●「ことの終わり The End of the Affair」
1999 イギリス・アメリカ Columbia Pictures,101min.(R-15)
監督:ニール・ジョーダン
出演:ジュリアン・ムーア、レイフ・ファインズ、スティーヴン・レイ、ヘザー・ジョイ・ジョーンズ、イアン・ハート
e0040938_23423675.jpg

「第三の男」のグレアム・グリーンの小説の映画化。いかにもイギリス映画らしいな、と感じた。
不思議な3角関係、不倫を描くが、ラストのあたりでは宗教くさくなるのが、ちょっと鼻につくかな。

1939年のロンドン。小説家のモーリス・ベンドリックス(レイフ・ファインズ)は、題材にする高級官僚
ヘンリー(スティーヴン・レイ)の取材で、あるパーティーに行き、ヘンリーの妻サラ(ジュリアン・ムーア)に
出会い、二人とも一瞬にして恋に落ちてしまう。サラは、品行方正な夫との間に倦怠期を迎えていた。
結婚10年である。子供はいない。

激しく恋に落ちた二人は、ヘンリーのいない間に、当然のように肉体関係になり、その感情は抜き差し
ならぬものになっていく。一方で、まじめな夫を裏切っているという心の痛みも感じていた。
サラは、離婚しかない・・、と思い始めていた。
e0040938_234318.jpg

それから2年。物語は、なぜかモーリスがサラに怒りを覚えて、私立探偵にサラの素行調査を、ヘンリー
からの依頼と称して頼む。

そんなおり、サラから電話がかかってきて2年ぶりに会うことになった。久しぶりで会った二人の間は
冷え切っていて、憎しみさえ感じるような間に見えた。少なくてもモーリスはそう感じていた。なぜか。
そしてサラは嫌な咳をさかんにするようになっていた。後を付けた探偵は、ある部屋で男と会っている、
という情報を写真とともに提供してきた。自分であった。そのあとサラは教会に行って泣いていたという。

そして話はまた2年前に戻る。なぜモーリスがサラを憎むようになったかが明らかにされる。ロンドンでは
空襲が始まっていたが、二人の愛情は絶えることが無かった。激しくなる空襲の中でも、二人は
密会を繰り返し、愛し合っていた。ある日、爆撃が二人の寝室を襲い、爆風でモーリスは階段下まで
吹き飛ばされた。気がついたモーリスは、急いでサラのもとに行くと、彼女は必死に祈っていた。
モーリスはなぜ自分を助けに来なかった、となじる。 すると、サラは、もうお別れだわ、と言って
「誰よりも愛しているけど、もう会わないわ」と言い残し、モーリスの元を去って行ってしまったのだった。
それから2年が経ったのだ。

モーリスは探偵の息子を使って、サラの手紙を盗ませ、サラが他の男と会っている証拠がある、と話した。
嫉妬に駆られたモーリスは、更に探偵の息子を使ってその男の素性を暴こうと家に乗り込んだ。しかし、
その男は神父であった。

モーリスは今度は探偵にサラの日記を盗ませた。モーリスは日記を読んでみた。するとそこには衝撃の
事実が書かれていた。あの爆撃の日、吹き飛ばされたモーリスは確かに死んでいた。急いで駆けつけた
サラはすでに息のないモーリスの姿に狼狽し、ベッドの部屋に戻り、神に祈っていたのだ。「あの人を生き
返らせてくれたら、もうこの恋を終わりにして、二度とあの人とは会いません」と誓ったのだった。すると、
背後からモーリスがサラに近づいてきたというわけだった。
奇跡が行われたことを悟ったサラは神との約束通り、愛していたのにも関わらず、彼の元を去ったの
だった。モーリスはそれを知らず、彼女が他の男と浮気を始めて去って行ったと勘違いしたのだ。
e0040938_2344014.jpg

その後、サラは信仰に目覚め、神父のところにたびたび相談にいっていたりしたのだった。
加えて、サラの夫、ヘンリーには浮気相手がモーリスであることがばれてしまっていた。

真実を知ったモーリスは、サラの元に駆けつける。サラは、あなたが生き返って以来洗礼を受けて、信仰
に救いを求めて生きてきた。でも、あなたなしの人生は考えられない、耐えられない、と再び愛を告白
したのだった。再び愛し合うようになった二人。

夫のヘンリーは再び探偵を雇って二人の跡を追わせた。離婚の証拠が集まるのなら好都合と、窓越しの
キスの写真を撮らせるなどして、探偵を帰した。裁判になれば決定的証拠。サラは無事にヘンリーと離婚
できる。そして、密会していた郊外のホテルでモーリスはサラに求婚する。

モーリスはヘンリーに会い、離婚のことを言うが、離婚は無理だ、とヘンリー。手続きに3カ月掛かるという。
3か月なんて人生の一瞬だ、というが、ヘンリーの口からでたのは、「サラの余命は3か月」という衝撃的
なものだった。死なないかも、というモーリスに、ヘンリーは、君は無神論者で奇跡は信じないんじゃ
なかったか、という。だが、サラの最期を二人で看取ろう、内に引っ越してこいよ、とさそった。

そしてモーリスはヘンリーの家に引っ越し、二人での看病が続いた。多分肺結核か肺がんだたのだろう、
その頃は死病であった。夫と愛人と二人から愛されいる女性という奇妙な生活がしばらく続いた。

だが、やがて、サラは、神の元へ召され旅立っていった。抱き合うヘンリーとモーリス。モーリスは書く。
「サラを奪っていたあなたを憎む。あなたを憎む!神よ!」と。

火葬場。探偵も来ていた。そして言うのだ。あの女性はやさしい人でした。後をつけていた息子が寝込ん
でしまったとき、迷子だと思ったサラは、少年のほほにある大きなアザにキスをしていったのだが、
1週間後にアザが消えた、というのだ。

無神論者のモーリスは、こう書いた。「あなたは僕の憎しみを利用して存在を認めさせた。僕の願いは
ただ一つ。神よ、僕を忘れてほしい。サラに愛を。ヘンリーにも。どうか、僕を永遠に忘れ去って欲しい。
But leave me alone forever.」

ある愛の形を、悲しくもお洒落に描いた作品。激しいセックスシーンがあるのでお子様がいると観れま
せんが、時制の使い方も上手く、みな落ち着くところに落ち着いた、という感じで、いいロマンス映画
だったと感じました。レイフ・ファインズはこの3年前「イングリッシュ・ペイシェント」でオスカー候補と
なっていて、同じような悲恋の主人公を演じていましたね。似たような話は来るものなのでしょうか。
ジュリアン・ムーアは、全裸で体当たりの出演。頑張っていましたねえ。いい感じでした。薄幸の
女性をやらせると雰囲気ありますよね。探偵の親子がスパイスでした。ただ、最後は神との対峙になり、
探偵の息子のアザが消えた、という奇跡は、不要なような気がしましたが・・・。(それこそがこの映画の
言いたいことだったりして・・・)
この映画の詳しい情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-06-30 22:53 | 洋画=か行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「ゴーン・ベイビー・ゴーン Gone Baby Gone」
2007 アメリカ Miramax Films.The Ladd Company,114min.
監督:ベン・アフレック   原作:デニス・レヘイン 『愛しき者はすべて去りゆく』
出演:ケイシー・アフレック、ミシェル・モノハン、モーガン・フリーマン、エド・ハリス、エイミー・ライアン他
e0040938_0401233.jpg

重く、観終わって爽快な映画ではないが、考えさせてくれます。才人ベン・アフレック初監督作品で
弟のケイシーを使って作った社会派ミステリー。日本劇場未公開なのが信じられない。上出来な
映画だったと思うけどなあ。エイミー・ライアンはこの演技でオスカーの助演女優賞にノミネートされて
いますしね。(それほどの演技だとは思わなかったけど・・・)
ケイシーの登用の賛否は別れるところだろうな。悪くはないんだけど、いまひとつパンチがない感じ。
相棒のアンジーを演じたミシェル・モノハンの役どころが、ラストのラストまで生きていないのがもったい
ない。

ただの探偵ものミステリーか、思わせておいて、最後にはとても重いテーマを突き付けて終わる。

ボストン。幼馴染で同棲中のパトリック(ケイシー・アフレック)とアンジー(モノハン)は、街で起きた
4歳の女の子の誘拐事件の捜査を頼まれる。頼んできたのは、誘拐された母親の兄。もちろん警察
あげての捜査をしているのだが、兄嫁がどうも警察だけでは頼りない、裏社会に通じていないか、と
依頼してきたのだ。
パトリックとアンジーの仕事は、夜逃げした人を探すのが主なもの。犯罪の捜査は基本的には引受け
ないのだが。

捜査を指揮するのがジャック・ドイル警部(M・フリーマン)。そして前線で捜査に当たる二人組の刑事
レミー(エド・ハリス)とニック。パトリックとアンジーは、情報を求めて怪しい酒場に行くと、そこで
女の子アマンダが誘拐された時、母親のへリーンは、ここで2時間もの間、コカインを吸引していたという
証言を得た。二人の刑事にそれを知らせ、へリーンに問い詰めると、へリーンはコカインの運び屋を
ときどきやっていて、ある日暴走族にコカインを渡したところに警察が踏み込み、代金13万ドルを
へリーンたちの手元に残したまま逃げていったという。
e0040938_0405170.jpg

へリーンと一緒にコカインを運んだ男はすでに殺されていて、へリーンの自供から代金は庭に埋めて
あったところを押収した。
刑事レニーとパトリックたちは、麻薬売人の元締めであるチーズと呼ばれる男の元に行き、金は返す
から女の子を返せ、と迫る。しかし、チーズたちは金は確かに消えていたが、女の子のことなどは
知らないと、パトリックたちを追い返す。

しかしその後にチーズから電話がかかり(これがあとで嘘だとわかるのだが)取引をしたいという。
郊外のダム湖畔に4人で来い、という。行ってみると、レニーらのチームのほうで銃撃戦が始まり
何かが湖に落ちた。アンジーは、高い崖から湖に飛び込み、浮いている人形のそばを探すが、
アマンダは結局見つからなかった。違法な捜査をしたということで、指揮を執っていたドイル警部は自主
退職となった。アマンダ行方不明事件は、チーズらの犯行で犯人も被害者も死亡という形で決着した
ように見えた。

そうこうしているうちに、また7歳の男の子が行方不明になるという事件が発生した。パトリックたちが
アマンダ事件の時に最初に疑ったジャンキーの居場所が判ったと、もう一人の麻薬の売人から、情報
が入った。まずパトリックたちが、そこを訪ねると、少年性愛者が腕に行方不明になった少年が付けてい
たメダルを付けているのを目撃した。そこでパトリックたちはレニー刑事たちとSWATの応援を受けて、
屋敷に近づくと、中からいきなり銃撃してきた。そこでレニーの相棒刑事ニックが撃たれてしまう。
パトリックも銃を手にして中に入ると、あの異常性愛者の部屋にすでに殺されていた行方不明の男の子
の姿があった。頭に血が上ったパトリックは無抵抗だったこの男をその場で射殺してしまった。
e0040938_0414465.jpg

男の子の行方不明事件が解決したが、パトリックには消えない疑問があった。最初にアマンダの捜索を
依頼してきた兄が嘘をついている、と見たパトリックは彼を追い詰めて自白に追い込む。
彼が言うには、その夜アマンダに本を読み聞かせていると、妹のへレーンと仲間が、大金が入ったので
娘を捨てて州外に逃亡する、とう計画が聞こえてきた。アマンダが孤児になってしまうことに危機感を
いだいたへレーンの兄は知り合いだったレニー刑事に相談、レニーは、ドイル警部に相談し、アマンダを
誘拐した、ということでドイル警部の家に引きとる、という計画を立てたのだ。そして、計画外であった
パトリックたちの登場に対し誘拐の犯行を麻薬取引をしている奴らに罪を着せることにしたのだ。
ダム湖畔で、待ち伏せておいてチーズを殺し、逃げた仲間も殺した。兄はパトリックにはそこで、目を
離したすきにアマンダは目隠しされていたため誤って走る方向が判らず湖に落ちた、と説明した。
しかし、それも嘘だった。
兄がパトリックに真実の一部を話している時に、その酒場に覆面をかぶった強盗が入ってきた。
パトリックにはすぐ判ったのだが、レニー刑事が、真実を告白しようとしている兄を消そうと強盗を装って
来たのだが、あまりにも二人に気を捕らわれているうちに、バーテンダーに胸を2発撃ちこまれ、
逃げるが、絶命してしまう。

アマンダはドイル警部の家にいる、と確信したパトリックだったが、アンジーは止める。パトリックは
ドイルに、あなたのやっていることは間違っている、と説得する。しかしドイルは、アマンダはダメな母親の
元に戻せばまた不幸になる、と逆にパトリックに説明する。パトリックは、あなたは実の母親から娘を
奪ったのだ、と譲らない。パトリックは警察に通報してあって、ドイル警部は逮捕される。
アンジーも考えはドイル警部と同じで、アマンダは不幸になるから、という自分の意見を聞かなかった
パトリックの元を去っていく。

マスコミも大騒ぎの中、アマンダは母親の元に戻った。しばらくしてパトリックがアマンダの様子を見に
いってみると、へレーンは、男とのデートに出かけるところ。アマンダの世話は友人が見るという。
結局、ダメな母親はダメなまま。テレビを相手につまらなさそうなアマンダを、複雑な目で見る
パトリック。結局、実のダメ母より、アンジーの言うとおりドイル警部の元で幸せに暮らしたほうが良かった
のか・・・。

12歳の子供を事件で失ったドイル警部を中心に、子供が傷つけられることを酷く憎むレニー刑事、
相棒のニック刑事、そしてアマンダには叔父にあたる母親の兄らは、みんなアマンダの将来を心配して
誘拐狂言を仕立てたのだった。狂言を仕立て、罪のない麻薬売人らを屑だからといって次々に殺し
罪を着せるのは確かに良くないが、ダメな母親の元に戻ったアマンダは幸せになれるのだろうか、
かなり不安な印象を残して映画は終わる・・・。

事件が起きて登場してくるモーガン・フリーマンとエド・ハリスは、ただの警察じゃあないな、と思えて
しまうが、ラストの持って行きかたが普通ではないので、いい意味で裏切られた。
ケイシー・アフレックは口では強がっているのだが、黒人街で麻薬の売人たちを相手にこわもての
セリフで交渉していくには、いささか眼力が弱い気がした。
原作がいいんでしょうね。それを脚本が上手く仕上げた。ベン・アフレックも初監督としては手堅かった
のではないかな。M・フリーマンとE・ハリスは、さすがだね。この二人が別な人だと映画は実に
変わった映画になっていたことだろう。
この映画の情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-06-27 22:55 | 洋画=は行 | Trackback(2) | Comments(0)

白いドレスの女 Body Heat

●「白いドレスの女 Body Heat」
1981 アメリカ  The Ladd Company,Warner Bros.113min.
監督・脚本:ローレンス・カスダン  音楽:ジョン・バリー
出演:ウィリアム・ハート、キャスリーン・ターナー、ミッキー・ローク、リチャード・クレンナ、テッド・ダンソン
e0040938_19595082.jpg

28年前の映画です。クラシック作品にはなれない作品の、時代の古さは否めません。個人的にはジョン・
バリーの全編Jazzを使った音楽が、雰囲気を盛り上げていて好きでした。でも考えてみれば、この頃の
作品でジャズを上手く使った作品は、「タクシードライバー」を筆頭にウディ・アレンやクリント・
イーストウッドの作品にもありましたな、デ・パルマにもあったような・・・。
「スター・ウォーズ」シリーズの脚本を手がけた人の作品というので期待してみたのですが・・・。
感想はB級の香りがプンプンと臭う。それなりに面白いのですがね。最近作「ヴァンテージ・ポイント」
では、すっかり禿げ上がった大統領を演じていたウィリアム・ハート、後に「ロマンシング・ストーン」など
でマイケル・ダグラスとの競演も多い若きキャスリーン・ターナー(デビュー作)が主役を務めるのだが、
ウィリアム・ハートにどうも迫力が無いんだな。(それでいいのか=爆)

ストーリーは単純で、ラストに大どんでん返しがあるものの、それも含め既視感がある、のか、この
作品の後に同じような作品が並んだのか、どこかで見たような感じが・・・。

あまり腕の良いとは言えず、かつ女好きな独身弁護士ネッド・ラシーン(ハート)は、あるパーティーで
謎の女マティ・ウォーカー(K・ターナー)と出会う。舞台はフロリダ半島のどこかの夏、暑さが強調され、
熱気が画面を包む。最初にちょっかいを出したネッドに、マティは「結婚してるのよ」と、逃げるそぶりを
するが、結局は「送っていくだけだから」と旦那がいない彼女の自宅に。「送っていくだけ」なんてある
わけないわけで、たちまち男女の関係になる・・・。

マティの旦那というのが、不動産や投資をしている得体のしれない結構いかがわしいやつで、殆ど家に
居ない。無聊を囲っていたマティに接近してきたのがネッドと言う感じ。
二人は、このまま二人で愛し合い続けるには旦那を殺すしかない、と思い始める。そして爆弾屋
(ミッキー・ローク)に爆弾を作らせたうえ、ネッドが旦那の寝込みを襲い、木片で頭を殴り殺してしまう。
そして遺体を旦那が買い占めた海岸の今は使われていない古いホテルに運び、爆弾を破裂させて
放火する。

莫大な遺産がマティの元に入ることに。しかも、生前に書き直されたという遺言(遺産はマティと姪に
半分づつ分けるという)が、マティの親友であるメリー・アンの立会いで書かれたというのにも関わらず
マイアミ州では無効とされ、全財産がマティの元に入ってくることに。これはマティがニセの遺言書を
書き、全部の遺産が自分に来るようにしていた計画的なものだった。

マティの親友の検事と刑事は、夫殺しはマティが臭いと周辺を探るうちに、実は友人たちが、マティは
魔性の女だから近づくな、と言っているのに、公然と逢いつづけているネッドにも疑惑の目を向ける
ようになる。そのうちに爆弾を作った男が拘束され、呼び出されたネッドが面会にいくと、マティから
爆弾をもう一つ作るように依頼された、という。ドアを引くと爆発するタイプを作ったという。

するとマティから電話があり、東屋に殺した夫が無くしたらしいめがねを隠しておいたから、先にいって
取っておいて、との電話が入る。ここでネッドはピンと来る。やはり彼女は自分も殺して、遺産を全部
独り占めにする気だ、という事を理解する。
東屋に行って、マティを待ち、彼女を責めると、私の真の愛情を信じて、と言い残して自ら爆弾を破裂
さえて死んでしまった。ネッドは夫殺しの容疑者として逮捕されるが、面会にきた友人の刑事に、
マティは死んでない、と主張する。歯型も調べた、という刑事だが、その後、高校の卒業アルバムを
取り寄せて調べると、ネッドの言う通り、マティこそ、メリー・アンという女性で、マティという女性は全然
別人だったのだ。

メリー・アンはマティに成りすまして結婚し、財産を独り占めするために、ネッドを引き込んで愛している
ように見せかけて旦那殺しを実行させ、本物のマティを殺して東屋に隠しておき、仕掛けた爆弾でネッド
ともども殺し、夫を殺害した夫人と愛人が共に死んだ、と見せかけようとしたのだ。死んだのは本物の
マティであるから歯型は合うわけだ。

全ては魔性の女メリー・アンが仕掛けた財産狙いの夫殺しの犯罪であり、ネッドはその片棒を担がさ
れたに過ぎなかったのだ。ラスト、南の島で海岸に寝そべるメリー・アン(マティ)の横には、新しい男の
姿が・・。
e0040938_2002876.jpg

80年代映画らしい、ゆるさも感じるが、キャスリーン・ターナーは、体当たりの演技でデビューを飾った。
今の映画のようにやたらに複雑でないので、大どんでん返しも判りやすい。ハッピーエンドではないが、
それはそれで許せちゃうタイプの映画だな。
この映画の情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-06-25 22:55 | 洋画=さ行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 The Mummy:Tomb of the Doragon Emperor」
2008 アメリカ Universal pictures,The Sommers Company,112min.
監督:ロブ・コーエン
出演:ブランダン・フレイザー、ジェット・リー、マリア・ベロ、ジョン・ハナー、ラッセル・ウォンほか。
e0040938_20113214.jpg

このシリーズは全部見ていますが、どうも印象が薄いなあ。今回もこれまでの座組みを忘れちゃって
いるので、全く新しい映画として観た感じ。そういえば、奥さんがレイチェル・ワイズではなかったねえ。
全然覚えてなかったよ。

2000年前の中国、秦の始皇帝と思しき皇帝は、苛烈な戦争を経て中国全土を統一、捕虜たちを
工事現場に埋める形で万里の長城を築いた。欲しい物は全て手に入れた皇帝は、不老不死の秘宝を
腹心の将軍に探しに出かけさせ、ツイ・ユアンという呪術師を宮廷に招き入れた。彼女は不老不死の
決め手はありません、しかし方法は知っていますと。再び腹心の将軍と呪術を書いた文書を手に
入れに出かけ、これを手にして皇帝の前に現れた。
最初に会った時から将軍はツイ・ユアンを気に入っていて、腹心の将軍に「手を出すな」といわれて
いたのだが、文書を取りに出かけたときに二人は深く愛し合うようになっていた。

不老不死の呪術を手に入れた将軍はツイに「望みを叶えよう」と。ツイは「将軍と永遠に結ばれますように」
と願い出る。一旦了解したように見せた皇帝は、将軍に裏切られた恨みを、将軍を殺すことで晴らした。
激怒したツイは将軍に腹を刺されるが、逃亡に成功。更に将軍とその軍隊に呪いを掛け兵馬傭にして
しまったのだった・・・。

1946年、中国の砂漠では、皇帝の巨像が発見されていた。見つけたのは、リックとエブリンの長男
アレックスであった。一方、もう冒険からは引退して平和に暮らそうとしていたリックとエブリンの元に
外務省から、上海の博物館に、持ち主を不死の泉に導くという「シャングリラの眼」と呼ばれる巨大な
ブルーダイヤを届けてくれと頼まれる。上海には義理の兄もいるので、出かけてみることに。

発掘して展示されていた皇帝と馬車を見物していたリックとアレックスの元に皇帝の復活を臨む軍隊の
将軍が、ダイヤを奪いに現れた。そこにツイの娘と称するリンも現れ、彼らの窮地を救うが、ダイヤの
聖水は、皇帝に注がれ、皇帝は復活してしまう。

更に、このダイヤをあるところに置くとシャングリラの入り口を示す、と言われていて、皇帝とリックらは
リンに導かれてヒマラヤのふもとにあるストゥーパに接近する。皇帝と将軍の一隊も後を追ってくる。
そこで大銃撃戦になるのだが、なんとリンの仲間の雪男(イェティ)が3頭現れて、彼らを守ってくれる。
だが、リックは、塔の上にダイヤを掲げようとする皇帝と戦い、深い傷を負って瀕死となってしまう。

結局皇帝はダイヤを塔の上に置き、そこから放たれた光線でシャングリラの入り口を見つける。
重態のリックをイエティが運んでくれて、入り口から中へと入ると、中にはツイの姿があった。
リックはツイの手でシャングリラの命の水がかけられ、死の淵から生還した。
そこに後から皇帝と将軍の一隊も追いかけてきて、皇帝はついにシャングリラの不死の泉に入り、
3つの頭を持つドラゴンに変身したのだった。そして自分の墓所に兵馬傭として閉じ込められた
兵隊を呼び覚ますことに成功した。一方ツイとリンは、呪術を使い、2000年前に皇帝に虐殺され万里の
長城の地下から多数のゾンビを呼び覚ますことに成功、ついに皇帝軍とツイの軍の決戦が始まった。

ツイは愛する人を殺した皇帝を許せず、皇帝と剣で対決、健闘空しく切られて絶命する。彼女はゾンビ
部隊の復活と引き換えに不死の命を返上したのだった。激しい戦闘の末、ツイとリンが持ちつづけてきた
聖なる剣で、皇帝の心臓を貫き、皇帝は破裂して消え、兵馬傭らも消えて砂くずとなっていった。
勝利したゾンビ軍も、砂となり天高く舞っていったのだった。

冒頭、2000年前の中国の様子が説明されるのだが、そのあたりからわくわくしてきて、シーンが
1946年のイギリスに転換、さて呪いを掛けられた将軍はどうやって復活してくるのか、と期待を
持たせるが、あとはCGをバリバリに使った「マンガ映画」だ。イエティの登場、皇帝のキングギドラ?への
変身、シャングリラのいとも簡単な登場、など「あれあれ!」「おいおい!」と呆れ返りながら観ていました。
B級活劇映画と断じましょう。アメコミの洒落た洗練性もないな。

一つだけいい点は、物語の展開が早いので、映画自体は活劇に終始しあっと言う間に終わるところ。
アレックスとリンの淡い恋の話もあるのだが、ホンの付けたし。マンガチックなお子様ランチでした。
一番かっこよかったのは漢字をデザインした赤と黒と白のエンドタイトルロールかな。
この映画の情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-06-24 22:55 | 洋画=は行 | Trackback(2) | Comments(0)

ラヂオの時間 

●「ラヂオの時間」
1997 日本 フジテレビ・東宝 103分
監督・脚本:三谷幸喜
出演:唐沢寿明、鈴木京香、西村雅彦、戸田恵子、井上順、細川俊之、奥貫薫、梶原善、モロ師岡
    布施明、近藤芳正、並木史朗、田口浩正、藤村俊二、渡辺謙、小野武彦、市川染五郎ほか。
e0040938_034816.jpg

三谷作品は最初が「THE 有頂天ホテル」で、次が「ザ・マジックアワー」で、今回が初監督作品という
ことになる。いつもの三谷組の出演者たちと、軽妙な脚本、関東喜劇の王道ともいうべき笑い。
ラジオのスタジオで繰り広げられる三谷お得意のシチュエーションコメディだ。最初チョロチョロ中パッパ
てな感じで、しり上がりに好調になっていく。

ちょいとこうした業界に身を置くものとして、「いるんだよなあ、こういう人」という面と「全然ありえないよな」
と判ってしまう面が半ばしたが、後半のいよいよ生放送が始まってからの時間は、クレイジー・キャッツも
かくや、というドタバタ系のお笑い。そしてディテールに拘る三谷流のこだわりが笑いを誘い始める。
最初から笑いっぱなし、って人がいるけど、そこまでは・・・。確かに面白い映画ではあったが、
2作、3作と作り続けることで、完成度は上がっていくような気がします。

懸賞ラジオドラマ小説で優勝し、生ドラマ化されることになった主婦、鈴木みやこ(鈴木京香)。スタジオ
ではリハーサルが行われていた。しかし、主役の千本のっこ(戸田恵子)が、役名を嫌って駄々を
こねたことから、すべてのトラブルが始まる。
優柔不断なプロデューサー牛嶋(西村)は、律子、という名前をメリー・ジェーンにしてしまう。そうすると
舞台は日本ではなく、NYに。職業もパチンコ屋に勤める主婦、でなく、女弁護士に。自分の台本が
どんどん変えられてしまうけど、素人だから文句は言えない。書き直しもスムーズでないので、牛嶋は
深夜放送に来ていた構成作家のバッキーさん(モロ師岡)に、書き直しを頼む。そうすると、台本は
ギャングものになり、ミキサー(田口)のこだわりから舞台がシカゴに変更、相手の男を演じる浜村(細川)
も、自分も英語の名前に、しかも、漁船の船員ではなくパイロットがいい、と言い出す。
そうなるともう主婦の書いた台本はどこへやら。矛盾につじつまを合わせるために、物語はどんどんと
変な方向に進んでいくのだった・・・。
そして本番の生放送の時間、午前0時がやってきた。ところが効果音CDのレコード室が誰かが鍵を
持って帰ってしまい開かないため、ディレクターの工藤(唐沢)らは、昔、音効マンをしていた守衛(藤村)
をスタジオに連れてきて、その場で音を作っていくという始末。
e0040938_0345885.jpg

スタジオでは、メリー・ジェーンと自動車販売員で夫のハインリッヒ(井上)夫婦が危機を迎えていたところ
からスタート。しかし、役者たちのわがままで、話は途中で止まり、また話が変わり、と危機の連発。
大波の海辺で出会うメリー・ジェーンとドナルド・マクドナルドのはずが、シカゴに海がないことが判り、
急遽山の中でダムの決壊に会うことになったが、パイロットが山にいるか?という矛盾が発生。
メリー・ジェーンがダムの決壊にあうころ、ドナルド・マクドナルドはハワイ上空で消息を絶つことに。

しかし、編成の堀ノ内(布施)が、スポンサーから文句が入った、まずいよお牛嶋ちゃん、と迫ると
こんどは、ドナルド・マクドナルドはパイロットはパイロットでもNASAのロケットのパイロットで、宇宙の
かなたへ消えていく、という結末にしよう、と牛嶋。これにはさすがに主婦作家のみやこも怒り、主人公の
二人は再開してハッピーエンドでなければいやだ、といいスタジオに立てこもってしまう。

それまで、牛嶋のいいなりの仕事をしてきた工藤だったが、頭に来て席を立つ。しかし、エンディングを
何とかみやこの台本通りにやってあげたい、それは彼女のためではなく、自分の仕事のためであった。
そして、帰ってしまうところのドナルド役の浜村を玄関先で捕まえてスタジオに連れ戻し、何とか
ラストだけはみやこの台本どおりに終えたのだった。
e0040938_0352664.jpg

このドラマを聴いているトラックの運転手役の渡辺謙がラストでおいしいところを持っていく。可笑しかった
のは、細川をむりやりスタジオに連れ戻し、ハッピーエンドのセリフを無理やり言わせようとするところ、
藤村俊二の効果マンがラストに打ち上がる花火を体を使って音をだすところ、ハインリッヒ役の井上順が
台本を変更している間の場つなきで、その夜の巨人戦の成績を、役のまましゃべり間を持たせるところ、
廊下で打ち合わせをしているのにお掃除のおばさん(宮本信子)が大きい音を出してじゃまするところ
などかな。まだ初々しいADの奥貫薫が可愛い。ナレーター役の保坂卓を演じた並樹史郎、役者の中の
ムードメーカー、ハインリッヒ役広瀬を演じた井上順が良かった。もちろん、プロデューサーの西村雅彦
は、風見鶏で人の顔色を見ながら世の中を渡っていく人種を、好演。(なぜかプロデューサーって
ブレザー姿なんだよね。ディレクターの唐沢の恰好はディレクターという人種をおちょくっているのか、と
思わせる服装。そして編成マンの布施明のワイシャツとネクタイの色。細かいところに拘ってます)

もともと東京サンシャインボーイズの舞台劇だったもので、基本はスタジオサブ。そして出演者の濃い
個性。これらが三谷脚本と演出で、喜劇として完成度の高いものに仕上がっていた。
「あるある」と思わせるところと、「ありえねえ」と思わせるバカバカしさの手際良い融合は三谷脚本の
真骨頂だろう。それにしても、中断があんなに長いドラマや途中で延々とテーマが流れたりニュースが
入ったりするドラマも普通はありません。スタジオの時計を観ているとどうやら2時間のドラマだったらしい
けど、そんなに長いラジオドラマもありません。それにしても笑った。
この映画の情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-06-23 23:10 | 邦画・旧作 | Trackback(1) | Comments(0)

●「いつも二人で Two for The Road」
1967 アメリカ 20th Century Fox Films,112min.
監督:スタンリー・ドーネン  音楽:ヘンリー・マンシーニ
出演:オードリー・ヘプバーン、アルバート・フィニー、ジャクリーン・ビセット、ナディア・グレイ他
e0040938_23174543.jpg

フレデリック・ラファエルの小説「愛情の限界」を彼自身が脚色した、夫婦関係再構築ロードムービー。
結婚して十数年、かなり大きな娘もいる夫婦。夫は高名な建築家マーク(A・フィニー)、妻は多忙で
浮気性の旦那に愛想がつきかけているジョアンナ(ヘプバーン)。彼らが立て目のベンツのクーペで
南仏をドライブ旅行する。会話は極めて剣呑である。

思い出すのは20年前、同じ南仏でヒッチハイクで知り合った二人の若い頃の情熱にあふれて愛に打ち
込んでいた頃だった。建築学を学ぶ学生と世間知らずのお嬢さんであった二人は、お金もなかったが
純粋な愛情にあふれていて旅行するうちに愛し合うようになり、結婚した。しかし、その後、夫の仕事が
忙しくなったりして、二人の間に溝が出来始める。夫は浮気をし、妻も、ボーイフレンドを作ったり。そして
離婚という言葉も出てくるようになる。
元へ戻そう戻そうとすればするほど、事態は逆の方向に。

現在と過去が細かくカットバックされ、最初は古いMGのオープンカー(おそらく'50年代後期のTDかTF)
次いで多分フィアットのスポーツカー、そしてベンツのスポーツカーとクルマが暮らし振りの上昇を
イメージする。
結局、夫も妻も自分が愛されたい、と思うばかりでお互いのことを考えなくなってしまっていたことに
原因があり、それに気がついたとき、二人の愛は再確認されたのだった。
e0040938_23181414.jpg

スタンリー・ドーネンというと、私はなんと言っても「踊る大紐育」「雨に唄えば」「略奪された7人の花嫁」
などのMGMミュージカル。後期の映画はあまり興味がないのです。この映画もカットバックの多用という
斬新な演出手法で描かれてはいますが、いまいちハッピーな気分になれない。良く考えれば本作の
主人公は二人ともわがままで身勝手なんですよね。観ていて「いい加減にせえよ!」と言いたくなって
しまいます。そのあたりが演出手法とのギクシャク感を出してしまっているように感じました。

ヘプバーンはこの映画では37歳。美しいですが、すでにピークは過ぎていて衣装の方に目が行きまし
たね。
さすがにヘンリー・マンシーニの曲は実に60年代の映画音楽らしく美しくまた映画に良くあっています。
オスカー(脚本賞)にノミネートされているので、玄人筋には評判はいいのでしょうね。
この映画の詳しい情報はkちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-06-22 22:30 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「ハンティング・パーティー The Hunting Party」
2007 アメリカ、クロアチア,ボスニア・ヘルツェゴビナ Intermedia,The Weinstein Co.,101min.
監督:リチャード・シェパード
出演:リチャード・ギア、テレンス・ハワード、ジェシー・アイゼンバーグ、ダイアン・クルーガー他
e0040938_23243447.jpg

旧ユーゴ・スラヴィアや、旧チェコ・スロバキアを舞台にした映画は数々あるが、日本人がきちんと政治や
宗教の歴史を知らないまま鑑賞すると、話がとても見えづらくなるのが常であった。
本作も舞台が製作国を見ても判るとおり、そのあたりだ。だが、話はジャーナリストの思いに寄っている
ので比較的判りやすかった。ただし、現実の政治や宗教を借景にして話に一応の厚みをつけている感は
免れず、テーマの割にはお話は軽かった。映画の冒頭に「作り話と思われる部分が真実だ」という意味の
クレジットが入るとおり、ベースには実話がある。

『1990年代、深刻な内戦を引き起こし、多くの死者を出したボスニア紛争。その中で国際的にも大きな
問題になったのが8000人が殺害された「スレブレニツァの虐殺」。虐殺の首謀者カラジッチは国際法廷で
有罪判決を受けたが、いまだに捕まっていない。
本作はそのカラジッチをモデルにしたフォックスという男を、スクープを狙うジャーナリストたちが追う社会
派エンタテインメントだ。シリアスな問題を提起しながらも、冒険もののテイストを生かし、後味のいい
仕上がりになっている』(goo映画)

戦場ジャーナリストは板子一枚下は地獄の厳しい職業だが、一度味を占めると、収入が良いこともあり
止められなくなるものらしい。アメリカのジャーナリスト、サイモン・ハント(ギア)とダック(T・ハワード)は
数々のスクープをモノにし表彰もされてきた。しかし、現地の状況が余りにも酷く、国連やNATOの
やり方が気に入らないハントは、生中継の時に、ついに切れて国連などを批判するリポートをしてしまい、
クビになる。カメラマンのダックは、逆に昇進し、アメリカの本社でセレブなスタジオカメラマン生活となった。
e0040938_2325625.jpg

ハントは落ちぶれ、ダックは、本来の自分の活躍の場所は戦場にある、と確信し副社長の息子で
プロデューサーのベンと共に再びボスニアに渡る。
ハントとダックとベンはチームを組んで、多数のムスリムを殺戮した国際的戦争犯罪人フォックスから
インタビューを取ろうと計画した。殺されそうな目にあいながらも、マルヤナ(クルーガー)やボリスらの
手引きで、フォックスに接近する。そして、彼らは逆にフォックスと捕らえ、虐殺の舞台になったムスリム
の村に放置したのだった・・・

社会派映画というよりアクションムービーとして割り切ってみたほうが楽しいでしょう。2時間に満たない
映画の中で、このあたりの背景や人物設定まで描ききるのは大変だと思う。だから、そこそこの点で
活劇として楽しめばいいと思った。リチャード・ギアは御歳をめされたが、ヒトクセあるジャーナリストを
上手く演じていた。カメラマン、ダックを演じたテレンス・ハワードは、人間くさい役どころを味のある演技で
こなしていたと感じた。是非に、とはお勧めしないが、ジャーナリズムに関した活劇がお好きな人は観て
損はないと思う。私としては、メル・ギブソンの古い映画「危険な年」のジャーナリストの方が面白かった
けど。
この映画の情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-06-21 17:30 | 洋画=は行 | Trackback(2) | Comments(0)

●「ターミネーター4 Terminator Salvation」
2009 アメリカ Columiba Pictures,The Halsyon Co.,114min.
監督:McG
出演:クリスチャン・ベイル、サム・ワーシントン、アントン・イェルチン、ムーン・ブラッドグッド、コモン他
e0040938_15293265.jpg

本来は「愛を読む人」を観に行く予定だったが、本作の評判が良いので急遽変更し観賞。20日はMOVIX
20周年で誰でも1000円。覚悟して行ったが、朝一番は案外の人出。「トランスフォーマー・リベンジ」とか
「Rookies」とかやっていたのに。みんな知らないんでしょうね。閑話休題。

さて、本作。評判通り、面白かったです。ドキドキ感たっぷりで、あっという間の2時間弱でした。ただし、
物語的には、物足りないでしょう。200億円(!)をかけたILMを中心にしたデジタル映像技術を堪能
するには面白い、と言っておきましょうか。だから男の子向けの映画だと思いますよ。
ストーリーの迫力は、T-1やT-2に負けます、はっきり言って。でも面白い映画だと思いますね。
エンターテインメントとして。スカイネットの繰り出すロボットやバイク型ターミネーター、トランスポーター
と呼ばれる輸送機、どなたかが言っておみえだったが「バカの極北の面白さ」の「トランスフォーマー」
とは種類の違うVFXの迫力が味わえます。それとT-1,2を観た人には話が共通しているし、その時代に
新型といわれるT-800型のターミネーターが、1ではシュワちゃんが演じていたので、この作品でも
カメオ出演しております。
<以下、ネタばれしております>

映画はコロムビアのロゴからすでにターミネーターの世界。登場する死刑囚マーカス・ライト(サム・
ワーシントン)は、スカイネットのセレナ(ヘレナ=ボナム・カーター)に、未来の人類を守るために(という
ウソ)2度目のチャンスに賭けてみなさい、と献体の署名をさせるところからスタート。

そして「審判の日」を過ぎた地球は、スカイネットの機械軍と抵抗軍によって戦争状態が続いていた。
抵抗軍のリーダー、ジョン・コナー(クリスチャン・ベイル)は、ターミネータたちを中心とするスカイネットの
機械軍と戦っていた。抵抗軍LA支部ではカイル・リース少年とスターと呼ばれる声の出せない10歳くらい
の少女が、戦っていた。そんなLAにマーカス・ライトが出現する。
e0040938_15301497.jpg

この時点でマーカスは味方なのか敵なのか判らない。ジョン・コナーは母からのカセットテープで、自分
の父親になるカイル・リースを保護しなければならない。そしてマーカスもカイルを追っていたのだ。

カイルは、LAではカイルとスターを守りながら機械軍と戦闘を繰り広げるが、カイルらは囚われの身と
なりスカイネットの本部へと送られてしまった。さらに、その戦闘を支援に来て、機械軍のとハンターキラー
とよばれる戦闘機に撃墜された抵抗軍の戦闘機パイロットのブレアも救う。そうしてブレアに導かれ
コナーらがいる基地に案内される。しかし、地雷原で負傷してしまう。基地内で手当てを受けたのだが、
傷口を診たコナーらは、マーカスが巧妙に作られた人間とロボットのハイブリッド型ロボットであることを
知る。
e0040938_15305564.jpg

しかし、マーカスは自分が誰で、何を目的にここにいるのか判らない。そして、破れた皮膚から覗く体内の
機械を観て、自ら大いに驚く。「誰だ、俺をこんなにしたのは!」と。コナーらはマーカスを鎖で縛り
解体しようとするが、マーカスは、自分はお前らの敵ではない、マーカスはスカイネットに連れ去られた、
と説明するが、コナーらは信じない。

自分の命を救ってくれたマーカスが解体されるのに賛成できないブレアは、マーカスをひそかに逃がす。
しかし、コナーらの追跡に追い詰められるが、コナーの乗ったヘリが墜落、機械軍の機械うなぎみたいな
ロボットに囲まれたとき、マーカスがコナーを救った。そして、コナーは、俺がスカイネットの中枢に入り、
手引きをする、というマーカスを信じ逃がす。

抵抗軍は、所詮は機械であるスカイネットのロボット軍のスイッチを切る短波を探り出し、実験の結果、
ある周波数の短波で、機械が止まることを突き止めた。
そこで抵抗軍司令官は、4日後にスカイネット中枢部に総攻撃をかけることを命令した。しかしコナーらは
スカイネットにはたくさんの人間が囚われていて、彼らを見殺しにするわけにはいかない、しかも自分の
父親であるカイル・リースがいる。彼が死んだら自分もいなくなってしまう。コナーは司令官に「皆殺し
にしたら、その勝利に何の意味がある?」と叫ぶが(司令部は、潜水艦の中)、司令官は、命令に背く
コナーを解任してしまう。しかし、コナーは無線で抵抗軍に、爆撃には参加しないでくれ、機械軍と変わら
ないことになってしまう!と要請する。

一方、スカイネットから未来に送り込まれてきたハイブリッド型ロボットであるマーカスは、スカイネットの
中枢部に難なく入れた。彼の手引きでスカイネットに侵入する。マーカスが中枢部に行くと、セレナの
映像が現れ、「あなたは、スカイネットにより侵入型ロボットとして、カイル・リースを抹殺するために
未来に送り込まれたの」と説明して見せる。心臓も人間のものであるマーカスは、献体と引き換えに
自分に何が起きたかを理解、首の後ろに埋め込まれた指令装置を自分の手でひきはがして、
カイル救出に向かった。そのころ、コナーも中枢部に潜入。そこで、大量のT-800型ターミネーターが
作られているのを目撃したのだ。(ここでハダカのシュワちゃん登場!コナーらに襲いかかる)
一方、潜水艦の司令部から爆撃命令が出されたが、コナーの指示を受けていた部隊は動かない。
しかも、あの短波作戦は、スカイネットの罠であり、そのせいで潜水艦は居所を突き止められ、攻撃を
受けて破壊されてしまう。
e0040938_15313970.jpg

T-800型に追い詰められ、一旦は絶命するマーカスだったが、コナーの電気ショックで蘇生し、再び
ターミネーターと対決、コナーが瀕死の重傷を負わされたとき、マーカスがターミネーターの首を撥ねて
勝敗を決した。捕虜となっていた人間を開放し、重傷のコナーを連れ、カイル、スターらとヘリで
中枢部を脱出、T-800型の推進装置である核エネルギーに爆弾を仕掛けてきたコナーらは、スターの
機転で起爆装置を手に入れ、スイッチを入れ、スカイネットの中枢部は核爆発を起こし壊滅したので
あった。
e0040938_15321872.jpg

抵抗軍の基地に戻ったコナーらであったが、彼はもうほとんど駄目であった。そのとき、マーカスが
自分の心臓を使え、と提案する。金属の手になってしまっていたマーカスの左手とスターの右手が
繋がれるところが泣かせる。そしてマーカスから心臓の提供を受けたコナーはさらなる戦いへの決意を
新たにしたのだった。スカイネットは地球上いたるところにまだ存在しているからだ。(おいおい、
サンフランシスコの中枢部を破壊して戦争は終わりじゃなかったのかよ!パート5に続くってか!!)

T-800が溶鉱炉の溶けた鉄を浴びるが、溶けないで、登場するが、シュワちゃんて、1だったか、最後に
自ら溶鉱炉に入って、溶けちゃうンじゃなかったっけ?

全体に脱色したような色調で、余計にリアルとヴァーチャルが判りづらい仕上がりになっている。今回は
マーカス・ライトという独立した存在の登場で、タイムパラドクスのために判りづらくなりがちなストーリーに
一本筋を通した、と言える。少女スターの存在が、いい感じのスパイスとなっていたと感じた。ラストは
日本人に受ける浪花節。1話完結のような本作は、自作の5を作りやすくする工夫がされていたといえる。

マーカスを演じたサム・ワーシントンは、人間と機械の違いは何か、というところを判り易く演じていて
主役を食っていた。感情を顔にださない演技なので1本調子になりがちだが、そこがロボットと人間の
ハイブリッドなのだろう。スカイネットに侵入するところで、相手のカメラに一瞬にして自分らの見方だと
認識されるときに見せる、少し悲しい表情は、見どころの1つだろう。人間の心臓を持ったロボットは心も
人間だ、という判りやすさは、5でどう変化させるのだろうか?楽しみである。
この映画の詳しい情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-06-20 12:05 | 洋画=た行 | Trackback(43) | Comments(1)

8MM

●「8MM」
1999 アメリカ Columbia Pictures Co.,123min.
監督:ジョエル・シューマカー
出演:ニコラス・ケイジ、ホアキン・フェニックス、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ピーター・ストーメアほか。
e0040938_2061757.jpg

困った顔の男をやらせたら天下一品のニコラス・ケイジが挑んだ猟奇ミステリー。面白いですが、SMや
ボンデージ、などのアブノーマルセックスに眉をひそめる方は敬遠されたほうがいいかもしれません。

アメリカ東部。大学の奨学生であった成績優秀なトムは、なぜか私立探偵を営んでいる。人に訊かれると
「将来有望かと思って」と答えるが、そうばかりではなさそうだ。

彼が受けた新しい依頼は、最近亡くなった大富豪の未亡人。顧問弁護士や、執事曰くは、亡くなってから
隠し金庫は業者に開けさせたが、現金や株券と一緒に妙なものが出てきた。その出自を調べて欲しい、
というものだった。妙なものとは、1分かそこらの8ミリフィルムであった。
写っているのは、いわゆる「スナッフ・フィルム」という、殺人シーンを写したものだった。弁護士らは、
これは巧妙に作られた作り物だ、と主張。トムは富豪の家で見せてもらうが、若い女性が、革で出来た
頭を全部包むマスクをかぶった男により、ナイフで嬲り殺されるところだった。

未亡人には、作り物でしょう、警察に分析してもらったら、と勧めるが夫の名誉を気にする未亡人は
警察なんかとんでもない、依頼人の秘密を守る、と評判なのであなたを呼んだ、という。
もし作り物ならば、写っている少女の安否を知らせて欲しい、と依頼したのだった。

トムには生まれて間もない女の子と奥さんが居た。奥さんは家を空け勝ちで、しかも危険な探偵という
仕事に引っ掛かりを覚えている。

かなりの報酬もあり、依頼を引き受けたトムは、まずFBIに行き、過去の家出人リストを見せてもらうこと
にした。膨大な人数のリストの中から、ようやくフィルムの少女に似た女性を見つけた。
メリー・アンというその少女の住所をたどって行くと、中年の女性が出てきて、娘は私や夫と仲が良く
無かったの、特に本当の父親では無かった旦那とは折り合いが悪く、男とどこかへ行ってしまった、
旦那もその後、家を出て行った、と説明した。家の中を捜していたトムは、トイレのタンクの中から
メリー・アンの日記と家出に当たっての母親宛ての手紙を見つけた。そこにはボーイフレンドとハリウッド
に行き、女優かモデルになるの、と書かれていた。

トムは、ボーイフレンドの親に会うと、彼はカリフォルニアどころか郡刑務所にいるよ、という。刑務所で
彼に会うと、あんな女、捨てたさ、という。ハリウッドに飛び、怪しげなポルノビデオ屋などをあさり手がかり
を探していたトムは店でミュージシャンを夢観ていたが食いつぶして今はポルノ屋の店員になっている
マックス(ホアキン・フェニックス)と出会う。彼に案内されて、スナッフフィルムを探すが、なかなか
見つからない。どんどんディープなアブノーマルな世界へと足を踏み入れていく。
e0040938_20739.jpg

トムはさらにマックスの紹介でポルノ映画のプロデューサー、エディという男に会い、メリー・アンの写真を
見せ、この少女を知らないか、と聞くと、マックスの顔は凍りついた。「知らない」と言い張るエディだが、
絶対に怪しいと踏んだトムは、向かいのビルに部屋を借りて、電話を盗聴しながらマックスの
動静を見張っていた。そして、大量のポルノを見るうちに、あのフィルムに出てきた男と同じ、手に星の
刺青をしている男が出ているテープを発見した。トムは、匿名の電話で、殺人フィルムの全貌が判って
しまった、とエディを脅した。エディは、NYにいる監督のディーノに電話し、やばいことになった、と説明
したのだ。そちらに行くかもしれないと。マックスによれば、手に星の刺青をしていた男はマシーンといわ
れていてディーノ・ベルベット監督のお気に入りだというトムは、マックスを伴い彼らがいるニューヨークに
飛ぶ。

ディーノに、1万ドル出すから、ポルノビデオを作って欲しい、条件は、現場を見れることと、マシーンと
いう男優を使うことだ、とオーダーした。猟奇ビデオ専門の怪しい監督ディーノはこの仕事を引き受ける
と了解した。

しかし、このあたりから、トムの周辺に男の影が見え隠れし始める。危ない世界に嵌っていく危険を感じ
ていたトムは、自分も一緒に行動する、というマックスをカリフォルニアに帰し、1人で撮影現場に乗り
込む。
しかし、そこで彼を待ち受けていたのは、全てを知っていたディーノとマシーンだった。トムは捕らえら
れた。そしてフィルムを返せ、といわれる。さらに、カリフォルニアに帰ったはずのマックスが、血まみれに
なって縛られて、部屋に連れてこられ、フィルムを渡さないと、彼を殺すぞ、と脅したのだ。そしてさらに
部屋に登場したのは、あの富豪の弁護士だったのだ!

彼の説明によると、金を権力でなんでも出来ると思い込んでいた富豪は、スナッフフィルムの制作を100
万ドルで弁護士に依頼、弁護士は、ディーノとマシーンに依頼して、街で引っ掛けたメリー・アンに
女優になれるよ、カメラテストをしようと誘い出して、あのフィルムを撮影した、というのだ。

弁護士と一緒にクルマに戻りフィルムを取ってきたトム。ディーノは、彼の目の前でそれに火を付けて
燃やしてしまった。「これで何も無かったということだ」と。トムは、電話で未亡人が、使途不明の金が
主人の口座から100万ドル出金している、と聞いていたので、「あの100万ドルはどうしたんだ、3人で
分けてもまだ、金が欲しいのか」と弁護士に吹きかける。そんな話は知らないマシーンが暴れ始め
仲間割れが始まった。ディーノは、弁護士の銃により、射殺される。トムは手錠でベッドに繋がれていたが
襲ってきたマシーンの腹をナイフで刺し、手を伸ばして銃を取り、手錠を切って、追うエディをかわして
逃亡に成功した。

トムは真実を告げに未亡人の元に行くと、電話で会うと約束をしていた未亡人は自殺をしていた。そして
トムに1通の手紙を残していた。そこには「私たち夫婦のことは忘れて」と書かれていた。
そして、メリー・アンの母親にも電話し、真実を告げ、「私に彼らを罰していいといってください」と頼むの
だった。何の罪も無い娘を自分の性の満足の為に殺したエディとマシーンを許せないトムは、
いいかげんに愛想を尽かしていた妻に、未亡人から貰った報酬を全て渡し、判れる、と言い残して、
ロスへと飛んだ。

そこで、トムは、エディを探し出して、メリー・アンが殺された場所でエディを殴り殺し火をつけた。
さらに、警官になりすまして腹に傷がある男を捜し、ついにマシーンの住む家を見つけ、夜間に押し入った。
だが、逆にマシーンに襲われ、ナイフで腹を刺されてしまう。だが、トムも負けず、マシーンにナイフを刺し、
マスクを取れ、と命じる。マスクの下から現れたのは、ごく普通の中年にさしかかった男だった。
「悪魔でもあらわれると思ったか」とマシーン。「俺はただ、こういうのが好きなだけだよ」とその異状振りを
トムの前でさらけだす。そして襲い掛かるが、トムが逆にナイフでマシーンの腹を刺し、復讐は終わる。

また家族3人の生活が戻ってきた。庭掃除をしていると郵便が来て、封書の一つにメリー・アンの母親
からの手紙があった。そこには、娘を殺した男たちが死んだと聞いて安心しました。誰からも相手にされ
なかった娘だけど、少なくとも私とあなたは娘のことを気にしたわ、と書かれていた。
険しかったトムの顔にようやく少し、笑顔が戻ったのだった・・・・。

ジョエル・シューマカーの作品は何本か観ているが、「ヴェロニカ・ゲリン」が印象に残っている。この手の
猟奇ものは、ブライアン・デ・パルマあたりがお得意にしていそうな作品だが、アングルとかの映像で
見せているわけではない。異常な世界と普通の世界のハザマを歩く主人公を通して、生のある側面を
切り取ってみせたのだろう。最後にまた我が家に戻ってきたトムが幼いわが娘を見つめて泣くところに
快楽の為に殺されたメリー・アンの不幸を思うところがあったのだ。誰でも夢を見てそれに向かって生きて
いけるのに、それを己の快楽のために断ち切る奴らがいる・・。そんな闇の世界を垣間見た2時間だった。
この映画の詳しい情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-06-16 23:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「バンテージ・ポイント Vantage Point」
2008 アメリカ Columbia Pictures,Relativity Media,Original Film,90min.
監督:ピート・トラヴィス
出演:デニス・クエイド、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィティカー、ウィリアム・ハート他。
e0040938_0101923.jpg

なかなか凝った嗜好で、面白かったですよ。90分ノンストップで見せてしまいます。しかも、何気に
豪華配役陣。大統領暗殺の様子を様々な目撃者、関係者の立場で描いて全体像を表現するという
手法は、そうびっくりするものではないのですが、映像的な手法と、判りやすいストーリー、テンポの
良い編集、そしてラストの壮絶なカーチェイスと、飽きさせない脚本と演出が素晴らしい。

単純に映画を楽しく観たい人にはお勧め、観終わって「あ~面白かった!」と感じたい人にもお勧め。
すっきりとしたカタルシスも味わえる。

舞台はスペインのサラマンカ。いましも歴史的なキリスト教世界とイスラム教世界の融合が図られる
首脳会談が開かれようとしていた。アシュトン米大統領(ウィリアム・ハート)も、この会議に参加する
ためにサラマンカを訪れ、街の中心の古城に設けられた演台で、市長から紹介されてスピーチを
始めた瞬間、厳重な警戒を破って狙撃される。
e0040938_011590.jpg

警戒に当たっていたのはバーンズ(D・クエイド)とテイラー(マシュー・フォックス)のSSコンビ。バーンズ
は半年前に大統領の狙撃を身を挺して防ぎ、重傷を負った。心の傷を抱えたまま、これが復帰の仕事
だった。幾重にも引かれた警戒網をくぐって犯人はどうして狙撃できたのか、会場では演台に仕掛け
られた爆弾も破裂して、多くの死傷者を出すことになった。
e0040938_0122256.jpg

この事件を、最初はシガーニー・ウィーヴァーがディレクター役を務めるテレビ中継車の中の映像を
使って描き始め、その後、この事件に関係したバーンズ、大統領、会場に観光に来ていて偶然犯行を
ビデオに録画したハワード(ウィテカー)、市長を護衛に来ていた刑事、犯行に関係したテロリストらの
立場で描かれていく。最初の4回くらいは事件を別の角度からなぞる作業が続く。2歩下がって3歩
進む、という感じで、少しずつ新しい事実が現れていく。そして、ついに謎解きとラストへ向かう過激な
カーチェイスとなる。

テロリストに利用された、市長護衛の刑事と、結局演台にいたのは替え玉だったのだが、テロリストは
それを見破っていて(シークレットサービスに裏切り者がいたわけだが)、本物の大統領のいるホテルで
自爆テロを起こし、騒いでいる間に仲間がホテル内に侵入し、大統領を誘拐してしまう。
e0040938_0114760.jpg

事件直後、ハワードのホームビデオを再生していて見ていると、なんとテロリストの女が、演台の下に
カバンを投げ込む様子が写っていて、その瞬間に、大爆発が起きる。バーンズはテレビ中継車に飛び
込み、録画を見せてもらうのだが、そこに映し出されたのは相棒のテイラーが地元の警官の姿に変装して
バーンズの電話に応答している衝撃な映像だった。

大統領を誘拐したテロリストたちは、救急車に乗って逃げるのだが、バーンズは市民のクルマを借りて
追跡を始める。これが、またものすごいカーチェイス。
弟を誘拐されて仲間に引き込まれたテロリスト、女の誘惑にだまされた市長警護の刑事らの事情も
次第に明らかにされ、前に見た謎っぽい映像も秘密も、ジグソーパズルのコマがハマっていくように
溶解していく。

ラストは、追跡を振り切ろうとする大統領を乗せた救急車が、母を探すアナという女の子が、道路に
飛び出てきたのを避けようとして横転、また、地元のパトカーに乗って逃げていたテイラーと弟を誘拐
されて仲間になったテロリストは、分離帯のコンクリートに激突、駆け寄ったバーンズに、テイラーは
「おれたちの戦いは終わらないのさ」と言って絶命する。
さらにバーンズは横転した救急車から大統領を救出し、テロリストたちは殲滅されたのだった・・・。

2005年にアカデミー作品賞を獲ったポール・ハギスの「クラッシュ」や、ロバート・アルトマンの傑作
群像劇「ショートカッツ」などに通底するような、偶然の出来ことがやがて必然になって1点に収斂して
いくストーリーは、見ていてダイナミックだ。本作は、偶然は関係ないし(アナの交通事故くらいか)むしろ
仕掛けられた謎が1点に収束していくわけであるので、不条理、という点はないが、感じるとことが
どこか似ていると思った次第。

デニス・クエイドは、トレーラーに押しつぶされたクルマから這い出てくるところなぞはターミネーターかよ!
と突っ込みを入れたくなるが、全般に好演。いずれにせよ、本作は、映画の構成を堪能するものであり
ましょう。90分という上映時間も適当だと感じた。まあ、しいて言えばテロリストたちの背景が一般論で
すまされている点や、バーンズの人間性の表現が薄味だったりするので、映画の厚み、という点は弱点
ではありますが・・・。
この映画の情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-06-13 22:45 | 洋画=は行 | Trackback(2) | Comments(0)