●「ブラック・ブレッド Pa negre」
2010 スペイン・フランス Massa d'Or Produccions,Televisió de Catalunya (TV3).113min.
監督・脚本: アグスティ・ビリャロンガ   原作: エミリ・テシドール
出演: フランセスク・コロメール、マリナ・コマス、ノラ・ナバス、セルジ・ロペス、ルイーザ・カステル他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
スペインの国内外で多くの賞にノミネートされたり受賞した作品。スペインの内戦を
知っている欧州人などに比べ日本人の受けるインパクトは少なくなるのだろう。

内戦で疲弊したカタルーニャのとある村の一人の少年アンドレウの目を通して大人の
汚さ、身勝手さ、エゴ、周囲に充満する「性の世界」。少年は戸惑いながらも必死に生きる。
ラスト、実力者夫人の養子となり、寄宿舎つきの有名な学校に入れられたアンドレウの
表情には、突き抜けた強さと、不気味さが漂っていた。

登場人物がややややこしくなる経過もあるが、1つの村の内戦下の人々のうごめきを
人間の本性を生臭く描くことで、上手く表出した作品といえよう。生臭さのハイライトは
冒頭の馬まで殴り殺し、が下に落とす殺人シーン、そして間男の去勢というリンチだろう。
えげつないシーンやエピソードもあり、嫌な感じを受ける人も多いだろうがそれを含めての
この映画だ。

原作はあるのだが、人間の暗い精神をそうした一つ一つのミステリー要素を含みつつ
暗いエピソードで綴っていく。
暗い映画ではあるが、力強さとインパクトを持った作品と思う。
全体的に救いのない作品と言えるが、そのとこ(救いがないこと)事態がパワーを持って
いる、ということも出来よう。 少年が体験したトラウマはいかばかりか、この少年は
どんな大人になるのか、興味を持った。
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<ストーリー&プロダクションノート>
「内戦の傷跡が残る1940年代のスペインの貧富の差が如実に現れている村で、
親子が転落死する場面に出くわしたことから、少年が親や家族、周囲の闇を目の当たりに
していくミステリー。
監督はスペインのデヴィッド・リンチと称されるアグスティー・ビジャロンガ。
本作は第84回アカデミー賞外国語映画賞スペイン代表作品となり、2011年ゴヤ賞
作品賞をはじめ計9部門受賞するなど、国内外から高い評価を得ている。
主演は本作のオーディションで見いだされたフランセスク・クルメ。

まだスペイン内戦の傷跡が痛ましく残るカタルーニャの山の中で、ある日、11歳の少年
アンドレウ(フランセスク・クルメ)は血まみれになって倒れているディオニスとその息子
クレットを見つける。
クレットは「ピトルリウア……」という言葉を遺して息絶える。ピトルリウアとは、村に伝わる、
洞穴に住む羽をはやした怪物の名前だった。現場の状況から殺人と断定した警察は、
アンドレウの父ファリオルに容疑をかける。

鳥の鳴き声大会を開くため鳥を飼っている父だが、以前から政治的な活動により
村人たちから快く思われていないのも合わさり、姿を隠すことにする。母(ノラ・ナバス)は
工場に働きに出ているため、アンドレウは祖母の家に身を寄せる。
祖母の家に同じく身を寄せる、事故で左手を失った従妹のヌリア(マリナ・コマス)らとともに
新しい学校に通いはじめる。ヌリアは学校で、教師と関係を持っており娼婦の家系であると
罵られていた。
ヌリアが裸でベランダに立つところを偶然目にしたアンドレウは、ヌリアの秘密を共有する
ことで連帯感を強める。屋根裏から気配を感じたアンドレウがヌリアから手渡された鍵で
屋根裏部屋を開けると、そこには父が隠れていた。父が同じ屋根の下にいたことに驚く
アンドレウ。突如警察が祖母宅に押し入り、父は裕福な農場主のマヌベンスに話すよう
伝え連行される。その言葉通りにマヌベンス夫人に面会し父の無罪を訴えるアンドレウと母。

マヌベンスは父のために町長(セルジ・ロペス)宛に手紙を書いてくれたが、その手紙を
届けに行くと、横恋慕していた町長は弱みにつけこみ母を手篭めにする。
さらに、ぼろぼろの姿で村をさまようディオニスの妻に出会ったアンドレウは、父がディオニスと
ともにマヌベンス夫人の弟と肉体関係を持ったマルセルという青年に残酷な罰をくだした
過去を告げられる。いよいよ死を覚悟した父から、マヌベンス夫人への手紙を託される
アンドレウ。
数日後、彼はマヌベンス夫人から学費援助の申し出があったことを知る。父は母の必死の
擁護にも関わらず死刑に処せられる。そして、さらにある事実を知り、あまりにも多くの
人間の闇を見聞きしたアンドレウは、ある決断をする――。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-09-30 23:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「裏切りのスナイパー Le Guetteur」
2012 フランス・ベルギー・イタリア Babe Film.89min.
監督:ミケーレ・プラチド
出演:ダニエル・オートゥイユ、マチュー・カソヴィッツ、オリビエ・グルメ、フランシス・ルノー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
WOWOW「ジャパン・プレミア」=劇場未公開の作品をソフトが出る前にオンエアする
企画で、放送され録画して鑑賞。
短い作品でフレンチ・ノアールというところに惹かれての鑑賞だったが、雰囲気は持った
映画だったが、話を詰め込み過ぎで、かつ登場人物の相関が分かり辛く、もっと
ストレートに描くか、時間を使って丁寧に描いたほうがいい映画になったんじゃないか、と
感じた。
マテイ警部(オートゥイユ)の息子とヴァンサン(カソヴィッツ)のアフガンでの事件や
取って付けた感がある悪徳医師の猟奇性とか、よくばり過ぎじゃないだろうか。
故に、主人公たち(マテイやヴァンサン)の人物描写が中途半端になっている感じだ。

銀行強盗がスナイパーにバックアップされているという設定や主役たちのキャストは
面白いのに残念だ。邦題にあるように、スナイパーが裏切っているわけではない。
むしろ裏切られる側である。マテイとヴァンサンが銃を持って対峙するも、マテイは
撃たず、ヴァンサンは背中を見せてその場を去るというラストもフレンチだなあ、と感じさせる。
強盗団の一人一人がだれか、ということを確認して観れば、短いしフレンチ・ノワールが
好きな人はいいかもしれない。
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<ストーリー>
「パリ。仲間たちを守るスナイパー役のヴァンサンら5人の強盗グループが銀行を襲うが、
直後にマテイ刑事ら警察と銃撃戦となり、仲間のひとりを失いながらも逃亡に成功。
4人は2年後に再会し、奪った大金をその時に山分けしようと約束し合うが、ヴァンサンは
何者かの密告のせいで逮捕される。仲間の誰かが裏切ったのだ。護送中にヴァンサンが
脱走し、裏切り者を探す一方、ほかにも裏切り者がいて、グループは中と外で死闘を続ける。 」
(wowow)

裏切り者の中に、強盗団のケガを治療する医師免許のない医師が絡むのだが、この
オジサンの、女性監禁癖もあってさらに事態はややこしくなる・・・。


この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-09-25 22:40 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「私が、生きる肌 La piel que habito 」
2012 スペイン Blue Haze Entertainment ,Canal+ España ,El Deseo D.A. S.L.U. 120min.
監督:ペドロ・アルモドバル  原作:ティエリ・ジョンケ「私が、生きる肌」
出演:アントニオ・バンデラス、エレナ・アナヤ、マリサ・パレデス、ジャン・コルネット他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
キャッチ・コピーが「あなたは、これを愛と呼べるか-」なんだけど、呼べねーよ、と
見た人は思うでしょう。屈折した形成外科医の愛情。彼にとっては愛情なんだけど、
大方の人には狂気と映るでしょう。だから映画として見ていて楽しいのだけれど。

途中まではトラ男が出てきたりして、けっこうシュールなんだけど、中ほどで
お手伝いと見ていていた女性(実際は外科医の母親)が、独白するあたりから
事態が呑み込めてくる。あとは一気呵成に。
しかし、娘を強姦した男を性転換して自殺した自分の妻そっくりに仕立て上げて、
愛せるものだろうか?そのあたりの狂気がこの映画の見ものであり、また誘拐され
強制的に性転換されてしまい、美女に生まれ変わったものの、心までは変わって
いなかった悲劇。ラスト、母親に会いに行くのだが、母親の反応が出る直前で
映画は終わる。 この放り出し加減も、これしかないんじゃないか、と思わせる
エンドだと感じた。 話が動き出すまで多少まどろっこしいところはあるが、全体として
スタイリッシュでエロチック、生々しく、かつ幻想的、また悲劇的な大人のための作品。
(R-15指定)。
前半を謎めいた構成にしておいて、後半一気に具体的は狂気の愛情の裏側を描く
構成が魅力的だ。その後半で、アナヤが実は男だったと分かると画面に現れる
裸体はエロさが失われるのが不思議な感覚。男として見てしまうので、冒頭の
映像のようなエロティックさは感じなくなるのだ。

アントニオ・バンデラス、人工美女エレナ・アナヤ、良かったです。それと強制性転換男
ビセンテ役のジャン・コルネット、娘を強姦する青年なんだけど、なんで背が低い男を、
と思っていたらら、後で大男じゃ困る事情があるわけで、彼が大男だったら外科医も
誘拐しなかったと思う。妻と身長が大体同じじゃないとだめなわけだから。
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<ストーリー>
「妻を失った天才医師が、自ら開発した“完璧な肌”を移植して妻そっくりの美女を創り
上げる。スペインの巨匠ペドロ・アルモドバルが、愛と狂気の境界線に挑んだ衝撃作。
惜しげもなくさらされるエレナ・アナヤの裸体、ジャン=ポール・ゴルチエによる華麗な
衣装、退廃的な性描写。官能美あふれる映像に目を奪われる。

謎めいた雰囲気を漂わせる女性ベラ(エレナ・アナヤ)は、全裸と見まがうしなやかな
肢体に肌色のボディ・ストッキングをまとい、ヨガの瞑想に耽っている。
彼女は画期的な人工皮膚の開発に没頭する天才形成外科医ロベル(アントニオ・
バンデラス)によって幽閉されていた。
ロベルが夢見るのは、かつて非業の死を遂げた最愛の妻を救えるはずだった“完璧な
肌”の創造。あらゆる良心の呵責を失ったロベルはベラを実験台に、開発中の
人工皮膚を移植し、今は亡き妻そっくりの美女を創り上げてゆく……。
そして、ベラは一体何者で、どのような宿命のもとでロベルと巡り合ったのか……。」
(Movie Walkler)

以下ネタバレのストーリーはこちら
wikipediaまで。

本作の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-09-24 23:20 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

エリジウム Elysium

●「エリジウム Elysium」
2013 アメリカ TriStar Pictures(SONY).109min.
監督・脚本:ニール・ブロムカンプ
出演:マット・デイモン、ジョディ・フォスター、シャールト・コプリー、アリシー・ブラガ、ディエゴ・ルナ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
タイトルを見たときに、ベートーヴェン、交響曲第九の合唱の主旋律に出てくる
「エリジウム」を思い出した。あの「フロイデ, ショェーネル ギョェッテルフンケン,
トホテル アウス エリューズィウム」と歌いだす、あれだ。
「楽土から来た乙女」というふうに訳されるが、エリジウム=「永遠の理想郷」。因みに
シャンゼリゼはエリジウムの野という意味だそうだ。「Les Champs-Élysées」。

本作のタイトルも、今から150年ほど未来の地球で、超富裕階層が宇宙に浮かべた
楽園を意味する。そこでは人はドロイドにかしずかれ、病気からも解放された生活を
送っているのだ。片や地球上では劣悪な環境の元、労働力だけが提供されていた。

あれ、この話、どこかで見たような・・。そう「トータル・リコール」の設定とソックリ。
そのさらに後ろには「ブレー・ランナー」の姿も。

制作された年の1位を付けさせていただいた「第9地区」のブロムカンプ監督の最新作。
(まさかこの第9がベートーヴェンの第九に引っ掛けてあるとは思わないけど・・)
宇宙人のため南アフリカに作られたコロニーの姿を描いた衝撃は、ここにはないが、
安定し、かつ緊張感を維持できているストーリーの展開は、この監督の非凡さを
物語っている。
加えて、VFXの完成度と画面のデザインがとても良いと感じた。VFXが映画の中に
違和感なく溶け込んでいる。3Dでなくても迫力十分だ。

この手の映画が大好きな私は、とにもかくにも駆けつけた訳だが、長い映画ではないが
109分、非常に充実した時間を過ごせた。変にハッピーエンドにしないところも良い。
また大上段に人間性とかをことさら前面に出して訴えないところもいいなと感じた。
そう、押し付け感がないんだな。それでいて、人間性のコアなところはちゃんと押さえて
ある。その辺が良い。

ストーリーも単純で映画の世界に引き込むのに十分な力(魅力)を持っていると感じた。

マット・デイモン、ジョディ・フォスターという顔合わせも宜しい。ブロムカンプ監督という
のは独特の世界観を映像で表現できるオリジナリティをもった人だな。
「トータル・リコール」などに似ている世界を描くが、オリジナリティはあると思う。
次作が楽しみである。
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<ストーリー>
「第9地区」のニール・ブロンカンプ監督が「ボーン・アルティメイタム」のマット・デイモンを
主演に迎えて放つSFサスペンス・アクション大作。
人類がスペース・コロニーに築かれた美しき理想郷“エリジウム”に暮らす少数の富裕層と、
荒廃した地上で虐げられる大多数の貧困層に分断された近未来の地球を舞台に、
ある目的のためにレジスタンス軍に参加し、強大なエリジウム政府に立ち向かう一人の
男の運命を壮大なスケールで描き出す。共演はジョディ・フォスター、シャールト・コプリー。
 
2154年。人口増加と環境破壊で荒廃が進む地球。その一方、一握りの富裕層だけは、
400キロ上空に浮かぶスペース・コロニー“エリジウム”で何不自由ない暮らしを送っていた。
そこには、どんな病気も一瞬で完治する特殊な医療ポッドがあり、美しく健康な人生を謳歌
することが出来た。
そんなエリジウムを頭上に臨みながら地上で暮らす男マックスは、ロボットの組み立て工場で
過酷な労働に従事していた。ある時彼は、工場で事故に遭い、余命5日と宣告されてしまう。
生き延びるためにはエリジウムで治療する以外に道はない。
そこでマックスはレジスタンス組織と接触し、決死の覚悟でエリジウムへの潜入を図る。
ところが、そんな彼の前に、一切の密入国を冷酷非情に取り締まる女防衛長官デラコートが
立ちはだかる。」(allcinema)

以上のストーリーは全体の十分の一位だ。実際の映画はもっともっと面白いです。
「第9地区」や「トータル・リコール」「ブレード・ランナー」が好きな人は見てみると宜しい。
本年度上位に来るような作品ではないとは思うが、個人的には大好きな作品となった。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-09-22 14:20 | 洋画=あ行 | Trackback(1) | Comments(0)

マーガレット Margaret

●「マーガレット Margaret」
2011 アメリカ Fox Searchlight Pictures,Gilbert Films.150min.
監督:ケネス・ロナーガン
出演:アンナ・パキン、J・スミス=キャメロン、ジャン・レノ、マット・デイモン、マーク・ラファロ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
圧倒的なセリフ劇。罵り合う場面も多いが、非常に練られた会話で、主人公の少女も
頭がいいと見えて、納得性の高いセリフが並ぶ。それがとても面白い映画だったが、
疲れる。マット・デイモンがえらく若いな、と思ったら実際は2005年に制作された作品
であったが、さまざまなトラブルから公開が遅れ、日本では劇場未公開のままと
なった。その間、製作総指揮のミンゲラは亡くなってしまった。
主にもめたのはその上映時間で、プロデュース・監督サイドは3時間近くを要求したが
スタジオ側が150分を超えないことを主張し、訴訟にまでなってしまったという。

濃密なセリフのやり取りのブロックのあとにインターミッションのように流れるNYの景色
とか監督のこだわりを感じさせるシーンは短縮版でも見られる。カットされた30分が
どんなものだったか知る由もないが、この手の作りだと2時間半くらいが限度じゃないかと
観客的には思うわけだが。

主軸はこうだ。NYの女子高生リサ(アンナ・パキン)は家族でキャンプに行くときに被る
テンガロンハットを探していたのだが、たまたま舗道を歩いているとき道路を走っていた
市バスの運転士が、探しているものに近い帽子を被っていたため、舗道から歩きながら
ジェスチャーを交えて、そこ帽子はどこで手に入れたかを尋ねる。

当然、運転士は少女がバスの横を歩きながら何をわめいているのか分からない。
そっちに気を取られているうちに赤信号を見落とし、横断歩道を歩いてた買い物カートを
押す婦人を轢いてしまう。リサは片足をもがれた婦人に声をかけ必死に励ますが、
最初のうち自分の身に何が起きたか分からず、必死に理解しようとしていたが、たちまち
意識が混濁し、救急車が来る前に絶命してしまった。

警察の調べに、自分にも非があることに心を痛めたリサは運転士の生活のことも
考え、とっさに「信号は青だった」と言ってしまう。
事件はリサの証言などから運転士の過失を認めずに終わるが、両親の呵責に耐えかねた
リサは、運転士の家を訪ね、証言を撤回する、という。

だが、運転士に罪の意識は無く、警察も取り合ってくれない。今更証言をひっくり返しても
事態は変わらないという。

そこでリサは母のつてで弁護士を紹介してもらい、運転士の解雇を目的とする裁判を起こす
ことを決意する。しかし弁護士から、裁判は親族しか起こせない性質のものだと言われる。
そこでアビゲイルという親族を探し出す。彼女は亡くなった婦人モニカとは疎遠で、最初は
関わりたくないとしていたが、多額の賠償金が取れると分かり、がぜんやる気を出す。

裁判の結果、和解が提案される。市の交通局は35万ドルの賠償金の支払いに応じるが
運転士の解雇については組合問題をさけるため応じないという。
リサはそれでは自分の目的がかなわないとアビゲイルに主張するが、原告はアビゲイル。
大金を目の前にアビゲイルは和解に応じることを主張し、その結末となる。

母に誘われて出かけたオペラを見ていて、リサはあふれ出る涙を止めることができなった。
彼女の思いが遂げられなかったのと、その間に起きた様々が出来事に対する感情が
ほとばしり出てしまったのだ。会場に来る前に見かけた市バスにはあの運転士の姿が・・・。
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以上が主軸であるが、これに
・自分のことで精いっぱいの舞台女優の母。
・その母と恋愛関係になるラモン(ジャン・レノ)という男性と、彼の急死。
・離婚して西海岸に住む父親との関係。
・処女を捧げる学友ポールとの関係。
・クラスでのアラブ系女子生徒とのテロを巡る激しい論争

が、横軸に絡んでくる。どれもよく整理されていて、状態が混乱することはない。
翻訳も大変だったと思うが、セリフが良く研がれた切れ味のいいナイフのように
スパッスパッと心に響いてくる。本音が炸裂するやりとりは奥行きの深さを感じさせる。
劇場公開されなかったのが残念だ。それにしても主人公リサを演じたアンナ・パキンと
いう女優さん、一見憎たらしいご面相だが、体当たりで迫力あったなあ。
「ピアノ・レッスン」でオスカー助演女優賞を当時史上最年少で獲得したのはダテでは
無かったわけだ。その後コンスタントに活躍しているようだ。今年もう31歳になった。
母親役のJ・スミス=キャメロンも、儚げ、危なげな味が出ていて良かった。

力強さを感じさせる作品だったと思う。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-09-19 23:40 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)

●「NY検事局 Night Falls on Manhattan (再見)
1997 アメリカ Paramount Pictures,Spelling Films .113min.
監督・脚本:シドニー・ルメット
出演:アンディ・ガルシア、リチャード・ドレイファス、レナ・オリン、イアン・ホルム他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
5年前に観ていた。気が付かずに見始めたら途中から「あ、前に観た」ということに
気づいたが、面白かったので見てしまった。感想は1度目と変わらない。そう
凄い映画ではないが、さすがにルメット、まとめあげるチカラは大したものだ。
警官映画となると、どこかに不正が絡んでくるが、今回は新人検事と警官の
父親、という構図が面白い。ドレイファスの存在も、心臓病でリタイアしてしまう
前検事もいいし、父親のイアン・ホルムも渋い。でも1回目でも書いたけど
レナ・オリンは個人的には残念だったとの思いは変わらなかったな。
もう少し時間をかけて、主人公やその周辺の懊悩を描いても作品が深くなって
よかったかな。
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前回の感想はこちら
ご参照ください。
by jazzyoba0083 | 2013-09-18 23:20 | 洋画=な行 | Trackback | Comments(0)

●「あの日、あの時、愛の記憶 Die verlorene Zeit 」
2011 ドイツ MediaPark Film- und Fernsehproduktions ,111min.
監督:アンナ・ジャスティス
出演:アリス・ドワイヤー、マテウス・デミエッキ、ダグマー・マンツェル、レヒ・マツキェヴィッチェ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
実話を脚色した映画だが、「戦争によって引き裂かれた愛し合った男女」の話。
舞台がユダヤ人強制収容所なので、余計のインパクトが強かろうが、この手の話は
日本にもアメリカにもたくさんあったのではないか。
「戦争の悲惨さ」というよりも「消し去ったはずの愛した人の存在」のむごさが浮き彫りに
なって、考えさせられる。戦争によって正解を失った恋愛ドラマだ。

男性側は、パルチザンから引き揚げてきたとき我が家で母親から(女性をユダヤと
いうことで本当は嫌っていた)死んだと告げられ一応の区切りをつけたのだろうが、
女性側は、戦後、民間の捜査機関に調査を依頼したものの見つからず「推定死亡」と
これまた、諦めていたわけだ。NYに渡り幸せな結婚をしていた彼女が1976年に観た
テレビのインタビューに映っていたのは、まさに死んだと思った最愛の命の恩人だった。

これから主人公ハンナの懊悩が始まるのだ。
1944年の収容所とポーランド、1976年のNYをカットバックしながら話は進む。
テーブルクロスを取りにいったクリーニング店で、あのテレビ番組を見なければ
何事もないように人生は進んでいったのだろう。なんという偶然だろうか。

ドイツ映画で、言語はドイツ語、ポーランド語、英語とそれぞれのシチュエーションで
リアルに使い分けられている。大事なことだ。俳優は誰ひとり知っていなかったkが
この手の実話は、そのほうがリアリティを感じて個人的には良いと思う。

作品は戦後NYに渡り幸せな結婚をし、旦那は大学教授という豊かな暮らしと身分を
手に入れたユダヤ人ハンナ。でも、こころの深いところでは自分を愛し、妊娠までし
(流産となるが)そして強制収容所から連れて逃げてくれたトマシュ(ポーランド人)を
決して忘れることは無く生きてきた。

一方トマシュは強制収容所の実態を映したネガをパルチザン経由でロンドンに運ぶという
重要な任務を帯び、実家までなんとか逃げおおせ、同じく反ナチ運動に加わっている兄の元に
出かけそのまま帰ってこなくなった。母親はユダヤ人を匿うと命が危ないと言って
結婚には大反対したいた。

ナチが敗走した後来たソ連軍にパルチザンから帰ってきていた兄夫婦は連れ去られ、
ハンナは隠れていたが、トマシュの母親が住む実家から去ることと決意、ベルリンを目指した。

結局ハンナは途中で倒れ、たまたま通りかかった赤十字のクルマに助けられる。
1976年まではその後のことは一切端折られている。

テレビでトマシュの姿を見たハンナは捜査団体に再び捜索を依頼、すると今度は
番地や電話番号までが判明した。この一件でまるで別人のようになってしまった母親に
現在のハンナの夫や娘は困惑する一方だ。

ハンナは意を決してトマシュに電話する。そして二人はポーランドで逢うことになる。
ハンナは現在の夫に「最愛の人はあなたよ。今回行かせてくれたことに感謝するわ」と
置手紙を置いた(夫も会うことを勧めてくれていた)。
花束を持ってバス停で待つトマシュ、降りてトマシュの姿を認めるハンナ。そこで映画は
終わる。トマシュは結婚したもののその後夫人を病死で失っている身だ。
二人はあってどんな話をするのだろう。30年以上前の話は、決して二人には笑い話では
終わらないなず。私が個人的に知りたかったのは、トマシュはハンナの前から「二日で
戻る」」と言ってその後どうしていたんだろう、ということだ。

会った二人はどうなったのだろか、そんな重い思いを残したまま映画は終わってしまった・・・・。
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<プロダクションノート&ストーリー>
「第二次世界大戦下のアウシュヴィッツ収容所で出会い、ともに生死を賭け脱走し
生き別れた恋人。30年の時を経て、テレビからその恋人の声を耳にした女性が
再び恋人を探す、実話を基にしたラブストーリー。

1976年。ドイツからニューヨークに渡ったハンナ(ダグマー・マンツェル)は、優しい夫と
娘に恵まれ、幸せな日々を過ごしていた。ある日ホームパーティーの準備のため
立ち寄ったクリーニング店で、ハンナは流れていたテレビから忘れられない声を耳にする。
テレビに近づくと、画面には死んだと思っていた若かりし頃の恋人トマシュが映っていた。

封じ込めていた記憶が鮮明に蘇り、ハンナは茫然自失となる。1944年、ポーランドの
アウシュヴィッツ強制収容所で二人は出会い、恋に落ちた。政治犯であるトマシュ
(マテウス・ダミエッキ)の立場を利用し、二人だけの時間を重ねる。
レジスタンス仲間に収容所の実態を写したフィルムを届けるという任務を受け脱走を
企てるトマシュは、何が何でもハンナ(アリス・ドワイヤー)をともに連れて行こうと決心し
ていた。その一方でハンナは、トマシュに妊娠したことを告げられずにいた。

決行の日、トマシュはナチスの分隊長に成り済まし、ハンナを連れだって門番をだまし、
二人は無事に脱出に成功する。一緒に生きることを誓い合う二人だったが、戦争の混乱
の中、生き別れになってしまう。ハンナは赤十字にトマシュの捜索を依頼するが、返答は
推定死亡だった……。
テレビに映っていたのは間違いなくトマシュだと確信したハンナは、甘く苦しい記憶に
後押しされるように、赤十字社へ電話をかけるが……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-09-17 23:10 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

●「アニマル・キングダム Animal Kingdom」
2010 オーストラリア Porchlight Films,Screen Australia.112min.
監督:デヴィッド・ミショッド
出演:ジェームズ・フレッシュヴィル、ベン・メンデルスゾーン、ジョエル・エドガートン
    ガイ・ピアース、ルーク・フォード、ジャッキー・ウィーヴァー、サリバン・ステイプルトン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
「自分の居場所を見つけたか?」・・・担当刑事にそういわれた主人公の17歳の少年が
悪の中に育ち、それなりに居場所を見つける話だが、そこは決して「善」の居場所では
なく、おそらく「凶悪」なそれであるのだろう。そんな予感を残して映画は終わる。

ビック・ママを演じたジャッキー・ウィーヴァーはこの演技でオスカー助演女優賞にノミネート
された。それだけ迫力は確かにある。結局悪の総元締め、悪い子供らを輩出した
悪い母親だ。主人公の若いジェイはビッグ・ママの娘の子、つまり孫にあたる。
悪い一家だが、身内には優しい面がある。子供らはママとのキスを忘れない。大の大人
だが。そんな奇妙なアンバランスの悪の一家の話だ。

彼のモノローグでコカインはやるはメチャクチャな悪ばかりそろったコディ家の崩壊と彼の
自立を描く。冒頭、ジェイの母がヤクのオーバードーズで死んだところから話が始まり、
何もわからないジェイはおばあちゃん(ビッグママ)に相談する。そしてコディ家に
引き取られるが、そこでは伯父たちがメチャクチャをしていた。当然警察の特捜班から
狙われていて、一番足を洗いたがっていたバズが警察に射殺される。これに激怒した
長男「ポープ」は、ジェイにクルマを盗ませ、これを餌に警官をおびき出し、2名を射殺して
しまう。

彼ら一家の悪事を追うレッキー刑事(ガイ・ピアース)は、兄弟らを追い詰めていくが
一家には警察に内通者がいるうえ、ヤク中の弁護士もついていた。

警察は、ジェイを突破口にして何とか兄弟を逮捕しようとするが弁護士から黙秘の
知恵を吹き込まれたり、逮捕されてもビッグママが手をまわして保釈となってしまう。

警官2人殺しで逮捕されるものの、まんまと証拠不十分で釈放される。
一方、兄弟(伯父たち)の一番の悪で「法王(ポープ)」と呼ばれる長男は、ジェイの
ガールフレンドが警察に口を割ることをおそれヘロインを注射して殺してしまう。

それを知ったジェイは密かに決心したのだった。

ラスト、どういう落とし前で映画が終わるんだろうか、と思っていたが、ある種の
カタルシスの中で、ジェイがポープの頭を銃でぶっとばして終わる。

ガイ・ピアース以外はいい人が出てこない悪の一家の顛末であるが、タイトルの
意味が終わりに分かる仕掛けだ。気の弱い少年が悪の王への道を歩み始める。
決して本人も悪の道に入ろうとは思っていなかったはずだが、環境は彼を
絶望的は道へと引きずり込まずにはいられなかったのだった。

最初のうち兄弟の名前が混乱するが、次第に締まってくる。テンポも良く、面白く
観ることができた。決してすっきりする映画ではないけど。
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<プロダクションノート&ストーリー>
「インディペンデント作品ながら、オーストラリア・アカデミー賞をはじめ、世界各国の
映画祭で評判を呼び、鬼才クエンティン・タランティーノが2010年の年間ベスト3に
選んだという衝撃作。凶悪犯罪に手を染める一家と、彼らと一緒に暮らすことになった
17歳の少年の葛藤と成長を描き出す。監督は『メタルヘッド』の脚本家デヴィッド・
ミショッド。

オーストラリア・メルボルン。17歳の高校生ジョシュア(ジェームズ・フレッシュヴィル)は
母ジュリアと二人で静かに暮らしていたが、ある日突然、ジュリアがヘロインの
過剰摂取で死亡してしまう。
ジョシュアは、ジュリアが長い間付き合いを避けていた祖母ジャニーン(ジャッキー・
ウィーヴァー)に電話をかけ、すぐにジョシュアのもとに駆け付けたジャニーンは、
すべてを処理して彼を自分の家に連れ帰る。

ジャニーンにはジュリアの他に、アンドリュー(ベン・メンデルソーン)、クレイグ
(サリヴァン・ステイプルトン)、ダレン(ルーク・フォード)という3人の息子がいた。
彼らは皆家族思いで、一見、明るく温厚な人物に見えたが、全員が銀行強盗や
麻薬の密売など、あらゆる凶悪犯罪に手を染め、その収入で生計を立てていた。

ジャニーンも息子たちの犯罪を黙認し、事実上裏ですべてを仕切っていた。
そして、アンドリューの昔からの強盗仲間で、冷静で頭脳明晰なバリーが多くの
犯罪を計画していた。
ジョシュアの母は、そんな一族から距離を置くため、息子を連れて家を出たのだ。
だが今や他に行くあてのないジョシュアには、その家で暮らしていくしか道は残され
ていない。
当初、一家がジョシュアを直接犯罪に巻き込むことはなかったが、彼が犯罪に
まったく無関係でいつづけることは不可能だった。一方、横行する凶悪犯罪に
業を煮やした警察は、凄腕の巡査部長ネイサン・レッキー(ガイ・ピアース)率い
る強盗特捜班を組織すると、一家で最も凶暴なアンドリューに目を付け、彼の
逮捕のために執拗な捜査を開始。
レッキーは、ジョシュアを犯罪者一家から救い出し、彼の証言でアンドリューたちを
一網打尽にしようと画策するが、ジョシュアは口を割らない。
だが一家はジョシュアが彼らを裏切って警察に寝返るのではないかと疑いはじめ、
強力な圧力で口止めをするのだった。頼る者のいない孤独の中で、逃げ場を失った
ジョシュアは今、自分自身が生き残るために、強くならなければならなかった……。」
(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-09-16 22:40 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

我らの生活 La nostra vita

●「我らの生活 La nostra vita」
2010 イタリア Cattleya 98min.
監督・脚本:ダニエル・ルケッティ
出演:エリオ・ジェルマーノ、イザベラ・ラゴネーゼ、ラウル・ボヴァ、ステファニア・モントーシ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆> 
そうたくさんイタリア映画を観ているわけではないが、主題の置き方、ストーリーの展開、
(プロットの行ったり来たり)、カメラワーク、それらが個人的には「イタリア映画らしいなあ」と
感じた。どこが?と問われると答えに窮するが、普通の生活を淡々と(トラブルもあるが)
描くことの中で、人生、幸せ、などを提示していく手法がそうなのかもしれない。
「普通の生活」の中の「人々の幸せや悲しみ」をそうドラマチックでなく描いていくという。

で、本作もビル工事現場監督の主人公が、3人目を出産した妻を産褥かなにかで失い、
男手ひとつで3人の男の子とともに必死に生きていく様を描く。
現場でエレベータホールに転落して死亡した警備員の息子を引き取り(そうとうのバカ
息子)彼をしつけつつ、子供を車いすの友人にあずけ、必死に工事現場での仕事に
打ち込む。しかし、作業員は不正入国のポーランド人ジプシーだったりするので
トラブルは絶えず、しかも、ビルの工事元受から一棟丸ごとの買い取り、完成を急ぐ。
しかsり相変わらずトラブルは絶えず、支払う金も困窮するようになる・・・。
しかしそういう時に暖かいのが家族親族友人たち。彼らの暖かい善意にも助けられ
ビルは完成していく。

しかし一流の工事人たちが仕事には入ると事態は次第に好転の兆しを見せ始め・・・

観方によってはそれがどうした、ということになってしまいもするようだが、しかしどこか
独特の雰囲気を持っていて、ラストでは、良かったなあ、と主人公に声をかけたくなる。
それがイタリア映画の魅力なんだろうか。

俳優は知らない人ばかりだったが、それがまた普通の生活を垣間見る構成に役にたった
と感じた。
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<ストーリー>
「ローマ近郊の建設現場で働くクラウディオ(エリオ・ジェルマーノ)は、3人目の子どもを
妊娠中の妻と2人の子どもに囲まれ、愛情あふれる幸せな生活を送っていた。
しかし、間もなく出産というある日、妻が事故で亡くなってしまう。
これによって、質素で幸せな生活が滅茶苦茶になったことに腹を立てたクラウディオは、
身に降りかかった不条理な出来事に立ち向かうことを決意。
2人の子どもたちの笑い声、そして友人や家族の愛と支えに助けられ、クラウディオは
この圧倒的に不利な状況を克服してゆく」(Movie Walker)


この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-09-14 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「チャット~罠に堕ちた美少女~ Trust」
2010 アメリカ Millennium Films, Nu Image, Dark Harbor.106min.
監督:デヴィッド・シュワイマー
出演:クライヴ・オーウェン、キャサリン・キーナー、リアナ・リベアト、ヴィオラ・デイヴィス他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
日本劇場未公開ながら、本国での評価が高い作品。邦題は、エロ系の煽りを
感じる駄作だが、原題が示す通り「信頼」がテーマとなる。親子や親友、兄弟などの
「信頼」だ。だからテーマになっているレイプ事件は、そのきっかけ提示しているに
過ぎない。ただ、ラストのホームビデオで撮ったらしい犯人の一般市民としての
暮らしの提示は何を言いたかったのか?犯人といえどもトラストの中で生活している
ということなのか。そのあたり釈然としない思いが残った。

私に女の子はいないが、父親なら理解できる行動なのではないか。

クライブ・オーウェン(父親)、キャサリン・キーナー(母)、リアナ・リベアト(娘)、ヴィオラ・
デイヴィス(カウンセラー)、それぞれ必死の演技で良かったと思う。
邦題のように、娘は決して美少女じゃないけどね。

14歳の誕生日にマックブックを買ってもらったアニーは、チャットに夢中。バレーボール
に打ちこむ健康な少女だったが、ボーイフレンドはまだ。チャットの相手は16歳の
チャーリーと名乗る少年で、いろいろとアドバイスをしてくれ、アニーはまだ見ぬ相手を
信頼しきっている。しかし、その後彼は実は20才の大学生だ、その後25歳の大学院
生だと訂正してきた。そしてついに二人はリアルに会うことになる。
しかし、アニーの前に現れたのは30歳台のおっさんだった。びっくりして嘘をつかれた
ことを責めるアニーだったが、言葉巧みに籠絡さて、モーテルで処女を奪われる。
しかし、アニーにはまだチャーリーを信頼してどこかで愛している自分を否定できない。

しかし、チャーリーとデートしているところを目撃した親友が学校に報告、アニーは
レイプされた少女として警察に保護され検査をうける。FBIの事件となるが、父親は
頭にきて自分でも必死に犯人探しに乗り出す。仕事にも気持ちが入らないまま。
強制的にカウンセラーが付けられるが、アニーは自分はレイプされてはいないと
信じていて、それを理解しないで騒ぎまくる両親や友達が許せない。

しかし、やがてFBIがDNAから、彼がアニーと似たような年齢と顔立ちを持つ12歳から
14歳の少女への連続レイプ犯であることが判明。そのことがアニーにも伝えられる。

ここここに至ってようやく自分がチャーリーに弄ばれただけにすぎぬことを理解し、
自分への自己嫌悪に悩み、クスリ自殺未遂騒ぎたりする。周りに対しても謝罪の
念に駆られる。
バレーボールの試合で、娘にビデオカメラを向ける男を、変質者と思い込み
殴りかかったら、相手のチームの女子の父親だったりし、娘をレイプされた父として
常軌を逸した行動に父もまた苦しむのだった。
この手の事件は実際にあるのだろうなと思う。寂しい少女が中年男と言えども
言葉を弄してくれば、レイプと思わない場合もあるのかもしれないなあ。

やがて家族は再び心を一つにしていくのだった。
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<ストーリー>
「テレビドラマ「フレンズ」のデヴィッド・シュワイマーの「ラン・ファットボーイ・ラン 
走れメタボ」に続く監督第2作となるサスペンスドラマ。
出演は「トゥモロー・ワールド」「シューテム・アップ」のクライヴ・オーウェンと「カポーティ」
「路上のソリスト」のキャサリン・キーナー。14歳の少女がチャットで知り合った相手とは…。
アメリカを代表する映画評論家ロジャー・エバート氏の2011年ベスト20にも選ばれた。

 14歳の誕生日を迎えたアニーは、両親ウィルとリンからパソコンをプレゼントされた。
彼氏のいないアニーは、チャットで知り合った16歳のチャーリーに夢中になるが、
ウィルとリンはそんな娘のことを温かく見守ることにする。しかしアニーはチャーリーと
二人で会う約束をしてしまう。両親が不在で留守なのを良いことに、アニーは約束の
場所へと向かうが、そこへ現れたのは写真とはまったく別人の中年男だった…。」
(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-09-12 22:40 | 洋画=た行 | Trackback(1) | Comments(0)