●「木洩れ日の家で PORA UMIERAC」
2007 ポーランド Tandem Taren-To, Kid Film,.104min.
監督・脚本・編集:ドロタ・ケンジェジャフスカ
出演:ダヌタ・シャフラルスカ、クシシュトフ・グロビシュ、パトリツィヤ・シェフチク他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
全編モノクロ、殆どおばあさんの独り言と愛犬との会話。舞台は彼女の家の中。
監督の趣味なのか、アップが凄く多い。おばあさんの皺に満ちた表情がアップで
飛び込んでくる。しかし、この当時91歳であったという女優さん、昔はさぞかし
綺麗な人だったのだろうな、という気品を感じるので、モノクロということもあり
嫌な感じはしない。エッジの効いたモノクロ画面は、思いのほか、濃厚な映像
効果をもたらすものだな、と感じた。ドロタ監督は自分で編集も担当したので
(脚本もだけど)相当の思いいれをこの映画に込めていて、キャメラの動きや
映像のつなぎにもこだわりを感じる。主人公の家は広大な土地に建つガラスを
多用した大きな独特のデザインの家。ということは昔は裕福だったんだなと
いうことは判る。そのガラスが昔のものなのでそれを通して観る景色や人が
歪むのだが、それがまた作品に微妙な味わいや意味合いを付加している。

女優ダヌタ・シャフラルスカの一人舞台の様相であるこの映画は、彼女の
顔の表情を含めた演技が見るべき点となっている。それと愛犬フィラデルフィア。
演技の上手い犬だねえ。ラスト、老女アニェラが天に召されたとき、椅子に
座っている彼女のひざにあごを乗せて見上げるシーンなどは、素晴らしいと
感じた。全編よく吼えすぎのキライはあるけど(笑)

ワルシャワ郊外の広大な一軒家に住む91歳のアニェラという老女の、上映
時間だけの短い間に示される、生き方を、息子一家、隣に住み、老女の家を
買収したいと考える一家、また音楽教室を開く若きカップルと教室の生徒らを
絡めながらストーリーを進め、思い出、行く末、そして決断と観る人との
思いを重ねていく。ラストは想像通りにはなるのだが、クレーンで空へと
向かっていくモノクロの森と空と雲は、彼女の心情そのもののようであった。

<プロダクションノート&ストーリー>
「僕がいない場所」のドロタ・ケンジェジャフスカ監督が、撮影当時91歳になる
ポーランドの名女優ダヌタ・シャフラルスカを主人公にシナリオを当て書きして
撮り上げた感動ドラマ。

ワルシャワ郊外の林の中に佇む古い屋敷を舞台に、そこに暮らす老女が愛犬と
過ごす晩年の日々を、全編モノクロによる詩情溢れる映像で描き出していく。

 ワルシャワ郊外の緑に囲まれた木造の古い屋敷。ここで愛犬のフィラデルフィアと
暮らす91歳の女性、アニェラ。
共産主義時代に政府から強制された間借人もようやくいなくなり、思い出の詰まった
この家で静かな余生を送っていた。そんな彼女の楽しみは、双眼鏡で両隣の家を覗く
こと。一方は、愛人を囲う成金の家、もう一方には、子どもたちのために音楽クラブを
開く若いカップルが住んでいた。
ある日、成金の使いという男がアニェラの家を売ってほしいと破格の値段を提示して
くる。言下に断るアニェラだったが、残り少ない人生を思い、大切な我が家の行く末に
不安が募る。追い打ちを掛けるように、息子の思いがけない行動を目の当たりにし、
さらなるショックを受けるアニェラだったが…。」<allcinema>

息子の思いがけない行動とは、成金に家を売るように母親に仕向けてくるとこであり、
彼女はそれに対し、家を2階に自分が住むことを条件に、音楽教室の若い二人に
無償で土地と共に譲ってしまう。そしてそんなしがらみが終えたアニェラは木洩れ日の
あたるベランダの揺り椅子で、愛犬に見取られながら天国へと旅立っていったの
だった。ああ、幸せな生き方、逝きかただったなあ、と思ってしまうのだ。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-05-31 22:55 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「ボディクライム 誘惑する女 A Crime」
2006 アメリカ・フランス ARP Selection,Alice Productions,.103min.<日本未公開>
監督:マニュエル・プラダル
出演:ハーヴェイ・カイテル、エマニュエル・ベアール、ノーマン・リーダス他
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<評価:★★★★☆☆☆☆☆☆>
<感想とストーリー>
ひさびさに観たダメダメ映画。当然、日本未公開。WOWOWの録画を見たのだが、
思わず早送りボタンに指が行ってしまった。時間がもったいなかった。
(じゃあ、見るなよ、ということなんだけど、ガイドに釣られて見始めちゃった)
ご都合主義の映画もこれに極まった、とでも言うべき、ダメな脚本、どうみても
同情を買いづらいエマニュエルの顔。突っ込みどころも満載で・・・。ああ(-_-;)

妻をタクシー運転手に殺された電気設備作業員ヴィンセントが、3年後、ドッグレースに
参加する犬を飼いながら、犯人の運転手を探している。

向いに住む更生中の女アリス(エマニュエル)。ヴィンセントが腑抜け状態であるが
好きで、彼のために、だれぞタクシー運転手を犯人に仕立て、ヴィンセントに
復習させてやろうと計画。たまたま乗ったタクシーの運転手ロジャー(ハーヴェイ)に
媚を売って迫り、体を張って関係を持ち、安心させて、彼のタクシーに、ヴィンセントが
目撃した、というボディの傷ついたタクシーを用意し、赤いジャンパーをプレゼントし
大きい指輪もプレゼントし、その格好でヴィンセントに出合わせる。

復讐の相手を見つけた、と勘違いしたヴィンセントは、ロジャーのタクシーに乗り
彼を確認し、中国人を雇って、半殺しにしておき、タクシーのトランクに押し込み、
ハドソン川(?)に落とす。

これですっきりとしたヴィンセントは、アリスと同棲する。しかし、(予想通り)
ロジャーは生きていて、アリスの目の前に現れる。しかし、ロジャーは、憎むどころか
アリスを愛しきってしまっていた。
ロジャーは、俺と街を出ようと誘う。ヴィンセントに嘘を付き、誤った殺人をさせて
しまったことに後ろめたさを持っていたアリスは、ロジャーと街を出るが、止まった
とことで、クルマのグローブボックスに、自分があげたものとは違う、大きな指輪が
出てきた。なんとなんと、でっち上げたロジャーこそ真犯人だった(わっはっはは・・(;´Д`))
のだ。アリスは、ロジャーの胸に鉄棒を突き刺し殺してしまう。

そしてヴィンセントと二人で安心して?暮らしていくのでした・・・。トホホ。

突っ込みどころその1、車同士のすれ違いでヴィンセントが目撃したタクシーの運転手が
大きな指輪をして、ドアに傷があり、赤い服を着ていた、なんて一瞬で見切れるはずがない。
その2、タクシーがドアの大きな傷を3年も放置するわけがない。放置しても錆びてるだろ。
その3、トランクの中でロジャーは4分間息を止めた、という。そんなことできるか普通の人が。
その4、グローブボックスに入っていた指輪が犯人のもの、ということが瞬時に解った
アリスの凄さ!!(-_-;) その他多数。

実は犯人だったが、なんでヴィンセントの奥さんを殺したのか判らないが、なんか可哀想に
なってくるよ・・・。
この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-05-30 22:45 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ミレニアム2 火と戯れる女 The Girl Who Played with Fire」
2009 スウェーデン・デンマーク・ドイツ Yellow Bird Films,ZDF and others,139min.
監督:ダニエル・アルフレッドソン  原作:スティーグ・ラーソン
出演:ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス、アニカ・ハリン、ペール・オスカルソン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
これの1、「ドラゴンタトゥーの女」が、ハリウッド版のリメイクで注目され、オリジナルにも
脚光が当たり、1はどちらも、大変面白かった。
本作は、その続きであり、3まで続くわけだ。なので、最初のインパクトに比べれば
どうしても、弱くなってしまうことは致し方ないことだ。続編としてのレベルも標準以上には
出来ていたと思う。
今回はリスベットの出生に関わるテーマがメインとなり、それに関わる殺人事件に彼女と
ミレニアムという新聞の記者であるブルムクヴィストが巻き込まれていくストーリーだ。
相変わらず何をしでかすか判らないリスベットの危うさと内に抱えた悲しみが描かれて
いく。監督が代わったからか、前作ほどのキレを感じなかったが、独特のジャンルの
クライムサスペンスとしては面白く観させてもらった。

<ストーリー>
「全世界でセンセーションを巻き起こしたスティーグ・ラーソンの『ミレニアム』3部作を
映画化した北欧発のミステリー巨編、その第2弾。
ある事件に巻き込まれ、殺人者の濡れ衣を着せられ逃亡を余儀なくされたヒロイン、
リスベットの孤独な戦いと、混乱する警察捜査を尻目に、ミカエルはじめ彼女の無実を
信じて独自に行動を開始した男たちの奮闘、次第に明らかとなっていくリスベットの衝撃の
過去がノンストップで展開していく。
主演は前作に引き続きノオミ・ラパスとミカエル・ニクヴィスト。監督は新たに
「刑事マルティン・ベック」シリーズのダニエル・アルフレッドソン。

 鼻ピアスに全身タトゥーの華奢な天才ハッカー、リスベットの協力でヴァンゲル家事件を
解決し、晴れて月刊誌『ミレニアム』への復帰を果たした社会派ジャーナリスト、ミカエル。
事件以来、リスベットとは連絡の取れないまま1年が経とうとしていた。

そんな時、少女売春組織の実態に迫る特集記事の準備を進めていた記者2人が殺害
される事件が発生、現場にリスベットの指紋が付いた銃が残されていたことから、
彼女は殺人犯として指名手配に。
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過去のトラウマから誰も信じることのできないリスベットは、警察の追跡をかわしながら、
たった一人で犯人と対決する道を選ぶ。
一方、いくつもの状況証拠にもかかわらずリスベットの無実を信じるミカエルは、
真犯人を突き止めるべく独自に調査を開始する。やがて事件の背後に浮かび上がる
“ザラ”というキーワード。そんな中、痛みを感じない謎の金髪の巨人がリスベットへ
迫っていくが…。」(allcinema)

1作目で出来て、リスベットに腹に、「私は醜い豚のレイプ魔です」とタトゥーを入れられた
ビュルマンが再び登場。更生報告書をちゃんと書いてなかったことからリスベットに
再びいたぶられるのだが、その際、彼の銃を持って脅迫してしまう。これが後に
殺されてしまうビュルマンの犯人として手配される証拠になってしまう。

東欧で発生した少女売春を告発しようとミレニアム誌で働き始めた記者と恋人が
何者かに殺される。ミカエルらミレニアムの記者たち。殺された記者の取材記録から
売春をした警官らを追い詰めていくと、そこのザラという男の存在が浮かぶ。

リスベットは森の老人に彼の正体を聞きに行く。すると解る意外な事実。
ザラとは、もとソ連の秘密機関のエージェントで・・・更に、リスベットの過去と
深いかかわり合いのある人物であったのだ。
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ミカエルが知人から紹介されたボクサーが捜査に一枚噛む。リスベットの「彼女」を
拉致した、無痛症の金髪の巨人を追った彼とリスベットは、巨人にボコボコにされ、
倉庫に火を放たれるが、間一髪で逃げ出す。

更にザラとの対決となり、大怪我を負うリスベットだったがそこにミカエルが到着する。
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ミカエル側の展開とリスベット側の展開が、螺旋のように絡み合いながら、謎解きの
ストーリーが(この中でリスベットの出生の一部が明かされるのだが)、進行し、
ラストでひとつになる。お互いに存在や思いは十分分かっていながら何故か今回は
一緒に仕事をしない。そしてラスト、瀕死のリスベットを救助するミカエルなのだ。
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さてミレニアム3ではどうなるのだろうか。楽しみである。

この作品の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-05-29 22:50 | 洋画=ま行 | Comments(0)

●「カントリー・ストロング Country Strong」
2010 アメリカ,Screen Gems,Maguire Entertainment,.117min.
監督・脚本:シャナ・フェステ <日本劇場未公開>
出演:グウィネス・パルトロウ、ティム・マッグロウ、ギャレット・ヘドランド
   レイトン・ミースター他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
カントリー歌手の再生と絶望のお話。最近ではジェフ・ブリッジス主演
「クレイジー・ハート」があった。パルトロウの歌、吹き替えなしで
上手い。だけど、作品としての本作の仕上がりは、いまいちパンチに欠ける。
お話が平板なんだな。ストーリーとして面白くないことはないのだが、
カントリーというジャンルにあまり人気のない日本では未公開もしょうが
ないか。主人公のケリー(パルトロウ)という歌手が、病気とは言え、
感情移入が出来ない「わがまま」な振る舞いで、最後には自殺しちゃうんだ
けれど、病気はかわいそうだけど、自分ひとりで突っ走って死んでいった、
何なの?という感じを免れない。ボーとチャイルズの未来に栄光あれ、と
いうまとめ方でいいのかな。

<ストーリー>
グラミー賞を何回も獲っているカントリー界のスーパースター、ケリー・
カンター(パルトロウ)は、ダラスの公演で飲酒が原因で転倒して流産、
これが原因で精神的にも弱くなり、施設に入って更正中、そんな彼女を
暖かく見守る、ボーという青年。
彼も、町のクラブでカントリーを作詞・作曲して歌う日々。彼はそれで
満足していた。
ケリーは、マネージャーで夫のジェームスと上手く行っておらず、心は
優しいボーへと向かっていくのだった。
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そんな中、夫ジェームズは、ケリーのツアーを無理して組んでしまう。
このツアーに、同じクラブで歌っているチャイルズという若手の
女性歌手も前座として同行することになった。ボーはミスコン出身の
駆け出しにはまだ無理だと反対する。しかし、ボーも夫からケリーの
身を気に掛けてくれということで同行することになる。
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大型バスで移動するケリー。バンに押し込められて移動するボーとチャイルズ。
ヒューストン、などで大観衆を前に公演に臨むケリーだが、まともに歌えない。
反面、前座で歌うボーとチャイルズの評判はどんどん上がっていく。
ケリーとボーは愛し合うが、住む世界が違うと、ボーはケリーから離れ、
自分に好意を寄せるチャイルズと接近する。彼女はミスコン出はバカだと
思われたくない、と常識を身につけようという努力、そして作詞作曲にも
努力していた。

最初の公演では食中毒で体調が悪かったと言い逃れたが、つぎの
オースティンでは、プロモーターからもう、ケリーは終わりだと見限られ
ボーとチャイルズが公演を救う。そこでまた二人に脚光が当たる。

ケリーは何とか立ち直ろうと難病の子らの施設を慰問したりするが、
夫との対立、ボーとの別れからくる寂寥感はいかんともし難かった。
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因縁のダラス。ここでも熱狂的はファンが待ち構えていた。前座のボーが
歌っている間、楽屋でケリーはチャイルズに、歌を歌っていく上での
教訓を伝授、そしてその後圧倒的なステージを見せて、楽屋に閉じこもる。
ケリーはそこで薬物自殺を図るのだった。

華やかなツアーの世界から、もう一度カリフォルニアのクラブ歌手に戻り
たいと決心したボーはチャイルズを誘うが、彼女は少し考えさせてくれと
いう。
カリフォルニアに戻ったボーは、また自作の歌を少数の気のいい客の前で
歌う生活に戻っていた。そんなボーの前にチャイルズが現れた。
二人はデュエットを歌い始めたのだった・・・・。
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ボーもチャイルズも人気が出てきたのに勿体無いなあ、というのが素直な
感想。売れたくても売れない歌手は五万といるのに。まあ、それも人生
だけど。ケリーはかわいそうな人生だったが、夫の心が離れてしまったのも
何か彼女に原因があるような気がする。最後にチャイルズに人生訓みたいな
ものを伝授するのだが、何かそう彼女の心を蝕んでしまったのか、ダラスの
事故なのか、そのあたりの機微がもう少し描かれるともっと良かったのでは
ないか。女流監督らしい、優しい演出が、逆効果になってしまったか。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-05-19 23:30 | 洋画=か行 | Comments(2)

●「僕の大切な人と、そのクソガキ Cyrus」
2010 アメリカ Scott Free Productions,91min.
監督:ジェイ・デュプラス 製作:トニー&リドリー・スコット<日本未公開>
出演:ジョン・C・ライリー、ジョナ・ヒル、マリサ・トメイ、キャサリン・キーナー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
★は6,5といったところか。1時間30分の掌編ではあるが、設定の面白さで
引き込まれた。配役も一流どころを揃え、特にジョナ・ヒルは「マネー・
ボール」で注目していただけに、関心を持って鑑賞。メインどころはオスカー級
を並べたんだが、いまひとつ「面白い!」と思わせる迫力というか、展開というか
に欠けていた気がした。ジョン・C・ライリーにマリサ・トメイという組み合わせが
現実離れしていたからかなあ。しかも元妻がキャサリン・キーナーって、どれだけ
もてる訳?
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すっきりしないわけを探していたら、結局、モリー(マリサ)がサイラスみたいな
マザコンのとっちゃンボウヤに育ててしまった、失敗が原因であり、そこに
モリーを攻められない何かがあるなら別だけど、いい歳をして気持ち悪い男の
存在を、ラストにはイイヤツになったとしても、釈然と受け入れられないのだな。
モリーの子離れ失敗とその結果にジョンが振り回されるという映画か?

どなたかも書かれているように、これだけ長い年月をかけてマザコンになった男が
そう簡単にいい人になるとは思えないのだが。
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「僕のママを取るんじゃねえよ、おっさん」とばかりに、ママに接近してきたジョン
(ジョン・C・ライリー)に手を代え品を代えての意地悪を仕掛けるのだ。
結局、当たり前ながら、ジョンは、このマザコン青年の存在にギブアップし、
モリーとの交際を諦めるのだが、悲嘆に暮れるママを見ていると、やっぱり
自分が悪かったのかなあ、といい人作戦に転換し、めでたく二人はよりを戻すのだ。
そんな簡単なお話だが、設定が面白いし、カメラワークがドキュメンタリーの
リハーサル映像みたいなタッチで色添えをしている部分はいいな、と思わせる
(スコット兄弟の差し金かな)、とにかく深みに欠けた映画(そういうタイプの
映画ではない、といわれればそれまでだけど、それにしては配役が勿体無い)

やはり、今はダイエットしてすっきりしちゃったジョナ・ヒルの怪演が見ものの
作品といえるだろう。
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<ストーリー>
「リドリー&トニー・スコット製作総指揮で、理想の女性と出会ったバツイチの
中年男が彼女の憎々しいマザコン息子による執拗な嫌がらせに悪戦苦闘するさまを
描いたコメディ・ドラマ。
 離婚して以来、冴えない日々を過ごしていたジョンは元妻の再婚パーティーで
魅力的な女性モリーと出会い、意気投合。やがて、彼女もバツイチで、
21歳の息子サイラスと2人で暮らしていることを知る。
さらに、彼は極度のマザコンで、愛する母を取られまいと嫌がらせを仕掛けて
くるのだった。こうしてサイラスとモリー争奪戦を繰り広げるジョン。
しかし、狡猾なサイラスに翻弄され、ついにはモリーと破局の危機を迎えてしまう…。
(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-05-16 22:40 | 洋画=は行 | Comments(0)

サイン Signs

●「サイン Signs」
2002 アメリカ Touchstone Pictures, Buena Vista Picutes(Distribution),.107min.
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス、ロリー・カルキン
   アビゲイル・ブレスリン、M・ナイト・シャマラン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
2005年に一度観ているので再見だが、7年も経つと内容をほぼ忘れている。(泣)
まあ、面白い映画に出会えた、と思えばいいのだけれど。
ナイト・シャマランの映画は「アンブレイカブル」を観ているが、判り辛い映画、
という印象しか残っていない。それに比べれば、基本的には判りやすいストーリー
だが、信仰をどう受け取るか、キリスト教の国では、重い問題も含んで見られるの
だろう。
怖いのか、笑っちゃうのか、よく判らないのだけれど、トウモロコシ畑のざわつき
とか、光の加減で宇宙人を表現するところは、スピルバーグ譲りではあるが、
怖さの演出には成功していたと思う。が、実際に出てきた宇宙人はほぼ人間の
格好だし(陰になっていてよく判らないけど)、アルミの帽子を揃って被って
いるシーンは、お笑いか、と突っ込みを入れたくなる。
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主人公は、不慮の交通事故(加害者をシャマランが演じている)で妻を亡くした
元牧師のメル・ギブソンだが、彼は、妻の死を理由に信仰を捨てる。しかし
宇宙人との邂逅で、また信仰の道に戻るのだが、長男が宇宙人に襲われたとき
死なないで済んだことが、神の存在を彼に蘇らせた、というのだろう。
それだけ衝撃的なことだったのだろうけど、そのあたりキリスト教国では
どう受け止められたのだろうか。信仰を捨てた牧師を主人公にしたところは
面白さを増加させる一定の役割を果たすことが出来ていた、と言えるだろう。

メルもホアキンも、カルキンも、この後「ミス・リトル・サンシャイン」で
オスカーノミニーになるアビゲイルも、脇もキャスティングは良いのではないか。
ただ、メルの場合、どうしてもマッド・マックスのイメージが個人的には強く、
格闘のシーンが思い浮かんでしまうのだが、戦う元牧師、という役柄としては
良かったのではないか。宇宙船も出てこないし、全身を現すのは1匹の宇宙人
のみではあるが、光とか、出演者の演技、カメラワーク、ストーリーの仕立てで
映画としての完成度を高めたといえるだろう。ただ、どこか安っぽさも感じて
しまうのも免れないことろで、(宇宙人の弱点が「水」だったことも)
このあたり評価が分かれるだろう。

<プロダクションノート&ストーリー>
「世界各地に実在するミステリーサークルにまつわる超常現象から、監督なりの
解釈で物語りを綴る。シャマラン監督が今回、獲得した脚本料は史上最高の
1000万ドル。さらに主演のメル・ギブソンの出演料も、史上最高の2500万ドル。
しかし、何よりも目を引いたのは2人の子役、モーガンを演じるのはマコーレー・
カルキンの弟ローリー・カルキン。そして幼い娘ボーを演じているのは『キッド』の
子役スペンサー・ブレスリンの妹アビゲイル・ブレスリン。愛くるしさはもちろん、
真に迫った表情など、演技力の深さに恐れ入ってしまう。

ペンシルバニア州バックス郡。グラハム・ヘス(メル・ギブソン)は妻を交通事故で
失ったことにより、神の存在を疑い、牧師をやめて農場を営んでいる。
ある朝、ヘス家のとうもろこし畑に巨大なミステリーサークルができていた。
最初はいたずらかと思ったが、飼い犬が突然凶暴化。また、世界中に同じことが
起きており、町の人々は次々とミステリーサークルから遠い地域に避難していく。
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グラハムたちは思い出のつまった我が家から逃げるのを拒んでいたが、
やがて宇宙人がヘス家に侵入してくる。グラハムの弟メリル(ホアキン・
フェニックス)はバットを持って宇宙人と対決し、宇宙人が水に弱いことを発見。
グラハムの幼い長男モーガン(ローリー・カルキン)は宇宙人に毒ガスを注入されたが、
彼はぜんそくで気道が閉じていたため無事だった。その幸運により、グラハムは
再び神の存在を信じるようになるのだった。 」(goo映画)

地球の7割だっけ?を占める水が自分らの最も弱点とするところ、なんて
宇宙人、もっと調べてから着陸しろよな、という突っ込みも可能ww。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-05-15 23:30 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡 Bottle Shock」
2008 アメリカ Shocking Bottle,Intellectual Properties Worldwide (I)
Unclaimed Freight Productions,Zin Haze Productions,.110min.
<日本未公開>
監督:ランドルー・ミラー
出演:クリス・パイン、アラン・リックマン、ビル・プルマン、レイチェル・テイラー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
カリフォルニアワインがフランスワインを打ち破って世界にその名を高めたという
事実に基づく作品。ナパバレーには行った事があり、ワインの試飲もした身としては
ナパの光景と共に、思い入れが濃い映画であった。実話がベースというのも
興味を引いた。1976年の、作品で描かれる試飲会のことは知らなかったし、
「シャトー・モンテレーナ」というワインも知らなかったので。今度安いやつを
飲んでみよう。

1976年にパリで開催されたワインの試飲会で、ナパを代表して出品された、
「シャトー・モンテレーナ」の白が、並み居るフランス産を押さえ、優勝して
しまうのだが、それに至るまでのワイナリーの苦労を描いていく。
もちろんハイライトは、試飲会でのナパワインの優勝だが、それ以外に、その
ワインが出来るまでの、特に、一旦茶色くなり、2~3日で透明になっていく
ところは、ハラハラもしたし、顛末に都合のよさも感じてしまったが、事実
なのかもしれない。 日本未公開だが、ワイン好き出なくても、ナパに行ったこと
がなくても、そこそこ楽しめる出来になっている。
ワイナリーにやってきた若き女性研修生を巡る恋の鞘当なんかもあるし。
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<ストーリー>
今ほどナパワインが有名でなかった1976年、「シャトー・モンテレーナ」という
ワイナリーを経営する脱サラ弁護士、ジム・バレット(アラン・リックマン)は
上等なワインを造ることに苦労していた。息子ボー(クリス・パイン)は大学を
休んでワイナリーを手伝っていているのだが、厳しい父と対立することが多い。
ここにはメキシコ人のグスタボという青年が手伝っていて、これに農業研修生と
して美人のサムがやってくる。

一方、パリでワイン店兼ワイン学校を経営する英国人ワイン評論家スパリエ
(ビル・プルマン)は、アメリカ人の友人に刺激され、フランスワインを国際的
視点から評価するために、世界各地からワインを集め、覆面試飲会を開催する
ことにした。彼は、自らナパバレーを巡り、その味わいの良さに感激、
26本のワインをフランスに持ち帰ることにした。(飛行機にワインは1人1本しか
持ち込めないので、ワインを荷物として揺らすことを避けたいスパリエは
同じ飛行機に乗る赤の他人に事情を説明し、一人1本づつ手荷物にしてもらう)
ジムのワイナリーにもスパリエは来たが、ジムは、ボトルを売ることを拒否。
しかし、帰りの空港で、ボーが2本、彼に持って帰ってくれ、と懇願したのだった。
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さて、いい白ワインを作る苦闘を金の無い中で苦闘していたジムは、500ケースの
ワインを仕込むことに成功した。出荷を待つばかりだったが、倉庫に行って
見ると、ワインは茶色に変色していた。がっかりしたジムはすべてごみとして
処分することを決め、自分はサンフランシスコの弁護士事務所に復職する相談に
出かけた。

オヤジが茶色くなったワインを前にして呆然としている姿を見た息子ボーは
サムと共に、大学の醸造学教室に飛び、その謎を解明してもらう。理由は単純で
発酵後、あまりにも酸素を遮断したためで、2~3日すれば、透明になる、と
言われた。急いで倉庫に帰る二人だったが、すでに500ケースは出て行って
しまった後だった。
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がっかりして、いつものバーでグスタボと3人で飲んでいると、友人の女性
マスターが「いい白が安くはいったのよ」と言って彼らの前に白ワインを出した。
口にした3人はびっくり。自分のシャトーのワインだったのだ。

理由を聞くと、業者から安いワインを買ってくれと言われたのでビンをリサイクル
すれば、環境にもやさしいから、全部買った、とのこと。捨てられるべきワインは
救われたのだ。急いでサンフランシスコにいる父にも連絡。1本だけ持っていた
ワインを袋から出すと、見事に透明になっていて、味も素晴らしいものだった。
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ジムはパリの試飲会にボーを送り出すことを、ナパのワイナリーの経営者たちに
持ちかけ賛同を得て、ボーはパリの試飲会へと飛んだ。
パリ郊外では、並み居るシェフや評論家たちによって、覆面テストが行われた。
そして、ジムの「シャトー・モンテレーナ」は見事に優勝、フランスワインを
負かしたカリフォルニアワインとしてニュースは全世界を駆け巡った。
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たちまち、ベストセラーになったジムのワイン。その後もカリフォルニアワインは
フランスワインに勝ち続けていったのだった。
フランスの自分の店でスパリエは言う「これは始まりに過ぎない。そのうち南米、
オーストラリア、ニュージーランド、中国、世界中でいいワインが育てられるように
なる」と。実際その通りになっている。

最後のロールで、試飲会に出品されたワインのボトルはスミソニアン博物館に保存展示
されているそうで、ボーは大学に戻り醸造学を学び、シャトーに戻り、グスタボは
自分の夢を叶え、独立して自らのワイナリーを経営している、という。

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by jazzyoba0083 | 2012-05-14 23:40 | 洋画=は行 | Comments(0)

幸せの教室 Larry Crowne

●「幸せの教室 Larry Crowne」
2011 アメリカ Universal Pictures,Vendome Pictures,Playtone,.98min.
監督・製作・脚本:トム・ハンクス
出演:トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、ブライアン・クランストン他
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<評価:★★★★★★★☆☆>
<感想>
名優トム・ハンクスが、自らプロデューサーを努め、脚本(共同)を書き、
主演までやってしまった、掌編。共演に選んだのはジュリア・ロバーツ。
大作出演を続けてきた、トムだが、自分では、こういう何気ない日常を
描いた作品を作りたかった、演じたかったのだろう。これまでのトムは
こういう作品に出るんだな、という既成概念を持っている人には、なんで
こんなこじんまりとした作品を作ったり出たりしたんだろう、と思うだろう。
それはジュリア・ロバーツについても言えることだ。

でも、トム・ハンクスという映画人は、大作だけが自分のやりたい映画
だろうか、と考えていたに違いない。日常の中にある人生や男女のことを
気軽に手軽にセンス良く描いてみたい、という欲求があったのに違いない。
そういう意味で言えば、趣味のいい、トムらしい作品になったといえよう。
トムの欲求がすべて高いレベルで実現しているか、といえば、満点では
ないわけだが。

それとない日常を描いているので、インパクトからすれば弱いし、評価も
辛めではある。しかし日本円で約24億掛けた制作費はすでに倍の回収を
果たしている。アメリカ人にとってこういう趣味の映画は好みなのではないか。
勿論、共演の2大俳優への期待もあろう。

一人の悪人も、警察も、発砲も、死人もない、構えないで楽しむにはいい
映画だと個人的には感じた。勿論食い足らない、と感じる人も多かろう。
そういうタイプの映画であることは理解できる。

<プロダクションノート&ストーリー>
「『フォレスト・ガンプ/一期一会』『ダ・ヴィンチ・コード』の
トム・ハンクスが製作・脚本・監督を務めた本作。
不景気な現代に、仕事を解雇されながらも前向きに挑戦を続け、新たな経験をして
人生を切り拓いていく中年男性の姿を描く。
主人公のラリー・クラウンは、短期大学で新たな友人を得て、セルフ・
プロデュースの術を知り、自分の才能を再発見していく。彼に影響を与える
二人の女性は、ググ・バサ=ロー演じる自由な女子大生・タリアと、
ジュリア・ロバーツ演じるスピーチ講師・メルセデス。この二人に刺激され、
ラリーは新たな幸せを手にしていくのだ。何かと世知辛い現代、ラリーの姿に
刺激され、人生を変えたいと思う男性も多いかも。
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大卒ではないという理由で、長年勤めていたスーパーをリストラされてしまった
ラリー・クラウン(トム・ハンクス)。再就職のアテもなく落ち込んでいたが、
心機一転、再就職のためのスキルを身につけようと、短期大学に入学する。

そこで出会ったのは、スピーチの授業を担当する教師メルセデス・テイノー
(ジュリア・ロバーツ)。いつも仏頂面で、酒に酔って暴言を吐くメルセデスは、
結婚生活の破綻からアルコールに走り、教師としての情熱も、日々の喜びさえも
見失っていた。
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初めてのキャンパスで年齢も境遇も違う様々な人々と出会うことで世界を広げ、
かつてない充実した日々を送り始めるラリー。メルセデスは、そんなラリーとの
出会いを通して、再び自分と向き合い始める。果たして2人はこの教室で、
幸せな未来を見つけることが出来るのか……? 」(goo映画)
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大手スーパーをリストラされたラリーは、離婚して一人身である身軽さもあり、
クルマをスクーターに代え、家を売り家財を売ってアパート生活に。
一人の学生として出直すところに悲壮感はまるで無い。これ、ちょっと現実味が
無さすぎかもしれない。ものすごいポジティブシンキングな男なんだろう。
それはキャンパスでの若い学生とのふれあいや、もちろんメルセデス先生との
恋愛過程でも発揮される。その分、観ている方は暗い気分にならず、むしろ
そのポジティブさに「元気」を貰うことができるのだろうけど。
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映画は、2年目の課程に入るところで終わるのであるが、果たしてラリーは
新しい職業を見つけられるのだろうか? メルセデス先生という恋人は
ゲット出来たけど。あの歳で再就職は相当厳しいと思うよ。短大卒ではね。
ただ、ラスト、ピザを取ったら、配達してきたのが、自分を首にした
スーパーの上司だったのには笑ったけど。つまり大卒でも首は切られると
いうことだ。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-05-13 12:40 | 洋画=さ行 | Comments(2)

冒険者たち Les Aventuriers

●「冒険者たち Les Aventuriers」
1967 フランス CGIC,Compagnia Generale Finanziaria Cinematografica,.110min.
監督:ロベール・アンリコ  音楽:フランソワ・ド・ルーベ
出演:アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、ジョアンナ・シムカス他。
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
古き良きフランス映画の香り高き名作だと思う。基本的にはフィルム・
ノワールなのだが、それ以上に詩情豊かな作品で、見ていて心地よくさえ
ある。特にルーベの音楽の特徴あるテーマソング(日本でもヒットした)が
全編、哀愁を漂わせて流れ、作品に叙情的な味わいを加味していると言える。
ストーリーも、判りやすく(突っ込みどころもあるけど気にならない)
それ以上に映像と音楽が上手に融合し、詩的が味わいを表現、これがフランス
の雰囲気をとてもよく出していた。なんか夢見るような青春映画だった。
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パイロットのアラン・ドロン、エンジニアのリノ。ヴァンチュラ、前衛芸術家の
ジョアンナ・シムカスの3人も、それぞれの味わいが深い個性を上手く演じて
いたと思った。演出+配役+音楽+脚本が、フランス的に上手く合体すると
こういう佳作が出来るという見本だろう。フランス映画を語るときに
(あまり観てないけど)外すことの出来ない作品ではないか?

<プロダクションノート&ストーリー>
「飛行機、レーシングカー、船による宝探し、そして友情と恋。
これだけ聞くと、アクション映画かと思ってしまうような内容だけれど、
実はそんな映画ではない。
冒頭の、虚ろな瞳で歩くジョアンナ・シムカスが象徴しているように、
この映画には虚無感があふれている。南の島、青い海、若い男女…。
これだけの舞台と登場人物が整っていながらも、映画は淡々とすすむ。

ジョゼ・ジョヴァンニの同名小説を、彼と「ふくろうの河」の監督ロベール・
アンリコ、ピエール・ペルグリの三人が共同で脚色し、ロベール・アンリコが
監督したアクション。
撮影はジャン・ボフティ、音楽はフランソワ・ド・ルーベが担当。
出演は「パリは燃えているか」のアラン・ドロン、「女王陛下のダイナマイト」の
リノ・ヴァンチュラ、「スタンダールの恋愛論」のジョアンナ・シムカスほか。
イーストマンカラー、テクニスコープ。

マヌー(A・ドロン)とローランド(L・バンチュラ)は、性格はまったく
違っていたが、実の兄弟のように仲が良かった。
マヌーはパリにある飛行クラブの教師で、ハンサムでスマートな外見に似合わず、
驚くほどの命知らずで大ぼら吹きだ。ローランドはパリ郊外の廃車置場の中にある
奇妙な仕事場に住み、画期的なカー・エンジンの開発に専念していた。
(この廃車置場に、芸術家のレティシア(シムカス)が、彫金の材料集めに
やってきて、ローランドとマヌーと知り合うことになる。そしてそこを
自分の仕事場として作品を作り始めることになる)
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ある日マヌーは飛行クラブの生徒から、耳よりな話を聞きこんだ。それはある
映画プロデューサーが撮影のため凱旋門を飛行機でくぐり抜けた者に2500万
フランの賞金を出すというのだ。マヌーは科学的調査をして、十分に勝算のある
ことを知った。いよいよその当日となったが、凱旋門に大きなフランス国旗が
下げられていることが判明、飛行はとりやめとなり、都心を低空飛行したことで
マヌーは飛行士の免許を剥奪されてしまった。
おまけにこの話が巧妙に仕組まれた冗談であることが分った。

失業したマヌーは友人ローランドの仕事場へ移ったが、仕事は思うように進行
しなかった。冗談から操縦士免許を取り消されたマヌーとローランドは、ウソを
吹き込んだ生徒をとっちめるが、その男が、侘びの代わりのように、コンゴ動乱
から脱出したベルギーの金持ちの乗った飛行機がアフリカ沖に沈んでいるという
情報を二人に与えた。
二人はこの調査に乗りだした。一方、レティシアは開催した彫金の個展が新聞に
酷評され、落ち込み、二人の元に泣きながら転がり込んできた。

調査の結果それは間違いなかった。マヌーとローランド、レティシアの三人は
スクーナー船に乗りこんで、宝探しを始めた。途中墜落して死んだと思われていた
パイロットが船を訪れた。一瞬対立するパイロットと3人だったが、協力しあい
ついに金貨やダイヤモンドなど、一人当たり1億フランほどの財宝を手に入れた。
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ところがこの財宝に目をつけていた男たちが、水上警察の臨検を装ってやってきた。
墜落機のパイロットは、彼らが偽者だと見やぶり、銃撃戦となる。
その戦いの中でレティシアは流れ弾を食らって死んでしまう。彼女はローランドと
二人の生活を夢見ていたのだった。二人は、彼女に潜水服を着せて水葬する。
そして、墜落機のパイロットを救助艇に乗せて、追放したのだった。

危機を脱出した二人は彼女の故郷アイクス島を訪れた。ラ・ロシェルという港町で
レティシアの親戚を探す。一人の雑貨屋に甥がいることが判明、彼に彼女の財宝の
取り分を信託財産として預けるのだった。
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レティシアを愛し続けていたローランドは、島に残った。その島の沖にはボワイヤー砦
というナポレオンが作らせた、島状の要塞があった。レティシアは、ここで作家活動を
することを夢見ていたのだ。ローランドは、手にした財宝でこの島を買い取り、ここを
ホテルに改造しようと計画した。パリに帰ったマヌーだったが、やはりローランドとは
別れがたく、再び彼の元へと戻る。ローランドはマヌーに自分の計画を明かし、彼に
客を送迎するヘリのパイロットを務めてくれるように依頼する。
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しかし、マヌーの後をつけてきた財宝狙いの一味が島に上陸、銃を持って財宝を
手渡すよう脅迫してきた。ローランドとマヌーは、雑貨屋の少年から教えてもらった
その要塞に隠されているドイツ軍の銃や手投げ弾を使って、一味と対抗。その争いの
中で、マヌーは撃たれてしまう。ローランドの活躍で一味は全滅したが、マヌーは
ローランドの腕の中で、天国へと旅立ったのだった」(goo映画・一部訂正しました)

映画全編みられます。
http://www.youtube.com/watch?v=GprEn4PjY94&feature=related

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-05-12 22:45 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「アメリカン・プレジデント The American President」
1995 アメリカ Universal Pictures,Castle Rock Entertainment,.114min.
監督・製作:ロブ・ライナー
出演:マイケル・ダグラス、アネット・ベニング、マーチン・シーン、
   マイケル・J・フォックス、リチャード・ドレイファス他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
個人的には好きな映画。大統領のラブロマンス映画、ということだろうね。
大統領だって恋をするわさ、というシチュエーションを、再選や法案の
駆け引き(大統領の国を左右する仕事)を持ち出して、ハラハラさせるという
塩梅だ。出演者が豪華で、アネットが美しい。AJという首席補佐官を演じる
マーチン・シーン、スタッフのマイケル・J・フォックスもいい感じ。
ただ、対立候補のリチャード・ドレイファスが勿体無かったかな、という感じ。

ホワイトハウスを舞台に妻に先立たれた大統領と、環境保護団体のロビイスト
である女性が恋に落ちると、政権の中枢では何が起きるか、ということを
大げさな舞台装置の中で進行させる。
さりとて、大統領も一人の男。結局周りのスタッフの協力も得て、危機を乗り
越えて、恋愛を成就されていくのだ。その過程が普段見られないところなので
なかなか興味深い。「王様と私」「ローマの恋人」韓国映画にもなんかあった
な、そういうの。そういう範疇だろうか。
「スタンド・バイミー」のロブ・ライナー、大統領の苦悩はそこそこ描けて
いるのだが、女性側の心境をもう少し深堀するともっと深みのある映画になった
ような気がするのだが、全体としてはさすがに手堅い。
大統領のラブストーリーとして割り切ってみれば、そこそこ面白いと思います。
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<ストーリー>
「ホワイトハウス。山積みする仕事を分刻みでこなす合衆国大統領アンドリュー・
シェファード(マイケル・ダグラス)は、今朝も大統領補佐官マッキナニー
(マーティン・シーン)や専属補佐官ジェニー(サマンサ・マシス)、首席内政補顧問
ロスチャイルド(マイケル・J・フォックス)、報道担当補佐官マッコール
(アンナ・ディーヴァー・スミス)、世論調査官コダック(デイヴィッド・ペイマー)ら
ブレーンと打合せを開始。
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次の予定まで4分の空き時間ができた彼は、マッキナニーと環境協会の話し合いの
場の顔を出す。そこでは政策担当の弁士シドニー・ウェイド(アネット・ベニング)が
大統領がいるとも知らず、環境破壊が進んでいることを力説していた。
大統領は2人だけで穏やかに話したいと彼女を娯楽室に招く。彼女にひと目惚れした
大統領は、シドニーをフランスの新大統領就任を祝う晩餐会に招待。
感激した彼女を大統領はダンスに誘い、満場の招待客の中で華麗に踊った。
この出来事をきっかけに2人は急接近し、大統領の死別した妻との間にできた12歳の
一人娘、ルーシーも彼らの仲を喜んでいる様子。

だが、大統領選の対立候補の上院議員ボブ・ラムソン(リャード・ドレイファス)は
2人の恋を争点に攻撃を開始する。そんなある日、シドニーは別れを切り出すが
大統領はセックスに臆病だと言い、彼らはついに結ばれた。翌朝、スタッフが驚く中、
報道陣の前でキスを交わす2人。それは彼女との仲を公式に認めながらも、大統領の
職務とは一切関係ないことの意思表示だった。

ラムソンはますます攻撃を強め、マスコミもこれに同調し支持率は大きく低下。
シドニーは心から愛している彼を思い、姿を消す。窮地に立たされた大統領は
記者会見を開き、懸案だった環境と銃規制の両法案に真剣に取り組むことを表明し、
テレビの向こうで見ているラムソン、そしてシドニーに政策とプライベートは別個の
ものであることを力強く宣言。シドニーもその気持ちに応える決意で、彼の元に急いだ。」
(goo映画)

上の解説は微妙に間違えているところがあるが、苦難を乗り越え、恋を成就させ、
また大統領として一回り大きくなる姿を描いている、という
ターニングポイントは、ラスト近くにする大統領の記者会見。自分の大統領としての
立ちいちをハッキリさせ、環境法案を通し、犯罪法案を継続協議として議会と
妥協する姿勢を明確にしたところだろう。この演説を聴いて、姿を消していた
シドニーはホワイトハウスに駆けつけてきて、ちょうど、シドニーを探しに行こうと
していた大統領とひしと抱き合うのだった。

この映画の詳細は< a href="http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=28652#1">こちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-05-11 23:00 | 洋画=あ行 | Comments(0)