<   2014年 09月 ( 26 )   > この月の画像一覧

●「サイド・エフェクト Side Effects」
2013 アメリカ Endgame Ent.,FilmNation Ent.,Di Bonaventura Pictures.106min.
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:ジュード・ロウ、ルーニー・マーラ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、チャニング・テイタム他
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完全にネタバレしていますので、面白い映画ですが、お気を付けください
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

「きつねにつままれたような映画」だった。面白かったのだけど、何が面白かったのか
あとで反芻しないとよく分からない。これ、一発で理解出来たら凄いんじゃないかな。
私は頭が悪いので、それぞれの関連性と狙っていることが今一つクリアにならず、
鑑賞後、観た人のブログを観て納得した次第だ。結局ソダーバーグのだましにずっと
引っ張られたのだろう。でも、騙されっぱなしで映画が終わってしまった、という感じ。

チャニング・テイタムは半ばで殺されるので、ロウ、マーラ、ゼタ=ジョーンズの3人の
関連性と狙いがクリアになればいいのだが・・・。それがなかなか難しかった。

結局、3人とも善人じゃないよね。中でもましなのはロウだけど。で、一番悪人だったのは
マーラだったわけだ。ゼタ=ジョーンズも相当なワルだけど、捕まっちゃうしね。

話の主軸は、金融で大儲けしたマーティン(テイタム)がインサイダー取引で4年の刑を
くらい、出所してくるのだけど、一時期に観た夢が忘れられず、心が荒廃してしまった
妻のエミリーが、旦那に復讐するため、最初に「鬱」の相談をしたシーバート博士
(ゼタ=ジョーンズ)と共謀(二人はレズの中)して、薬の副作用と称してマーティンを刺殺
してしまうのだ。これが1つ。

一方、エミリーの詐病の担当医になったばかりに、身の破滅の一歩手前まで追いやられる
のがバンクス(ロウ)。自分が嵌められたことに気が付いたバンクの報復で、シーバート博士
は逮捕(不正な株取引と医師法違反)されるし、一番ずるがしこいエミリーには手を焼くが
ついには精神病院に拘禁することに成功するのだ。これが2つめ。

で、この間にいろんなエピソードが絡み、いかにもエミリーが「鬱」になやみ、かつ
副作用(サイド・エフェクト)から夢遊病を引き起こし、無意識に旦那を殺してしまったか
ということを見せられるので、観ている人は誰が何をしようとしているのか分からなく
なってしまう。やっと分かってくるのが、エミリーとシーバートがレズの関係になった、と
いう点が明らかにされるところと、自死願望から車を駐車場の壁に激突させるエミリーが
実は車を発進させるときにしっかりシートベルトをして、かつエアバッグの機能を計算
していたと明かされるあたりからだ。(シートベルトの件は救助した駐車場の警備員の
証言があった)。
それでも、新薬に夢遊病の副作用があるということを知りつつエミリーに処方し、
エミリーはその副作用を利用して旦那を殺害。新薬とバンクスの評判は地に落ちて、
ライバル製薬会社の株が上がり、それを知ってシーバートとエミリーはその会社の
株を大量に買ってあり、膨大な売却益を山分けする、というところまでちゃんと理解しようと
思うと相当しっかり字幕を追い、理解しないとダメなんじゃないかな。

エミリーは当初、確かに旦那が逮捕され収監されたときには「鬱」になったのであろう。
しかし最初にかかったシーバート博士のところで快方に向かい、あとはレズの関係と
なった彼女と共謀してリッチな時代が忘れられず金儲けに走ったわけだ。

それにしても、エミリーを演じたルーニー・マーラは、狐のように小狡い役をホントに
憎々しく演じていたな。エミリーを愛しながらも、殺されてしまったチャニング・テイタムこそ
あわれなり。ソダーバーグの映画っていつも複雑な感じなのだが、ちゃんと読み解くと
すごく面白くできているのだ。が、ちゃんと読み解けない場合もあるので困るのだよな。
彼、本作を持って劇場用映画から引退ですと。テレビとかは作るらしいけど。勿体ない。
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<ストーリー>
「ウォール街のエリート金融マン、マーティン(チャニング・テイタム)と結婚したエミリー・
テイラー(ルーニー・マーラ)の未来は、輝かしく歩み出すはずだった。
だが結婚式の直後、マーティンがインサイダー取引で逮捕。豪奢な邸宅を没収された
エミリーは4年間の孤独に耐え、服役を終えたマーティンとニューヨークの質素な
アパートメントで新たな生活をスタートさせる。

そんなある日、エミリーは地下駐車場で事故を起こし、病院に運び込まれる。幸いにも
軽傷で済んだが、診察を担当した精神科医ジョナサン・バンクス(ジュード・ロウ)は、
事故現場の様子から彼女が故意に車を壁に衝突させて自殺を図ったのではないかと
推測。エミリーはかつて患ったことのある鬱病を再発させていたのだった。

抗鬱薬を処方され、カウンセリングを受けることを条件に退院したエミリーだったが、
地下鉄のホームで自殺未遂を起こす。以前エミリーを診察したヴィクトリア・シーバート博士
(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)に相談したバンクスは、エミリーが睡眠障害や吐き気といった
薬の副作用に悩んでいたことを聞き出し、エミリー本人の希望も受け入れる形でアブリクサと
いう新薬を与える。するとエミリーの病状はたちまち改善していった。

だが間もなく、マーティンの変わり果てた刺殺体が自宅の廊下で発見。通報したのは、ベッドで
眠りから覚めたばかりのエミリーだった。現場には争った形跡はなく、凶器のナイフから
エミリーの指紋が検出され、彼女は殺人容疑で身柄を拘束される。
その後、マーティンの母親がテレビ出演し、アブリクサの製造元であるサドラー・ベネルクス社を
糾弾したことで同社の株価は暴落。バンクスの自宅にも大勢のマスコミが殺到する。

エミリーの裁判が始まり、弁護側の証人として出廷したバンクスは、エミリーはアブリクサの
副作用で夢遊病になり、自己の意識がないままマーティンを刺したのではないかと証言。
裁判長、検察、弁護士の協議の結果、一時的な心神喪失を認められたエミリーは殺人罪に
問われず、精神医療センターで治療を受けることになる。しかし、バンクスが患者に危険な
新薬を処方したとの悪評が広まり、研修医時代に診察した女性患者が自殺した過去まで
蒸し返され、彼はオフィスを追い出され、妻(ヴィネッサ・ショウ)との仲も険悪になっていく。

そんなある日、アブリクサが引き起こす睡眠時の異常行動に関するシーバート博士の
レポートをネット上で発見したバンクスは、彼女が事前にその副作用について自分に忠告しな
かったことに疑問を抱く。独自の調査に乗り出し、エミリーの事故現場や職場を訪ねて不審な
点を洗い出したバンクスは、事件の背後に渦巻く陰謀の匂いをかぎ取っていくのだった……。」
(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-09-30 23:10 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「ハノーバー・ストリート/哀愁の街かど Hanober Street」
1979 アメリカ Columbia Pictures.co.,109min.
監督・脚本:ピーター・ハイアムズ  音楽:ジョン・バリー
出演:ハリソン・フォード、レスリー=アン・ダウン、クリストファー・プラマー、アレック・マッコーエン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
いや、メロドラマもたまにはいいな。実話をもとにしたコテコテの映画もいいけど、時には
こういうヤツとか、ラブコメとかおバカ映画を観たくなるんだな。
本作は、後半、ナチのゲシュタポ本部に潜入したハリソンとプラマーのドキドキがあるので
そのあたりは並みのメロドラマとはちと違い、活劇好きにも良かったかな。
しかしながら、ロンドンの街角での一目ぼれ(お互い)、女には亭主と娘がいて、しかし
ハリソンを恋する気持ちは止められない。(なぜ不倫に走ったのかよく分からん)
まあ、突っ込みどころはあるが、そういう野暮は言いっこなしで楽しむのがメロドラマの観方。
ビビアン・リー主演の古典的メロドラマ「哀愁」をベースにしたらしい。

出合いもビックリなら別れもビックリだわ。あれだけ愛し合っていたのが、別れることになるの
だが、戦争のなせる業か。
イギリス女優さんのダウンさん、いかにもメロドラマ向きの方でらっしゃる。初見でした。
ハリソン・フォード若い!スター・ウォーズでハン・ソロだったころだよな。

メロドラマの王道みたいな展開なので、舞台が戦時中ではあるけど、苦にならなければ
楽しいと思いますよ。
ジョン・バリーの音楽が切なくていいです。
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<ストーリー:最後まで書かれています>
「1943年のロンドン。戦況は緊迫し、街は灰色一色に包まれていた。その中の唯一の
色どりをみせる赤い2階だてのバスに、行列を押しのけて乗ろうとする女がいた。
ハロラン中尉(ハリソン・フォード)はそんな彼女を押しやると、バスの後部にしがみついた。
女はしゃがみ込み、「赤ちゃんが…」と言って顔をゆがめた。
ところが、あわてて飛び降りたハロラン中尉に向かって女は笑ってみせた。彼は悲しげな
笑いを残すと、片足を引きずりながら歩み去った。女は、ハッとし、自責の念で青ざめた
顔であやまるが、そんな彼女の前で、今度はハロランが元気よく飛び上がる。
これが、ハロランとマーガレット・セリンジャー(レスリー・アン・ダウン)の宿命的な出会い
だった。コーヒーを誘ったハロランに「紅茶なら」といたずらっぽく答えたマーガレットを見て、
彼はその美しさに息を呑む。木曜日に会ってくれと願うハロランに、悲しげな表情で名前も
告げずに去ろうとしたが、彼女の左手の薬指に光る指輪を見て、全てがわかった。
彼女は「もう遅いわ」と叫ぶと、雑踏の中に消えた。

ルーアンの北々東にある敵軍貯蔵庫攻撃の旅から帰ったハロランは次の木曜日、
ハノーバー・ストリートの約束の場所に向かった。数時間が過ぎ、あきらめて立ち去ろうと
するハロランの前にマーガレットが現われた。2人は言葉なしに郊外の静かなホテルに落ち
着くと、激しく抱擁し合った。マーガレットの脳裏を、やさしい夫とかわいい娘の姿がよぎったが、
ハロランとの逢い引きをやめることは出来なかった。

寛容な夫ポール(クリストファー・ブラマー)は、そんな妻の変化をすぐに感じとるが、
何も言わず、ひたすらやさしく振舞っていた。そんなある日、ポールは、危険にもドイツ軍の
本部に乗り込み、金庫から重要書類を盗むという特殊任務を遂行するため、妻に内緒で
旅立った。そして、彼をドイツ軍領内に飛行機で送りこむことになったのは、皮肉にも、ハロランで
あった。もちろん、2人はお互いを知らなかったが、ドイツ軍に攻撃されて飛行機が炎上した
後は思ってもみない助け合いでドイツ軍本部に乗り込むことになってしまった。

秘密金庫から重要書類を盗み出すことに成功したが、執拗なドイツ軍の追跡をうけ、2人は
死に直面していた。そんな時、この女のために自分は生きたいといってポールがロケットの
写真をハロランに見せた。妻だというその女の写真が、自分の最も愛するマーガレットで
あることを知ったハロランは、その時、悲しみと同時に、1つの決意をする。

ドイツ軍の追跡は続き、容赦なく2人に砲火を浴びせた。その集中砲火がポールを射ち抜き、
つり橋が2つに引き裂かれた時、落ちる寸前のポールをハロランが必死で助けた。
その頃、ハノーバーでは、マーガレットが何も言わずに旅立った夫の安否を気遣いながら、
恋人ハロランを待ち暮らしていた。夫が収容された病院でハロランとすれ違ったマーガレットは、
夫を助けてくれたことを感謝し、彼に愛していることを告げた。
短い会話の後、マーガレットは夫のいる病室に行き、ハロランは、そのまま外に向かい、
思い出のハノーバー・ストリートを横ぎろうとしていた。」(Movie Walker)

マーガレットの夫ポールが、本来潜入するスパイと入れ替わり、素人同然の身でフランスの
ナチス本部に乗り込んだのは、マーガレットに男らしさをアピールするためであったことは
いうまでもない。そんな健気なポールを見て、ハロランは身を引く覚悟を決めたのだ。
マーガレットはそんな夫をやはり愛さなければ、とこちらも覚悟を決めたのだ。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-09-29 22:50 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「ジャージー・ボーイズ Jersey Boys」
2014 アメリカ Warner Bros.Four Seasons Partnership,GK Films,Malpaso Productions,
RatPac Entertainment.134min.
監督・製作:クリント・イーストウッド
出演:ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、ヴィンセント・ピアッツァ、
    クリストファ・ウォーケン他
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<★★★★★★★★★☆>
<感想>
イーストウッドの作品は、何はともあれ劇場で観る、というこのところの方針を守ると
いうか、だいたい、テーマが私にはドンズバ!で、何をおいても観なくちゃ、というわけで
昨日封切りしたての本作へ直行! 入りは結構なもの、しかしやっぱり平均年令が高いなあ。
それは悪いことじゃなのだけれどね。

ブロードウェイで高い評価を受けたミュージカルを、イーストウッドが映画化したものだ。
故に、ケチの付け所があまり見当たらないのだが、イーストウッドの最近作って、「人生の
特等席」もそうだけど、眉根にシワを寄せて観るタイプから、肩の力を抜いて観られて、かつ
人生模様を味わえるタイプになってきているような気がする。

個人的には音楽も含め、構成、カメラ、衣装、装置など★8個をにしようか9個にしようか
迷った。何故なら、これまでのイーストウッドの出来栄えからするとやや大衆受けすぎるかな、
という感じがしたから。でもそれは決して悪いことじゃく、むしろ、「受けを狙う」とうことでは
なく、老若男女等しく楽しめる映画に仕上げた、ということからすれば積極的に評価すべき、
と感じたのだ。イーストウッド好きからすれば、「大衆迎合映画」に堕落しやがって、という
ことをいう人がいるかもしれない。私はそういう意見には全く与しない。

アメリカのポップ史、ドゥワップ史に一時代を画したフォー・シーズンズ。名前は知らなくても、
「シェリー」「君の瞳に恋してる」などの大ヒットチューンはご存知だろう。それに「タモリ倶楽部」
のテーマソングも、そうだよ、というと、みなさん「へえ」っていうよね。

作品の中ではやはり彼らの最初の大ヒットとなった「シェリー」誕生の瞬間と、「君の瞳に
恋してる」誕生の瞬間は、分かっていても鳥肌が立つ。
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ニュージャージー州の田舎町の若者4人が、大スターとなり、グループの常として、金や
生活態度や女の件でゴタゴタとなり、仲間が去り・・・という、ありがちというと彼らに失礼だが
まあ、「ありがち」なストーリー。注目され大金が入れば、自分を見失いがちになり、また
ツアーで家を空けるとなると、妻を始めとして家族とはすれ違いになる。多くのミュージシャンもの
で描かれてきたことだが、はやり実話の持つ面白さに根付いたストーリーは興味ふかい。
その辺りはイーストウッドの演出の面目躍如というところか。
だだ、他の人も書いているが、同時代にヒットを競い合ったビーチボーイズや、ビートルズの
話題が皆無なので、その辺りを絡めると、一層リアリティを持ち、かつ華々しくなったのではないか、
とも感じた。

出演者でこのグループのキャラクターでもある高音担当のフランキー・ヴァリを演じた
ジョン・ロイド・ヤングは、ブロードウェイでも本人を演じた。似ているし、歌も上手い。
ほか知っている人は少なかったが、パトロン的存在のクリストファー・ウォーケンが美味しい
役どころであり、またいい味を出していた。

モノクロのテレビが映るシーンに何気なく若き日のイーストウッドが映っているのには場内から
笑いが漏れていた。(笑)

全体に、「ドリームガールズ」(シュープリームスをモデルにした、と言われるが)の男性版の
ような感じもしたが、2時間強の山の作り方など、やはりイーストウッドらしい見せ方、
ストーリーの構成の仕方はさすがだと思った。ま、彼のファンなのでその辺りは割り引いて下さい。

今はヴァリしかオリジナルメンバーはいないが、フランキー・ヴァリとフォー・シーズンズの
来日コンサートが2013年9月に予定されていたが、映画撮影に伴い、イーストウッド監督から
史実に忠実に仕上げたいと、ヴァリに立会を求めたため、今年の1月に延期になったという
曰くがある。
蛇足だけど、いつも思うのだが、1950年代とか60年代とかのシーンにその時代のクルマが
ちゃんと、しかも沢山出てくるのだが、映画用に用意されているのだろうか。

「君の瞳に恋してる」はボーイズ・タウン・ギャングの曲、と思っていた若い世代も、きっと
楽しめる映画だと思う。物語として楽しめると思う。
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<ストーリー>
「トニー賞受賞の同名大ヒット・ブロードウェイ・ミュージカルを「ミリオンダラー・ベイビー」
「グラン・トリノ」「人生の特等席」の巨匠クリント・イーストウッド監督で映画化。60年代から
70年代を中心に活躍したニュージャージー出身の4人組ヴォーカル・グループ、
フォー・シーズンズの栄光と挫折の物語を、『シェリー』『君の瞳に恋してる』はじめ彼らの
ヒット・ナンバーの数々とともに綴る。
出演は、リード・ヴォーカルのフランキー・ヴァリ役にブロードウェイ版のオリジナル・キャスト
でもあるジョン・ロイド・ヤング、その他のバンド・メンバーにエリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、
ヴィンセント・ピアッツァ、共演にクリストファー・ウォーケン。

 ベルヴィル。そこは犯罪が日常茶飯事というニュージャージーの最貧地区。1951年、
イタリア系移民が多く住むこの街で、しがないチンピラ暮らしをしているバンドマンの
トミー・デヴィートは、美しいファルセットを響かせる少年フランキー・カステルチオ
(のちのヴァリ)を自分のバンドに迎え入れる。フランキーの歌声は地元マフィアのボス、
ジップ・デカルロも魅了し、サポートを約束する。最初は鳴かず飛ばずの彼らだったが、
才能豊かなソングライター、ボブ・ゴーディオとの出会いによって大きな転機を迎える。

ヴォーカルのフランキー、ギターのトミー、ベースのニックに、キーボードと作曲を担当する
最年少のボブが加わり、バンド名を“フォー・シーズンズ”と改めた4人は、『シェリー』を
皮切りに次々とヒットを連発、ついにスターダムへとのし上がるのだったが…。」(allcinema)
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この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-09-28 11:40 | 洋画=さ行 | Comments(2)

●「フローズン・グラウンド The Frozen Ground」
2013 アメリカ Grindstone Entertainment Group,Emmett/Furla Films.105min.
監督:スコット・ウォーカー
出演:ニクラス・ケイジ、ジョン・キューザック、ヴァネッサ・アン・ハジェンズ、ディーン・ノリス他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
アラスカを舞台にした実話に基づいた作品。刑事はニコラス、犯人はキューザックだ。
アラスカ舞台の刑事ものと言えば、アル・パチーノ主演の佳作「インソムニア」を想い
出す。本作はそこまでのレベルではないな、と感じた。ゆえに★は6.5というのが本音。

印象深いのは普通の良い家庭人を装って連続誘拐殺人犯を演じたキューザック。
このところ、何でこんな映画に出るのかよ、と思っているニコラスも、まともな役柄だ。
更に、いろんな人が書いているように(あるいは観ていてもその通り、と感じてしまう
のだが、唯一の目撃者シンディのキャラがイライラさせられるのが、本当にこういう
少女(17歳という)ならば、何だこいつ、と思うだろう。まあ、最期には、容疑者として
逮捕されるものの、のらりくらりと追及をかわしてしまう犯人の口から
「殺しておけば良かった!」という一言を引き出すことに協力するのだけどね。
このあたりの一瞬のカタルシスは良かった。
この狼の毛皮を被った羊のような犯人の行いもおぞましいが、最後に犠牲者の女性の
本物の写真が1人1人出てくるが、ここが一番おぞましかった。気を付けてみていると、
この本物の写真が映画の中で使われていた。

アラスカの寒々しい光景が、犯行を一層殺伐としたものとして感じさせる。そういう映像
効果はあったのではないか。
ストーリーは単純で、拉致監禁レイプされた、という少女が保護されるのだが、娼婦でも
ある彼女のいう事を警察の上部はなかなか信用しない。犯人として目星をつけられている
ロバート・ハンセン(キューザック)は、レイプなどの前歴があるが、今は家庭を持ち一応
普通の男を装っている。彼は水上飛行機を所有していて、これを使って拉致し、森の中で
まるで狩りをするように女性をハントするのだった。
この捜査を担当するのがジャック(ニコラス)。ロバートにターゲットを絞って追い込んでいく。
しかし、ロバートはなかなか尻尾をださず、保護された少女、シンディも復讐を恐れて証言を
拒否、証人保護プログラムもいやがる。その割には自堕落な生活を改めようとせず、
酒場の踊り子になってコカインをやる日々。そしてそこで客として来たロバートに見つかって
しまう。ジャックは何とかロバートの逮捕と家宅捜索令状を手に入れるが、本人は知らない、
というし、自宅からはなかなか証拠が出てこない・・・・。焦るジャック・・・。
最期には最初に書いたような結末が待ってるのだが・・・。

シンディのケースの時、担当した警官が、上司の取り扱に不満を持ち、州警察に調書ごと
郵送し、これに勢いを得てジャックらの捜査がハンセンに及ぶのだが、この善意の告発者の
扱いがちょっとおざなり過ぎなかったか?画面には映っているけど、彼の行為はもう少し
フィーチャーされても良かったんじゃないかなあ。

実話をもとにしているドキュメントドラマなので、下駄をはいた面白さはある。前にも書いたが
保護されたシンディのキャラがホントにイラつくんだよね。ジャック刑事は事件解決のためとは
言え、よく我慢したなあ。
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<ストーリー>
12年間で24人以上の女性を拉致監禁し、彼女らを人間狩りのような手口で殺害していた
連続殺人犯ロバート・ハンセン。現在も461年の刑で服役中の彼と事件を追うアラスカ州
警察の巡査部長との激しい攻防を描くミステリー。
ハンセンをジョン・キューザック、巡査部長をニコラス・ケイジが演じるなど、ベテラン同士の
熱演に注目だ。

1983年、アラスカ・アンカレッジ。17歳の娼婦シンディ・ポールソン(ヴァネッサ・ハジェンズ)が、
モーテルの部屋で手錠に繋がれ叫び声を上げているところを警察に保護された。
彼女は指名した男に殺されそうになったと警察に話すが、その男、ボブ・ハンセン
(ジョン・キューザック)にはアリバイがあり、町の善良市民と言われている人物であった。

そんな彼を警察は疑う余地はなく、娼婦の客とのトラブルということで事件を握りつぶそうと
する。だが彼女を助けた警官は納得がいかず、事件の調書書類を上司に黙って州警察に
送るのだった。

同じ頃、ニックリバー沿いの平原で身元不明の少女の無残な遺体が発見された。事件を
担当するのは、退職間近のアラスカ州警察巡査部長ジャック・ハルコム(ニコラス・ケイジ)。
彼はここ最近立て続けに変死体が見つかっていたことから、同一犯の仕業ではないかと
考える。
そんな中、町警察から届いたシンディの事件の調書を見たハルコムは、彼女が告発した
ハンセンを調べることにする。シンディから真相を聞くため、ストリップクラブや、娼婦、
麻薬中毒者たちが出入りする場所を回るが、彼女はどこにも見つからない。
ところがハルコムが警察に戻ると、そこにシンディ本人が待っていた。彼女は自分が
レイプされ、その男に殺されそうになったが、男が軽飛行機を準備している間に辛うじて
逃げることができたと説明する。

一方、州警察ではハンセンが過去にいくつかの事件を起こしていた事実を調べ上げる。
過去の事件から限りなくクロに近い犯人であると確信するハルコムだったが、
彼を捕まえるには決定的な証拠がない。ハルコムは唯一の生き証人であるシンディを
証言させるために説得を試みる……。」(Movie Cinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-09-27 23:20 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「バーニーズ・バージョン ローマと共に Barney's Version」
2010 カナダ・イタリア Serendipity Point Films.134min.
監督:リチャード・J・ルイス
出演:ポール・ジアマッティ、ロザムンド・パイク、ダスティン・ホフマン、ミニー・ドライヴァー他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
面白かった。全く警戒していなかった作品で、WOWOWで放映していたところ、配役に
惹かれて鑑賞した。ローマと共に、は要らないんじゃないかな。余計な意味を与えそう。
長い作品なのだが、驚くことに、冒頭のシーンがオチになっている。ほとんどの人は
そうとは知らずに見始めるわけだが、観終わったら、今一度冒頭から20分位、見返して
見ると話の筋がとてもクリアになってくるはず。

約40間の一人男の愛に生きた男を演じたポール・ジアマッティが素晴らしい。また
彼の3回の結婚の中で、最後にして最愛の女性、運命の女性ミリアムを演じた
ロザムンド・パイクも、実は30歳半ばのまだ若い女優さんなのだが、老け役まで
実にすばらしくハマっていた。この女優さん、出ている作品は何気なく観ているのだが、
意識してみたのは初めてだったが、本作の役柄にピッタリで、今後の活躍を期待したい。
実際もとても頭のいい人のようだ。

青春時代をローマからスタートさせたカナダ人バーニー。一回目の結婚は妊娠したから
という理由で若い画家クララと。子供は黒人との子であり、また彼女は幼いころから情緒不安定で
薬を大量に摂取し自殺してしまう。NYからやってきたユダヤ教?の黒一色の衣服の父親に
それを知らされる。

そしてカナダに帰ってきた。
二番目の妻は、何かとイスラエルの保障、を売り文句にする商社のおじさんの紹介で
パーティー会場で知り合った女性。ヒューモアとウィットに富みかつ時事や文学にも理解が
ある、そういう会話をしたかったバーニーには玉の輿ではあったが、きわめて不満であった。
が、流れで彼女と結婚することに。ユダヤ式の大結婚式が開かれた。浮かれる周囲をよそに
どこか酔えないバーニー。と、目についたのは青ドレスの女性。NYから来た新妻の友人で
ラジオDJをしているミリアム(パイク)に一目ぼれ。それこそ見た瞬間に恋に落ちた。
披露宴が跳ねると、バーニーは、駅まで彼女を追いかけ、列車の中で、「今すぐ駆け落ち
しよう。もう君なしでは生きていけない」と迫るが、今あったばかりのしかも結婚式の新郎から
そんなこと言われて、はいそうですか、と言えるわけもなく、ミリアムは当然断る。

悄然としたバーニーは、結婚生活を続けるのだが、真の愛で結ばれているわけではないので
おざなりとなり、次第に二人の心は離れてくる。そんな折、妻とバーニーの親友がベッドイン
しているところにバーニーが帰宅してしまうという事件が起きる。内心しめた、と思ったが
「何てことしてくれたのだ」という程で、妻と親友に迫りる。しかし、親友ブギーと浮気の証言の
件で、もめて、湖に泳ぎに行こうとしたブギーを、警官だった父(ダスティン・ホフマン)から
二番目の結婚の時に贈られた短銃を威嚇で撃った。それが当たったのかどうなのかは
分からないが、ブギーは湖に転落し行方不明になった。警察が乗り込んで、バーニーも
事情を聞かれるが、なんら証拠もなく、本人も撃った記憶がないので否定。事件は迷宮いり
してしまう。そして、まんまと離婚は成立した。

そんな間にも、バーニーは、ミリアムの元に赤いバラの花束を定期的に送って、思いは送り
続けていたのだ。ミリアムに「離婚した」と告げ、彼女がDJをするラジオ局があるNYに飛ぶ。

会いたい、と言われても断りづつけるミリアム。ディナーがだめならランチでも、と食い下がる
バーニー。その熱心さに負けたミリアムはついに彼との結婚に合意する。

テレビ制作プロダクションを経営し、みずからもプロデューサーとして活躍するバーニー、
仕事を辞め、二人の子供をもうけ、幸せな生活が続いた。
そして子供たちも大学にいったりして巣立つと、ミリアムはDJの仕事に復帰したい、と願うが
ラジオ局の上司ブレアとの間を要らぬ嫉妬もし、彼女の復帰についてはしぶしぶだった。
そしてブレアとの間を勘ぐるのだった。ミリアムの妻で母である自分から別の自分の人生を
生きてみたい、という想いに愛しているのなら、すぐに同意してあげればよかったのに、
邪推と嫉妬がバーニーの限界だった。

ミリアムから「しばらく距離を置きたい」と言われ、NYの長男のところに行かれてしまう。
ショックを受けたバーニーは酔いの勢いで若手の女優と一夜の間違いを犯してしまう。
これがミリアムにばれて、二人は離婚することになる。
そのころから、バーニーに認知症の症状が出てくる。次第に悪化し、ミリアムの電話番号も
思い出せなくなる。再び会うバーニーとミリアムだったが、症状は極めて進んでいた。
バーニーは遺書を書く。別荘のほとりのベンチにたたずむバーニーは、すでに完全に
夢見る人になってしまった。

そして・・・。新しい墓。そこにはバーニーが2010年に亡くなったこと、そして隣には
ミリアムの名前も刻まれていた。ミリアムと永遠にともに眠ることはバーニーの願いであった。
そしてブレアと再婚したミリアムも、そこに刻まれた自分の名前を感慨深く見つめるのだった。

冒頭、夜中の3時に電話したのはミリアムと再婚したブレアだったし、その次のシーンの
酒場で出てくるひげの太っちょは、ブギー殺人?事件の捜査をした刑事で、彼がそれに
ついて書いた本を、バーニーに献呈するシーンだったのだ。彼は真犯人はあくまで
バーニーだと信じて疑っていない。のちに30年ぶりに発見されるブギーの遺骨は、スカイ
ダイビングで落下した時のような骨折が見られるという所見であったのだが。
バーニーの遺書には親友ブギーが帰ってきたときのお金を残す、と書かれていたので
二人の子供らは、父親はブギー殺しなんかやってない、と信じるのだった。

年老いたバーニーと、年若い彼のエピソードが行ったり来たりする。その時間の経過や
戻りは、ジアマッティのメイクで表現されている。これがまたうまく出来ている。さらに
若いのに老けて見えるパイクが自然な感じで良かった。ジアマッティは父親ダスティン・
ホフマンゆずりの女性観。惚れっぽくて一途なのだが、どこか抜けている。しかし、いったん
惚れこむと自分しか見えなくなるくらいの愛し方をしてしまう。それが相手にとって不幸な
ことになるということまで知恵が回らない程に。

長い映画だが、ある愛のあり方を一人の男の人生を通じて描いた本作、見直さないと
よ~くは分かりずらい難点はあるが、久しぶりで面白い映画を見た。横糸と経糸が
興味深く提示されていてまとまりも良く、観終わった後もいい気持ちになるのだ。
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本作のストーリーなどの詳細はこちらのwikipediaを参照ください。
by jazzyoba0083 | 2014-09-25 23:40 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「パンチドランク・ラブ Punch-Drunk Love」
2002 アメリカ New Line Cinemam,Revolution Studios,Ghoulardi Film Company.95min.
監督・製作・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:アダム・サンドラー、エミリー・ワトソン、ルイス・ガスマン、フィリップ・シーモア・ホフマン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
PTAの作る映画って、コメディタッチでも、シリアスでも、「狂気」だと思う。主人公が
放つ「狂気」を周囲がどう受け入れていくのか、また自身としてどう収束させていくのか、の
描き方がシュールな面も含め面白いんだろう。

本作の主人公アダム・サンドラー演じるバリー・イーガンも、病理的には軽度の統合失調症かと
思われる。時々ブチ切れる行動、自分を見失う行動など、笑いを含めて描かれているが、
まさしくボクサーが頭を殴られた時の酩酊感を表すタイトルのような、そんな「めまい」を伴って
続く映画だ。それがPTAの作風だから、観る人を選ぶと思う。好きな人には、こういう世界こそ
映画でなければ表現が出来ない、という賛辞を贈るだろう。私も「There will be Blood」で
初めて彼の世界に触れたのだが、その作品より、絶対的な狂気度は本作の方が上だと感じた。
決して好みの監督ではないのだが、(劇場まで行こうとは思わない)なぜか気になり、観てしまう。
そして、彼一流の世界を味わっている自分がいるのだ。

心に欠陥を持っているバリーが、姉の紹介で知り合うリナ(エミリー・ワトソン)と恋仲になっていく
という純情を描くのだが、時々顔を出す、狂気のバリーに戸惑いつつも、心根は純情で優しい
バリーを愛していくのだ。

トイレのつまりを取る棒の卸をやっているバリー。徹夜で何をしているのだろう。
その夜明けの道路を走ってくる大型トラック。突然激しく横転する。そこでビックリ。
直後、タクシーで見知らぬ男らが、バリーの倉庫の前にハーモニウムという小さいオルガンの
ような楽器を置いて去る。(なんのこっちゃ??)
バリーはマイレージを貯めるために特典のついたプリンを買い集める。でも彼は旅行などしない
のだ。(どういうこと?)
リナが仕事でハワイに行くと聞くと、そのマイレージを使おうとするが、チケット化できるまでに
2ヶ月かかるとメーカーに言われ、激怒する。(普通はそうでしょ)
エロダイヤルの女に付きまとわれて切れて、LAからフロリダまで単身乗り込み、脅し取られた
500ドルを取り返そうとする。(エアチケットの方が高そう) 帰ってきたところで美人局一味に
リナとのデートで自宅に帰ってきたところを車で体当たりされ、バリーはブチ切れて、バールを
振り回し、チンピラらをボコボコニしてしまう。

まあ、そんな風に、とんでも、な事態のオンパレードなのだが、結局ハーモニウムは何の
メタファーだったのか、また大量に買い集められたプリンは何の謂いだったのか?それは
分からない。見る人がそれぞれ楽しめばいいのじゃないの?というPTAの声が聞こえだ。
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<ストーリー>
バリー・イーガン(アダム・サンドラー)は、トイレの詰まりを取るための吸盤棒をホテル向けに
販売している。普段は真面目だが、かんしゃく持ちである彼は、
姉のパーティーでからかわれただけでリビングの窓ガラスを次々と割ってしまう困り者。
しかし姉の同僚であるバツイチの女性リナ(エミリー・ワトソン)は、イーガン家のファミリー写真を
見てバリーに一目惚れ。彼女はバリーを食事に誘い、女性が苦手な彼をなんとかリードし、
キスをして別れる。
ところがバリーは、自宅に戻ろうとした途端にピックアップ・トラックで拉致される。犯人は、
ゆすり屋のディーン(フィリップ・シーモア・ホフマン)の手先だった。バリーは金を渡して勘弁して
もらうが、口答えしたことから殴られ泣きながら走って帰る。

やがてバリーとリナは愛情を深めていくが、そのことで勇気が湧いたバリーは、ゆすり屋たちに
宣戦布告。そしてディーンのところに直接乗り込み、気迫で彼を降参させ、その足で愛する
リナを迎えにいくのだった。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-09-25 22:50 | 洋画=は行 | Comments(0)

飛べ!ダコタ

●「飛べ!ダコタ」
2013 日本 アッシュ・ジャパン、製作委員会 109分
監督:油谷誠至
出演:比嘉愛未、窪田正孝、洞口依子、中村久美、芳本美代子、螢雪次朗、ベンガル、柄本明他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
この映画が出来たときにテーマとなった事実を知ったのだが、隠された美談で、マスコミにも
あまり取り上げられることはなかったと思う。だが、実際起こったことをつぶさに読むと、2時間
少々に納まる話ではないので、監督もそのあたりを理解して、話を大胆に折りたたんだのだろう。

その結果、薄味の映画になってしまった。製作には3年という長い年月とダコタの同型機を
タイで見つけ、解体して運び、組み立てたというから(その飛行機はいまだに浜に飾ってある
そうだ)佐渡島の市民の協力も含め、労力がかかった映画であったということは理解できるが、
不時着のシーンもないし、実は島民の協力で敷いた石の滑走路も大波で流されてしまい、
ついには米軍の工科部隊が乗り込み、あっという間に網目の鉄板を敷いて完成させてしまった、
とか、上海から厚木に向かっていた乗員には女性が一人いて、赤く塗られた爪に島民が
びっくりした、とか総領事が乗っていたとかはオミットされている。まあ、そこまでのエピソードを
入れ込んだら2時間じゃあ収まらないとは思うけど、本作はあまりにもあっさりしすぎ。
せっかくの事実の面白さが半減してしまっているのではないか、と感じた。

ストーリーは割と単純で、終戦直後の昭和21年、上海から厚木に向かうイギリス総領事を乗せた
英空軍の輸送機が佐渡島に不時着。けが人はいなかったし、飛行機も大した壊れ方を
しなかった。村人はこの前まで戦っていた敵国人がやってきたのだが、「困ったときは助ける」
という島の人の伝統から、飛行機を浜から引っ張り上げ、石の滑走路を敷き、文化の違いに
苦労しながら村人なりにおもてなしをし、無事にダコタ号を再び空に戻すことに成功した。

そういうことなのだが、その間には、帰国した元日本兵の青年がこれを苦々しく思い、
ダコタに放火しようとしたり、ダコタの乗員と地元の女性の淡い恋心があったりという
エピソードが加えられる。こうした事実を元にした映画が好きなので観てみたが、出演者も
含め、地味なので興業的には苦戦したに違いない。これ、教育映画として学校を回れば
いいのに、と思う。

この飛行機ダグラス・エアクラフト社製DC-3(輸送機名=C-47)は、ビルマ方面でイギリスの
マウントバッテン司令官を運んでいた「Sister Ann」という由緒ある機体であり、本物は
まだアメリカ・フロリダ州のエーボン・パーク空港の格納庫に個人所有として保存されている。
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<ストーリー>
終戦後わずかの昭和21年、佐渡島に不時着したイギリス軍輸送機の乗組員と、
彼らをもてなし、再び飛び立つ協力をした島民たちとの国境を越えた友情と絆を描く、
実話を基にした人間ドラマ。かつてダコタの搭乗員だった兵士の息子が佐渡島を来訪し、
その事実を風化させまいと、地元フィルムコミッションの働きかけで製作された。

終戦からわずか5ヶ月後の昭和21年(1946年)1月14日。その日、鉛色の空を切り裂いて、
一機の飛行機が佐渡島にある高千村の海岸に不時着した。それはイギリス空軍の
要人機《ダコタ》であった。真っ先に駆けつけたのは、海を見渡せる丘の上からその
光景を目にした森本千代子(比嘉愛未)。イギリス空軍のパイロットたちは、上海の
英国総領事を東京へ送る途中、悪天候に見舞われやむなく不時着したのだという。

だが《ダコタ》は砂に埋もれ、滑走路もないことから乗組員は島に留まるしかなかった。
つい半年前まで敵国であり、その戦争で家族を失った者や、帰らぬ息子を待つ者など、
様々な想いを胸に抱く島民たち。しかし、千代子の父親で村長の新太郎(柄本明)は
考えあぐねた末に「困った者を助けるのが、佐渡ん人間(さどんもん)」という、この土地に
根付く精神に従って《ダコタ》が再び飛び立つまでの間、イギリス兵たちを自分が営む
旅館に迎えることにする。

初めは警戒していたイギリス人たちも、千代子や島民たちの温かいもてなしに、次第に
打ち解けていくのだった。一方、千代子の幼なじみの木村健一(窪田正孝)は、兵学校での
事故がもとで出征することなく村に戻ったまま終戦を迎えていた。英語の通訳をという
千代子の頼みも無下に断り、一人殻に閉じこもる健一。
そんなある日、島民と英兵たちが協力して滑走路づくりに励む中、親友の義春の戦死
報告を受け取った健一は《ダコタ》が義春の死んだビルマ戦線でイギリスの将軍専用機
だったこと知る。健一の中で、暗い憎悪の炎が燃えたぎり、ある夜、健一は遺書めいた
書置きを残し一人《ダコタ》がある海岸へと向かう……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-09-24 22:30 | 邦画・新作 | Comments(0)

●「THE ICEMAN ~氷の処刑人~ The Iceman」
2012 アメリカ Bleiberg Entertainment,Millennium Films,RabbitBandini Pro.106min.
監督:アリエル・ブロメン   原作: アンソニー・ブルーノ 『氷の処刑人』(翔泳社刊)
出演:マイケル・シャノン、ウィノナ・ライダー、ジェームズ・フランコ、レイ・リオッタ、クリス・エヴァンス他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
実際に100人以上を暗殺したといわれる実在の殺し屋リチャード・ククリンスキーの物語。
主役は貴重なバイプレイヤーで、私にとってはテレビドラマ「ボード・ウォーク・エンパイア」の
不気味なFBI捜査官を演じたマイケル・シャノン。この人は一癖あるような、あるいは心が少し
病んでしまっているような役柄をよく見るが、これが似合っている。本作も、作品の中からは、
幼いころの両親から受けた執拗な叱責がトラウマになって、性格にゆがみが出てしまった男の
感じが上手いこと出ていたと感じた。

ポルノ映画のダビング屋であったポーランド系のククリンスキー(シャノン)は、向かいの
ビルで働くデボラに恋してしまい、猛烈アタックの末、結婚する。裕福ではないが、子供にも
恵まれ、幸せな生活だった。妻はもっと広い家に引っ越したがっていたが、彼女は我慢して
いた。
そんな折、ダビングの遅れからトラブルとなり、そのいざこざの中での振る舞いを見たギャングの
ボス、ロイ(リオッタ)に見込まれ、殺し屋稼業となる。テストケースとして街のホームレスを
殺して来いと銃を渡されると、ククリンスキーは躊躇なく浮浪者を射殺、顔色一つ変えないので
あった。一方家庭ではいい父親として振る舞い、次第に金が入り、引っ越しも出来て、二人の
娘にも不自由をさせないようになるのだが、家族には為替ディーラーとして儲かっていると
説明していた。

裏ではククリンスキーの殺しは加速し、マスコミは彼の犯罪をアイスマンによる、と表現
し始めていた。確かに彼の心は殺しに当たってもまったく動じないものであった。
しかし、ある時、暗殺を目撃した少女を逃がしたことから、ロイから足を洗え、と勧告される。
しかし、ククリンスキーは、フリージーというフリーの暗殺屋と組み、シアン化合物を使った
暗殺を始めたのだ。しかし、彼はある仕事で支払いを渋った雇い主を衝動的に殺したこと
からマフィアに狙われることになり、また娘が待ち伏せした車にひき逃げされるという事件が
起きてしまった。妻や娘たちから、父親のトラブルのせいで(この時点ではヒットマンであることは
ばれていない)こうなったことをなじられる。復讐を誓うククリンスキーだったが、警察の包囲網は
狭まっていた・・・。

一般市民は巻き込まず、女子供はやらないという主義ではあったものの、100人を銃で時には
ナイフで時にはロープで首を絞め、ナイフで首を切り、殺したククリンスキー。やはり心を病んだ
怪物といえるだろう。長年いい父親だと信じてきた家族は、真実を知った時の衝撃は如何ばかり
であっただろう。周囲の人々もまたしかり。家族は人殺しの娘となりどうやって生きて行ったので
あろうか。家族を持った時点で、彼は勘違いをしていた。家族を愛することは、警察に捕まった
時、その後の家族がどういうことになるのか、想像しなかった(出来なかった)ことだ。
彼が殺人を重ねていたのは1970~80年代であるから、娘たちはまだ存命であろう。どうなったか
気になる。86年に逮捕され、本人は裁判で終身刑×2の刑を受け、(死刑廃止の州だったのかな)
2006年、結局獄中で亡くなる。家族とは二度と会えなかったそうだ。ククリンスキーという特徴的な
苗字は名乗れなかったのではないか。 やはり幼いころの家族での出来事というのは大人になって
からの人格を決定づけてしまうのだな、という恐怖心を味わった。映画では子供の頃のトラウマが
原因となり殺人鬼や異常者になってしまうドラマ(現実にもとづいているものも含め)多くみられると
感じる。最後に本人の独白があり、「悪いのは自分。悪いことをしたことも分かってる。だから
悔い改めもしない。」などと心境を語るのだが、人を殺した、ということについての自責のような
ものは聞かれなかった。派手なキャスティングはないが、事実に基づいているだけに、重苦しいが、
迫るものがある作品だった。
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<ストーリー>
「1964年。ニュージャージー州で生まれ育ったポーランド系の青年リチャード・ククリンスキー
(マイケル・シャノン)は、思いを寄せていた女性デボラ(ウィノナ・ライダー)と結婚。
子宝にも恵まれる。
彼は、家族には秘密のまま、マフィアの息がかかったポルノ映画の海賊コピー製造工場で
働いていたが、度胸の良さをギャングのロイ・デメオ(レイ・リオッタ)から見込まれ、
“命令に従えば、いくらでも稼げる”と裏社会に誘われる。

以来、専属ヒットマンとして働き始めるのだった。1970年代半ば。ニュージャージーの
高級住宅街にマイホームを構え、幸せな生活を手に入れたククリンスキーは、表向き
為替ディーラーを自称し、2人の娘をカトリック系の学校に通わせていた。
そんなある日、ドラッグを巡るトラブルに巻き込まれたロイから、マーティ・フリーマン
(ジェームズ・フランコ)という男の殺害を指示される。いつものようにその仕事を遂行した
ものの、目撃者の少女を逃がし、ロイからクビを言い渡される。
失業したククリンスキーは、何とか生活を立て直そうと、公園のアイスクリーム売りを
装う殺し屋ミスター・フリージー(クリス・エヴァンス)と手を組む。

フリージーからシアン化合物を利用した殺害方法を伝授され、次々と殺人を実行し、
死亡時刻をごまかすために死体を冷凍庫へ運び込むククリンスキー。1980年代初頭。
ククリンスキーがフリージーと組んで密かに殺し屋稼業を続けていたことがロイに知られる。
ロイから恫喝され、足を洗おうとしたククリンスキーだったが、報酬の支払いを渋った
雇い主レオを衝動的に殺害。更なる窮地に陥り、家族にまでマフィアの影が忍び寄る。
怒りと焦りに捕らわれるククリンスキー。さらにこの時、遺体を冷凍して遺棄する手口から
“アイスマン”と呼ばれて世間を騒がせる謎の殺人鬼を追う当局は、捜査線上に浮かんだ
ククリンスキーへの包囲網を張り巡らせていた……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-09-22 22:50 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「泥棒は幸せのはじまり Identity Thief」
2013 アメリカ Universal Pictures.111min.
監督:セス・ゴードン
出演:ジェイソン・ベイトマン、メリッサ・マッカーシー、ジョン・ファヴロー、アマンダ・ピート他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
日本未公開だが、アメリカでは大ヒットしたコメディ。WOWOWでの放映を鑑賞したのだ
が、面白かった。半ばでイラついたり、だれそうになったりもするのだが、未公開が勿体
ない出来ではないか?ただ年齢制限は激しそうだけど。

オフィスにかかってきた一本の電話。クレジットカードが不正使用されるところだった、
無料の保険があるが入るか?というカード会社を名乗る女性からだった。ただなら、と
気軽に個人情報を教えてしまう男。これがあとあととんでもないことになることも知らず。

電話をかけていたのはフロリダのおデブのちょーしよさそうなしかもずるそうな女。
観ているだけでも憎々しい。彼女のキャラが後半変わっていくのだが、そのあたりは
メリッサの上手いところだろう。で、彼女はカード詐欺の常習らしく、男性の名前が
サンディという男女両方で使われるところに目を付けて、乗っ取りを画策したのだ。
で、まんまと個人情報を手に入れた彼女サンディ=ダイアナは、そのカードを使って
高額な買い物をし、豪遊していた。挙句の果てには酒場で店員に暴行して逮捕されて
しまうのだった。

一方コロラドはデンバーの本物のサンディは、ある日ガソリンが切れたのでGSに行くと
カードが使用停止になっている。なんでだろうとカード会社に文句をつけると、限度額
一杯(100万以上)使ってしまっているといわれ、またそれが使われたのがフロリダとの
説明で、カード詐欺にあったことは分かったがなんでかは理解できなかった。その時
突然パトカーに停止を命ぜられ警察にカード詐欺と暴行で逮捕されてしまう。
警察署で、フロリダで逮捕されたサンディの写真が本人とは違うので疑いは晴れたが、
今度は会社に薬物に手を染めた疑いがあると、捜索が入ってきた。
せっかく仲間と立ち上げた会社の副社長に納まったのに、社長からはこんな状態じゃ
首にするしかない、といわれ、1週間の猶予をもらい、サンディを連れてきて自白させたら
警察も会社もOKという言質をとりつけ、家族に別れを告げてフロリダに飛んだのだ。

自分の携帯に入ってきた美容院の予約から、彼女の来店を待ち構えて捕まえるのだが・・・。

さて、ダイアナをコロラドまで連れて行くまでのドタバタのロードムービーともなっているのだが
その行程が面白いのだ。サンディもダイアナもどこか抜けていて、さらにダイアナを追っている
のはサンディだけではなく、彼女にカード不正使用をされたばかりに刑務所に入れられた
マフィアのボスの放った刺客とその刺客に物足りないからと言って雇われた刺客2号からも
命を狙われているのだ。それらを巻き込んでカーチェイスありの、酒場で出会った南部男との
ギャグいっぱいの出会いとセックス、呆れてみているサンディ、など面白いシークエンスが
続く。野宿やヘビとの戦いなどを経て、サンディとダイアナに次第に心が通い始める。
なんで2000キロも車での移動となったかというと、サンディは帰りの航空券は持っていたのだが
ダイアナのIDはサンディと同じ。同姓同名が二人で飛行機に乗るのは怪しまれるでしょ、
とダイアナに指摘されて、悔しがるサンディであったのだ。

そんなこんなで、ついにデンバーの我が家にダイアナを連れてきたサンディ。彼女は
二人の娘とも仲良くなってしまった。実はダイアナは赤ちゃんポストに捨てられ、里親を
たらいまわしにされて育った孤独な身で、今の生活も家族の愛に飢えての反動であったのだった。
そんなダイアナは家族を愛し、娘を愛するサンディに心を許してしまったのだった。
一緒に会社に行こうとしていたその朝、ダイアナの姿は消えていた。

傷心のサンディが出社し、社長に「失敗したよ」と告げると社長の指さす先には、警察の
取り調べを受けるダイアナの姿が。「あなた助けようとしたでしょ。これでいいのよ」と。
全ての罪を認めたダイアナ。これでサンディの濡れ衣はすべて晴れて、副社長としての
身分も守られたのだった。(途中で、サンディが前に勤めていた会社の重役のカードを
偽造して金を作るというシーンがあったが、あれはダイアナの罪、ということになったのね)

ラスト。刑務所の屋外の面会シーン。そこにはサンディ一家と楽しそうに話すダイアナの
姿があった。勉強して成績もいいらしい。サンディの娘たちもなついている。
サンディは警察に頼んで彼女の本籍を突き止め、本名の書いた戸籍を見せるが、彼女は
「わたしはこのままでいいのよ」と笑って、去って行ったのだった。

大きなストーリーの流し方とこれに絡む細かいシークエンスの積み重ね、それに俳優陣の
頑張りと、「カード詐欺にあって、犯人を憎む程度が少し甘いんじゃないか」というイラつきは
あるが、全体としてよく出来た映画だと思う。脚本はハングオーヴァーなどで気心がしれた
クレイグ・メイジンである。 原題は文字通り「ID泥棒」なのだが、邦題が意味不明。
もう少し考えようがあったのじゃないか?
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<ストーリー>
「 「モンスター上司」のセス・ゴードン監督&ジェイソン・ベイトマン主演コンビが、
「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」のメリッサ・マッカーシーを共演に迎えて
贈る全米大ヒット・コメディ。

他人の個人情報を盗んでは好き放題に贅沢三昧を繰り返すふてぶてしいおばさん詐欺師と
その被害に遭った善良な中年サラリーマンが、思わぬ珍道中を繰り広げるさまを描く。
 コロラド州デンバーで、妻と2人の娘と共に幸せな日々を過ごすビジネスマンのサンディ。
そんな彼の元にある日、身に覚えのないクレジットカードの高額請求が来てしまう。
なんとサンディの個人情報が盗まれ、悪用されてしまったのだ。
サンディは自分のIDに記録された数々の悪行のため、警察の事情聴取を受けるハメに。
さらには、職場の上司から、問題を解決しなければ解雇すると言われる始末。
こうしてサンディは、自分を陥れた女詐欺師ダイアナを捕まえるため、2000マイルも
離れたフロリダへ向かうのだったが…。」(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-09-21 22:50 | 洋画=た行 | Comments(0)

ブロウ Blow

●「ブロウ Blow」
2001 アメリカ Apostle,Avery Pix,New Line Cinema,Spanky Pictures.124min.
監督:テッド・デミ
出演:ジョニー・デップ、ペネロペ・クルス、ジョルディ・モリャ、フランカ・ポテンテ、レイ・リオッタ他。
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ジョニデとペネロペが出ている、ということで民放BSで放映していた本作を見てみたのだが、
カットされているし、吹き替えだし、正しい評価は下せない。もう一度ちゃんとしたものを
DVDなりWOWOWの放映なりで見直そうと思う。映画としては面白かったから。

実在のヤクの売人ジョージ・ユングの人生を映画いたものだが、ハードボイルドではないし
アクションが派手なわけでもなく、むしろ、家庭の崩壊とか、親子の絆とは、環境は悪を生む、
などという側面を見せようとした作品と理解した。

働き者の父と結局は父の会社が倒産してしまったことに不満たらたらの母、そんな環境で
育ったユングは生来の悪ではないが、金に困ったこともあり誘われるままにまず大麻の売人に
なり、その方面の才能があったのか、仲間に恵まれた?のか、コカインの取引に手を広げ、
西海岸から東海岸までのコカインの大売人となり、大金持ちとなった。
他人の婚約者(ペネロペ)を横取りし、大麻の不法所持で捕まった時に知り合ったコロンビアの
麻薬王に認められ、さらに取引を拡大していく。
しかし、仲間に裏切られ、西海岸を失い、売上金を預けていたパナマのノリエガ政権が倒れた
ため、大金を失ってしまう。刑務所を出たり入ったりの生活が続く。

一時の勢いを失ったユングは娘が出来たことをきっかけに、足を洗おうとしたが、巧く行かず、
これが最後と起死回生を狙った仕事で、旧くからの友人に裏切られ、再び逮捕されてしまう。
数年がたち、ユングに老いの影が見えるころ、刑務所の農場で、大きく美しくなった娘の
幻を見るユングであった。

彼は、自分の幼いころのような家庭は作りたくないと考えていたが、結局、同じような家庭に
なってしまい、娘からは徹底的に嫌われてしまう。しかし、仮釈放されると、娘の学校を
送り迎えしたり、努力はするのだ。が、所詮、ドラッグの世界からは脱出できず、自分の人生を
棒に振ってしまったのだ。

ジョニデ演じるユングはいつも汚らしい長髪でサングラスをしているのだが、どう見ても根っからの
悪人とは見えない。そのあたりの機微は上手く出ていたのではないか。最後親友と思っていた
仲間に裏切られたところは哀愁さえ感じさせた。
ペネロペはエキセントリックな性格が良く似合っていた。そもそも、逃げてきた息子を警察に
売ってしまった母親を、憎んで突っ放しきれないユングなのだ。またレイ・リオッタ演じる父との
絆も切ないくらいだ。 商才はあったわけだから扱うものがドラッグでなければ・・、と考えて
しまうのだ。ユングの刑期は来年までなので、出所してくるとまたこの映画は注目されるかも。
なおタイトルは「コカインを吸入すること」のスラングだ。
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<ストーリー>
「幼少時代、極貧を経験したジョージ・ユング(ジョニー・デップ)は、1960年代後半、
カリフォルニアでドラッグの密売をはじめ、みるみる商才を発揮する。
しかし72年、販売目的のマリファナ不法所持で逮捕。だが獄中で裏社会の大物パブロ・
エスコバルに出会い、彼の信頼を得たことで、ジョージの名はますます轟くことになる。
豪邸を建て、いい車にのる大富豪と

70年代後半、ジョージの提供するコカインはバブル期のアメリカにおいてパーティー・
ライフの必需品と化した。またその頃、久々に愛を注げる女性マーサ(ペネロペ・クルス)に
出会い、2人は結ばれ娘をもうける。
しかしジョージの人生は、80年代に入ってから凋落していく。彼は熱烈に娘を愛するが、
足を洗おうとしても裏社会から抜け出せず、何度も服役し、妻と娘の愛を失う。そして、
いまも服役中のジョージ。ある日、初めて面会に来てくれた娘を抱きしめるのだが、
それは幻だった。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-09-20 23:20 | 洋画=は行 | Comments(0)