●「死刑台のエレベーター Ascenseur pour L'echafaud」
1957 フランス Nouvelles Éditions de Films (NEF),.94min.
監督:ルイ・マル  原作:ノエル・カレフ
出演:モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー、ジョルジュ・プージュリイ、リノ・ヴァンチュラ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
評価が定まった映画をあれこれ言うのは難しいが、私の好み、ということで評価。
マイルス・デイヴィスのアルバムは持っているのだが、映画は未見で
この度、NHKBSで放映していたのを機に鑑賞した。
マイルスがラッシュを見ながらアドリブで吹いたという音楽は確かに素晴らしい。
都会の倦怠と退廃を良く表していると思う。ルイ・マルという巨匠の映画は
好んでみるものではないが、今回の作品はモノクロで描かれた抒情詩のような
テイストは、音楽と相まっていい感じに出来上がっているとは思う。短めの
上映時間もテイストを壊さないので良かった。これがヌーベルバーグという感じ
なのかな、と思いを致した次第。25歳という若さで本作をものしたルイ・マルと
いう才能はけだし天才と呼ぶのに相応しいと思った。
ストーリーを追うというより、映像で表現された抒情詩を味わう、また若き
ジャンヌ・モローの都会の退廃を匂わせる演技や表情を楽しむべきものであろう。
渋いリノ・ヴァンチュラも良かった!
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<プロダクションノート&ストーリー>
「ヌーベルバーグは本作とゴダールの『勝手にしやがれ』から始まった。
本作は当時25歳という若さだったルイ・マルのデビュー作であり、
彼の早熟ぶりもさることながら、映画自体の新鮮さは今も失われていない。
不倫から始まった殺人計画が、ちょっとした偶然から崩れていく。
通俗的な話を冷静な視点で見つめ、「愛の神話」の領域にまで高めた
マルの演出は大きい。しかし何といってもヒロインのジャンヌ・モローが
圧倒的なすばらしさだ。モローはこの後、『恋人たち』『突然炎のごとく』で
ヌーベルバーグのミューズとなる。そしてマイルス・デイビスをジャズファン
以外にも知らしめたクールな演奏もすばらしい。すべてが一級。

25歳の仏映画界の新人監督ルイ・マルが、推理作家ノエル・カレフの原作を、
自身と新進作家ロジェ・ニミエの共同で脚色、ニミエが台詞を書いた新感覚
スリラー映画。キャメラは新人アンリ・ドカエ。巻頭から巻末までを10曲の
モダーン・ジャズで通した音楽はトランペット奏者で作曲家の
マイルス・デイヴィスで『メイン・タイトル』『エレベーターの中の
ジュリアン』『夜警の巡回』等と名づけられた10曲が演奏される。

種々の新しい試みによってこの作品は1957年ルイ・デリュック賞を得た。
「抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より」に主演したフランソワ・
ルテリエが第二助監をつとめている。
出演者は「宿命」のモーリス・ロネ、「現金に手を出すな」のジャンヌ・モロー、
「素直な悪女」のジョルジュ・プージュリー、「親分」のフェリックス・
マルタン、「夜の放蕩者」のリノ・ヴァンチュラ、「悲しみよこんにちは」の
エルガ・アンデルセン等。製作イレーネ・ルリシュ。

未開地開拓会社の技師ジュリアン・タベルニエ(モーリス・ロネ)と
社長夫人フロランス・カララ(ジャンヌ・モロー)は愛し合っていた。
二人の自由を阻む邪魔者シモン社長を亡きものにせんと、二人は完全犯罪を
計画していた。
殺害計画実行の日が来た。ジュリアンは拳銃をポケットにしのばせ、
バルコニーから手すりに錨つきのロープをかけて上り、社長室に入り、
社長を射殺し、その手に拳銃を握らせた。
彼は再び手すりから一階下の自分の部屋におり、何くわぬ顔をして、
彼を待っていた電話交換手とビルの管理人と共に、エレベーターでおり、
外に出た。しかし手すりに錨つきロープを忘れて来たことに気付き、ビルに
かけこみ、エレベーターに乗り、上りはじめたが急に階の途中でエレベーターは
止まってしまった。ビルの管理人が電源スイッチを切って帰ってしまったのだ。
ジュリアンは何とか脱出せんと試みたが無駄だった。フロランスとの約束の
時間はどんどん過ぎていった。

彼を待つフロランスは段々と不安にかられ、彼を求めて夜のパリをさがし
まわった。一方、花屋の売り子ベロニック(Y・ベルダン)とチンピラのルイ
(ジョルジュ・プージュリー)はジュリアンの車を盗んで郊外に走り出た。
車の中にはレインコート、小型カメラ、拳銃があった。
前を走るスポーツ・カーについて、或るモーテルに着いた彼等は、ジュリアン・
タベルニエ夫婦と偽り、そのスポーツ・カーの持主ドイツ人夫婦と知り合いに
なった。ドイツ人夫婦の小パーティーに招かれ、いたずらにカメラで写真を
撮影した後、ルイと共にドイツ人夫婦の部屋を出たベロニックは、
モーテルの現像屋へフィルムをとどけ、自分達も、部屋に帰った。
そのころ、なおジュリアンを探し求めていたフロランスは、夜の女と共に
警察に連行された。同じ頃、ジュリアンは尚も脱出せんとしたが万策つき、
やむなく朝を待つことにした。

一方モーテルのベッドで寝ていたルイとベロニックは夜明けを待たずに起き、
ドイツ人のスポーツ・カーを盗んで逃げようとして見付かり彼等を射殺して逃げ、
アパートに帰ったが、今更のように殺したことが怖くなり催眠剤を飲み心中を
はかった。ドイツ人夫婦殺しは、宿帳に記載されていたジュリアン・タベルニエ
夫婦と云う名と、現場にあった車と拳銃で、犯人はジュリアン・タベルニエと
推定された。警察に連れて行かれたフロランスは身分を明し、釈放されたが
その時、警部から、ジュリアンが若い娘と共にドイツ人を殺し、逃亡したと
云うことを聞いた。

朝、エレベーターが動き出し、やっと外へ出られたジュリアンを待っていたのは、
身に覚えのない殺人事件の犯人と云うことで、彼を捕える警察の手であった。
ドイツ人殺しのアリバイを立証する為には、完全犯罪として計算してやった
社長殺しの方が危くなる。
警察は、社長は自殺であると思いこんで、専らドイツ人殺しの自供を求めた。
一方フロランスはジュリアンが昨夜、車に乗せていた若い娘は花屋の売り子で
あろうと、彼女の部屋にかけつけたが、若い二人は催眠剤を飲んだが死んでは
いなかった。フロランスはドイツ人殺しの嫌疑をジュリアンから除く為
彼等のことを警察に知らせた。その間に部屋を出たルイは、唯一つの彼等の
証拠品であるフィルムをとりに、モーテルへと行った。
しかしルイは写真屋の暗室で逮捕された。ドイツ人と共に撮した写真が全てを
証明していた。ルイを追って来たフロランスも、社長殺しの共犯として逮捕された。
即ち、ジュリアンと共に撮した親しげな写真が彼等の関係を物語っていたのだった。」
(goo映画)

映画の中で、フロランスとルイが出会うことはない。ラストカットの現像液に
浮かび上がる2ショットの中のみ。その写真にフロランスは、2人の愛が永久に
結びあっていると思うのであった。

この映画の詳細は
こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2012-09-29 23:20 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アヴェンジャー 
      Captain America :The First Avenger」

2011 アメリカ Paramount Pictures ,Marvel Entertainment,.124min.
監督:ジョー・ジョンストン
出演:クリス・エヴァンス、トミー・リー・ジョーンズ、ヒューゴ・ウィーヴィング、ヘイリー・アトゥエル他。
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
アメコミ映画ファンとしては、とっても楽しかった。この手の映画はいかに楽しく見ることが
できるかどうかに懸かっている。こいつをみておくと、この夏に公開された
「The Avengers」が更に面白くなる、という仕掛けで、映画のラストにも、しっかり宣伝が
入っている。ラストシークエンスは、キャプテン・アメリカが70年間の眠りを破って現代に
目覚めたところ。そしてファーストシークエンスは、まさに現代のキャプテン・アメリカが
氷の中から発見されるところなのだが、よく理解しておかないと、エンディングでちょっと
惑うかな、という感じだ。
超人の割には地味目な(爆)ヒーローだが、その分、米国では身近な英雄だったのであろう。
軍部の実験の結果、超人兵士として蘇るスティーブ(クリス・エヴァンス)が、ナチスも
向こうに回して世界制服を目論むヒドラを率いるシュミットと対決していくお話。
(両手を上にかざす、ハイル、ヒドラのポーズは面白かったね!)
痩せっぽちのスティーブが、ムキムキになるのはCGだそうだが、どちらがホントなのか
全部CGなのか判らない出来だ。こうなると、俳優が太ったり痩せたり特殊メイクしたりと
いうのが必要なくなるな。
キャプテンが英雄として祭り上げられ、戦時公債を買ってもらうためのキャンペーンキャラと
してぜんこくを回るところは、イーストウッドの「父親たちの星条旗」などでも状況は違うが
描かれてきたところ。まるで漫画に終わらせないヒーローの悩みもちゃんと入れ込んで
あるのがいかにもアメリカ。
最初に言ったように、この手の映画は理屈抜きにして楽しむものであるので昨今のVFXの
出来と、活劇の面白さが備わっていれば宜しい。男の子映画であれば宜しいというもの。
そうした意味で言えば本作はコミック映画の王道であり、十分に楽しむことが出来た。
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<ストーリー>
「2012年に公開される話題作『アベンジャーズ』、アイアンマン、マイティ・ソーといった
マーベルコミックのヒーローたちが集結する作品だが、その初代アベンジャーとも
言えるのが、このキャプテン・アメリカだ。
舞台は他のヒーローたちが活躍する現代ではなく、第二次世界大戦中。オカルトと科学を
融合させ、世界征服を目指すナチスのヒドラ党のレッド・スカルの野望を打ち砕くため、
キャプテン・アメリカの活躍が始まる。
本作のポイントは、主人公スティーブがキャプテン・アメリカになるまでを丁寧に描いている事。
正義の心は強いが力がない主人公の悲哀を、きちんと描いているからこそ、彼がヒーローに
なった時もキャラがブレないのだ。

1942年、病弱なため兵士として不適格とされたスティーブ(クリス・エヴァンズ)は、
軍の極秘計画“スーパーソルジャー実験”に志願する。
スティーブはパワー、スピード、身長等あらゆる身体能力だけでなく、正義感溢れる魂も
極限まで高められ、別人のような姿に生まれ変わったが、政府は彼を兵士として認めなかった。
そして、星条旗デザインのコスチュームを着た“キャプテン・アメリカ”という名前で軍の
マスコットに仕立てられ、国中の人気を集めるが、仲間である兵士たちからは相手にも
されなかった。
そんななか、親友が所属する部隊が全滅の危機に瀕すると、スティーブは実戦経験も
ないまま、無断で仲間の救出に向かう。そんな彼の前に立ちはだかったのは、ナチス化学部門
ヒドラ党の支配者レッド・スカル(ヒューゴ・ウィーヴィング)だった。
かつてないエネルギー源で世界侵略を企てていたレッド・スカルもまたスーパーソルジャーで、
野心を極限まで凶悪なものへと変貌させていた。キャプテン・アメリカは、大軍を率いるヒドラ党を
倒し、本物のヒーローになれるのだろうか? 」(goo映画)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-09-27 23:30 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「レ・ミゼラブル Les Miserables」
1998 アメリカ Mandalay Entertainment,TriStar Pictures,.133min.
監督:ビレ・アウグスト
出演:リーアム・ニーソン、ジェフリー・ラッシュ、ユマ・サーマン、クレア・デインズ、ハンス・マシソン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
レ・ミゼラブルは、ヴィクトル・ユーゴーの原作はもとより、映画でも一回も見たことが
なかった。もちろん、絵本などで描かれる「ああ、無情」のジャン・バルジャンは知っては
いたが。
今年もミュージカル仕立ての作品がまもなく公開されるが、そんなこともあり、本作を
鑑賞してみた。原作とはラストを始めとして異なっている点はあるそうだが、大河ドラマを
2時間そこそこにうまくまとめ上げ、時間経過も上手いこと折りたたんで破綻なく、この
古典名作を映画にしてあったと感じた。

主演のリーアム、彼を執拗に追い回す警部のジェフリー、前半のキーになる女性に
ユマという配役も、パワーこそ感じなかったが、全体としてよくまとまっていたと思う。
ジャン・バルジャンはちょっと大柄すぎたか、という先入観なしの感想はあるこが。
うまかったのはむしろジェフリー・ラッシュで、悪役ヅラなのだが、本当に蛇のような執拗さが
よく出ていた。そしてラスト、バルジャンの神がかった人間性への敗北を宣言するのだが、
その原作とは異なるとはいうものの面白い仕立てだったと感じた。

バルジャンの、改心した結果獲得した、神がかり的な「赦す」という人間性に、理不尽な
追求をする警部の対立軸、これにユマ演じるマリアのような存在、また彼女の子供で
ある女の子の成長と恋とを横軸にしながら、タペストリーのように映画は進んでいく。
ラストはキリスト教的教訓の中で、ジャン・バルジャンに栄光が訪れるという終わり方だ。
今度公開されるミュージカル版も見たくなった本作であった。
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<ストーリー>
(注意:結末が書かれています)
「1812年のフランス。仮出獄したジャン・バルジャン(リーアム・ニーソン)は
老司教(ピーター・ボーン)のところから銀食器を盗み警察に捕まるが、この出来事で
バルジャンの心は変化する。9年後。バルジャンは市長になっていた。そこへかつて
彼に鞭をふるったジャベール警部(ジェフリー・ラッシュ)が赴任してきた。

その頃、職を追われたファンテーヌ(ユマ・サーマン)は娼婦となったが、いさかいで
逮捕されてしまう。事情を知ったバルジャンは病身の彼女を手厚く看護する。
同じ頃、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、自分が本物のバルジャンだと
名乗り出る。再び追われる身となった彼は死の淵のファンテーヌに娘を引き取ることを
誓う。
彼女の娘コゼットを連れ出しパリへ潜入し、修道院の庭師として働くことになった。
10年後、二人は俗世界に居を構える。そこでコゼット(クレア・デーンズ)は青年革命家の
リーダー、マリユス(ハンス・マセソン)と愛し合うようになる。
市街戦が起こり、マリユスらに囚われたジャベールをバルジャンは解放する。だが今度は
負傷したマリユスを背負ったバルジャンをジャベールが逮捕する。
死を決意したバルジャンが目にしたものは、自ら川に身を投げるジャベールであった。」
(goo映画)
by jazzyoba0083 | 2012-09-25 23:40 | 洋画=ら~わ行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「ドライブ・アングリー Drive Angry」
2011 アメリカ Summit Entertainment ,Millennium Films,.101min.
監督:パトリック・ルシエ
出演:ニコラス・ケイジ、アンバー・ハード、ウィリアム・フィクトナー、ビリー・バーグ他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
ニコラス・ケイジの映画は時として大コケするので、イヤな予感をもって見始めたが、
予感は当たってしまった。こういう映画を場末の映画館で観る需要がアメリカには
あるんだろうなあ、と思いながら最後まで見たけど・・・。
しかしIMDbを観ると興行成績も芳しくない。DVDとかブルーレイで元を取るつもり
なんだろうか。
全体としては、ビッグコミックオリジナルをコンビニで立ち読みしているような雰囲気だ。
(やったことないけど=爆) スプラッタ&バイオレンス&セックス&カーチェイス。
ニコラス・ケイジ、もっと映画を選べよ、とはここでも何回か書いた。
ストーリーはケイジもカウンターパートのFBIエージェントもこの世のものではないので
なんでもアリ。ラスト、最初嫌な奴かと思わせておいたFBIがホントはそこそこいいやつ
なのでカタルシスはそれなりに得られるようには作られている。まあ、この手の映画で
ラストが投げやりだったら、場末の映画館ではスクリーンにコークが投げられるだろう
けどね。B級映画の雰囲気好き!という方にはいいストレス解消かもしれないが・・・。
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<ストーリー>
「カルト教団によって愛する家族を奪われたジョン・ミルトン(ニコラス・ケイジ)は、
復讐を誓って怒りのハンドルを握っていた。
偶然出会った勝気なウェイトレス、パイパー(アンバー・ハード)を巻き込み、次々と
立ちはだかる凶手を蹴散らしながら暴走を続ける。
しかし彼もまた、FBIを名乗る謎の追跡者(ウィリアム・フィクトナー)から追われていた。
その上、警官やカルト教団も背後に迫る。その追跡をものともせず応戦するミルトン。
二重三重のチェイスは次第に過激さを増してゆく。やがて、ガソリンと火薬の匂いが
立ち込める攻防は、アメリカ南部の乾いた空気の中で極限までヒートアップ。
果たして、この死闘の結末は?ミルトンとパイパーの運命は……? 」(goo映画)
by jazzyoba0083 | 2012-09-21 22:50 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

●「ジュリエットからの手紙 Letters to Juliet」
2010 アメリカ Summit Entertainment ,Applehead Pictures,.105min.
監督:ゲイリー・ウィニック
出演:アマンダ・セイフライド、クリストファー・イーガン、ガエル・ガルシア・ベルナル
   フランコ・ネロ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
原題は「ジュリエットへの手紙」。目線が180度違うが、どちらの立場で
観たか、は本作を楽しむ人の好みでしょう。好きだな、この手のノー天気な
ラブストーリー。ヴェローナの観光映画みたいでもある。こういう美しい
シーンを見せらるとイタリアに行ってみたい、と思わせる。
展開はベタであるが、それゆえ肩の力を抜いて楽しむことが出来る。
時間も適度であるし。先が読めてしまうけど、まあいいじゃないか、という感じ。
終盤に出てくるフランコ・ネロが美味しいところをもっていっちゃう。
アマンダ・セイフライドもいい感じ。振られちゃうイタリア系の彼氏が可哀そう
だけど、これも予定調和だね。

ロレンツォ探しを諦めての帰途、立ち寄ったワイナリーで見かけた青年を見て
「ロレンツォよ!」って、これも都合がいいけど、まあいいでしょう(爆)!
一方の主役であるクレア(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)が若々しく魅力的で
この映画全体の救いになっている。
ゲイリー・ウィニック監督は本作が遺作となったと出ていた。49歳だったそうで
惜しい才能を失った。

<プロダクションノート&ストーリー>
「不朽の名作「ロミオとジュリエット」。
イタリア、ヴェローナの「ジュリエットの家」には、今も世界から恋の悩みを
相談する“ジュリエット・レター”が届くとか。
ロンドンに住むクレアの下に1通の手紙が届く。それは、50年前、クレアが
書いたジュリエットへの手紙への「ジュリエットの秘書」なる人物からの返事
だった。「ジュリエットの秘書」とは誰か。
そして、50年前の初恋を再生させたその手紙には何が書かれていたのか。
長い年月を越えて結ばれた真実の恋に涙。『英国王のスピーチ』同様、
ネットとメール全盛の現代に、言葉の力を再認識させられる。
出演は、『マンマ・ミーア』のアマンダ・セイフライド、
ヴァネッサ・レッドグレーヴほか。
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ニューヨーカー誌の調査員ソフィ(アマンダ・セイフライド)は、婚約者
ヴィクター(ガエル・ガルシア・ベルナル)とともに旅行でイタリアの
ヴェローナを訪れる。だが、料理人のヴィクターは、間もなく開店する自分の
レストランのためにワインや食材の仕入れに夢中。
ほったらかしにされたソフィは彼と別行動を取る。ヴェローナには、
『ロミオとジュリエット』のジュリエットの生家と言われる家があり、
恋の悩みを綴ったジュリエット宛ての手紙が、世界中から年5000通も
届いていた。ジュリエットの家を訪れたソフィは、壁一面の“ジュリエット・
レター”に目を見張る。
やがて、カゴを手にした女性が、手紙を集めて去ってゆくと、好奇心に駆られた
ソフィはその後を追う。そこでは、“ジュリエットの秘書”と呼ばれる
女性たちが集めた手紙に返事を書いていた。
偶然、壁の中に眠っていた50年前の手紙を発見したソフィは、返事を書きたいと
申し出る。その手紙の差出人は、クレア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)と
いう英国の女性。50年前に訪れたイタリアでロレンツォという青年と恋に
落ちた彼女は、両親の反対を恐れて1人で帰国してしまったのだ。
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それから50年、思いがけずにジュリエットからの手紙を受け取ったクレアは、
改めてロレンツォを探すためにイタリアへやってくる。
彼女の想いに感銘を受けたソフィと旅に反対するクレアの孫チャーリー
(クリストファー・イーガン)も同行し、3人の旅が始まる。
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当のロレンツォはなかなか見つからなかったものの、それでも数日間、
クレアは旅を楽しむ。3人は次第に互いの人生を語り合い、絆を深めてゆく。
しかし、遂にロレンツォは見つからないまま、帰国の時が訪れる。
そして最終日、ブドウ畑を通りかかったクレアは目を疑う。不安と後悔、
そして期待に揺さぶられるクレア。ジュリエットからの手紙を信じて
イタリアを訪れた彼女が、最後に見つけたものとは……。」(goo映画)
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ソフィはクレアのお話を記事にして、編集長に見せ、見事掲載と記者への
昇格を勝ち取る。
やがてクレアとロレンツォの結婚式の招待状が寄せられた。ソフィは、
噛み合わないヴィクターとの婚約を解消し、ヴェローナに向かう。
そこには、美女と共にいるチャーリーの姿が・・・。
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この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-09-19 23:15 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(1)

ステキな金縛り

●「ステキな金縛り」
2011 日本 東宝・フジテレビ  142分
監督・脚本:三谷幸喜
出演:深津絵里、西田敏行、阿部寛、竹内結子、浅野忠信、草彅剛、中井貴一、市村正親
   小日向文世、KAN、山本耕史、戸田恵子、生瀬勝久、深田恭子ほか。
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
三谷監督のメジャー作品はほぼ観ているが、本作はちょっと期待外れ。展開が
ベタな割には上映時間が長すぎ。緩慢なシーン、ここ要らないんじゃないか?と
いうシーンもあった。昔の武士を現代の法定の証人として連れてくるという設定は
面白いし、その幽霊が3つの条件に合わない人には見れない、という所も
悪くはない。ただ、西田敏行の登場からして、ケレンみで持っていこうとする、
あるいは、笑わしたろか、とするキャラクター設定が強引さを感じる。
三谷作品の笑って、もう少し奥深くひねたところから発生していたのでは
なかったかな。西田敏行=落武者が頭にあっての脚本か、とも勘ぐってしまう。

豪華な配役を活かしきれず、大人数のキャラクターが散漫になってしまい、それを
恐れるが故に長くなってしまい、という悪循環。
そして、やっぱり舞台を観ているような展開。生の俳優さんたちが演じる生の舞台
ならば、このままのストーリーでもいいかもしれないが、映画となると・・・。
そんな中、深津絵里と中井貴一が良かったです。佐藤浩市は、もったいなかった。
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<プロダクションノート&ストーリー>
「三谷幸喜の監督第5作目は、ダメ弁護士と幽霊が活躍する法廷ミステリー。
深津絵里と西田敏行が、テンポの良いやり取りでそのコメディアンぶりを発揮
している。他にも、中井貴一、阿部寛、浅野忠信ら、個性的で芸達者な俳優たちが
集合し、物語を盛り上げる。
法廷が舞台となるということもあり、三谷お得意の密室の会話劇的な要素も
たっぷり。深津と中井の丁々発止のやりとりと、緩急のある西田のボケには、
思わず笑ってしまう。かつての三谷作品に出演した俳優たちが、小さな役や
以前と同じキャラクターで登場しているのも、ファンには嬉しいところ。
最初から最後まで、三谷作品のエッセンスがたっぷりつまったステキな
コメディ映画といえるだろう。

エミ(深津絵里)は失敗続きで後がない三流弁護士。彼女が新しく担当に
なったのは、とある殺人事件。被告人は無実を主張。完璧なアリバイがある
という。なんと事件当夜、旅館の一室で金縛りにあっていたというのだ。
無実を証明できるのは一晩中彼の上にのしかかっていた落ち武者の幽霊だけ。

エミはその幽霊、六兵衛(西田敏行)に会い、彼を証人として法廷に召喚する。
しかしこの六兵衛の姿は、すべての人に見えるわけではなかった。
しかもエミの前には、一切の超常現象を信じない敏腕カタブツ検事、小佐野
(中井貴一)が立ちはだかり……。
人生のどん詰まりに立たされたダメダメ弁護士と、421年前に無念の死を
遂げた落ち武者の間に生まれた奇妙な友情。果たして彼らは、真実を導き
出す事ができるのか……? 」(goo映画)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-09-18 23:50 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)

まあだだよ

●「まあだだよ」
1993 日本 大映製作・東宝配給 134分
監督・脚本:黒澤明
出演:松村達雄、香川京子、井川比志、所ジョージ、油井昌由樹、寺尾聰、日下武史ほか
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
黒澤映画を観飛ばしている昨今。今回は遺作となった「まあだだよ」。
最初の頃のギラギラした心理描写とアクション、触ったらきれそうな演出も
この頃にいたると、すっかり角が取れて、老境に達した巨匠の作品という
風情。
内田百閒の半生を教え子らとの師弟愛で結ばれたいくつかのエピソードで綴って
行く。だが、長すぎのうらみは否定できず、「摩阿陀会」の長々として
宴会に付き合うのはいささかしんどい。黒澤の映画を全部観たわけではないのだが、
物語が幾つかのエピソードを消化しつつ、緊張感を維持させている初期作品に
比べれば、次に何が起きるのか、という緊張感はまるでなく、のほの~んと
進んでいく。これが黒澤の狙いだったのかもしれないが。
事実に基づいているらしいが、はっきりいってどうでもいいストーリー。ただ、
「先生」のような人物、そして彼を敬愛してやまない教え子たちの存在は
火薬と金の匂いのする昨今の映画のアンチテーゼなのかも知れない。
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大きく分かれるシークエンス。つまり
・冒頭、今日で先生を辞める、と宣言した教室。「仰げば尊し」の大合唱に
 涙する先生。
・文士として生きていくことが決めた先生の引っ越しを手伝う教え子たち。
 「馬鹿鍋」に舌鼓を打つ(敗戦が近い頃であった)ここでも「仰げば尊し」の
 大合唱。空襲警報が鳴る・・・ 
・焼け出された先生と奥様。隣の男爵の御庭番のおじいさんが住んでいたという1畳
 しかない小屋で、「鴨長明の方丈記」にあこがれているからいいんだとやせ我慢。
 季節が巡る。(あの小屋に大人二人が生活できるのかな?)
・教え子たちが、先生の新居を作る。庭にはドーナツ型の池。先生と奥様は
 迷い込んできた猫の「ノラ」と楽しく暮らしていた。
・「第一回摩阿陀会」先生は大声で「おいっちに」を歌う。
・隣に土地を買った男、3階建てを立てると挨拶に。土地を所有者の男は
 3階建てなら売らない、と言いだし、買い手は怒って帰っていく。
 教え子らはその土地をみんなで買い取ることに決める。
・ある日ノラが行方不明に。先生がひどく落ち込む。ご飯も酒も喉にとおらない
 ほど。教え子はもとより、小学生、町内会などみなが探してくれる。一度
 ノラらしい猫が発見、との報が入ったが違った。さらに落ち込む先生だったが
 そこに、別のノラ猫が登場。先生たちはその猫を飼いネコとして、元気を
 取り戻したのだった。
・時代は下り、「第十七回摩阿陀会」。教え子たちもすっかりおじいさんに
 なっていて、先生も喜寿となりそのお祝いも兼ねていた。孫たちからの
 バースディケーキを吹き消した先生は、その場にうずくまる。持病の不整脈が
 悪くなったのだ。しかし隣で一緒に飲んでいた主治医が適格に処置し、大事ないことが
 判明、中座して家に戻る先生に「仰げば尊し」の大合唱が沸き起こった。
・そして先生の家。先生が隣で寝ている部屋で、教え子たちは飲み始めた。
 熟睡する先生が見る夢は、幼いころのカクレンボ。「まーだだかい」
 「まあだだよ」。幼い子供が見上げる夕空には、面白い雲が出ていた・・・・。

という展開。村松達雄の先生は、飄々としてユーモラス、愛すべき毒舌家でもあり
反骨の人でもあった。何より他人を動物を愛した。豪放ではないが、磊落ではあった。
そんな先生と、教え子たちの愛情は、突き抜けた無償の愛であろう。
「大黒様はだれでしょう・・・・」という因幡の白ウサギの歌が耳について
離れなかった。シークエンス毎に先生は童謡とか古い曲を歌うのだ!

黒澤は老境に達し、世情も考え自分の老いも考え、こんな作風にしたのだろう。
だが、私の好きな黒澤からすれば、これが遺作となったことに寂しさを禁じ得ないのだ。
ラストカットの夕空の雲は何を表現したかったのだろうか・・・。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-09-17 23:15 | 邦画・旧作 | Trackback(1) | Comments(0)

●「デンジャラス・ラン Safe House」
2012 アメリカ Universal Pictures,Relativity Media,Bluegrass Films,.115min.
監督:ダニエル・エスピノーサ
出演:デンゼル・ワシントン、ライアン・レイノルズ、ヴェラ・ファミーガ、ブレンダン・グリーソン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
観に行こうかどうしようか迷っていたが、アメリカでヒットした、という報道を受けて
シネコンへ。小さい小屋だったけど、結構入っていた。日曜の昼下がり。

しかし、釈然としない映画だったな。ストーリーは非常にありがち。これをCIAの
隠れ家(Safe House)の担当員という地味な役回りにスポットを当てたことだけが
新しい。
西側のスパイ組織の腐敗振りが記録されたファイルを巡る攻防なのだが、身内の
上司の裏切りも含めて、陳腐な筋立て。これをエスピノーサ監督は、
ドッカンボッカンのアクションと連続する短いカット、アップを手持ちで回す粗い映像で
引っ張ろうとした。
上記の効果も、過ぎたるは及ばざるが如し、であり、見ている方が気持ち悪くなる。
加えて静かなシーンに突然襲う銃撃やクルマの衝突など、飛び上がってしまうほど
びっくりするがこれを何回もやられては、逆に見ている方が頭に来る。
南アフリカの都市を使ったありえないカーチェイスは迫力あったけど。
ライアン・レイノルズに弾が当たらないこと、ラスト、スーツ姿になった彼って何ヶ月後の
こと??などツッコミどころはある。
デンゼル・ワシントンもライアン・レイノルズも悪くなかったのに、作風で損した映画では
ないか?
まあ、こういうのがお好きな人には何も言えませんが・・・。(^^;;

<ストーリー>
「南アフリカにあるCIAの極秘施設“隠れ家(セーフハウス)”。その管理を任された
新米職員のマット(ライアン)は、退屈な仕事に不満を募らせていた。
そんなある日、凶悪犯トビン・フロスト(デンゼル)が連行されてくる。
かつてはCIA史上最高のエージェントと評された、CIAが最も恐れる裏切り者。
ところが彼を収容して間もなく、トップシークレットのはずの隠れ家が武装集団に襲われ、
壊滅状態に。
フロストから決断を迫られたマットは、彼を連れて隠れ家から脱出することを決断。
敵の正体も分からぬまま、たった一人でフロストを守らなければならなくなったマット。
しかも逃亡のチャンスを窺うフロストから巧みな心理戦を仕掛けられ、精神的にも
追い込まれていくマットだったが…。」(allcinema)

見るべきシークエンスは
・恐れた隠れ家から、フロストを連れてBMWで逃げるシーン
・サッカーの試合会場でのチェイス、地下鉄に乗るまで
・逃げたフロストの居場所を突き止めたマットが、フロストを
 トラックに乗せて逃げるシーン
・最後の隠れ家にやって来たフロストとマットがCIAの部隊に
 襲撃され、二人とも傷を負うシーン

くらいかな。この映画を観ようとする人は「びっくりハウス」に入る心構えが
必要だろう。

詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-09-16 16:05 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

静かなる決闘

●「静かなる決闘」
1949 日本 大映 95分
監督:黒澤明
出演:三船敏郎、志村喬、千石規子、三條美紀、植村謙二郎、中北千枝子、他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
タイトルからはストーリがーわかりづらいが、結果、「梅毒」と「己」などなどとの対決を
描いたものだ。最近見始めた黒澤作品にこういう映画があることを初めて知った次第。
重い主題だが、流石に、黒澤は描ききっている。5分の長ゼリフ、三船の演技は無骨だが
それが故に心に響くものがある。 まだ映画界が浅い三船に対し、志村、仙石の助演陣が
頑張っている。それぞれ見事なものだ。

ストーリーは重いが単純で、結構衝撃的な展開でもあるのだが、ラストにはちゃんと
カタルシスが用意されている。冒頭の野戦病院のシーン、雨なのだがこれまで観てきた
黒澤の作品はどれも印象的な雨のシーンがある。今回は加えて雪も降る。
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低予算なのだろう、ほぼ、医院のシーンに終始するが、人間ドラマとしては窮屈な感じは
受けない。それぞれのキャラクターは1時間半くらいの映画なのに、際立っている。
つまり、
・軍医→梅毒をうつされ苦悩する町医者の三船、
・彼の父で産婦人科医の志村、
・三船に梅毒罹患をひた隠しにされ結婚に踏み切れない恋人、三條美紀、
・野戦病院での手術中、結果的に梅毒をうつしてしまい復員後も、三船のアドバイスを聞かず
 結婚してしまう  無頼な男、植村謙二郎、
・病院で看護婦をする元ダンサーで、三船に密かに思いを寄せるコブ付き女、千石規子、
・彼女を暖かく見守る巡査、山口勇
・奇形児を生むことになる植村の妻、中北。

以上の人物が織り成す世界は、それだけで帰結する世界を描ききっていて見事だ。
相変わらず声が聞き取りづらいところもあるが、引き込まれることの妨げにはならなかった。
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<ストーリー>
「藤崎恭二は軍医であった。前線の野戦病院、次から次に運び込まれる負傷兵、患者、
恭二は休む暇もなく手術台の側に立ち続けねばならなかった。
陸軍上等兵中田龍夫は盲腸で一命危ないところを、恭二の心魂こめた手術が成功して
とりとめた。ところが中田は相当悪性の梅毒で、恭二はちょっとした不注意のため小指に
キズを作り、それから病毒に感染した。

敗戦後、恭二は父親の病院で献身的に働いていた。が、薬品のない戦地で、恭二の
病気は相当にこじれていた。父にも打ち明けず、彼は深夜ひそかにサルバルサンの
注射を打ち続けていた。思わしい効果は現れて来なかった。
彼には許婚者松木美佐緒という優しい女性があった。彼女にも無論病気の事は話して
なかった。復員後すっかり変わってしまった恭二に美佐緒は何としても納得しかねる気持ちが
あった。六年間も待ちつづけた恋しい人だったのに。まるで結婚の事は考えていない様子の
恭二、隠している事があるに違いないのだ。彼女は根ほり葉ほり聞きだそうとしているが、
一ツの線からは一歩も踏み込ませようとしない。間に入って困る父親、そして遂に何もかも
判る時が来た。 」(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-09-13 22:50 | 邦画・旧作 | Trackback(1) | Comments(0)

酔いどれ天使

●「酔いどれ天使」
1948 日本 東宝 98分
監督:黒澤 明
出演:志村喬、三船敏郎、山本礼三郎、木暮実千代、中北千枝子、千石規子、笠置シズ子、
    進藤英太郎、清水将夫、殿山泰司、久我美子、飯田蝶子ほか。
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
終戦後3年。まだ荒んでいた日本にこの映像。凄いなあ。黒澤+三船コンビのきっかけとなり
世界の三船のデビュー作として、映画史に永く記録されることになった本作、相変わらず
7割の音声が聞き取れず。でも、結構ストーリーは分かっちゃうのだな。
英語でも字幕なしで行けるということかな。映画によってはだけど。

閑話休題。もともと、「新馬鹿時代」(山本嘉次郎監督、古川ロッパ主演)の闇市のオープン
セットを、壊すのが勿体無い、というところから本作の企画が始まったそうだ。
電車の高架の麓にドブ池が広がり、戦後の荒廃した街が広がる。
主演の「酔いどれ天使」とは、その街の開業医、眞田(志村)なのだが、無頼のチンピラ
松永(三船)が、主役の座を食っている。それだけインパクトがあり、あのオーバーメイク気味の
ギラギラとした「抜き身の短刀」のような三船の-まだ荒っぽい演技だが-迫力はどうだ!
バタ臭い格好はしているが、口から出る言葉は、着流しの、所謂渡世者、任侠のそれ。
敗戦後の世の中にとりのこされていく任侠の寂しさ、といったものが感じられる。

冒頭、街に流れるギターの音色。今やったらクサいだろうが、何故かとても合っている。
笠置シズ子の「ジャングルブギ」も、パワフルだ。
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後に大俳優たちになっていくキャストの、まだまだ初々しい姿が、今観ると、敗戦直後の
荒んだ光景にとってもマッチしていて、ある種無骨な演技がフィットして見えてしまうから
不思議だ。これは後の「静かなる決闘」でも言えることだと感じる。
時代背景もあるだろうが、とてもパワーを感じる映画だ。黒澤監督38歳。まさにいよいよ
手腕の輝きに加速がかかるところであろう。

<ストーリー>
「駅前のヤミ市附近のゴミ捨場になっている湿地にある小さな沼、暑さに眠られぬ人々が
うろついていた。
これら界わいの者を得意にもつ「眞田病院」の赤電燈がくもの巣だらけで浮き上っている。
眞田病院長はノンベエで近所でも評判のお世辞っけのない男である。眞田はヤミ市の顔役
松永がピストルの創の手当をうけたことをきっかけに、肺病についての注意を与えた。

血気にはやる松永は始めこそとり合わなかったが酒と女の不規則な生活に次第に体力の
衰えを感ずるのだった。松永は無茶な面構えでそっくり返ってこそいるが、胸の中は風が
吹きぬけるようなうつろなさびしさがあった。しめ殺し切れぬ理性が時々うずく、まだシンからの
悪にはなっていなかったのだ。
--何故素直になれないんだ病気を怖がらないのが
勇気だと思ってやがる。おれにいわせりゃ、お前程の臆病者は世の中にいないぞ--と
眞田のいった言葉が松永にはグッとこたえた。
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やがて松永の発病により情婦の奈々江は、カンゴク帰りの岡田と結託して松永を
追い出してしまったため、眞田病院のやっ介をうけることになった。松永に代って岡田勢力が
優勢になり、もはや松永をかえりみるものもなくなったのである。
いいようのないさびしさにおそわれた松永が一番愛するやくざの仁義の世界も、すべて親分の
御都合主義だったのを悟ったとき、松永は進むべき道を失っていた。ド
スをぬいて奈々江のアパートに岡田を襲った松永は、かえって己の死期を早める結果に
なってしまった。

ある雪どけの朝、かねてより松永に想いをよせていた飲屋ひさごのぎんが親分でさえ
かまいつけぬ松永のお骨を、大事に抱えて旅たつ姿がみられた。 」(goo映画)

この映画の詳細は
こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2012-09-12 23:15 | 邦画・旧作 | Trackback | Comments(0)