キャタピラー 

●「キャタピラー」 R15+
2010 日本 スコーレ、若松プロダクション、84分
監督:若松孝二 
出演:寺嶋しのぶ、大西信満、吉澤健、粕谷佳五、増田恵美、河原さぶ、篠原勝之ほか。
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想とストーリー>
若松監督の作品は、「浅間~」に次いでの鑑賞で、昨年寺嶋がベルリンで銀熊賞を
獲ったということもあり、観てみようかと。
重暗い作品だろう、ということは覚悟していたが、ここまでとは・・・。
皆さん指摘の通り、反戦爺さんの撮った反戦アジ映画、というところか。
話はシンプルで訴える趣旨も判りやすいのだが、さらに言いたいことを重ねる
ために、最後に「首をくくられお国にご奉仕」と、BC級戦犯の絞首刑の
シーンを実写で見せるところあたりから、あれあれ、という感じになり、広島、長崎の
原爆になり、元ちとせの歌が入ってきてトドメを刺すわけだが、いらないんじゃ
ないか、と感じた。久蔵が土間に転がって、自分がシナでしてきた悪行を思い
泣くシーンも微妙に長かった。全体としてつくりが古いなあと思った。

要は、DV夫とはいえ、夫が戦地から「芋虫」(キャタピラー)のようになって、
しかも声・聴覚も失って帰ってきた妻が、「軍神」さんを抱えて何を思いながら
生きたか、を描けば、それだけで、反戦は貫けると思うのだが、まあ若松監督の手法
だから仕方ないけど。夫が戦地でレイプや無用な殺しをしてきたことなど知らないのだが
妻が自分の上に来るとフラッシュバックされ気が狂うように苛まれる、その夫の
背景をもう少し描きこむと、良かったかな、と残念に思う。映像は綺麗だし、
アングルも凝っていて、時間も短く(低予算だからかもしれないが)テンポも
いいのに。

賞を獲った寺嶋の吹っ切れた演技はさすがだし、「芋虫夫」を演じた大西も
セリフもない傷痍軍人を良く演じていたと思う。ヨーロッパの映画賞好みの
作品だ。
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四肢と声を奪われ、顔にも酷いやけどを負った男が、食欲、性欲、排泄欲しか
なくなり人間性が失われた中で、何を生に求めていたのか。自分の活躍を
報じた新聞を時折眺めることしか生きている意義を見つけられない。敗戦し、
自分の軍神としての価値が無いと感じた夫は、シナでしてきた悪行のことも
あり、這い出して池に入水自殺する。その前に浮かんでいる毛虫が印象的だ。
一方、そうした夫を迎えた妻は、村人に夫を軍神さんとして披露することでしか
自分たちのアイデンティティを見出せない。覚悟を決めて必死に生きるが、心の
中は戦争なんて、と思っている。当時の婦人たちと同様自分の人生なんかない
女性の、絶望的な人生が描かれているが、終戦の時に田んぼで見せた妻の
笑顔は、夫自殺後の彼女の人生が暗くないことを示唆しているようだ。

この夫婦を取り巻く村の戦時の暮らしを描くことで若松監督はさらに戦争の
馬鹿馬鹿しさを重ねている。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-10-31 22:55 | 邦画・新作 | Comments(0)

●「デート&ナイト Date Night」 R15+
2011 アメリカ 20 Century Fox Films,21 Laps Enterttainment,88min.
監督:ショーン・レヴィ
出演:スティーヴ・カレル、ティナ・フェイ、マーク・ウォルバーグ、ジェームズ・フランコ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
星6個は辛いかもしれない。日本では劇場で公開されなかった作品だが、いかにも
アメリカっぽい作りで、時間も短くテンポ良く、カタルシスもありきたりだが
そこまでやるか、というところがエライw。

セックス描写、お下劣セリフ満載だが、アメリカの映画なら普通なんだろう。
言葉がわからなくても笑えるギャグはそこかしこに。
あり得ない世界を無心に楽しむにはいい映画だったと感じた。
まあ、ステーヴ・カレルとティナ・フェイが夫婦、というところで作品の正体を
見破らなくてはならないのですが・・(汗)。
タクシーとアウディR8を使ったカーアクションは、この映画でその予算??と
思うほどしっかりやってます。新車のアウディがぼろぼろになる様は、
「あー、もったいない」とアウディファンとしては思っちゃいますが・・・ww。

いつも上半身裸のマーク・ウォルバーグが面白い役どころ。
この手の日本語訳は大変なんだろうなあ。面白さを伝えるためには。
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<ストーリー>
「ひょんなことから悪人たちのターゲットとなっている人物に間違えられ、執拗な
追っ手を逃れようとハチャメチャな逃亡劇を繰り広げる夫婦を描いたアクション・
コメディ。
 フィルとクレアのフォスター夫妻はある晩、仕事と育児に追われる忙しい日常を
しばし離れ、2人だけの時間を過ごそうとマンハッタンの高級人気レストランへ
向かう。しかし、そこで“トリプルホーン”という予約客に成りすましたことから、
夫妻は命を狙われる身となってしまう。トリプルホーンがマフィアと検事、
警察の癒着の証拠を握っていたためだった。ピンチをかわし続けるものの、ついには
窮地に立つフォスター夫妻だが…。」(allcinema)
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倦怠期の中年?夫婦→倦怠感を吹っ切るためマンハッタンの超高級レストランに予約
なしでディナーに→当然断られる→名前を呼ばれても応じないトリプルホーン夫妻に
成りすまして食事→突然現れるむくつけき男二人→夫妻を表に呼び出し、隠した
USBメモリを出せと脅す→正体を説明するが、信じてもらえず逃げ出す二人→
セントラルパークのボートハウスでダンナが二人をオールで殴り逃亡→警察に
駆け込むが→そこで観たのはあの二人→また逃げる→トリプルホーンの電話番号を
レストランのPCで盗み見るがそこから住所はわからない→奥さんが不動産屋に
勤めていて家を紹介した男(ウォルバーグ)がそういう事に詳しいと考え彼の
家を訪れる(自分のオフィスに侵入する)→上半身裸の彼が現れる→何とか彼から
トリプルホーンの住所を聞き出し二人でアパートの非常階段から侵入→トリプルホーン
夫妻に見つかったが、夫妻がマフィアのボスの名前を出すと夫婦喧嘩を始めUSBを
夫妻に渡し、二人で部屋を出て行ってしまう→PCで中身を確認すると、検事の
あられもない姿が→再び追ってくるあの男二人(どうやらマフィアとつるんでる
NYPDの刑事らしい)→またウォルバーグのところを訪ねるが追っ手に迫られる→
ウォルバーグのアウディを持ち出して逃げる→途中でタクシーと正面衝突→
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頭を向け合ってドッキング状態→そのままパトカーをかわして逃げる→しかし
ハドソン川?にまっさかさま。USBと共に沈んでしまう→またウォルバーグの
元を訪ねる→トリプルホーンの妻のほうがストリッパーをやっていたというので
その劇場へ出かける→ガードを言いくるめて中に入り、検事のところに行き着く
→変態夫婦を装って近づくが正体ばれて万事休す→屋上へ逃げるとそこへマフィアの
ボスも登場「おれのビルで何やってるんだ」と。→夫は検事にUSBメモリに入って
いたことをねたに話を聞きだしそれを隠していたレコーダに録音→検事は、マフィアが
自分がしていた売春をねたにゆすろうとするのかと激怒→そこにNYPDがヘリで
登場→検事とマフィアは逮捕される→二人は家の近くのダイナーでパンケーキを食べる。
(ちょっと違うかも知れません)

一晩(Date Night)の出来事を凝縮して構成している。たった一晩で夫婦に
とんでもないことが降りかかるわけだ。
カレルのおばかに徹底的に付き合う妻を演じたティナ・フェイが良かった。
それとトリプルホーン夫妻を演じたのがジェームズ・フランコとミラ・クニス。
ここだけのために登場してます。
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この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-10-26 22:50 | 洋画=た行 | Comments(0)

バレッツ L'immortel

●「バレッツ L'immortel」
2010 フランス Europe Corp.,117min. R15+
監督:リシャール・ベリ
出演:ジャン・レノ、カド・メラッド、ジャン=ピエール・ダルッサン、マリナ・フォイス他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
フレンチの香り高いハードボイルド・アクション。たくさん血が流れバイオレンスも
半端じゃないのでR15+だ。ご婦人たちにはちょいとえげつないかも。
実話に基づいた話だそうだが、肉食系の人たちはやることが草食系とは違うなあ、
と思ってしまう。全体にいい緊張感を覚えながら観たが、「死んでも友達」という
親友が、麻薬関係・金関係とはいえ、ああまで親友を裏切るか、と感じた。
が、そこに主人公の復讐への激しい動機があるのだろう。
ジャン・レノに味方する女性刑事(夫を目の前で殺された)、ジャン・レノを
守るべき弁護士の驚くべき?背景などが横糸として絡んでくるが、やはり、
見所は復讐劇の銃撃戦であったりカーチェイスだったりする。
ジャン・レノの元マフィアは、さすがの貫禄。安心して観ていられる。
厚みのある物語性を探しづらい娯楽作、と感じた。それにしても、ジャン・レノが
息子を救うべく、有刺鉄線がの林の中を匍匐前進する様子は痛々しかったなあ。
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<ストーリー>
「仲間の裏切りによって全身に22発もの実弾を受けつつも、辛うじて生き残った
マフィアの実話を元に映画化したバイオレンスアクション。
主演は「レオン」のジャン・レノ。共演に「マイ・ファミリー/遠い絆」で
セザール賞助演男優賞受賞のカド・メラッド、「画家と庭師とカンパーニュ」の
ジャン・ピエール・ダルッサン。

かつてマルセイユの街を支配するマフィアのボスだったシャルリ(ジャン・レノ)。
現在は愛する家族と平穏な生活を送っていた。
しかしその幸せは、何者かの突然の銃撃によって奪われる。全身に22発もの銃弾を
撃ち込まれ、生死の境を彷徨うシャルリ。奇跡的に一命を取り留めると、
引退後も彼を慕うカリム(ムサ・マースクリ)ら3人の仲間たちが犯人を突き止める。
シャルリを撃ったのは、“死んでも友達”と誓い合った古くからの友人ザッキア
(カド・メラッド)だった。復讐しようとするカリムたちだったが、シャルリは
“報復が戦争となり、一生引退できなくなる。足を洗うと家族に誓った”と制止。
だが、それがカリムの死を招き、ついに愛する家族までも危険に晒すことに……。
そして、事態が息子の誘拐にまで発展した時、シャルリは決意を胸に立ちあがる……。」
(goo映画)
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22発の弾丸を打ち込まれてなお、生きていたというのはホント奇跡としかいいようが
ないというか、殺し屋たちの詰めが甘いというか・・・。
この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-10-25 22:45 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「遠距離恋愛・彼女の決断  Going the Distance」
2010 アメリカ New Line Cinema,Offspring Entertainment,103min.
監督:ナネット・バーンスタイン
出演:ドリュー・バリモア、ジャスティン・ロング、クリスティナ・アップルゲイト他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
久々のラブコメ。ドリュー・バリモアの名前で鑑賞を決定。セックス過多なので
R15+。典型的な遠距離恋愛の在りようを、周辺の人間も含めエロ・コミカルに
描くのだが、彼氏NY、彼女サンフランシスコ、ハッピーエンドにするなら
おのずとエンディングの前提は判ってしまうが、そこへどう持ってくるかというのが
脚本の腕の見せ所。コメディエンヌとしてのドリューは、アクが強くない部分
刺激的なシーンや会話でも、あっさりいけてしまう。また、そんなにイケメンとは
思えないジャスティン・ロングも、脂ぎってない分、救われる。
私としてはドリューの姉さんを演じたクリスティナ・アップルゲイトのほうに興味が
行ったけど。(爆)

アメリカなら映画館で下卑た笑い声が聞こえてきそうなエロシーンとエロトーク。
ストーリーは判りやすく、ハッピーエンディングで、というラブコメの王道を行く。
時間もちょうど良く、リラックスしてみるには普通に面白い。
姉さんの幼い娘に、見せたくないことが起きると「銅像!」と叫ぶのには笑った!
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<ストーリー>
「そんな彼なら捨てちゃえば?」のドリュー・バリモアとジャスティン・ロング
再共演で贈るロマンティック・コメディ。
軽い付き合いから真剣交際に発展するものの、それぞれ西海岸と東海岸に暮らすために
遠距離恋愛を始めることとなり、様々な障害に直面しながら愛を紡いでいく一組の
カップルの恋の行方を描く。
監督は長年ドキュメンタリー畑で活躍し、本作が劇映画デビューとなる「くたばれ!
ハリウッド」「American Teen/アメリカン・ティーン」のナネット・バースタイン。
 
ニューヨークの音楽業界で働くギャレット。(ジャスティン)恋人と別れたばかりの彼は、
ある夜バーでジャーナリスト志望の女性エリン(ドリュー)と出逢い意気投合、
翌朝まで楽しく過ごすことに。以来、急速に恋愛関係へと発展した彼らだが、
エリンは新聞社のインターンを終える6週間後にサンフランシスコへ戻ることとなり、
この恋も後腐れのないひと夏の関係で終わるはずだった。
しかし、この間に別れがたいほど愛を深めていった2人は、思い切って遠距離恋愛を
スタートさせようと決意する。
こうして、離ればなれになった後もメールや電話でマメに連絡を取り合うギャレットと
エリン。周囲の反対や心配も意に介さず愛し合う2人はやがて、いずれかの土地で一緒に
なり、仕事も継続させようと模索していくのだが…。」

サンフランシスコで大学の教授からクロニクル紙を紹介され、面接を受けたエリンに
内定の知らせが。思い切ってNYに行くエリンだったが、自分に知らせないで新聞社の
面接を受けたことに腹を立てるギャレット。しかし、彼女の将来や夢を考えると
クロニクル紙を諦めろとは言えない。そこで彼女に一緒に悩もうと言って、結局
エリンはクロニクル紙に就職、目覚しい活躍をする。NYでのギャレットは西海岸での
仕事を探すが、上手くいかない。そこで自分が推していたものの、会社からはNGを
くらっていたバンドのマネージャーになることを決意、LAに引っ越すのだった。

サンフランシスコに住む姉夫婦、NYのギャレットの友人達、脇の彼らがストーリーに
花を添える変人振りを発揮する。縦糸だけでは面白くないところ、脇が上手く
横糸を張って、全体を面白くしている。従来型の手法だが、初監督としては
手堅くいったかなと。

遠距離恋愛していないカップルに、デートムービーとしていいのでは?
この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-10-24 23:10 | 洋画=あ行 | Comments(0)

秋刀魚の味

●「秋刀魚の味」
1962 日本 松竹映画 113分
監督:小津安二郎 脚本:野田高梧、小津安二郎
出演:岩下志麻、笠智衆、佐田啓二、岡田茉莉子、三上真一郎、中村伸郎、加東大介、
   吉田輝雄、三宅邦子、東野英治郎、杉村春子、北竜二、岸田今日子、環三千代他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
3回目の鑑賞。監督としては遺作となる。年代も進んで昭和37年となったが、
今の時代から見るとまさに昭和そのものだ。
小津の作品はどうしてこう心安らぐのか。自分の原風景みたいなものだから、か。
短く、繰り返しの多いセリフがテンポ良く、生理的に合うのか。

相変わらず、パンやドリーを使わないフィクスな映像、それでいて、会話の
やりとりは短いカットで切り返し、ナメを多用しない。役者のせりふは
棒読みのようであり、表情は豊かとは言えない。
それゆえ、感情が出たときの言葉や、表情が生きてくるのだが。小津映画では
毎度書くのだが、小津を神と仰ぐファンが多いので、やたらなことは言えない。

ここでの主眼は、娘を嫁がせる父親の哀感。小津作品のサブテーマになっている
ような父と嫁ぐ娘のお話だ。評価は「晩春」のほうが高いが、私は本作も好きで
ある。55歳定年の頃だから、笠や中村、北らの同窓生はまだ55前ということに
なるのかな、あるいは自由に退社しているから役員なのかも知れない。
送迎の車とか自由に使っているし。

それにしても、家と会社と居酒屋それに兄のアパート以外にはあまり場面設定が
ないので、笠らは実に良く飲んでいる。箸を手にしていないと会話が出来ないか、
と思わせる。東野の実家も中華料理店だし。
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しかし、4回目を観るか、といわれればおそらく1年経ってWOWOWやNHKで
放送していれば観るだろうな、と思うくらい好きな作品だ。

<ストーリー>
「小早川家の秋」のコンビ、野田高梧と小津安二郎が共同で脚本を執筆。
小津安二郎が監督した人生ドラマ。撮影は「愛染かつら(1962)」の厚田雄春。

長男の幸一夫婦(佐田と岡田)は共稼ぎながら団地に住んで無事に暮しているし、
家には娘の路子(岩下)と次男の和夫(三上)がいて、今のところ平山(笠)には
これという不平も不満もない。
細君と死別して以来、今が一番幸せな時だといえるかもしれない。わけても中学時代から
仲のよかった河合(中村)や堀江(北)と時折呑む酒の味は文字どおりに天の美禄だった。
その席でも二十四になる路子を嫁にやれと急がされるが、平山としてはまだ手放す気に
なれなかった。
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中学時代のヒョータンこと佐久間老先生(東野)を迎えてのクラス会の席上、話は
老先生の娘伴子(杉村)のことに移っていったが、昔は可愛かったその人が早く母親を
亡くしたために今以って独身で、先生の面倒を見ながら場末の中華ソバ屋をやっている
という。
平山はその店に行ってみたがまさか路子が伴子のようになろうとは思えなかったし、
それよりも偶然連れていかれた酒場“かおる”のマダム(岸田)が亡妻に似ていたことの
方が心をひかれるのだった。
馴染の小料理屋へ老先生を誘って呑んだ夜、先生の述懐を聞かされて帰った平山は
路子に結婚の話を切り出した。路子は父が真剣だとわかると、妙に腹が立ってきた。
今日まで放っといて急に言いだすなんて勝手すぎる--。
しかし和夫の話だと路子は幸一の後輩の三浦(吉田)を好きらしい。平山の相談を
受けた幸一がそれとなく探ってみると、三浦はつい先頃婚約したばかりだという。
口では強がりを言っていても、路子の心がどんなにみじめなものかは平山にも幸一にも
よくわかった。秋も深まった日、路子は河合(三宅)の細君がすすめる相手のところへ
静かに嫁いでいった。やっとの思いで重荷をおろしはしたものの平山の心は何か
寂しかった。酒も口に苦く路子のいない家はどこかにポッカリ穴があいたように
虚しかった。」(goo映画)
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それぞれの人物描写が、淡々とした中から浮かび上がってくるいつもの小津映画。
特に平山、路子、ひょうたん先生の3人の心の中は、観客が共感しつつも推し量るが
推し量りかねる、という小津流のカタルシスが設定されていると感じたのだが。

この映画の詳細はこちらまで。

また、こちらのブログが
面白い考察をしています。
by jazzyoba0083 | 2011-10-23 23:50 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「食べて、祈って、恋をして Eat Pray Love」
2010 Sony Pictures Entertainment,Plan B,. 140min.
監督:ライアン・マーフィー
出演:ジュリア・ロバーツ、バビエル・バルデム、ジェームズ・フランコ、リチャード・ジェンキンス他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
映画館で観なくてよかった!長すぎ。横で奥さんは爆睡してました。w 原作は未読だが、
本で読むほうがいいのじゃないかな、と思うようなタイプの物語。映画にしてくれなくて
いいよ、というような。(爆)

ジュリア・ロバーツファンか、観光映画、と割り切って見るか、芯からアラフォー女性の
自分探しに興味がある人以外は、眠くなるだけだろう。

悪い話じゃないけど、私も、主人公に共感できなかったので、最後まで観たが、なんだかなあ、
で終わってしまった。アメリカのこのタイプの映画によくあるのだが、お金に不自由していない。
世界中を旅して、時間を掛けていくという贅沢なことが出来るストーリーに、OLさんたちは
共感するだろうか。 最初の結婚の相手なんて、「あなたの探している女は私じゃないのよ」
とか言われちゃって、可哀そうに。
最後にダメを押したのは、ラスト、バリ島のパートで、バビエル・バルデムから言われること
(言われてキレるのだが)と、納得してしまう薬療師から言われたことの内容は違わないと
思うのだが、言われる人を区別するんかい!と思わず突っ込みを入れました。w
ホントにこの女性は成長したんかいな、と思ってしまう。

<ストーリー>
「オスカー女優ジュリア・ロバーツを主演に迎え、ヒロインの再生を綴る大人のヒューマン・ドラマ。
女流作家エリザベス・ギルバートの世界的ベストセラーとなった自伝的小説を映画化。

女性ジャーナリストが忙しない日常を離れ、イタリア、インド、バリ島を巡る旅を通して新たな
自分を見出していく姿を各地の美しい風景と共に描く。
監督はTVシリーズ「NIP/TUCK」「Glee」のクリエイター、ライアン・マーフィー。

 ニューヨークでジャーナリストとして活躍するリズ。毎日忙しくも安定した結婚生活を送り、
その人生は順風満帆に見えた。しかし、どこか満たされない思いを募らせていた彼女はある日、
離婚を決意する。そんな中で出会った年下の男とも長続きせず、恋愛依存ばかりの自分に
嫌気が差すリズ。そこで彼女は一念発起。思い切って仕事も男も絶ち、全てをリセットしようと、
イタリア、インド、インドネシア・バリ島を巡る1年間のひとり旅へ出ることに。

こうして、イタリアではカロリーを気にせずグルメ三昧、インドではヨガと瞑想に耽るリズ。
そして、最後に訪れたバリ島では予期せぬ出逢いが訪れるのだが…。」(allcinema)

「食べて」パートがローマ。スウェーデン人の女性と知り合い、その女性のイタリア語教師と
知り合い、また教師の知人と知り合い、また食べ尽くす。そんなに都合のいい出会いが
ありましょうか。w
「祈って」パートがインド。修行所で瞑想三昧。知り合ったテキサスから来た中年男性は
酒とクスリ漬けの生活で、家族を滅茶苦茶にしてしまったことを告白。
「自分を許せ」という言葉を残し、帰っていく。
「恋をして」パートがバリ島。ツアーガイドのバルデムと自転車対ジープの事故寸前、という
シーンで知り合う。お互い再び傷つくことを恐れて恋に踏みこめない。いち早く、打ち明けた
バルデムに対し、まだ尻ごみをするジュリア。そして薬療師に「調和を乱すことも、
調和していく人生の一部なんだよ」なんて禅問答みたいなことを言われ納得するジュリアは
バルデムのところに走りましたとさ・・・ww

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-10-22 23:15 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「カウボーイ&エイリアン Cowboys & Aliens」
2011 アメリカ Paramount,Dream Works,Universal,.118min.
監督:ジョン・ファブロー 制作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ダニエル・クレイグ、ハリソン・フォード、オリヴィア・ワイルド、サム・ロックウェル他。
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
面白かった!! 私がこの手の映画が大好きということもあるのだが、エンタティンメントとして
大人も子供も面白いと思う。007のダニエル・クレイグ、インディー・ジョーンズのハリソン・
フォード、総指揮にスピルバーグ、プロデューサーの一人にロン・ハワードという豪華陣。
加えて「アイアンマン」のファブロー監督の演出。 いきなりの登場とか音とかビックリさせる
従来の手法が多々見られたのはいささか、花白むが・・w。

お話はまことに「荒唐無稽」。しかし発想がいい。西部劇時代にだって空飛ぶ円盤は来ていたろう
という着眼点からワクワクする。いろんなものを詰め込みすぎ、という指摘もあるようだが、
私はそうだからと言って全体がボケたとか、締りが無かったとかは感じなかった。

アメコミの世界のようなもんだから、目くじらを立てるべき筋合いの作品ではなく、どこまで
観客を楽しませらるか、が勝負の作品だ。
惜しむらくは、主人公の背景とか、エイリアンがなんで金を欲しがっているのかとか、あれだけ
強いエイリアンがなんで人間の弱点を探るのか、とか、描ききれてないところもなるが、
さして気にならない。 んな、アホな、と言いながら観るのが正しい(笑)。

キャスティングもいいんじゃないかな。ハリソン・フォードはこの手の映画の方がフィットするなあ。
女優陣も両巨頭の存在が薄まらない程度に中クラスを使うというのも宜しい。

「アバター」とかじゃなくて、「インディー・ジョーンズ」の方にわくわくを感じる人は、絶対に面白いと
思いますよ!

以下、ネタばれのストーリー。

<ストーリー>
『「007/カジノ・ロワイヤル」のダニエル・クレイグと「インディ・ジョーンズ」シリーズのハリソン
・フォードの豪華共演で贈るSF西部劇アクション。
西部開拓時代のアメリカを舞台に、記憶喪失で正体不明の主人公が、突如襲来したエイリアンを
前に対立していたカウボーイたちと手を組み決死の戦いを繰り広げるさまを迫力のアクション
満載で描く。監督は「アイアンマン」のジョン・ファヴロー。

 1873年、アリゾナ。荒野で目を覚ました一人の男。なぜかすべての記憶を失っており、
おまけに左腕には奇妙な腕輪。やがて男はダラーハイドが牛耳る町へとたどり着く。
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すると彼はお尋ね者のジェイク・ロネガンだとして捕まってしまう。ところがジェイクが護送され
ようとしていたとき、町の夜空に未知の飛行物体が飛来、建物を破壊し人々を連れ去っていく。
しかしその瞬間、ジェイクの腕輪が敵に有効な武器であることが判明する。
町の男たちはジェイクと協力し、連れ去られた住人を救い出すべく、未知なる敵の行方を
追い始めるのだが…。』(allcinema)
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街のボス(大牧場の主)ダラーハイドは出来の悪い息子をさらわれる。酒場の主人ドク
(サム・ロックウェル)は奥さんをさらわれる。そしてジェイクも記憶を失ってはいるが実は
奥さんをエリアンに殺されている。

ダラーハイドにはインディアンの血を引く息子のように可愛がっている牧童頭がいる。
街の保安官もさらわれるのだが、その孫も捜索隊に加わる。街の酒場で知りあう謎の女性エラは
実は違う星から、地球に警告にやってきたのだ。
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ジェイクの正体は強盗のボスなのだが、記憶を失ってからはまったくの正義感に。噂では悪そうな
街のボスもエイリアンに息子をさらわれてからは、少年にナイフをあげる様ないい奴に。
更に、アパッチも、牧童頭が、自分が如何にダラーハイドに可愛がられたかを説明すると、
捜索隊に味方し、一緒にエイリアンに対峙する。
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一気に「イイもの」ベクトルになだれ込むのは御愛嬌だ。ラストは、かつて奥さんをさらっていった時
ジェイクに顔に深い傷をつけられたエイリアンが、最後にジェイクに襲いかかる(執念)ところは、
伏線が生きていると言う訳だ。

ラスト20分は、金鉱掘削機型母船をみんなで破壊し、さらわれた人々を解放するシーン。
この映画のハイライトだ。次々と襲いかかる巨大なエイリアンは、働き蜂のような存在なんだろうな。
頭のいい種類は別にいて。 母船がロケットみたいに上昇するところは、地球人の発想だなあ、と
感じた。これ、3Dでも面白かったんじゃないかな。
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スピルバーグなんで、エンドロールの後に何か仕掛けがあるのかな、と思ったら、何も無かったww。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-10-22 12:30 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「ミーン・ストリート Mean Streets」(再見)
1973  アメリカ warner Bros.pictures,115min.
監督・脚本:マーティン・スコセッシ
出演:ロバート・デ・ニーロ、ハーヴェイ・カイテル、エイミー・ロビンソン、マリリン・ハセット他

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
2008年4月に観ていた。忘れているものだなあ。それでこのブログを始めたのだ
けれど。(汗)
スコセッシは好きな監督さんでそこそこ観ているのだが。3年半おいてみた感想は
どう変化したか。時代の雰囲気を実際に体験していないとなかなか判らないもの
だが、ニューシネマの流れ、手持ちキャメラ、ドキュメンタリータッチ、物語と
いうよりも、ある種の群像劇、観客に放り出されるエンディングのカタルシス、
など、今から約40年前の若い監督と若い俳優が、ロックのBGMを多用して創った
ロックなドラマだな、という感じだった。1回目の鑑賞のときはもっとプリミティブな
感想を書いていた。
スコセッシやデ・ニーロには切り離せないイタリア移民のヤクザな青春を切り出した
もので、デ・ニーロの切れ演技もいいが、頭のネジが何本か外れちゃっているような
デ・ニーロをどうしても見放すことができない男をハーヴェイ・カイテルが好演して
いる。演出的には荒削りだが、それゆえの力強さを感じることが出来る。

ストーリーや1回目の鑑賞時感想などはこちらを参照ください。
by jazzyoba0083 | 2011-10-20 23:10 | 洋画=ま行 | Comments(0)

悪人

●「悪人」
2010 日本 東宝 139分
監督:李相日  原作:吉田修一 脚本:李相日・吉田修一 音楽:久石譲
出演:妻夫木聡、深津絵里、岡田将正、樹木希林、柄本明、満島ひかり、塩見三省ほか。
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
昨年、日本アカデミー各章、モントリオール映画祭主演女優賞などを獲得した年度を
代表する作品。やっと鑑賞。昨年は本作と「告白」という話題作が賞を分け合っていた。

原作は未読だが、映画は面白く観た。ただちょっと長いかな。あと10分は短く出来ると
思った。終わって頭に浮かんだ言葉は「朝日を見て涙を流す人間に悪人は居ない」と
いうことと、「絶望的な愛」だった。
タイトルどおり、「悪人」の定義を見ている人に問うてくる。保険外交員芳乃が殺される
のだが、最初にいい加減に引っ掛け、峠でクルマから足蹴にして放り出した大学生増尾が
悪人か、激情に駆られたとはいえ、実際に手をかけた清水が悪人か、出会い系で
メールをやりとりして出会った清水に、逃亡を誘い、深みに嵌めた「紳士服フタタ」の
店員光代が悪人か。殺されたとはいえ、男にだらしの無い芳乃が悪人か。

何かの拍子に悪人になってしまう人生、深みに嵌り抜け出せなくなる絶望感、真面目に
生きてきた人間と、ちゃらちゃらいい加減に生きてきた人間が神様から正当にあるいは
平等に扱われない不条理。それらが、見ている人にぐいぐいと迫ってくる。
清水を演じた妻夫木聡、最初はミスキャストじゃないか、と思ったけど、あの甘い表情は
ラストシーンまで隠して終始鬱屈した青年を好演、光代役の深津、恋愛体験が浅いだけに
一旦嵌るととことんのめりこむ恐ろしさを熱演、さらに脇の柄本、樹木、塩見、岡田、ら
が全体を締める。
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また佐賀と長崎など九州が舞台であり、九州弁のセリフが背景を補強し、映画を強くして
いる。さらに季節を冬に置くことで、全体の寒々しさが補強されている。

しかし舞台となった灯台、あんなに簡単に人が入れちゃうものなの??
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<ストーリー>
「吉田修一のベストセラー小説を『フラガール』の李相日監督が映画化。
原作者の吉田修一は李相日と共同で脚本も手掛けるほどの意欲作。この作品で描かれる
のは、他人と理解しあうことなく、孤独な日々を生きている人間たち。
彼らは他者との触れ合いを拒絶しながらも渇望しており、ちょっとしたきっかけで
犯罪に巻き込まれていく。
彼らは善人でも悪人でもなく、善人でも悪人でもあるのだ。そんな二つの顔を持つ
主人公・清水祐一を演じるのは、妻夫木聡。髪を金髪にし、これまでの爽やかな
イメージとは違った一面を見せる。馬込光代役の深津絵里も、清純派のイメージを
かなぐり捨て、性欲やエゴイズムを持った生身の女性の姿をリアルに演じている。

土木作業員の清水祐一(妻夫木聡)は、長崎の外れのさびれた漁村で生まれ育ち、
恋人も友人もなく、祖父母の面倒をみながら暮らしていた。
佐賀の紳士服量販店に勤める馬込光代(深津絵里)は、妹と二人で暮らすアパートと
職場の往復だけの退屈な毎日。そんな孤独な魂を抱えた二人が偶然出会い、
刹那的な愛にその身を焦がす。
だが祐一にはたったひとつ光代に話していない秘密があった。彼は、連日ニュースを
賑わせている殺人事件の犯人だったのだ……。

数日前、福岡と佐賀の県境、三瀬峠で福岡の保険会社のOL・石橋佳乃(満島ひかり)の
絞殺死体が発見された。事件当日の晩に佳乃と会っていた地元の裕福な大学生・
増尾圭吾(岡田将生)に容疑がかかり、警察は彼の行方を追う。
久留米で理容店を営む佳乃の父・石橋佳男(柄本明)は一人娘の死に直面し、
絶望に打ちひしがれる中、佳乃が出会い系サイトに頻繁にアクセスし、複数の男相手に
売春まがいの行為をしていたという事実を知らされる。
そんな折、増尾が警察に拘束されるが、DNA鑑定から犯人ではないことが判明、やがて
新たな容疑者として金髪の男、清水祐一が浮上する。幼い頃母親に捨てられた祐一を
わが子同然に育ててきた、祐一の祖母・房枝(樹木希林)は、彼が殺人事件の犯人だと
知らされ、連日マスコミに追い立てられていた。

一方、警察の追跡を逃れた祐一は光代のもとへ向かい、佳乃を殺めたことを打ち明ける。
光代はその事実に衝撃を受けるが、警察に自首するという祐一を光代は引き止める。
生まれて初めて人を愛する喜びを知った光代は、祐一と共に絶望的な逃避行へと
向かうのであった。やがて地の果てとも思える灯台に逃げ込んだ二人は幸福な
ひとときを迎えるが、その逃避行が生んだ波紋は被害者の家族、加害者の家族の
人生をも飲み込んでいく……。」(goo映画)
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この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-10-19 23:20 | 洋画=あ行 | Comments(0)

●「シングルマン The Single Man」
2009 アメリカ Artina Films,Depth of Field,Fade to Black Productions,99min.
監督:トム・フォード
出演:コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、マシュー・グード、ニコラス・ホルト他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
この年のオスカーノミニーでもあり、ヴェネチア国際映画祭主演男優賞受賞作であり、
IMDbの評価も高いのだが、私はこういう手の映画は苦手。コリン・ファース
目当てに見始めた訳だが・・・。
監督がファッション・デザイナー出身というだけあり、映像は美しい。主人公の
心象が、肌色の濃淡で表されるなどはいかにも、という感じ。
この監督も絶対にゲイだ、と確信する。そうでなければあれだけゲイの心理には
踏み込めまい。私は別にゲイを差別するものではないし、「コールドマウンテン」
などは傑作だとは思う。ただ、これだけあからさまに描かれると引く。
そう長い映画ではないのだが、残時間が気になって仕方が無かった。
コリン・ファースは翌年「英国王のスピーチ」で念願のオスカーを獲得することに
なるわけだが、さすがの演技だ。ゲイが主役とはいえジュリアン・ムーアは
もったいないな。
この手の映画、好きな人には堪らないのだろうが、私はこれ以上の感想を書く気が
しない。ごめんなさい。

<ストーリー>
「グッチ、イヴ・サンローランのクリエイティヴ・ディレクターを歴任、
ファッションデザイナーとして成功を収めたトム・フォードが映画監督として
初メガホンをとった。
本作は、クリストファー・イシャーウッドの同名小説を基に、愛するパートナーの
もとへ旅立とうとするひとりの中年男性の最後の一日を描いた感動作だ。
主演のコリン・ファースがアカデミー賞主演男優賞ノミネートされただけでなく、
各国の主要映画賞で23部門にノミネート、14部門で受賞を果たしている。
キャリアの成功の陰にある孤独、物質に溢れながらも感じる空虚さ――
トム・フォードが自らの生き方をさらけ出したともとれる内容はとても興味深い。

1962年11月30日。今日も新しい朝がやって来た。しかし、この8ヶ月間、
ジョージ(コリン・ファース)にとって目覚めは、愛する者の不在を確認する苦痛に
満ちた時間でしかなかった。16年間共に暮らしたジム(マシュー・グード)が
交通事故で亡くなって以来、ジョージの悲しみは癒えるどころか、日に日に
深くなっていた。
だが、彼は自らの手でこの悲しみを終わらせようと決意する。LAの大学で
英文学を教えている内省的でシニカルなジョージと、輝くような生命力と
ユーモアに満ち溢れた建築家のジム。正反対の性格に惹かれ合い、固い絆を
結んだ最愛のパートナーのもとへと今日、旅立つのだ。
大学のデスクを片付け、銀行の貸金庫の中身をカラにし、新しい銃弾を購入。
着々と準備を進めるジョージであったが、一方で、今日が最後の日だと思って
世界を眺めると、些細なことが少しずつ違って見えてくる。
最後の授業ではいつになく自らの信条を熱く語り、講義に触発された教え子
ケニー(ニコラス・ホルト)が、学校の外で話したいと追いかけてくる。
彼の誘いを断って銀行に行くと、いつも騒がしい隣家の少女と偶然出会う。
ジョージは少女の可憐さに始めて気付き、彼女との正直な会話に喜びさえ感じる
のだった。

だが、帰宅したジョージは、遺書、保険証書、各種のカギ、「ネクタイは
ウインザーノットで」のメモを添えた死装束……全てを几帳面にテーブルに並べる。
そして銃、とその時、かつての恋人で今は親友のチャーリー(ジュリアン・ムーア)
から電話が入り、ジョージは破るつもりだった約束を守って彼女の家を訪れる。
夫と子供に去られて孤独な彼女の身勝手な言動に振り回されながらも、
未熟で奔放だった青春時代を共にロンドンで過ごした彼女と心から笑い合うジョージ。
そして、一日の終わりには、彼の決意を見抜いていたケニーの思いがけない行動に
ジョージは心を揺さぶられる……。」(goo映画)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-10-18 23:10 | 洋画=さ行 | Comments(0)