椿三十郎

●「椿三十郎」
1962 日本 東宝映画 98分 
監督:黒澤明  原作:山本周五郎『日々平安
出演:三船敏郎、仲代達矢、小林桂樹、加山雄三、団令子、志村喬、藤原鎌足、入江たか子
清水将夫、伊藤雄之助、土屋嘉男、田中邦衛、江原達怡、平田昭彦、小川虎之助ほか。
e0040938_161153100.jpg

<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
WOWOWで放送中の黒澤明シリーズ。この巨匠を食わず嫌いだった私は
先日、名作の誉れ高い「七人の侍」を鑑賞し、目からウロコであった。
そこで、今回は、本作をチョイス。上映時間としては、随分短かったので気楽に
楽しむことが出来た。
黒澤監督作品=芸術性の高い作品=近寄り難い、という自分なり固定イメージを
作ってしまっていたので、本作は、全然違うじゃないか、と理解した次第。
e0040938_16125570.jpg

「七人の侍」の中でも菊千代(三船)のキャラクターとしてコメディチックな
演出もあったのだが、本作は、時代もくだったこともあろう、小林桂樹の
「捕虜になってしまった押入れ侍」の、あたかも植木等の「およびでない?」の
ギャグも斯くやとばかりのところ、それに菊千代のキャラが思い浮かべられる
椿三十郎(三船)のキャラクターも、ユーモラスな部分も良い味付けである。
更に、城代家老の奥方(入江たか子)と娘(団令子)のボケ振りもなかなか。
更にさらに、ラストあたりの伊藤雄之助の、タヌキおやじなんだけど、実は
慧眼の持ち主である城代家老が、「乗った人より馬は丸顔」などという味わいは
素晴らしかった。
100分に満たない作品にして、無駄ということが全く感じられないテンポの良さ
であった。
e0040938_16123390.jpg

加山雄三は、三船に比べるとまだまだセリフも下手だし、演技も比べるべくもない。
冒頭の田中邦衛、江原達怡、らの前で演説することろはまるで城南大学の田沼雄一君
だったな。加山は若大将シリーズが始まったばかりの頃だ。団令子も若大将ファミリー
ではある。
それに引き替え、仲代達矢の目の演技、敵側の志村喬、藤原釜足らの目のクマが
自分達がやばくなるに従い濃くなっていく様は、良かった。志村の目の演技も
良かったなあ。
e0040938_16132951.jpg

先に『用心棒』を観れば良かったなと感じた。三船敏郎の魅力満載の一篇であるが、
一人で十人以上を切りまくるシーンは、これは刃こぼれや血あぶらで、そんなには
斬れないだろうと感じた。ラストの仲代との決着、黒澤映画てこういう風だったかな
というくらいびっくりした。組織になじまない男『抜身のギラギラした刀』の
痛快な剣劇であった。ストーリーは非常に単純。

ただ、「七人の侍」のところでも書いたが、音が聞き取りづらい。早口なんだな。
三船、仲代、伊藤雄之助くらいのスピードでしゃべってくれるといいのだが。
息せき切ってしゃべる時は滑舌を徹底的に注意しなくては・・・。
e0040938_16132211.jpg

<ストーリー>
「ある城下町の夜、薄暗い社殿で九人の若侍が密議をこらしていた。城代家老睦田に、
次席家老黒藤と国許用人竹林の汚職粛清の意見書をさし出して入れられず、
大目付菊井に諭されてこの社殿に集っていたのだ。

その真中へよれよれの紋付袴の浪人者が現れて、九人をびっくりさせた。
その上、その浪人者は、城代家老が本物で、大目付の菊井が黒幕だといって皆を
仰天させた。その言葉の通り、社殿は大目付輩下の手の者によって取りまかれていた。
あおくなった一同を制してその浪人者は、九人を床下へかくし一人でこの急場を救った。

その時、敵方の用心棒室戸半兵衛はその浪人者の腕に舌をまいた。かしこまる若待を
みた浪人者は、急に可哀そうになり力をかすことにした。
城代家老は屋敷からはすでにどこかへ連れていかれた後であり、夫人と娘の千鳥が
監禁されていた。浪人者はこの二人を救い出し、若侍の一人寺田の家にかくまった、
寺田の家は黒幕の一人黒藤の隣だ。黒藤の屋敷は別名を椿屋敷と言われるくらい、
椿の花が咲いていた。夫人の言葉にその浪人者は名を椿三十郎と名乗った。

皆は、城代家老の居場所を探すに躍起だ。黒藤か菊井か竹林の家のどこかに監禁されて
いるはずだ。三十郎は敵状を探るため、室戸を訪ねていった。室戸は三十郎の腕を
買っているので、即座に味方につけようと、菊井、黒藤の汚職のことを話し、
自分の相棒になれとすすめた。三十郎を信用しない保川、河原は、三十郎に
裏切られたら大変だと、三十郎の動向をうかがうことになった。

三十郎を支持する井坂、河原も、あの二人には任せておけないと三十郎の後をつけた。
しかし室戸と三十郎に見つけられた四人は当身をくって捕えられた。
三十郎は室戸の隙をみて、番人を斬り倒し、自分をしばらせて四人を逃がした。
三十郎はこれで室戸から用心棒稼業を馘になってしまった。

寺田の家に帰って来た三十郎は若侍をどなりつけた。その時、夫人が椿屋敷から
流れてくる川の中から意見書の紙片を拾って来た。この川は寺田の庭の隅を通って
いるのだ。家老は黒藤の家に監禁されていると決った。
三十郎は、黒藤の警固を解かせるため、むほん人の一味が光明寺に集っていると
知らせに行くことになった。その留守になった合図に椿の花を川に流すというのだ。
計略は図に当った。警固の一隊は光明寺に向った。だが、光明寺の門の上に寝ていた
という三十郎の言葉に嘘がばれてしまった。光明寺には門がないのである。
三十郎は捕えられた。しかし、臆病な竹林は三十郎の罠にかかって、川に椿の花を
流した。若待必死の斬込みで城代家老は救われた。三十郎と半兵衛の一騎打は--。
三十郎は若侍九人の見送りをうけて静かに去っていった。」(goo映画)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-08-29 23:10 | 邦画・旧作 | Comments(0)

●「セラフィム・フォールズ Seraphim Falls」
2006 アメリカ Icon Productions.,115min.<日本劇場未公開>
監督・脚本:デヴィッド・フォン・アンケン
出演:ピーアース・ブロスナン、リーアム・ニーソン、マイケル・ウィンコット他
e0040938_16285285.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ほぼ面白く観た。途中でイソップとか論語みたいな世界観を強要するような
下りがあり、鼻白む。1868年、日本の明治維新の年の西部が舞台。
雪が深い山の上。今しも野ウサギの丸焼きが出来上がる。男が一人。あたりを
警戒しながら、焼き加減を観ているところに銃声が一発。すかさずよけるが
2発目、左の二の腕に命中。男は、こけつまろびつ、雪山を下り逃げる・・。

お、なかなか緊迫のスタートだ。それからラスト近くまで、逃げる男と追う男の
緊張がずっと継続する。逃げる男が悪者で、追う男が復讐の善人という常識で
いいのか??と考え続けなければならない。
e0040938_16293346.jpg

追う男はリーアム・ニーソンと彼に雇われた数人の男たち。逃げるのはピアース・
ブロスナン。追跡劇の途中で、次第に追いつ追われつの関係がおぼろげながら
明らかにされていく。所々でフラッシュバックされる女性の姿に、リーアムの
奥さんが何かされたんだろうな、とわかってくる。
e0040938_16294717.jpg

ブロスナンは逃げる途中で川に転落。ずぶ濡れになりながらも、左腕の盲管銃創に
ナイフを当て、銃弾を取り出し、熱したナイフをキズに当て消毒する。痛そう!
途中で、木の上に上り、追っ手の男一人をナイフで殺し、腹を割いて、凍えた手を
暖める・・・えげつな!!こいつ、悪い奴だな!と思わせる。
更に、クマのわに口罠を使って、一番若い追ってをしとめる。そこにやってきた
リーアム一行、わに口が体にめり込んだボーイと呼んでいた男に銃でとどめを刺して
楽しさせたのはリーアムだった。ムムム、非情なやつ。彼こそ悪か!?

その後、ブロスナンは、火を起こしてリーアム一行をおびき寄せ、木の陰に隠れて
夜陰に乗じてナイフで襲いかかろうとしていた。暗くなった頃、ブロスナンの背後に
表れたのはリーアムだった。顔を拝ませろ、と言うリーアムに振り向くふりをして
逃亡。彼は一軒の開拓者の家を見つける。馬を盗もうとしたところを娘に見つかり
ライフルを突きつけられる。娘は、キズと疲れで倒れ込んでしまったブロスナンを
家に入れ、治療を施す。やがて父親が帰ってきた。ブロスナンは馬を売ってくれ、と
頼むが父親に断られる。一夜の宿だけは提供したが、ブロスナンは夜中に馬を
奪って逃げた。
e0040938_16302062.jpg

夜明けにこの小屋に到着したリーアム一行は、父親を叩きおこし、奴はどこに行ったと
激しく問う。金貨を見つけて、これはどうした?と迫られるが、幼い男の子が、自分が
盗んだ、と自白する。急いでブロスナンの跡を追う一行。家を去る際、殺された男の
馬を置いていけ、と命令するリーアム、お、こいつはいい奴かな・・・。

山を下ると、行けども行けども平原が続き町に到着しない。途中、線路を埋設している
テント村、牧師が率いるキャラバンで追いつき、逃げるという繰り返し。
牧師には、拳銃もライフルも弾を抜かれてしまい、1発のみを残すだけになってしまった。

更に逃げる途中で、ブロスナンは銀行強盗を終えて、こちらも逃げている3人組に遭遇。
中の一人がブロスナンを知っていた。彼は兵隊らしい。凄腕で鳴らしているらしい。
3人組のうちの一人がブロスナンを追ってきて、殺そうとするが、逆に投げたナイフで
殺されてしまう。それまで徒歩だったブロスナンは殺した男の馬を奪い、平原を逃げる。

リーアム一行、雇われた2人が仲たがいし始める。生きて捕えないと金は払わないと
言われているからだ。やがて、銀行強盗の殺された男のところに一行がやってきた。
雇われた男の一人が、死んでいる男は懸賞金が付いたお尋ね者、彼を連れて行けば
250ドルになる、俺はここで降りる、という。リーアムは男の馬を撃ち殺し、
連れて行きたければ歩いていけ、というのだ。馬はリーアムのものだったのだ。

更に平原を逃げるブロスナン。人馬ともにへたばり、やがて馬は倒れ込む。ブロスナンは
馬の首をナイフで切り、もういいんだ、良くやったよく眠れと声をかけた。
やがてリーアム一行もやってきた。馬はいるが、ブロスナンの姿がない。どうしたのかと
不思議がっていると、なんと馬の腹の中からブロスナンが飛び出し、雇われた男を仕留め
さらにリーアムに殴りかかる。ブロスナンは「戦争だった」とは言うのだが・・・。
そこで明らかにされる事件の全貌。
北軍の部隊を率いて残党狩り?をする大尉であるブロスナン。彼らは探していた南軍の
大佐であるリーアムの家を発見。家探しをするが、中に赤子がいることの申告を
怠ったため、火を放った時、赤子を探しに入ったリーアムの妻と長男も焼死してしまった
のだった。自分がやったことに幻滅して制服を脱ぐブロスナンであったが、
リーアムは復讐の鬼となり、以後3年間、追い続けていたのであった。
e0040938_16311862.jpg

2人のタイマンが始まった。二人ともヘロヘロ。まず殴り合いが始まる。
やがてブロスナンの放った最後の一発がリーアムの腹に命中。ブロスナンは
リーアムの銃を自分の頭にあて、「お前の意思だ」と覚悟を決めるが
リーアムは引き金を引かなかった。立ち上がった二人は、再び平原を歩き始めた。
しかし、二人の行方は西と東であった。そして二人の姿はフェイドアウトし、
平原には突き刺さったブロスナンのナイフと水筒が残っていた・・。
e0040938_16315111.jpg

というお話なんだけど、観ている誰もが気が付くと思うけど、最後の方で
出てくる、泉の番人と、砂漠に現れるマダム・ルイーズ。奥さんは幻じゃない?と
いうけど、実弾は受け取ったわけだし。
途端に胡散臭くなる、このシークエンスは全くいただけなかった。
この二人の登場で何を言いたかったのだろう。つくづく残念だ。

それと、追いつ追われつの追跡劇のみに終始し、セラフィム・フォールズという
土地で起きた、惨劇を背負った二人の男の恨み哀愁というものが描き切れていない。
追跡劇の表層に終始してしまった(その部分では面白いのだが)のも残念だった。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-08-28 23:05 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「ソリタリー・マン Solitary Man」
2009 アメリカ Millennium Films,Smartest Man Productions,.90min.
監督・脚本:ブライアン・コッペルマン
出演:マイケル・ダグラス、スーザン・サランドン、メアリー=ルイーズ・パーカー他

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
掌編であるが、終わり方が思いっきりの「うっちゃり型」で
何を感じればいいの??というフラストレーションが残った。
マイケル・ダグラスはダンディではあるが、アップになるとやはり
御歳だなあ、と感じざるを得ない。
究極のジコチュウ男の成れの果て物語、とでもいうのかな。
付き合っていた自動車メーカー重役の娘の底知れぬ復讐に恐怖を
覚えたが、それも最後には誤解が解けたのかどうかが明らかに
されないのだ。

かつては雑誌の表紙にもなったことがある、伝説の自動車ディーラー、
ベン・カルメン(マイケル)は、健康診断で心臓に再検査の必要があると
医師に言われるが、いう事を聞かず、(どういう病気なのか、病気でない
のかは最後まで明らかにされない)以後、離婚していることをいいことに
一夜限りの女性漁りに明け暮れていた。そして、自動車メーカーの重役を
父に持つジョーダン(メアリー=ルイーズ)と交際、復活を目論んでいた。

ベンはジョーダンの娘アリソンの大学入学について口利きを頼まれボストンへ
面接旅行に出かけた。そこで、ベンとアリソンは一夜を共にしてしまう。
アリソンにしてみれば、アバンチュールの1つでしかないのだが、ベンは
結構入れ込んでしまう。アリソンは大学に合格するが、祝いの席で母親を
前にして、自分がベンと寝たことをばらしてしまう。
ベンには娘がいて孫もいるのだが、やがて娘にも金を借りに行く始末。
しかし、娘は断固拒否する。そしてジョーダンの娘と寝たことも知り、
親子の縁を切る、とまで言われてしまう。

当然激怒するジョーダン。彼女は「ベン許すまじ!」と父親のコネを使って
取引銀行に融資を止め、ベンの事業は失敗し失業、ピザハウスを経営する
親友を頼ってボストンに。そこで手伝いをしながら親友の家に居候させて
もらっていたが、偶然ピザハウスにアリソンが来てしまう。
そのことを知ったジョーダンは、ベンがまだ娘を追いかけている、と勘違い
し、男を送り込み、ベンをボコボコにして、「ボストンから出ていけ」と
すごませた。目覚めたベンの傍にいたのは娘だった。麻酔で寝ているときに
心臓の精密検査が行われ、加療の必要があることが告げられた。

しかし、病院で死ぬ日を待つより、好きに生きたいと病室を抜け出すが、
そこに来ていたのは前妻(スーザン・サランドン)であった。
バカな自己チュー&女たらし男である前夫を「ニューヨークに帰るのなら
クルマに乗せていくわよ」と言われ、二人が知り合った、とするベンチから
2人が立ち上がったところで映画は終わる。

ある若者のパーティーでダニエル(ジェシー・アイゼンバーグと出会い
奥手の彼に彼女を取り持ってやったりするのだが、最初はダニエルの生き方を
尊敬していたダニエルと彼女も、ベンの尊大な物言いに愛想を尽かし、離れて
いってしまう。
このシークエンスでは、ベンという男はなんてやつなんだ、と怒りを覚えるが
ラスト、仕事も私生活も破綻した老人にしか見えないベンに哀れをもよおすの
だった。

この映画詳細は
こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2012-08-27 22:50 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「ミケランジェロの暗号 Mein Bester Feind」
2010 オーストリア Josef Aichholzer Filmproduktion,106min.
監督:ヴォルフガング・ムルンベルガー
出演: モーリッツ・ブライブトロイ、ゲオルク・フリードリヒ、ウーズラ・シュトラウス他
e0040938_20465960.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
中々面白く見た。ただ、若干詰めが甘かったかな。例えば、親父の肖像画の裏に
隠した遺言ともいうべきメッセージ、「私の目を見つめよ」(だったかな)、父親の遺言で
ピンと来なくちゃ。
スメカルも気が付くチャンスはあった。それに、ユダヤと非ユダヤが入れ替わったり
元へ戻ったりでスリルがあるのだが、もう一つ厳しさがあると映画に緊迫感が出た
のではないか。
婚約者が、画廊を守るためにスメカルと婚約するが、彼と入れ替わったヴィクトルが
本物かどうか面通しをするために通信員をしていた彼女が、スメカルとヴィクトルの
前に連れてこられる。このあたりも緊迫するが、当然、もともと愛していたヴィクトルを
本物だと証言する。
e0040938_2048741.jpg

逆に、終戦後連合国係官がヴィクトルがナチの制服を着てナチに成りすまし、スメカルを
取り調べている写真が出てきて、ヴィクトルがナチではないのか、と疑われてしまう
シーン。お、またまたピンチ、どうするのだろう、と緊張したが、次のシーンで
母と婚約者が現れ、彼こそヴィクトルであることを証明し、疑いは晴れた。
このあたり、もう少し引っ張れなかったかと感じた。もったいないなと。

母と自分をスイスの銀行に行かせるために自分の画廊をスメカルに譲ると
証文を書いたため、戦後はスメカルの画廊となっていた。そこで開かれた
一大オークション。ミケランジェロの、今度こそ本物を出品したつもりのスメカルの
得意顔。ヴィクトル親子はここにやってきて、親父の肖像画を戻してほしいと、
持ちかける。スメカルは、自分も恩返しを考えている、これは持って行ってくれ、と
渡す。ミケランジェロの鑑定士からは「この絵は贋作である」とのご託宣が下された。
本物は、親父の画の裏に隠してあったのだ・・・。
e0040938_20495369.jpg

<プロダクションノート&ストーリー>
「第80回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した『ヒトラーの贋作』の制作会社
プロデューサーが手掛けた本作は、やはり第二次世界大戦のさなか、ナチスと命を
賭けた取引をするユダヤ人の物語。
ナチスドイツが同盟国イタリアとの関係を強固なものにすべく、必死で捜す
ミケランジェロの絵の行方を巡るミステリーは、手に汗握る駆引きと裏切り、
命を顧みない危険な賭けがスリリングに展開するサバイバル・サスペンスの面白さを
併せ持つ。常にユーモアを忘れず、機転で難局を乗り越えていく主人公ヴィクトルを
演じたドイツの名優、モーリッツ・ブライプトロイが魅力的だ。
ラストの一世一代の賭けはこの上ない爽快感を残す。

窮地に陥りつつあるナチスが、イタリアと優位な条約を結ぶためにムッソリーニへ
送るミケランジェロの名画を入手すべく、ユダヤ人画商と駆け引きを繰り広げる
サスペンス。出演は「ソウル・キッチン」のモーリッツ・ブライブトロイ、
「アイガー北壁」のゲオルク・フリードリヒ、「ヒア アフター」のマルト・ケラー。

1938年。ユダヤ人画商一族・カウフマン家は、ムッソリーニも欲するほどの国宝級の
代物・ミケランジェロの絵を密かに所有していた。ある日、一家の息子ヴィクトル
(モーリッツ・ブライブトロイ)は、親友ルディ(ゲオルク・フリードリヒ)に絵の在りかを
教えてしまう。ナチスに傾斜していたルディは、軍で昇進するためにそれを密告、一家は
絵を奪われ収容所へと送られる。
e0040938_20502691.jpg

一方、ナチスは絵を取引の材料にイタリアと優位な条約を結ぼうとするが、奪った絵が
贋作であることが発覚。本物の絵をどこかに隠した一家の父はすでに収容所で死亡、
だが彼は息子に謎のメッセージを残していた。ヴィクトルは絵の在りかも分からぬまま、
母の命を救うためナチスを相手に危険な駆け引きに出る。彼の作戦は成功するのか。
そしてミケランジェロの絵はどこにあるのか……。」(goo映画)

この映画の情報は、こちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-08-25 22:55 | 洋画=ま行 | Comments(0)

紅の翼

●「紅の翼」
1958 日本 日活 93分
監督:中平康  企画:水の江滝子
出演:石原裕次郎、芦川いづみ、中原早苗、滝沢修、西村晃、阿部徹、芦田伸介、小沢昭一、大坂志郎他
e0040938_21243169.jpg

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
WOWOWでやっていた石原裕次郎特集。興味があったわけではないのだけど、この作品は
小学校の時に見ていたのではないかな、とおぼろげの記憶があり、観てみた。
結果、自分が幼い頃見たものかどうかは分からなかったが、なかなか、これはこれで面白く
見てしまった。もちろん、突っ込みながら見るのですけと・・・(^O^)

昭和33年の東京が登場する。何もない昭和の中頃の東京の風俗を楽しむのもいい。
当時、まだ空撮など珍し時代に、そらからの光景というのも観客を惹きつけるのに十分だったと
感じた。

羽田をベースにして近距離を飛ぶ航空会社のパイロット石田(石原裕次郎)、彼が逃亡する
殺し屋と八丈島で緊急に必要になった破傷風の血清を乗せて、飛び立つが、途中でトラブルに
見舞われ、苦心惨憺の末、無事に八丈に結成を届ける様子を活劇で描くもの。

クリスマスシーズンが背景になっていて、当時の銀座の風景や、周りに何もない羽田空港の
様子が見られる。裕次郎だけではなく、このあたりの邦画の特徴である、わざとらしい演技も
今となっては楽しく見られる。
裕ちゃんはそれなりに、二谷英明はカッコ良いし、芦川いづみは凛として可愛い!
e0040938_2124378.jpg

<ストーリー>
「石田康二(裕次郎)は遊覧飛行機ダブの副操縦士なのだ。スチュワデスの敬子が恋人だ。

--岩見産業の岩見社長が射殺され、犯人は逃走したというニュースを、康二は飛行場の
事務所で聞いた。敬子(峯品子)は日東タイムスの記者、長沼弓江に(中原早苗位)
インタービューされていた。
そのとき、八丈島の飛行場事務所から島の子供が破傷風にかかり至急血清を送れという
報せが来た。弓江は血清の手配を手廻しよくすませた。

ダブ機の故障で、島まで三百キロの海上飛行はセスナ機によるほかない。
誰も尻ごみするのを、康二が買って出た。乗客はダブをチャーターした大橋(二谷英明)
というもの柔らかな若紳士と、特ダネだからと社に頼みこみ特派された弓江の二人だけである。

初めて飛行機に乗った弓江ははしゃいでいた。大橋は八丈島生れで、母の墓参に帰るのだ
という。彼は左手の小指がなく、また胸ポケットからピストルがのぞけたのを弓江は見た。
大島上空で、ラジオのニュースを聞いた弓江の頬がこわばった。「岩見殺しの犯人は左手の
小指のない板垣一郎という殺し屋だ」と放送されたのだ。

見破られたと知った紳士大橋は一ぺんにべらんめえ口調の殺し屋に変った。
「八丈へは降りさせねえぜ」コルトを康二の脇腹にあてた。八丈の西の小島に着陸させ、
待っている仲間の船で香港へ脱出しようというわけだ。康二は機を急上昇右旋回させ、
板垣の腕をかかえこみ、遭難信号を発しようとした。
そのとき、板垣の手がマイクコードをひき抜き機外へ放った。
--セスナの機体震動が急にひどくなり、新島へ危険な不時着をした。機体点検のスキに
康二は板垣に躍りかかり、ピストルを奪うが、敵はもう一つ持っていた。

康二は無理をしなかった。夜が来た。板垣も離陸を夜明けまであきらめたようすだ。
とんだクリスマス・イヴだ。このままでいけば、板垣のピストルのエサになるだけだ。
それに子供の命は?康二は離陸の直前、プロペラの前に板垣を立たせ、操縦席の弓江に
サインを送った。いきなりプロペラは回転され、板垣の体を地面に叩きつけた。離陸する機へ、
血だらけの板垣が撃った。康二の右腕が射抜かれ、ガソリンタンクに当った。
--ガソリンを使い切ったセスナ機が失速状態におちいりながらも八丈島に着陸した。
飛行場の小屋に突っこみ翼をへし折った。「血清を子供に早く……」康二は血みどろの腕の
まま気絶した。--翌日、羽田から敬子たちが乗ったダブが迎えに来た。
明るい顔の康二と弓江を乗せて離陸した機を、島の子たちが手を振りながら追った。 」
(goo映画)



この映画の詳細は
こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2012-08-25 00:30 | 邦画・旧作 | Comments(0)

七人の侍

●「七人の侍」
1954 日本 東宝 207分
監督:黒澤 明
出演:三船敏郎、志村喬、津島恵子、藤原釜足、加東大介、木村功、千秋実、宮口精二、小杉義夫、
左卜全、稲葉義男、土屋嘉男、高堂国典、東野英治郎、上田吉二郎、多々良純、堺左千夫、山形勲他。
e0040938_14271346.jpg

<評価:対象外>
<感想>
映画好きなれど、恥ずかしながら、邦画は若大将シリーズ他、多少しか見ておらず、なかでも
黒澤明の作品も見たことが無かった。今月、WOWOWで黒澤明特集が組まれ、何本か名作が
放映されたのを機会に、数本を録画、鑑賞に及んだ。
日本映画には珍しい「インターミッション」がある長編。申し訳ないけど、2日に分けて見させて
いただいた。

本作は、今更私などが評価するなどおこがましい作品で、古典的名作として名声高い日本を代表する
作品である。黒澤教の信者も多かろうし、今更うかつなことも言えないだろう。(小津教もまた・・)
しかし、けだし、名作である。第一に全く古さを感じない。個人的には晩年の「乱」あたりで
のぞき見えた、様式美に偏った(あくまで個人的にのぞき見た程度だが)作りではなく、
構図や役者の動きなど、計算されつくしたものは感じるが、それが全面に出てくることはない。
ところどころにハッと気がつかされるシーンが数々ある。が、それが主役にはならない。

第二に、役者がいい、というか黒澤監督の役者の使い方が上手い、というべきだろうし、三船が
演じた菊千代のキャラクターは、当時としては出色であり、脚本の勝利だと感じた。
宮口精二のキャラクターもまた大変魅力的であった。もちろん志村喬も。
e0040938_14341047.jpg

e0040938_14271550.jpg

e0040938_14275662.jpg

e0040938_14275623.jpg


撮影時間が長きに及び、雨の中の戦闘シーンは冬になり、吐く息が白いのが痛々しい。
冬のシーンではないのに。田植え前なので、4月ごろなか。

私が2歳、奥さんが生まれた年の作品であるゆえ、今年の津島恵子を最後にスクリーンの
主たるキャストは鬼籍に入ったことになる。当然な時間の流れとは言え、今更、時代を
感じる。

1つ残念だったのは、セリフが聞きづらかったこと。当時の録音技術もあるのだろうけど、
田舎言葉、古い言葉を早口でしゃべるので聞き取れない。海外で評価が高いのは字幕が
フォローしているから、というのもあるだろう。特に、冒頭、野武士が村を下見に来るシーンの
野武士の会話、まったく聞き取れなかった。次第に苦にならなくなった。映像が持つ強みが
優ったのだろう。
こののち、日活の石原裕次郎作品(1958年製作)でも、早口だった。滑舌もいいとは言えない。

ストーリーやこぼれ話などはウェブサイトに無数にアップされている。

参考にWikipediaのリンクを貼っておきます。
by jazzyoba0083 | 2012-08-23 22:50 | 邦画・旧作 | Comments(0)

クロエ Chloe

●「クロエ Chloe」
2009 アメリカ・カナダ・フランス Studio Canal,.96min. R15+
監督:アトム・エゴヤン
出演:ジュリアン・ムーア、リーアム・ニーソン、アマンダ・セイフライド、マックス・シエリオット他
e0040938_14865.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
★は6,5。
構造は単純なんだけど、結局何を言いたいのか、よく判らない映画だった。
クロエは何かのメタファーか? ジュリアン・ムーア演じる中年女医さんの
老いることへの自覚のない抵抗を映画いたのか。クロエはキャサリン(ジュリアン)に
母性を求めていた不幸な女だったのか。愛に飢えたあげく息子にまで手を出すが
それはあくまでキャサリンへの思いの代償でしかないのか。
ラストで窓から(自分の意思で)落下するクロエの表情の穏やかさはどこから来たのか。
ただ、アマンダ・セイフライドの魅力もあり、不思議な魅力をもって最後はどうオチを付ける
のだろうか、と期待させられた。ジュリアン・ムーアの老いて行く女性も良かった。
リメイクだ、ということなんだけど、原作もこういうふうなのかな。
あのキャサリンの髪に刺さった髪飾り、結局彼女もクロエのことを忘れきれない、ということ
なんだろうなあ。

(追記)一晩寝てから思ったのだけれど、映画の冒頭、クロエのセリフで男に辟易と
していて、どんな心の傷を負ったのか、トラウマがあるのかは分からないけど、
もう、男なんて信頼できない、という精神状態にあったのだ。そこに現れたキャサリンと
いう女性に、クロエは逃げ道を見つけたのではないだろうか。だから自分の生きる道が
塞がれると、逆恨みみたいな行動に走ったのではないか。

<ストーリー>
トロント。大学教授のデヴィッド(リーアム)と婦人科医院を開業している妻キャサリン。
何不自由ない二人には高校生の息子がいた。いい子なんだけど、ガールフレンドを
自宅に引っ張り込んで泊めたりして母親を心配させている。

デヴィッドの誕生日、キャサリンは友人たちを招いてサプライズパーティーを開いた。
だが、夫は大学がある都市から飛行機に乗り遅れた、といって帰って来なかった。
パーティーは台無し。

翌朝夫のジャケットのポケットに着信した携帯に、女学生から、昨夜は楽しかった、という
メールを発見し、夫は浮気をしているのでは?と疑い始める。

ある夜、夫らと行ったレストランのトイレで隣のブースにいた娼婦(?)クロエと知り合った
キャサリンは、夫が浮気を仕掛けられるとどういう風に振舞うかを試すため彼女に
夫に声をかけてくれ、と依頼する。クロエはキャサリンの要求にしたがいデヴィッドに
声を掛け、その後の様子をキャサリンに話した。
それは耳を塞ぎたくなるような、夫とクロエの浮気話だった。
e0040938_149258.jpg

e0040938_1495160.jpg

クロエはキャサリンにもセックスをしかけ、欲求不満だったキャサリンはクロエと一夜を
共にしてしまう。
更にクロエは息子にも接近する。
ある日、クロエからのメールにベッドにいる二人の写真が送られてきたことから彼女との
縁を切ろうとして、クロエが医院を訪ねてきたところ、小切手を渡して追い返した。

クロエは、更に息子に接近し、ついに自宅で息子をベッドに誘い込んだ。一方、キャサリンは
夫を呼び出し、自分も全て話すから、全部話して、と迫る。そこにクロエが登場。
夫はクロエを知っているはずなのに、彼女の姿をみておたおたするキャサリンに
「あのお嬢さんは誰だ」と尋ねる。ここに至って、クロエが嘘を付いていたことに気づく。
e0040938_14105561.jpg

怒って去るデヴィッドを追いかけて、全部告白するキャサリン。ふたりは和解し、抱き合うの
だった。その夜、帰宅すると、自分たちのベッドに息子とクロエが!
狂乱しクロエを追い出そうとするキャサリン。その光景を見つめる息子。どうして欲しいの、と
叫ぶキャサリンに「キスして」と迫るクロエ。そうしてもみ合ううちに、大きなガラス窓を破って
2階から墜落死してしまう。
e0040938_14115812.jpg

ラストシークエンス。自宅で開かれたゼミの卒業パーティーらしきところ。平和が訪れたような
親子3人。しかし、振り返ったキャサリンの髪にはクロエがプレゼントした髪飾りが・・・!

<プロダクションノート>
「人は自分が信じたいと思ったことを信じる。ゆえにたとえ誤りだとしても否定の言葉は
耳に入らない。ヒロインは長年連れ添った夫ではなく、行きずりの娼婦の言葉を鵜呑みに
してしまう。かくして危険な妄想が招く家庭崩壊劇が展開する。
アンヌ・フォンテーヌ監督の仏映画『恍惚』をもとに、『セクレタリー』のエリン・クレシダ・
ウィルソンが脚本を手がけ、メガホンをとったのは『秘密のかけら』など官能とサスペンスは
お手の物のカナダの鬼才アトム・エゴヤン。
出演は『キッズ・オールライト』のジュリアン・ムーア、『96時間』のリーアム・ニーソンという
熟練陣に加え、『マンマ・ミーア!』でブレイクした若手アマンダ・セイフライド。

産婦人科医として成功したキャサリン(ジュリアン・ムーア)は、大学教授の夫デビッド
(リーアム・ニーソン)と一人息子マイケル(マックス・シエリオット)と3人で、人が羨むような
幸せな生活を送っていた。だが、それは表面だけで、彼女の心はいつしか孤独と焦燥に
蝕まれていた。ある日、夫の携帯から、教え子との浮気を疑わせるメールを発見。

心に湧き上がった不安を抑えられなくなった彼女は一計を案じる。偶然知り合った、
若く美しい娼婦クロエ(アマンダ・セイフライド)にデビッドを誘惑させ、夫がどんな行動を
取ったか報告させることにしたのだ。しかしクロエは、キャサリンの言いなりになるような
素直な女ではなかった。次第に内に秘めていた魔性を発揮し、キャサリンの心の隙に
つけ込んで恐ろしい罠を仕掛けてくる。やがて、クロエに翻弄されたキャサリンと家族の
平和な日常は、ガラガラと音を立てるようにもろくも崩れてゆく……。 」(goo映画)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-08-21 23:10 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「アバウト・ア・ボーイ About A Boy」
2002 アメリカ Universal Pictures,Studio Canal,Working Title Films,.100min.
監督:クリス・ワイツ
出演:ヒュー・グラント、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、トニ・コレット他
e0040938_12491148.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
2度目の鑑賞。ストーリーの殆どを忘れていた。★は7,5。

ラスト近く、マーカス少年の舞台に、止めにいったつもりのウィルが、ギターで伴奏を始める
ところあたりで、にやり、としてしまった人はこの映画を理解した人なのでしょう。
心温まるいい映画、でした。味付けが最近見た何かと似ているかな、と思ったら
原作者が「ハイ・フィデリティ」(ジョン・キューザック主演)と同じでした。どこか、シニカルな
ブラックなヒューモアの雰囲気が舞台となっているロンドンにフィットしてるな、と感じました。

父親が生涯でたった一発当てたクリスマスソングの印税のおかげで、38歳の今日まで
仕事つかず、自分のことだけ考えてお気楽に暮らしていたウィル(ヒュー)の元に現れた
大人びて、人生に長けたようなセリフを吐く少年マーカス(ホルト)。
ウィルがマーカスと接するようになって、人生が空っぽであることを悟り、人はひとりで
生きていけないし、生きていかない方が断然面白い、と理解していく様子を描く。
e0040938_12511828.jpg

とにかく、マーカス役のホルトが光っている。イヤな子供になる一歩手前で、様々な
人にモノを考えさせる少年がよく合っていた。彼の笑顔のストップモーションも頷ける
内容だった。イギリスの伊達男、ヒュー・グラントはこういう役をやらせるとハマる。

個人的には、マーカスのガールフレンドになるロッカーの女の子がいいスパイスに
なっていたのじゃないかな。いいやつなんだよね。

<プロダクションノート&ストーリー>
「ちょっと気取ったお人好しで、プライドはあるけど臆病で、見栄っ張りだけど心は優しい、
そんなイギリス人男子を演じさせたらこの人以外にはいない、というヒュー・グラント。
他人との関りに責任を持たないイギリス的(?)ヤサ男・ウィルを、それはもうばっちり
演じている。30代女性の愛すべきパラノイアを描いた『ブリジット・ジョーンズの日記』の
製作チームが、今度はオトコどもの心理をぐいぐい引き出して楽しませてくれる。

精神未成熟な独身男性が、悩み多き少年と出会うことで人生の意味を発見していく
ハートフルなドラマ。監督・脚本は「アメリカン・パイ」のポール&クリス・ウェイツ兄弟。
共同脚本は「マップ・オブ・ザ・ワールド」のピーター・ヘッジス。原作・製作総指揮は
「ハイ・フィデリティ」の原作者として知られるニック・ホーンビィ。

ノース・ロンドンに住む38歳のウィル・フリーマン(ヒュー・グラント)は、亡き父がヒット
させたクリスマス・ソングの印税のおかげで仕事をせずに暮らしている。
そんな彼は頑なに独身主義を貫いていたが、シングル・マザーをナンパしようとして
知り合った、学校でいじめられている12歳の少年マーカス(ニコラス・ホルト)に頼られる
ようになる。
e0040938_12513858.jpg

やがてマーカスと同じ学校の12歳の息子を持つシングル・マザー、レイチェル
(レイチェル・ワイズ)に恋してしまったウィルは、彼女の勘違いに合わせ、マーカスを
息子として扱うことに。しかし真相を告白し、レイチェルにフラれてしまう。
マーカスとの関係も悪くなるが、そんな時、マーカスは精神不安定な母親のフィオナ
(トニ・コレット)を元気づけようと、学校のコンサートで場違いな歌をうたおうとする。
彼が舞台でブーイングを浴びているところに、ウィルがギターを弾きながら現われた。
観客の反応は好意的なものに変わる。これをきっかけに他者へ心を開いたウィルは、
マーカスたち大勢の人間と一緒に、同じ家の中で楽しげな雰囲気を作り出しているの
だった。 」(goo映画)
e0040938_1252376.jpg

みんなが憧れる「夢の印税生活」をしているウィルの人生は実は気楽なようでいて「空」で
ある。片や貧乏で片親だけど心豊かに暮らそうとしている(本人の気質もあるだろうけど)
マーカス。お互いに欠けているところを埋めあった形だが、金持ち必ずしも幸せ、にあらず
だなあ、とも思わせる一本でもありました。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-08-20 23:10 | 洋画=あ行 | Comments(0)

●「アベンジャーズ The Avengers」
2012 アメリカ Marvel Studios,Paramount Pictures,144min. 3D
監督・脚本:ジョス・ウェドン
出演:ロバート・ダウニーJr.、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース、
スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、トム・ヒドルストン、サミュエル・L・ジャクソン、
グイネス・パルトロー他
e0040938_173181.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
Marvel大好き人間としては、まず観に行かなくては、と勇んで行って来ました。
夏休み、シネコンの一番大きなスクリーン。そこそこの入り。なぜか子供が少ない。
まあ、スクリーンのヒーローが判る日本の子供ってそういるとは思えないけど。

東映=バンダイのヒーロー戦隊大集合映画にヒントを得た、という情報もある本作、
確かに、ギャラだけでも相当なものだろうと思わせる配役。
しかし、前々回みた「アメイジング・スパイダーマン」や「ダークナイト・ライジング」と
比べても、その内容のなさは如何ともし難いものがあったな。たしかに豪華キャスティングは
キラ星の如くであり、なるほど3DのVFXも見ごたえがあり、飽きない展開であったが、
キャスティングと映像だけで引っ張るだけでは映画は面白くはない。いくらアメコミベースだから
といって、もう少しストーリーを何とかできなかっただろうか。それだけが(それが大きいのだ
けれど)不満だった。まあ、オールスター編成だと、ああならざるを得なかったのかな、と
同情はするけど。でもアメリカでは「アバター」「タイタニック」に次ぐ興行成績だったんだよね。
アメリカ人、好きそうだものね。迫力は満点。★は7,5というところか。8はやれないだろう。
e0040938_17305794.jpg

ソーが入っている時点で神話というか神様が出てきてしまうので、リアリティが一歩引くわけ
だが、一番笑えたのは、(場内も同じだったが)、ハルクがソーの弟、ロキを掴んで振り回し
床に叩きつけるところだ。それでもロキは死なないんだけれどね。(笑)

全体の3分の2が、ヒーローどうしのいがみ合いが描かれ、ロキの催眠によって敵の手先に
なってしまう、ホークアイ(ジェレミー・レナー)が、シールドの母船とも呼ぶべ飛ぶ航空母艦の
4つあるエンジンの一つを破壊してしまうし、変身しなくていいとところで変身してしまった
ハルクも、ブラック・ウィドウ(ヨハンソン)を追いかけて、母船の内部を破壊してしまう。
そこだけで、もやは敵の手に拠らずして、フューリー(サミュエル)率いるシールドの部隊の
多くが破壊されてしまう。

敵の本体が地球を襲い、7人がようやくチームを組んで暴れ始めるのは後半30分くらいか。
戦闘シーンは観ごたえがあった。3Dも効果的だったと思う。ホークアイの放った矢が
スクリーン方向に飛んできたときは、思わず避けそうになったもの。(苦笑)

7人のそれぞれのキャラクターが際立つようには配慮された演出だったが、一番目立って
しまうのがアイアンマンだろう。キャプテン・アメリカ、ハルクは地味だし・・。(^_^;)
ホークアイとブラック・ウィドウは超人とも言い難いし、ソーは神様だし(苦笑)。
装置的にどうしてもかっこよくなってしまうな。ラストもアイアンマンが締めることになる。
アイアンマン3がもう直ぐできることも告知されるし・・・。

ラストのエンディングロールの出だしも3Dでカッコよかったけど、円卓を囲んでバーガー
食べてるヒーローたち、何を予感させるものだろうか??続編は必ず作られるエンディング
だったけど。
e0040938_1731374.jpg

<プロダクションノート&ストーリー>
マーベルコミックスのヒーローたちが集結する“アベンジャーズ・プロジェクト”がついに完成した。
『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ』は、
本作のための前日譚に過ぎなかったのか。
見ものは何といってもヒーローたちが一同に介し、同じ画面で見られる事。最初はいがみ
合っていたヒーローたちが、最後には一致団結して敵と戦うのはお約束だが、
やはり実際にそれが見られると抜群に面白い。
ハルクことバナー博士役を除き、ヒーロー役の俳優たちがすべて同じなのもいい。
各ヒーローの活躍時間配分はほぼ均等なので、今までの作品で登場シーンが少なかった
ブラック・ウイドウ、ホークアイの活躍シーンもたっぷり見ることが出来る。
e0040938_1732295.jpg

長官ニック・フューリー(サミュエル・L. ジャクソン)率いる国際平和維持組織シールドの基地で、
世界を破壊する力を持つ四次元キューブの極秘研究が行われていた。
だが突然、制御不能に陥ったキューブが別世界への扉を開いてしまう。
そこから現れたのは、神々の国アスガルドを追放され、地球支配を目論むロキ(トム・ヒドルストン)。

彼は、セルヴィグ博士(ステラン・スカルスガルド)やシールド最強のエージェント、
クリント・バートン(ジェレミー・レナー)を操り、キューブを強奪して姿を消す。
その野心を知ったフューリーは、最強ヒーローたちによる“アベンジャーズ”結成を決意し、
女スパイのナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)やエージェントのフィル・コールソン
(クラーク・グレッグ)とともに、ヒーローたちを招集する。
e0040938_17323344.jpg

70年の眠りから覚めたキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)、
インドのカルカッタに身を隠していたブルース・バナー(マーク・ラファロ)などが集結。
キューブの力で異世界の軍隊を地球に呼び込もうとするロキはドイツへ向かうが、
ロジャース、ロマノフ、トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)らによって捕えられてしまう。
ロキを特殊監房に収容しようとしたところ、姿を現したのは兄のソー(クリス・ヘムズワース)。

一堂に会したアベンジャーズだったが、意思に関係なく集められた彼らは、チームを組むことを
拒否する。そこへ、ロキ奪還を狙い、バートン率いる部隊が空飛ぶ母艦ヘリキャリアを急襲。
爆発の衝撃で我を失ったバナーは、凶暴なハルクに変貌し、暴れ始める。
混乱に乗じてロキは逃走。ソーとバナーも乱戦の果てに姿を消し、アベンジャーズは存続の
危機に陥る。ロキの地球侵略計画によって、マンハッタン上空に次々と姿を現す地球外の軍勢。
この危機を前に、アベンジャーズは世界を救うことができるのか……? (goo映画)


ロキを操っている宇宙の悪い神様が、次に何かをやらかそうとしているカットで本編は終わるが、
ヒーローたちはロキを殺してはいないので、危険が取り除かれた、と思うのは早計だろう。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-08-19 14:00 | 洋画=あ行 | Comments(0)

●「アザー・ガイズ The Other Guys」
2010 アメリカ Columbia Pictures,Gary Sanchez Productions, Mosaic,.110min.
監督:アダム・マッケイ
出演:ウィル・フェレル、マーク・ウォールバーグ、エヴァ・メンデス、マイケル・キートン
サミュエル・L・ジャクソン、ドゥエイン・ジョンソンほか。
e0040938_12363930.jpg

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
そこそこのキャスティングで、カーアクションもきちんとしてるし、面白いんだけど、
まずこの映画を見た人が感じることだろうけど、中途半端。コメディーになりきれず
シリアスになりきれず。
ウィル・フェレルが出ているというだけでまずはコメディだろうな、とは理解できる
のだが、マーク・ウォルバーグの部分がどうも笑いきれなくて、真面目と不真面目の
対決という構図でもないし。
サミュエル・L・ジャクソンとドゥエイン・ジョンソンは早々に高いビルからバカな
飛び降りをして死んじゃうし、ウォルバーグの過去の話として、ヤンキースタジアムで
ジータを撃ってしまうところにはジータ本人が登場。ここは笑うとこだよな、とフフフと
してみるが、ストーリーは結構真面目に展開していくのだ。
e0040938_1237059.jpg

赤いプリウス(捜査車両)が大活躍で、最後にはマシンガンで穴だらけになるのだが、
不思議とタイヤに当たらなかったり。ここも笑うとこだな、なんていちいち確認しなくて
はならない。
e0040938_12371623.jpg

脚光を浴びるスターの陰で、実際皆様方のために働いているのが「その他大勢=
アザー・ガイズ」なんですよ、ということなんだけど、そのスター2人が早々に
殉死し、その座を争って署の刑事たちの目がギラギラとするなか、会計係の
フェレルと真面目なでも真面目過ぎてドジなウォルバーグのコンビが金融関係の
悪事を裁いていく様がメインストーリー。凸凹コンビのお笑い物にしてしまった方が
痛快だったのではないかな。アクションが決まっていただけに残念だ。

<ストーリー>
『俺たちフィギュアスケーター』など日本では“俺たち”シリーズで知られる
コメディアンのウィル・フェレル。アメリカでは主演作品が次々にヒットする
大スターで、本作もアメリカでは『インセプション』を抜いて初登場1位と大ヒット。
ところが日本では知名度はいま一つ…。そこで彼の作品を観たことがない人は、
本作で彼の魅力(?)を堪能してみては?刑事もののパロディだが、テリーと
アレンの2人が闘う相手がギャングではなく、金融界というのが今日風だ。
監督は、『俺たちニュースキャスター』『俺たちステップ・ブラザース-義兄弟-』
以来のウィル・フェレルとのタッグとなるアダム・マッケイ。

「ザ・ファイター」のマーク・ウォールバーグと「主人公は僕だった」のウィル・
フェレル共演のアクション・コメディ。ニューヨークのダメ刑事コンビが巻き
起こす騒動と活躍を描く。「ザ・スピリット」のサミュエル・L・ジャクソン、
「ワイルド・スピード MEGA MAX」のドウェイン・ジョンソンなど豪華スターが
共演。

犯罪都市ニューヨーク。ハイスミス(サミュエル・L・ジャクソン)とダンソン
(ドウェイン・ジョンソン)は、派手なカーチェイスや銃撃戦で、徹底的に追い
詰めて犯罪者を捕えるニューヨーク市警のスター刑事。マスコミ受けもよく、
市民からも人気だったが、自分たちのスーパーすぎる能力を過信した2人は
あっけなく殉職してしまう。
e0040938_12375623.jpg

ハイスミス&ダンソン亡き後、次期スター刑事の座を狙うのは、その他大勢の
ダメ刑事たち。テリー・ホイツ(マーク・ウォルバーグ)もその1人。
正義への熱意は人一倍のテリーだったが、彼には大きな障害が。それは、
つまらないデスクワークに熱中し、PCの前を離れようとしない会計課出身の
相棒アレン・ギャンブル(ウィル・フェレル)だった。
彼のせいで、緊急無線が入っても出動できない。上司のジーン・マウチ警部
(マイケル・キートン)や同僚たちからバカにされても、マイペースで屁理屈だけは
一人前なアレン。テリーがストレスを募らせていたある日、アレンが珍しく
腰を上げた。工事用の足場の設置許可を取っていないビルの建築主を摘発するという。

地味な事件とはいえようやくのチャンス、テリーも一緒に出動し、建築主である
大投資家アーション(スティーブ・クーガン)を逮捕する。ところが、警察署に
連行しようとしたところ、武装した側近が2人を取り囲み、アーションを連れ去って
しまう。身ぐるみ剥がれ、裸足で署に戻ったテリーとアレン。ジーン警部からは
手を引くように命じられる。
だが、強引すぎるアーション奪還劇に納得がいかないテリーは捜査を続行。
実は巨額の金融詐欺事件の中心人物だったアーションの周辺には、疑惑が渦巻いて
いたのだ。気付かぬうちに巨大な陰謀に巻き込まれていたテリーとアレン。
事件をややこしくする一方のドジな熱血漢とダサい変人のダメ刑事コンビは、
果たして“その他大勢”を脱してヒーローになれるのか!? (goo映画)
e0040938_12383923.jpg

ラスト、善は勝つのだが、終わり方も結構トホホなもので、やっぱりこれは
コメディなんだな、とは思うのだ。

この映画の詳細はまで。
by jazzyoba0083 | 2012-08-16 23:20 | 洋画=あ行 | Comments(0)