挑むイングランド軍兵士を鼓舞する白馬上の鎧姿のザンバラ髪のエリザベスから、夜、
一人悩むすっぴんのエリザベス、さまざまな女王の姿を、ブランシェットはものすごい迫力で演じていく。
勇ましくも、哀しい物語である。最後の海戦の模様が中途半端だった、という向きもあるが、私はあの
ボリュームで十分かな、と思いましたが。
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とにかくケイト・ブランシェットに終始する映画であります。
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by jazzyoba0083 | 2009-02-25 22:40 | 洋画=あ行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「ヒトラーの贋札 DIE FALSCHER」
2007 ドイツ・オーストリア 96min.
監督:ステファン・ルツォヴィツキー
出演:カール・マルコヴィクス、アウグスト・ディール、デーヴィト・シュトリーゾフ、マリー・ボイマー他
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<2007年度アカデミー賞外国語映画賞受賞作品>


「おくりびと」アカデミーおめでとう!まだ観てないけど。いずれ観るよ。というわけでもないが、昨年の
同じ賞を獲った作品を鑑賞。知っている俳優さんは誰もいないし、ドイツ語だし、ハリウッドの作品とは
いささかつくりを異にしているが、重厚なテーマを「贋札づくり」というテーマに絞り、これに携わるユダヤ
人の苦悩を1時間30分少々で描いて見せる。必要にして十分な長さであり、コンパクトな中に、主張は
しっかししていた。

『第二次世界大戦中、ナチス・ドイツが英米経済の混乱を企図して大量の贋札製造を行った
“ベルンハルト作戦”の裏に秘められた感動の実話を、強制的に贋札作りに従事させられたユダヤ系
技術者の視点から描いた戦争サスペンス・ドラマ。
実際に強制収容所で作戦に関わったユダヤ人生存者アドルフ・ブルガーの自伝『ヒトラーの贋札 悪魔の
工房』をベースに、フィクションを織り交ぜスリリングかつドラマティックに綴る。監督は「アナトミー」の
ステファン・ルツォヴィツキー。

 第二次世界大戦の最中、ナチスはイギリスの経済を混乱に陥れるため精巧な贋ポンド札の製造を
計画する。この“ベルンハルト作戦”のため、ザクセンハウゼン強制収容所には、世界的贋作師サリー、
印刷技師ブルガー、美校生のコーリャなどユダヤ系の技術者たちが集められた。収容所内に設けら
れた秘密の工場で、ユダヤ人でありながら破格の待遇を受け、完璧な贋ポンド札作りに従事することに
なったサリーたち。
しかし彼らは、自らの延命と引き替えに同胞を苦しめるナチスに荷担するジレンマに次第に葛藤と苦悩を
深めていく。』(allcinema)

映画の冒頭、主人公のサリーが、終戦を告げる新聞が落ちているモンテカルロの海岸に腰を下ろし、
海を見ている光景がある。観客は、主人公のユダヤ人が命を落とさなかったのだな、というある種の
安心感を持って、彼の思い出話の中に入っていける。その辺は上手いなあ。この前観た「7つの贈り物」
とは逆だ。プロの偽造屋であるサリーは、ナチ親衛隊のヘルツォーク中佐に気に入られ、偽ポンドや
ドル札を作る。それに対し、正義のために、贋札づくりを止めて決起しようというベルガー(原作者)。
サリーとて、嬉々として贋札を作っていたわけではなく、自分の命、仲間の命のことを考えてのことだった。
かつては共産党員だった、というヘルツォーック中佐も、「自分もつらい立場だ」と語る(本音かどうかは
しらないが)彼らが作った贋ポンドは、当時の英国の外貨準備高の4倍だったといからものすごい。
ドルについては、ベルガーらのサボタージュにより完成が遅れたことにより、大量に作られることはなく
終戦を迎えたのだった。
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強制収容所で命を人質に取られ、利敵行為をせざるを得ないユダヤ人。人は基本的に自分が可愛い
わけで、密告したり、だまって作業に取り組むユダヤ人を観ていても、誰も批難は出来ないだろう。
自分がその立場であったら、ベルガーのような正義を第一にして命を惜しまない、なんて行動はとれないと
思う。ナチも人によっては立場というものがあった人もいたろう。「戦場のピアニスト」で主人公にコートと
食料を与え、隠れ場所も提供して去っていった将校もいた。彼も逮捕され、逆に収容されていったのだった。

戦争という非道なものを、短い時間で端的に正確に表現してみせた、監督の手法はさすがにオスカーもの
だと思う。(アカデミー会員にユダヤ人が多い、という点もあるが)
ラスト、主人公のサリーが、自分が作った贋札を使いタキシードを作り、モンテカルロで自暴自棄の
ギャンブルを繰り返す様は、彼の、仲間は裏切らなかった、しかし多くのユダヤ人が迫害されたなか自分は
生き残ってしまった自分の所業と「生」についての、消したくても消えぬ葛藤そのものであった。
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by jazzyoba0083 | 2009-02-23 22:30 | 洋画=は行 | Trackback(2) | Comments(0)

7つの贈り物 Seven Pounds

●「7つの贈り物 Seven Pounds」
2008 アメリカ Columbia Pictures,Overbrook Entertainment,Escape Artists,123min.
監督:ガブリエレ・ムッチーノ
出演:ウィル・スミス、ロザリオ・ドーソン、マイケル・イーリー、バリー・ペッパー、ウディ・ハレルソン他
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傑作「チェンジリング」の直後にハシゴして観た、ということもあるのだろうが、正直言って「なんだかなあ」
って感じだった。いかにもウィル・スミスの好みそうなテーマであるが、詰めの甘さは如何ともしがたい。
邦題と、冒頭2分で、大体判っちゃいますからね。

ベン・トーマス(ウィル)は、弟の国税庁職員IDを勝手に持ち出し、ある目的をもって、7人を捜し出す。
ベンは彼らにある贈り物をしようという計画があったのだ。そして、それをするに至った大きなトラウマが
あったのだ。

以下ネタばれで行きますが、ベンは、結構なお金持ちで、結婚を間近に控えた婚約者を乗せたクルマを
運転しているとき、ケイタイを使おうとして、脇見をし、前から来たミニバンと衝突、自分以外の7人を
殺してしまったのだった。贖罪意識に苛まれたベンは、自分の体のパーツを人に与えることで許しを乞う
行動にでたのだ。ベンは家があるのにモテルに住み、あちこちで人探しをするのだが、この辺が何を
基準にして選んでいるのか良く判らんのだ。「いい人だから」と最後の方で言うのだが、それじゃ選択の
基準があまりにも曖昧。肉屋の盲目の電話応対の男に悪態をついてどうしようとしたのだろうか。
1.弟に片方の肺
2.ホッケーチームの監督に腎臓
3.児童相談所ホリーに肝臓
4.DVに苦しむスペイン女性に家
5.白血病少年に骨髄移植
と来て、移植しかない心臓病に苦しむエミリーと出会い、彼女を愛したことから、究極の贈り物を思い立つ。
このあたりで、全てが判ってしまう。氷を満たしたバスタブに裸で入り家で飼っていた大きな毒クラゲを、
そこに入れて、自殺してしまうわけだ。そして 6・肉屋の盲目の青年に角膜、7・エミリーに心臓を。
昔、TBSのドラマで堂本剛と広末涼子が主演した、たしか「Summer Snow」とかいうやつのストーリーが
そうだったな。しかし、自分を愛してくれた人の心臓を貰ったエミリーは心から嬉しかっただろうか。自殺
までして、そうしてもらいたかっただろうか。私ならイヤダね。
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究極の自己満足じゃないのかな。7人を殺してしまったという罪を何らかの形で償いたい、という気持ちは
尊いが、それの発露が、身の切り売りじゃねえ。さっぱりしない映画だったなあ。ウィルも日本のテレビに
出て宣伝しまくり、そのおかげで入りはまあ、良いみたいだったけど、こんなことやってるとウィルは駄目に
なっちゃうよ。好きな俳優さんなので、次作は、もっと詰めた脚本を書いてもらいましょうね。金はあるんだ
からさ。
この映画の情報はこちらまで。




       
by jazzyoba0083 | 2009-02-22 15:20 | 洋画=な行 | Trackback(6) | Comments(1)

●「チェンジリング Changeling」
2008 アメリカ Unversal Pictures,Imagine Entertainment,Malpaso Production 142min.
監督・製作・音楽:クリント・イーストウッド 脚本:J・マイケル・ストラジンスキー
出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノヴァン、コルム・フィオール他
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<最初の22行以降はネタばれしています>

これは、「ベンジャミン・バトン」より、すごい映画かもしれない。それにしても近年外れのないクリント・
イーストウッド監督の力量に唸ってしまう。今アメリカで大ヒット中の「グラン・トリノ」も是非観たいと
思う。映画を観る観客の心のつかみ方を心得ているイーストウッド監督は、前半に、アンジェリーナ
演じるクリスティ・コリンズに、不条理を畳みかけ、観ている人に彼女に対する同情を集中し、手抜きの
捜査をして恥じないLAPDに怒りを募らせる。そうしておいて、後半、ジョン・マルコヴィッチ扮する教会の
牧師グスタヴ・ブリーグレブ、LAPDの中の良心派レスター・ヤバラ刑事らの手助けにより、その怒りや
クリスティに対する不条理な事態のカタルシスが次第に高まる。子供20人誘拐殺害犯の逮捕、そして
偽の子供の正体が判明し、市民の警察への抗議、ラジオ局を持つ牧師の援護射撃、ロサンゼルス市を
相手に4件もの勝訴をものにしている辣腕弁護士の登場、そして警察内部の査察員会と、連続殺人犯の
裁判の進行で、一気に観客の心は、リリースされていく。

お見事としかいいようがない。先日の日経新聞映画評は、エンディングの持って行き方を「神の領域」と
評していたが、まあ、それは大げさとしても、1つのテーマに絞られ、途中に余計なことが一切さしはさまれないつくりは確かにこの映画を近年の名作・傑作に仕上げているといえよう。

アンジェリーナ・ジョリーも、イーストウッド監督の要求に応え、素晴らしい演技。これにジョン・
マルコヴィッチが厚みを加える。アンジーは「トゥーム・レイダー」の頃のセクシーさを売りにしていたころとは
別人のように変化し、結婚し、子供を持った母として、物の捕らえ方も変わったのだろう、愛する我が息子
を取り戻したい一心の母親を圧倒的に演じる。オスカー主演女優賞は彼女ではないか?
「愛読む人」のケイト・ウインスレットがどういうものか未見で不明であるが。
「ベンジャミン~」が13部門でノミネートされているが、本作は主要部門では3部門でしかノミネートされて
いない。作品賞や監督賞にもノミネートされていないということは、日本ではまだ公開されていない
「ミルク」「愛読む人」「スラム・ドッグ・ミリオネア」「フロスト×ニクソン」がよほどいい出来だったんだろうな。
本作が実話を元にして作られている点もマイナスポイントなのだろうか。そうだとしても、いい出来だと思う。
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1928年にロサンゼルスで、電話交換手クリスティ・コリンズ(アンジー)の9歳の息子ウオルターが行方
不明になる。市警に捜索を依頼するが、24時間以内は受け付けないという。その後、5か月がたち、
ロス市警はウオルターが発見された、と連絡してきた。駅頭に迎えに行って見ると、そこにいたのは
ウオルターではない別人の子供だった。警察は、クリスティが錯乱していて自分の子供が判らなくなって
いる、と相手にならない。クリスティーは、人権派牧師グスタヴにも助けられ、腐敗しきっている市警の
怠慢捜査を指弾していく。しかし、市警は、クリスティを精神に錯乱を来したということで精神病院に入れて
しまう。(このあたりまで、観客のフラストレーションは最高潮に達するだろう)
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しかし、ロス郊外の不法入国者の少年を調べに出向いたヤバラ刑事は、少年から驚くべき事実を聞かされ
る。少年によれば、ゴードン・ノースコットという男が、少年を拉致して監禁しては殺していたというのだ。
彼の甥である少年は、逃げれば殺す、と言われ、少年殺しに手を貸していたという。しかし少年は悔悟の
念に苛まれていた。ヤバラ刑事が最近行方不明になっている少年の写真を見せると、中にウオルターも
いたのだ。彼はすでに殺されたかもしれないという。だた、2~3人が逃げたとも。
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カナダに逃げたゴードンは、叔母のところで逮捕される。市警は、大量の少年連続殺人犯の逮捕、しかも
ウオルターも犠牲者かもしれないという事実の判明に、愕然とする。クリスティは牧師と相談し、裁判を
起こすことに。代理人には辣腕の弁護士がつくことになった。一方で市警の査問委員会は、捜査を指揮した
ジョーンズ警部を召喚、彼に永久追放、警察本部長の更迭を決めた。
更に、警部が自分の意思でクリスティを精神病院送りにしたことを重くみて今後はそのようなことが出来ない
制度に切り替えるように指示したのだった。
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一方、ゴードンの裁判も順調に進み、彼は第一級殺人で2年の勾留後、絞首刑に処する判決が言い
渡された。2年後にはクリスティも立ち会いのもとゴードンの死刑が執行された。

そして事件から5年後、ウオルターの失踪とほぼ同じ時期に行方不明になっていた少年が発見される。
彼はゴードンの元から脱出したのだが、その時の模様として、足を鉄条網に引っかけた自分を助け
ようとしたウオルターがいなければ、自分は助からなかったと証言した。5年も出てこなかったのは、
ゴードンらの仕返しが怖かったというのだ。クリスティは、数年経ってから姿を現した少年がいることで、
「希望」を見つけたと牧師に語る。そして、生涯を通してウオルターを探したのだった・・・・。

事実に基づいた作品を一流の娯楽作品に仕立てたイーストウッド監督の才能に改めて脱帽。最敬礼。
プロダクションデザインも、良かった。映像のカラートーン、衣装、照明の当て方、そして監督自らの手に
なるJazzyな音楽も、作品に見事にマッチしていた。
ラスト、その年のアカデミー賞で会社の上司とかけをするクリスティ。彼女は絶対に「或る夜の出来事」だ、
と予想する。ラジオの中継では、実に予想が当たっていて、エンディングロールのバックにながれる
ロスの街並みの中、映画館の看板には「或る夜の出来事」の上映を知らせる看板が・・・。このあたりもにも
映画を愛する監督の洒落っ気がでていたようだ。(「或る夜の出来事」=フランク・キャプラ監督、
主演:クラーク・ゲイブル。1934年アカデミーの作品、監督、脚本、主演男優、主演女優の5部門を独占
した傑作)
「レボリューショナリー・ロード」も「ベンジャミン・バトン」もすぐれた作品。この3本のどれが好きか
と問われれば、甲乙付けがたい秀作ぞろいだが、私はこの「チェンジリング」が一番好きかもしれない。
現時点では。
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<2010 2月10日 WOWOWにて録画のものを再び観賞>
1年ぶりで、当作品を観てみました。WOWOWです。いや、2度目だけど良くできた映画という
認識を新たにした。映画館で観てきた感想は今でも全く変わりが無い。
しかし2回目となると初回では気がつかなかったことが判ることもある。冒頭のクリスティ・
コリンズの自宅の前の通りのクレーンショットは、「インヴィクタス」でも使われていた手法。
また、ウォルターの偽物が出てきたときに、なぜ早く学校へ連れて行って、先生や仲間と
合わせなかったのかな、と思った。(いずれ、学校へは行くのだが)
それと、少年殺人犯、ゴードン・ノースコットの絞首刑シーンはあれだけ長々と微に入って
描く必要があっただろうかな、とも感じた。
それらを乗り越えても、映画史に残る作品であることは間違いない、ということを再認識した次第。
by jazzyoba0083 | 2009-02-22 12:20 | 洋画=た行 | Trackback(56) | Comments(3)

●「モダン・ミリー Thoroughly Modern Millie」
1967 アメリカ Universal Pictures,138min.
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
出演:ジュリー・アンドリュース、メアリー・タイラー・ムーア、キャロル・チャニング、ジェームズ・フォックス他
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<1967年度アカデミー賞作曲賞受賞作品>

長い間観たいなあ、と思っていたジュリーの「モダン・ミリー」。映画は観てないけど、サウンドトラックの
CDは、輸入盤を買って持っていました。ついにNHK-BSで放映され、録画しておきいそいそと観ました。
監督がジョージ・ロイ・ヒル(「明日に向かって撃て」「スティング」「ガープの世界」など)なので、よけいに
期待は高いものでした。
ジュリーのミュージカルというと、どうしても「サウンド・オブ・ミュージカル」が偉大すぎて、他の作品が
かすんでしまうのだが、この作品も、まさしくそうしたもので、アンダーレイテッドでしょう。
劇中の歌が、作詞:サミー・カーン、作曲:ジミー・ヴァンヒューゼン、映画の音楽が、エルマー・バーン
スタインとアンドレ・プレヴィンですから、悪かろうはずがないですね。「テーマ」「Baby Face」Do it
again」など耳馴染みの曲もあります。

ストーリーは、どちらかというとドタバタですが、この映画の素晴らしい点は、観ていてとてもハッピーな
気分になれることですね。往年の名女優ベアトリス・リリーが、一応悪役を演じてはいますが、、とても
愛すべき悪役でね。
1922年というと、この前観た「華麗なるギャツビー」の時代。いわゆる「ジャズエイジ」であり
「フラッパー」「チャールストン」、そして「禁酒法」の時代であります。第一次世界大戦が’19年に終わり、
’29の「世界大恐慌」までの10年間の近代アメリカが輝いていたころです。その後、アメリカも世界も
戦争の大きく長い渦の中に巻き込まれていくのですね。
閑話休題。そんな輝いていたアメリカ・NYを舞台に、カンザスの田舎から玉の輿に乗りたくてやって
きたミリー(ジュリー)、同じホテルに泊まることになる富豪の娘だが孤児のドロシー(ムーア)。この
ホテルは独身女性専用のホテルなのだが、女主人のミアーズ夫人(リリー)が、身寄りのない独身
女性客を睡眠薬で眠らせて、中国人の手下に、ランドリーボックスに入れさせて、チャイナタウンの
売春宿に売り飛ばすという商売をしていた。
玉の輿を目指すミリーは、パーティーでジミー(フォックス)と出会うのだが、彼女の心は、就職した
会社のボス、グレイトン部長に。しかししかし、グレイトンは、一目会ったとたんにドロシーに恋をして
しまう。ドロシーもグレイトンに心を奪われる。傷心のミリーにジミーがアプローチするが・・・。

そんなおり、ホテルからドロシーが忽然と姿を消す。部屋には衣装や小切手帳も置いたまま。不審に
思ったミリーたちは、ジミーを女装させてホテルに送り込み、何が起きるか確かめようとした。
しかし、ジミーは睡眠薬で眠ってしまい、ランドリーボックスに入れられてトラックで運ばれていった。
外で見張っていたグレイトン部長はミアーズ夫人の睡眠薬入り吹き矢で、クルマの中で寝てしまって
いた。

運転が出来ないミリーであったが、むちゃくちゃな運転でチャイナタウンに乗り込み、アヘン窟の中に
多くの拉致された女性を発見し解放するとともに、ジミーとドロシーも救出に成功した。
そして、追いかけてきたミアーズ夫人と対決し、見事退治したのであった。
ミリーはジミーと結婚、ドロシーとグレイトン部長も無事に結婚しましたとさ。落ちとして、頼りなさそうな
ビジネスマンだと思っていたジミーは実は大会社の副社長だったわけで、ミリーは、計画通り玉の輿に
乗ることが出来たわけだ。
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もう一人、忘れてならないのがキャロル・チャニング。ジミーの友人の富豪未亡人の役柄で出ているの
だが、飛行機を操縦したり、サーカスで曲芸を披露したり、まったく人生を愉快に暮らしている女性を
快演、映画に締まりを与えていた。
インターミッションがある長い映画ではあるが、当時31歳ではあったが、ジュリーがキュートで美しい。
田舎娘が次第に都会で洗練され、衣装も化粧も上手くなり美しくなっていく様子が楽しい。笑えるところも
随所にあり、幸せなひと時を過ごせる佳作だと思う。
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by jazzyoba0083 | 2009-02-21 21:30 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)

●「SF/ボディ・スナッチャー Invasion of the body snatchers」
1978 アメリカ United Artists.115min.
監督:フィリップ・カウフマン  原作:ジャック・フィニー「盗まれた街」
出演:ドナルド・サザーランド、ブルック・アダムス、レナード・ニモイ、ヴェロニカ・カートライト他
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「アイ・アム・レジェンド」「オメガ・マン」「インヴェージョン」「地球が静止する日」など、異星人やゾンビに
地球が乗っ取られる話を最近よく観る。実は昨日も奥さんに付き合って「アイ・アム・レジェンド」をもう一度
観た。

この作品は、作られた年代の割に、安っぽい特撮を排除し、上手く心理劇に作り上げている。監督の
「ライト・スタッフ」のカウフマンの手腕によるところが大きいのだろう。「タクシードライバー」のキャメラを
担当したマイケル・チャップマンの映像も良い。

宇宙のどこかの滅びゆく星から地球に安住の地を求めてやってきた生物が、本来の人間に入れ替わり
増殖していく。夫や友人がいままでとはまるで違う人格になっていく。気がついたら主人公とその周りの
一握りの人間のほかはすべて異星人にとりこまれていた。
宇宙から来た花が実を結び、そこから複製の人間が現れ、元の人間は消滅してしまう。
この謎を解きに走り回るのがサンフランシスコの衛生局係官ベネル(キーファー・サザーランド)。
最初に夫の異常に気が付き、ベネルと接触し、途中まではエイリアンたちと戦うが、ついには自分も
やられてしまう女性エリザベス(ブルック・アダムス)、彼らは精神に異常をきたしているだけだと、最初は
見方のふりをするが、実は異星人の親分格である精神科医キブナー(レナード・ニモイ)。
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何とか街を出ようとするが、仲間たちも次々とやられ、ついにはベネル一人になっていく・・・・。
ハッピーエンドではないが、観終わって不快な不条理を感じない。この手の映画は救いがない場合が多い
のだが、ここまでハッキリと終わらせれば、いっそすっきりする。
後に「ジュラシック・パーク」でマルコム博士を演じるジェフ・ゴールドブラムが、主人公グループの一人で
出演、街から脱出しようとベネルとエリザベスが乗るタクシーの運転手がドン・シーゲルだったりする。
私は気が付かなかったがロバート・デュバルもチョイ役で出ているらしい。古い映画はこういう楽しみが
あったりする。人面犬の突然の登場にはビックリこいたね。
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by jazzyoba0083 | 2009-02-21 16:40 | 洋画=は行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「エイリアンズVs.プレデター2 ALIENS VS. PREDATOR: REQUIEM」
2007 アメリカ 20th Century Fox Co.94min.
監督:コリン&グレッグ・ストラウス
出演:ステーヴン・パスクール、レイコ・エイルスワース、ジョン・オーティス、ジョニー・ルイス他
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あ~あ、シガニー・ウィーバーが宇宙船で、ガンダムみたいな衣装を着て対決していたころが懐かしい。
VFXにおぼれて、低予算で作られた、ボロ映画。時間の無駄だたった。第一、全編画面が暗い。
しかも途中でエイリアンとプレデターの戦闘のせいで発電所が壊され、停電だってさ(爆)!
暗い所が、なおさら暗くなり、何が何だかよく判らない。花もなければカタルシスもない。いくら宇宙人の
映画だからって、最後は一つの町ごと原爆で消してしまうって、あまりにも安易!だいたい何が映って
いるか判らん映画なんてクソだろ!

ストーリーをお読みになりたい方は下のリンクからallcimemaをお訪ねいただきたいが、ここでも
みなさんよほど腹を立てたのか、書き込みが多いこと。

丁寧に作れば、両方ともいいキャラクターなのに、もったいないというか、もう役目は済んだというか。
エンディングでは、続編があるようだが、この調子だと大外れは製作する前から判っちゃうな。
次作は、相当心を入れ替えて作ってもらわにゃ、私は観ませんよ!

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by jazzyoba0083 | 2009-02-19 22:40 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「Mr.ビーン カンヌで大迷惑!? Mr.Bean's Holiday」
2007 アメリカ Universal Pictures,Studio Canal,Working Title Films,89min.
監督:ステーヴ・ベンデラック
出演:ローワン・アトキンソン、エマ・ドゥ・コーヌ、ウィレム・デフォー、カレル・ローデン他
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う~ん、観ておいて言うのは気が引けるけど、この手の笑いはどう理解したらいいんだろうか?テレビで
Mr.ビーンが大はやりだったころも、私はほとんど興味が無かった。だから、今回、ローワン・アトキンソン
という喜劇人を始めてまともに観たことになる。
面白いところがないではないが、変顔のおじさんが、イギリス風のブラックたっぷりのお笑い?を振りまく
というもの、という理解でいいんだよね。この前観た「ワンダとダイヤと優しい奴ら」もイギリスの
モンティ・パイソン系のお笑いが基本だったが、ストーリーがきちんとしている分、映画としてはちゃんと
していた。比べちゃいけないんだろうけど、この映画は日本で言えばドリフの映画みたいなものかね。
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ストーリーは、教会のチャリティの懸賞でカンヌ観光とビデオカメラが当たったMr.ビーンが、映画監督の
息子の誘拐犯と間違えられながら、映画祭でにぎわうカンヌを目指す。その間の珍道中にギャグが
散りばめられている。笑ったのは、映画のロケに紛れ込み、ドイツ兵にさせられたMr.ビーン、足を水平に
あげるナチ式の行進をしているうちに、足が衣装ハンガーに引っかかって足が下りなくなったところ、
最後の映画祭で、上映されている映画が、「巻き戻しの人生」。途中から映写室に乱入したMr.ビーンが
映写機にビデオを繫いでしまい、これが「巻き戻し」状態になり、これが満員の劇場で上映される状態に
なり、それまで退屈だった観客が、やんやの喝さいとなるところくらいかな。
途中から道づれとなる女優志願の女優さん、どう見てもソニンなんだよなあ。

ま、次にMr.ビーンの映画があっても、もう、いいや、って感じでした。私はそうですが、この手の笑いが
ツボな人は、大いに楽しめるんだろうな。
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by jazzyoba0083 | 2009-02-18 22:40 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)