●「コッポラの胡蝶の夢 Youth Without Youth」
2007 アメリカ・ドイツ・イギリス・フランス・ルーマニア American Zoetrope,124min.
監督・製作・脚本:フランシス・フォード・コッポラ 原作:ミルチャ・エリアーデ「若さなき若さ」
出演:ティム・ロス、アレクサンドラ・マリア・ララ、ブルーノ・ガンツ、アンドレ・M・ヘンニックほか。
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<感想>
解るようで解らない、なんかもどかしい観終わった後の感覚。展開は面白いのだが、何せ語られている
内容が非常に哲学的というか、形而上的なものなので、何を感じればいいのかストレートに伝わら
ない。人生のウタカタか、人生五十年下天の内を比ぶれば夢幻のごとくなり、という思想か。どうか。
雷に打たれてから常に分身が付いて回るドミニク・マティとは? 生かすために別れたヴェロニカの
その後は?
そしてなぜドミニクはオードリクールとして死んでいったのか。難解である。輪廻転生のことか?
原作者のエリアーデはルーマニアの幻想文学者であり、偉大な宗教学者であった。原作自体が
非常に難解であるので、コッポラがこれを映像化した時は、よくぞ、と思った人もいたはずだ。
ティム・ロスは若き学者から100歳を超える老人まで、味のある演技で見せていた。加えてヴェロニカの
マリア・ララも時代にマッチして美しく、魅せた。
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<ストーリー>
『1938年、ルーマニア。年老いた言語学者ドミニク・マテイは、最愛の女性ラウラと別れてまで人生の
全てを捧げてきた研究が未完に終わることを悟り絶望していた。
自殺を決意しブカレストの街を歩いていた彼は、突然発生した雷の直撃を受けてしまう。
やがて、病院のベッドで意識を取り戻すドミニク。即死してもおかしくないほどの全身やけどを負い
ながらも奇跡的に一命を取り留めていた。
その後彼は、主治医も驚くほどの驚異的な回復をみせたばかりか、肉体的に急速な若返りを始めた
のだ。さらに知的能力さえも大幅に向上していくドミニク。そんな自分に興味を示すであろうヒトラーの
手を逃れるため、スイスへと亡命するドミニクだったが…。』(allcinema)

ドミニク・マティ(ティム・ロス)が研究していたのは、「言語の起源」。かみなりに打たれてからというもの、
多言語を操れるようになり、手にする本は読む前に内容が解るほどの超能力を得ていた。
そんな彼が、道で行きあったラウラそっくりの女性ヴェロニカ。彼女も雨宿りをしていて雷にうたれ?
普通とは違う体になってしまった。
彼女は、時に憑依し、古代の言語、シュメール語、古代エジプト語、そして更に人間誕生のころの
聞いてもだれも解らないような言葉を発するようになった。それを録音して、研究を続けるドミニクだったが
二人は当然のように愛し合うようになるが、お互いが不幸(たぶん)な能力を付けてしまったことを
投げつつ、戦後、マルタ島に渡る。そこでヴェロニカは、いきなり老人のようになってしまう。
ドミニクは自分といることでヴェロニカは死んでしまう、と別れを嫌がる彼女を振り切って島を離れる。

そして数年後。ルーマニアに現れたドミニクは、かつてラウラや仲間の学者らと通い詰めたカフェに行く
と、かつての仲間がドミニクが戻ってきたと喜んでくれる。しかし実際は、そこには誰もいなかった。
老人は、口を押さえて雪が積もった外へと出ていったのだ。(口を押さえたのは歯がいっぺんに抜けた
から)そして、階段の下で、ナチスから逃げるために語っていた、オードリクールのパスポートを持った
100歳を超えた老人が死んでいたのだ。3つめのバラを手にして。

インドの賢者がヴェロニカ(古代人ルピニが憑依する)をこう言って起こすシーンがある。
形もなく/感情もなく/選ぶこともせず/何の意識もない/すべてが消え去る/はるか遠くに跡形なく/
それが悟りなり。
う~ん!難しかった。去年の8月に公開された映画だけど、全然評判を聞かなかったなあ。
この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-11-30 23:20 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「ゲット・スマート Get Smart」
2008 アメリカ Mosaic Media Group,Dist.=Warner Bros.,Village Roadshow.110min.
監督:ピーター・シーガル
出演:スティーヴ・カレル、アン・ハサウェイ、アラン・アーキン、ドウェイン・ジョンソン、テレンス・スタンプ他
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<感想>
WOWOWのアメリカン・コメディ傑作選の1つとして放送されたのを観賞。allcinemaには、かなり
ツボだったという高評価が多いが、私としては、いまひとつ。この前の「寝取られ男の~」のほうが
面白かった。
この映画で笑えたのは4箇所くらい。旅客機からエージェント用の脱出装置で敵地に飛び降りるとき、
爆弾犯と間違えられたスマートがトイレで手錠のまま、仲間が作ってくれた万能ナイフからボウガンを
出して手錠を切ろうと必死になるが、自分に刺さってしまい、最後には跳ね返った矢が脱出ボタンに
当たり、パラシュートなしで落ちていくところ。
最後のチェイスシーンで、捕らわれたハサウェイを助けるため、クルマに乗り込んだスマートだったが、
二重スパイと格闘になった時、万能ナイフを自分のズボンの右ポケットから取り出させようとしたとき、
ハサゥエイが足で、ポケットの中を探るが、くすぐったくて笑ってしまい、「それはナイフじゃないって」
などというところ、など。

私には、カレルのギャグがどうも空回り気味にしか伝わってこなかった。これは見た人それぞれの
感性だから、大いに面白かった、と言う人は得をしたね。
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それ全体のメリハリが悪いように感じた。後半の大統領がLAに来て、「カオス」も核爆弾をディズニー
劇場に隠し、スマートの2重スパイの嫌疑が晴れ、実は28号こそが2重スパイであることが判明、激しい
チェイスシーンとなるまで、ちんたらしていたのではないかな。ギャグがそこここに散りばめられていたが
私は反応できなかった。だから、余計にそう感じた。

「プラダを着た悪魔」のアン・ハサゥエイとはまた違った面が見られたのが収穫。彼女、アクションものも
いいね。(コメディが、じゃなくてね)99の過去には整形で顔を変えなくてはならない物語があったりして。
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物語としては、どこかで観たような組織や人物など、パクリなのかオマージュなのか判らないが、
飽きさせない構造にはなっている。 だが、私としては今一つ消化不良のままだった。
スマートがコントロール秘密司令部に入るところの木の幹に隠れているエージェントが、ビル・マーレイ
だったのにはビックリだった。

<ストーリー>
スマートは秘密機関コントロールの分析官。エージェントに憧れ、試験を受けたが、成績は優秀だった
ものの、チーフ(アラン・アーキン)に、しばらくそのままと言われてしまう。
核兵器を集めて世界を脅迫、金を集める組織「カオス」の活動が活発になった、というスマートの分析の
もと、28(ドウェイ・ジョンソン)と99(アン・ハサウェイ)が調査に当たることになったが、
「カオス」のコントロール本部への先制攻撃を受け、エージェントの顔が全てばれてしまった。そこで
スマートがエージェント86として急遽、99とロシアに潜入することに。
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パン工場がウランの生産工場と睨んで潜入するが、彼らは目撃はするが、捕えられたため、証拠が
手に入らない。しかも、スマートは2重スパイの疑いが掛けられ逮捕されてしまう。
「カオス」は、世界の20の反アメリカ国に核弾頭を送った。2000億ドルを渡さないと、彼らに弾頭の
解除キーを教えるぞと脅してきた。副大統領を即座に、テロと取引をしない、と断る。
「カオス」はアメリカに対し本気であることを示すために、小型核弾頭を大統領が訪れるLAのディズニー
劇場のクラッシックコンサートのピアノに隠した。

留置場から脱出したスマートは、空軍のジェットでLAに飛び、チーフと99を説得、一緒に爆弾を探す
ことになる。しかし、ふとしたことから28が本当の2重スパイであることが判り、28は99を人質に
爆破装置を持って、クルマで逃げた。これをスマートが、チーフの操縦するセスナからぶら下がり
クルマに接近し、ついには間一髪のところで列車との正面衝突を免れ、99を救いだすことに成功した。
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チーフとスマート、それに99は、ディズニー劇場に急行、ベートーベンの第九の最後の音を信号にして
爆弾が点火するタイミングを、指揮者にタックルして食い止めることに成功した。
満場の客に挨拶するスマートのズボンの尻は激しいチェイスで擦り切れて、ハダカの尻が丸出しで
あった。(このあたり、笑えない)

晴れて、相思相愛の仲となり、コントロールの仲間も認める恋人同士のスマートと99であった。

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by jazzyoba0083 | 2009-11-28 18:10 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「悲しみが乾くまで Things We Lost in the Fire」
2008 アメリカ・イギリス DreamWorks Pictures,119min.
監督:スサンネ・ビア
出演:ハル・ベリー、ベネチオ・デル・トロ、デヴィッド・ドゥカヴニー、アリソン・ローマン他
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<感想>
う~ん!こういう映画もありかな。独特の雰囲気を持った作品だと感じた。夫を殺された女性と、
その夫の親友で麻薬中毒の弁護士、彼ら二人の心の動きを心象風景的なカット(目のアップとか)を
巧みに使いながら映像で表現している。
結局、女性のことを主に言いたかったのか、親友の麻薬中毒弁護士のことを言いたかったのか、散漫
な感じになってしまったのは残念だ。また、彼がなぜ麻薬中毒になったのか経緯の説明もない。
「トラフィック」でオスカー助演男優賞を獲ったプレエルトリコ系のベネチオ(弁護士役)が、小倉久寛の
ような顔で圧倒的な存在感。ジャンキーの、しかし心根は優しいダメ弁護士を好演。
片や「チョコレート」で有色人種としては初のオスカー主演女優賞に輝いたハル・ベリーも、幸福の頂点
から奈落の底に突き落とされる2人の子持ちの女性を多彩な表情と演技で対峙する。

この二人の演技を観るだけでも価値のある映画だと思う。夫が銃で殺害されるときに鳴り響く銃声以外に
大きな音もなく、結構淡々と過ぎていくが、実はその後ろには描かれている主役二人の物凄い心の
葛藤の動きを見逃すべきではない。(子供や麻薬絶ちの会の若い女性を媒介としているケースが多い)
つまるところ、二人の再生の話なのだが、ことはそう単純に運ばない人生の機微を活写してみせた。
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<ストーリー>
『「ある愛の風景」「アフター・ウェディング」のデンマークの俊英スサンネ・ビア監督がハリウッドに招かれ
初めて英語で撮り上げた喪失と再生の物語。
突然の悲劇で最愛の夫を失った女性が、夫の親友を心の支えに立ち直ろうとする過程で繰り広げられる
葛藤と男女の心の機微を繊細に描き出す。
主演は「チョコレート」のハル・ベリーと「トラフィック」のベニチオ・デル・トロ。
 
 愛する夫ブライアンと2人の子どもに恵まれ幸せな結婚生活を送るオードリー(ハル・ベリー)だったが、
ある日そのブライアンが路上で喧嘩に巻き込まれ射殺されてしまう。
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葬儀の当日、オードリーはブライアンの親友ジェリー(ベネチオ)の存在を思い出す。
弁護士だったジェリーはヘロインに溺れて転落し、誰もが離れていく中、ブライアンだけは見放すことなく
面倒を見てきた。そんなジェリーを疎ましく思っていたオードリーだったが、彼がブライアンのことを
誰よりも理解していることを知り親近感を持ち始める。
その後、喪失感に苛まれる日々に苦しむオードリーは、その日暮らしのジェリーに、しばらく自分の家で
一緒に暮らしてほしいと申し出るのだった。』(allcinema)

補足・・オードリーの夫ブライアンは建築ディベロッパーとして成功していて、金銭的な不自由はない。
ブライアンの仕事の仲間で家族ぐるみの付き合いをしているハワードが何くれとなく面倒を見る。
麻薬中毒から一旦立ち直ったジェリーを自分の会社の弁護士として雇い、彼に不動産鑑定士見たいな
免許を取らせたりする。ジェリーもまた一生懸命勉強をした。
喪失感に苛まれるオードリーはジェリーを自分の家の一角に招いておいて、子供たちの水泳の教え方
を巡り、せっかく子供のことを思ってジェリーがしたことを非難したり、なぜ殺されたのが夫で、
あなたでは無かったの?あなたであるべきだった、とかなりキツイことを言い放つ。しかしジェリーは
じっと耐える。挙句の果てには、もう出て行って、と。
今度はジェリーが唯一の親友の家族のため、と思っていたことが受け入れられなかったショックから
また麻薬にハマってしまう。オードリーは自分が取り返しのつかないことをしたことに気づき、彼を
再び自宅に戻す。彼女の弟も手伝って、ジェリーの壮絶な麻薬断ちが始まる。
ジェリーは本格的に麻薬を絶つために施設に入る決心をする。
以上のようなストーリーにオードリーの二人の子供が微妙に絡み、物語に彩りを添えていく。
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by jazzyoba0083 | 2009-11-23 22:15 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「寝取られ男のラブ♂バカンス Forgetting Sarah Marshall 」
2008 アメリカ Apatow Productions,111min. R-18
監督:ニコラス・ストーラー  脚本:ジェイソン・シーゲル
出演:ジェイソン・シーゲル、クリステン・ベル、ミラ・クニス、ラッセル・ブランド、ビル・ヘイダーほか。
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<感想>
こういう映画をみるだに、アメリカ人ってやっぱり狩猟民族だよなあ、とつくずく思う。日本の、あるいは
東洋のセックス観と明らかに違うし、こうした映画を作っちゃう風土、またこういう映画を観る風土が
あるんだね。国民性として。だから、日本人の我らとしては、お下劣を突き抜けた笑いに、いささかの
躊躇を感じるんだね。アメリカ人ってこういう映画をみて映画館で腹抱えて声だして大笑いするんだろ
うな。

おバカでお下劣な映画だったけど、面白かった。ノリとしては「40歳の童貞男」だね。
女性軍も微妙に綺麗だったりグラマーだったりするので、親近感が湧く。そして何より、ラスト15分が
いい。
主人公一座の演じる「ドラキュラ」のパぺット人形ミュージカルの完成度が劇中とはいえども良くできて
いて、しっかり、とまではいかないけれど、おバカで終わらないハッピーエンドが心地よかったね。
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"Kristen Bell as Sarah Marshall"

<ストーリー>
テレビシリーズの主演女優サラ・マーシャル(クリステン・ベル)を恋人に持つ、同番組の音楽担当
(作曲家)ピーター。二人は付き合って5年。ピーターの自堕落な性格に業を煮やしたサラは、
別れ話を切り出す。
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本来気の弱いピーターは、奈落の底に突き落とされた気分になり、友人の勧めもあり、気分転換に
ハワイにやってきた。ところが、同じホテルに、男と一緒にいるサラの姿が!別れてもう、男とハワイ
かよ!と愕然とするピーター。 サラの新しい恋人はロック・スターのアルダス・スノーという男。
かなりアホっぽい。大丈夫かな。
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ピーターの境遇に同情したフロントのレイチェル(ミラ・クニス)は、ピーターを応援しているうちに二人は
恋に落ちる。自分に自信が持てないピーターにあの手この手で励ますレイチェル。
レイチェルと仲良くしてるピーターを見て嫉妬する。振った癖にどこかでピーターのことが引っかかって
いる。
やがてサラはアルダスとの関係も悪くなり、アルダスはハワイを去っていく。このアルダスという男、
頭悪いんだか、人がいいのか、なんとなく不思議な人物で、体中刺青だらけのロッカーだが、どこか
ねじが抜けていて憎めないんだな。コメディにはこういう人物は大事だと思う。

アルダスに去られたサラはピーターを誘う。ピーターも思わずその気になるが、下半身が言うことを
聞かない。それで、自分が本当に愛しているのはレイチェルだと理解する。(なんと単純な!)
そして、それをよせばいいのに正直にレイチェルに打ち明ける。当然激怒するレイチェル。
彼に対し、もう帰って!と言い放つ。
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音楽的に行き詰まっていたピーターはテレビの劇伴以外にオリジナルのパペットミュージカルを作曲
していたのだが、本土に帰り、それを完成させ、レイチェルにも招待状を送った。

そして公演初日。ミュージカルは大歓声のうちに終わり、座席にはハワイから来たレイチェルの姿も
あった・・・。
サラは、一旦今の番組が打ち切りになったものの、新シリーズがまた始まり、テレビの世界へと帰って
いったのだった。
この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-11-20 22:55 | 洋画=な行 | Comments(0)

●「彼が二度愛したS Deception」
2008 アメリカ Seed Production,Rifkin-Eberts,Media Rights Capital,107min.
監督:マーセル・ランゲネッガー
出演:ヒュー・ジャックマン、ユアン・マクレガー、ミシェル・ウィリアムズ、シャーロット・ランプリング他
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<感想~ストーリーまで一気に。ネタばれです>
なんじゃ、この邦題!でも原題のデセプション(まやかし)じゃあ、確かに判らんけどね。
カッコイイ風の邦題だが、なんのこっちゃ判らんねえ。秘密クラブの女として愛し、
真心から愛し、ということかしらね。

いろいろと謎を埋め込んでいてくれるけど、どうも釈然としない映画だった気がする。
あんなに簡単にジャックマンに引っかかっちゃう世間知らずの会計士が、ラストの
筋書きをかけるとは思わないんだけど。
普通に生きている人には、「そうじゃないよなあ」「それはないでしょ」という感じが
横溢しているんだな。

シカゴでジャックマンに殺された金融マンから、裏金のありかを聞き出したのですかね。
秘密クラブの女の説明によれば、シカゴのテニスコートで引っかけたらしいんだな。で、
裏金の存在を聞き出したわけだ。で、その場で知り合った秘密クラブの女が、
このクラブのことをジャックマンにしゃべっちゃったんだな。
で、ジャックマン、気の弱いまじめ一途で女が欲しいけど勇気がない会計士
マクレガーに狙いをつけたわけだ。で、弁護士を名乗って近づき、わざとケイタイを
入れ替えた。そしで自分はロンドンへ行く、といって姿を消す。ジャックマンの電話には
秘密クラブの女性から「今夜暇?」という電話がガンガンかかってくる。クラブの約束は、
お互いに名乗らない、職業を聞かない、などのルールがある。だから結構な地位の
女性(ランプリングなど)が現れたりする。ヤリたい放題のマクレガー君であった。
ある日現れた女性は、いつか地下鉄でみたSというペンダントを下げた女だった。
マクレガーはこの女性を本気で好きになっちゃうんだな。
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ジャックマンは、マクレガーが、Sと会っている時にSを誘拐し、彼女を取り返したければ、
これから会計監査に入る会社の裏金にアクセスして、2000万ドルをお前の名前で
作って置いたスペインの口座に振り込め、と脅すのだ。マクレガー君、Sにぞっこん
だったんだろうあ、一旦は警察を騙して(簡単に騙されすぎ)ジャックマンの正体を
見破る。ジャックマンの本名も判明、前科持ちの詐欺師であることも判った。
そこまではよかったのだが、更にジャックマンに脅されると、女を救いたいばかりに、
警察にも連絡せず(一応警察に連絡すれば女を殺すと言われてはいたが)、
2000万ドルの転送を決行する。裏金だけに、会社が気がついても警察には言えまい、
というジャックマンの見立てだ。
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計画は成功、女はお前の部屋にいる、とメールで言われ、添付の写真にはガム
テープでしばられたSの写真があった。しかし、マクレガー君、その写真から何かに
気がついたんだ。
部屋に入り女を探そうと電気をつけた瞬間、部屋に充満していたガスが爆発!
マクレガー君は死んだことになった。ジャックマンはマクレガー君になりすまし、
スペインへ渡る。すると、ホテルの部屋にはSが。なんとSはグルだったのだ。

銀行へ行き、金をおろそうとすると、頭取から副署名人を要求される。マクレガー君が、
ジャックマンが金を引き出す時、ジャックマンのサインが必要なように条件を付けて
いたのだった。あせるジャックマン。
自分はもはやマクレガー君であり、パスポートも変えてしまっていたのだ。
一旦銀行を出ると、そこにマクレガー君が!死んだはずじゃなかったのか!
どうやら縛られたSの写真を見て、天井の水漏れから、事前に撮られたものと判り
Sもグルだと判ったのだ。しかし、Sを忘れられないマクレガー君であったのだ。
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マクレガー君は、先を読んでいたのだね。で、ジャックマンに、半分よこせと迫る。
俺がいなくちゃ金はおろせないだろう、と。しかたないジャックマン、。二人揃って
お互いの名前を書いて、2000万ドルを無事?おろし、街へ出る。ジャックマン君、
500万ドルやるからSの居所を教えろ、と迫る。

静かなところで話そう、マクレガー君と公園にやってきたジャックマン、やおら
サイレンサー付きの銃を出しマクレガー君を亡きものにしょうとする。その時響いた
銃声!ジャックマンの胸から血が吹き出てきた。
顔中?マークにしながら、後ろを見ると、なんとSが銃を持って立っていたのだ。
マクレガー君は、自分の本当の名前のパスポートを持つジャックマンにしっかり
パスポートを持たせ、2000万ドルもそこに置いて、「あなたに愛される女じゃないわ」
てな風情で去って行ってしまうSを追うマクレガー君であった。ジャックマンを、
別の人間(アパートの管理人だが)を代わりに殺して自分が死んだことにして、
2000万ドルを奪って逃亡したマクレガー君本人にして、彼が誰かにスペインで
殺された、というストーリーを描いたのだろうか。ラストはSとマクレガー君の笑顔で
カタルシスを得させようという感じか。

しかし、マクレガー君はSが誘拐されたときに警察と接しているわけで、ジャックマンが
マクレガー君のパスポートを持って死んでいれば、死体がマクレガー君ではないと
すぐに判ってしまうだろうにさ。
そうでなくとも、サンフランで詐欺をして3年くらっているジャックマンは指紋も一杯
残っているから、身元はすぐに判明するし、アパートで死んでいた男がマクレガー君
ではないとすぐに判るだろうからマクレガー君、Sとスペインで二人になれたといっても、
インターポールから指名手配され、逃げ回る人生になるのだがねえ。
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てな具合で映画中、あれえ???というところがあちらこちらにあるし、ジャックマンや
マクレガー君たちの行動にも無理がある。だから釈然としないんだよな。
ラストも、書いたようによくよく考えれば二人に幸せは待っていないはず。
へなちょこ会計士のマクレガー君は良かったがジャックマンがミスキャストじゃ
なったかなあ。なんか雰囲気違うような気がするんだよね。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-11-18 22:47 | 洋画=か行 | Comments(0)

イーグル・アイ Eagle Eye

●「イーグル・アイ Eagle Eye」
2008 アメリカ DreamWorks Pictures,118min.
監督:D・J・カルーソー  製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ
出演:シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ロザリオ・ドーソン、マイケル・チクリス、ビリー・ボブ・ソーントン
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<感想>
まあ、ジェットコースターのようなノンストップ・アクション・サスペンスといったところでしょうか?
クルマが何台オシャカになったことでしょう。主人公が使ったポルシェ・カイエンなんて、もったい
ないなあ。
って思うくらい、もうクルマのクラッシュシーンはこれでもか、おいおい、って笑っちゃうくらい激しい。
ペンタゴンとかNORADとかにある戦争やテロのシュミレーションマシンが暴走する、というお話なのだが
この手のシチュエーションは、「ウォー・ゲーム」や、その続編とよく似ている、また「2001年宇宙の旅」のHALを思い出す人もおられよう。

本作ではテロ防御コンピュータ“アリア“が、アフガンで誤爆を引き起こした自国の政府に対して牙を
剥き、大統領以下の幹部を抹殺する「ギロチン作戦」を勝手に始めてしまう。これをシャイア・ラブーフと
ミシェル・モノハンがいろいろな人を巻き込みながら解決していくのだが、スピード感は抜群、ハイテクな
ストーリー仕立てもなかなか良くできていると感じた。しかし、この手の映画が時代を変えて作られる
のを見るとき、コンピュータの暴走を最終的に防ぐ絶対的なエマージェンシー・キーみたいなものを
つくっておかないのかね、とつくづく思うが。
最後、え~こんな終わりなの?と思わせておいて、ちゃんとカタルシスを設定しているところは、
観終わって、嫌な思いが残らないので救われる。シャイアとモナハンはもともと全くの赤の他人と言う
設定で、二人して“アリア”に立ち向かうことになるのだが、いいキャスティングだとおもった。
特に大統領を抹殺するため、国会議事堂で国家の特別演奏するブラスバンドのトランペットに爆弾を
しかけられたトランペット担当の息子を持つモナハンが、30を超えてなかなかいい味を出していたと感
じた。
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"Michelle Monaghan"

久しぶりで眠くならない映画を見たが、途中、カットの重ねがあまりにも短いものだったので、気持ち悪く
なりそうだった。

<ストーリー・ネタばれしてます>
アメリカの対テロ対策本部は衛星などサイバーなテクノロジーを駆使してアメリカ国内外を監視していた。
その中核にあるのがコンピュータ“アリア”だ。
ある日、アフガンで米国が長い間行方を捜していたテロリストを発見、上空からのデータなどで本人の
特定を計算したが、51%のマッチングしかなく、国防長官は大統領に判断を仰ぐ。“アリア”は
攻撃中止を勧告していた。しかし、大統領の判断はゴーであった。この攻撃で多くの民間人が犠牲に
なった。国防長官は中止と考えていたのだが、大統領命令には逆らうことはできなかった。

一方、コピー店の店員ジェリー・ジョー(ラブーフ)には双子の兄がいて、任務中に死亡したという知らせ
が入る。葬式を終えて家に帰ると、部屋には多くの武器が運び込まれていた。そこに女の声で電話が
入り、FBIが来るからすぐに逃げろという。そんなこと急に言われても、何が何だかわからないジェリーは
躊躇しているとFBIが突入してきて、逮捕されてしまう。

一人で息子を育てているレイチェル(モナハン)は、女の声で息子を人質に取ったといわれ、その声に
従うように仕向けられる。女の声は“アリア“のもので、コンピュータは、自分が中止勧告をしたのにも
かかわらず従わなかったため、合衆国憲法を忠実に遵守するよう作られているアリアは、合衆国の
政権を抹殺し、新しい政権を立てることを勝手に始めてしまったのだった。ジェリーの兄は、ペンタゴンの
地下36階にあるアリアに関係していて、アリアの暴走を止めようとして彼女に殺されたのだ。

というわけで、アリアの作戦に導かれジェリーとレイチェルは、警察やFBIの追跡をアリアの妨害で
逃れ(彼女は衛星や街にある監視カメラ、携帯電話、無線などを自在に操ることができる)、
ペンタゴンのアリアの元に連れてくることに成功する。
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なぜアリアは二人を自分のところに連れてきたか。ジェリーの兄は、アリアの暴走を食い止めようと
ギロチン作戦を声でロックしてしまった。これを解除するため、同じ声を持つ双子の弟を連れてきて
ジェリーに兄の代わりをしてもらいロックを解除させ、再びロックが出来ないようにレイチェルにジェリーを
殺させるためだった。

ロックは解除され、ギロチン作戦が始動した。しかし、レイチェルはジェリーを撃つことなどできなかった。
ジェリーとレイチェルは、空軍の捜査官ぺレスとFBI捜査官の手助けを受けて、大統領が来る国会
議事堂を目指す。アリアは彼らを止めるために無人爆撃機を勝手に飛ばし、ミサイルで攻撃してくる。
これをかいくぐり、ジェリーは国会議事堂に到着、警備員から制服を奪って議事堂に入ることに成功した。
アリアの作戦は、小さな鉱石の結晶が特定の周波数で大きな爆発を起こすという種類の爆薬を
勝手な指示書を作って街の楽器やや宝石商に作らせ、これを大統領の前で国家を演奏することになった
レイチェルの息子の吹くトランペットの中に仕込み、ある音階を吹くと爆発するようしたものだった。
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そして会場にやってきたレイチェルの胸元にも、爆弾が仕込まれた宝石が。そして議場に大統領が
入り、スピーチも終わり、国家の演奏が始まった。ジェリーは、演奏を止めるため、FBI捜査官が
貸してくれた銃を天井に向けて数発発射、驚いた楽隊は演奏を止めた。しかし、警備のSPにジェリーは
撃たれてしまった。えええっ、死んじゃうの??

数日後、国会で事件の捜査をする聴聞会が開かれた。その部屋には勲章を手にした包帯姿のジェリーと
オヤジさんの姿があった。そして、ジェリーはレイチェルの息子の誕生日のパーティーに駆けつけ、
再会を喜んだのであった。

ストーリーを書いていても、あちらこちらに矛盾も感じてしまうが、まあ、娯楽作品だから許そう。
この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-11-16 23:15 | 洋画=あ行 | Comments(0)

●「タイム・リミット Out of Time」
2003 アメリカ MGM Pictures,Original Films,Monarch Pictures,105min.
監督:カール・フランクリン
出演:デンゼル・ワシントン、エヴァ・メンデス、サナ・レイサン、ディーン・ケイン、ジョン・ビリングスレイ他
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<感想>
そうビックリする出来ではないが、なかなか良くできたサスペンスだと思った。映画全体に漂う雰囲気を
マイアミ・キーズを背景に、クレーンや、ドリーなどを上手く使って、またカット(ホテルから二人が
落ちそうになるところなど)も凝らして、上手く出していた。デンゼル・ワシントン演ずる署長が、麻薬
取引の現場で差し押さえた48万ドルを、不倫?相手の女性に渡してしまったことから、次々に危機が
訪れ、それをスンデのところで回避していくところは面白かった。携帯電話が重要な小道具になっている。
また、デンゼルが彼の犯行ではないかと怪しむ刑事である妻と会話するとき、妻がデンゼルの頭髪に
小さなガラスの破片を見つけるが、そういう隠し味も生きている。デンゼル・ワシントンが安定した演技
を見せていて、独壇場。離婚調停が進んでいる妻(刑事)のエヴァ・メンデスは、濃い顔だなあ。
気が強い女性だが、最後は亭主を助けるところを好演。狂言廻しを務めた検視官チェイを演じた
ジョン・ビリングスレイが、いいスパイスとなっていた。ところどころ細かいところの詰めに疑問が無いでは
無いし、強引な点もあるが、上演時間も適当で、飽きることなく話が進んで行くテンポも良い。
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<ストーリー・完全ネタばれです>
フロリダ州のフロリダ・キーズの小島バニアン・キーの署員4人の警察署署長、マットは、島民の信頼も
厚い。そんな彼は妻と離婚調停中で、彼女は最近、マイアミの本署の殺人課刑事に昇格していた。
マットは、元フットボール選手のクリスと上手くいっていないという高校の2年下だったアンと不倫の関係に
あった。

結末から言ってしまえば、アンが悪い女であったのだ。彼女は、貧乏と暴力夫のクリスから逃げ出すた
めに、最近マットが押収に成功した麻薬取引の金48万ドルが署の金庫に保管されていることに目をつけ
たのだった。
まずこれを奪うために、夫ともう一人、死体安置所の職員キャボットを仲間に引き入れ、まず
キャボットが大病院の医者になりすまして、アンがマットを兄ということにして医者の前に連れて行き、
そこでアンが末期ガンであることを医者から宣告されるという演技をする。
さらに、最終的にマットを犯人にするために、アンは保険金100万ドルの受取人をマットに書き換える。
「お礼だわ」といって。

すっかり信じたマットは、何とかアンを救いたいと思案に暮れる。アンはスイスに行けば新しい治療法が
受けられるが、お金が無いと打ち明ける。マットはまんまと罠にはまり、金庫の中から48万ドルを
持ち出し、二人で逃避行を、と考えた。(この辺良く解らない)

マットは11時に支度をして自分の家に来るようにアンに言うが、時間を過ぎても現れない。パトカーで
アンの家に行ってみると、夫のクルマが既にあった。パトカーを降りて家に近づこうとした時に隣家の
夫人に見られてしまう。

署に帰ってうたたねをしてたマットに飛び込んできたのは、アンの家が火災で全焼し、二人が焼死体で
発見された。更に時限装置も。この殺人事件の捜査にあたったのが妻のアレックスだった。
マットの状況はまるで悪かった。隣家の夫人が警察に来て描いた似顔絵はマットにそっくり。さらに
連邦捜査官から押収金を回収に行くといわれる。またアレックスがアンの電話の通話記録を電話会社に
要求すると、来たファクスを事前に回収し、スキャナーで取り込んでPCで自分の名前だけを削除して
差し替えたり。ピンチの連続だった。さらにアレックスには末期ガンだったアンの主治医に
一緒に会ってくれ、と言われる。二人して、アンの主治医に会うと、この前の医者とは別の女医が出て
来て、彼女は幼いころから知っているけど、健康体だわよ、この前も健康診断をやったばかり、という。
急いでこの前の医者と会った部屋に行くとそこには別の医者が。マットは偽の医者と思われる奴が
触ったボールペンを押収し、指紋を照合させる。そうするとキャボットという男が浮かぶ。
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キャボットの存在はアンかクリスのクルマに残されていたガソリンスタンドのカード使用控えからも割れて
いてアレックスたちの捜査でも浮かぶが、マットは一足先に彼の居場所を付きとめ
居場所のホテルに向かう。そこには死んだはずのアンの夫クリスと連絡を取るキャボットがいた。フロント
に嘘を言って、キャボットになりすましてカードキーを受け取り、部屋に行くと、キャボットと
格闘となる。二人してベランダから落ちそうになるが、かろうじて錆びた鉄骨一つで二人でぶら下がった
が、間一髪でキャボットを振り落として這い上がる。そして、ベットの下に隠してあった48万ドル(火災で
焼けてしまったと思っていた)があったのでそのトランクを掴み、逃げようとしたところにアレックスたちも
やってきた。途中で鉢合わせになるが、自分も捜査に来たふりをし、顔を知っているフロントの男を
殴って、パトカーに逃げ込み、アレックスを騙すことができた。しかし、アレックスは次第にマットが怪しい
のではないか、という感じを受け始める。とどめはアンに掛けられていた100万ドルの保険金の受取人が
マットに書き換えられていたことが判明した時だった。

署に居ると、ホテルのフロントの男が来るという。来たらばれる。そこに死んだはずのアンから電話が。
騙したことを詫びて、クリスに脅されている、金が必要だ、という。マットは署の窓からこっそりと
抜け出て、アンが教えた住所に行く。そこには顔を傷だらけにいしたアンが怯え顔でいた。マットと
クリスの撃ち合い。弾がつきたクリスだったが、彼は、アンに射殺されていしまう。暴力夫に復讐をした
のだ、と見ている人は思う。しかし、アンは更にマットにまで銃を向け、金を要求する。そして自分の
計画だったことを認めるのだった。彼女はマットに2発銃を発射する。ホホをかすり、足を貫通した。
そしてトドメを刺されるか、という瞬間、アンは急行したアレックスに撃たれ絶命する。

そこに押収金を取りに来た連邦捜査官も来たが、チェイの機転で、彼が持っていた48万ドルを
あたかもDEAに届けにいって道に迷ったように演技して、とぼけて捜査官に手渡した。
真実を知ったアレックスだったが、署の金庫からマットが一旦金を持ちだしたことは内緒にしてくれた。
彼女は署のPDAから携帯のGPSを頼りにマットを追跡してきて、命を救ったことになった。

ボートハウス住まいのマットだったが、ラストではアレックスが再び彼の元にも戻るところでエンドとなる。
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by jazzyoba0083 | 2009-11-14 22:55 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「白と黒のナイフ Jagged Edge」
1985 アメリカ Columbia Pictures,Delphi IV Productions,109min.
監督:リチャード・マーカンド
出演:グレン・クローズ、ジェフ・ブリッジス、ピーター・コヨーテ、ロバート・ロジア、ジョン・デナーほか。
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<感想>
サスペンスとしては、デ・パルマの「殺しのドレス」のように作品の出来というよりは時代を(古さ)感じて
しまう作品だな。ということは、普遍性を持つ名作にはなれないということだろう。
出だしの大きな音で脅かすというのが、まず、いらっとする。殺人事件の始まりだから昔の手法としては
当たり前なんだろうけどね。それと真犯人がなぜこういう事件を起こすに至ったか、異常性格者なのか
何かストレスでもあるのか、財産目当てなのかが今ひとつはっきりしない。たぶん新聞社の小僧あがり
が逆玉を掴んでそれを離したくなかったわけで、2年近い計画の末、殺人鬼による殺人に見せかけた
ものなのだろうが、もう少しそのことをストレートに判るようにしてほしかったな。
また、本作は一方で法廷劇でもあるわけだが、そこでの真理の追求も、欠点が散見される。
ただ、伏線の張り方も含め、全体的には、まあ見られるレベルかな。
主役のお二人は、女弁護士を演じるグレン・クローズ(若きメリル・ストリープかと一瞬思った)も
妻を殺された新聞社の編集局長のジェフ・ブリッジスも、いまひとつ重みに欠け、犯人と思わせるテニス
コーチの出現も後から思えばわざとらしい。オチとしては割と普通なのではないかな。私的には好きな街
サンフランシスコが舞台なので、それだけで加点になってしまいますが(爆)。

<ストーリー:ネタばれしてます>
サンフランシスコ。資産家の孫にして、地元大新聞の編集局長の妻である女性が深夜ナイフで切り刻
まれ惨殺されるという事件が起きた。旦那も帰ってきたところを頭を殴られ負傷、メイドも殺されていた。
地方検事クラズニーは、最初から夫ジャックが怪しいと睨む。財産目当ても考えられる。
そして、カントリークラブの守衛が夫ジャックのロッカーで犯行に使われていたと同じタイプのナイフを
見た、と証言を得、ジャックを逮捕する。

この弁護を担当することになったのが、かつてクラズニーの下で検事として働いていて、「スタイルズ
事件」(この事件の犯人スタイルズは最近刑務所で首をくくって死亡したと聞かされていた)をきっかけに
検事を辞めて企業弁護士になっていたテディ(グレン)であった。テディは企業裁判担当だから刑事事件
を担当するのはいやだ、と断っていたが、ジャックの率いる企業が大きい顧客でもあるボスに説き伏せら
れて担当することになった。彼女にはスタイルズ事件の罪滅ぼしという気持ちもあったのだろう。
このくだりは後述するが、この事件のことをもう少し丁寧に事前に説明しておけば(全部明かす必要がない
が)映画が引き締まったと思う。
テディは検事だった時の探偵を調査員として雇い、ジャックの周辺を洗ってもらった。彼の心証では
ジャックは真っ黒だった。
テディもジャックの周辺を洗っていく。すると同じタイプライターで書かれた“彼は無実だ“という手紙が
何通か届けられた。誰が送っているのか?テディは、ジャックからいろいろ事情を聞くうちに、彼に惚れて
しまう。彼女は離婚して二人の子持ちであった。(それがジャックの手段であったのだが・・)
そうこうするうちにテディとジャックは肉体関係となり抜き差しならぬことになってきた。
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裁判が始まった。双方様々な証人を立てて、有罪、無罪を立証しようとする。まず、殺された妻の兄が
出廷、ジャックは優秀な経営者だ、と証言、続いて出てきた女性は、かつてのジャックの浮気相手。
しかし、彼女が一方的にジャックに岡惚れしていたということだけで済んだ。次に検察側が連れてきた
証人は、疑いもなくジャックの愛人だった。これは言い逃れの出来ないことであった。また、殺された夫人
が通っていたテニスクラブのコーチのスレイドも続けて出廷、ジャックの奥さんと不倫関係であたったことを
証言した。さらに夫人が「ジャックは人を利用する達人よ」と言っていたとも。
ジャックから愛人の存在を知らされていなかったテディは激怒する。その言いより方が、テディを口説いた
ときと同じだったから、彼女はジャックを罵倒し、この裁判から降りるわ!と。
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テディはその足で裁判長の家に行き、裁判を降りたいと申し出る。しかし、翌日の裁判にテディは出てきた。
二度目の証言に立ったコーチのスレイドは、彼が真犯人のような心証を残した。クラブの警備員は
ジャックのロッカーに入っていたナイフが、ロッカー番号の見間違いで、他人のナイフを見たかもしれない
と証言を翻した。テディの弁護のたまものであった。(このころはジャックへの愛情ではなく、スタイルズ
事件の罪滅ぼしで動いてたとしか思えない)。この日の裁判が終わった地下駐車場でコーチのスレイドが
テディを脅すという伏線もあったり。

するとまた事務所にタイプライターで、ジャックは無実。サンタ・クルーズのジュディが証言する、と
書いてあった。テディはジュディを証人として立てた。彼女は、まるでジャックの夫人が殺されたような
手法で殺されかけたことを証言、しかも、夫人の殺人事件に手口が酷似していることを検事のクラズニー
に報告したが、クラズニーは握りつぶしていたことも証言したのだった。また、彼女はテニスクラブの
会員であり、スレイドのコーチを受けていたことが判明した。スレイドの犯行であるとことを印象付けた。

しかし、スレイドは18か月前から同じ犯行をしておいて、お膳立てをして、夫人殺しに及んだと説明、
ジャックの計画的犯行だ、と主張したが、裁判長は却下した。
そして判決。陪審員の評決は「無罪」であった。その席でテディはかつてクラズニーのもとでスタイルズ
事件を担当したが、その時、裁判の過程でスタイルズが無罪であることを決定づける証拠が挙がった
にもかかわらず、クラズニーは無視をし、自分も何も出来ず、彼は有罪となり、刑務所で自殺したのだ
と記者団に向かって告白した。警察はコーチのスレイドを指名手配したとテレビが言っていた。

その晩、テディはジャックの家に行き、再び二人の愛を確認した。しかし、バスルームの棚に、なんと
あの42年製のコロナのタイプライターがあり、小文字のtが跳ね上がる癖が一致した。恐怖に駆られ
子供が熱を出したから、といって、ジャックの家を離れるテディ。スレイドの犯行に持っていくために
ジャックが仕込んだことだったのだ!(こういう時に限って、逃げようとするクルマのエンジンがかからない
んだな)。その夜、ジャックから電話が入り、子供の熱はどう?と聞いてきたが、テディは、タイプライター
を見つけたわ、とだけ言った。ジャックはすぐそちらに行くからと。
切った電話で助手を務めていてくれた探偵に電話するが、そちらに行こうか、というのを断り、真実を
告げられなかった。そうするうちに、ドアのガラスを破って黒装束の男が侵入、ナイフとロープと言う
夫人殺しのスタイルで「顔を見せて、ジャック」というテディに迫ってきた。銃を4発。テディは男を殺した。
そこに探偵が駆けつけ、覆面を取ると、案の定、ジャックの顔が・・・。
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by jazzyoba0083 | 2009-11-12 22:50 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「さらばベルリンの灯 The Quiller Memorandum」
1966 イギリス Ivan Foxwell Productions,Rank Organisation, The (presents)107min.
監督:マイケル・アンダーソン  原作:アダム・ホール
出演:ジョージ・シーガル、アレック・ギネス、センタ・バーガー、マックス・フォン・シドーほか。
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<感想>
イギリスのスパイ映画といえばイアン・フレミングの007シリーズが高名だが、あの派手なアクションと
お色気の対極にある、冷戦の雰囲気そのままの寒々しく、地味で、普通のスパイを、ストーリーで
引っ張るイギリススパイ映画もある。本作はその典型だろう。時期的には007シリーズに当てはめると、
「サンダーボール大作戦」と「二度死ぬ」の間に位置している。私が中学2年の時の作品だ。

ソ連対アメリカ、東西対立という冷戦構造が無くなったいま観ると、しみじみしてしまうな。舞台は当然の
ようにベルリン。本作は東西対立ではなく、ネオナチの台頭に苦慮したイギリス諜報部が、ジョージ・
シーガル扮するスパイ=クィラー(これが原題になっている)に現地に行き、中枢部に侵入して、殲滅
するように指示する。この顛末がストーリーだが、現地のネオナチのシンパとして出てくるセンタ・
バーガーが美しい!!全体として淡々と進むストーリーだが、時代に雰囲気はとてもよく出ているし、
何より、有名なジョン・バリーの主題歌(映画の中ではマット・モンローが唄っている)が、スパイの
郷愁を上手く引き出す役目を演じている。この曲は皆さんもどこかで聞いたことはあるでしょう。
(下のYouTubeで聞いてみてください)
派手さは無いし、一級品とは言い難いがイギリススパイ映画らしい雰囲気を楽しむことが出来た。
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<ストーリー・ネタばれしてます>
上記に書いたように、イギリスのスパイクィラーは、POSというボスから、ベルリンに潜入してネオナチの
中枢部を壊滅する指示を受ける。煙草を勧めて、聞かない銘柄ですね、試してみては、では、というのが
味方同士の確認の隠語となっている
彼はフィラデルフィア時評という雑誌の編集者になりすまし、まず最近学校の教師としてネオナチ活動で
追放された同僚インゲ(バーガー)に会いに行き、ネオナチについていろいろ「取材」する。
しかし、その時の飲み物に睡眠薬が入っていて、彼は運転中に前後不覚となり、ネオナチ一味に拉致され
てしまう。
彼らのアジトにはオクトーバーと呼ばれるボスを中心にした幹部が集まっていて、自分たちをかぎまわる
クィルから、まずベルリンのアメリカ情報部の住所を聞き出そうとする。強制自白剤を注射されるが
何とかだまくらかした。すると彼は川のそばに放置されている状態で気がついた。一味はクィルを泳がせ
てみるつもりだった。
クィルはなんとか街のホテルに身を寄せ、インゲ(バーガー)に会いたいと電話する。彼はインゲに
一目ぼれしていたのだ。インゲと会い、自分は雑誌記者なんかじゃない、と打ち明け、インゲも一味の
存在を明らかにした。深い仲になった二人は、インゲの父の友人で一味をしっているという人物に会いに
行く。するとハスラーという男が会われ、今のアジトは判らないが、私より詳しいことを知っている人物を
紹介できる、という。
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ハスラーの運転でその人物に会いにいくと、そこにはインゲの学校の校長が現れた。彼女が一味の
アジトを教え、クィルは周囲の反対を押し切りアジトに潜入、するとまた例のオクトーバーが現れ、
そこにはインゲが捕えられていた。オクトーバーは、情報部の場所を教えればインゲもお前も助けて
やる、そうでなければ二人とも殺す、といわれ、クィルはアジトの外へと出される。
ホテルに戻ったクィルだが、周囲は一味に監視されている。ひそかに部屋を出てクルマで脱出を試みる
が、クルマには爆弾が仕掛けてあった。クィルは、爆弾をはずして、エンジンをかけ、ボンネットの上に
爆弾を置き振動で落ちて爆発するように仕掛けを直し、車庫から脱出、その直後に大爆発が起きた。

一味はクィルは爆発で死んだと思ったが、本部に戻ったクィルが一味のアジトを教えると、秘密部隊が
アジトを急襲、全員を逮捕した。しかしその中にインゲの姿は無かったという。

後日、インゲの務める学校を訪ねると、インゲがいて、「自分はラッキーだった。解放してくれたの」と
説明した。信じないクィル。「全員逮捕したけど、全員ではなかったかもしれないな」と。
自分はベルリンを離れる。また機会があれば会おう。ひと時の二人の愛情はすっかり冷えてしまっていた。
(だがどこかでお互いを気にしている風情はある)、学校から去ろうとすると校長の姿も。彼女はクィルを
無視するように立ち去った。校長もインゲも、クィルに協力するふりをしたネオナチのシンパに違いない
という余韻を残して映画は終わる。

The theme from "さらばベルリンの灯" 演奏=ジョン・バリー・オーケストラ

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by jazzyoba0083 | 2009-11-10 22:40 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「モナリザ・スマイル Mona Lisa Smile」
2003 アメリカ Columbia Pictures,Revolution Studios,Red Om Films,117min.
監督:マイク・ニューウェル
出演:ジュリア・ロバーツ、キルステン・ダンスト、ジュリア・スタイルズ、マギー・ギレンホールほか。
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<感想>
どうも50年代を描いた映画は、私の心の原風景のようで、見ていて趣深いし、時に郷愁を感ずる。
懐メロとかいう感覚じゃないんだな。まるで、その時代に前世があったような気分になる。自分が
産まれた世代だから、というわけだろうか?理由は判らない。そういえばジャズも大好きなのは50年代
に多いな。
というわけで、この映画も1953年から54年が舞台になっていて、自分が産まれてまだ1歳か、そこら
の時代なのだが、どこかデジャヴが漂う。アメリカなのにね。建物や着るもの、小道具、クルマなど
正確に(たぶん)50年代を表している。音楽がまた、当時のポップスとジャズのスタンダードが満載で、
気分をフィフティーズに誘う。さて郷愁はそのくらいにして。
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ストーリーは陳腐だが、俳優陣がなかなか個性的で、魅せてしまう。ほんの50年前のアメリカは
まだこんなに保守的であり、女性にとって結婚こそ最大の幸福であり、家庭を守ることが最大の義務で
ある、ということが疑いもなく受け入れられていた時代があったんですよ、その牙城みたいな名門
女子大に、革新的な女性教師が赴任し、苦闘の末、生徒たちに開明的な考えを理解させていく、と。
今でも良妻賢母をモットーとする女子大はありそうだし、家庭を守ることが女性にとって第一と考えて
教育する私立大学があっても別にいいんんだけどね、それをひっくり返そうなんて余計な御世話だ、と
思うところもあるけど、この映画の場合は、アメリカのその時代の女性の世界観と戦った女性として
描こうとしたんだね。来られた大学こそいい迷惑だったかもしれない。

日本でもそういう時代があったわけだし、そういう教育に立ち向かった開明的な教師もいただろう。
ただ、キャサリンという教師の存在が、人間として自立した女性として生きていこうとする目を覚ました
ことは感動的であったというべきだろう。
ただ、生徒たちの生きざまをたくさん欲張りすぎで配役の関係性が判りにくかったり、キャサリンの
男性関係も詰め込んだので、全体として薄味になってしまったのは残念だった。
ジュリアより、キルスティンやマギー、ジュリアらの生徒役の女優さんたちが光っていた。特にマギー・
ギレンホールが良かったと僕は思った。最初のうち、キルスティンと顔が似ていて、姉妹役かと
思った。

<ストーリー>
お話は、そう珍しくは無い。東部ニューイングランドの名門にして超保守的な女子大に美術教師として
カリフォルニアからやってきたキャサリン(ジュリア)が、良妻賢母を製造することを大目的として
人間として独立していない状況を嘆きつつ、生徒たちの反目に会いつつ、次第に共感を得、1年後に
学校を去ることになるのだが、その時には、キャサリンに感謝をする生徒ばかりであったと。
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生徒群の中に、学生結婚して、キャサリンと一番対立するベティに三白眼のキルスティン・ダンスト、
ベティと仲良しなのだが対極にあるノンシャランなジゼルにマギー・ギレンホール、さらに、頭が良くて
イェール大学の法学大学院に内緒で合格しつつも、保守的な夫と結婚し、進学を(仕事と家庭の両立)
あきらめてしまうジョーンにジュリア・スタイルズ、そして自分は持てないと決めつけて愛を持って
近づいてくる男子学生をベティのひとことで(遊ばれてるのよ)自ら身を引くものの、最後には男子寮に
押しかけて愛を獲得するコニーなど、学生たちのそれぞれの人生観を描いた群像ドラマでもある。
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"Maggie Gyllenhaal"

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"Julia Stiles"

開明的なキャサリンは、カリフォルニアから追いかけて来てくれ、求婚してくれたボーイフレンドを振り、
同じ大学のプレイボーイにしてイタリア語教師ともいい中にはなるのだが、古い時代の男を感じて、
共感できない。そう、あの時代は女性を見る男性もまだまだ保守的であり、男性社会であったわけだ。
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卒業式の日、条件付きで1年の契約延長となったが、条件を受け入れられず、タクシーに乗って
去っていくキャサリンを自転車で追いかけながら別れを惜しむ生徒たちであった。なんか「今を生きる」
「24の瞳」みたいだな。「モナリザ・スマイル」とは、モナリザの絵は見る角度によって(見る人によって
笑っていたり、考えていたり、悲しんでいたりと様々に見える、女性の生き方だって、一人ひとり
違って当然、皆自分の道を歩むのよ、というほどのニュアンスを訴えているようだ。
この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-11-09 22:42 | 洋画=ま行 | Comments(0)