<   2014年 07月 ( 23 )   > この月の画像一覧

●「何がジェーンに起ったか What Ever Happened to Baby Jane?」
1962 アメリカ the Associates & Aldrich Company,Seven Arts Pro.Warner Bros.132min.
監督・製作:ロバート・アルドリッチ
出演:ベティ・デイヴィス、ジョン・クロフォード、アンナ・リー、ヴィクター・ブオノ、メイデイ・ノーマン他
e0040938_1664389.jpg

<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
ホラーかと見間違うようなベティ・デイヴィスの老醜丸出しの演技、これぞ芝居、という
映画だ。ラストまで秘密を引きずる姉ジョン・クロフォードの「なんでそうおとなしくしているの!」
という観客のもどかしさを引っ張り続ける演技。う~ん、「芝居を観たなあ」という
満足感を得られる作品。年に200本近い映画を見るけど、★を9つ以上進呈出来る作品は
そう多くはない。本作は、好みもあろうが、「ドラマ」としての完成度は非常に高いのではないか、
と感じた次第だ。ベタなストーリーではあるが、二人の老女優の芝居は迫力満点だ。
アイラインをべったり引いたベティの顔は今でもまぶたに浮かんでくる・・。

ベティ・デイヴィスについては「イヴの総て」でも高い評価をさせていただいたが、情報によれば
彼女自身、地の性格があまりよろしくなかったようで、本作でも殆ど地ではないか、と思う
演技だ。だからアレだけの意地悪い芝居が出来たのかもしれない。
姉の長い幽閉生活の中で、何も外にSOSを出すきっかけは無かったのか、(お手伝いさんも
いたのに)とかいう突っ込みどころはあるが、ベティの見る人の悪態を一手に引き受ける憎らしい
イジメの演技は、鬼気迫るものがある。実際、精神的におかしくなっている役でもあるので、
意地悪い部分と少女の幼さがないまぜになった役柄は誰にでもできるものではない。

アルドリッチはプロデュースも関わったのだが、当時の大スターをこうした映画に登用し、かつ
女優側も受けてしまうのだから恐れ入る。この二人、普段から仲悪かったというじゃありませんか。

子役として一世を風靡した妹ベイビー・ジェーンと、奥手ながら成長して大女優になった姉。
年老いて、お金にも困る不幸な生活を送る背景が二人の暮らしの中から浮かび上がるのだが、
妹の意地悪さを作ったのは誰か、二人の不幸はたまたま産まれたわけではないことが次第に
判明し、ラストでの姉の独白で「何がジェーン(妹)に起ったか」が明らかにされるのだ。
少女時代、大人になってからの時代、事故後の時代と、不幸は螺旋のように継続していく
のだが、最後のどんでん返しにより、正邪は一転する。原作があったとはいえ、ドラマ作りと
して唸ってしまう構成であった。

二人共オスカー候補になるだろうと思っただろうけど、ノミネートされたのはベティの方だけ。
しかも、女優賞は「奇跡の人」のアン・バン・クロフトが受賞してしまったというオチがつく。
この年の映画は豊作で、「アラビアのロレンス」「史上最大の作戦」「奇跡の人」「アラバマ物語」と
エバーグリーンな作品を排出した。その中にあって本作も決して劣らない作品といえよう。

とにかく、ベティ・デイヴィスの狂気あふれる芝居を楽しむ作品である。老醜をおぞましいと
感じる人は見ないほうがいいかもしれない。
e0040938_1662346.jpg

この映画のネタバレストーリーはこちらのwikipediaをご参照ください。
by jazzyoba0083 | 2014-07-30 23:40 | 洋画=な行 | Comments(0)

●「かぞくモメはじめました Parental Guidance」
2012 アメリカ Twentieth Century Fox,Walden Media,Chernin Entertainment.105min.
監督:アンディ・フィックマン
出演:ビリー・クリスタル、ベッド・ミドラー、マリサ・トメイ、トム・エヴェレット・スコット、ベイリー・マディソン他
e0040938_17373474.jpg

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
日本未公開の作品。WOWOWにて鑑賞。ホームコメディだが、内容的にもレベル的にも
単館でも難しいだろうなあ、と感じる映画。アメリカでもこれをわざわざ映画館に観に行く人が
いるんだろうか。確かに出演している俳優さんは有名どころが並んではいるけど、
う~んとしんみりもしないし、爆笑もしない。そこそこレベルなんだな。
個人的には主人公アーティーの職業がプロ野球実況アナウンサーで、それがサンフランシスコ・
ジャイアンツ傘下3Aの「フレズノ・グリズリー」であったりするので、SFファンとしては親近感が
沸いたのだが。

いわゆる、祖父母とはちゃめちゃな孫どもの話に孫の両親が絡むというありがちなもので、
出来の悪そうな孫どもも最後はいい子になっちゃうんだけどそのあたりも既定路線だなあ。

アカデミー賞の授賞式イベントの司会者として何回もステージに上がったビリー・クリスタル、
味のあるおばあちゃんベッド・ミドラー、その娘マリサ・トメイと、いいところが揃ったのだが、
何故か盛り上がらないままに終わってしまった。

カリフォルニアに住んでいるじいちゃんばあちゃんが、アトランタに住む娘に急に呼び出され
甘やかされて育った3人のマゴ達を相手に悪戦苦闘、しかし、最後には心を通わせて
一件落着となるというストーリーなのだ。じいちゃんはカリフォルニアの「フレズノ・グリズリーズ」の
座付き中継アナウンサー。(アメリカにはメジャー・マイナーに関わらず、球団には座付き中継アナが
必ず存在する) いつかはメジャーのSFジャイアンツで中継をしたい、という夢を持っていたのだが
シーズン終了後、世代交代ということでクビを宣告されてしまう。

そんなときに舞い込んだ孫の子守話。疎遠であった娘夫婦から、夫が会社の業績コンテストに
出場するので夫婦で家を空けるから、1週間ほど子守をしてほしいと頼まれる。おじいちゃんは
嫌がったが、おばあちゃんはノリノリで出かける。しかし、甘やかされて育った3人の孫どもは
なかなか手ごわい悪がきで・・・。
バイオリンが嫌いなのに、親に言われてジュリアードからベルリンフィルに入るんだという長女、
吃音が治らず、学校ではいじめられっこの長男、そして想像のカンガルーといつも一緒という
次男。それぞれ祖父母になじんでくれない。 母親は心配で帰ってきてしまうが、家中むちゃくちゃ。
しかし、夫のそばにいるべきよ、といわれ再び祖父母と孫の戦いが再開される・・・。

自分が娘を育てたころとはまるで違う今の状況に戸惑いつつも、なんとか心を通わせようと
缶けりをしたりして次第に孫たちとは打ち解けはじめたのだが、事件は次々と起きるのだった。

夫の業績はめでたくグランプリを獲得し、孫たちも最後にはいい子になるのはお約束。その間の
出来事はまあ、いろいろありまして。そんな中でも光ったシーンは、吃音の次男がおじいちゃんが
1951年のジャイアンツ対ドジャーズ(まだどちらもNYにあったころ)のプレイオフの決定的逆転
シーンを聴いて自分も中継をやりたいと思ったんだよ、と説明し、録音を聞かせるのだが、
その彼がお姉ちゃんがバイオリンのオーディションを棄権した舞台で、どもることなく完全コピーを
してみせたところ、聴衆から大拍手!ここんところは良かったなあ。

祖父母の孫への愛情が孫たちの心を次第に溶かしていく過程がアメリカ人にはたまらんのだ
ろうなあ。
e0040938_1737525.jpg

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-07-29 22:50 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「最後のマイ・ウェイ Cloclo」
2012 フランス  LGM Cinéma,StudioCanal and others.149min.
監督:フローラン・エミリオ・シリ
出演:ジェレミー・レニエ、ブノワ・マジメル、モニカ・スカッティーニ、サブリナ・セヴク、アナ・ジラルド他
e0040938_1524032.jpg

<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
60年代の後半から70年代の前半といえば、私のポップス人生のど真ん中。しかし、
驚くことに、本作の主人公クロード・フランソワについてはまるで知らなかったということが
判明した。世界的名曲「マイ・ウェイ」の共作者であることも含め。「マイ・ウェイ」は、ポール・
アンカの曲、と思い込んでいた。恥ずかしい。アンカは英語訳詞を手掛けたに過ぎなかった
のだった。

映画の出来はともかく、ビートルズやモンキーズの時代、フランスで云えば、ミシェル・ポルナレフ
やシルビー・バルタン、ジョニー・アリディらの時代であり、ダニエル・ビダルの「オーシャンゼリゼ」
が日本でも大ヒットした時代で、私の中学から大学のころ、ヒットチャートを追っかけていたころ
なのに、なぜかクロードの名前は聞こえてこなかった。
フランスでは大スターで、本作を観てから、YouTubeで何曲か聞いてみたけど、ちゃんとした
ポップスを歌っているではないか。上手いし。踊れるし。
日本の音楽業界はなんで彼を日本で売り出さなかったのだろうか、不思議でならない。
自分でレコード会社、出版社とか作っちゃったので、権利の問題で難しかったのだろうか。
アメリカに進出しようとしていた矢先、事故で39歳の若さで亡くなっている。

本作は以上のような劇的な人生を生きていたクロード・フランソワの一代伝記である。長いのは
丁寧に描いているからであり、観ていて苦にはならない。むしろ、実にさまざまなエピソードを
持った人だったのだな、ということが良く分かった。上昇志向が強く、完成度に関する要求度が
強く、周りと常に軋轢を生み、片や女性に目がなく手も早く、お金に関する執着も強かった。
そういう人間としてどうよ、という嫌な面もたくさん描かれていて(むしろその方が多い)、
なんだか勘違い人間で鼻持ちならないな、と思わせる一方、幼いころから芸能方面への進出に
理解をしてくれなかった父へのコンプレックスを抱え(コンプレックスと云えばちびで不細工という
ことを自分で分かっていて美容整形をしたりする)ポップス界で成功したい、オランピア劇場を
満員にしたい、という願いというか執着はものすごいエネルギーだった。またギャンブル狂いの
母親にも終生悩まされてもいた。

脚色されているからどこまでが本当なのかは分からないが、存命の人も多いのでかなり
真実に近く描かれているのではないか。彼は永遠の憧れ「ザ・ヴォイス」=フランク・シナトラに
「マイ・ウェイ」という名曲を提供しておきながら、彼と直接会ってはいない。一度ホテルで
姿を見るのだが、恐れ多くて名乗り出ることが出来なかった。そんなナイーブな面も持ち合わせて
いるのだ。虚栄心、金、女、わがまま、才能、孤独、不安、失恋、家族、など実に人間臭い
クロード(クロクロ)・フランソワ。

クロードを演じたジェレミー・レニエという俳優さん、本人にそっくり。一時恋愛関係になるフランス・
ギャルも目の下のほくろも含めてよく似ていた。個人的にはフランソワのマネージャーを務めた
男性を演じた俳優さんが気に入った。

エピソードの多い人の人生なので、それを次々とつなげていくと驚愕の連続なのでそれだけで
映画としての面白さは出るのだが、それに乗っかってしまい、クロードの本心とかそのあたりは
心象風景で置き換えられてしまった感があり、残念。それとタイトルの原題には「マイ・ウェイ」が
使われていない通り、その曲の扱いは、本作の中ではそう重要ではない。ただ、ロンドンの
ロイヤルアルバートホールでのコンサートで歌った後の彼の顔には感動と充実感が見えた。
しかし、私としては、クロード・フランソワという人の一生を観させていただいた本作に出会えて
良かったと心から思った。
e0040938_15241785.jpg

<ストーリー>
「フランク・シナトラの名曲『マイ・ウェイ』の原曲となるシャンソンの作者でもあり、60年代から
70年代のフランス国内で絶大な人気を誇ったポップ・ミュージシャン、クロード・フランソワの
栄光とその知られざる実像を描き出す音楽伝記ドラマ。ショービジネスでの成功の影で
コンプレックスや父との葛藤を抱え、世界進出を目前にしてわずか39歳でこの世を去った
クロードの数奇な運命を、彼の数々のヒット曲とともに華麗に綴る。
主演は「ある子供」「夏時間の庭」のジェレミー・レニエ、共演にブノワ・マジメル、
モニカ・スカッティーニ、マルク・バルベ。
監督は「スズメバチ」「いのちの戦場 -アルジェリア1959-」のフローラン・エミリオ・シリ。

 1939年、エジプトでフランス人の父とイタリア人の母の間に生まれたクロード・フランソワ。
父はスエズ運河を管理する会社で働き、裕福な暮らしをしていたが、スエズ運河が国有化
されたことで失職、一家はモナコに移住し、一転して苦しい生活を余儀なくされる。

そんな中、音楽への夢を抱くクロードは、ショービジネスの世界へと足を踏み入れる。
父親はそんな息子を認めず、“大道芸人はいらない”と拒絶したままこの世を去ってしまう。
やがてデビュー2作目で大ヒットを飛ばしたクロードは、敏腕マネージャー、ポールの力を
得てスター街道を突き進む。飛ぶ鳥を落とす勢いの彼は、アイドル歌手のフランス・ギャル
とも付き合い始めるが…。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-07-28 23:10 | 洋画=さ行 | Comments(2)

ゴジラ Godzilla

●「ゴジラ Godzilla」
2014 アメリカ Warner Bros.,Legendary Pictures.124min.
監督:ギャレス・エドワーズ
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙、エリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ他
e0040938_2033156.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ヒットしているようですね。今日のシネコンでも結構な入りでした。まあ封切られて
数日ですし、夏休みの日曜だから、これで入ってなかったら目も当てられないという
ことでしょうけど、本国でもヒットしているので、ご同慶の至りです。

この「ゴジラ」映画は、なまじ日本でコメントすると、その「道」の専門家から文句を
言われそうなので、なまなかなことは言えません。でも、私はオリジナルのゴジラを
リアルタイムで見てますからね。

さて、エメリッヒ版の爬虫類で、ハリウッドで作るゴジラはイカン!ということになって
本作が更に注目されたわけですな。そういう点からすれば、円谷版ゴジラの精神は
しっかり受け継いでできていたので、うるさがたからもそのあたりの文句は出ないと
思います。 日本人が考えるゴジラ映画になっていたと思います。
でも、心からスッキリするのか、といわれると、個人的にはそうでもない、と感じました。
なんか、こう盛り上がりが無いんですよねえ。全般は説明が長くて眠いし、渡辺謙さんは
全然活躍しないし、ゴジラは出てこないし。さすがにラスト近くのゴジラ対ムートーとの
戦いは見応えがありましたが、それさえ、最前にみた「パシフィック・リム」や「マン・オブ
・スチール」のVFXからすれば、どうってことはない。ああそうそう、3Dで観る必要も
あまり感じなかったですよ。
私にしてみれば、普通に面白いゴジラ映画だった、というところ止まり。
一番のカタルシスは、封印してしまったかと思われた「放射熱線」を使い、最後の
ムートーの口をがぱっし開て、その中に放射、ムートーの首をもぎ取るところかな。
全体として説明と伏線が長すぎという感じがしました。

本論に入るまでのエピローグが長くて(約1時間)、その辺り眠くて眠くて。
ゴジラが出てくるまでにえらく時間がかかるんだもの。活劇として如何か、と思いましたよ。
この映画、娯楽活劇ですよね?エンタテインメントですよね?まさか間違っても「思索」を
全面に出した映画じゃないですよね?もちろん円谷監督がオリジナルを作った時の
要である、「反核」というメッセージ性は娯楽に埋め込まれている、という重要な側面は
ありましょうが。バットマンがダークナイトになっていったような変化を私はゴジラに
望みませんよ。ゴジラはヒールであり、かつすべてが終わってみれば人類に味方していた
んだな、ということが分かる、という「ゴジラ方式」からすれば外れてない映画ではあります。

いろいろ言いましたが、面白く無いのか?といわれれば「面白い」ですよ。私のこれを
読んで、行くのをやめることはないです。というか観に行って楽しんでください。
最後っぺになりますが、登場人物のキャラが全然目立ってなかったというのも珍しい
映画。ビノシュも早々に死んじゃうし、謙さんの影も薄いし。それだけゴジラが主役だったと
ことなんだろうけど、活躍は最後の30分だけですから・・・。残念! でも続編が決定している
そうですね。ま、観に行くだろうけど。
e0040938_2041795.jpg

この映画のストーリーや詳細はこちらのwikipediaを参照ください。
by jazzyoba0083 | 2014-07-27 14:20 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「25年目の弦楽四重奏 A Late Quartet」
2012 アメリカ Opening Night Productions,RKO Pictures.106min.
監督・脚本・製作:ヤーロン・ジルバーマン
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、クリストファー・ウォーケン、
    マーク・イヴァニール、イモージェン・プーツ他
e0040938_10495577.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白い映画だったけど、人間関係についてもうちょっと深堀りが出来て
いれば、更に面白い映画になっていたのではないか。それと物語上の
つじつま合わせが、スケールを小さくしてしまい、ご都合主義的な展開に
なってしまってちょっと残念だった。

25年間弦楽四重奏団をやってきた4人(男3人女性1人)が25周年を迎え
記念コンサートを開催することになったのだが、リーダー格のチェリスト、
ピーターにパーキンソン病の初期症状が出たことから、内紛状態になる。
まるで人間社会の鏡のような(それが作品の狙いなんだろうけど)展開と
なる。4人には当初男女の揉め事もあったようだ。くっついたの離れたのという。
結局、第二バイオリンのロバート(ホフマン)とビオラのジュリエット(キーナン)が
結婚、娘が産まれた。その娘、アレクサンドラもバイオリンの道に進み、優秀な
才能を発揮し始めていた。そこで第一バイオリンのダニエル(イヴァニール)の
弟子にして才能を磨いて貰おうとするのだが、ダニエルはアレクサンドラに恋して
しまう、アレクサンドラもまたダニエルに惹かれていく。

一方、リーダーが引退か、という事態を受けて、ずっと第二バイオリンを担当して
きたロバートは、これからは第一と第二を交互にやろうと言い出す。
彼は第二バイオリンとては優秀なのだが、性格的に第一は務まらないと、ダニエル
や妻のジュリエットからも指摘される。そんなことからロバートとジュリエットの間も
ギクシャクし始める。

そして、ついに、ダニエルとアレクサンドラが付き合っていることが両親にバレて
しまう。事態は一層ややこしい事態に。しかし、アレクサンドラは自ら身を引くことを
決める。そしてやっってきた25周年の記念コンサート。

演目は弦楽四重奏曲としては難しいといわれるベートーヴェンの14番。切れ目なく
7楽章を「アタッカ」という指示で演奏しなくてはならない。
クスリでだいぶ症状が良くなっていたピーターは、演奏会の途中で、演奏を止め、
観客に理由を説明し、代役として準備をしていた女性に後を任せる。スタンディング
オベーションの中退出する。
そして、曲は再開されるのである。

この演奏会中の4人の目での会話が素晴らしかった。25年いろいろあったけど、
一つの目標の元歩いてきた4人の、心の結びつきを表現していた。
それと演奏を止めて客席に戻ってきたビーター(ウォーケン)の表情がとても良かった。
総じて、ウォーケンの演技が良かった。ホフマンも、屈折した人生観を持つ男が良く
出ていたと感じた。全体的に見れば標準以上のいい映画だとおもったけど、冒頭の
あたりにミソがつくのである。
e0040938_10501361.jpg

<ストーリー>
「フィリップ・シーモア・ホフマン、クリストファー・ウォーケンらアカデミー賞に輝く個性派
俳優たちがベテラン音楽家に扮し、突然訪れた四重奏団解散の危機に直面する姿を
描くヒューマンドラマ。狂っていく音程の中で演奏するというベートーヴェンの名曲、
弦楽四重奏曲第14番にインスパイアされた物語だ。

結成25年目にして存続の危機を迎えた弦楽四重奏団で繰り広げられる衝突と葛藤の
人間模様を実力派俳優4人の豪華アンサンブルで綴る音楽ヒューマン・ドラマ。
チェリストの突然の引退宣言を契機に、それまで調和を保ってきた4人の人間関係に
思わぬ不協和音が生じていくさまを、彼らが演奏するクラシック音楽に重ね合わせて
描き出す。
出演はフィリップ・シーモア・ホフマン、クリストファー・ウォーケン、キャサリン・キーナー、
マーク・イヴァニール。監督はこれが長編2作目にして劇映画初挑戦となるヤーロン・
ジルバーマン。(Movie Walker)
 
世界的に有名な弦楽四重奏団“フーガ”。結成25周年となる記念の年、彼らが演奏会の
ために選んだ曲は“ベートーヴェン弦楽四重奏曲第14番”。それは定型の4楽章ではなく
7楽章で構成され、しかも全楽章を途切れることなく繋いでいく“アタッカ”とよばれる奏法で
演奏しなければならない難曲だった。しかしリハーサルが始まるや、リーダー格のチェリスト、
ピーターがパーキンソン病のために今季限りで引退すると宣言。残された3人は激しく動揺し、
完璧だったハーモニーが狂い始める。
長年第2ヴァイオリンに甘んじてきたロバートはこれを機に第1ヴァイオリンを弾きたいと
言い出し、第1ヴァイオリンを務める完璧主義のダニエルばかりか、妻でもあるヴィオラの
ジュリエットにさえ否定されてしまう。やがてロバートとジュリエットの夫婦仲にも亀裂が生じ、
演奏会に向けてのリハーサルは遅々として進まず…。」(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-07-26 23:30 | 洋画=な行 | Comments(0)

●「デッドフォール Tango&Cash」
1989 アメリカ Production Companies Warner Bros.,Guber-Peters Company,.104min.
監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
出演:シルベスター・スタローン、カート・ラッセル、テリー・ハッチャー、ジャック・パランス他
e0040938_12563495.jpg

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
刑事のバディ物はこの時期近辺、たくさん作られたが、本作もそのような中に
はいる、ユーモアとシリアスがないまぜになった当時はやった作りとなっている。
だが、お話がチープなのとご都合主義が目立ってしまったうえ、肝心の敵が弱すぎで、
全体として残念なものになってしまった。
その出来から、ひょっとして?と思ったらやっぱり「ラジー賞」を取っちゃってましたね。

LAPDの辣腕刑事で性格が対照的なタンゴとキャッシュ。友達でもないのだが、ある
事件を両方から追いかけることになり、力を合わせ、巨悪を退治する、というもの。
いつもスーツでバシッと決めているタンゴと、ハチャメチャやらかすキャッシュの対象は
ありがちといえ、カート・ラッセルがいい味だしていたし、007シリーズのQばりの博士が
作り出す武器とかのガジェットもあって、エピソードはたくさんあるんだけど、
もう少しストーリーの厚みとか深みを何とかしてあげれば面白くなったのになあ。
え?そういう映画じゃない? そう感じる人は素直に楽しんでいただければよろしいと。

ギャングのボスを倒そうとして罠にはまり、司法取引で刑務所にはいるのだが、そこが
またハチャメチャなありえない刑務所。このあたりのリアリティを離れ方がすさまじいので
「ありえないだろう」と引いてしまったりする。

結局二人は決死の思い出脱獄し、ボスの元に迫る。最後の決戦はあっけなくタンゴと
キャッシュの勝利となる。タンゴの妹とキャッシュの恋愛事情もスパイスになっていたりも
するのだが。ただ、こういう映画を当時好んで観ていたアメリカ人は多かったわけで、
理屈抜きで、頭をからっぽにして楽しむにはいいかもしれない。
e0040938_12565281.jpg

<ストーリー>
「ロサンゼルスでNo1を競うレイ・タンゴ(シルヴェスター・スタローン)とゲイブ・キャッシユ
(カート・ラッセル)のふたりの刑事は、すべての面で対照的で、お互いに対抗意識むき出し
だった。そんな彼らを快く思わない犯罪シンジケートのボス、イヴ・ペレ(ジャック・パランス)は、
片腕のレカン(ブライオン・ジェームズ)を使って、ふたりを殺人事件の犯人に仕立てあげる。

そして裁判でも、ふたりが組織に関与していたかのような不利な証拠が続々と提出され、
ついに監獄に送り込まれてしまう。そこは、かつて彼らが逮捕した凶悪犯であふれていた。
危険を敏感に察知したタンゴとキャッシュは、受刑者たちが張りめぐらした罠をかいくぐり、
命からがら刑務所から脱獄する。
そしてキャッシュは、逃亡先のクラブでダンサーをしているタンゴの妹キキ(テリー・ハッチャー)と
恋におちる。こうして友情の芽生えたタンゴとキャッシユは態勢を立て直し、ペレのアジトを襲撃、
壊滅させて、汚名を晴らすのだった。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-07-24 23:50 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「クロワッサンで朝食を Une Estonienne à Paris」
2012 フランス・エストニア・ベルギー 94min.
監督・脚本:イルマル・ラーグ
出演:ジャンヌ・モロー、ライネ・マギ、パトリック・ピノー、フランソワ・ブークラー、フレデリック・エポー他
e0040938_15471340.jpg

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
原題は「パリのエストニア女性」というものだが、邦題はちょっとオシャレ過ぎな感じだ。
理由は違うが、同じパリの空の下で暮らす二人のエストニア人女性の心の交流を描く。

これは女性が観た方が女性の心理は分かりやすいかもしれない。冒頭は雪のエストニア。
老いた母を介護する日々のアンヌ。成長した子供たちは疎くなってしまい、酒乱の夫とも別れた。
やがて訪れた母の死。紹介する人があり、パリに家政婦として赴く決心をする。若い時にフランス語を
勉強していたこともあった。50がらみの人生、このまま終わっていいわけはない、という
彼女なりの覚悟もあったのだろう。

そうやって出てきたパリは、エストニアとは違う花の都。そして家政婦として面倒を
見ることになったのは、わがままで頑固で嫌味でいじわるなバアサン(ジャンヌ・モロー)。
お金持ちらしいが、自殺願望があり、薬が入っている箱には鍵が掛けられている。
彼女が唯一といっていい心を開くのがカフェのオーナーで、かつて愛人として生活していた
ステファン。

嫌味なバアサン、フリーダは、毎朝クロワッサンと紅茶で朝食を摂るのを習慣としている。
アンヌが用意したのはスーパーで買ってきたもの。「プラスチックを食べさせる気?」と言われて
しまう。確かにパリには美味しいパン屋さんがたくさんあり、焼き立てのクロワッサンを
食べることが出来る。エストニアの暮らしと、フリーダの暮らしの落差がこれ1つで一気に
描かれてしまう。

フリーダは、意地悪(ホントは根っからの意地悪ではない)な一方、どこへも出かけなくても
シャネルのスーツを着て、ネックレスもちゃんとして毅然としている。 アンヌと一緒にカフェに
行くときエストニアから着てきたコートにダメ出しをし、バーバリーだかの高級そうなトレンチ
コートをワードローブからひっぱり出してきて、「あげるわ」、などと気前のいいこともいう。

しかし、カフェのオーナーで元愛人のステファンに「カフェを持たせてもらったことは感謝して
いるけど、自分の人生はフリーダを中心に回っているわけでじゃないんだ」と言われてしまい、
ショックを受けたフリーダは、何も口にしなくなってしまう。
アンヌがエストニア料理を作っても、地元のものを使ってない料理は食べないというし。
そこでアンヌはフリーダがかつて所属していた教会コーラス隊の旧友を探し出して自宅に
招くが、昔の男女のいざこざを反省してのこと、と思っていた友人たちは、フリーダが何も
変わっていないことに呆れ、怒り、フリーダはアンヌが余計なことをした、と言って出ていって
と言ってしまう。アンヌもフリーダの世話にほとほと手を焼いていたので、故郷に帰ることに
する。実はアンヌとステファンは男女の仲になっていて、フリーダは鋭い女の勘でそのことに
気が付いていた。旅行バッグを持って空港に向かうが、結局ステファンのカフェに戻ってきて
しまい、二人してフリーダの家に行く。フリーダはアンヌが戻ってくることを予期していたかの
ように、「ここはあなたの家よ」と迎え入れたのであった。

もう先が長くないと知りながらもオシャレをして毅然としてマイペースな人生を生きている
フリーダだが、心の中には埋めがたい空洞を抱えている。そして30歳くらい離れているが
やがて歩く道だ。母の看護に疲れ、ひそかに母の死を願う心は、実はステファンにも共通して
いて、彼はフリーダが亡くならないか、と願った時もあったと告白したのだ。
老いていく人たちが背負わなくてはならない人間共通の苦悩、しかし、女性として実感のある
人生も歩みたい、そんな二人の女性の思いが、欧州的な映画の作法の中で描かれていく。
特に感動を呼ぶとか、大向こうを唸らせる作品ではないが、奥の深さを感じることが出きる。
個人的にはなかなか背後にあるものまで読み切れないので申し訳ないが。

全てのシャネルの衣装を自前で用意した、というジャンヌ・モローの演技なのか素なのか
分からない演技?は圧倒的。 しわだらけの顔や手をさらけ出しても今の自分を演じ切る
女優根性は素晴らしいと感じた。
e0040938_1547351.jpg

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-07-23 22:55 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「マン・オブ・スティール Man of Steel」
2012 アメリカ Warner Bros.Legendary Pictures,Syncopy.143min.
監督:ザック・スナイダー 製作:クリストファー・ノーラン
出演:ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムズ、マイケス・シャノン、ケヴィン・コスナー、ダイアン・レイン、
    ローレンス・フィッシュバーン、ラッセル・クロウ他
e0040938_17283378.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
アメコミもののシリーズが進むにつれ、コミック的世界から内省的な暗い映画になる傾向が
あるようだ。バットマンシリーズがそうであったように。映画館に観に行こうと思っていて
チャンスを逸したのでこのたびのWOWOW放映で鑑賞。で、ネットで評判を観てみると、
厳しい意見が多いのにびっくりした。すなわち、バットマンならともかく、スーパーマンの持つ
キャラクターからすれば、「明るく荒唐無稽なくらい超人的正義の味方」から外れていて、
「こんなん、スーパーマンじゃないや」というもの。たしかに、赤いパンツは履いてないし、
少年時代から自分の出自についてうじうじ悩んでいるし、成長しても、自分の進む道に
迷い続ける。こんなアメコミヒーローいらんわ、と感じる人は多いだろう。特にそういう点に
厳しい日本では受け入れがたいとする勢力は多いだろう。

クリストファー・ノーランがバットマンシリーズで成功した手法はスーパーマンには似合わない
ということだろう。この映画のタイトルにスーパーマンの名称は入ってないし、(「ダークナイト」
もそうだけど)、作品の中でもスーパーマンという呼称は数回しか出てこない。
人々が空を見上げて「あ、スーパーマンだ!」というシーンもない。コミックではクラーク・ケント
は、普段はドジでおっちょこちょいで、でもどこか憎めない青年なのだが、本作ではコミックで
描かれるようなユーモアはほとんどない。トラックの運転手を殴るかわりにトラックをグジャグジャ
にしてしまうところと、ラストのデイリープラネットへの就職シーンくらいなものだ。

私はどうだったか。結構面白く観てしまいました。アメコミものの内省的暗さというのは
バットマンシリーズで慣れてしまっていたのか、みなさんが感じるほど違和感はなかった。
こういう解釈のスーパーマンがあってもいいじゃないか。クリストファー・リーブのものが
無くなるわけでもないわけだし。だいたい、細かいことを言い始めたらきりがないわけで、
クリプトン星人がなんで人間と同じ格好をしていて、さらに英語をしゃべっているのか、
地球に攻撃しに来た時には自動翻訳機経由、なんて技もあるのだろうが、クリプトン星での
シーンは英語でなくてもいいはずだものね。
ただし、私も「アメコミのヒーロー」があまり内省的に暗くなるのは好きではないが、映画と
しての完成度は高く、ストーリーもそれなりによく構成できていて、観ていて納得性は個人的
には高かった。配役陣も豪華で、特にケヴィン・コスナーとダイアン・レインの養父母は良かった。

この映画で一番引っかかったのは、クリプトン星の血を絶やしたくないゾッド将軍が言って
いることは、地球を暴力的に奪うことは論外だが、そんなに悪いことを言ってないんじゃないか、
と思えてしまったことだ。ロレーンがゾッド将軍の宇宙船に乗り込もうとすると、女性将校が
「宇宙船の中の空気は組成が違うから」といって、ヘルメットを着けてくれるところとか、ところ
どころに、クリプトン星人たちだってかわいそうじゃん、と思ってしまったことだ。
勧善懲悪を旨とするアメコミは、こういう中途半端な思想性は排除してもらいたいものだ、と
感じた。たとえクリプトン星人に一部の理があったとしても、最終的には地球にとっては
受け入れられない大敵であり、それこそスーパーマンが完膚なきまでにやっつける対象と
ならなくてはならないはずだ。

ま、所詮はアメコミですから、ラスト40分ほどの大活劇によってカタルシスを得るわけですが、
その超人同士の戦いは、これまで観たどのアクションより迫力があるというか、ありえない
描写で、いうなれば度肝を抜かれてしまったのだった。いくつビルを壊せばいいんだよ、どっか
他に行ってやれよ、と突っ込みたくもなるというものだ。ただ派手であるぶん画面を観ている分
には面白かった。なにせ2時間20分の前半が動きが少なかったので・・・。
だが、最後は首をひねったら終わりって・・弱点なわけ?

次作は来年度公開でバットマンとの共演とか。どんなものになるのか、怖いもの見たさもあり
興味津々。
e0040938_17285269.jpg

<ストーリー>
「 DCコミックスが誇る最強のスーパー・ヒーロー“スーパーマン”を、「ダークナイト」の
クリストファー・ノーラン製作・原案、「300 <スリーハンドレッド>」「ウォッチメン」の
ザック・スナイダー監督で装いも新たに再起動させたアクション超大作。
スーパーマンの知られざる誕生の物語を壮大なスケールで描き出す。スーパーマン役は
「インモータルズ -神々の戦い-」のヘンリー・カヴィル、共演にエイミー・アダムス、
マイケル・シャノン、ケヴィン・コスナー、ラッセル・クロウ。

 クリプトン星で生まれたその赤ん坊は、滅亡を悟った父に最後の希望を託され、地球へと
送られた。地球にたどり着いた彼は、ジョナサンとマーサの夫婦に拾われ、クラーク・ケントと
して育てられる。次第に超人的な能力に目覚めていく少年時代、養父からはその能力を使う
ことを固く禁じられていた。周囲との違いに孤独と葛藤を抱えながら青年へと成長したクラークは、
やがて自分探しの旅に出て、自らの使命を確信する。そんなある日、クリプトン星の生き残り、
ゾッド将軍がクラークの存在に気づき、彼を追って地球へと襲来する。」(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-07-22 23:15 | 洋画=ま行 | Comments(0)

ロスト・ボディ El cuerpo

●「ロスト・ボディ El cuerpo」
2012 スペイン Canal+ España,Rodar y Rodar Cine y Televisión.112min.
監督・脚本:オリオル・パウロ
出演:ホセ・コロナド、ウーゴ・シルバ、ベレン・ルエダ、アウラ・ガリード、クリスティーナ・プラサス他
e0040938_15201458.jpg

<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
劇場未公開作品を放送しているWOWOWでの放映で鑑賞。いやあ、これ面白いですよ!
ラストの3分間に、観ている人たちを驚愕の奈落に叩き込む!展開になるので、これから
ご覧になるかたは、ここから先は読まないでください。

劇場未公開だし、スペインだし、などと高を括って見始めたのだが、ぐいぐいと引き込まれ
一体真犯人は誰だろう、と一緒に悩んじゃうのだ。

リゾート地で知り合った大学の化学科教員アレックスと大企業をいくつも経営する女性マイカ。
二人は結婚するのだが、年下の(おそらく)で、身分も何も違いすぎる二人が上手くいかなさそう
な匂いがプンプンする。その夫婦と、捜査を担当する刑事一家の話が太い話の線で、これが
最後の3分で重なり合っていたことが明らかとなる、という展開。

森の中を恐怖に駆られて逃げる死体置き場の警備員が、道に出てきたところを車にはねられ
瀕死の重傷。一方その、モルグからはマイカの死体が消えていた。警備員は何を恐れて
逃げたのか、マイカの遺体は誰が盗んだのか・・・。

実はアレックスは医大生と浮気をしていて、その女性カルラから別れ話を切り出されていた。
そこでアレックスは今や妻の所有する化学企業の実験室から遅効性の毒を持ち出し、
これをワインに入れて妻に飲ませて殺害したのだった。彼は外から家に帰って来たら
妻が死んでいた、と説明。検視官は、ストレスなどからくる病死と見ていた。ところが
その遺体が消えたという知らせが飛びこむ。
警察に呼ばれていろいろと事情を聴かれるアレックス。担当するのはペーニャ刑事。
彼は数年前に交通事故で奥さんを亡くしていた。その犯人はその場から逃げて今でも
捕まっていない。

拘束されるアレックスの身の回りに次々と謎めいた出来事が起きる。まるでマイカが生きていて
自分を殺そうとしていることが事前にばれて、殺されたように見せかけ、(誰かの手引きもあり)
モルグから逃げ出し、彼に復讐をしかけているような感じであった。アレックスはモルグにいる時、
遺留品の中に
あった毒物をポケットに入れたことから逮捕され、本格的な取り調べが行われることになった。

さて、映画の中には細かい伏線がいろいろとちりばめられていて、いちいち書いていると映画の
プロットやシーンを全部書かなくてはならなくなるので、はしょるけど、結局、マイカは死んでいた。
そして、死体を盗んだのはペーニャ刑事。さらにアレックスに浮気を仕掛けてきたのは刑事の
娘。
妻が死んだ交通事故で娘がナンバーを思い出したこと、クルマの中にアレックスとマイカが出合った
リゾートのマスコットがあったことなどから、刑事はアレックスを割出し、娘を仕掛け人にして
接近させ、彼の妻マイカを毒殺させることを計画。これはまんまと成功。さらに刑事はモルグから遺体を
抜き取り、アレックスにその罪をなすりつけようとし、それも娘の手助けで成功するのであった。

アレックスが使った毒は飲んでから8時間で心臓を止める効果があり、実はアレックスはその毒が
入った酒を刑事の娘から8時間前に飲まされていた。
マイカの死体袋が発見されたところから逃げ出したアレックスは、ペーニャ刑事から今回の事件の
全貌を知らされるのであった。そして毒が回る8時間が迫っていた。「時間だ」。ペーニャはそう
アレックスに伝えたのだった・・・。

ざっとこんな感じの映画なのだが、まさかあの愛人が刑事の娘で、仕掛け人であったとは。
交通事故から10年以上たっていたのね。その割にはアレックスの顔が年取っていなかったけど。
まあ、いいや。全体として、短い時間にさまざまな伏線と驚きを配置し、最後の3分間で全部の
ネタ晴らしをする。いやあ、久しぶりにサスペンス映画を堪能させてもらいました。
e0040938_15203953.jpg

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-07-21 22:10 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)

●「フィラデルフィア・エクスペリメント The Philadelphia Experiment」
1984 アメリカ New World Pictures,Cinema Group.102min.
監督:スチュワート・ラフィル
出演:マイケル・パレ、ナンシー・アレン、ボビー・ディ・シッコ、エリック・クリスマス、ルイーズ・ラサム他
e0040938_1492834.jpg

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
アメリカの都市伝説、フィラデルフィア実験を映画化。この実験が実際に行われいたのか
どうかは今なお不明である。「ファイナル・カウントダウン」とどこか似ているな。
話そのものは面白いんだけど、当時の映像の限界か、今のVFXを見慣れた身としては
どこかちゃちさを感じていしまう。そうした中をおもちゃっぽさをなるべく排して作ろうとした
姿勢は買うけど。せっかく1943年の水兵さんが1984年に来たんだから、そのあたりの
ギャップをもう少し面白がらせても良かったんじゃないかなあ。せいぜい、オートマの
クルマが運転できないというくらいで。2014年版を作ったら、携帯とか電気自動車、
兵器ではステルス戦闘機、イージス艦など。またミズーリがハワイに繋がれて博物館に
なっているとか・・・。本作ではそのあたりをさらりと流し、どちらかというと、現代で
出合った女性アリソンと水兵デヴィッドとの恋愛に重心を置いているので、タイムトラベル
の話が中途半端になってしまった恨みがある。
ただ、その後のこの手の映画の先駆けとなった作品なので興味深く観ることが出来た。
あちらこちらでの映画で見覚えがあるアリソン役のナンシー・アレンが時代を感じさせる
美女であった。

第二次世界大戦がはじまって間もない頃、軍艦を相手から見えなくする実験が行われて
いたのだが、何かの手違いで時空に穴が開いてしまい、軍艦1隻が時空のトンネルの中に
迷い込んでしまう。水兵のデヴィッドとジムは船から飛び出て、1984年のネバダの砂漠に
飛ばされる。状況が理解できない二人は、基地に戻ろうとするが、話が分かる人間が誰も
いない。ダイナーにいた二人のうちジムが磁場の力で体が赤く光りはじめると地元民が
怪しんで、争いとなる。二人はたまたまガソリンを入れに来ていたアリソンという女性の
クルマを奪って逃げるのだが・・・。

次第に自分たちの置かれた状況が分かってきた二人。病院に運ばれたジムは再び
時空の中に消えて行った。 戻っていったのだ。アリソンはデイヴィッドと行動を共にする
lことになり、現代に生きていたジムに会いに行く。牧場主になっていたジムは多くを語ろうと
しない。 

実は、1943年当時、実験を主宰していたロングストリート博士は、現代でも「フィラデルフィア
エクスペリメント」と同様の実験を続けていて、時空に穴を開けてしまい、それがだんだん
大きくなりつつあり、このままいくと地球が危ないというところまできた。
現代のロングストリート博士と対面を果たしたデイヴィッドは、時空にさまよう当時の軍艦に
行って、電源を切らなくてはならなくなった。歴史の事実として、彼は防護服に身を固め、
時空の渦の中に飛び来み、軍艦に到達する。そして斧で装置を破壊し、時空の穴を塞ぐ
ことに成功、もう二度と現代に変えれないかもと覚悟してたデイヴィッドだが、無事に
再び1984年のアリソンの元に戻って来れたのであった・・・。
e0040938_1495252.png

<プロダクションノート&ストーリー>
「第二次大戦中の海軍の秘密実験に端を発したタイム・ワープを描く冒険SF。当初ジョン・
カーペンターが監督するはずだったが、彼は別の映画に取りかかったので、
「アイス・パイレーツ」のスチュアート・ラフィルが監督に起用され、カーペンターは
エグゼクティヴ・プロデューサーとしてクレジットされている。
製作はダグラス・カーティス、ジョエル・B・マイケルズ。
ウォーレス・ベネットとドン・ジャコビーの原作に基づき、ウィリアム・グレイとマイケル・
ジャクヴアーが脚本を執筆。
撮影はディック・ブッシュ、音楽はケン・ワンバーグ、特殊効果はマックス・W・アンダーソンが担当。
出演はマイケル・パレ、ナンシー・アレン、ボビー・ディ・チッコなど。ユタ州ウェンドーバーと
ソルト・レーク・シティでロケ撮影された。日本版字幕は清水俊二。CFIカラー、ビスタサイズ。
1984年作品。

第二次大戦中の43年、米海軍はフィラデルフィア水域でロングストリート博士指揮の
秘密実験を行なった。味方の船を敵レーダーに探知されないようにする実験で、
水兵のデイヴィッド(マイケル・パレ)とジム(ボビー・ディ・チッコ)が実験機械のスイッチを
入れると、駆逐艦エルドリッジはレーダーのみならず、実際に海上からも姿を消してしまった。

しばらくして、再び出現したが、エルドリッジでは乗組員が大火傷を負ったり、艦の壁や甲板に
身体がめりこんだりしていた。デイヴィッドとジムは、時空間をトリップして84年のネヴァダ州の
砂漠に出現する。
とある町でヘリコプターに威嚇射撃をされて、あわてて逃げ出した。2人は軽食堂に入り
生まれて初めて見るTVに驚く。ジムの手が異常に赤くなり、2人はいあわせたアリソン
(ナンシー・アレン)を人質にして逃げ出した。

一方、へリが2人を威嚇した現場ではロングストリート博士が、軍艦のレーダーを発見し、
衝撃を受ける。博士は41年前と同じ実験を今度は砂漠のゴースト・タウンを対象に
行なったのだ。ジムは病院に運び込まれたが、激しい痙攣を起こし、赤い電磁波に包まれて
消滅した。今回の実験のエネルギーがあまりに膨大なものだったので、時空の連続体に
ひずみが生じ、巨大な裂け目が現出し、さまざまな異常気象を発生させた。

軍は秘密を守るため、デイヴィッドとジムを追う。いつしかデイヴィッドを愛するようになって
いたアリソンは、彼と一緒に彼の故郷カリフォルニア州サンタポーラに向かった。
父はすでになくなっていたが、ジムは生きていた。年老いたジムは、彼を見ても無視しようと
する。「彼は気違い扱いされたのよ」とパメラ夫人がいう。
デイヴィッドとアリソンは、実験場であるドライウェルズ基地へ乗り込んだ。実験の影響で
空にできた渦があらゆるものを吸い込み、地球とそのものにも危機が迫っていた。
エルドリッジ号にもどり、実験エネルギーのスイッチを切らないことには、ひずみは直らないと
ロングストリートは語る。デイヴィッドは愛するアリソンに別れを告げて、渦の中に入っていった。
彼はエルドリッジ号内に降りると、スイッチを切ることに成功する。
そして、再びドライウェルズ基地に帰還することにも成功し、アリソンと固く抱きあうのだった。
(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-07-19 22:40 | 洋画=は行 | Comments(0)