●「我が家のおバカで愛しいアニキ Our Idiot Brother」
2011 The Weinstein Company,Big Beach Films,Lilely Story.90min.
監督・原案・脚本:ジェシー・ベレッツ 
出演:ポール・ラッド、エリザベス・ハンクス、ゾーイ・デシャネル、エミリー・モーティマー、ヒュー・ダンシー他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
日本未公開の作品を放映するWOWOWのジャパンプレミアで鑑賞。重い映画を
見続けるとたまにはこういうライトな笑いが欲しくなる。俳優陣もなかなか豪華だが
この手のコメディはなかはか日本では一般受けはしないだろうなあ。

邦題でも原題でも「アホ兄貴」が巻き起こすドタバタを描くが、知っている人は笑っちゃう
独特のユーモアとかあって、ほんわかして観終えた。おバカアニキのポール・ラッドは
ひげもじゃで、とことん人がいい。その上無警戒なばか正直で、なんでもしゃべっちゃう。
悪気はないんだよね。というかそのほうがその人のためだと思っちゃう。
そんなバカアニキに3姉妹が振り回される物語なんだね。

冒頭、有機栽培の野菜を売るネッド(ラッド)に、おとり捜査の巡査がハッパを所望する。根がいい
ネッドは、辛そうな巡査を見て、ハッパを売ってしまう。それで8か月のムショ暮らしとなる。
出てきてみると、パートナーとして農園を共にやっていた女性は他の男性と暮らしていて、
愛犬のウィリー・ネルソンも返そうとしない。住むところにも困ったネッドは、3人の姉を順繰り
に訪ねて居候するのだが、そこでいちいち問題を引き起こす。
でも、それぞれの姉妹たちが抱えている本質的な問題を結果的に指摘しちゃうんだな。
一番上の妹の家では男の子の教育、さらにドキュメンタリーを撮影している夫の浮気も発見
してしまう。次の妹はキャリアウーマンで雑誌記者。ここでも、上から目線の妹を打ちのめす
おバカをやらかす。さらに末の妹はバイセクシャルで、妊娠してしまい、それを兄貴が
レズのお相手にばらしてしまう、さらに、愛犬を取り戻しに農園に出かけていくのだが、
元カノは絶対に返さないという。そこで家に忍び込むのだが、見つかってしまう。
またまた刑務所に戻ってしまうネッドだったが。

結局3姉妹の問題はそれぞれ解決し、ネッドは、元カノと別れたビリーと田舎でロウソク
作り。ウィリー・ネルソンも帰ってきた。ある日、ウィリーがいなくなる。必死でさがすと
ある犬といちゃついている。その犬はドリー・パートンといい、(爆)連れていた女性と
ネッドの将来を匂わせて映画は終わる。

ウィリー・ネルソンの曲がながれたり、エロだったりブラックだったり、アメリカ人大喜びの
ネタが振りまかれたうえにほのぼのとしたエンディング。いい感じです。3姉妹や、末妹の
レズの相手を演じていたラシダ・ジョーンズといい女性軍も頑張っていました。
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この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-08-31 22:20 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)

「ザ・ドア 交差する世界 Die Tür」
2009 ドイツ 101min.
監督:アノ・サオル
出演:マッツ・ミケルセン、ジェシカ・シュヴァルツ、ヴァレリア・アイゼンバルト、トマス・ティーマ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
パラレル・ワールドもの。岩の隙間に2つの世界に繋がる道がある、というのはいささか
イソップ童話めいているが、自分で5年前の自分を殺せるものか、などの疑問は付きまとった。
タイムパラドクスではなく、パラレルワールドだから許されるのか。結局、過去を清算したい
人々の逃げ込む世界になっているんだな。
だから最初に主人公が迷い込むのだが、その世界に住んでいる人たちはみんな曰くが
あって住んでいるわけだ。(というはず)

5年前の世界で自分の浮気から娘がプールに落ちて溺死、これを引きずって生きていた
主人公、当然奥さんとも上手くいかない。職業である画家としても上手くいかない・・。
自殺を企てた主人公だが、さまよいこんだ森で不思議な扉を発見する。入っていくと
目の前に開けたのは娘が死んだまさにその日。自分の姿も見える。彼はあわててプールに
飛び込み、娘を救う。家に入ると自分がいる。5年前の自分と争いになり、鉛筆を首にさして
殺してしまう。そして庭に埋めるのだが、その様子はとなりのオヤジから見られていた。
このオヤジはギャングのなれの果てなのだが、2つの世界をつなぐ扉の番人のようなことを
していた。娘は、5年後の父を「パパじゃない」という。

画家の親友に打ち明けるが信用してもらえない。しかし、あるパーティーの日にその親友が
庭に埋められた人間の足を見つけてしまう。万事休すだったが、この親友を隣のオヤジが
つるはしで殺してしまう。そして公園かどこかへ運んで埋める。
妻も5年前の夫がどうもおかしいと思うのだが、やがて、隣の仲の良い夫婦が5年前の夫婦に
殺されるところを目撃する。これでどうやらほかの世界があることを信じたのだった。

そこへ5年後の世界から妻が娘を取り返しにこちらの世界にやってきた。鉢合わせする二人。
隣のオヤジは銃を渡し、今の妻を殺して来いという。しかし妻の元に行くが殺すことなど
出来ない。そこで五年後の妻と娘を扉から向こうの世界に送り出した。こちらの世界のことを
ばらされたらかなわないと皆に追われるが、銃を撃つ隣人をはねてボンネットに乗せたまま、
あの世界への扉に激突。その衝撃で2つの世界をつなぐ道は永遠に閉ざされてしまったのだ。

5年前のこちらの世界で娘のいなくなった生活を覚悟する男と妻。さて、元の世界に戻っていった
妻と娘はどうしてくらすのだろう。父はいないわけだし、娘は5年たっていなくてはいけないのに
そのままの姿で現れたら大変だろうに、とか思ってしまう。
おかしいな、と思う点は多々あるけど、テンポがいいのであれよあれよという間に観終えてしまった。
見て損のない類の作品だと思う。
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<ストーリー>
画家として成功し、美しい妻(ジェシカ・シュワルツ)と可愛らしい娘と共に何不自由ない毎日を
送っていたダビッド(マッツ・ミケルセン)は、ある日、浮気相手と密会中に不慮の事故で娘を
亡くしてしまう。それをきっかけに妻と離婚。全てを失ったダビッドは、数年後には抜け殻の
ような生活を送っていた。自殺を試みるほどに自暴自棄の彼だったが、ふとしたきっかけで
古びた祠の中に謎の扉を発見する。その扉を開くとそこは、もう一つの世界、娘を失った
あの日に繋がっていた。娘を助けなければと必死の思いでありし日の我が家に飛び込み、
娘を死亡事故から救ったダビッド。

だがホッとしたのも束の間、突如何者かに襲われ揉み合いになり、はずみで相手を殺害して
しまう。その人物はこちら側の世界に暮らす“もう一人の自分”だった。戸惑いながらもダビッドは、
自分は“自分”のいなくなったこの世界でもう一度家族と共にやり直せるのではないか、と考える。
やがて彼はこの世界で新たな人生を歩むことを決意するが、そんなダビッドを監視している人物
がいた……。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2014-08-30 22:50 | 洋画=さ行 | Comments(0)

クロニクル Chronicle

●「クロニクル Chronicle」
2012 アメリカ Twentieth Century Fox.84min.
監督:ジョシュ・トランク
出演:デイン・デハーン、アレックス・ラッセル、マイケル・B・ジョーダン、マイケル・ケリー他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
手持ちのカメラによる、「ブレア・ビッチ・プロジェクト」風実写風の作品か、と思ったらさに非ず。
映画の内容じゃないが、「ぶっ飛びました」。そう来たか、と。低予算映画だが、CGなんかも
きちんと作られていて、ストーリはさておいてもなかなか魅せた。さておいてもじゃなく、予断を
許さない展開が、マーベル映画風だったり、オカルトチックだったりで花火のようで面白い。

冒頭予想通り一人の高校生がカメラを回すところから始まるのだが、画質がやたら良かったり
ピントがばっちり合ってたりで、民生カメラで撮っているという雰囲気はあまりないが、そんなことは
ストーリーの展開でぶっとんでしまう!!

主人公は、さえないもてない高校生、母は病気で父は怠け者。唯一中古のビデオカメラと
いとこが友達と云えば友達。そんな二人と生徒会長に立候補している黒人の3人が、
あるパーティーに出かけ地面にあいた大きな穴を見つける。中には怪しげに光る物体があり、
3人は近くまで寄ってみるが、激しいエネルギーを感じて倒れてしまう。

その後、3人には不思議な能力が・・・。ものを動かすことが出来るので、友達をからかったり
学芸会で手品を見せたり、ちょっとしたいたずらをしていた。ルールはいきものに使わない、
人が見ている前で使わない、怒りにまかせて使わない、というもの。3人はそれなりに楽しみ
さえないアンドリューも、モテモテになってきた。そのうち3人は空を飛べるようになったり、
あるものを破壊できるようになったり(スーパーマンかアイアンマンみたい)で、次第にどこまで
行ってしまうのか不安になってきていた。

そんな中、アンドリューの能力だけが傑出してきて、仲間と争いになる。おそらく父への憎しみが
パワーになってダークサイドに落ちたのだろう。空中で黒人の友達に雷を誘導し、墜落死させた
ことがきっかけで、アンドリューの悪のパワーは増大していった。
働かないオヤジをぶっとばし、母の薬が買えないと怒ったアンドリューは消防服を着て仲間から
金を強請ったり、コンビニに押し入ったりしたが、ガソリンスタンドに押し入った時念力で奪った
銃が暴発しガソリンに引火し爆発、アンドリューは大やけどを負ってしまった。
そこからさらに彼のダークなパワーは過激になり、念力を使ってパトカーやヘリをぶっとばしたり
ビルを壊したり、暴れたい放題。止めに入ったいとこのマットとの対決になる。
止めろということを聞かないアンドリューに、マットは銅像が持っていた青銅の矢を彼に突き刺し
ことを終わらせた。

マットは空が飛べるようになった時にみなで話し合ったようにその場から飛び立ちチベットへ向かう。
そこでカメラを回したマットはカメラに向かってアンドリューに話しかけるのだった。

空中を飛んでいるとき、そんなところで遊んでいると飛行機が来るぞ、と思っていたらホントに
大型ジェット旅客機が通過してみんな吹き飛んでしまうなど笑わせるところもあった。ある種
青春映画でもあるので、3人の友情やアンドリューの屈折した青春など、分かるなあ、と思って
見ていた自分もいた。 オカルト映画だと思ってみはじめたが、予想外の展開に面白くみさせて
貰った。短い時間もいい。
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<ストーリー>
高校生のアンドリュー(デイン・デハーン)は、大酒飲みで暴力的な父親、病気で寝たきりの
母親のもと、学校でも一人ぼっちで過ごしていた。アンドリューはそんな生活のすべてを、
唯一の話し相手である中古のビデオカメラに語りかけながら記録していく。

ある日、同じ高校に通ういとこのマット(アレックス・ラッセル)が、アンドリューをパーティーに誘う。
インテリで社交的なマットは早速お気に入りの女の子ケイシー(アシュレイ・ヒンショウ)を
見つけて話し込むが、ビデオカメラを回していたアンドリューはいちゃもんをつけられて殴られて
しまう。マットとアメフト部のスター選手スティーヴ(マイケル・B・ジョーダン)は、外で泣いていた
アンドリューを見かねて、近くの洞窟探検に誘う。そこで3人は、不思議な物体に触れる。

それをきっかけに不思議な能力を身につけた3人は、女の子のスカートをめくったり、駐車して
ある車を移動させたりと、軽いイタズラを楽しんでいた。しかしある日、後ろから激しく煽って
きた車を、アンドリューがチカラで横転させて池に沈めてしまう。
マットとスティーヴは運転手をなんとか救い出し、チカラを使う際のルールを決めるが、
アンドリューは不満を抱く。やがて空を飛べるようになった3人は、学校のタレントショーで
手品を披露し、アンドリューも人気者の仲間入りを果たす。しかし、急接近した女の子との
ファーストキスで大失敗し、学校でからかわれてしまう。さらにビデオカメラを内緒で買った
ことが父親にばれて殴られ、母親のために薬を買いに行っても払うお金がない。
人生が思い通りにいかないことにフラストレーションを募らせたアンドリューは、
暴走を始める……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-08-28 22:50 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「セレステ&ジェシー Celeste&Jesse Forever」
2012 アメリカ Envision Media Arts,Team Todd.92min.
監督:リー・トランド・クリーガー
出演:ラシダ・ジョーンズ、アンディ・サムバーグ、クリス・メッシーナ、アリ・グレイナー、イライジャ・ウッド他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
釈然としない思いは残るが、面白く観た。とてもオシャレな映画だった。クインシー・ジョーンズに
こんなきれいな娘さんがいたのだな。初めて知った。彼女はプロデュースにも脚本にも関わって
いるので、思い入れは人一倍の映画だったのに違いない。実際、自分の体験も反映されている
という。

男と女の永遠の友情はあり得るのか、というようなテーマってことでいいのだろう。
そうした意味で、原題にフォーエバーが付いているのが理解できる。
一度結婚して、別居状態でお互いを親友として付き合っていたが、お互いに異性が現れると
自分の本当の気持ちが分かり、苦しむというお話なのだが、セレステ(ラシダ)の、ちょっと
上から目線、自己中心的な振る舞いがその中から分かってきたり、一夜の行為で赤ちゃんが
出来てしまったジェシー(サムバーグ)が、実はセレステを愛しているのに、子供が出来たこと
から、結婚をしていったり、セレステも、それを受けて、ヨガ教室で知り合った男と付き合い
始めたり。結局ラストもお互いに愛し合いながらも、ほかの人とくっついていく不自然さは
セレステもジェシーも絶対に幸せにはならんだろうな、との予感を残す。一応映画はハッピー
エンドのように終わるが。ただ、原題が示すように、この二人の愛情は永遠なんだろう。
二人には学生時代から付き合っているカップルがいるのだが、この二人がセレステとジェシーの
別居しつつも変に仲のいい様子を見て、「異常だわ」というが、それが普通の人の間隔でしょう。

ありがちなテーマで目新しさはないのだが、物語の描き方がとてもオシャレというかウィットに
ヒューモアに富んでいてなんかほんわかしてしまうのだ。二人の離婚は失敗なのだけど。
結局、ジェシーに子供が出来ちゃったことが全てなんだけどね。好きなのに別れなくては
ならない二人に胸が痛んだ女子軍もたくさんいたんじゃないかな。胸が痛むというか、
怒れてきた人も多いに違いない。1時間半で終わったのも正解。グダグダは要らないもの。
ラシダ・ジョーンズも辛い恋をしたのねえ・・・・。
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<ストーリー>
学生時代に出会い恋に落ち、結婚したセレステ(ラシダ・ジョーンズ)とジェシー(アンディ・
サムバーグ)。音楽や食べ物、テンポなどいろんな面で気の合う二人は、いつも一緒にいた。

時は流れて、セレステはメディア・コンサルティング会社の経営に勤しみ多忙な日々を過ごす
一方、ジェシーはアーティストとしてなかなか売れないながらもマイペースに暮らしていた。
セレステは二人が永遠に親友でいられるように、30歳になったら離婚することを提案する。
そのために二人は別居するが、家はすぐ隣りで毎日のように一緒に過ごし、親友としての
関係を楽しむ。しかしあるきっかけでジェシーと会えなくなり、ジェシーと一緒にいることが
当たり前だったセレステは、彼が彼女にとってかけがえのない存在であることに気付くが……。」
(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2014-08-27 15:45 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「ヒプノティスト-催眠- The Hypnotist」
2012 スウェーデン Sonet Film,Svensk Filmindustri (SF).117min.
監督:ラッセ・ハルストレム  原作: ラーシュ・ケプレル 『催眠』(早川書房刊)
出演:ミカエル・ハーシュブラント、レナ・オリン、トビアス・ジリアクス、オスカル・ペッタソン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
ハルストレム監督が久しぶりに母国に帰って作ったと思ったらサイコ・スリラーだった。
子を思う母性の犯行というのは監督のこれまでの「温かい」作風とどこか通底している
ものを感じるが、どうも、先の「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」などに代表される、屈託の
ない自然体の人間性が醸し出す温かさ、という作風に慣れていると、いまひとつ
乗り切れないものがある。

原作があるので、致し方ないのだが、やはりハルストレムには、明るく温かい映画を
作っていてもらいたいなあ。本作に乗り切れなっかったのは、催眠術師というどういう
ステータスの人か知らないが、胡散臭さが取れない職業にいまいち共感出来なかった。
2年前の浮気を引きずる妻とか、ヨーナの相棒の女性刑事の存在、自分の犯行だと
ペラペラしゃべっちゃう犯人の少年、養子に出された息子を、養子として引き受けてくれた
一家惨殺という形で奪い返そうとする母の精神性、どうも納得いかないことが多かった。
最初から出ている国家警察のヨーナと催眠術師エリックの立場がはっきりせず、
タイトル的にはエリックが主人公なんだろうけど、ヨーナも最後には誘拐されたエリックの
息子を助け出す立場になるわけで、全体としてギクシャクして、ぼやけてしまったのではないか。

流石に演出として、ラストの氷にバスが沈むところは魅せたけどね。

一応終わりまで見ることは出来たが、温かいハルストレムが好きな方は見ない方がいいかも
しれない。「砂漠でサーモンフィッシング」の後がこれだものなあ。
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<プロダクションノート&ストーリー>
スウェーデンの作家、ラーシュ・ケプレルによるベストセラー・ミステリー『催眠』を、
「サイダーハウス・ルール」のラッセ・ハルストレム監督が映画化。
ストックホルム郊外で起きた一家殺人事件の真相に催眠療法で迫る。
出演は、「未来を生きる君たちへ」のミカエル・パーシュブラント、「ショコラ」のレナ・オリン。

ストックホルム郊外で一家全員がメッタ刺しされる陰惨な殺人事件が起こり、昏睡状態で
一命を取り留めた15歳の長男ヨセフと、独立して家にいなかった姉エヴェリンが残された。
国家警察のヨーナ・リンナ警部(トビアス・ジリアクス)は、かつて催眠療法の第一人者と
言われたエリック・マリア・バルク(ミカエル・パーシュブラント)にヨセフから犯人の手掛かりを
聞き出す催眠を依頼する。エリックはある理由から催眠は2度とやらないと誓っていたが、
弟の命を危惧したエヴェリンの懇願に負け、催眠療法を解禁する……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-08-26 23:15 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「マイライフ・アズ・ア・ドッグ My Life as a Dog」
1985 スゥエーデン FilmTeknik,Svensk Filmindustri (SF).102min.
監督:ラッセ・ハルストレム
出演: アントン・グランセリウス、メリンダ・キナマン、マンフレド・セルネル、アンキ・リデン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
ラッセ・ハルストレム監督の作品は「サイダーハウス・ルール」「ギルバート・グレイプ」
「シッピング・ニュース」「ショコラ」など結構観ている。皆「暖かい」というキーワードが当てはまる
作品で、好きな作品が多い。
本作も、ちょっと不思議なおもちゃ箱的な雰囲気があるが、心あたたまる良作といえよう。

ただ、観る人によってはハリウッドに渡る前と後では出来が変わる、という趣もある。
本作はスゥエーデン時代の、出ている俳優さんは誰も知らないという作品であるが、
ハルステトレムの心の暖かさを描く、という原点が素直に出ている良さがあるのではないか。

また子供が主人公というのも好悪が別れよう。ただ、イングマルもサガも、一旦作品に
入ってしまえば不自然なことはなく、むしろ、その他の少年少女たちも含め、よく出来て
いたのではないか。

イングマル少年の家族と親戚、またその友達という世界の中で、「宇宙船に乗せられ餓死して
しまったライカ犬よりはましだ」と自分の不幸を相対比較し、自分の幸せを確かめる癖が
ついていた。そんな少年の「日常の幸せ」を追いかけているのが本作だ。

イングマル少年は、結構姑息だし、ませているし、約束は守らないし、緊張しいだし、
でも、どこか素直で真っ直ぐなところもあり、憎めない。母親を不幸にしてしてしまった
ことを後悔し、母を愛していた。(その割にはいうことを聞かなかったのだけど)
この映画は、それぞれの役柄の行動と結果が小さなしあわせとなって結実していくところに、
観ている人がほんわかと心が暖まる要素になっているのではないか。

母親の病状が悪化し、叔父さんの家に預けられるのだが、そこで知り合うサガという
少年のような女の子とのふれあい。ボクシングからはじまりサッカー、最終的には
男ではいられなくなり、少女の服を来て、女の子となったサガを眩しく見つめつつ
あるがままに受け入れるイングマル。 ハルストレムは、イングマル少年が出会う様々な
事象を通じて、「僕は不幸なんだ」と分かりつつ「ライカ犬よりはましだ」と自分なりの
哲学を確立し、そうしたなかで母、兄、叔父、サガ、友人、(婦人下着の記事を読ませる
変な)おじいちゃん、そして世間と少年ながら折り合いを付けていく光景を綴って行った
と思う。実は寂しいイングマル少年がそうした事象の中から少しだけ大人になっていく
様は、周囲の人々の愛を感じながら、観ている人に暖かさを感じさせるのに違いない。

記憶に残る作品だった。
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<プロダクションノート&ストーリー>
12歳の少年イングマル(アントン・グランセリウス)は58年の出来事をひとり夏の
あずま屋で星に話しかけている……。人工衛星に乗せられて地球最初の宇宙旅行生物に
なったライカ犬の運命を思えば、兄エリク(マンフレド・セルナル)にいじめられても、
彼の不器用なドジをママ(アンキ・リデン)が嘆き悲しんでも、南洋の海からパパが帰って
こなくても、ちっとも不幸な事ではない。

しかし夏になりママの病状が悪化して、兄さんは祖母の、イングマルはグンネル
叔父さん(トーマス・フォン・ブレム)のところで暮らすことになった。彼は愛犬シッカンが
心配だが犬の保育所が預かってくれるらしい。
大きなガラス工場のある小さな村スモールランドのオーフェルシュ村。イングマルはここで、
都会では出会えないような人たちばかり目にし、中でも村のガキ大将サガ(メリンダ・
キンナマン)の存在は彼の心に爽やかに焼きついた。そして、サガは少年じゃない事実は、
イングマルの心をさらに揺すぶった。

秋になり、兄さんとともに久しぶりに会ったママは元気こそなかったが、今までになく
優しかった。しかしそれは、イングマルがママと話した最後になってしまう。
冬になってギリシャ人移民が間借りし、家は狭くなった。イングマルは叔父さんに引っ越しを
頼まれ、シッカンと一緒なら、と同意する。しかし、ふとしたことからサガに、あの犬は死んだ、
と言われショックをうけた彼は、叔父さんのあずま屋に立てこもる。真実を言って聞かせる
叔父さん、激しく泣きじゃくるイングマル。
夏、スウェーデンの名ボクシング選手ヨハンソンが不敗のチャンピオン、パターソンを破る
番狂わせに人々が熱狂する中、少年イングマルは少女となったサガとすやすやと眠っ
ている……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-08-25 22:50 | 洋画=ま行 | Comments(0)

●「テネシー、わが最愛の地 That Evening Sun」
2009 アメリカ Dogwood Entertainment.110min.
監督:スコット・ティームズ
出演:ハル・ホルブルック、レイ・マッキノン、ミア・ワシコウスカ、キャリー・プレストン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
一人の老人の話。「グラン・トリノ」とどこか似ているところがある。どうってことない
ような映画なんだけど、不思議と心を惹かれる。日本未公開の良作を放映する
WOWOWのジャパン・プレミアにて鑑賞。このシリーズはなかなか見逃せない作品を
チョイスしてくる。

長年住み慣れた家に、愛した妻と暮らした家に他人が住んでいる。それが許せない
老人アブナー(ハル)。苦労して育て上げた長男は弁護士になって町を出て活躍を
しているが、老父がもう独りで農場をやっていけないだろうと、老人ホームに入れる。
アブナーも同意して入ったもののどうしてもホームに馴染めず、出てきてしまう。

家に戻ってみると、ロンゾという男の一家が住んでいた。許せないアブナーは
出て行け、というが、長男と既に契約が出来ていると譲らない。
アブナーは納屋に住んで、何とかロンゾ一家を追い出そうとする。
ある夜、ロンゾの娘がデートに出かけて帰ってきたところを、ロンゾがホースで
打ち付けて暴力を振るったため、アブナーは銃で威嚇する。
それ以降、ロンゾの、アブナーを憎む心は増大していくのだった。しかし、頑固オヤジの
アブナーはアブナーで絶対に譲らない。ロンゾの嫌がらせはエスカレートしていく。

そもそもロンゾは、木材の切り出し作業中、重い木材が足を直撃し、両足の骨を折り
障害者となってしまったのだった。彼はそれ以来酒浸りになってしまい、農場を借りた
のはいいが、種も植えていないありあさま。家の中はだらしない状態だ。
そんなロンゾに農場の経営が出来るはずがない、と確信するアブナーだったが、
法律は法律で、どうしようもない。しかし、弁護士の長男が奔走し、何とかロンゾ一家を
出ていかせる手続きが進んでいた。
この長男と父との会話も観ものだ。老父をなんとか良かれと思う方法で長生きしてもらいたい
長男と、自分の土地で死ぬまで農業をしていたい父、なかなか人の心は他人には判らない
もの。ましてや家族となると、感情のもつれはややこしくなるものだ。

ロンゾはアブナーの愛犬を吊るしクビにする、ロンゾはこの犬を剥製にして、倉庫の前に
置く、と一触即発の状態は続く。ロンゾは「納屋に火をつけて、お前ともども焼いてやるからな」
と脅す。これを聞いたアブナーは、近くに住む友達に「やつは納屋に火をつけると言っている。
もし私に何かあれば、ロンゾに脅かされていたと証言してくれ」と頼んで置いて、
なんと自分で納屋に火を付ける。しかし、その途中で倒れてしまい、あわやのところを
ロンゾに助けられるのだった。やけどを負ったが九死に一生を得たアブナーは、老人ホームに
入ることを承諾した。退院して行ってみると、ロンゾ一家は既にいなく、部屋は綺麗に片付け
られていたのだった。ロンゾの娘は、父を嫌って、母の援護で母の姉の家に行っていた。

いずれにせよ、この土地に住むことはもう無いのだろう。誰の所有になったのか・・・。
複雑な思いが去来するアブナーだった・・・。「キズナ」という言葉が無縁な描き方で終わっていく。

そんな作品。アブナーを演じるハル・ホルブルックがいい演技だ。というか彼の独演の
ような映画だから。愛した妻を自分の不注意から死なせてしまったという自責の念を抱え、
苦労して耕作してきた農地から得た金で長男を弁護士にしてきた、そんな思い出と人生が
詰まった土地と建物に対する愛情、執着。 老人ホームに入ってみればその間に自分の
家に気分が悪い他人が住んでいる、そりゃ意固地にもなるというもの。

ロンゾも根っからの悪人ではないのだが、最後にアブナーを救う、という一点は、ちょっと
納得が出来ない描き方だった。 ロンゾの娘パメラがアブナーになついて、作品にアクセント
を付けている。人生の黄昏時に事情の違いこそあれ、誰にでも回ってくる、世代の繋ぎ方の
難しさや切なさが描かれていて、年齢が近い私らには身につまされる作品でもある。
冒頭で、落とした50 年使った懐中時計を探すシーンがあるが、あの懐中時計こそ
アブナー老人の人生のメタファーにほかならない。
原題の「あの夕刻の陽」が全てを語っているようだった。

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by jazzyoba0083 | 2014-08-23 22:50 | 洋画=た行 | Comments(0)

クロエの祈り Inch'Allah

●「クロエの祈り Inch'Allah」
2012 カナダ・フランス micro_scope 102min.
監督・脚本:アナイス・バルボ=ラヴァレット
出演:エヴリーヌ・ブロシュ、サブリナ・ウアザニ、シヴァン・レヴィ、ユーセフ・スェイド、ヨアヴ・ドナット他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
タイトルの原題は「インシャラー」という有名なアラブの言葉。「すべては神の思し召しのまま」と
言うほどの意味で、ここに作品の中のある種の決意と諦観がある。
しかし、タイムリーなときに観た。時あたかもイスラエルとパレスチナの争いが酷さを増している
時。そうした中でこの手の映画を見る意義はあろうと思うが、はやり、とことん根深い宗教戦争は
当事者でなければ、1つ1つのセリフさえ重みが欠るような気がするのだ。

それにしても、やるせない物語だ。現実がそれ以上なのだからいたしかたないのだし、
ハッピーエンドになんかなるわけもないと分かっていても、どこか主人公の半径5メートル位に
幸せが訪れてくれないか、と願うのだが、そんな甘っちょろい状況ではないのだ。

クロエとはカナダからイスラエル来て、イスラエルに住みつつ、パレスチナに通う医師だ。
彼女なりに悲惨な戦争で傷つく人や、医療を満足に受けられないパレスチナ人たちを
ケアしようとするし、心も通い始めるのだが、結局「国に帰りなさいよ」と言われるのだ。
底に住み続けなくてはいけない人と、帰ろうと思えばその地を離れられる人では、思いは
違うのだ、ということの現実を思い切りぶつけられ、悄然とするクロエ。
やるせない・・・。自分は一生懸命現地の人の為、と必死で努力もし、心を開いているのに。
悲しい・・。それが、2000年以上も相容れない歴史を持つアラブとユダヤの絶対的な
キーのない鍵なのだから・・・。 見終わって重い想いが残る厳しい映画だが、それがまた
この地の現実なのだ。

なお、この映画は日本劇場未公開でDVDにもなっていない。WOWOWで鑑賞した。
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<ストーリー>
「カナダ人の女性産婦人科医クロエは赤十字のボランティアとしてイスラエルで暮らし
ながらパレスチナの診療所で働いている。
日々繰り返されるイスラエル軍によるパレスチナの人々に対する弾圧に辟易としながらも、
クロエは患者の妊婦ランドやその家族と親しくなる。しかし、ランドたちと親しくなればなるほど、
クロエは「外国人=部外者」である自分と彼らとの間に距離があることを感じる。

そんな中、急に産気づいたランドが乗った車が軍の検問に阻まれて病院に辿り着けない
事態が発生する。ランドの兄ファイサルの必死の願いも検問の兵士には届かず、それに
強く抗議したクロエも銃を向けられる。仕方なくクロエは車の中で何とかランドの赤ん坊を
取り上げ、病院に連れて行こうとするが、その途中で赤ん坊は亡くなる。
これをきっかけにクロエとランドの関係はぎくしゃくし、ランドはクロエに「国に帰れ」との
言葉をぶつける。しばらくしてクロエはランドが自爆テロを起こして死んだことを知る。」
(wikipedia)

ランドの自爆テロは、彼女が赤ん坊を失ったことをきっかけとした彼女なりの結論だった。
「インシャラー」、全ては神の思し召しのままに・・・。前が見えない絶望の中で、死んで
赤ん坊と出会うこと、そういう状況を作ったシオニストらへの復讐の重いが凝縮されていた。

この映画の詳細はこちらのwikipediaまで。
by jazzyoba0083 | 2014-08-20 22:55 | 洋画=か行 | Comments(0)

ザ・ディープ Djúpið

●「ザ・ディープ Djúpið」
2012 アイスランド 95min.
監督・脚本:バルタザール・コルマウクル
出演:オラフル・ダッリ・オラフソン、ヨハン・G・ヨハンソン、スロストゥル・レオ・グンナルソン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
アイスランドの映画というものは、あまり見た記憶がないない。アイスランド語は
聞いていても、字を見ても全く判らない。寒い国、デフォルトの国、という印象しか
ないが、本作も、寒い(出来がじゃなくて映像が表す体温的なもの)のだ。

実際に起きた漁船の沈没事故をベースに作られているが、話は極めて単純で
ウィンチを引っ掛けたか何かで船が傾きそのまま沈没、乗組員数人は脱出するが
寒さの中で、次々に絶命、しかし主人公一人だけは6時間を泳ぎ切り、奇跡の
生還を果たす。極寒の海に落ちた人間は30分と行きられないのにどうしたことかと
ロンドンで研究の材料になるのだが、よくわからない。
彼は帰国してまた漁にでるのだった・・・。というもの。

主人公の男は確かにデブで皮下脂肪はアザラシ並らしいが、確か気温マイナス5度、
海水温5度という、彼の救出後海軍のボランティアで実施したテストでは、鍛えた
軍人でも20分と持たないのだ。そんな海を6時間泳ぎ切り、雪の岩道を足を切りながら
2時間あるいた男。幸い波も穏やかで、泳ぐには都合が良かったが、体力と気力が
なければ、いくら奇跡の男とはいえ、諦めてしまうのではないか。

観ていると彼はかもめと話したり、独り言を言ったりと、悲壮感があまり感じられない。
2隻ほど近くを漁船が通るが気がついてもらえない。それでも、彼には絶望感やら
悲壮感はあまり見えない。その楽天的な性格も生還に寄与していたに違いない。
普通なら、まわりで仲間が次々と亡くなり、孤独、夜、寒さ、という環境の中で絶望し
パニックになっていくのだろう。主人公には悪いけど、物事を深刻にしか捉えられない
人間はそうでない人間より、いざとなると不利になることもあるということだ。

悲劇と奇跡を描いたものだが、どことなくユーモアな雰囲気もあり、短い時間だったので
観てしまった。感動とかそういうことではないが、自分がそういう環境だったら、意思の
問題より、物理的にダメだろうな。やっぱり主人公は特殊な、奇跡の人だったのだろう。
エンドロール前に本物のニュース映像が出てくる。
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<プロダクションノート&ストーリー>
1984年に実際に起きた海難事故を基に、生存者の苦悩と葛藤を描いたヒューマンドラマ。
監督は、「7デイズ」のバルタザール・コルマウクル。出演は、「コントラバンド」のオラフル・
ダッリ・オラフソン、「氷の国のノイ」のスロストゥル・レオ・グンナルソン。
第85回アカデミー賞外国語映画賞アイスランド代表作品。

1984年3月、地元の漁師たちはいつものように、アイスランド沖から数マイルの海上で
漁をしていた。しかし、思わぬアクシデントで漁船が沈没し、漁師たちは極寒の北海に
投げ出される。寒さで意識を失い、仲間が次々と海の中へと沈んでいくなか、若手漁師の
グリ(オラフル・ダッリ・オラフソン)は必死に耐え、夜明けごろに陸に辿りつく。
身も心もボロボロになりながら1日かけて町に帰ってきたグリだったが、唯一の生存者で
ある彼には、賞賛と同時に過酷な試練が待っていた……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-08-19 22:30 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「エンド・オブ・ウォッチ End of Watch」
2012 アメリカ  Exclusive Media,109min.
監督・脚本:デヴィッド・エアー
出演:ジェイク・ギレンホール、マイケル・ペーニャ、アナ・ケンドリック、ナタリー・マルチネス他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
決して派手な映画ではないが、面白かった。LAPDのパトロール警官の日常を
ドキュメンタリーのように捉え、作り物クサさを排除し、その仕事のハードさと
使命感を巧く表現できている。それにしても、LAのやばいエリアをパトロールする
現場の警察官は日々大変なんだなあ、と思う。なまじの覚悟じゃできないんじゃ
ないか。作品中にも、警察官を平気で殺すやつが出てくるが、こんなやつらや
ジャンキーや、マフィアを相手していくのは大変だ。さらに、部署間の争い(警邏と
刑事)やFBI、移民局、麻薬取締局など市レベル、州レベル、連邦レベルで捜査権限が
異なるので、手を付けてはいけないような事件に首を突っ込むこともあるのだ。

作品に入りこんでしまうまでは、パトカーに備え付けのカメラやら、主人公たちが持っている
手持ちのビデオ、また胸に記録用に付けた小型カメラの映像が短いカットで構成され、
どこからが撮影用の本物のカメラの映像で、どこまでが警察官たちの映像なのか
ごちゃごちゃになって分かりづらいなあ、と思う瞬間があった。それが臨場感を演出する
ための映像構成なんだけど。警官目線で迫る犯罪の映像は実写のようで確かに迫力は
あった。

主人公は2級警察官のブライアンと相棒のメキシカン、マイク(ペーニャ)。なんだかんだ
口は悪いがお互い命を預けあった相棒、兄弟のような仲の良さであった。
マイクの妻に赤ちゃんが生まれたり、ブライアンが初めて愛したジャネット(アナ)との
結婚、そして妊娠。これが私生活の軸になっていく。
パトロール、事件、パトロール、事件、私生活、というパターンの繰り返しなのだが、
事件も工夫してあって、またパトカー内の会話や事件発生時の緊張感などよく演出されて
いるので緊張しながらみることが出来た。まあ、成り行き上、二人とも死んじゃうのかなあ、
なんて思ってみていたのだが、対立する黒人とヒスパニックの事件を担当、そこからさらに
メキシコルートがからんだカルテルとの対決となり、二人はヒスパニックから猛烈な反感を
買い、狙われることになる。

やはり最大に緊迫したのは、ヒスパニックのヒットマンに狙われて、追いかけて行ったビル
で待ち伏せに会って大射撃戦になるのだが、ブライアンが手を撃たれ、無線機も破壊され
進退窮まったところだ。ビルからの脱出は成功するが、応援が来ないなか敵に囲まれて
しまう。二人は銃弾を浴びるのだが。

そこへ応援のパトカーが数台かけつけ、ヒスパニックを全員射殺する。マイクはブライアンを
守るように覆いかぶさり銃弾を多数受けて斃れた。市警を上げての葬儀が行われる。
幼い子と妻が残された・・。ブライアンの妊娠している新妻は警官をやめてくれっていうだろう
なあ。ラストは二人が襲撃される日のパトカーの中の会話で終わるのだが、それが
絶望で終わらないカタルシスとなっている。

二人のさりげない行動の中に、火事の家の中から幼い子3人を救出し、勲章をもらったり
立ち寄ったコンビニの冷蔵庫を開けて涼んだり、缶コーヒーで首筋を冷やしたり、リアルな
警官の立ち振る舞いが描かれ、作品に深みを与えていた。アドバイザーがいたんだろうな。
しかし、ギャングたちの会話のfu○kという台詞のなんと多いことか。あまりの多さに笑えて
来てしまうよ。主役の4人の男女、みんな良かったと思う。ギレンホールもいいが、やはり
ペーニャがさらにいいなあ。
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<ストーリー>
「ヒスパニックや黒人のストリート・ギャング団の抗争が絶えず、アメリカ国内でもっとも
危険な街とも言われるロサンジェルスのサウス・セントラル地区を舞台に、常に死と隣り
合わせの日常を送る一組のパトロール警官コンビの過酷な日々の現場と強い絆を描いた
衝撃のリアル・ポリス・アクション。
主演は「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホールと「L.A. ギャング ストーリー」の
マイケル・ペーニャ。監督は「ワイルド・スピード」「トレーニング デイ」の脚本で注目され、
本作が監督3作目となるデヴィッド・エアー。
LA犯罪現場の最前線を、実際にサウス・セントラルで10代を過ごしたエアー監督が
リアリティと臨場感にこだわり、緊迫感あふれる筆致で描き出す。
 
ロサンジェルスの一角にある重犯罪多発地区サウス・セントラル。その中でも特に危険な
ニュートン地区で巡回パトロールに当たる白人警官のテイラーとメキシコ系警官のザヴァラ。
固い絆で結ばれた2人は、署内でも屈指の検挙率を誇る名コンビ。
大学の法学部入学を目指すテイラーは入試課題に映像制作を選び、自分たちの日常業務を
複数のビデオカメラで常時記録していた。そんなある時、台頭するヒスパニック系ギャングの
取り締まりに関連して、その背後に潜むメキシコの巨大麻薬カルテルの秘密に触れてしまった
2人は、次第にのっぴきならない状況に追い込まれていく。」(allcinema)

この映画の詳細はlこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-08-18 22:20 | 洋画=あ行 | Comments(0)