<   2014年 10月 ( 24 )   > この月の画像一覧

●「素敵な相棒~フランクじいさんとロボットヘルパー Robot and Frank」
2012 アメリカ Dog Run Pictures,Park Pictures,TBB,White Hat.89min.
監督:ジェイク・シュライアー
出演:フランク・ランジェラ、スーザン・サランドン、ジェームズ・マースデン、リヴ・タイラー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
なんかもっとコミカルなものを想像していたのだが、結構シリアスで、心温まる一遍だった。
ボケ進行中の頑固爺さんと、長男がおいて行った超高性能介護ロボットの話なのだが
人間とロボットやドロイドの関係を映画いた作品は少なくないが、結局は機械と人間の
ありえない(であろう)心の通じ合い、生まれた絆、みたいなところへ基本的なオチを持っていく
系統が多い感じだが、本作も、最後はそういう事だと思う。
が、ボケ老人と介護ロボットって、結構現実的なテーマの中で、リアルな肌感覚でこの映画を
観られた人も多いのではないだろうか。 だから湿っぽいかというとそうでもなく、極めて人間的な
頑固爺さんと、基本入力されたこと以外はアウトプットしないロボットの漫才のような掛け合いも
楽しく、更に、この爺さんの過去の生業が宝石泥棒で、2回もムショ送りになっている、という
設定も楽しい。 

舞台は「そう遠くない将来」。壁掛け式のホログラムテレビ電話や透明な躯体を持つスマホなど
未来を匂わすギミックはあるがそう未来感はない。それがまたリアリティを持ちえているのかも
知れない。
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往復10時間もかけて一人暮らしのおやじを見に来る息子は、いい加減に私設に入るか、
でなければ介護ロボッを置いていくよ、と言って、要らないというおやじさんの家に超高性能の
介護ロボットを置いていく。こいつが極めて優秀で、掃除、調理はもちろん個人の健康データに
基づいて、さまざまなアクティビティを誘ってくる。

爺さんの唯一の楽しみは近くにある図書館に行って本を借りてくること。しかし本音は司書の
ジェニファーに会いにいくことだ。この図書館の受付もロボット化されていて、更には図書館
全体を電子書籍化するという動きが出る。爺さんはこの計画の主たるメンバーである弁護士
(近所に住んでいる)を憎しみの対象とし、最初はあれだけ嫌がっていたロボットと共謀(!)して
図書館に忍び込み稀覯本である古い「ドン・キホーテ」を盗み出す。
更に、弁護士の自宅に忍び込んで妻の豪華な宝石を盗み出す。しかし爺さん現場に老眼鏡を
おいてきちゃったりするので、すぐに容疑者になり警察が来るのだが、証拠がない。
またあれだけの侵入盗をボケた爺さん一人で出来るわけがない、と勝手に警察は判断する。
しかし、弁護士は、ロボットのメモリに注目し、それを外そうとするすると、ロボットは自爆装置を
起動させた、と嘘を言って、警察らを追っ払った。そして息子の車に乗って逃げ出すのだった。

行くところもなく図書館に来た爺さん、壁にかかっている若き日の自分とジェニファーの2ショット
写真をまざまざと眺める。別れた妻ってジェニファーのことだったの??爺さんは忘れているけど。

まんまと2つの泥棒に成功した爺さんだったがロボットはこれまでのメモリをリセットして新しい
人生を歩め、という私は人間じゃないからメモリを初期化しても死ぬわけではないともいう。
爺さんは最初これまでのメモリが消えることに抵抗をしめしていたが、ロボットの強い勧めで
メモリ消去ボタンを押す。
奪った宝石はNPOで海外で活躍する娘に「かつての戦利品だよ」と言ってあげたり、息子のために
庭の花壇の中に埋めたりした。ロボットが去った爺さんは、みんなで食事をしたあと、施設に入る
ことにする。ボケはまたかなり進行しているようだった・・。

ホンダのASIMOそっくりな(人間入っている感満載)のロボットは、学習機能を持つゆえに、
人間の感情に近いものを獲得していくようになるのだな。客観的なことしか言わないはずだが
主観的と思われることも言い出すので、「機械」として見なすことが出来なくなり「相棒」「仲間」との
認識が生まれてきてしまうのだ。アシモフはそれを禁じていた筈だが。その葛藤がこれまで
いろんな映画を産んできもしたのだが。

短い映画だったが、なかなか身につまされる部分もあり興味深く観た。ただし、この介護ロボット
お値段は相当お高いんじゃないかな。だれもが買えるような時代になったら、便利になるのか
人間の心が荒廃するのか・・・。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-10-29 23:40 | 洋画=さ行 | Comments(0)

●「大統領の料理人 Les Saveurs de Palais」
2012 フランス Vendôme Production and others.95min.
監督・脚本:クリスチャン・ヴァンサン
出演:カトリーヌ・フロ、ジャン・ドルメッソン、イポリット・ジラルド、アルチュール・デュポン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
日本未公開の作品を放映するWOWOWの「ジャパン・プレミア」にて鑑賞。このシリーズは
なかなかいい作品を見つけてくるので、見逃せない。
今回は、ミッテラン大統領に仕えた料理人の実話を基に作られている。原題は「宮廷の味」
というほどの意味であるが、邦題はなにか「天皇の料理番」みたいで、ひねりがなさすぎな
感じがする。そのまんまやないか、と。

本作は、フランスの田舎で民宿を営む中年女性が、時の大統領の料理人に抜擢され
苦労しながら奮闘する姿と、4年後、南極大陸のフランス越冬隊の調理人として働く
彼女をカットバックしながら話を進める。何で彼女が南極にいるのか、はラストに明かされる。

エリゼ宮の主厨房とは別に、大統領個人とその客たちに料理を提供する役目として
オルタンス・ラボリ(フロ)を官邸に推薦したのはジョエル・ロブション氏。ある日突然に
彼女のもとにミッテラン大統領の個人的な料理人になってほしいと言われる。
固辞していた彼女だが、やってみたいという野心もあり、なれないエリゼ宮での調理を
担当することになる。

たまたま話す機会があった大統領の好みは、素材の味を活かした料理。過度な飾り立て
などは不要だということ。田舎のおばあちゃんの料理が食べたいのだ、と知る。
自分がやってきたのは田舎に小さな料理教室を主宰し、小さなオーベルジュを経営、
得意とするのは田舎の家庭料理だったのだ。まさに大統領の好みにピッタリ。
彼女の作っていく料理の数々がほんとに美味しそうに写しだされる。大統領も満足だ。
しかし、主厨房とはいがみ合い、意地悪が入り、助手の青年と二人で奮闘する日々。
(この青年がなかなか料理が上手いのだな)
大統領を満足させようと、あちこちの知り合いから素材を仕入れ、青年と二人して
調理に格闘し、美味しそうな料理が出来上がっていく様子は、観ていて楽しい。

しかし、彼女を監督する立場の人間が変わると、大統領の健康面からメニューに注文が
入り、また値段はさておいて一流の素材を仕入れる彼女に対しての風当たりが強く
なる。料理を単なる食事とは見ず、メニューにも一貫性を求め、個性を重んじた彼女は
男性社会である官僚や主厨房の古い考え方がなじまない。それでも奮闘は続いた。

オルタンスは大統領が4日間の外遊に出かけた折に、辞表を出したのだった。

一方南極大陸のフランス基地では、隊員たちに愛される調理人としてフレンチの腕を
振るってきたオルタンス。その期間1年ももう終わろうとしていた。彼女は隊員たちに
腕をふるって最後の料理を提供する。
オーストラリアのテレビ局が彼女を追いかけていたのだが、最後にオルタンスが
リポーターの女性に語ったのは、ニュージーランドでトリュフの栽培をする畑を手に
入れるため、給料がいい南極大陸の調理人を選んだのだ、という。

ミッテランがまるで似ていなくてすごく年寄りなんだけど、まあそれは物語の大筋には
関係ない。もう少し主厨房や事務方との葛藤などがあったり、辞表を出した後の
大統領の反応も知りたかった。それにしてもオルタンスを演じたカトリーヌ・フロ、という
女優さん、良かったなあ。南極大陸とのカットバックも味わいがあったのじゃないかな。
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<プロダクションノート&ストーリー>
80〜90年代にかけてフランス大統領として活躍したフランソワ・ミッテラン。彼の専属
シェフとして、女性として初めてエリゼ宮入りしたシェフ、ダニエル・デルプシュの実話を
基にしたヒューマンドラマ。堅苦しい官邸の常識を、その腕前で変えていくヒロインの姿を
描き出す。セザール賞の常連、カトリーヌ・フロが主人公を演じる。

取材に訪れた南極基地で、オーストラリアのTVクルーが遭遇したのは一人の女性シェフだった。
彼女は何者で、どこから来たのか。興味を持った取材班たちの前で、少しずつ彼女の素性が
明らかになっていく……。
自然豊かな田園風景が広がるフランスの片田舎。小さなレストランを営むごく普通の女性
オルタンス・ラボリ(カトリーヌ・フロ)を、フランス政府公用車が迎えに来た。オルタンスが
連れていかれたのはパリ中心部にあるエリゼ宮殿。
彼女はミッテラン大統領(ジャン・ドルメッソン)からの直々の指名で、彼のプライベートシェフに
抜擢されたのだ。ところが、官邸は独特の儀礼や規律の世界。厨房も料理を美味しく
つくることは二の次で、数々の細かい約束事で縛られていた。さらには代々、男たちだけで
営まれてきたシェフたちのヒエラルキーの中、オルタンスは完全に“招かれざる客”なのであった。

だがそれでもオルタンスは料理のこと以外は目もくれない。彼らの嫉妬や専横に構わず、
美味しい料理をつくることだけに真摯に豪快に突き進んでいく。そんな彼女が唯一気にして
いたのは、自分の料理が大統領をハッピーにしているかどうかということだったが、
なかなか大統領の声は聞こえてこないし、秘書官たちは大統領が料理のことに割く時間は
ないといわんばかり。
今まで官邸では、食べる人の気持ちを確かめながら料理をつくる料理人はいなかったのだ。
オルタンスは、食事の後の皿の様子、給仕たちの観察、そしていくつものメモを書き、
あらゆる方法で大統領の気持ちを直接確かめようとする。当初は値踏みするような目で
遠巻きに眺めていた同僚たちも、いつしか彼女の料理の熱意と腕前に刺激され、官邸の
厨房に少しずつ新風が吹き始める。だが実は、オルタンスのまっすぐで新鮮な料理は
大統領の心の中に確かな絆をつくっていた。そんなある日、オルタンスは、ミッテランから
直接声をかけられる……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-10-28 22:55 | 洋画=た行 | Comments(0)

●「(ほとんど)チャーミングな王子 Le Prince(Presque)Charmant」
2013 フランス EuropaCorp.87min.
監督:フィリップ・ルルーシュ  製作・原案・脚本:リュック・ベッソン
出演:ヴァンサン・ペレーズ、ヴァイナ・ジョカンテ、ジェローム・キルシャー、クロエ・クルー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
日本未公開の映画を放映するWOWOWの「ジャパン・プレミア」で鑑賞。
底の浅さ、とかはあるけど、話の持って生き方は、ベッソンらしくきちんと整っていて
面白く観た。短いし。しかし、なんといっても最大の魅力は、私は初見だと思うけど
主演のヴァンサン・ペレーズという俳優さん。演技がものすごく自然で、根本的に
人の良さが出ちゃっているのではあるが、役柄によくあっていて、演技もうまいし
惹きつけられた。

フランスの小粋な軽めのラブロマンス(+コメディ)とでもいうのかな。構えずに見るには
いい感じの映画。悪い人が誰も出てこないのも心地よい。エンディングはまあお約束だね。

パリでバリバリに働く電子部品会社の経営者ジャン=マルク(ペレーズ)は、人のことを
聞かず、自分勝手で、いつもイライラして車の運転もメチャクチャ。共同経営者も手を焼いて
いるのだが、やり手ではあるのだ。12年間秘書を務めた女性も、堪忍袋を切らして辞めて
しまった。そして、南仏に行く直前で長い間付き合いがあった部品メーカーを採算を理由に
契約を解除する決定をした。(これが伏線になる)彼は2日後に南仏で娘の結婚式があるの
だが、国中のゼネストで電車は動かない、車は大混雑という状態で、まずはプライベート
ジェットで娘は先に行かせた。
自分は途中で式に履く娘の靴をデザインしたというセブという若者をピックアップして
車で南仏へ向かうのだが、彼と車中で口論となり、セブは車から降りてしまった。
更に、車がガス欠で止まってしまい、ガススタンドもゼネストで燃料を売ってくれない。

そこでジャン=マルクはルノーの販売店で車をガソリンごとキャッシュで買おうとするが、
そこは電気自動車の販売店。仕方なくスピードの出ない電気自動車で、南を目指す。
が、またしても電気が切れてしまいエンスト。そこへ飛び込んできたのが娘と同じ名前の
マリーという女性。彼女の機転で、トラクターに引いてもらい、農家に着き、充電をさせて
もらう。その間に食事を御馳走になったり、泊まる部屋を提供してもらったり、見知らぬ人
から親切を受けるのだった。その後彼女の実家にも立ち寄り両親ともいい感じとなった。
彼女は古い絵画の修復師を目指していて、今就活中。そこに今日面接という手紙が
来た。焦って車で彼女を面接会場まで送るジャン=マルク。そして彼女は無事に採用された
のだった。
試験のあった街を出発し南下するとまたしても電気切れを起こし、今度はスペイン系の集団に
(ロマではないと思う)助けてもらい、キャンピングカーを一台空けてもらったりした。

次第に時間が無くなり、焦るジャン=マルクだが、その心は、完全にマリーのとりこになって
いた。マリーも彼のことを悪く思わない。スペイン系の集団にいる時二人は受電中の
電気自動車の中で愛しあうことになるのだが、グローブボックスの中に名刺を見つけてしまう。
なんと彼は父の会社の契約を打ち切った会社の社長であったのだ!
嘘をつかれた、と激怒したマリーは、そのまま彼と別れて自宅に帰ってしまう。

ジャン=マルクは、一人で娘の結婚式に急ぐ。途中でヒッチハイクをしているセブも拾う。
会場では娘と別れた妻もイライラして待っている。
なんとか時間に間に合ったジャン=マルクは靴も無事に届けられ、バージンロードも歩くことが
出来た。そしてパーティーになった時、娘から、元気が無い表情を尋ねられると、「運命の
女性と分かれてきた」というが、娘は「運命の人だ、って伝えた?」と聞く。
ジャン=マルクは急いでマリーの実家に向かう。当然、契約を解除され200人の従業員を
どうするか悩んでいた父も険しい表情だ。しかし、心を込めてマリーへの愛を告白、そして
自分の株を共同経営者に譲渡し、自分は会社を辞めたという。父親の会社との今後20年の
契約書を見せるのだった。これまでの自分の生き方は間違っていた、と。終生、マリーと共に
歩みたいと説得し、彼女にも父にも了承され、めでたく二人は結ばれることになったのだ。
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派手なことは一切ないが、ほのぼのとしどこかフランスっぽいヒューモアもあり、終わり方も
いいし、いい感じの一遍出会ったと感じる。まあ、これまでの人生をあっさ捨てちゃうなんで
人生そんなに簡単なもんじゃない、と言われもしようが、まあまあ、いいじゃないの。
ハードなベッソンファンは、ナンパすぎて敬遠するかもしれないけどね。私はすきだよ。

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by jazzyoba0083 | 2014-10-27 22:35 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」
2014  フランス・アメリカ・ベルギー・イタリア Stone Angels,YRF Entertainment.103min.
監督:オリヴィア・ダアン
出演:ニコール・キッドマン、ティム・ロス、フランク・アンジェラ、パス・ベガ、パーカー・ポージー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
最近、怖い役ばかり観ていたニコール・キッドマンの久しぶりで美しい姿を楽しめた作品。
本作は、事実に「インスパイア」された作品であり、完全なノンフィクションではないので、
どこからどこまでが本当なのかがよく分からない。そのあたりが映画を軽くしてしまってや
しないだろうか、と思った。 近代史で、まだ存命な人もいる時期に、どこまで描くかは
難しいだろうが、本作の特にグレース・ケリーとレーニエの周辺のプライベートな状況は
これが真実だと思ってみてしまうと、間違うかもしれない。
ニコールがグレイスに似ているかどうか、という問題はあまり大きくない。

たとえばサッチャー、たとえばダイアナ、たとえばイサベル・ペロンなど、歴史を彩った
女性を描いた作品は少なくないが、うまい表現が見つからないが、もう少し抑制されて、
重厚感があったように思う。 事実、本作に対し、レーニエの子どもたちからは、王室の
姿がただしく描かれていないと、脚本の訂正を再々申し入れたものの受け入れられず、
プレミア試写会にはに出てこなかったという。特にレーニエ3世の描き方が、指導者として
弱々しく、逆にグレイスが美化されすぎ、というのである。見ているとさもありなんとも
思う。フィクションと割り切るには、実在の人物が有名すぎて、ひっかかってしまう。

ただ、一連の物語の流れは上手く出来ていたと思うし、カルティエの宝石をまとった
ニコールは美しかったけど。場面転換が少なく、テンポが緩く、会話が多いので
観ていて単調。ド・ゴールのスパイは誰か、というあたりから面白くなってくるかな。
女優から公妃になったグレースの苦悩と、努力は理解するが、グレース・ケリーって
あれほど才女だったのだろうか、という疑問が残るのだ。実際才女だったかもしれないけど。

グレースが交通事故で亡くなったのが1982年だから、そんなに大昔でもない。
レーニエ3世が亡くなったのは10年前に過ぎない。その辺りの生臭さがこの映画の
印象を左右していしまうだろう。

これから本作をご覧になろうという方は、モナコ公国とグレース・ケリーについて少し
予習されていくとより理解が深まるだろう。オナシスも出てくるので、彼についても。
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<ストーリー>
1956年、オスカー女優のグレース・ケリー(ニコール・キッドマン)は、モナコ大公
レーニエ3世(ティム・ロス)と結婚。1961年12月、二人の子供に恵まれるも王室の中で
孤立していたグレースの前に、脚本を手にしたヒッチコック(ロジャー・アシュトン=グリフィス)が
現れる。「マーニー」という新作映画の出演依頼に訪れたのだ。

そんな中、モナコ公国に危機が降りかかる。アルジェリアの独立戦争で戦費が必要になった
フランスが、無税の国モナコに移転したフランス企業から税金を徴収して支払うよう要求、
「従わなければモナコをフランス領とする」と声明を出したのだ。
もし戦争になれば、軍隊もない小国モナコは、一瞬で占領されてしまう。政治で頭がいっぱいの
レーニエに無視され、ますます居場所を見失ったグレースはハリウッド復帰を望むが、
国家の危機的状況に発表は控えられる。だが宮殿から情報が漏れ大々的に報道、
グレースの相談役で後見人のタッカー神父(フランク・ランジェラ)は、フランスのスパイが
いると警戒する。

1962年7月。国民の公妃への不満が高まる中、励ましてくれるのは義姉のアントワネット
(ジェラルディン・ソマーヴィル)と、オナシス(ロバート・リンゼイ)の愛人マリア・カラス
(パス・ベガ)だけだった。やがてレーニエはフランス企業への課税を了承。しかしド・ゴールは、
モナコ企業にも課税してフランスに収めろと脅し同然の要求を突き付ける。
レーニエは行き場の無い怒りをグレースにぶつけ、映画界からの引退を迫る。結婚式の
記録映像を見ながら離婚を考え、涙にくれるグレースの傍らで優しく見守る神父は
「人生最高の役を演じるためにモナコに来たはずだ」と諭す。

数日後、神父はグレースを外交儀礼の専門家であるデリエール伯爵(デレク・ジャコビ)の
元へ連れて行く。モナコの歴史、王室の仕組み、完璧なフランス語、公妃の作法、正しい
スピーチ――グレースの夏は厳しい特訓で過ぎていった。

9月22日、レーニエはヨーロッパ諸国の代表に軍事支援を募るサミットを開くが、ド・ゴール
暗殺未遂の報せが入り失敗。さらに王室内の裏切り者が判明し、レーニエとグレースは
深い衝撃を受け、二人は絶望の中で長らく眠っていた互いの愛を確認し合う。
翌朝、グレースはヒッチコックに電話をかけて出演を断り、国際赤十字の舞踏会開催を発表、
世界中の要人に招待状を発送する。
1962年10月9日、侵攻を目前にモナコで開かれたパーティは大変な盛況を博し、そこには
ド・ゴールの姿もあった。マリア・カラスの魂を震わす歌の後、主催者のグレースが舞台に
上がり、この日のために練り上げた一世一代のスピーチが始まった……。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2014-10-26 11:20 | 洋画=か行 | Comments(0)

コレクター[2012] The Factory

●「コレクター[2012] The Factory」
2012 アメリカ Dark Castle Entertainment,Silver Pictures,StudioCanal.104min.
監督・脚本:モーガン・オニール
出演:ジョン・キューザック、ジェニファー・カーペンター、ダラス・ロバーツ、メイ・ホットマン他
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
非常に後味の悪い映画。これ、皆さんご指摘の通り、モーガン・フリーマンの「コレクター」と
紛らわしいね。別に「ザ・ファクトリー(工場)」でいいじゃん。
実際にあった話を元に作られているのだが、だいぶアダプトされている。ニューヨーク州
バッファローで冬になると現れる娼婦誘拐事件。すでに7人が犠牲になっていて、犯人は
わからないまま。市警は予算の問題から、捜査を打ち切りにしようとする。しかしこの事件の
解決に力を入れるマイク・フレッチャー(キューザック)刑事は、納得できないまま、個人的に
捜査を続ける。そうした中で、自分の娘が犯人に誘拐されてしまう。

物語は最初から犯人が病院に派遣されてきている調理人であること、これに協力する看護師が
いること、が明かされて進む。マイクと相棒の女性刑事ケルシーの裏をかいて、なかなか娘の
居所がわからない。いろんな違法捜査をしていくマイクは、一連の娼婦誘拐犯に娘がさらわれた
と突き止める。犯人は地下に娼婦を監禁し、こどもを産ませて、大家族を作る計画だったのだ。
マイクの娘にも危機が迫る。

で、ラストなんだけど、マイクはついに犯人を追い詰め、一撃見舞うわけよ。ところがびっくり
相棒のケルシーがショットガンでマイクを殺しちゃうのね。ケルシーは犯人に洗脳されていた
わけだったのね。で、ケルシーが捕まるか、というとそうではないのね。マイクの娘の何か
しでかしそうな顔は映るのだけれど。しかし、この娘、なかなかやりてでありまして、17歳なのに
帝王切開を手伝っちゃったりする。 どうも肝心なところで穴が(アラが)目立ち、そして最大の
難点は悪が滅びないというイライラ感。 何のために最後まで我慢して(期待して)観てきたのか、
という悔しさだけが残ったのでした。
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<ストーリー>
「ニューヨーク州バッファロー。市警の敏腕刑事マイク(ジョン・キューザック)とケルシー
(ジェニファー・カーペンター)が3年前から追う“謎の娼婦失踪事件”は、毎年11月から3月の
冬季に起こり、計7名の娼婦が姿を消していた。市民病院の看護師ダレルが容疑者として
挙がるが、確証は得られなかった。昨夜消えたニューハーフの娼婦に接触した黒いセダンを
特定し、持ち主が性犯罪者であることを突き止めるが、その男には障害があり、犯行は
不可能だった。捜査撹乱を謀った犯人が、彼の車からナンバープレートを盗んだのだ。

次の犠牲者は、マイクの17歳の娘アビー(メイ・ホイットマン)だった。夜中、恋人タッドが
勤めるダイナーに出かけた彼女は、派手なメイクと服装で娼婦と間違われたのだ。
アビーは、地下室に鎖で繋がれる。そこには、ローレン(キャサリン・ウォーターストーン)と
ブリタニー(マゲイナ・トーヴァ)という2人の娼婦が監禁されていた。彼女たちから“パパ”と
呼ばれる犯人は、抵抗するアビーを威嚇し、卵胞刺激ホルモンを注射する。
ここに来て3年というローレンは彼の2人目の子供を妊娠しており、ブリタニーは今度妊娠
できなければ殺されると脅えている。彼は娼婦たちを誘拐・監禁し、自分の子供を生ませ、
大家族を作ろうとしていた。
タッドから、ダレルが同時刻にダイナーにいたことを聞いたマイクは、彼のアパートを捜索する。
“葉酸、ヘパリン、卵胞刺激ホルモン”と書かれた紙片を見つけ、どれも命を長引かせる薬で
あり、被害者は監禁されていると直感する。その直後ケルシーから、ダレルが空港ホテルに
入ったと連絡を受ける。2人が部屋に踏み込むと、ダレルが薬物過剰摂取で死亡していた。
そしてアビーを含む被害者たちの写真が貼られたスクラップブックと、冷蔵庫には冷凍された
人間の一部があった。マイクの携帯に1本の電話が入る。次の瞬間、マイクの脳裏に犯人が
浮かぶ。マイクとケルシーは犯人の家に急行するが、一発の銃声が鳴り響く……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-10-25 22:50 | 洋画=か行 | Comments(0)

●「ウォーキングwith ダイナソー Walking with Dinosaurs」
2013 イギリス・アメリカ・オーストラリア BBC Earth 88min.
監督:バリー・クック
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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆
<感想>
映画館では3Dで観たほうが迫力が違っただろうな。最近のVFXで恐竜を描くと
どういうふうになるか、それ一点を観たくて鑑賞。さすがはBBCが手がけただけあり
恐竜の肌感などはよく出ていた。冒頭とエンディングに実写が入る。化石の発掘に
やっってきた親子が、一本の肉食獣の歯をきっかけに、古代に夢を馳せる。

ストーリーといっても、草食獣の親子、そしてその子が幾多の困難を乗り越え、
仲間に助けられ、リーダーに成長する姿を描く。「ライオンキング」のようなものだ。

恐竜の再現上、その体の色と声は想像するしか無い。どんな色が付けられているかも
また楽しみだ。けっこう派手なやつもあったけど、どんなものだろう。Tレックスが草食獣を
激しく捕食するようなシーンはない。主人公の草食獣パキリノサウルスは色といい、ちょっと
地味すぎじゃないかい?
幼稚園生とか小学生がワクワクしながら見ると楽しい映画だ。
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<ストーリー>
英国BBC EARTHフィルムズが最新の科学的検証を基に、太古の地球に生存した
恐竜たちの世界をCGで描き出したリアリティあふれるアドベンチャー大作。7000万年前の
アラスカを舞台に、草食恐竜パキリノサウルスの子供が、両親との死別や群れの仲間を守る
ための兄との戦い、そして他の種の恐竜との過酷な生存競争を通して成長していく姿が
つづられる。

7000万年前のアラスカ。厳しい冬を生き抜くために南へ向かう草食恐竜の群れに、耳に
大きな穴があいた一際小柄なパキリノサウルスのパッチがいた。ある日、彼は群れの
リーダーである父を亡くし、兄や仲間ともはぐれて迷子になってしまう。身体の大きな
肉食恐竜や自然の脅威と闘いながら、仲間に会うために旅を続けるパッチは、
様々な危険をくぐり抜けて大人へと成長、やがて思わぬ形で兄と再会を果たすが……。」
(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-10-24 22:50 | 洋画=あ行 | Comments(0)

●「ローン・レンジャー The Lone Ranger」
2013 アメリカ Walt Disney Pictures,Jerry Bruckheimer Films.149min.
監督・製作:ゴア・ヴァービンスキー 製作:ジェリー・ブラッカイマー 
出演:ジョニー・デップ、アーミー・ハマー、トム・ウィルキンソン、ウィリアム・フィクトナー、バリー・ペッパー
    ヘレナ・ボナム=カーター、ジェームズ・バッジ・デール、ルース・ウィルソン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
シネコンに観に行こうかな、と思ったが、上映時間の長さにおそれをなして止めてしまった
作品。イマイチ積極的に観に行こう、というモチベーションが湧かなかったのも確か。
本国での評価はよろしくないし、ラジー賞にもノミネートされているのだけれど、
私としては、とても楽しく観たよ。どこかまずいのかな。たしかに白塗りしたジョニデの顔は
誰だかわからんし、ローン・レンジャーを演ったアーミー・ハマーもちょいと魅力に欠ける
キャスティングではあったけど、あとはテレビドラマ(リアルタイムでは観ていないけど)の
世界のまんまというかテレビの狭い世界では体験できないであろう大きな画面で繰り広げられる
「活劇」は伏線とカタルシスの塊で、男の子映画として、時間も長く感じなかったし、
ディズニー映画なので、安心して観ていられるし、楽しい時間を過ごせたんだけど・・・。

年老いたトントが、サーカス小屋の中の大西部展みたいなブースで、見に来たローン・レンジャー
姿の少年と会話してすすめる物語も、嫌いじゃなかった。
ラストの銀を積んだ列車での活劇は、インディー・ジョーンズの世界だな。トントの「ボケ」と
愛馬「シルバー」の「ボケ」も面白かったし、娼館の女主人ヘレナ・ボナム=カーターの義足ライフル、
など、銀の銃弾などのギミックも効いていたと思う。
この手の作品に欠かせない、「意外性」も、いろんなところで発揮できていたのではないか。

ネットを見ると、ジョニデは監督やプロデューサーとの組み合わせから「パイレーツ・オブ・カビリアン」
と比べられているようだが、幸い?なことに、私はその海賊ものはひとつも観ていないし、
見る気も起きないので、本作が素直に楽しめたのかもしれない。
所詮は、主に子供向けのラジオドラマ~テレビドラマの映画化なので、目くじら立てることもないし、
映画化も4本目だ。逆に言えば今日的におとなも楽しめるエンタテインメントに仕上がっていたかどうか、
が評価軸だと思うのだが、その点個人的にはOKだと思った。
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<ストーリー>
「日本でも人気を博した往年のTVシリーズを、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ、
「ランゴ」のゴア・ヴァービンスキー監督&ジョニー・デップ主演コンビで映画化した西部劇
アクション大作。復讐に燃える悪霊ハンター“トント”と彼によって瀕死の状態から甦った
正義のヒーロー“ローン・レンジャー”の凸凹コンビが、巨悪への鉄槌を下すべく珍道中を
繰り広げるさまをユーモアと迫力のアクションを織り交ぜ描き出す。
共演は「J・エドガー」のアーミー・ハマーと「英国王のスピーチ」のヘレナ・ボナム=カーター。
 
西部開拓時代のアメリカ。正義感あふれる郡検事のジョン・リードは、勇敢なテキサス・
レンジャーの兄ダンを無法者一味に殺され、自らも凶弾に倒れて生死をさまよう。そんな彼の
前に現われたのは、ネイティブ・アメリカンの男、トント。少年時代の忌まわしい事件のために
復讐に燃える悪霊ハンターだった。トントは、その聖なる力でジョンを甦らせると、それぞれが
求める復讐と正義のため手を組むことに。そしてジョンは敵を欺くべく兄の形見をマスクにして、
素顔を隠したヒーロー“ローン・レンジャー”となる。こうして共通の敵=極悪非道な無法者ブッチ・
キャヴェンディッシュを追って旅に出た2人だったが…。」(allninema)

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by jazzyoba0083 | 2014-10-23 23:15 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)

●「私が愛した大統領 Hyde Park on Hudson」
2012 イギリス Daybreak Pictures,Film Four,Free Range Films.94min.
監督:ロジャー・ミッシェル
出演:ビル・マーレイ、ローラ・リニー、サミュエル・ウェスト、オリヴィア・コールマン、エリザヴェス・マーヴェル
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
これまでも映画の素材として多く使われてきたフランクリン・ルーズベルト大統領の裏面史とでも
いう作品。未だにアメリカ国民の人気が高く、ポリオを患って重度の身体障害者でありながら
史上ただ一人の4選された大統領で、大恐慌を受けた「ニューディール政策」や「第二次世界
世界大戦への参戦」や「リメンバー・パールハーバー」や、「ヤルタ会談」などなどで歴史に名を
残した名?大統領も、人の子、女性関係の方も、お盛んでございましたよ、というテーマを
ローラ・リニー演じるデイジーといういとことの関係を通して描き、更に、「英国王のスピーチ」で
有名になった英国王ジョージ6世が、欧州の戦争にアメリカの支持を取り付ける件という
大きな2つのテーマがある。というわけで、邦題のような恋愛もの一辺倒ではないので
歴史の一コマとして見るのは面白いが、映画としての焦点はボケているように感じた。
まあ、イギリス映画だからしょうがないのか。

こうした物語が表になることは少ないと思うのだが、90歳を超えてなくなったディジーのベッドの
下から見つかった日記と手紙から明らかに成った。
大統領はいとこという関係を乗り越えて、自分を愛してくれている、と思っていたデイジーだが
実は、現在の秘書、どこかの夫人、などとも関係を持っていたという。妻のエレノアは夫の
そうした性癖に辟易してレズの世界に走った、と。しかしデイジーは誰がいようが、大統領は
私のもの、と強く思っていたのだった。

個人的には、デイジーとの関係よりも、吃音の英国王とその妻が、アメリカに支持を取り付けに
来て、アメリカ人の処遇に不満を言いながらも、それを抑えつつ、ルーズベルトから、なんとか
協力の言質を取り付けようと悪戦苦闘し、ホッドドックピクニックも我慢して参加するようすが
アメリカとイギリスの立場を表していて面白かった。
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<ストーリー>
「 「ロスト・イン・トランスレーション」「ムーンライズ・キングダム」のビル・マーレイが、
歴代アメリカ大統領の中でも屈指の人気を誇るフランクリン・デラノ・ルーズベルトを演じた
伝記ドラマ。
重度の障害者でありながら激動の時代に超大国アメリカを率いたカリスマ的大統領の
知られざる素顔を、英国王との歴史的会談秘話と彼を影で支えた従妹デイジーとの
秘められた大人の恋模様を軸に綴る。
共演は「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」のローラ・リニー。監督は「ノッティングヒルの恋人」
「恋とニュースのつくり方」のロジャー・ミッシェル。

 1930年代のアメリカ。大恐慌の悪夢からアメリカ経済を救い出し、ヨーロッパを覆う不穏な
情勢に立ち向かう第32代アメリカ合衆国大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルト。
そんな大統領の世話役として従妹のデイジーが迎えられる。小児麻痺の後遺症に苦しみ
ながらも大統領としての激務をこなす彼にとって、デイジーと過ごす束の間のひとときは
心から安らぎを覚える貴重な時間となっていく。
そんなある日、ニューヨーク州ハイドパークにある大統領の私邸を英国王ジョージ6世夫妻が
訪問する。もはやナチス・ドイツとの戦争が避けられないイギリスにとって、アメリカの支援は
必要不可欠。そんな自国の命運を左右する重責を担い、緊張の面持ちのジョージ6世を、
アメリカ流のもてなしで迎える大統領だったが…。」(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2014-10-22 22:45 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)

●「バーニー/みんなが愛した殺人者 Bernie」
2011 アメリカ Mandalay Vision and others.99min.
監督・脚本・製作:リチャード・リンクレイター
出演:ジャック・ブラック、シャーリー・マクレーン、マシュー・マコノヒー、ブレイディ・コールマン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
面白かった!エンタテイメントとして成功している映画だな、と単純に感じた。実際に起きた
へんてこりんな事件がベースになっているし、映画の大きな部分を本物の住民のインタビューで
綴る(これがまた俳優がやっているんじゃないか、と思うような上手さ)のでドキュメント風でも
ある。が、基本はコメディっぽいタッチで、乾燥度は高い。「スクール・オブ・ロック」の監督と
主演で作ったので、なかなかの味わいに仕上がっている。しかしながら、こういうキャラクターが
現実に存在したことを見つけてきたプロデユースサイドの目の付け所もいい。

なんといっても主演のジャック・ブラックがハマりまくり。葬儀屋の葬祭ディレクター助手として
テキサスの田舎町に就職したバーニーは、人の嫌がる仕事を積極的に引き受け、亡くなった
遺族のアフターケアまでしっかりして、また自慢の喉で教会での葬儀の時には賛美歌を歌ったり
すっかり街の人気者になったのだ。

そんな街にマージョリー・ニュージェントという老女の旦那が亡くなった。大富豪だったのだが、
未亡人のマージョリーは、いけずな鬼ばばあというのが街の人々の一致氏体験で、家族とも
遺産の相続で裁判沙汰になっているような女性。人を信用することをしなくなっていたのだ。
意地悪だし。しかしバーニーだけは、彼女は友達がいない寂しい女性だと連日慰めに訪れ
これに応じてマージョリーは心を開いて行く。そしてそのうち、バーニーの葬儀屋の仕事は
バイト並みになり、主にマージョリーの家政婦、執事、財産管理などを任されるようになり、
二人で超豪華な世界旅行をしたりしていた。バーニーも自家用機を買ったりして。

しかし、マージョリーは所詮嫉妬心と独占欲の強いごうつくババアであることに変わりはなく、
次第にバーニーに辛く当たるようになった。どこでも呼び出すし、遅いといって怒るし。
温厚なバーニーもついに堪忍袋の緒が切れて、アルマジロ退治用の銃でマージョリーの
背後から4発打ち込み殺してしまう。すぐに自分の行動に驚き反省するのだが、彼は
マージョリーを冷凍庫に隠し、軽い心臓病で療養所に入っていると説明し、9ヶ月が経過。
街のみんなは、別にマージョリーの姿が見えようが見えまいがあまり気にしなかった。
その間、バーニーは、けちなマージョリーが寄付を渋っていたようなところに寄付をし、
困っている人にお金を貸したりして善行に熱心であった。

ところが、株の取引を管理している男や家族からやはり連絡が取れないのはおかしいという
ことで警察がマージョリーの家を家宅捜索し、冷凍された彼女の遺体を発見したのだ。

バーニーは素直に自白し、罪は償わなくてはならない、と泣いたのだ。裁判になったのだが
街のみんなはバーニーの見方。検事はそんな状況に逆に張り切り、裁判所に訴えて
公平な裁判が出来ないということで隣の郡の裁判所に所管を移してしまった。

出てくる証言はバーニーがいかにいいやつであったか、マージョリーを殺したことは確かに
悪いことだが、遺体を遺棄しようと思えば出来たし、財産だってくすねて逃げようと思えば
逃げられたのに、それをしなかった。バーニーは、然るべき時にマージョリーを埋葬したいと
思って冷凍していた、人はだれでも埋葬される権利がある、と涙ながらに語ったのだ。
しかし検事は第一級殺人で起訴してしまった。

しかし、他の街の陪審員はバーニーの事情に暗く、結局彼に終身刑を宣告した。仮釈放までも
50年かかるのだ。今でもバーニーは刑務所にいて、聖歌隊を率いたり、料理教室を開催したり
なかなかそれなりの刑務所生活をしているのだった。
ラストに本物のバーニーとマージョリーの写真や、ジャック・ブラックがバーニーをインタビューし
ているところが映る。

胡散臭いのかな、財産目当てなのかな、と思わせておいて、実際に本当にいいやつだったみたいだ。
しかし、第一審で結審なのかな。上訴はしなかったのかな。住民は減刑嘆願などはしなかった
のだろうか。日本なら情状の酌量があり、執行猶予が付きそうな犯罪なのになあ・・・。

しかし、本作ジャック・ブラックの鼻の下にひげを蓄えた主人公の、人の良さの裏に何かありそうな
感じとか、バーニーのキャラクターをうまいこと出していて、魅力的だった。分かりやすいし、
好きなタイプの映画だ。まだ遺族も生きているだろうに、かなり辛辣な描き方をされているのも
大丈夫なのかな、と気になった。
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<ストーリー>
「テキサス州の田舎町カーセージ。葬儀社の助手として働くバーニー・ティーディ
(ジャック・ブラック)は、住民の誰からも愛される人気者だ。肉親を亡くした遺族への配慮と
気遣い、美しく繊細な遺体処理、よどみない葬儀の進行と演出、賛美歌の演奏、棺桶を
売り込む営業力まで全ての仕事ぶりが完璧で、葬儀のプロとして高く評価されているだけで
なく、町の美化運動を推進するなど市民活動への取り組みも献身的だった。

ある日、石油で莫大な財産を築いたドゥエイン・ニュージェントの葬儀を執り行ったバーニーは、
その遺産を相続した未亡人マージョリー(シャーリー・マクレーン)に出会う。
彼女は、高慢で頑固な性格で町中から嫌われ、友達は皆無、息子家族とも裁判沙汰となって
いる孤独な老女だった。バーニーはそんな彼女を気遣い、相談相手となって慰めるうち、
マージョリーに気に入られ、彼女の所有する会社の社員となって働くことになる。

数年後、銀行預金の管理までも任されるほどに信頼されるようになったバーニーだったが、
マージョリーの支配欲は次第にエスカレート、ついには彼が他の住民と交流することさえ
嫌がるようになっていく。理不尽な要望の数々に日夜振り回され続けたバーニーは
神経衰弱に陥り、ある日、マージョリーのわがままについカッとなって思わずアルマジロ
退治用の銃で彼女を撃ってしまう。バーニーはマージョリーの死体を物置の冷蔵庫に隠すと、
彼女が誰とも会いたがらないと言って全ての面会要求を拒絶、それまでとまったく変わらない
生活を続けるのだった。
以前よりも自由にマージョリーの金を使えるようになったバーニーは、教会をはじめ町の
施設や困っている人たちに資金を提供し続けるが、あまりにも長期間マージョリーの姿が
見えないのを不審に思った投資管理会社の担当者が地方検事ダニー・バック・デヴィッドソン
(マシュー・マコノヒー)に通報、検事は家宅捜索を行って冷蔵庫からマージョリーの死体を
発見する。バーニーは逮捕され、全てを自白して謝罪。
検事はこの事件を自分の大きな手柄として迫った再選に利用しようと、バーニーをより
凶悪な殺人者として喧伝、第一級殺人で起訴する。しかし、裁判が始まると町の住民たちは
誰もがバーニーを擁護し、殺人者であるはずの彼の無罪を求めるのだった……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちら>まで。
by jazzyoba0083 | 2014-10-21 22:55 | 洋画=は行 | Comments(0)

●「オン・ザ・ロード On The Road」
2012 ブラジル・フランスMK2, American Zoetrope,Jerry Leider Company.139min.
監督:ウォルター・サレス  製作総指揮:F・F・コッポラ  原作:ジャック・ケルアック「オン・ザ・ロード/路上」
出演:サム・ライリー、ギャレット・ヘドランド、クリスティン・スチュワート、エイミー・アダムス、
    トム・スターリッジ、キルスティン・ダンスト、ヴィゴ・モーテンセン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ビートニク世代に大きな影響を与えたケルアックの傑作「路上」を、コッポラが長年温め
ブラジルの監督に作らせた青春ロードムービー、という触れ込みなんだけど、お話は
そう単純じゃない。

私が観た第一印象は、ジャズエイジ・フラッパー世代と言われたフィッツジェラルドの
「華麗なるギャツビー」との相似形だ。時代はやや下り、1947年から50年初頭となるが、
先を急ぐ無軌道な人生と、対極にあるものとの対比の中で、時代の青春像、人生観を
提示している内容は、通底する部分があるな、と個人的には感じだのだ。

中で使われる音楽が、ジャズ、それもバップジェネレーションたちのもので、チャーリー・
パーカー、ディジー・ガレスピー、ビリー・ホリディなどが時代の、あるいは若者の雰囲気を
醸し出す素材として、ダンスシーンなどと共に使われる。ギャツビーの、チャールストンや
ブギウギと似て。

そうした中で、作家志望の青年サル・パラダイスが父親も亡くなり人生の目標を見失っていた
ところに現れた、ディーン・モリアーティという青年とアメリカ大陸を西から東、東から西へと
旅し、さまざまな出来事を出くわすなかで、自分を再発見し、素材としてのディーンに自分の
作家人生を見出すという、簡単にいうとそういう物語だ。

サルの周りには詩人のカーロらの文学仲間が集っていて、彼らもディーンの、破天荒で
自分の意志の赴くままに生きている姿に刺激をうけていく。しかし、ディーンの行方は
世間・社会とは相容れないわけで、歳を取り、家庭を持つに連れて、しがらみの中で
彼自身の生き方を見失っていく。

ギャツビーが終始東部を舞台にしていたのに比べ、本作は西に東にそしてメキシコへと
舞台がダイナミックに動く。ディーンは登場して来た時には16歳の妻メリールウを伴っていて
マリファナとセックスに明け暮れる自由人だった。彼はそのうち、カミールという女性と
結婚することにし、サンフランシスコに移る。そして子供が出来る。しかし家庭人としては
失格であり、カミールに別れを告げられる。
一方ディーンとともに自由気ままな旅を続けていたサルは、その時々の出来事をメモに書き留め
ていった。自らも綿摘みの日雇いに入り、そこで知り合った女性とつかの間の恋に落ちて
みたり、女房をルイジアナにおいてきてしまった友人と南部へいってみたり、その途中で同性愛
中年男と、ディーンのセックスを見てしまったり。メキシコに行ってマリファナとテキーラの狂乱の
中で赤痢にあって、ついてきたディーンに財布を取られて置いてきぼりを食らったり。

デューク・エリントンのコンサートに行こうとしていたサル(ネクタイをして髪を七三に分けている)
の前にサンフランにいるはずの(追い出した妻から詫びが来ていたが)ディーンが現れ、
「お前に会いたかった」という。すでにサルにはディーンから得るものはなく、作家人生という
社会的枠組みの中に入っていたのだ。

カットバックで示されるサルがディーンとの旅を綴った本を書くシーンが出てくるのだが、おそらく
売れたのだろう。こうして、サルとディーンは分かれていく。メリールウは水兵と結婚したという。
彼女もまた安定を求めていたのだ。
サンフランシスコに来て、カミールに2番めの子供が出来たところにサルが訪ねてきて二人で
ライブに行ってしまうのだが、これに怒ったカミールが「私も多くを捨てたわ」というところが
印象的。自由に行きたくても、捨てなくてはならないものがある。ディーンはそれが分かっている
のか、子供を二人も作って家庭人になろうというのなら、自由とのトレードオフは免れない、と
主張するのだ。
そういう時代との折り合いを付けられないディーンは、世間からステップアウトせざるを得ないと
いう悲しさ。

登場人物にはすべて実在のモデルがいて、サル=原作を書いたケルアックほか、ビートニクの
若者たち生きた終戦後から50年代初頭の、アメリカの青春の光と影が綴られていた。
原作を読んでいないのでよくわからないが、セックスシーンの描き方がちょっと今日的過ぎた感が
あった。もう少し時代感というものが出なかっただろうか。

長い映画であるが、自由人ディーンも、床屋だった父親を探すシークエンスもあり、これはこれで
何かのメタファーであるに違いない。見る人により、様々な感じかたが出来るわけで、観客は
自分のスタンスでそれを愉しめばいいと思う。

アメリカを横断するディーンの運転する「ハドソン」のスピードがまさにディーンの行き急ぐ人生を
象徴していた。そのハドソン車も50年代につぶれてしまうのも何かの象徴だろう。
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<プロダクションノート>
「ついに〈聖典〉が映画化された。ジャック・ケルアックが57年に発表した小説『路上』は、
〈ビート・ジェネレーション〉の幕開けを告げる名作として戦後のアメリカ文学を変えた
ばかりか、60年代に爆発するカウンター・カルチャーの導火線となった。

これまで何度も映画化が試みられたが実現はせず、60年にMGM がケルアックの初期
代表作『地下街の住人』を映画化して新世代の若者達=ビートニクを紹介したが、それは
保守的なハリウッドによって骨抜きにされたビートレスなビートニクだった。

今回、『路上』の映画化を粘り強く押し進めて来たのは、製作総指揮を務めた
フランシス・F・コッポラ。そして、コッポラが監督に抜擢したのは、ブラジル出身の
ウォルター・サレス監督だ。

映画はタイトルそのままに路上から始まる。ハイウエイを、砂利道を、いくつもの道を、
黙々と歩く脚のショット。ひたすら歩く、歩く、歩く……この冒頭のショットが映画のエッセンスを
明確に伝えている。〈移動すること〉、それは原作のテーマでもある。
歩いているのはケルアックの分身、サル・パラダイス。小説同様、映画もサルが中西部から
やって来た噂の男、ディーン・モリアーティに出会うところから始まる。でも、問題はそこからだ。
『路上』の映画化が実現されなかった最大の理由は、その独自の文体と構成が原因だった。
物語としての起承転結はなく、時間も場所も自由に横断する文体は、ケルアックが愛した
ジャズの即興演奏そのもの。それを映像としてどう表現するのか?

本作の企画が持ち上がってから、サレスは実に8年かけてリサーチを重ねたらしいが、その間、
サレスはケルアックが『路上』で旅した場所をすべて見て回り、可能な限り関係者に会って話を
訊いて、本作の撮影を始める前にドキュメンタリーまで作り上げた。
サレスはそうやって『路上』をいったん身体のなかに取り込んだうえで、ドキュメンタリー・タッチの
荒々しさで映画に力強いビートを刻み、様々なエピソードを歯切れ良く積み重ねながら、
サルとディーンの放浪の日々を描き出していく。躍動感溢れるストーリーテリングを大切にする
一方で緻密な編集のワザが光っていて、まるで『路上』のグルーヴをサレスがリミックスした
ような感触もあるが、そこで大きな役割を果たしているのが、グスタボ・サンタオラジャが
手掛けたサウンドトラックだ。
サンタオラジャがチャーリー・ヘイデンやブライアン・ブレイドとともに作り上げた濃厚な
ジャズ・スコア。さらにチャーリー・パーカーやビリー・ホリディ、サン・ハウスなど、ジャズや
ブルースのナンバーを散りばめて、映像とセッションするように音楽と映画が深く絡み合う。
なかでも、ケルアックが夢中になったスリム・ゲイラードの《Yep Roc Heresy》や、
ディジー・ガレスピー《Salt Peanuts》は映画の強烈なアクセントになっていて、この2曲で
踊り狂うサルとディーンの姿はライヴやクラブで踊る今の若者達と変わらない。

そうしたビートニク達の熱狂を捉えるエリック・ゴーティエの美しい映像も本作の大きな魅力だ。
光と影の豊かなニュアンスでアメリカの原風景を捉えたカメラは、ケルアックの奔放な文体に
潜む詩情をすくいとっている。どのショットも荒々しいがフォトジェニックで、ケルアックが序文を
寄せたロバート・フランクの写真集『The Americans』に通じる雰囲気もある。

そして、伝説のキャラクターを演じる俳優達の活き活きした演技。『コントロール』でイアン・
カーティスを演じたサム・ライリーがサルを熱演し、かつてケルアックがマーロン・ブランドに
演じてもらいたいと熱望したディーン役には、『トロン:レガシー』のギャレット・ヘッドランド。
鳴り物入りの大物俳優を迎えず、まだ色の着いていない若手を配したキャスティングは、
まだ何者でもなかった若者達の青春ドラマにはぴったりで、クリステン・スチュワートや
キルスティン・ダンスト、エイミー・アダムスといった女性陣が華を添える。
そんななか、ヴィゴ・モーテンセンが、オールド・ブル・リーことウィリアム・S・バロウズを雰囲気
たっぷりに演じているのも注目だ。」
(intoxicate vol.104(2013年6月20日発行号)text:村尾泰郎

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by jazzyoba0083 | 2014-10-20 23:40 | 洋画=あ行 | Comments(0)